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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060393
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】衛生洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240424BHJP
   E03D 9/05 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
E03D9/08 B
E03D9/05
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167732
(22)【出願日】2022-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-01-17
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】田部井 仁美
(72)【発明者】
【氏名】矢岡 寿成
(72)【発明者】
【氏名】田代 啓介
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038GA01
2D038JA05
2D038JC01
2D038JH13
2D038KA01
2D038KA03
(57)【要約】
【課題】衛生性を向上した衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】ケーシングと、前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、を備え、前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出されることを特徴とする衛生洗浄装置。
【選択図】図4


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、
前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、
前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、
を備え、
前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、
前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出されることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの少なくとも一部に接触することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの上方に位置する前記ケーシングの内面の少なくとも一部および前記局部洗浄ノズルの下方に位置する前記ケーシングの底面の少なくとも一部の少なくともいずれか一方に接触することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記局部洗浄ノズルを内部に収納する筒部を備え、
前記機能気体は、前記筒部の内部を流れることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記ケーシングと前記局部洗浄ノズルとの間に位置して前記局部洗浄ノズルに沿って延びる延出板部を備え、
前記機能気体は、前記延出板部のうち、前記局部洗浄ノズルが位置する面の少なくとも一部を流れることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
前記機能気体生成機は、前記局部洗浄ノズルよりも後方で前記機能気体を放出させ、
前記送風機は、前記局部洗浄ノズルの後方から前記出口に向けて前記機能気体を流す気流を発生させることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項7】
前記ケーシングは、前記送風機が作動した場合にトイレ室の空気を内部に吸入する吸入口を有することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項8】
前記ケーシングは、前記出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有し、
前記機能気体生成機は、前記ノズル蓋が開いた状態で前記機能気体を放出することを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項9】
前記ノズル蓋は、全開状態よりも小さい開状態となっていることを特徴とする請求項8に記載の衛生洗浄装置。
【請求項10】
前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記ノズル蓋の開角度を第1角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第1モードと、
前記ノズル蓋の開角度を前記第1角度よりも大きい第2角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第2モードと、
を実行することを特徴とする請求項8に記載の衛生洗浄装置。
【請求項11】
前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記送風機の出力が異なる第1モードおよび第2モードを有し、
前記第1モードにおける前記送風機の出力は、前記第2モードにおける前記送風機の出力よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1モードの実行時間を前記第2モードの実行時間よりも短くすることを特徴とする請求項10または11に記載の衛生洗浄装置。
【請求項13】
前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、
前記ケーシングに設けられ前記便蓋を開状態と閉状態とに回動させる便蓋モータと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記便蓋モータにより前記便蓋を開状態にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第3モードをさらに実行し、
前記第3モードの実行時間は、前記第1モードの実行時間よりも長いことを特徴とする請求項12に記載の衛生洗浄装置。
【請求項14】
前記出口は、前方に向けて開口する前排出口と、下方に向けて開口する下排出口と、を有し、
前記ケーシングは、前記前排出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有していることを特徴とする請求項1に記載の衛生洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器内にイオンを放出させて便器内の除菌、脱臭を行う衛生洗浄装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-36692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された衛生洗浄装置は、便器内の除菌、脱臭を行っているが、便器以外の部分の汚れや臭いの抑制については、不十分になるおそれがある。
【0005】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、衛生性を向上した衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、ケーシングと、前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、を備え、前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出されることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0007】
この衛生洗浄装置によれば、局部洗浄ノズルの出口の汚れを抑制して、衛生性を向上できる。また、出口から排出された機能気体により、ケーシングの外部(例えば、便器やトイレ室)の衛生性を向上できる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの少なくとも一部に接触することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0009】
この衛生洗浄装置によれば、局部洗浄ノズルの汚れを抑制して、衛生性を向上できる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明において、前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの上方に位置する前記ケーシングの内面の少なくとも一部および前記局部洗浄ノズルの下方に位置する前記ケーシングの底面の少なくとも一部の少なくともいずれか一方に接触することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0011】
この衛生洗浄装置によれば、ケーシングの内面や底面の汚れを抑制して、衛生性を向上できる。
【0012】
第4の発明は、第1の発明において、前記局部洗浄ノズルを内部に収納する筒部を備え、前記機能気体は、前記筒部の内部を流れることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、筒部の内部の汚れを抑制して、衛生性を向上できる。
【0014】
第5の発明は、第1の発明において、前記ケーシングと前記局部洗浄ノズルとの間に位置して前記局部洗浄ノズルに沿って延びる延出板部を備え、前記機能気体は、前記延出板部のうち、前記局部洗浄ノズルが位置する面の少なくとも一部を流れることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0015】
この衛生洗浄装置によれば、延出板部の汚れを抑制して、衛生性を向上できる。
【0016】
第6の発明は、第1の発明において、前記機能気体生成機は、前記局部洗浄ノズルよりも後方で前記機能気体を放出させ、前記送風機は、前記局部洗浄ノズルの後方から前記出口に向けて前記機能気体を流す気流を発生させることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0017】
この衛生洗浄装置によれば、機能気体を局部洗浄ノズルや局部洗浄ノズルの周囲に効率よく接触させることができる。
【0018】
第7の発明は、第1の発明において、前記ケーシングは、前記送風機が作動した場合にトイレ室の空気を内部に吸入する吸入口を有することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0019】
この衛生洗浄装置によれば、局部洗浄ノズルの出口から排出された機能気体がケーシング内に吸入されるのを抑制できる。
【0020】
第8の発明は、第1の発明において、前記ケーシングは、前記出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有し、前記機能気体生成機は、前記ノズル蓋が開いた状態で前記機能気体を放出することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0021】
この衛生洗浄装置によれば、機能気体を効率よく局部洗浄ノズルの出口に流すことができる。
【0022】
第9の発明は、第8の発明において、前記ノズル蓋は、全開状態よりも小さい開状態となっていることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0023】
この衛生洗浄装置によれば、機能気体を効率よく局部洗浄ノズルの出口に流すことができる。また、多くの機能気体をノズル蓋に接触させて、ノズル蓋の汚れを抑制できる。
【0024】
第10の発明は、第8の発明において、前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記ノズル蓋の開角度を第1角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第1モードと、前記ノズル蓋の開角度を前記第1角度よりも大きい第2角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第2モードと、を実行することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0025】
この衛生洗浄装置によれば、第1モードでは、局部洗浄ノズルやその周囲に機能気体を効率よく接触させることができる。一方、第2モードでは、局部洗浄ノズルの出口の開口が大きくなるので、便器に機能気体を効率よく接触させることができる。
【0026】
第11の発明は、第1の発明において、前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記送風機の出力が異なる第1モードおよび第2モードを有し、前記第1モードにおける前記送風機の出力は、前記第2モードにおける前記送風機の出力よりも小さいことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0027】
この衛生洗浄装置によれば、第1モードでは、送風機の出力が小さくなるので、局部洗浄ノズルやその周囲に滞留する機能気体を多くすることができる。従って、局部洗浄ノズルやその周囲に機能気体を効率よく接触させることができる。一方、第2モードでは、送風機の出力が大きくなるので、便器に機能気体を効率よく接触させることができる。また、第1モードでの送風機の出力を小さくすることにより、省電力化を図ることができる。
【0028】
第12の発明は、第10または第11の発明において、前記制御部は、前記第1モードの実行時間を前記第2モードの実行時間よりも短くすることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0029】
この衛生洗浄装置によれば、機能気体を接触させる対象の空間(局部洗浄ノズルの周囲や便器内)に合わせて実行時間を変えているので、機能気体による汚れ抑制を効率よく行うことができる。
【0030】
第13の発明は、第12の発明において、前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、前記ケーシングに設けられ前記便蓋を開状態と閉状態とに回動させる便蓋モータと、をさらに備え、前記制御部は、前記便蓋モータにより前記便蓋を開状態にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第3モードをさらに実行し、前記第3モードの実行時間は、前記第1モードの実行時間よりも長いことを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0031】
この衛生洗浄装置によれば、第3モードにより、トイレ室の汚れ抑制を効果的に行うことができる。
【0032】
第14の発明は、第1の発明において、前記出口は、前方に向けて開口する前排出口と、下方に向けて開口する下排出口と、を有し、前記ケーシングは、前記前排出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有していることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0033】
この衛生洗浄装置によれば、ノズル蓋が閉じた状態でも、下排出口に向けて機能気体を効率よく流すことができる。従って、局部洗浄ノズルの出口の汚れを抑制して、衛生性を向上できる。また、出口から排出された機能気体により、ケーシングの外部(例えば、便器やトイレ室)の衛生性を向上できる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の態様によれば、衛生性を向上した衛生洗浄装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を示す斜視図である。
図2図1中のトイレ装置を正面からみた正面図である。
図3】衛生洗浄装置の要部構成を示すブロック図である。
図4】送風機により流れる気体の流路を示す説明図である。
図5】第1モードでの機能気体の流れを示す断面図である。
図6】第2モードおよび第3モードでの機能気体の流れを示す断面図である。
図7】第1~第3モードが実行される場合の一例を示すタイムチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図4と同様の説明図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図5と同様の機能気体の流れを示す断面図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図5と同様の説明図である。
図11】本発明の第4実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図5と同様の説明図である。
図12】本発明の第1変形例に係る衛生洗浄装置で実行される第3モードの状態を示す断面図である。
図13】本発明の第2変形例に係る衛生洗浄装置のノズル蓋を示す正面図である。
図14】本発明の第3変形例に係る衛生洗浄装置の出口を示す図5と同様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図1図14を参照して説明する。図1図7は、本発明の第1実施形態に係る衛生洗浄装置を示している。
図1は、本発明の第1実施形態に係る衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を示す斜視図である。
図2は、図1中のトイレ装置を正面からみた正面図である。
【0037】
図1に示すトイレ装置1は、トイレ室TRに設置されている。トイレ装置1は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器100」と称する)と、衛生洗浄装置10と、を備える。図1図2に示すように、便器100は、汚物を受ける凹状のボウル部101を有する。衛生洗浄装置10は、便器100の上部に設置されている。
【0038】
衛生洗浄装置10は、ケーシング12を有している。ケーシング12は、便器100の後方に配置されている。使用者が着座する便座14は、ケーシング12に回動可能に設けられている。便蓋16は、便座14を覆うように、ケーシング12に回動可能に設けられている。図1図2の状態は、便座14が閉じた状態(下げられた状態)で、便蓋16が開かれた状態(上げられた状態)である。なお、本願明細書において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、および「右」のそれぞれは、開いた便蓋16に背を向けて便座14に座った使用者から見た方向である。
【0039】
ケーシング12の内部には、便座14に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する身体洗浄機能部58、使用者の人体局部を乾燥させる温風ユニット30などが設けられている。また、ケーシング12の内部には、ボウル部101に向けて除菌水を噴霧する噴霧装置(図示せず)が設けられていてもよい。
【0040】
本実施形態では、ケーシング12の内部には、機能気体Sを発生させる機能気体生成機37および機能気体Sを流通させるための気流を発生させる送風機39が設けられている。機能気体生成機37および送風機39については、後で詳しく説明する。
【0041】
図1では、身体洗浄機能部58の局部洗浄ノズル58a(以下、ノズル58aとする)がボウル部101内に進出した状態を示している。着座検知センサ20が便座14に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部26を操作すると、ノズル58aを便器100のボウル部101内に進出させることができる。
【0042】
ノズル58aの先端部には、ひとつまたは複数の吐水口が設けられている。そして、ノズル58aは、その先端部に設けられた吐水口から便座14に着座した使用者の局部に向けて水を吐水することにより、使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
【0043】
使用者が、手動操作部26(リモコン)に設けられたスイッチによって便器洗浄の操作を行ったり、使用者が便座14から立ち上がったりすると、便器洗浄(ボウル部101内の汚物を排出し、ボウル部101内を洗浄する作動)が実行される。便器洗浄では、ボウル部101内に洗浄水が供給され、ボウル部101に溜水が溜められる。
【0044】
図3は、衛生洗浄装置の要部構成を示すブロック図である。
図3では、水路系と電気系の要部構成を併せて示している。
【0045】
着座検知センサ20は、使用者の便座14への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ20は、使用者の着座および離座を検知する。着座検知センサ20は、例えば便座14に設けられたタクトスイッチ、静電センサおよび歪みセンサなどの接触式センサとなっている。
【0046】
便座14に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサに接触する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。着座検知センサ20は、検知結果を制御部28に送信する。なお、着座検知センサ20は、ケーシング12に設けられた焦電センサや測距センサ(赤外線センサ)などでもよい。
【0047】
人体検知センサ22は、例えばケーシング12に設けられ、トイレ装置1に近づく使用者(人体)を検知する。換言すれば、人体検知センサ22は、トイレ装置1の近傍にいる使用者を検知する。人体検知センサ22は、例えば焦電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、および測距センサ(赤外線投光式センサ)などを用いることができる。
【0048】
人体検知センサ22は、人体の有無を制御部28に送信する。制御部28は、例えば人体検知センサ22による使用者の検知に応答して、便蓋16を自動的に開く。なお、人体検知センサ22は、トイレ装置1の近傍にいる使用者を検知できればよく、例えばトイレ装置1の側方に設けられたキャビネットなどに配設されていてもよい。
【0049】
便蓋モータ24は、ケーシング12に設けられている。便蓋モータ24は、便蓋16を開状態と閉状態とに回動させる。便蓋モータ24は、制御部28に接続され、制御部28からの指令信号により、便蓋16を開閉させる。
【0050】
手動操作部26は、例えばトイレ装置1の側方の壁部などに設けられている。すなわち、手動操作部26は、スイッチまたはボタンなどを有するリモコンであり、使用者に操作されることにより、トイレ装置1(衛生洗浄装置10)の各種の機能部を作動させるものである。手動操作部26は、使用者によりなされた操作に基づく指令信号を制御部28に送信する。制御部28は、受信した指令信号に基づいて、使用者の局部洗浄や便器100の洗浄を実行する。
【0051】
温風ユニット30は、便座14に座った使用者の局部を乾燥させるものである。温風ユニット30は、送風装置32と、温風ヒータ34と、を備えている。送風装置32は、例えばケーシング12の内部に設けられたファンである。送風装置32は、制御部28からの指令信号に基づいて作動する。
【0052】
送風装置32は、ケーシング12の前面部に設けられた吐出口12aから便器100内(ボウル部101内)に向けて送風する。図2に示すように、吐出口12aには、温風乾燥蓋12bが設けられている。温風乾燥蓋12bは、必要に応じて設けられていればよい。温風ヒータ34は、送風装置32によってケーシング12の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。
【0053】
機能気体ユニット35は、ケーシング12に設けられている。機能気体ユニット35は、機能気体により、ノズル58a、ノズル58aの周囲、ボウル部101、およびトイレ室TRにおけるカビ、菌、ウィルスなどを抑制する。これにより、機能気体ユニット35は、トイレ装置1およびトイレ室TRの衛生性を向上させている。そして、機能気体ユニット35は、機能気体生成機37と、送風機39と、を備えている。
【0054】
機能気体生成機37は、ケーシング12に設けられ、汚れを抑制する機能気体Sを生成する。ここで、機能気体Sは、例えばイオン、オゾン、OHラジカルなどを含む気体となっている。機能気体Sは、例えばプラズマクラスター(登録商用)、ナノイー(登録商標)などを例に挙げることができる。
【0055】
すなわち、機能気体Sは、空気中に浮遊するカビ、菌、ウィルスや、ケーシング12およびノズル58aなどに付着したカビ、菌、ウィルスなどの成長、増殖を抑制する。機能気体生成機37は、制御部28に接続され、制御部28からの指令信号に基づいて作動する。
【0056】
送風機39は、ケーシング12に設けられ、機能気体Sをケーシング12の外部に排出させる気流を発生させる。送風機39は、例えばファンであり、制御部28に接続されている。送風機39は、制御部28からの指令信号に基づいて作動する。送風機39は、機能気体Sを、後述するノズル収納部13、ノズル58a、ボウル部101、およびトイレ室TRに向けて導く気流を発生させる。機能気体ユニット35の作動および機能気体Sの流通状態の詳しい説明は、後で説明する。
【0057】
水路系において、衛生洗浄装置10は、管路40~42、電磁弁50、バキュームブレーカ52、切替弁56、ノズル58a、およびノズル洗浄部58cを有する。これらは、ケーシング12内に配置されている。
【0058】
管路40は、水道や貯水タンクなどの給水源Wから供給された水をノズル58aやノズル洗浄部58cなどに導くためのものである。管路40の上流側には、電磁弁50が設けられている。電磁弁50は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング12の内部に設けられた制御部28からの指令に基づいて水の供給を制御する。
【0059】
管路40上において、電磁弁50の下流には、バキュームブレーカ52が設けられている。このバキュームブレーカ52は、例えば水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば流路に水が流れているときに吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ52は、管路40に水の流れがないときに、空気を取り込む。弁機構には、例えばフロート弁が用いられる。
【0060】
バキュームブレーカ52は、上記のように管路40内に空気を取り込むことにより、例えば管路40のバキュームブレーカ52よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ52は、例えばノズル58aからの水抜きを促進する。
【0061】
管路40上において、バキュームブレーカ52の下流には、機能水(除菌水)を生成する除菌装置54が設けられている。除菌装置54は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌装置54としては、例えば電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御部28からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水を電気分解する。
【0062】
なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。除菌水は、例えば銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水またはアルカリ水などでもよい。除菌装置54は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。
【0063】
管路40上において、除菌装置54の下流には、切替弁56が設けられている。切替弁56の下流には、身体洗浄機能部58のノズル58aやノズル洗浄部58cが設けられている。管路40は、切替弁56により、ノズル58aへ水を導く管路41およびノズル洗浄部58cへ水を導く管路42に分岐している。
【0064】
切替弁56は、制御部28からの指令に基づいて、管路41または管路42のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁56は、ノズル58aまたはノズル洗浄部58cへの水の供給を制御する。また、切替弁56は、その下流に供給する水の流量を変更する。
【0065】
身体洗浄機能部58は、ノズル58a、ノズルモータ58b、およびノズル洗浄部58c、を有している。ノズル58aは、非使用時には後述するノズル蓋13dの後方に位置してケーシング12の内部に設けられている。そして、人体局部の洗浄時などにおいて、ノズル58aは、ノズルモータ58bからの駆動力を受け、ケーシング12に対して開閉可能なノズル蓋13dを押圧して、便器100のボウル部101内に進出する。
【0066】
ノズルモータ58bは、制御部28からの指令信号に基づいて作動する。ノズル58aは、ケーシング12から前方へ進出した状態で、吐水口から水を吐出して、人体局部を洗浄する。ノズル洗浄部58cは、その内部に設けられた噴射口から除菌水あるいは水を噴射することにより、ノズル58aの外周表面(胴体)を洗浄する。
【0067】
制御部28は、ケーシング12の内部に設けられ、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。制御部28は、例えばマイコンなどの集積回路を含む。制御部28は、機能気体生成機37および送風機39を制御する。また、制御部28は、手動操作部26から送信される指令信号に基づいて、便蓋モータ24、送風装置32、温風ヒータ34、電磁弁50、バキュームブレーカ52、除菌装置54、切替弁56、およびノズルモータ58bを制御する。
【0068】
制御部28は、人体検知センサ22の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)や、着座検知センサ20の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、衛生洗浄装置10の各部の作動を制御する。
【0069】
制御部28は、機能気体ユニット35を作動させて、汚れを抑制させる汚れ抑制工程を有する。汚れ抑制工程は、例えば第1モード~第3モードを有している。第1モードは、ノズル58aやノズル収納部13の汚れを抑制することを主な目的として実行される。第2モードは、便器100のボウル部101の汚れを抑制することを主な目的として実行される。第3モードは、トイレ室TRの汚れを抑制することを主な目的として実行される。第1~第3モードについては、後で詳しく説明する。
【0070】
次に、図4図5を参照して、第1モードにおける機能気体Sの流通経路について説明する。
図4は、送風機により流れる気体の流路を示す説明図である。
図5は、第1モードでの機能気体の流れを示す断面図である。
【0071】
まず、図1図4に示すように、ケーシング12は、送風機39が作動した場合に、トイレ室TRの空気を内部に吸入する吸入口12cを有している。吸入口12cは、ケーシング12の内部と外部とを連通させている。この例では、吸入口12cは、ケーシング12の左側面に設けられている。
【0072】
なお、吸入口12cは、ケーシング12の後面部や上面部に設けられていてもよい。吸入口12cは、トイレ室TRの空気をケーシング12の内部に吸入させることができればその位置は任意である。すなわち、吸入口12cは、ケーシング12の外面のうち、トイレ室TRに露出する面に設けられている。トイレ室TRからケーシング12の内部に空気を取り込むことにより、ボウル部101に放出された機能気体Sが再びケーシング12内に吸入されるのを低減させることができる。
【0073】
また、ケーシング12は、ノズル58aを収納するノズル収納部13を有している。ノズル収納部13は、ノズル58aの上方(直上)に位置するケーシング12の内面13a、ノズル58aの下方に位置するケーシング12の底面13b、およびノズル58aの出口13cを有する。内面13aは、例えば上方からみた平面視でノズル58aと重なる部分となっている。底面13bは、例えば上方からみた平面視で出口13cからノズル58aと重なる部分までの間となっている。
【0074】
ノズル収納部13には、ノズル58aを支持するノズル支持部59が設けられている。ノズル支持部59は、底面13bに設けられている。ノズル支持部59の前端側には、ノズル洗浄部58cが設けられている。
【0075】
図2に示すように、出口13cは、ケーシング12の前面部に設けられている。出口13cは、便座14が閉じられた状態で便座14の下方に位置している。ケーシング12は、出口13cを開閉可能に覆うノズル蓋13dを有している。すなわち、ノズル収納部13は、出口13cを開閉可能に覆うノズル蓋13dを有している。図5に示すように、この例では、底面13bの前端は、ノズル蓋13dの下端に近い位置(ケーシング12の前面部)まで延びている。従って、ノズル蓋13dが閉状態にある場合には、出口13cの全体が覆われる。
【0076】
図5に示すように、ノズル蓋13dは、上端側を支点として前方に向けて回動可能となっている。ノズル蓋13dは、上端側が回動支点となり、下端側が自由端となっている。ノズル蓋13dは、ノズル58aに押圧されることにより回動する。なお、ノズル蓋13dは、モータやソレノイドなどにより開閉がなされてもよい。
【0077】
ここで、出口13cは、例えばノズル58aを洗浄した除菌水や水などが残りやすい部分となっている。その結果、出口13cは、その残水により菌が繁殖しやすい部分となっている。
【0078】
そこで、図4図5に示すように、機能気体Sを含む気流Fsは、出口13cからケーシング12の外部に排出されるようになっている。これにより、機能気体Sが出口13cに接触するので、出口13cに付着したカビ、菌、ウィルスなどを抑制することができる。従って、衛生性を向上した衛生洗浄装置10を提供することができる。
【0079】
図4図5に示すように、機能気体生成機37は、ノズル58aよりも後方で機能気体Sを放出させている。そして、送風機39は、ノズル58aの後方から出口13cに向けて機能気体Sを流す気流Fsを発生させている。
【0080】
これにより、機能気体Sを含む気流Fsは、ノズル58aの少なくとも一部に接触する。従って、機能気体Sは、気流Fsが出口13cに向けて流れるまでの間に、ノズル58aに付着したカビ、菌、ウィルスを抑制できる。また、機能気体Sは、空気中に浮遊するカビ、菌、ウィルスを抑制できる。従って、機能気体Sは、気流Fsがノズル収納部13内を流れることにより、ノズル収納部13内の衛生性を向上させることができる。
【0081】
さらに、機能気体Sを含む気流Fsは、ノズル58aの上方に位置するケーシング12の内面13aの少なくとも一部およびノズル58aの下方に位置するケーシング12の底面13bの少なくとも一部の少なくともいずれか一方に接触する。気流Fsは、内面13aおよび底面13bの全てに接触してもよいし、少なくとも一部に接触していてもよい。気流Fsは、底面13bに接触することなく、内面13aの少なくとも一部のみに接触してもよい。また、内面13aに接触することなく、底面13bの少なくとも一部のみに接触してもよい。
【0082】
例えば、内面13aの前端側(出口13c側)や底面13bの前端側は、ノズル58aを洗浄した除菌水や水などの残水が発生しやすく、汚れやすい部分となっている。一方、内面13aや底面13bの後端側は、前端側に比べて汚れにくい部分となっている。
【0083】
従って、例えば気流Fsは、少なくとも内面13aの前端側(出口13c側)や底面13bの前端側に接触するように流れていてもよい。気流Fsの流路は、実験、シミュレーションなどによる汚れ分布により設定することができる。また、機能気体Sは、ノズル蓋13dの裏面にも接触する。このような汚れやすい部分に気流Fsを接触させることで、付着したカビ、菌、ウィルスを抑制できる。
【0084】
また、気流Fsをノズル収納部13内に流通させることにより、ノズル支持部59やノズル洗浄部58cにも機能気体Sを接触させることができる。これにより、ノズル支持部59やノズル洗浄部58cに付着したカビ、菌、ウィルスを抑制できる。
【0085】
ここで、機能気体生成機37は、ノズル蓋13dが開いた状態で機能気体Sを放出させてもよい。具体的には、制御部28は、ノズル58aを進出させて、ノズル蓋13dを開く。その後、制御部28は、機能気体生成機37および送風機39を作動させる。これにより、出口13cの開口面積が大きくなるので、ノズル収納部13内から出口13cに向けて気流Fsを効率よく導くことができる。その結果、汚れが付きやすい部分であるノズル収納部13に効率よく機能気体Sを接触させることができる。
【0086】
この場合、ノズル蓋13dは、全開状態よりも小さい開状態とするのが好ましい。仮に、ノズル蓋13dを全開状態にした場合(図6の状態)には、出口13cの開口面積が大きくなるので、ノズル蓋13dに接触せずに排出される気流Fsが多くなるおそれがある。そこで、図5に示すように、制御部28は、ノズル58aを僅かに進出させて、ノズル蓋13dを全開状態よりも小さい開状態とする。これにより、多くの気流Fsをノズル蓋13dの裏面に沿って流すことができるので、ノズル蓋13dの裏面に付着したカビ、菌、ウィルスを効率よく抑制できる。
【0087】
次に、図6を参照して、第2モードおよび第3モードにおける機能気体Sの流通経路について説明する。
図6は、第2モードおよび第3モードでの機能気体の流れを示す断面図である。
【0088】
第2モードは、便器100のボウル部101の汚れを抑制することを主な目的として実行される。そのために、第2モードでは、ノズル蓋13dの開角度を第1モードの場合よりも大きくしている。
【0089】
制御部28は、ノズル蓋13dの開角度を第1角度にした状態(図5の状態)で、機能気体生成機37および送風機39を作動させる第1モードと、ノズル蓋13dの開角度を第1角度よりも大きい第2角度にした状態(図6の状態)で、機能気体生成機37および送風機39を作動させる第2モードと、を実行する。
【0090】
図6に示すように、制御部28は、ノズル58aの進出寸法を第1モードの場合よりも大きくする。これにより、ノズル蓋13dの開角度は、第1モードよりも第2モードの方が大きくなる。その結果、出口13cの開口面積は、第1モードよりも第2モードの方が大きくなる。
【0091】
従って、機能気体Sを含む多くの気流Fsを出口13cからボウル部101に向けて排出させることができる。なお、第2モードでは、便蓋モータ24を作動させて、便蓋16を閉状態にさせるのが好ましい。これにより、ボウル部101内を閉塞された空間とすることができるので、ボウル部101に排出された気流Fsをボウル部101、便座14、および便蓋16に効率よく接触させることができる。従って、ボウル部101、便座14、および便蓋16に付着したカビ、菌、ウィルスを抑制できる。また、気流Fsによりボウル部101内に浮遊するカビ、菌、ウィルスも抑制できる。
【0092】
また、制御部28は、第1モードと第2モードとで、送風機39の出力を異ならせてもよい。この場合、第1モードにおける送風機39の出力を第2モードにおける送風機39の出力よりも小さくする。これにより、第1モードでは、送風機39の風速(風量)が小さくなるので、ノズル収納部13に滞留する気流Fsが多くなり、ノズル収納部13内の機能気体Sの濃度を高くすることができる。一方、第2モードでは、送風機39の風速(風量)が大きくなるので、出口13cからボウル部101に多くの機能気体Sを排出させることができる。
【0093】
ノズル収納部13内は、ボウル部101内に比べて狭い空間となっている。そこで、制御部28は、第1モードの実行時間を第2モードの実行時間よりも短くしてもよい。これにより、必要以上に機能気体ユニット35を作動させることなく、効率よくノズル収納部13やボウル部101のカビ、菌、ウィルスの抑制ができるとともに、省電力化を図ることができる。
【0094】
第3モードは、トイレ室TRの汚れを抑制することを主な目的として実行される。第3モードは、機能気体Sを含む気流Fsをトイレ室TRに拡散させて、トイレ室TRに浮遊するカビ、菌、ウィルスを抑制する。
【0095】
第3モードでは、便蓋モータ24を作動させて、便蓋16を開状態にさせる。その他は、第2モードと同じ条件となっている。すなわち、制御部28は、第3モードを実行する場合には便蓋モータ24を作動させて、その後に機能気体生成機37および送風機39を作動させる。これにより、機能気体Sを含む気流Fsは、出口13cからボウル部101を介してトイレ室TRに排出される。その結果、トイレ室TRに浮遊するカビ、菌、ウィルスを抑制することができるので、トイレ室TRの衛生性を向上できる。
【0096】
この場合、トイレ室TRの空間は、ノズル収納部13の空間やボウル部101の空間よりも広い。そこで、第3モードの実行時間は、第1モードの実行時間よりも長くしてもよい。また、第3モードの実行時間は、第2モードの実行時間よりも長くしてもよい。すなわち、各モードの実行時間は、第1モードが一番短く、第3モードが一番長くてもよい。これにより、必要以上に機能気体ユニット35を作動させることなく、効率よくノズル収納部13、ボウル部101、トイレ室TRのカビ、菌、ウィルスの抑制ができるとともに、省電力化を図ることができる。
【0097】
また、制御部28は、第1モード、第2モード、および第3モードで、送風機39の出力を異ならせてもよい。この場合、第3モードにおける送風機39の出力を第1モードおよび第2モードにおける送風機39の出力よりも大きくする。これにより、第3モードでは、送風機39の風速(風量)が大きくなるので、トイレ室TRに拡散される気流Fsが多くなる。従って、トイレ室TRの広い範囲におけるカビ、菌、ウィルスの抑制ができる。
【0098】
図7は、第1~第3モードが実行される場合の一例を示すタイムチャートである。
【0099】
まず、時刻t0では、便座14に着座している使用者が手動操作部26を操作して、局部洗浄を終了させる。これにより、制御部28は、ボウル部101に進出していたノズル58aをケーシング12内(ノズル収納部13内)に収納させる。制御部28は、ノズル58aが収納されると、機能水モードを実行する。機能水モードでは、ノズル洗浄部58cから除菌水(機能水)や水を噴出させて、ノズル58aを洗浄、除菌する。
【0100】
時刻t1では、機能水モードを終了させる。制御部28は、機能水モードを終了させると、汚れ抑制工程の第1モードを実行する。なお、この例では、第1モードが実行されている場合に、便蓋16が開状態となっている。しかし、制御部28は、便蓋16を閉状態としてもよい。すなわち、第1モードでは、便蓋16が開状態でも閉状態でもよい。第1モードの実行により、ノズル収納部13のカビ、菌、ウィルスを効果的に抑制できる。
【0101】
時刻t2では、第1モードを終了させる。制御部28は、第1モードを終了させると、汚れ抑制工程の第2モードを実行する。まず、制御部28は、開状態にある便蓋16を閉状態にする。そして、制御部28は、図5示す状態のノズル58aをさらに進出させて、ノズル58aを図6に示す状態にする。なお、制御部28は、送風機39の出力を上げてもよい。第2モードの実行により、ボウル部101のカビ、菌、ウィルスを効果的に抑制できる。
【0102】
時刻t3では、第2モードを終了させる。制御部28は、第2モードを終了させると、汚れ抑制工程の第3モードを実行する。まず、制御部28は、閉状態にある便蓋16を開状態にする。なお、制御部28は、送風機39の出力をさらに上げてもよい。第3モードの実行により、トイレ室TRのカビ、菌、ウィルスを効果的に抑制できる。
【0103】
時刻t4では、第3モードを終了させる。制御部28は、第3モードを終了させると、開状態にある便蓋16を閉状態にする。図7に示すように、第1モードの実行時間(時刻t1から時刻t2)は、第2モードの実行時間(時刻2から時刻t3)および第3モードの実行時間(時刻t3から時刻t4)よりも短くなっている。また、第2モードの実行時間(時刻2から時刻t3)は、第3モードの実行時間(時刻t3から時刻t4)よりも短くなっている。このように、第1~第3モードの実行により、トイレ装置1やトイレ室TRのカビ、菌、ウィルスを効果的に抑制できるとともに、消臭効果を得ることができる。
【0104】
なお、制御部28は、例えば汚れ抑制工程(第1~第3モード)の実行中に、人体検知センサ22から人体検知の信号を受信した場合には汚れ抑制工程を停止させる。これにより、使用者がトイレ装置1を使用する場合に、汚れ抑制工程が実行されるのを抑制できる。
【0105】
この例では、局部洗浄の終了後に、第1モードから第3モードまでを連続して実行した場合を説明した。しかし、第1モードから第3モードは、任意に実行させることができる。例えば、第1モードから第3モードは、あらかじめ設定された時刻に実行されてもよいし、設定された時間間隔で実行されてもよい。また、第1モードから第3モードは、例えば使用者や清掃者などによる手動操作部26や携帯端末などの操作により実行されてもよい。
【0106】
次に、本発明の第2実施形態に係る衛生洗浄装置について、図8図9を参照して説明する。第2実施形態に係る衛生洗浄装置は、ノズルが筒部の内部に収納されている。なお、第2実施形態では、上述した第1実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図4と同様の説明図である。
図9は、本発明の第2実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図5と同様の機能気体の流れを示す断面図である。図9では、汚れ抑制工程の第1モードの状態を示している。
【0107】
衛生洗浄装置10は、ノズル58aを内部に収納する筒部60を備えている。筒部60は、ケーシング12の内部に設けられている。筒部60は、前端側に前開口60aを有し、後端側に後開口60bを有している。筒部60は、出口13cから後方に向けて斜め上方に傾斜するように配設されている。
【0108】
筒部60は、内部でノズル58aを支持している。筒部60は、ノズル収納部の一部を構成している。この例では、ノズル収納部は、筒部60、ノズル58aの出口13c、およびノズル蓋13dを有している。
【0109】
筒部60の前方には、ノズル蓋13dが配設されている。なお、筒部60は、前開口60aが出口13cに位置していてもよい。すなわち、ノズル蓋13dは、筒部60の前開口60aを塞いでいてもよい。
【0110】
機能気体ユニット62は、機能気体生成機63と、送風機64と、を有している。図9に示すように、機能気体生成機63は、ノズル58aよりも後方で機能気体Sを放出させている。送風機64は、ノズル58aの後方から出口13cに向けて機能気体Sを流す気流Fを発生させている。この例では、筒部60の後開口60bよりも後方で機能気体Sを放出させているとともに、気流Fを発生させている。なお、機能気体生成機63と、送風機64と、が筒部60の内部に設けられていてもよい。
【0111】
これにより、機能気体Sを含む気流Fsは、筒部60の後開口60bから前開口60aに向けて筒部60の内部を流れる。そして、気流Fsは、筒部60の前開口60aを介して、出口13cからケーシング12の外部に排出される。従って、気流Fsは、筒部60の内面、ノズル58a、出口13c、およびノズル蓋13dのカビ、菌、ウィルスを抑制できる。なお、汚れ抑制工程の第2、第3モードは、上述の第1実施形態と同様の制御処理がなされる。
【0112】
次に、本発明の第3、第4実施形態に係る衛生洗浄装置について、図10図11を参照して説明する。第3、第4実施形態に係る衛生洗浄装置は、ノズルとケーシングとの間に延出板部が設けられている。なお、なお、第3、第4実施形態では、上述した第1実施形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図5と同様の説明図である。
図11は、本発明の第4実施形態に係る衛生洗浄装置を示す図5と同様の説明図である。
図10図11では、汚れ抑制工程の第1モードの状態を示している。
【0113】
図10に示すように、延出板部66は、ケーシング12とノズル58aとの間に位置している。具体的には、延出板部66は、ノズル58aと、ノズル58aの上方に位置するケーシング12の内面13aと、の間に位置している。延出板部66は、ノズル58aに沿って延びている。延出板部66は、出口13cの上端側から後方に向けて斜め上方に傾斜するように配設されている。
【0114】
延出板部66は、ノズル58aを上方から支持している。換言すると、ノズル58aは、延出板部66の下面66a側に位置している。ノズル58aは、延出板部66に沿って前後方向に移動する。この例では、ノズル収納部は、延出板部66の下面66a、ケーシング12の底面13b、出口13c、およびノズル蓋13dを有している。
【0115】
機能気体ユニット67は、機能気体生成機68と、送風機69と、を有している。機能気体生成機68は、ノズル58aよりも後方で機能気体Sを放出させている。送風機69は、ノズル58aの後方から出口13cに向けて機能気体Sを流す気流Fを発生させている。この例では、延出板部66の後端よりも後方で機能気体Sを放出させているとともに、気流Fを発生させている。
【0116】
これにより、機能気体Sを含む気流Fsは、延出板部66のうち、ノズル58aが位置する面(この例では、下面66a)の少なくとも一部を流れる。そして、気流Fsは、延出板部66の下面66a、ケーシング12の底面13b、ノズル58a、出口13c、およびノズル蓋13dに接触する。なお、上述の第1実施形態と同様に、気流Fsは、少なくとも、延出板部66の下面66aの前端側や、ケーシング12の底面13bの前端側などの汚れやすい部分に接触するようにしていてもよい。
【0117】
従って、気流Fsは、延出板部66の下面66a、ケーシング12の底面13b、ノズル58a、出口13c、およびノズル蓋13dのカビ、菌、ウィルスを抑制できる。なお、汚れ抑制工程の第2、第3モードは、上述の第1実施形態と同様の制御処理がなされる。
【0118】
図11に示すように、延出板部70は、ケーシング12とノズル58aとの間に位置している。具体的には、延出板部70は、ノズル58aと、ノズル58aの下方に位置するケーシング12の底面13bと、の間に位置している。延出板部70は、ノズル58aに沿って延びている。延出板部70は、出口13cの下端側から後方に向けて斜め上方に傾斜するように配設されている。
【0119】
延出板部70は、ノズル58aを下方から支持している。換言すると、ノズル58aは、延出板部70の上面70a側に位置している。ノズル58aは、延出板部70に沿って前後方向に移動する。この例では、ノズル収納部は、延出板部70の上面70a、ノズル58aの上方に位置するケーシング12の内面13a、出口13c、およびノズル蓋13dを有している。
【0120】
機能気体ユニット71は、機能気体生成機72と、送風機73と、を有している。機能気体生成機72は、ノズル58aよりも後方で機能気体Sを放出させている。送風機73は、ノズル58aの後方から出口13cに向けて機能気体Sを流す気流Fを発生させている。この例では、延出板部70の後端よりも後方で機能気体Sを放出させているとともに、気流Fを発生させている。
【0121】
これにより、機能気体Sを含む気流Fsは、延出板部70のうち、ノズル58aが位置する面(この例では、上面70a)の少なくとも一部を流れる。そして、気流Fsは、延出板部70の上面70a、ケーシング12の内面13a、ノズル58a、出口13c、およびノズル蓋13dに接触する。なお、上述の第1実施形態と同様に、気流Fsは、少なくとも、延出板部70の上面70aの前端側や、ケーシング12の内面13aの前端側などの汚れやすい部分に接触するようにしていてもよい。
【0122】
従って、気流Fsは、延出板部70の上面70a、ケーシング12の内面13a、ノズル58a、出口13c、およびノズル蓋13dのカビ、菌、ウィルスを抑制できる。なお、汚れ抑制工程の第2、第3モードは、上述の第1実施形態と同様の制御処理がなされる。
【0123】
図12は、本発明の第1変形例に係る衛生洗浄装置で実行される第3モードの状態を示す断面図である。
上述した実施形態では、ノズル蓋13dは、上端側を回動支点とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図12に示す第1変形例のように、下端側を回動支点としたノズル蓋80でもよい。この場合、ノズル蓋80は、上端側と下端側との両方が回動支点となった両開き構造となっていてもよい。
【0124】
ノズル蓋80は、例えばモータやソレノイドなどにより、両開き構造を実現できる。また、例えばノズル蓋80を押圧する2つの押圧部材(例えば、おしり専用ノズルとビデ専用ノズルなど)を有していてもよい。この場合、一方の押圧部材は、ノズル蓋80の上端側を押圧することで、ノズル蓋80の下端側を回動支点とした開状態を実現できる。また、他方の押圧部材は、ノズル蓋80の下端側を押圧することで、ノズル蓋80の上端側を回動支点とした開状態を実現できる。
【0125】
図12に示すように、例えば第3モードでは、ノズル蓋80の下端側を回動支点とした開状態としてもよい。これにより、気流Fsは、ノズル蓋80に沿って出口13cから上方に排出させることができる。従って、気流Fsをトイレ室TRに効率よく拡散させることができる。一方、第2モードでは、ノズル蓋80の上端側を回動支点とした開状態としてもよい。これにより、気流Fsは、ノズル蓋80に沿って出口13cから下方に排出させることができる。従って、気流Fsをボウル部101に効率よく拡散させることができる。
【0126】
図13は、本発明の第2変形例に係る衛生洗浄装置のノズル蓋を示す正面図である。
上述した実施形態では、温風乾燥蓋12bと、ノズル蓋13dとが別個に設けられている場合を説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図13に示す第2変形例のように、ノズル58aの出口13cと、温風乾燥の吐出口12aとを一緒に覆う共通蓋82を有していてもよい。
【0127】
このような場合には、例えば第1~第3モードを実行する場合に、ノズル58aを進出させずに、温風ユニット30の送風装置32を作動させて共通蓋82を開状態にしてもよい。
【0128】
図14は、本発明の第3変形例に係る衛生洗浄装置の出口を示す図5と同様の説明図である。
上述した実施形態では、出口13cの全体がノズル蓋13dにより塞がれる場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば図14に示す第3変形例のように、出口90は、ノズル蓋13dが閉状態であっても、ノズル蓋13dにより塞がれていない部分を有していてもよい。
【0129】
図14に示すように、底面13bの前端がノズル蓋13dの下端から後方に離れていてもよい。すなわち、ノズル58aの出口90は、前方に向けて開口する前排出口90aと、下方に向けて開口する下排出口90bと、を有している。前排出口90aと下排出口90bとは、連通している。そして、ケーシング12は、前排出口90aを開閉可能に覆うノズル蓋13dを有している。すなわち、ノズル蓋13dは、出口90の一部(前排出口90a)を開閉可能に覆う。
【0130】
このような場合には、ノズル蓋13dを開状態にすることなく、機能気体生成機37から機能気体Sを放出してもよい。機能気体Sを含む気流Fsは、ノズル蓋13dを開かなくても、出口90の下排出口90bに導かれて、下排出口90bから便器100の内部(ボウル部101)に向けて排出される。その結果、効率よくノズル収納部13やノズル58aのカビ、菌、ウィルスを抑制できる。
【0131】
このような構成の場合には、ノズル蓋13dを開かないで、第1モードを実行してもよい。すなわち、第1モードにおけるノズル蓋13dの第1角度は、0度以上となっている。気流Fsは、例えばノズル蓋13dの開角度(第1角度)が0度であっても、下排出口90bに導かれる。これにより、例えばノズル58aを伸長させる必要がないので、省電力化を図ることができる。また、ノズル蓋13dが開かないので、使用者に気付かれることなく第1モードを実行できる。そして、第2モードおよび第3モードは、例えばノズル蓋13dの開角度を0度以上とすることにより実行してもよい。
【0132】
また、上述した実施形態では、ノズル58aの出口13cにノズル蓋13dを設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えばノズル蓋13dは設けていなくてもよい。このような場合には、送風機39の出力を変えることにより、第1~第3モードを実行することができる。
【0133】
また、上述した実施形態では、第1~第3モードでノズル蓋13dを開状態にした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば第1~第3モードでノズル蓋13dを積極的に開かなくてもよい。このような場合には、送風機39の出力を変えることにより、第1~第3モードを実行することができる。この場合、ノズル蓋13dは、送風機39による気流Fsにより開状態となる。また、第1~第3モードでは、ノズル蓋13dの開角度を変えずに、送風機39の出力のみを異ならせてもよい。
【0134】
上述した実施形態では、気流Fの流れ方向において、送風機39の下流側に機能気体生成機37を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば出口13cに向かう気流Fsを発生させることができれば、送風機39の上流側に機能気体生成機37が設けられていてもよい。
【0135】
また、上述した実施形態では、ノズル58aの後方側から出口13cに向けて気流Fsを発生させた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えばノズル58a(ノズル収納部)の側方から気流Fsを発生させていてもよい。すなわち、気流Fsは、ノズル58aの少なくとも一部に接触して、出口13cに向かって流れてもよい。
【0136】
また、上述した実施形態では、気流Fsが出口13cのみから排出される場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば気流Fsは、出口13cに加えて他の出口から排出されてもよい。例えば、ケーシング12の外面にトイレ室TRに連通する他の出口が設けられ、この他の出口から気流Fsの一部が排出されてもよい。また、例えばケーシング12の外面にボウル部101に連通する他の出口が設けられ、この他の出口から気流Fsの一部が排出されてもよい。
【0137】
また、上述した実施形態では、1本のノズル58aが設けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明の態様はこれに限らず、例えば、複数本のノズルを有していてもよい。例えば、おしり専用ノズルとビデ専用ノズルとが左右方向に並んでいてもよい。
【0138】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、
前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、
前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、
を備え、
前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、
前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出されることを特徴とする衛生洗浄装置。
(構成2)
前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの少なくとも一部に接触することを特徴とする構成1に記載の衛生洗浄装置。
(構成3)
前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの上方に位置する前記ケーシングの内面の少なくとも一部および前記局部洗浄ノズルの下方に位置する前記ケーシングの底面の少なくとも一部の少なくともいずれか一方に接触することを特徴とする構成1または2に記載の衛生洗浄装置。
(構成4)
前記局部洗浄ノズルを内部に収納する筒部を備え、
前記機能気体は、前記筒部の内部を流れることを特徴とする構成1または2に記載の衛生洗浄装置。
(構成5)
前記ケーシングと前記局部洗浄ノズルとの間に位置して前記局部洗浄ノズルに沿って延びる延出板部を備え、
前記機能気体は、前記延出板部のうち、前記局部洗浄ノズルが位置する面の少なくとも一部を流れることを特徴とする構成1または2に記載の衛生洗浄装置。
(構成6)
前記機能気体生成機は、前記局部洗浄ノズルよりも後方で前記機能気体を放出させ、
前記送風機は、前記局部洗浄ノズルの後方から前記出口に向けて前記機能気体を流す気流を発生させることを特徴とする構成1~5のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成7)
前記ケーシングは、前記送風機が作動した場合にトイレ室の空気を内部に吸入する吸入口を有することを特徴とする構成1~6のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成8)
前記ケーシングは、前記出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有し、
前記機能気体生成機は、前記ノズル蓋が開いた状態で前記機能気体を放出することを特徴とする構成1~7のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成9)
前記ノズル蓋は、全開状態よりも小さい開状態となっていることを特徴とする構成8に記載の衛生洗浄装置。
(構成10)
前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記ノズル蓋の開角度を第1角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第1モードと、
前記ノズル蓋の開角度を前記第1角度よりも大きい第2角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第2モードと、
を実行することを特徴とする構成1~8のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成11)
前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記送風機の出力が異なる第1モードおよび第2モードを有し、
前記第1モードにおける前記送風機の出力は、前記第2モードにおける前記送風機の出力よりも小さいことを特徴とする構成1~10のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成12)
前記制御部は、
前記第1モードの実行時間を前記第2モードの実行時間よりも短くすることを特徴とする構成10または11に記載の衛生洗浄装置。
(構成13)
前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、
前記ケーシングに設けられ前記便蓋を開状態と閉状態とに回動させる便蓋モータと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記便蓋モータにより前記便蓋を開状態にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第3モードをさらに実行し、
前記第3モードの実行時間は、前記第1モードの実行時間よりも長いことを特徴とする構成10~12のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
(構成14)
前記出口は、前方に向けて開口する前排出口と、下方に向けて開口する下排出口と、を有し、
前記ケーシングは、前記前排出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有していることを特徴とする構成1~13のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。
【0139】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置が備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0140】
1 トイレ装置
10 衛生洗浄装置
12 ケーシング
12a 吐出口
12b 温風乾燥蓋
12c 吸入口
13 ノズル収納部
13a 内面
13b 底面
13c 出口
13d ノズル蓋
14 便座
16 便蓋
20 着座検知センサ
22 人体検知センサ
24 便蓋モータ
26 手動操作部
28 制御部
30 温風ユニット
32 送風装置
34 温風ヒータ
35 機能気体ユニット
37 機能気体生成機
39 送風機
40~42 管路
50 電磁弁
52 バキュームブレーカ
54 除菌装置
56 切替弁
58 身体洗浄機能部
58a 局部洗浄ノズル
58b ノズルモータ
58c ノズル洗浄部
59 ノズル支持部
60 筒部
60a 前開口
60b 後開口
62 機能気体ユニット
63 機能気体生成機
64 送風機
66 延出板部
66a 下面
67 機能気体ユニット
68 機能気体生成機
69 送風機
70 延出板部
70a 上面
71 機能気体ユニット
72 機能気体生成機
73 送風機
80 ノズル蓋
82 共通蓋
90 出口
90a 前排出口
90b 下排出口
100 便器
101 ボウル部
S 機能気体
TR トイレ室
F、Fs 気流
W 給水源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、
前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、
前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、
を備え、
前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、
前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出され
前記局部洗浄ノズルを内部に収納する筒部を備え、
前記機能気体は、前記筒部の内部を流れることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、
前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、
前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、
を備え、
前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、
前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出され
前記ケーシングと前記局部洗浄ノズルとの間に位置して前記局部洗浄ノズルに沿って延びる延出板部を備え、
前記機能気体は、前記延出板部のうち、前記局部洗浄ノズルが位置する面の少なくとも一部を流れることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項3】
ケーシングと、
前記ケーシングに設けられ、前記ケーシングの前方に向けて進出する局部洗浄ノズルと、
前記ケーシングに設けられ、汚れを抑制する機能気体を生成する機能気体生成機と、
前記ケーシングに設けられ、前記機能気体を前記ケーシングの外部に排出させる気流を発生させる送風機と、
を備え、
前記ケーシングは、前記局部洗浄ノズルの出口を有し、
前記機能気体は、前記出口から前記ケーシングの外部に排出され
前記機能気体生成機は、前記局部洗浄ノズルよりも後方で前記機能気体を放出させ、
前記送風機は、前記局部洗浄ノズルの後方から前記出口に向けて前記機能気体を流す気流を発生させることを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの少なくとも一部に接触することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項5】
前記機能気体は、前記局部洗浄ノズルの上方に位置する前記ケーシングの内面の少なくとも一部および前記局部洗浄ノズルの下方に位置する前記ケーシングの底面の少なくとも一部の少なくともいずれか一方に接触することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項6】
前記ケーシングは、前記送風機が作動した場合にトイレ室の空気を内部に吸入する吸入口を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項7】
前記ケーシングは、前記出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有し、
前記機能気体生成機は、前記ノズル蓋が開いた状態で前記機能気体を放出することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項8】
前記ノズル蓋は、全開状態よりも小さい開状態となっていることを特徴とする請求項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項9】
前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記ノズル蓋の開角度を第1角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第1モードと、
前記ノズル蓋の開角度を前記第1角度よりも大きい第2角度にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第2モードと、
を実行することを特徴とする請求項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項10】
前記機能気体生成機および前記送風機を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記送風機の出力が異なる第1モードおよび第2モードを有し、
前記第1モードにおける前記送風機の出力は、前記第2モードにおける前記送風機の出力よりも小さいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第1モードの実行時間を前記第2モードの実行時間よりも短くすることを特徴とする請求項に記載の衛生洗浄装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1モードの実行時間を前記第2モードの実行時間よりも短くすることを特徴とする請求項10に記載の衛生洗浄装置。
【請求項13】
前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、
前記ケーシングに設けられ前記便蓋を開状態と閉状態とに回動させる便蓋モータと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記便蓋モータにより前記便蓋を開状態にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第3モードをさらに実行し、
前記第3モードの実行時間は、前記第1モードの実行時間よりも長いことを特徴とする請求項11に記載の衛生洗浄装置。
【請求項14】
前記ケーシングに回動可能に設けられた便蓋と、
前記ケーシングに設けられ前記便蓋を開状態と閉状態とに回動させる便蓋モータと、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記便蓋モータにより前記便蓋を開状態にした状態で、前記機能気体生成機および前記送風機を作動させる第3モードをさらに実行し、
前記第3モードの実行時間は、前記第1モードの実行時間よりも長いことを特徴とする請求項12に記載の衛生洗浄装置。
【請求項15】
前記出口は、前方に向けて開口する前排出口と、下方に向けて開口する下排出口と、を有し、
前記ケーシングは、前記前排出口を開閉可能に覆うノズル蓋を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の衛生洗浄装置。