(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060348
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】アクセスポイント制御システム、アクセスポイント、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20240424BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20240424BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240424BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240424BHJP
H04W 72/04 20230101ALI20240424BHJP
H04W 92/20 20090101ALI20240424BHJP
【FI】
H04W76/10
G01S5/02 Z
H04W64/00 110
H04W84/12
H04W64/00 173
H04W72/04
H04W92/20 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167670
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】岸田 昌巳
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062CC07
5J062CC11
5J062CC18
5J062DD23
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD57
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ11
5K067JJ53
5K067JJ54
(57)【要約】
【課題】アクセスポイントの位置の設定が容易なアクセスポイント制御システムを提供する。
【解決手段】アクセスポイント制御システムは、第1アクセスポイントであって、第1アクセスポイントの位置を記憶する位置記憶部、を備える第1アクセスポイントと、第2アクセスポイントであって、第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び第1アクセスポイントの位置に基づいて、第2アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、第2アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、を備える第2アクセスポイントと、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置を記憶する位置記憶部、
を備える第1アクセスポイントと、
第2アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第1アクセスポイントの位置に基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記第2アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、
を備える第2アクセスポイントと、
を備えるアクセスポイント制御システム。
【請求項2】
前記第1アクセスポイントは、
GNSS端末から前記GNSS端末の位置を取得する位置取得部と、
前記GNSS端末の位置を前記第1アクセスポイントの位置として特定する位置特定部と、
前記第1アクセスポイントの位置を前記第2アクセスポイントに提供する位置提供部と、
をさらに備える、
請求項1に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項3】
前記第2アクセスポイントは、
前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの位置関係を表す位置関係データに基づいて、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの相対方位を算出する方位取得部、
をさらに備え、
前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記相対方位にさらに基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する、
請求項1に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項4】
前記第2アクセスポイントは、
前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの相対方位をユーザから受付ける方位取得部、
をさらに備え、
前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記相対方位にさらに基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する、
請求項1に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項5】
第3アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置及び前記第2アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、前記第1アクセスポイントの位置、前記第2アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第2アクセスポイントの位置に基づいて、前記第3アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
前記データベースから、前記第3アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、
を備える第3アクセスポイント、
をさらに備える、
請求項1に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項6】
前記チャンネル決定部は、前記第1アクセスポイントが使用するチャンネルを特定し、前記第1アクセスポイントが使用するチャンネルとは異なるチャンネルを前記使用チャンネルとして決定する、
請求項1に記載のアクセスポイント。
【請求項7】
第3アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第1アクセスポイントの位置に基づいて、前記第3アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
を備える第3アクセスポイント、
をさらに備え、
前記第2アクセスポイントの前記位置取得部は、前記第3アクセスポイントの位置をさらに取得し、
前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記第3アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第3アクセスポイントの位置に基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を修正する、
請求項1に記載のアクセスポイント制御システム。
【請求項8】
アクセスポイントであって、
前記アクセスポイントとは別のアクセスポイントから、前記別のアクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記別のアクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記別のアクセスポイントの位置に基づいて、前記アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、
を備えるアクセスポイント。
【請求項9】
アクセスポイントのコンピュータに、
前記アクセスポイントとは別のアクセスポイントから、前記別のアクセスポイントの位置を取得すること、
前記別のアクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記別のアクセスポイントの位置に基づいて、前記アクセスポイントの位置を特定すること、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得すること、及び、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定すること、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセスポイント制御システム、アクセスポイント、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、近隣のワイヤレスデバイスの協調を利用して、接続を断たれたワイヤレスデバイスおよび不正な無線アクセスポイントを見つけ出す技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、AFC(Automated Frequency Coordination)という新たなチャンネル割り当て方法が提案されている。このAFCを利用するためには、アクセスポイントの位置が必要となる。
【0005】
アクセスポイントの位置の設定には、例えば人の手で入力する方法や、GNSS(Global Navigation Satellite System)センサを内蔵させる方法などが考えられるが、そのような方法は煩雑でコストを要する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、アクセスポイントの位置の設定が容易なアクセスポイント制御システム、アクセスポイント、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一の態様のアクセスポイント制御システムは、第1アクセスポイントであって、前記第1アクセスポイントの位置を記憶する位置記憶部、を備える第1アクセスポイントと、第2アクセスポイントであって、前記第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第1アクセスポイントの位置に基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記第2アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、を備える第2アクセスポイントと、を備える。これによれば、第2アクセスポイントの位置の設定が容易となる。
【0008】
上記態様において、前記第1アクセスポイントは、GNSS端末から前記GNSS端末の位置を取得する位置取得部と、前記GNSS端末の位置を前記第1アクセスポイントの位置として特定する位置特定部と、前記第1アクセスポイントの位置を前記第2アクセスポイントに提供する位置提供部と、をさらに備えてもよい。これによれば、GNSS端末の位置を、第1アクセスポイントの設定だけでなく第2アクセスポイントの設定にも利用することが可能となる。
【0009】
上記態様において、前記第2アクセスポイントは、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの位置関係を表す位置関係データに基づいて、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの相対方位を算出する方位取得部、をさらに備え、前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記相対方位にさらに基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定してもよい。これによれば、第2アクセスポイントの位置の精度向上を図ることが可能となる。
【0010】
上記態様において、前記第2アクセスポイントは、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの相対方位をユーザから受付ける方位取得部、をさらに備え、前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記相対方位にさらに基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定してもよい。これによれば、第2アクセスポイントの位置の精度向上を図ることが可能となる。
【0011】
上記態様において、第3アクセスポイントであって、前記第1アクセスポイントの位置及び前記第2アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、前記第1アクセスポイントの位置、前記第2アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第2アクセスポイントの位置に基づいて、前記第3アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、前記データベースから、前記第3アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、を備える第3アクセスポイント、をさらに備えてもよい。これによれば、第1及び第2アクセスポイントの位置を利用して、第3アクセスポイントの位置の精度向上を図ることが可能となる。
【0012】
上記態様において、前記チャンネル決定部は、前記第1アクセスポイントが使用するチャンネルを特定し、前記第1アクセスポイントが使用するチャンネルとは異なるチャンネルを前記使用チャンネルとして決定してもよい。これによれば、第1アクセスポイントが使用するチャンネルとは異なるチャンネルを利用することが可能となる。
【0013】
上記態様において、第3アクセスポイントであって、前記第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第1アクセスポイントの位置に基づいて、前記第3アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、を備える第3アクセスポイント、をさらに備え、前記第2アクセスポイントの前記位置取得部は、前記第3アクセスポイントの位置をさらに取得し、前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記第3アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第3アクセスポイントの位置に基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を修正してもよい。これによれば、第2アクセスポイントの位置の精度向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明の他の態様のアクセスポイントは、アクセスポイントであって、前記アクセスポイントとは別のアクセスポイントから、前記別のアクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、前記別のアクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記別のアクセスポイントの位置に基づいて、前記アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、を備える。これによれば、アクセスポイントの位置の設定が容易となる。
【0015】
また、本発明の他の態様のプログラムは、アクセスポイントのコンピュータに、前記アクセスポイントとは別のアクセスポイントから、前記別のアクセスポイントの位置を取得すること、前記別のアクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記別のアクセスポイントの位置に基づいて、前記アクセスポイントの位置を特定すること、位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得すること、及び、前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定すること、を実行させる。これによれば、アクセスポイントの位置の設定が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】アクセスポイント制御システムの構成例を示す図である。
【
図4】相対方位の取得例を説明するための図である。
【
図5】相対方位の取得例を説明するための図である。
【
図6】アクセスポイントの制御方法の手順例を示す図である。
【
図7】アクセスポイントの制御方法の手順例を示す図である。
【
図8】アクセスポイント制御システムの構成例を示す図である。
【
図9】アクセスポイントの制御方法の手順例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、アクセスポイント制御システム100(以下、「AP制御システム100」ともいう)の構成例を示すブロック図である。AP制御システム100は、複数のアクセスポイント1(以下、「AP1」ともいう)を備えている。AP制御システム100は、管理サーバ4をさらに含んでもよい。
【0019】
AP1は、無線LANの通信方式により無線通信を行う無線LANアクセスポイントである。また、AP1は、不図示の有線LANに接続されており、相互にネットワーク通信が可能である。
【0020】
複数のAP1は、第1AP1a、第2AP1b、及び第3AP1cを含んでいる。「AP1」は、第1AP1a、第2AP1b、及び第3AP1cの総称である。
【0021】
第1AP1aは、ユーザによって持ち運ばれるGNSS端末5から位置を取得し、取得した位置を自機の位置として特定し、その位置に対応するチャンネルリストをAFCシステム9から取得する。また、第1AP1aは、自機の位置を近隣の第2AP1b等に提供する。
【0022】
第2AP1bは、GNSS端末5から位置を取得した第1AP1aから位置を取得し、取得した位置に基づいて自機の位置を特定し、その位置に対応するチャンネルリストをAFCシステム9から取得する。第1AP1a及び第2AP1bの具体的な動作については後述する。
【0023】
GNSS端末5は、GNSSセンサを含んだ端末であり、例えばスマートフォン又はタブレット型コンピュータ等の可搬型端末である。GNSSセンサは、GNSSから受信した電波に基づいて位置を検出する。GNSS端末5は、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によってAP1と通信可能である。
【0024】
AFCシステム9は、位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースを備えており、AP1からの要求に応じて、AP1の位置に対応するチャンネルリストを提供する。チャンネルリストは、使用可能チャンネルのリストであってもよいし、使用禁止チャンネルのリストであってもよい。使用可能チャンネルのリストにおいては、チャンネル毎に電波の出力の制限が付されていてもよい。
【0025】
図2は、AP1の構成例を示すブロック図である。AP1は、制御部10、無線通信部2、及び有線通信部3を備えている。
【0026】
制御部10は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、及び入出力インターフェース等を含むコンピュータである。制御部10のCPUは、ROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行する。
【0027】
プログラムは、例えば光ディスク又はメモリカード等の情報記憶媒体を介して供給されてもよいし、例えばインターネット又はLAN等の通信ネットワークを介して供給されてもよい。
【0028】
無線通信部2は、無線LANの通信方式により無線通信を行う。有線通信部3は、不図示の有線LANに有線接続されている。制御部10は、無線通信部2に接続された無線端末と、有線通信部3に接続された有線LANとをブリッジする。
【0029】
図3は、AP1の制御部10の機能構成例を示すブロック図である。制御部10は、位置取得部11、方位取得部12、位置特定部13、位置記憶部14、リスト取得部15、チャンネル決定部16、及び位置提供部17を備えている。これらの機能部は、制御部10のCPUがROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行することによって実現される。
【0030】
まず、第1AP1aにおける制御部10の機能構成例について説明する。
【0031】
位置取得部11は、GNSS端末5からGNSS端末5の位置データを取得する。位置データは、例えば位置を緯度・経度で表す測地系のデータである。方位取得部12は、第1AP1aでは使用されない。
【0032】
位置特定部13は、位置取得部11により取得されたGNSS端末5の位置データを、第1AP1aの位置データとして特定する。位置記憶部14は、位置特定部13により特定された第1AP1aの位置データを制御部10のメモリに記憶する。
【0033】
リスト取得部15は、位置記憶部14により記憶された第1AP1aの位置データを利用して、第1AP1aの位置データに対応するチャンネルリストをAFCシステム9から取得する。チャンネル決定部16は、リスト取得部15により取得されたチャンネルリストに基づいて、無線通信部2が使用する使用チャンネルを決定する。
【0034】
チャンネルリストが使用可能チャンネルのリストである場合、チャンネル決定部16は、使用可能チャンネルの中から使用チャンネルを選択する。一方、チャンネルリストが使用禁止チャンネルのリストである場合、チャンネル決定部16は、使用禁止チャンネルと重ならないように使用チャンネルを選択する。
【0035】
位置提供部17は、位置記憶部14により記憶された第1AP1aの位置データを第2AP1bに提供する。
【0036】
次に、第2AP1bにおける制御部10の機能構成例について説明する。第3AP1cにおける制御部10の機能構成例も同様である。
【0037】
位置取得部11は、第1AP1aから第1AP1aの位置データを取得する。方位取得部12は、第1AP1aと第2AP1bの相対方位を取得する(具体例は後述する)。
【0038】
位置特定部13は、無線通信部2が第1AP1aから受信した電波の強度データ、及び位置取得部11により取得された第1AP1aの位置データに基づいて、第2AP1bの位置データを特定する。位置特定部13は、方位取得部12により取得された相対方位にさらに基づいて、第2AP1bの位置データを特定してもよい。
【0039】
具体的には、位置特定部13は、第1AP1aから受信した電波の強度データに基づいて第1AP1aと第2AP1bの距離を算出し、第1AP1aの位置データ及び算出された距離に基づいて第2AP1bの位置を特定する。また、位置特定部13は、第1AP1aと第2AP1bの相対方位をさらに利用することで、第2AP1bの位置をより正確に特定することができる。
【0040】
位置記憶部14は、位置特定部13により特定された第2AP1bの位置データを制御部10のメモリに記憶する。
【0041】
リスト取得部15は、位置記憶部14により記憶された第2AP1bの位置データを利用して、第2AP1bの位置データに対応するチャンネルリストをAFCシステム9から取得する。チャンネル決定部16は、リスト取得部15により取得されたチャンネルリストに基づいて、無線通信部2が使用する使用チャンネルを決定する。
【0042】
位置提供部17は、位置記憶部14により記憶された第2AP1bのの位置データを第3AP1cに提供する。
【0043】
ここで、方位取得部12による相対方位の取得例について説明する。管理サーバ4は、AP1の位置関係を表す位置関係データを保持している。位置関係データは、例えば
図4に示すようなAP1の位置関係を表すマップMPの表示に利用される。
図4の例では、マップMPは、部屋(例えば教室等)R1~8のレイアウトと、各部屋R1~8に配置されたAP1~8とを示している。
【0044】
方位取得部12は、管理サーバ4から位置関係データを取得し、位置関係データに基づいて第1AP1aと第2AP1bの相対方位を算出する。すなわち、方位取得部12は、第1AP1aのマップ内位置と第2AP1bのマップ内位置とを特定し、2つのマップ内位置から第1AP1aと第2AP1bの相対位置を算出する。
【0045】
相対方位は、第1AP1aに対する第2AP1bの方位であってもよいし、第2AP1bに対する第1AP1aの方位であってもよい。
【0046】
また、方位取得部12は、第1AP1aと第2AP1bの相対方位をユーザから受付けてもよい。相対方位は、例えば
図5に示すような方位入力画面TP上でユーザにより入力される。方位入力画面TPは、例えば管理サーバ4にアクセス可能なGNSS端末5等の端末に表示される。
【0047】
図6及び
図7は、AP制御システム100において実現される、AP1の制御方法の手順例を示すフロー図である。AP1の制御部10は、同図に示す情報処理をプログラムに従って実行する。
【0048】
図6の左半部に示すように、第1AP1aの制御部10は、GNSS端末5からGNSS端末5の位置データを取得する(S11、位置取得部11としての処理)。GNSS端末5を持つユーザが第1AP1aの近傍に来て、GNSS端末5を操作することで、GNSS端末5から第1AP1aへ位置データが送信される。
【0049】
次に、第1AP1aの制御部10は、GNSS端末5の位置データを第1AP1aの位置データとして特定し(S12、位置特定部13としての処理)、第1AP1aの位置データをメモリに記憶する(S13、位置記憶部14としての処理)。
【0050】
次に、第1AP1aの制御部10は、第1AP1aの位置データを含むリスト取得リクエストをAFCシステム9に送信し、AFCシステム9から第1AP1aの位置データに対応するチャンネルリストを取得する(S14、リスト取得部15としての処理)。
【0051】
次に、第1AP1aの制御部10は、取得したチャンネルリストに基づいて、無線通信部2が使用する使用チャンネルを決定する(S15、チャンネル決定部16としての処理)。また、第1AP1aの制御部10は、使用チャンネルにおける使用電波強度をさらに決定してもよい。
【0052】
次に、第1AP1aの制御部10は、第1AP1aの位置データを第2AP1bに提供する(S16、位置提供部17としての処理)。位置データの提供は、例えば第2AP1bから受信したビーコン等の電波に含まれる第2AP1bのMACアドレス等の識別データを利用して行われる。なお、第1AP1aと第2AP1bがスイッチングハブなどを介して有線で接続されている場合には、相互のデータのやり取りは有線によって通信してもよい。
【0053】
例えば、第1AP1aの制御部10が、第2AP1bから受信したビーコンに含まれるMACアドレスを用いてARP要求をブロードキャスト送信する。これに応答した第2AP1bのIPアドレスを特定して、第2AP1bに位置データを送信する。第2AP1bの制御部10が、第1AP1aから受信した電波に含まれるMACアドレスを用いてARP要求をブロードキャスト送信し、応答した第1AP1aのIPアドレスを特定して、第1AP1aに位置データを要求してもよい。なお、IPアドレスは、MACアドレスとIPアドレスの対応関係を保存した管理サーバ4等から取得してもよい。
【0054】
図6の右半部に示すように、第2AP1bの制御部10は、第1AP1aから第1AP1aの位置データを取得する(S21、位置取得部11としての処理)。
【0055】
次に、第2AP1bの制御部10は、第1AP1aから受信した電波の強度データ、及び取得された第1AP1aの位置データに基づいて、第2AP1bの位置データを特定する(S22、位置特定部13としての処理)。また、第2AP1bの制御部10は、第1AP1aと第2AP1bの相対方位にさらに基づいて、第2AP1bの位置データを特定してもよい。
【0056】
次に、第2AP1bの制御部10は、第2AP1bの位置データをメモリに記憶する(S23、位置記憶部14としての処理)。
【0057】
次に、第2AP1bの制御部10は、第2AP1bの位置データを含むリスト取得リクエストをAFCシステム9に送信し、AFCシステム9から第2AP1bの位置データに対応するチャンネルリストを取得する(S24、リスト取得部15としての処理)。
【0058】
次に、第2AP1bの制御部10は、取得したチャンネルリストに基づいて、無線通信部2が使用する使用チャンネルを決定する(S25、チャンネル決定部16としての処理)。具体的には、第2AP1bの制御部10は、第1AP1aが使用するチャンネルを特定し、それとは異なるチャンネルを使用チャンネルとして決定する。また、第2AP1bの制御部10は、使用チャンネルにおける使用電波強度をさらに決定してもよい。
【0059】
次に、第2AP1bの制御部10は、第2AP1bの位置データを第3AP1cに提供する(S26、位置提供部17としての処理)。位置データの提供は、例えば第3AP1cから受信したビーコン等の電波に含まれる第3AP1cのMACアドレス等の識別データを利用して行われる。
【0060】
図7の右半部に示すように、第3AP1cの制御部10は、第2AP1bと同様の処理S31-S36を実行する。
【0061】
すなわち、第3AP1cの制御部10は、第2AP1bから第2AP1bの位置データを取得し(S31)、第2AP1bから受信した電波の強度データ、及び第2AP1bの位置データに基づいて、第3AP1cの位置データを特定し、記憶する(S32,S33)。
【0062】
また、第3AP1cの制御部10は、AFCシステム9から第3AP1cの位置データに対応するチャンネルリストを取得し(S34)、無線通信部2が使用する使用チャンネルを決定し(S35)、第3AP1cの位置データを不図示の第4APに提供する(S36)。
【0063】
以上に説明した実施形態によれば、第1AP1aが取得したGNSS端末5の位置データを基に、第2AP1bの位置データを特定することが可能となり、さらには、第3AP1cの位置データを特定することも可能となる。すなわち、GNSS端末5の位置データを基に、多数のAP1の位置データを連鎖的に特定することが可能となる。
【0064】
なお、第3AP1cは、第1AP1a及び第2AP1bの両方から位置データを取得し、第1AP1aから受信した電波の強度データ、第1AP1aの位置データ、第2AP1bから受信した電波の強度データ、及び第2AP1bの位置データに基づいて、第3AP1cの位置データを特定してもよい。これにより、第3AP1cの位置データの精度向上を図ることが可能となる。
【0065】
以下、変形例について説明する。
図8は、AP制御システム100の構成例を示すブロック図である。
図9は、AP1の制御方法の手順例を示すフロー図である。上記実施形態と重複する構成又は手順については、同番号を付すことで詳細な説明を省略することがある。
【0066】
図8及び
図9に示すように、第1AP1aの制御部10は、第1AP1aの位置データを第2AP1b及び第3AP1cに提供する(S16)。
【0067】
第2AP1bの制御部10は、第1AP1aから第1AP1aの位置データを取得し(S21)、第2AP1bの位置データを特定・記憶し(S22,S23)、チャンネルリストを取得し(S24)、使用チャンネルを決定する(S25)。
【0068】
同様に、第3AP1cの制御部10も、第1AP1aから第1AP1aの位置データを取得し(S31)、第3AP1cの位置データを特定・記憶し(S32,S33)、チャンネルリストを取得し(S34)、使用チャンネルを決定する(S35)。
【0069】
そして、第3AP1cの制御部10は、第3AP1cの位置データを第2AP1bに提供する(S36)。
【0070】
第2AP1bの制御部10は、第3AP1cから第3AP1cの位置データを取得すると(S27)、第3AP1cから受信した電波の強度データ及び第3AP1cの位置データに基づいて、第2AP1bの位置データを修正し、更新する(S28,S29)。
【0071】
その後、第2AP1bの制御部10は、必要に応じて、修正された第2AP1bに対応するチャンネルリストを取得し(S24)、使用チャンネルを決定する(S25)。
【0072】
第2AP1bの位置データの修正は、例えば、第1AP1aの位置データに基づく第2AP1bの位置データと、第3AP1cの位置データに基づく第2AP1bの位置データとの平均値を、新たな第2AP1bの位置データとして算出するものであってもよい。
【0073】
また、第1AP1aから受信した電波の強度データ及び第1AP1aの位置データを記憶しておき、これらのデータ並びに第3AP1cから受信した電波の強度データ及び第3AP1cの位置データに基づいて、新たな第2AP1bの位置データを算出するものであってもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が当業者にとって可能であることはもちろんである。
【0075】
以下、本発明の代表的な実施形態を列挙する。
【0076】
(1)
第1アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置を記憶する位置記憶部、
を備える第1アクセスポイントと、
第2アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第1アクセスポイントの位置に基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記第2アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、
を備える第2アクセスポイントと、
を備えるアクセスポイント制御システム。
【0077】
(2)
前記第1アクセスポイントは、
GNSS端末から前記GNSS端末の位置を取得する位置取得部と、
前記GNSS端末の位置を前記第1アクセスポイントの位置として特定する位置特定部と、
前記第1アクセスポイントの位置を前記第2アクセスポイントに提供する位置提供部と、
をさらに備える、
(1)に記載のアクセスポイント制御システム。
【0078】
(3)
前記第2アクセスポイントは、
前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの位置関係を表す位置関係データに基づいて、前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの相対方位を算出する方位取得部、
をさらに備え、
前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記相対方位にさらに基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する、
(1)ないし(3)の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【0079】
(4)
前記第2アクセスポイントは、
前記第1アクセスポイントと前記第2アクセスポイントの相対方位をユーザから受付ける方位取得部、
をさらに備え、
前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記相対方位にさらに基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を特定する、
(1)または(2)に記載のアクセスポイント制御システム。
【0080】
(5)
第3アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置及び前記第2アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、前記第1アクセスポイントの位置、前記第2アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第2アクセスポイントの位置に基づいて、前記第3アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
前記データベースから、前記第3アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、
を備える第3アクセスポイント、
をさらに備える、
(1)ないし(4)の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【0081】
(6)
前記チャンネル決定部は、前記第1アクセスポイントが使用するチャンネルを特定し、前記第1アクセスポイントが使用するチャンネルとは異なるチャンネルを前記使用チャンネルとして決定する、
(1)ないし(5)の何れかに記載のアクセスポイント。
【0082】
(7)
第3アクセスポイントであって、
前記第1アクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記第1アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第1アクセスポイントの位置に基づいて、前記第3アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
を備える第3アクセスポイント、
をさらに備え、
前記第2アクセスポイントの前記位置取得部は、前記第3アクセスポイントの位置をさらに取得し、
前記第2アクセスポイントの前記位置特定部は、前記第3アクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記第3アクセスポイントの位置に基づいて、前記第2アクセスポイントの位置を修正する、
(1)ないし(6)の何れかに記載のアクセスポイント制御システム。
【0083】
(8)
アクセスポイントであって、
前記アクセスポイントとは別のアクセスポイントから、前記別のアクセスポイントの位置を取得する位置取得部と、
前記別のアクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記別のアクセスポイントの位置に基づいて、前記アクセスポイントの位置を特定する位置特定部と、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得するリスト取得部と、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定するチャンネル決定部と、
を備えるアクセスポイント。
【0084】
(9)
アクセスポイントのコンピュータに、
前記アクセスポイントとは別のアクセスポイントから、前記別のアクセスポイントの位置を取得すること、
前記別のアクセスポイントから受信した電波の強度、及び前記別のアクセスポイントの位置に基づいて、前記アクセスポイントの位置を特定すること、
位置とチャンネルを互いに関連付けたデータベースから、前記アクセスポイントの位置に対応するチャンネルリストを取得すること、及び、
前記チャンネルリストに基づいて、使用チャンネルを決定すること、
を実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0085】
1 アクセスポイント、2 無線通信部、3 有線通信部、4 管理サーバ、5 GNSS端末、9 AFCシステム、10 制御部、11 位置取得部、12 方位取得部、13 位置特定部、14 位置記憶部、15 リスト取得部、16 チャンネル決定部、17 位置提供部