(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060329
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】マッピング装置及び基板収容状態判定方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
H01L21/68 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167635
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 圭悟
(72)【発明者】
【氏名】宮下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】安田 克己
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131AA03
5F131CA18
5F131CA32
5F131HA28
5F131KA14
5F131KA43
5F131KA60
5F131KA63
5F131KB30
5F131KB45
5F131KB56
(57)【要約】
【課題】製造コストを抑えつつ、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も検出することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】ロードポート3は、複数の基板Bmを多段に収容するFOUP7と、FOUP7内に収容された各基板Bmを撮像するカメラ20,21であって、水平画角が広い低倍率の低倍率カメラ20と水平画角が狭い高倍率の高倍率カメラ21とを有するカメラ20,21と、低倍率カメラ20及び高倍率カメラ21からそれぞれ取得した撮像データC1m及び撮像データC2mに基づいて、各基板Bmの収容状態を検出するCPU11Aと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を多段に収容する容器と、
前記容器内に収容された各基板を撮像する撮像装置であって、第1撮像装置と前記第1撮像装置よりも水平画角が狭く高倍率の第2撮像装置とを有する撮像装置と、
前記第1撮像装置及び前記第2撮像装置からそれぞれ取得した第1撮像データ及び第2撮像データに基づいて、前記各基板の収容状態を検出するコントローラと、
を備える、
マッピング装置。
【請求項2】
前記撮像装置は、前記容器の開口を全閉状態から全開状態まで昇降移動するドアの上に設けられる、
請求項1に記載のマッピング装置。
【請求項3】
前記容器は、各段に複数本のポールを有し、前記複数本のポールにより各段の前記基板を支え、
前記撮像装置は、前記複数本のポールを撮像可能な水平画角を有する、
請求項1又は2に記載のマッピング装置。
【請求項4】
前記第1撮像装置は、前記複数本のポールのうち、最も外側に位置する1本のポールを除いたポール周辺を撮像し、
前記第2撮像装置は、前記最も外側に位置する1本のポール周辺を撮像する、
請求項3に記載のマッピング装置。
【請求項5】
第1撮像装置と第2撮像装置によって、容器に収容された基板を撮像し、前記基板の収容状態を判定する基板収容状態判定方法であって、
前記第1撮像装置は、前記第2撮像装置よりも広い第1領域を撮像し、前記第2撮像装置は、前記第1撮像装置よりも狭い第2領域を前記第1撮像装置よりも高倍率で撮像し、
前記第1撮像装置で取得したデータに基づいて、前記第1領域に存在する前記基板のクロス状態を検知する第1状態検知工程と、
前記第2撮像装置で取得したデータに基づいて、前記第2領域に存在する前記基板のクロス状態と前記基板の厚みとを検知する第2状態検知工程と、
前記第1状態検知工程と前記第2状態検知工程の検知結果を基に、前記基板の収容状態を判定する収容状態判定工程と、
を含む、基板収容状態判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、容器内に収容された基板の収容状態を検出する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の基板を多段に収容する容器内に連通する開口部を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で昇降移動するドア部に一体的に設けられ、容器内のそれぞれの段に収容された基板の状態を検出するマッピングセンサを備え、マッピングセンサは、基板に向けて撮像用の光を照射する発光部と、発光部によって照明された照明領域内を撮像して撮像画像を取得する撮像部を有するロードポートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のロードポートは、検出対象の基板の厚さについて言及していないが、例えば、0.2mm程度の厚さの基板の収容状態、特に容器内の1段に2枚の基板が重なった状態で収容されていること(以下「ダブルの状態」という)を検出する場合、基板の厚みを検出する必要がある。この場合、例のような薄い基板を検知するためには撮像倍率を大きくする必要がある。
【0005】
しかし、撮像倍率を大きくすると(水平)画角は狭くなるので、基板全体を撮像できなくなる。そのため、基板の一部が異なる段に収容されていること(以下「クロスの状態」という)を検出することが困難になる虞がある。また、撮像倍率を大きくせずにダブルの状態とクロスの状態を1つの撮像部で検出する場合、高解像度の撮像部を用意する必要がある。例えば、0.2mmの厚さの基板がダブルの状態であることを検出するには、1画素当たり0.2mm未満の領域を写す程度の解像度が必要になる。
【0006】
したがって、特許文献1に記載のロードポートのように、ダブルの状態とクロスの状態を1台のマッピングセンサで検出するためには、基板全体を撮像でき、かつダブルの状態と正常の状態とを判別できる程の高い解像度を有する撮像部を有するマッピングセンサを用いなければならないので、ロードポート全体の製造コストが増大する。
【0007】
本願は、製造コストを抑えつつ、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も検出することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願のマッピング装置は、複数の基板を多段に収容する容器と、容器内に収容された各基板を撮像する撮像装置であって、第1撮像装置と第1撮像装置よりも水平画角が狭く高倍率の第2撮像装置とを有する撮像装置と、第1撮像装置及び第2撮像装置からそれぞれ取得した第1撮像データ及び第2撮像データに基づいて、各基板の収容状態を検出するコントローラと、を備える、ことを特徴とする。
【0009】
これにより、画素数が特別大きい撮像装置を使用しないので、製造コストを抑えつつ、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も検出することが可能となる。
【0010】
また、撮像装置は、容器の開口を全閉状態から全開状態まで昇降移動するドアの上に設けられるようにしてもよい。
【0011】
これにより、ドアを開閉する昇降動作に合わせて撮像装置を昇降移動させることができるので、撮像装置を昇降移動させる専用の装置を設けなくてもよい。このため、マッピング装置全体の製造コストをさらに抑えることができる。
【0012】
また、容器は、各段に複数本のポールを有し、複数本のポールにより各段の基板を支え、撮像装置は、複数本のポールを撮像可能な水平画角を有するようにしてもよい。
【0013】
これにより、撮像装置は、複数本のポールにより支えられた各段の基板全体を撮像することができるので、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も的確に検出することが可能となる。
【0014】
また、第1撮像装置は、複数本のポールのうち、最も外側に位置する1本のポールを除いたポール周辺を撮像し、第2撮像装置は、第1撮像装置で除いた、最も外側に位置する1本のポール周辺を撮像するようにしてもよい。
【0015】
これにより、第2撮像装置として、水平画角が狭い高倍率の安価な撮像装置を用いることができるので、マッピング装置全体の製造コストをさらに抑えることができる。
【0016】
上記目的を達成するため、本願の基板収容状態判定方法は、第1撮像装置と第2撮像装置によって、容器に収容された基板を撮像し、基板の収容状態を判定する基板収容状態判定方法であって、第1撮像装置は、第2撮像装置よりも広い第1領域を撮像し、第2撮像装置は、第1撮像装置よりも狭い第2領域を第1撮像装置よりも高倍率で撮像し、第1撮像装置で取得したデータに基づいて、第1領域に存在する基板のクロス状態を検知する第1状態検知工程と、第2撮像装置で取得したデータに基づいて、第2領域に存在する基板のクロス状態と基板の厚みとを検知する第2状態検知工程と、第1状態検知工程と第2状態検知工程の検知結果を基に、基板の収容状態を判定する収容状態判定工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0017】
これにより、画素数が特別大きい撮像装置を使用しないので、製造コストを抑えつつ、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本願の一実施形態に係るロードポートの側断面図である。
【
図2】
図1の状態よりFOUPの蓋部とともに扉部を下方に移動させた状態を示す側断面図である。
【
図3】
図1中のカメラと照明と被撮像対象の基板との位置関係の一例を示す図である。
【
図4】
図1のロードポートの制御構成を示すブロック図である。
【
図5】
図3のコントローラ、特にCPUが実行する基板の収容状態判定処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図5の基板の収容状態判定処理に含まれる基板の収容異常検出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図5の基板の収容状態判定処理により基板の収容状態をどのように判定するかを説明するための図である。
【
図8】基板の各種収容状態と判定された収容異常との一例を示す図である。
【
図9】基板検出エリアに代えて基板検出ラインにより基板の収容状態を判定する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本願の一実施形態に係るロードポート3(「マッピング装置」の一例)の側断面を示している。ロードポート3は、基板(本実施形態では、角型基板)に対して各種処理を行う半導体製造装置(図示せず)に組み付けられて使用され、複数の基板を収容するFOUP(Front-Opening Unified Pod)7と半導体製造装置との間のインターフェース部分の役割を果たしている。なお、各図において、方向に言及するときには、各図に示される矢印の方向を用いるものとする。
【0021】
ロードポート3は、キャスタ及び設置脚の取り付けられる脚部35の後方よりパネル31を略垂直に起立させ、このパネル31の約60%程度の高さ位置より前方に向けて水平基部33が設けられている。そして、この水平基部33の上部には、FOUP7を載置するための載置台34が設けられている。
【0022】
FOUP7は、基板を収容するための内部空間Sfを備えた本体71と、基板の搬出入口となるべく本体71の一面に設けられた開口71aを閉止可能な蓋部72とから構成されており、載置台34に正しく載置された場合には蓋部72がパネル31と対向するようになっている。なお、載置台34は、FOUP7を載置した状態で、前後方向に移動することが可能となっている。
【0023】
ロードポート3は開口42を開閉するための開閉機構6を備えている。開閉機構6は、開口42を開閉するための扉部61と、これを支持するための支持フレーム63と、この支持フレーム63をスライド支持手段64を介して前後方向に移動可能に支持する可動ブロック65と、この可動ブロック65をパネル本体31bに対して上下方向に移動可能に支持するスライドレール66を備えている。支持フレーム63は、扉部61の後部下方を支持するものであり、下方に向かって延在した後に、パネル本体31bに設けられたスリット状の挿通孔31dを通過してパネル本体31bの前方に向かって張り出した略クランク状の形状をしている。そして、この支持フレーム63を支持するためのスライド支持手段64、可動ブロック65及びスライドレール66はパネル本体31bの前方に設けられている。
【0024】
さらに、扉部61の前後方向への移動及び上下方向への移動を行わせるためのアクチュエータ5(
図4参照)が、各方向毎に設けられており、これらにコントローラ11からの駆動指令を与えることで、扉部61を前後方向及び上下方向に移動させることができるようになっている。
【0025】
扉部61は、FOUP7の蓋部72を開閉するためのラッチ操作や、蓋部72の保持を行うための連結手段(図示せず)を備えている。この連結手段では、蓋部72のラッチを操作することで蓋部72を開放可能な状態とするとともに、蓋部72を扉部61に連結して一体化した状態とすることができる。また、これとは逆に、蓋部72と扉部61との連結を解除するとともに、蓋部72を本体71に取付けて閉止状態とすることもできる。
【0026】
さらに、連結手段を動作させることで、蓋部72と扉部61との連結を保ったまま、蓋部72を本体71より取り外し可能とするとともに、扉部61により蓋部72を一体的に保持させた状態とする。この状態より、支持フレーム63とともに扉部61を後方に向かって移動させる。こうすることで、FOUP7の蓋部72を本体71より離間させて内部空間Sfを開放することができる。
【0027】
そして、
図2に示すように、支持フレーム63とともに扉部61を下方に移動させる。こうすることで、FOUP7の搬出入口としての開口71aの後方を大きく開放することができ、FOUP7と上記半導体製造装置との間で基板の移動を行うことが可能となる。以上、FOUP7の開口71aを開放する際の動作を説明したが、FOUP7の開口71aを閉止する際には、以上の動作と逆の動作を行わせればよい。
【0028】
扉部61の上端縁部には、
図3に示すように、2台のカメラ20,21が、扉部61と一体的に固定されている。具体的には、右側のカメラ20は、扉部61の上端縁部の右端から略1/3の位置に、左側のカメラ21は、扉部61の上端縁部の左端近傍に、例えば公知の締結手段(図示せず)等によって固定されている。したがって、
図1に示すように、カメラ20,21は、扉部61が開口42を閉止状態としているとき、つまりFOUP7の開口71aが閉止状態となっているとき、FOUP7に収容されている複数の基板のうち、最上位に収容されている基板よりも上方に配置されている。
【0029】
FOUP7の内部空間Sfの前側の壁面71bには、段毎に3本のポールP1~P3が水平方向後方に張り出して固定されている。そして、これら3本のポールP1~P3により1枚の基板Bが支持されるので、FOUP7の内部空間Sfには、複数の基板Bを多段に収容することができる。
【0030】
右側のポールP1(以下「右ポールP1」という)は、内部空間Sfの右側の壁面71cの近傍に、その壁面71cに沿って設けられ、左側のポールP3(以下「左ポールP3」という)は、内部空間Sfの左側の壁面71dの近傍に、その壁面71dに沿って設けられている。そして、右ポールP1と左ポールP3との間に位置するポールP2は、前側の壁面71bの水平方向略中央部に設けられている。以下、ポールP2を「中央ポールP2」という。右ポールP1の長さは、右側の壁面71cの前後方向の長さと略同一であり、左ポールP3の長さは、左側の壁面71dの前後方向の長さと略同一である。つまり、右ポールP1と左ポールP3の長さは、略同一に設定されている。これに対して、中央ポールP2の長さは、右ポールP1及び左ポールP3の長さより短く設定されている。これは、基板BをFOUP7内に収容したり、FOUP7外に取り出したりするときに、ロボットを用いて行う場合、中央ポールP2がロボットの動作の邪魔にならないようにするためである。
【0031】
右側のカメラ20は、水平画角が広い低倍率のカメラ(以下「低倍率カメラ」という)であり、左側のカメラ21は、水平画角が狭い高倍率のカメラ(以下「高倍率カメラ」という)である。低倍率カメラ20としては、右ポールP1近傍から中央ポールP2近傍までの領域を撮像できるカメラを採用し、高倍率カメラ21としては、左ポールP3近傍を撮像できるカメラを採用している。これにより、低倍率カメラ20及び高倍率カメラ21により、右ポールP1近傍から左ポールP3近傍までの範囲を撮像できるようにしている。なお、高倍率カメラ21として、水平画角が狭いものを採用したのは、高倍率であるが安価なカメラを採用して、ロードポート3全体の製造コストを抑えるためである。低倍率カメラ20のスペックは、例えば、水平画角:125°、解像度:120万画素であり、高倍率カメラ21のスペックは、例えば、水平画角:32°、解像度:120万画素である。
【0032】
扉部61の上端縁部の低倍率カメラ20を挟んだ左右両側には、一対の照明22が固定されている。また、扉部61の上端縁部の、平面視高倍率カメラ21を含む位置には、照明23が固定されている。なお、照明22も照明23も、本実施形態では、例えば複数のLED素子を線状に配置した照明を用いて幅広状に形成されている。このように照明22と照明23とで照明の幅を異ならせたのは、低倍率カメラ20は広い水平画角を有するため、幅の広い一対の照明22により広い撮像エリアを照らす必要があるのに対して、高倍率カメラ21は狭い水平画角を有するため、幅の狭い照明23により狭い撮像エリアを照らせば足りるからである。このように本実施形態では、LED素子を用いて幅広状に形成された照明22,23を採用したが、これに限らず、さらに上下方向にも幅を持った照明を採用してもよい。このような照明を採用した場合、被写体である基板Bの後側側端面で照明の光が正反射して、後側側端面からの反射光がカメラ20,21に向かわず、カメラ20,21で基板Bを検出できない状態を可及的に抑制することができる。
【0033】
2台のカメラ20,21は、扉部61が後方に向けて水平移動し、その後に下方に向けて移動するときに、コントローラ11によりFOUP7内に収容された各基板Bを撮影するように制御されている。
【0034】
図4は、ロードポート3の制御構成を示している。ロードポート3は、制御装置10を備え、制御装置10は、コントローラ11と、モータドライバ12とを備えている。コントローラ11は、モータドライバ12と接続され、モータドライバ12は、アクチュエータ5を構成する電磁モータ51と接続されている。また、コントローラ11は、低倍率カメラ20及び高倍率カメラ21と接続されている。
【0035】
コントローラ11は、CPU11Aとメモリ11Bを有する。メモリ11Bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなどを含み、制御や処理に係わる情報を保存等する。また、メモリ11Bは、後述する基板の収容状態判定処理(
図5参照)を含む各種制御処理を実行する制御プログラムなどを記憶している。CPU11Aは、メモリ11Bに記憶された各種制御プログラムを実行することにより、ロードポート3の各種制御を行う。
【0036】
コントローラ11は、ロードポート3の各種制御を行う過程で、モータドライバ12を介して電磁モータ51を制御する。電磁モータ51は、本実施形態では、アクチュエータ5が扉部61を上下方向へ移動させる際の動力源として使用される。電磁モータ51として、例えば、ステッピングモータを採用した場合、コントローラ11は、モータドライバ12に対してパルス信号を供給する。モータドライバ12は、入力されたパルス信号のパルス数に応じた回転角度となるようにステッピングモータの回転軸を制御する。したがって、コントローラ11は、モータドライバ12に供給したパルス信号のパルス数を積算すれば(マイナス値の積算も含む)、扉部61の上下方向の現在位置を間接的に知ることができる。これにより、コントローラ11は、カメラ20,21の現在位置も知ることができるので、カメラ20,21による撮像を、扉部61が開口42を全閉状態から全開状態にするまでの任意の位置で行うことが可能となる。
【0037】
カメラ20,21が撮像して得た撮像データは、カメラ20,21からコントローラ11へ送信される。コントローラ11は、カメラ20,21から受信した撮像データをメモリ11Bに一時的に保存する。そして、コントローラ11は、メモリ11Bに保存された撮像データに対して画像処理を行い、各段に収容された各基板Bが収容異常であるか否かを判定する。収容異常とは、本実施形態では、上記ダブルの状態及び上記クロスの状態に加え、基板Bが収容されていない状態(以下「空の状態」)を意味する。なお、空の状態は、収容異常と判定せず、空の状態であることを記録しておくようにしてもよい。
【0038】
以上のように構成されたロードポート3が実行する制御処理を、
図5~
図8に基づいて詳細に説明する。
図5は、コントローラ11、特にCPU11Aが実行する基板の収容状態判定処理の手順を示している。基板の収容状態判定処理は、FOUP7から基板Bの搬送が始まる前などのタイミングで開始される。以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0039】
図5において、まずCPU11Aは、FOUP7内に収容されている基板Bを上段から順に1段ずつ数えていくためのカウンタmを初期値“1”に設定する(S10)。
【0040】
次にCPU11Aは、基板Bmの収容位置に到達したか否かを判断する(S12)。ここで、基板Bmの収容位置とは、3本のポールP1~P3が設計上の取付位置に取り付けられているとしたときに基板Bmが収容される位置である。なお、基板Bmの厚みが非常に薄い場合、基板Bmの収容位置と3本のポールP1~P3の設計上の取付位置とは、略等価であるので、S12の判断は、第m段の3本のポールP1~P3の設計上の取付位置に到達したか否かを判断することと略同一である。
【0041】
上記S12の判断において、カメラ20の撮像位置がまだ基板Bmの収容位置に到達しなければ(S12:NO)到達するまで待機し、カメラ20の撮像位置が基板Bmの収容位置に到達すると(S12:YES)、CPU11Aは、その位置でカメラ20,21に対して撮像を指示する(S14)。
【0042】
そして、CPU11Aは、低倍率カメラ20が撮像して得た撮像データC1mを低倍率カメラ20から取得し(S16)、例えば、メモリ11Bに一時的に保存する。同様にしてCPU11Aは、高倍率カメラ21が撮像して得た撮像データC2mを高倍率カメラ21から取得し(S18)、例えば、メモリ11Bに一時的に保存する。
【0043】
次にCPU11Aは、基板の収容異常検出処理を実行する(S20)。
図6は、基板の収容異常検出処理の詳細な手順を示している。
図6において、まずCPU11Aは、撮像データC2mからダブルの状態を判定する(S40)。
【0044】
図7は、基板が正常でない状態、つまり異常な状態で収容されている一例を示している。そして、
図7(a)は、基板B01の上に基板B02が重なった状態、つまりダブルの状態で収容されている様子を示し、
図7(b)は、基板B1の右端部が右ポールP1の下側に位置している状態、つまりクロスの状態で収容されている様子を示し、
図7(c)は、基板B2の左端部が左ポールP3の下側に位置している状態、つまりクロスの状態で収容されている様子を示している。
【0045】
図7中、領域200は、低倍率カメラ20の撮像領域を示し、領域210は、高倍率カメラ21の撮像領域を示している。以下、領域200を「第1撮像領域200」といい、領域210を「第2撮像領域210」という。また、第1撮像領域200には、基板Bが右ポールP1の上側に位置しているか、下側に位置しているか、つまりクロスの状態を検出するための領域である第1検出領域201と、基板Bが中央ポールP2の上側に位置しているか、下側に位置しているか、つまりクロスの状態を検出するための領域である第2検出領域202とが設けられている。さらに、第2撮像領域210にも、第3検出領域211が設けられているが、第3検出領域211は、主として、基板Bがダブルの状態で収容されていることを検出するために用いられる。ただし、第1検出領域201及び第2検出領域202によってクロスの状態を検出できなかった場合には、第3検出領域211を用いて、クロスの状態を検出するようにしている。
【0046】
上記S40の判定では、CPU11Aは、撮像データC2mのうち、第3検出領域211に含まれる部分データから基板Bmの厚みを検出し、検出した基板Bmの厚みが1枚分の基板Bの厚みを超えている場合、基板Bmはダブルの状態と判定する。一方、検出した基板Bmの厚みが1枚分の基板Bの厚みと略同じ場合、CPU11Aは、基板Bはダブルの状態でないと判定する。
図7(a)は、上述のように基板B01の上に基板B02が重なった状態を示しているので、撮像データC2mが
図7(a)に示す基板B01,B02を撮像したものである場合、CPU11Aは、基板B01,B02はダブルの状態と判定する。
【0047】
次にCPU11Aは、ダブルの状態が検出されたか否かを判断する(S42)。この判断において、ダブルの状態が検出された場合(S42:YES)、CPU11Aは、基板Bmがダブルの状態であることを上記メモリ11Bに記憶した(S44)後、基板の収容異常検出処理を終了する。一方、S42の判断において、ダブルの状態が検出されなかった場合(S42:NO)、CPU11Aは、撮像データC1mからクロスの状態を判定する(S46)。具体的には、CPU11Aは、撮像データC1mのうち、第1検出領域201に含まれる部分データから基板Bmが右ポールP1の上側に位置しているか、下側に位置しているかを検出する。例えば、CPU11Aは、事前に取得した右ポールP1の位置(この位置は、設計位置であるので、既知である)と第1検出領域201に含まれる部分データから検出した基板Bmの位置とを比較することで、基板Bmが右ポールP1の上側に位置しているか、下側に位置しているかを検出することができる。この検出により、基板Bが右ポールP1の下側に位置していることが検出された場合、CPU11Aは、基板Bmはクロスの状態であると判定する。
図7(b)は、上述のように基板B1が右ポールP1の下側に位置しているので、撮像データC1mが
図7(b)に示す基板B1を撮像したものである場合、CPU11Aは、基板B1はクロスの状態と判定する。なお、各ポールP1~P3の位置には公差が認められているので、各ポールP1~P3の設計上の位置と実際の位置との間にはずれが生じる場合がある。この場合には、例えばパターンマッチングなどにより実際の各ポールP1~P3の位置を検出するようにすればよい。
【0048】
これに対して、CPU11Aが撮像データC1mのうち、第1検出領域201に含まれる部分データから基板Bmが右ポールP1の上側に位置していることを検出した場合、さらにCPU11Aは、撮像データC1mのうち、第2検出領域202に含まれる部分データから基板Bmが中央ポールP2の上側に位置しているか、下側に位置しているかを検出する。この検出により、基板Bが中央ポールP2の下側に位置していることが検出された場合、CPU11Aは、基板Bmはクロスの状態であると判定する。
【0049】
次にCPU11Aは、クロスの状態が検出されたか否かを判断する(S48)。この判断において、クロスの状態が検出された場合(S48:YES)、CPU11Aは、基板Bmがクロスの状態であることをメモリ11Bに記憶した(S50)後、基板の収容異常検出処理を終了する。一方、S48の判断において、クロスの状態が検出されなかった場合(S48:NO)、CPU11Aは、撮像データC2mも加味して、クロスの状態を判定する(S52)。具体的には、CPU11Aは、撮像データC2mのうち、第3検出領域211に含まれる部分データから基板Bmが左ポールP3の上側に位置しているか、下側に位置しているかを検出する。この検出により、基板Bが左ポールP3の下側に位置していることが検出された場合、CPU11Aは、基板Bmはクロスの状態であると判定する。
図7(c)は、上述のように基板B2が左ポールP3の下側に位置しているので、撮像データC2mが
図7(c)に示す基板B2を撮像したものである場合、CPU11Aは、基板B2はクロスの状態と判定する。
【0050】
次にCPU11Aは、クロスの状態が検出されたか否かを判断する(S54)。この判断において、クロスの状態が検出された場合(S54:YES)、CPU11Aは、処理を上記S50に進め、基板Bmがクロスの状態であることをメモリ11Bに記憶した後、基板の収容異常検出処理を終了する。一方、S54の判断において、クロスの状態が検出されなかった場合(S54:NO)、CPU11Aは、撮像データC1m,C2mから上記空の状態を判定する。具体的には、CPU11Aは、撮像データC1mのうち、第1検出領域201及び第2検出領域202にそれぞれ含まれる部分データに基板Bmが写ってるか否かを判定するとともに、撮像データC2mのうち、第3検出領域211に含まれる部分データに基板Bmが写っているか否かを判定し、第1~第3検出領域201,202,211にそれぞれ含まれる部分データのいずれにも基板Bmが写っていない場合、空の状態と判定する。
【0051】
次にCPU11Aは、空の状態が検出されたか否かを判断する(S58)。この判断において、空の状態が検出された場合(S58:YES)、CPU11Aは、第m段が空の状態であることをメモリ11Bに記憶した(S60)後、基板の収容異常検出処理を終了する。一方、S58の判断において、空の状態が検出されなかった場合(S58:NO)、CPU11Aは、基板の収容異常検出処理を終了する。
【0052】
図5に戻り、CPU11Aは、カウンタmのカウント値を“1”だけ進めた(S22)後、FOUP7内に収容されている全基板Bmに対する撮像が終了したか否かを判断する(S24)。この判断において、まだ撮像すべき基板Bが残っている場合には(S24:NO)、CPU11Aは、処理を上記S12に戻して、S12以降の処理を繰り返す。一方、全基板Bmに対する撮像が終了した場合には(S24:YES)、CPU11Aは、処理をS26に進める。
【0053】
S26では、CPU11Aは、基板の収容異常が検出されたか否かを判断する。具体的には、CPU11Aは、メモリ11Bにダブルの状態、クロスの状態及び空の状態のいずれかが記憶されている場合、基板Bの収容異常が検出されたと判断し、メモリ11Bにいずれの状態も記憶されていない場合、基板Bの収容異常が検出されなかったと判断する。S26の判断において、基板の収容異常が検出された場合(S26:YES)、CPU11Aは、収容異常が検出された基板(この基板がどの基板であるかは、収容異常の種類と一緒にメモリ11Bに記憶されている)を特定して報知した(S28)後、基板の収容状態判定処理を終了する。なお、報知の態様は、ロードポート3にディスプレイ(図示せず)が備わっていれば、そのディスプレイに表示する態様で報知するようにしてもよいし、音声機能が備わっていれば、その音声機能を用いて音声で伝える態様で報知するようにしてもよい。要するに、ロードポート3のオペレータに報知できる態様であれば、どのような態様で知らせるようにしてもよい。
【0054】
一方、S26の判断において、基板の収容異常が検出されなかった場合(S26:NO)、CPU11Aは、基板の収容状態判定処理を終了する。
【0055】
上記
図7(a)~
図7(c)に示した各例ではいずれも、第1~第3検出領域201,202,211に含まれる部分データから基板Bを検出することができたので、基板BがFOUP7内に異常な状態で収容されているか、正常な状態で収容されているかを明確に判定することができた。しかし、基板Bの材質によっては、クロスの状態で収容されている場合、基板Bが大きく撓み、被写体である基板Bの後側側端面が第1~第3検出領域201,202,211のうち、いずれか2領域、あるいは1領域の外に位置することがある。
図8は、基板Bが大きく撓んだ状態で、クロスの状態を判定した一例を示している。
図8において、最上段に示される3例は、第1~第3検出領域201,202,211のうちのいずれか1領域でのみ基板Bの後側側端面が検出され、他の2領域では基板Bの後側側端面が検出されなかった例を示している。この3例では、基板Bの後側側端面が検出された1領域における3本のポールP1~P3のいずれか1本との位置関係は、基板Bの後側側端面の方が上側にあるので、クロスの状態と判定することができる。
【0056】
また、
図8において、第2段に示される3例は、第1~第3検出領域201,202,211のうちのいずれか2領域で基板Bの後側側端面が検出され、他の1領域では基板Bの後側側端面が検出されなかった例を示している。この3例では、基板Bの後側側端面が検出された2領域における3本のポールP1~P3のいずれか2本との位置関係は、基板Bの後側側端面の方が上側にあるので、クロスの状態と判定することができる。
【0057】
さらに、
図8において、最下段に示される1例は、第1~第3検出領域201,202,211のうちのいずれの領域でも基板Bの後側側端面が検出されなかった例を示している。この1例では、当然ながら空の状態と判定される。
【0058】
以上説明したクロスの状態の判定方法は、基板Bの後側側端面が3本のポールP1~P3の上側及び下側のうち、どちら側に位置するかにより行う第1判定方法であるが、この他に、第2判定方法と第3判定方法を挙げることができる。
【0059】
第2判定方法は、正しく収容された状態の基板Bの後側側端面の位置と、クロスの状態の基板Bの後側側端面の位置との差分を検出し、この差分によってクロスの状態を判定する。これは、正しく収容された状態とクロスの状態とでは、基板Bの後側側端面が異なるので、この差分を利用して正常状態とクロスの状態とを判定しようとするものである。
【0060】
第3判定方法は、第1~第3検出領域201,202,211に対し、基板Bの後側側端面を検出した領域数によってクロスの状態を判定する。クロスの状態で収容されている場合(基板Bが3本のポールP1~P3のうちの少なくとも1本に掛け違えている場合)、撮像位置と掛け違えているポール近傍の基板Bの後側側端面の位置(高さ)は異なる。このとき、基板Bの素材によっては後側側端面で照明22,23の光が正反射するため、後側側端面からの反射光がカメラ20,21に向かわず基板Bを検出できないことがある。そのため、第1判定方法と第2判定方法でクロスの状態を判定しようとしても、基板Bそのものを検出できないので、クロスの状態を判定できない。カメラ20,21や照明22,23を設置できる位置は設計上限定されるため、基板Bの後側側端面からの反射光をカメラ20,21へ向かうように照明22,23を下方に延ばすなどの設置の構成による対策には限界がある。
【0061】
クロスの状態で収容されている場合、3本のポールP1~P3のうち、少なくとも1本には基板Bが正しく設置される。そのポール近傍での基板Bの後側側端面の位置の変化は少ないので、第1~第3検出領域201,202,211のうち、少なくとも1つの検出領域で基板Bを検出できる。そのため、第1判定方法又は第2判定方法で基板Bを検出できない検出領域があった場合、第3判定方法を用いてクロスの状態を判定する。
【0062】
第3判定方法では、第1~第3検出領域201,202,211のうち、1つ又は2つの検出領域で基板Bを検出できた場合、クロスの状態と判定することができる。検出領域の数が0の場合、その段は空の状態と判定する。ただし、この第3判定方法では、正常に収容されているか否かを判定することはできない(正常に収容されている場合、既に第1判定方法又は第2判定方法で判定されている)。なお、クロスの状態によって基板Bの後側側端面の位置が検出領域外となった場合でも、同様の方法でクロスの状態を判定できる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態のロードポート3は、複数の基板Bmを多段に収容するFOUP7と、FOUP7内に収容された各基板Bmを撮像するカメラ20,21であって、水平画角が広い低倍率の低倍率カメラ20と水平画角が狭い高倍率の高倍率カメラ21とを有するカメラ20,21と、低倍率カメラ20及び高倍率カメラ21からそれぞれ取得した撮像データC1m及び撮像データC2mに基づいて、各基板Bmの収容状態を検出するCPU11Aと、を備える。
【0064】
このように本実施形態のロードポート3では、水平画角が広い低倍率の低倍率カメラ20と水平画角が狭い高倍率の高倍率カメラ21とを有し、低倍率カメラ20及び高倍率カメラ21からそれぞれ取得した撮像データC1m及び撮像データC2mに基づいて、各基板Bmの収容状態を検出するようにしたので、製造コストを抑えつつ、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も検出することが可能となる。
【0065】
ちなみに、本実施形態において、「マッピング装置」の一例である。FOUP7は、「容器」の一例である。カメラ20,21は、「撮像装置」の一例である。低倍率カメラ20は、「第1撮像装置」の一例である。高倍率カメラ21は、「第2撮像装置」の一例である。撮像データC1mは、「第1撮像データ」の一例である。撮像データC2mは、「第2撮像データ」の一例である。CPU11Aは、「コントローラ」の一例である。
【0066】
また、カメラ20,21は、FOUP7の開口41を全閉状態から全開状態まで昇降移動する扉部61の上に設けられる。
【0067】
これにより、扉部61を開閉する昇降動作に合わせてカメラ20,21を昇降移動させることができるので、カメラ20,21を昇降移動させる専用の装置を設けなくてもよい。このため、ロードポート3全体の製造コストをさらに抑えることができる。
【0068】
また、FOUP7は、各段mに複数本のポールP1~P3を有し、複数本のポールP1~P3により各段mの基板Bmを支え、カメラ20,21は、複数本のポールP1~P3を撮像可能な水平画角を有する。
【0069】
これにより、カメラ20,21は、複数本のポールP1~P3により支えられた各段mの基板Bm全体を撮像することができるので、ダブルの状態及びクロスの状態のいずれの収容状態も的確に検出することが可能となる。
【0070】
また、低倍率カメラ20は、複数本のポールP1~P3のうち、最も外側に位置する1本のポールP3を除いたポールP1,P2周辺を撮像し、高倍率カメラ21は、最も外側に位置する1本のポールP3周辺を撮像する。
【0071】
これにより、高倍率カメラ21として、水平画角が狭い高倍率の安価なカメラを用いることができるので、ロードポート3全体の製造コストをさらに抑えることができる。
【0072】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0073】
(1)上記実施形態では、基板Bを収容する容器として、FOUP7を用いたが、例えば、FOSB(Front Opening Shipping Box)やオープンカセット等の他の容器であってもよい。
【0074】
(2)上記実施形態では、電磁モータ51として、ステッピングモータを例に挙げて説明したが、これに限らず、サーボモータを採用してもよい。この場合、エンコーダから取得した情報に基づいて、扉部61の上下方向の現在位置を間接的に知るようにすればよい。また、扉部61の上下方向の現在位置を直接的に検知する、例えばセンサ等が設けられている場合には、そのセンサからの出力に基づいて、カメラ20,21の現在位置を算出するようにしてもよい。
【0075】
(3)上記実施形態では、第1~第3検出領域201,202,211として、矩形状の領域を採用したが、これに限らず、
図9に示すように、ライン状の第1~第3検出ライン201a,202a,211aを採用して、基板B2と3本のポールP1~P3との位置関係を検出するようにしてもよい。
【0076】
(4)上記実施形態では、ポールの本数を3本としたが、これに限らず、基板Bのサイズや材質に応じて2本でもよいし、4本以上であってもよい。
【0077】
(5)上記実施形態では、FOUP7内に収容される基板Bの厚みはすべて同じとしたが、これに限らず、様々な厚み(例えば、0.2~3.2mm)の基板が混載されるとしてもよい。また、処理工程を経ることによって基板の厚みが変化する場合もある得る。このような場合、FOUPのIDをロードポートで読み取り、上位システム等のデータベースにアクセスして、FOUPの各スロットに入っている基板の厚みデータを取得し、ダブル検知の際の閾値として用いるようにすればよい。
【符号の説明】
【0078】
3…ロードポート、5…アクチュエータ、6…開閉機構、7…FOUP、10…制御装置、11…コントローラ、11A…CPU、11B…メモリ、12…モータドライバ、20,21…カメラ、20…低倍率カメラ、21…高倍率カメラ、51…電磁モータ、61…扉部。