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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060381
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】チャック付き包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/25 20060101AFI20240424BHJP
   B65D 33/20 20060101ALI20240424BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
B65D33/25 A
B65D33/20
B65D33/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167712
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】細井 萌
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA13
3E064AB25
3E064BA07
3E064BA17
3E064BA26
3E064BA30
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA38
3E064BA46
3E064BA55
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA12
3E064EA30
3E064GA04
3E064HM03
3E064HN02
3E064HN13
3E064HP02
(57)【要約】
【課題】スタンディングパウチの有する収容力の大きさと、自立性に加えて、ピロー包装袋の持つ内容物の取り出し易さを兼ね備えた新規なチャック付き包装袋を提案する。
【解決手段】基材層21とシーラント層22を有する第1表面積層体6、第2表面積層体7、裏面積層体8、山折積層体9、谷折積層体10から構成される包装袋であって、胴部2と天面部4と底面部3とからなり、第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間にチャック11をシールしたチャック部12を有する表面積層体5を形成し、裏面積層体と、表面積層体のシーラント層同士を対向させ、この間の下部に、シーラント層を外側にして山折りした山折積層体を挿入して周縁部をシールして底面部を形成し、同様にこの間の上部に、シーラント層を外側にして谷折りした谷折積層体を挿入して周縁部をシールして天面部を形成したことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ基材層とシーラント層を有する第1表面積層体、第2表面積層体、裏面積層体、山折積層体、谷折積層体から構成される包装袋であって、胴部と天面部と底面部とからなり、
前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成し、
前記表面積層体と、前記裏面積層体のシーラント層同士を対向させて両側端部をシールして胴部を形成すると共に、
前記裏面積層体と、前記表面積層体の間の下部に、シーラント層を外側にして山折りした前記山折積層体を挿入して周縁部をシールして底面部を形成し、
前記裏面積層体と、前記表面積層体のシーラント層同士を対向させ、この間の上部に、シーラント層を外側にして谷折りした谷折積層体を挿入して周縁部をシールして天面部を形成することにより、
前記天面部から前記底面部に向かう方向に延在するチャックを具備したことを特徴とするチャック付き包装袋。
【請求項2】
前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれか1方をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部のシーラント層側に接着剤層を設け、延長部をチャック部を覆うように折り曲げて前記接着剤層によって固定することにより、チャック部を保護するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋。
【請求項3】
前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部の先端部をシールすると共に、該シール部直近の前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれかまたは両方に開封帯または開封線を設けたことを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋。
【請求項4】
前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部の先端部をシールすると共に、該シール部直近の前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれかまたは両方に開封帯または開封線を設け、さらに該開封帯または開封線とチャック部の間に、接着剤層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋。
【請求項5】
それぞれ基材層とシーラント層を有する第1表面積層体、裏面積層体、山折積層体、谷折積層体、および、基材層を有し表裏面にシーラント層を有する第2表面積層体とから構成される包装袋であって、胴部と天面部と底面部とからなり、
前記第1表面積層体を前記第2表面積層体の上に重なるように延設し、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成し、
前記表面積層体と、前記裏面積層体のシーラント層同士を対向させて両側端部をシールして胴部を形成すると共に、
前記裏面積層体と、前記表面積層体の間の下部に、シーラント層を外側にして山折りした前記山折積層体を挿入して周縁部をシールして底面部を形成し、
前記裏面積層体と、前記表面積層体のシーラント層同士を対向させ、この間の上部に、シーラント層を外側にして谷折りした谷折積層体を挿入して周縁部をシールして天面部を形成することにより、
前記天面部から前記底面部に向かう方向に延在するチャックを具備したことを特徴とするチャック付き包装袋。
【請求項6】
前記第1表面積層体を前記第2表面積層体の上に重なるように延設し、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成する際に、
前記第1表面積層体を該チャック部よりも延設して、先端部を前記第2表面積層体にシールすると共に、該シール部直近の第1表面積層体に開封帯または開封線を設けたことを特徴とする請求項5に記載のチャック付き包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装袋に関し、特にチャックを備えていて、開封後の内容物の取り出しと再封止が可能であり、かつ自立性を有するチャック付き包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
開封した後に、内容物を一度に使い切らないため、再封止が可能なように、チャックを備えた包装袋が知られている。特許文献1に記載されたチャック付き袋は、加熱殺菌処理が可能なチャック付き袋である。この袋は、加熱殺菌処理時に内容物がチャックに接触しないようにしたところに特徴がある。
【0003】
一方、包装袋に自立性を付与する手段として、底面部に山折りにした底面部材を挿入し、周縁を熱シールした、いわゆるスタンディングパウチと称する包装袋が広く用いられている。特許文献2に記載されたスタンディングパウチは、底シートにおけるピンホールやクラックまたは剥離等の発生の恐れが少なく、また自立性が良好で見栄えもよいスタンディングパウチを提供しようとするものである。
【0004】
特許文献2に記載されたスタンディングパウチは、通常単に山折りする底シートの山折り部に谷折部を設けて細帯状の融着部を形成することにより、上記の諸点を改善しようとしたものである。
【0005】
一般的なスタンディングパウチの上部に水平にチャックを設けても、開口部から底までの距離が長くて、内容物を取り出し難いという問題がある。また単なる三方袋やピロー包装袋等にチャックを設けても、十分な収容力が期待できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-331805号公報
【特許文献2】特開2000-25785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、スタンディングパウチの有する収容力の大きさと、自立性に加えて、ピロー包装袋の持つ内容物の取り出し易さを兼ね備えた新規なチャック付き包装袋を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、それぞれ基材層とシーラント層を有する第1表面積層体、第2表面積層体、裏面積層体、山折積層体、谷折積層体から構成される包装袋であって、胴部と天面部と底面部とからなり、
前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成し、
前記表面積層体と、前記裏面積層体のシーラント層同士を対向させて両側端部をシールして胴部を形成すると共に、
前記裏面積層体と、前記表面積層体の間の下部に、シーラント層を外側にして山折りした前記山折積層体を挿入して周縁部をシールして底面部を形成し、
前記裏面積層体と、前記表面積層体のシーラント層同士を対向させ、この間の上部に、
シーラント層を外側にして谷折りした谷折積層体を挿入して周縁部をシールして天面部を形成することにより、
前記天面部から前記底面部に向かう方向に延在するチャックを具備したことを特徴とするチャック付き包装袋である。
【0009】
本発明に係るチャック付き包装袋は、スタンディングパウチの特徴である収納性と自立性に加えて、チャックを備えたことにより、再封止性と取り出し易さをも実現したものである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれか1方をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部のシーラント層側に接着剤層を設け、延長部をチャック部を覆うように折り曲げて前記接着剤層によって固定することにより、チャック部を保護するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋である。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部の先端部をシールすると共に、該シール部直近の前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれかまたは両方に開封帯または開封線を設けたことを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋である。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記第1表面積層体と第2表面積層体のシーラント層同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部の先端部をシールすると共に、該シール部直近の前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれかまたは両方に開封帯または開封線を設け、さらに該開封帯または開封線とチャック部の間に、接着剤層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のチャック付き包装袋である。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、それぞれ基材層とシーラント層を有する第1表面積層体、裏面積層体、山折積層体、谷折積層体、および、基材層を有し表裏面にシーラント層を有する第2表面積層体とから構成される包装袋であって、胴部と天面部と底面部とからなり、
前記第1表面積層体を前記第2表面積層体の上に重なるように延設し、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成し、
前記表面積層体と、前記裏面積層体のシーラント層同士を対向させて両側端部をシールして胴部を形成すると共に、
前記裏面積層体と、前記表面積層体の間の下部に、シーラント層を外側にして山折りした前記山折積層体を挿入して周縁部をシールして底面部を形成し、
前記裏面積層体と、前記表面積層体のシーラント層同士を対向させ、この間の上部に、シーラント層を外側にして谷折りした谷折積層体を挿入して周縁部をシールして天面部を形成することにより、
前記天面部から前記底面部に向かう方向に延在するチャックを具備したことを特徴とするチャック付き包装袋である。
【0014】
さらに請求項6に記載の発明は、前記第1表面積層体を前記第2表面積層体の上に重な
るように延設し、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成する際に、
前記第1表面積層体を該チャック部よりも延設して、先端部を前記第2表面積層体にシールすると共に、該シール部直近の第1表面積層体に開封帯または開封線を設けたことを特徴とする請求項5に記載のチャック付き包装袋である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るチャック付き包装袋は、通常のスタンディングパウチと同様に胴部の下部に山折積層体を挿入して大きく広がる底面部を形成すると共に、上部にも同様に谷折積層体を挿入して大きく広がる天面部を形成したので、自立性を有すると共に十分な収納力を得ることができる。
【0016】
一般的なスタンディングパウチにおいて、天部に水平にチャックを設けても、袋の底までの距離が長いため内容物を取り出し難いものであるが、本発明に係るチャック付き包装袋は、チャックを胴部に垂直に、すなわちチャックを天面部から底面部に至る方向に延在するように設けたので、開口部の幅も十分にとることができ、また裏面積層体までの距離も長くないので、内容物の取り出しが容易である。
【0017】
チャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれか1方をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部のシーラント層側に接着剤層を設け、延長部をチャック部を覆うように折り曲げて前記接着剤層によって固定することにより、チャック部を保護することができる。さらにこの場合、接着剤層を粘着剤とすることで、何度でもその機能を発揮することができる。
【0018】
チャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部の先端部をシールすると共に、該シール部直近の前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれかまたは両方に開封帯または開封線を設けることにより、開封前の段階においてチャック部を完全に保護することができる。
【0019】
チャック部を形成する際に、前記第1表面積層体と第2表面積層体をチャック部よりも長く延設して延長部を形成し、該延長部の先端部をシールすると共に、該シール部直近の前記第1表面積層体と第2表面積層体のいずれかまたは両方に開封帯または開封線を設け、さらに該開封帯または開封線とチャック部の間に、接着剤層を設けた場合には、開封前の段階においてチャック部を完全に保護することができ、さらに開封後にもチャック部を保護することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明のように、第1表面積層体を第2表面積層体の上に重なるように延設し、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャックをシールしたチャック部を有する表面積層体を形成する際に、前記第1表面積層体を該チャック部よりも延設して、先端部を前記第2表面積層体にシールすると共に、該シール部直近の第1表面積層体に開封帯または開封線を設ける場合には、チャック部が表面積層体と平行になると共に、チャック部の嵩張りを小さく留めることができる。
【0021】
請求項6に記載の発明においては、請求項5に記載の発明と同様に、チャック部が表面積層体と平行になると共に、チャック部の嵩張りを小さく留めることができることに加えて、開封前の段階においてチャック部を完全に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明に係るチャック付き包装袋の一実施態様を示した平面模式図である。
図2図2は、図1のA-A´断面を示した断面模式図である。
図3図3は、図1のB-B´断面を示した断面模式図である。
図4図4は、図2の円部の拡大図である。
図5図5は、本発明に係るチャック付き包装袋の他の実施態様におけるチャック部の拡大断面模式図である。
図6図6は、図5に示したチャック部における延長部を折り込んだ状態を示した断面模式図である。
図7図7は、本発明に係るチャック付き包装袋の他の実施態様におけるチャック部の拡大断面模式図である。
図8図8は、本発明に係るチャック付き包装袋の他の実施態様におけるチャック部の拡大断面模式図である。
図9図9は、図7に示したチャック部を折り倒した状態を示した断面模式図である。
図10図10は、本発明に係るチャック付き包装袋の他の実施態様を示した平面模式図である。
図11図11は、図10のC-C´断面を示した断面模式図である。
図12図12は、図11の円部の拡大図である。
図13図13は、本発明に係るチャック付き包装袋に用いる積層体の層構成の一例を示した断面模式図である。
図14図14は、本発明に係るチャック付き包装袋に用いる積層体の層構成の他の例を示した断面模式図である。
図15図15は、本発明に係るチャック付き包装袋に用いる積層体の層構成の他の例を示した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下図面を参照しながら、本発明に係るチャック付き包装袋について詳細に説明する。図1は、本発明に係るチャック付き包装袋1の一実施態様を示した平面模式図である。図2は、図1のA-A´断面を示した断面模式図である。図3は、図1のB-B´断面を示した断面模式図である。図4は、図2の円部の拡大図である。また図13は、本発明に係るチャック付き包装袋に用いる積層体の層構成の一例を示した断面模式図である。なお、これらの図は、説明のために特に厚さ方向が強調されているため、実際の寸法とは異なる。
【0024】
本発明に係るチャック付き包装袋1は、それぞれ基材層21とシーラント層22を有する第1表面積層体6と、第2表面積層体7と、裏面積層体8と、山折積層体9と、谷折積層体10とから構成される包装袋であって、胴部2と天面部4と底面部3とからなる。
【0025】
表面積層体5は、第1表面積層体6と第2表面積層体7のシーラント層22同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャック11をシールしたチャック部12を有する。
【0026】
表面積層体5と、裏面積層体8のシーラント層同士を対向させて両側端部をシールしてサイドシール部15を形成することによって胴部2が形成される。
【0027】
裏面積層体8と、表面積層体5のシーラント層22同士を対向させ、この間の下部に、シーラント層22を外側にして山折りした山折積層体9を挿入し周縁部をシールして底面部シール部13として底面部3を形成し、同様にして、裏面積層体8と、表面積層体5のシーラント層22同士を対向させ、この間の上部に、シーラント層22を外側にして谷折りした谷折積層体10を挿入して周縁部をシールし天面部シール部14として天面部4を形成する。
【0028】
以上により、天面部4から底面部3に向かう方向に延在するチャック11を具備したチャック付き包装袋1が完成する。
【0029】
本発明に係るチャック付き包装袋1は、通常のスタンディングパウチと同様に胴部2の下部に山折積層体9を挿入して大きく広がる底面部3を形成すると共に、上部にも同様に谷折積層体10を挿入して大きく広がる天面部4を形成したので、自立性を有すると共に十分な収納力を得ることができる。
【0030】
一般的なスタンディングパウチにおいては、天部に水平にチャックを設けても、袋の底までの距離が長いため内容物を取り出し難いものであるが、本発明に係るチャック付き包装袋1は、チャック11を胴部2に垂直に設けたので、開口部の幅も十分にとることができ、また開口部から裏面積層体8までの距離も長くないので、内容物の取り出しが容易であるという特徴を有する。
【0031】
なお本発明に係るチャック付き包装袋を開封して使用する場合には、裏面積層体8側を下にしてチャックが水平になるように置いて使用すると便利である。図1~3では、内容物が省略されている。内容物は、例えばサイドシール部15のいずれかを未封状態としておき、ここから内容物を収納して密封することができる。
【0032】
図5は、本発明に係るチャック付き包装袋1の他の実施態様におけるチャック部12の拡大断面模式図である。また図6は、図5に示したチャック部12における延長部20を折り込んだ状態を示した断面模式図である。
【0033】
この実施態様においては、第1表面積層体6と第2表面積層体7のシーラント層22(図示せず)同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャック11をシールしたチャック部12を形成する際に、第1表面積層体6と第2表面積層体7のいずれか1方(この場合は第1表面積層体6)をチャック部12よりも長く延設して延長部20を形成し、延長部20のシーラント層側に接着剤層17を設けたものである。
【0034】
延長部20は、図6に示したようにチャック部12を覆うように折り曲げて接着剤層17によって固定することにより、チャック部12を保護するようにすることができる。なお接着剤層17を粘着剤とすることで、一旦チャック部を開封した後にもチャック部の保護用として、何回でも使用することができる。
【0035】
図7は、本発明に係るチャック付き包装袋1の他の実施態様におけるチャック部12の
拡大断面模式図である。
【0036】
この実施態様においては、第1表面積層体6と第2表面積層体7のシーラント層22(図示せず)同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャック11をシールしたチャック部12を形成する際に、第1表面積層体6と第2表面積層体7をチャック部12よりも長く延設して延長部20を形成し、延長部20の先端部をシールして、チャック部シール部16とすると共に、チャック部シール部16の直近の第1表面積層体6と第2表面積層体7のいずれかまたは両方(この場合は第2積層体7のみ)に開封帯18または開封線19(この場合は開封帯18)を設けたことを特徴とする。
【0037】
この例では、チャック部12は、未開封の状態では完全に密封されて外気にさらされることなく、保護されている。開封帯18を開封した後は、チャック11の外側は外気に触れることになる。
【0038】
図9は、図7に示したチャック部12を折り倒した状態を示した断面模式図である。実際の製品では、チャック部12が直立した状態では邪魔になるので、このように折り倒して使用することもできる。これは他の例でも同様である。
【0039】
図8は、本発明に係るチャック付き包装袋1の他の実施態様におけるチャック部12の拡大断面模式図である。この例では、第1表面積層体6と第2表面積層体7のシーラント層(図示せず)同士を合掌状に対向させて、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャック11をシールしたチャック部12を形成する際に、第1表面積層体6と第2表面積層体7をチャック部12よりも長く延設して延長部20を形成し、延長部20の先端部をシールしてチャック部シール部16とすると共に、チャック部シール部16の直近の第1表面積層体6と第2表面積層体7の両方に開封線19を設け、さらに開封線19とチャック部12の間に、接着剤層17を設けたものである。
【0040】
この例では、接着剤層17を粘着剤とすることにより、開封後にも再封止が可能となり、チャック部12は保護される。
【0041】
図10は、本発明に係るチャック付き包装袋1の他の実施態様を示した平面模式図である。また図11は、図10のC-C´断面を示した断面模式図である。また図12は、図11の円部の拡大図である。また図13、14は、本実施態様に係るチャック付き包装袋1に用いる積層体の層構成の一例を示した断面模式図である。
【0042】
この例では、それぞれ基材層21とシーラント層22を有する第1表面積層体6、裏面積層体8、山折積層体9、谷折積層体10、および、基材層21を有し表裏面にシーラント層22を有する第2表面積層体7とから構成される包装袋であって、胴部2と天面部4と底面部3とからなる。
【0043】
第1表面積層体6を第2表面積層体7の上に重なるように延設し、この間に凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部からなるチャック11をシールしたチャック部12を有する表面積層体5を形成する際に、第1表面積層体6をチャック部12よりも延設して、先端部を第2表面積層体7にシールすると共に、該シール部直近の第1表面積層体6に開封帯18を設けたことを特徴とする。
【0044】
裏面積層体8と、表面積層体5のシーラント層22同士を対向させ、この間の下部に、シーラント層22を外側にして山折りした山折積層体9を挿入して周縁部をシールして底面部シール部13として底面部3を形成し、同様にして、裏面積層体8と、表面積層体5
のシーラント層22同士を対向させ、この間の上部に、シーラント層22を外側にして谷折りした谷折積層体10を挿入して周縁部をシールして天面部シール部14として天面部4を形成する点においては、既に述べた実施態様と同様である。
【0045】
この実施態様においては、第2表面積層体7として、図14に示したように基材層21を有し表裏面にシーラント層22を有する積層体を用いる必要があるが、チャック部12が表面積層体5と平行に配置されるため、包装袋がコンパクトに仕上がるという特徴がある。
【0046】
本発明に係るチャック付き包装袋1に用いるチャック11は、図では凸条の雄型嵌合部と、凹条の雌型嵌合部がそれぞれ1本づつのものを示したが、2本づつのものや、雄雌が互い違いに2本づつ並んで配置されたものなど、任意に用いることができる。
【0047】
チャックの材質については、任意であるが、シーラント層22とのシール適性からシーラント層22と同様のポリオレフィン系樹脂製であることが好ましい。
【0048】
図13に示した積層体では、基材層21とシーラント層22のみが示されているが、実際にはこれらの他に、印刷層や表面保護層、接着剤層等が用いられることが多い。また、基材層21の他に中間層やガスバリア層23が用いられることもある。図15は、ガスバリア層23が含まれる例である。
【0049】
基材層21としては、各種合成樹脂フィルムを用いることができる。具体的に例を挙げれば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリオレフィン系エラストマー等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN)等のポリエステル系樹脂や、セロハン、三酢酸セルロース(TAC)樹脂等のセルロース系樹脂や、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)、エチレン-酢酸ビニル系共重合樹脂(EVA)、アイオノマー樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン-6、ナイロン-66等のポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、ポリカーボネート樹脂(PC)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂等の各種合成樹脂フィルムを使用することができる。
【0050】
シーラント層22としては、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等が使用される。
【0051】
ガスバリア層23としては、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のガスバリア性フィルムや、PETフィルム等にアルミニウム等の金属を蒸着した金属蒸着フィルムや、PETフィルムに酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデンコーティング、水溶性樹脂と無機層状化合物を含有する被膜や金属アルコキシドあるいはその加水分解物とイソシアネート化合物を反応させた被膜からなる樹脂層などのガスバリアコーティング層、あるいはアルミニウム箔等の金属箔などを用いることができる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・チャック付き包装袋
2・・・胴部
3・・・底面部
4・・・天面部
5・・・表面積層体
6・・・第1表面積層体
7・・・第2表面積層体
8・・・裏面積層体
9・・・山折積層体
10・・・谷折積層体
11・・・チャック
12・・・チャック部
13・・・底面部シール部
14・・・天面部シール部
15・・・サイドシール部
16・・・チャック部シール部
17・・・接着剤層
18・・・開封帯
19・・・開封線
20・・・延長部
21・・・基材層
22・・・シーラント層
23・・・ガスバリア層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15