(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060416
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】様々なプランに対応できるフレキシブルなWEB会議ブース及びその配置構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167777
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】田中 大軌
(72)【発明者】
【氏名】小野沢 篤
(72)【発明者】
【氏名】西尾 俊輝
(57)【要約】 (修正有)
【課題】WEB会議での防音効果が高く、後からサイズや出入口方向を変更できるブース、および当該ブースを複数用いた防音性の高いブースユニットの配置構造を提供する。
【解決手段】正面板4の両端において互いが対面するように固定された2つの側面板5a、5bとを具備するコの字型の間仕切板3と、正面板4および側面板5a、5bの内面に接する天板4aと、天板4aよりも上方の間仕切板3の内面に着脱可能に設けられた吸音材6とを有する小ブース2に、さらに、一方の側面板5aに連続して正面板4と逆側に固定される延長側面板14と、正面板4と対面し延長側面板14と直角となるように固定された背面板15とを具備したL字板13と、L字板13が固定されていない他方の側面板5bおよび背面板15の間に形成される出入口16とを有しており、一方の側面板5aに固定されたL字板13は他方の側面板5bに付け替え可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板と、前記正面板の両端において互いが対面するように固定された2つの側面板と、を具備する平面視コの字型となる間仕切板と、
前記正面板および前記側面板の内面に接するように設けられ、作業を行うための天板と、
前記天板よりも上方の前記間仕切板の内面に着脱可能に設けられた吸音材と、を有する小ブースに、
前記間仕切板として、さらに、前記側面板のうち一方の側面板に連続して前記正面板と逆側に固定される延長側面板と、前記正面板と対面し前記延長側面板と直角となるように固定された背面板と、を具備するL字板と、
前記側面板のうち前記L字板が固定されていない他方の側面板および前記背面板の間に形成される出入口と、を有し、
前記一方の側面板に固定された前記L字板は前記他方の側面板に付け替え可能であることを特徴とする大ブース。
【請求項2】
請求項1に記載の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、
前記小ブース同士が隣接せずに前記小ブース及び前記大ブースが3つ以上隣接して配置され、周囲全体が前記間仕切板で囲まれるように配置されていることを特徴とするブースユニットの配置構造。
【請求項3】
請求項1に記載の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、
前記側面板同士が接着するように前記大ブース2つの間に前記小ブース1つが配置され、
前記大ブースは各前記出入口が前記小ブース側となるように前記L字板が設けられていることを特徴とするブースユニットの配置構造。
【請求項4】
請求項1に記載の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、
同方向に前記出入口を有する前記大ブースが3つ、及び前記小ブースが1つ用いられ、
前記大ブースは、各前記出入口が隣接するように連続して前記背面板および前記他方の側面板が接着して配置され、
前記小ブースは、前記延長側面板と、前記小ブースの前記正面板と、が連続するように、前記小ブースの前記側面板が前記大ブースの前記背面板に接着して配置されていることを特徴とするブースユニットの配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防音効果が高く、模様替え等に適したブース、及び当該ブースを複数用いたブースユニットについての配置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1や特許文献2に示すように、作業を行うためのブースや、複数のブースを組み合わせたブースユニットの配置構造について、開示されている。
【0003】
特許文献1には、四本足の脚部材と、天板と、天板の上側に三方向に延出されるパネル付きのテーブルであって、パネルの取付け、取外しを容易に行うことができるパネル付きテーブルが記載されている。
【0004】
また、特許文献2は、平面視略5角形の外周辺と、着座者が進入できる凹状の机天板を有したワークブースであって、外周辺同士を合わせることで様々なパターンのワークブースのユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022―094769
【特許文献2】特開2004―180937
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のパネル付きテーブルは、後ろ方向は何も音を遮るものがないため、充分な防音性能がなく、周りに声が届き、また周りからの音を遮断することができなかった。また、後からサイズ変更ができないため、レイアウト変更時の自由度が低いものだった。
【0007】
また、特許文献2に記載のワークブースのユニットは、使用者同士が向き合うようにブースが配置されるので、充分な防音性能がなく、周りに声が届き、または周りからの音を遮断することができなかった。また、ブースサイズのバリュエーションはあっても、異なるサイズのブースを組み合わせて使用するものでなかった。
【0008】
そこで本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主目的は、WEB会議を行っても防音効果が高く、さらに、部屋空間の使い方に応じて後からブースサイズやブースの出入口方向を変更できるブース、および当該ブースを複数用いた防音性の高いブースユニットの配置構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、正面板と、正面板の両端において互いが対面するように固定された2つの側面板と、を具備する平面視コの字型となる間仕切板と、正面板および側面板の内面に接するように設けられ、作業を行うための天板と、天板よりも上方の間仕切板の内面に着脱可能に設けられた吸音材と、を有する小ブースに、間仕切板として、さらに、側面板のうち一方の側面板に連続して正面板と逆側に固定される延長側面板と、正面板と対面し延長側面板と直角となるように固定された背面板と、を具備するL字板と、側面板のうちL字板が固定されていない他方の側面板および背面板の間に形成される出入口と、を有し、一方の側面板に固定されたL字板は他方の側面板に付け替え可能であることを特徴としたことにある。
【0010】
好ましくは、請求項1に記載の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、小ブース同士が隣接せずに小ブース及び大ブースが3つ以上隣接し、周囲全体が間仕切板で囲まれるように配置されていることを特徴としたことにある。
【0011】
好ましくは、請求項1に記載の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、側面板同士が接着するように大ブース2つの間に小ブース1つが配置され、大ブースは各出入口が小ブース側となるようにL字板が設けられていることを特徴としたことにある。
【0012】
好ましくは、請求項1に記載の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、同方向に出入口を有する大ブースが3つ、小ブースが1つ用いられ、大ブースは、各出入口が隣接するように連続して背面板および他方の側面板が接着して配置され、小ブースは、延長側面板と、小ブースの正面板と、が連続するように、小ブースの側面板が大ブースの背面板に接着して配置されていることを特徴としたことにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る大ブースによれば、正面板と、2つの側面板と、を具備した間仕切板と、作業を行うための天板と、着脱可能に設けられた吸音材と、を有する小ブースに、間仕切板としてさらに、L字板と、出入口と、を有し、L字板は2枚のいずれかの側面板に付け替え可能であるので、防音性が高いブースとすることができ、L字板を取り外すことで、小ブースとしても使用することができると同時に、L字板を付け替えることで容易に出入口を左右いずれかの方向に変更することができ、部屋空間のレイアウト変更に応じて、対応できるブースとすることができる。
【0014】
本発明に係るブースユニットの配置構造によれば、小ブース同士が隣接せずに小ブース及び大ブースが3つ以上隣接しているので、大ブースよりも防音性の低い小ブースを用いても、周りの音が気にならず、さらに周囲全体が間仕切板で囲まれるように配置されているので、防音性の高いブースユニットの配置構造とすることができる。
【0015】
本発明に係るブースユニットの配置構造によれば、請求項1に記載の大ブース2つの間に小ブース1つが用いられ、各天板が側面板を介して横に隣接するように配置され、大ブースは各出入口が小ブース側となるようにL字板が設けられているので、3人同時にブースを使用することができ、小ブース同士が隣接せずにブースユニット全体として周囲が間仕切板で囲まれているように配置されるので、防音性の高いブースユニットの配置構造とすることができる。
【0016】
本発明に係るブースユニットの配置構造によれば、請求項1に記載の大ブースであって、同方向に出入口を有する大ブースが3つ、小ブースが1つ用いられ、大ブース同士は、平面視略L字型になるように連続して背面板および大ブースの他方の側面板が接着して配置され、小ブースは、他方の側面板が接着されていない大ブースの延長側面板と、小ブースの正面板と、が連続するように、小ブースの側面板が大ブースの背面板に接着して配置されているので、4人同時にブースを使用することができ、小ブース同士が隣接せずに、ブースユニット全体として周囲が間仕切で囲まれているように配置されるので、防音性の高いブースユニットの配置構造とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】(a)本発明に係る右側に出入口のある大ブースの概略斜視図である。(b)(a)の大ブースを背面から見たときの概略斜視図である。
【
図2】(a)小ブースを示す概略斜視図である。(b)(a)を背面から見たときの概略斜視図である。
【
図3】側面板および正面板の接続方法を示す概略斜視図である。
【
図4】正面板および嵩上げ板の接続方法を示す概略図斜視である。
【
図6】一方の側面板および延長側面板の接続方法を示す概略斜視図である。
【
図7】
図1のL字板を反転して付け替えた出入口が左側にある大ブースの概略斜視図である。(b)(a)の大ブースを背面から見たときの概略斜視図である。
【
図8】(a)本発明に係る大ブース及び小ブースを3つ用いたブースユニットの配置構造の一例を示す平面図である。(b)本発明に係る大ブース及び小ブースを4つ用いたブースユニットの配置構造の一例を示す平面図である。
【
図9】(a)本発明に係る大ブース及び小ブースを5つ用いたブースユニットの配置構造の一例を示す平面図である。(b)本発明に係る大ブース及び小ブースを6つ用いたブースユニットの配置構造の一例を示す平面図である。
【
図10】(a)周囲全体が間仕切板で囲まれていない場合の大ブースを用いたブースユニットの配置構造を示す平面図である。(b)大ブースのみを4つ用いたブースユニットの配置構造の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照にしながら詳細に説明する。
【0019】
本発明に係る大ブース1およびブースユニットの配置構造1a~1fは、主に、部屋やオフィスの一角において、パソコンやタブレット端末等を用いて行われる会議、面接、説明会等のWEB会議全般に用いられるものである。
【0020】
[大ブース1について]
本発明に係る大ブース1は、
図1(a)(b)に示すように、後に述べる小ブース2の構成の平面視コの字型の間仕切板3、作業を行うための天板4a、および音を吸収する部材である吸音材6に加え、さらに、間仕切板3として平面視L字型のL字板13と、出入口16と、を有している。
【0021】
大ブース1は、全体として簡易な構造であって、容易に現場で組み立てることが可能であり、部屋の間取りに合わせて模様替え等を容易に行うことができるブースである。使用しないときは、解体が可能であるため、場所をとらずに保管しておくことができる。また、大ブース1は、小ブース2よりも、外部からの入る音を遮断し、かつ、内部から外部に伝わる声を遮断する防音性が高く、ブース内部でWEB会議を行うのに最適なブースである。
【0022】
大ブース1内部には天板4a上で作業を行うスペースと、後方に空いたスペースSと、を有している。スペースSは、例えば、使用者のキャリーケース等の大きな荷物を置くことができる。よって、他の者は、大ブース1内を覗かなくとも、その荷物の有無を確認することで、大ブース1が現在使用中であるかどうかを容易に把握することができる。
【0023】
(小ブース2について)
図2(a)(b)に示すように、小ブース2は、大ブース1と同様に、全体として簡易な構造であって、大ブース1よりもサイズが小さく容易に現場で組み立てることが可能なブースである。使用しないときは、解体が可能であるため、場所をとらずに保管しておくことができる。小ブース2は、外部からの入る音を遮断し、かつ、内部から外部に伝わる声を遮断する防音性が高く、ブース内部で使用者がWEB会議を行うのに最適なブースである。
【0024】
小ブース2は、平面視コの字型となる間仕切板3と、作業を行うための天板4aと、音を吸収する部材である吸音材6と、を有している。
【0025】
(間仕切板3について)
間仕切板3は、板状であり、平面視コの字型となるように、壁面として隣接する大ブース1または小ブース2とを仕切っており、視界や音を遮っている。間仕切板3は、正面板4と、2枚の側面板5と、を具備している。
【0026】
図3に示すように、正面板4の左右両端辺には、側面板5を連結する連結孔7および留め孔8が、1つの辺につき、正面板4の内部方向に等間隔で5つ設けられている。側面板5にも正面板4を合わせた際に連結孔7に連続するような高さ位置にねじ孔7aが設けられている。そして、連結孔7とねじ孔7aとを繋ぐダブルボルト9を用いて正面板4及び側面板5を繋ぎ、その後、正面板4の内側面に設けられた留め孔8からミニフィックス10を挿通し、ダブルボルト9の端部と正面板4とが固定されている。
【0027】
また、図示していないが、間仕切板と床面とは、コンクリートビスで固定されており、間仕切板とコンクリートビスとをミニフィックスで固定している。
【0028】
間仕切板3同士を繋ぐ手段および間仕切板3と床面とを繋ぐ手段は、ダブルボルト9、ミニフィックス10、およびコンクリートビスを用いた方法に限定されず、取付けまたは取外しが可能であれば、別の固定金具を用いて接続してもよい。
【0029】
間仕切板3の高さは、意匠性を高めるためにすべての間仕切板3において均一としており、およそ1400mm~1800mmであり、高さが高ければ高いほど、防音性を高めることができる。また、例えば、高さをおよそ1600mm以上にすることで、使用者がブース内で立ち上がっても、間仕切板3が周りの視界を遮断し、隣接するブース内の様子を見えないようにすることもできる。ブースの使用状況や用途に応じて、間仕切板3の高さHは、適宜変更可能である。
【0030】
また、小ブース2を組み立てて使用をした結果、他のブースからの音を遮断しきれずに防音性が低いと感じたときには、
図4に示すように、間仕切板3の上端辺にも連結孔7および留め孔8を設けて、後付けで間仕切板3上部に間仕切り板3と同様の材料の嵩上げ板11を設けてもよい。嵩上げ板11を設けることで、間仕切板3の高さHを調節し、防音性を後から上げることができる。
図4においては、正面板4上部に嵩上げ板11を設けているが、他の間仕切板3も同様に嵩上げ板11を設けてもよい。
【0031】
間仕切板3の厚みは、全て均一となるように設けられており、10mm~40mmのものが好適に用いられる。厚ければ厚いほど防音効果が高まるが、厚すぎると重くなり組立作業が困難になるため、15mm~25mmのものがさらに好適に用いられる。
【0032】
(正面板4について)
正面板4は、使用者の正面となる位置に固定されており、使用者が発する前方向の声を遮断している。
図1(b)に示すように、正面板4の下部には、パソコン等の電源コード等を通す配線孔12aが設けられている。また、必要であれば、図示していないが、天板4aの上方に物を置くための固定棚を設けていてもよい。
【0033】
(側面板5について)
側面板5の2枚は、正面板4の両端において互いが対面するように固定されている。側面板5は、使用者が発する左右方向の声、または正面板4に反射する声が外部に漏れないように遮断している。2枚の側面板5は、同一形状としているが、必要であれば、適宜変更してもよい。
【0034】
図1(b)に示すように、側面板5の下部には、パソコンを用いた際に、電源コード等を通すための配線孔12bが設けられている。
【0035】
(天板4aについて)
天板4aは、正面板4および側面板5の内面に接するように設けられ、使用者がブース内部の天板4a上においてパソコンを置き、WEB会議の作業を行うためのものである。
図5に示すように、正面板4および側面板5には、棒状の受桟12が固定されており、受桟12上に天板4aがボルト等で固定されて設置されている。天板4aの端には、パソコンを用いた際に、電源コード等を通すための配線孔12cが設けられている。天板4aは横長の長方形状であり、天板4aの横の長さは、正面板4と略同一である。天板4aの奥行方向は、300mm~600mmのものが好適に用いられる。
【0036】
(吸音材6について)
吸音材6は、音を吸収するための部材であり、天板4aよりも上方の間仕切板3の内面に着脱可能に設けられている。吸音材6は、内部に多数の小さい孔が空いた多孔質系のものであり、ウレタンスポンジ、グラスウール、フェルト等の素材が好適に用いられる。また、吸音材6は、間仕切板3との接着面が、例えば、面ファスナー等で設けられており、間仕切板3に対して、着脱自在とすることができる。吸音材6の厚さは15mm~50mmものが用いられ、求める性能や用途に応じて決定される。また、吸音材6を用いることで、間仕切板3の内面に設けられた留め孔8を覆い隠し、意匠性を高めることができる。
【0037】
(L字板13について)
図1に示すように、L字板13は、延長側面板14と、延長側面板14と直角となるように固定された背面板15と、を有している。大ブース1の2枚の側面板5は、一方の側面板5aおよび他方の側面板5bであり、延長側面板14は、一方の側面板5aに連続して、正面板4と逆側に固定され、背面板15は、正面板4に対面されている。L字板13の天板4aより上方には、正面板4および側面板5と同様に吸音材6が設けられている。
【0038】
小ブース2は、L字板13を有しないので、後ろ方向の音や声を遮断することができないが、大ブース1は、L字板13を有することで、使用者の後ろ方向へ伝わる音や声を背面板15が遮断することができ、さらに、防音性を高めている。
【0039】
L字板13の延長側面板14の左右端辺には、一方の側面板5および背面板15を接続するための連結孔7および留め孔8が設けられている。延長側面板14は、
図6に示すように、正面板4および側面板5を固定したときと同様に、一方の側面板5aの連結孔7に連続するような高さ位置に連結孔7が設けられている。連結孔7同士はダブルボルト9で固定されており、ダブルボルト9の端部につながる留め孔8からミニフィックス10によって、間仕切板3とダブルボルト9とが固定されている。逆に延長側面板14と一方の側面板5aとを切り離す際は、ミニフィックス10およびダブルボルト9を取り外すことで、容易に切り離すことができる。したがって、必要に応じて、大ブース1のL字板13の延長側面板14と一方の側面板5aとの接続を切り離すことで、小ブース2としても使用することができる。
【0040】
また、L字板13は、一方の側面板5aから取り外してから反転させ、他方の側面板5bに付け替えることも可能である。すなわち
図1(a)に示すような、説明のためにL字板13に設けられた「A」の文字が、
図7(a)に示すような反転された「A」の文字となるようにL字板13を反転させて、一方の側面板5aから他方の側面板5bにL字板13を付け替えることができる。L字板13を付け替えることで出入口16の左右方向を自在に変更することができる。出入口16の左右方向を自在に変更することで、部屋の間取りに合わせて模様替えやレイアウト変更できる幅を広げることができる。L字板13を付け替えた後は、L字板13を反転させて付け替えたため、吸音材6が間仕切板3の下部に取り付けられた状態となっている。吸音材6は間仕切板3に対して着脱自在であるため、吸音材6を間仕切板3の下部から上部に取り付けて一連の流れが完了する。
【0041】
一方で、出入口16方向を変更するために、延長側面板14を一方の側面板5aおよび背面板15から取り外して、反転させて他方の側面板5bに取り付けて、出入口16方向を変更することも可能であるが、このような方法にすると、背面板15の左右両方向に連結孔7および留め孔8を設ける必要がある。そうすると、外から大ブース1を見た際に、延長側面板14が固定されていない側の背面板15の連結孔および留め孔が目に入ることになるため、意匠性が低いものとなる。したがって、延長側面板14を付け替えるのではなく、L字板13で他方の側面板5bに付け替え可能とすることで、背面板15の出入口16側の連結孔および留め孔が不要となるため、意匠性を高めることができる。
【0042】
さらに、延長側面板14を付け替えて出入口16方向を変更する構成にすると、延長側面板14を一方の側面板5aおよび背面板15の両方から取り外してから、他方の側面板5bおよび背面板15を取り付けることとなり、ダブルボルト9およびミニフィックス10の取り外しおよび固定する箇所が計10箇所になるが、L字板13で付け替えすることで、一方の側面板5aのみのダブルボルト9およびミニフィックス10を取り外して、他方の側面板5bに取り付けすればよいため、ダブルボルト9およびミニフィックス10の取り外しおよび固定する箇所が計5箇所となり、取り外しおよび固定箇所を半分にすることができる。
【0043】
また、延長側面板14の一枚板だと独立して立つことができないが、L字板13とすることで、独立して立つことができるため、ダブルボルト9およびミニフィックス10の取り外しおよび固定の作業がしやすくなる。
【0044】
このように、一枚板の延長側面板14を一方の側面板5aおよび背面板15から取り外して、反転させて他方の側面板5bに取り付けるのではなく、L字板13として一方の側面板5aから他方の側面板5bに付け替え可能とすることで、出入口16方向を変更する際の作業効率を上げることができる。
【0045】
(背面板15について)
背面板15は、正面板4と同一の形状であり、使用者が発する左右方向の声の正面板4または側面板5に反射する声を遮断しており、防音性を高めている。背面板15は、前述したように、延長側面板14に直角となるように、端辺に固定されている。左右いずれかの一端辺のみに固定されていればよいので、連結孔7および留め孔8は、いずれか一方の端辺にのみ設けられている。したがって、出入口16側の背面板15の端辺には、連結孔7および留め孔8設けられておらず、意匠性の高いブースとすることができる。
【0046】
(出入口16について)
出入口16は、L字板13が固定されていない他方の側面板5bおよび背面板15の間に形成される。前述したように、出入口16は左右方向に変更することができ、部屋の間取りに合わせて模様替えやレイアウト変更できる幅を広げることができる。出入口16の幅間隔Lは、延長側面板14の横の長さによって定められ、400mm~800mmが好適に用いられる。
【0047】
[ブースユニットの配置構造1a~1fについて]
本発明に係るブースユニットの配置構造1a~1fは、外部からの入る音を遮断し、かつ、外部に声を遮断する防音性の高く、WEB会議を行うのに最適なブースユニットの配置構造である。大ブース1を複数用いたブースユニットは、主に、室内の部屋の一角または、部屋の全面に設けられる。
【0048】
本発明に係るブースユニットの配置構造1a~1fは、
図8~
図10に示すように、小ブース2同士を隣接せずに大ブース1および小ブース2が3つ以上隣接し、周囲全体が間仕切板3で囲まれて配置されている。小ブース2は大ブース1と比較して防音性は低いが、小ブース2同士が隣接していない配置にすることで、小ブース2から漏れた声が届きにくいブースユニットとしている。また周囲全体が間仕切板3で囲まれているので、ブース内で生じる声が外に漏れにくく、防音性の高い配置構造とすることができる。
【0049】
(実施例1)
図8(a)に示されるように、ブースユニットの配置構造1aは、同時に最大3人で使用されるブースユニットであり、大ブース1の2つの間に小ブース2の1つが用いられ、一方の側面板5aおよび他方の側面板5bの長さが同一である。大ブース1および小ブース2の側面板5同士が接着するように2つの大ブース1の間に小ブース2が1つ用いられ、大ブース1は各出入口16が小ブース2側となるようにL字板13が設けられている。
【0050】
使用者は、ブースユニットの配置構造1aの出入口16aから入って、何れかの空いている大ブース1または小ブース2を選択する。小ブース2は、出入口16aの正面に配置しているため、他の者が現在使用しているかどうかをすぐに認識することができる。また、大ブース1は、スペースSに荷物等が置いてあるかどうかで、他の者が現在使用しているかどうかを確認することができる。
【0051】
また、ブースの方向すなわち正面板4は全て同方向を向いており、ブース同士が向かい合うように配置されていないため、ブース内で発生する声が隣接するブースに伝わりにくい配置構造となっている。
【0052】
(実施例2)
図8(b)に示されるように、ブースユニットの配置構造1bは、同時に最大4人で使用されるブースユニットであり、同方向に出入口16を有する大ブース1が3つ、小ブース2が1つ用いられ、正面板4、背面板15、および側面板5の長さが同一である。正面板4、背面板15、および側面板5の長さを同一にすることで、それぞれの板を組み合わせた際、長さに相違が生じないため全体として統一感が生じ、意匠性を高めることができる。大ブース1は、各出入口16が隣接するように連続して背面板15および大ブース1の他方の側面板5bが接着して配置され、小ブース2は、延長側面板14と、小ブース2の正面板4と、が連続するように、小ブース2の側面板5が大ブース1の背面板15に接着して配置されている。
【0053】
ブースユニットの配置構造1bは、全体として正方形の形状である。本実施例においては、大ブース1の出入口16は、全て右側に設けられているが、全て左側となるようにして配置してもよい。
【0054】
実際に使用する際は、使用者は、ブースユニットの配置構造1bの出入口16bから入って、何れかの空いている大ブース1または小ブース2を選択する。小ブース2は、出入口16bのすぐ左に配置されているため、他の者が現在使用しているかどうかをすぐに認識することができる。また、大ブース1は、スペースSに荷物等が置いてあるかどうかで、他の者が現在使用しているかどうかを確認することができる。
【0055】
また、ブースの方向すなわち正面板4は全て異方向を向いており、かつ、ブースの正面に他のブースがないように配置されているため、ブース内で発生する声が隣接するブースに伝わりにくい配置構造となっている。
【0056】
(実施例3)
図9(a)に示されるように、ブースユニットの配置構造1cは、同時に最大5人で使用されるブースユニットであり、実施例1で示したブースユニットの配置構造1aの一方の大ブース1の背面板15に、さらに、背面板15が接着するようにさらに大ブース1が配置され、そして、その大ブース1の他方の側面板5bに隣接し、大ブース1の天板4aと同方向を向くように、小ブース2が配置されている。
【0057】
実際に使用する際は、使用者は、ブースユニットの配置構造1cの出入口16cから入って、何れかの空いている大ブース1または小ブース2を選択する。小ブース2については、出入口16cのすぐ左に配置されているため、他の者が現在使用しているかどうかをすぐに認識することができる。また、大ブース1についても、スペースSに荷物等が置いてあるかどうかで、他の者が現在使用しているかどうかを確認することができる。
【0058】
また、ブース同士が向かい合うように配置されていないため、ブース内で発生する声が隣接するブースに伝わりにくい配置構造となっている。
【0059】
(実施例4)
図9(b)に示されるように、ブースユニットの配置構造1dは、全体として長方形状であり、同時に最大6人で使用されるブースユニットであり、実施例2で示したブースユニットの配置構造1bに、さらに、大ブース1が2つ配置されている。ブースユニットの配置構造1aの小ブース2の側面板5に背面板15が接着するようにさらに大ブース1が設けられ、その大ブース1の他方の側面板5bに背面板15が接着するように大ブース1が設けられている。
【0060】
ブースユニットを使用する人数が増えると、ブースユニット内で話す声が大きくなるが、防音性の高い大ブース1の割合が多くすることで、ブースユニット内でも防音性の高い配置構造としている。ブースの正面に他のブースがないように配置されているため、ブース内で発生する声が隣接するブースに伝わりにくい配置構造となっている。
【0061】
(実施例5)
また、
図10(a)に示すブースユニットの配置構造1eは、部屋の凹部において、大ブース1の2つの間に小ブース2の1つが用いられ、各天板4aが側面板5を介して横に隣接するように配置され、大ブース1は各出入口16が小ブース2と逆側となるようにL字板13が設けられている。周囲全体が間仕切板3で囲まれていない場合でも、大ブース1の出入口16の近くが内壁Wとなる配置構造にすることで、ブースユニットが間仕切板3で囲まれていなくとも、同様の防音効果を得ることができる。
【0062】
内壁Wは、防音効果の有する壁にすることで、さらに、防音効果を高めることができる。また、ブースユニットの配置構造1eも天板4aが全て同じ方向を向くように横に並んで配置している。したがって、使用者の発する声の正面方向には、他の使用者がいないため、隣接する他のブース内にいる他の使用者に対して声が届きにくい配置構造である。
【0063】
(実施例6)
また、
図10(b)に示すように、小ブース2を用いずとも、複数の大ブース1のみを用いた配置構造としてもよい。ブースユニットの配置構造1fは、右側に出入口16を有する大ブース1を4つの背面板15と、他方の側面板5bと、が連続して接着するように配置されている。
【0064】
ブースユニットの配置構造1fも天板4aが全て異方向を向くようにして、大ブース1が配置されている。したがって、使用者が声を発しても、声を発する正面方向には他の使用者がいないため、隣接する他のブース内にいる他の使用者に対して声が届きにくい配置構造である。
【0065】
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
【0066】
<第一の特徴>
本発明に係る大ブースは、正面板と、前記正面板の両端において互いが対面するように固定された2つの側面板と、を具備する平面視コの字型となる間仕切板と、前記正面板および前記側面板の内面に接するように設けられ、作業を行うための天板と、前記天板よりも上方の前記間仕切板の内面に着脱可能に設けられた吸音材と、を有する小ブースに、前記間仕切板として、さらに、前記側面板のうち一方の側面板に連続して前記正面板と逆側に固定される延長側面板と、前記正面板と対面し前記延長側面板と直角となるように固定された背面板と、を具備するL字板と、前記側面板のうち前記L字板が固定されていない他方の側面板および前記背面板の間に形成される出入口と、を有し、前記一方の側面板に固定された前記L字板は前記他方の側面板に付け替え可能であることを特徴としたことにある。
【0067】
この特徴により、防音性が高いブースとすることができ、周囲の音を気にせずにWEB会議を行うことができる。また、L字板を取り外すことで、小ブースとしても使用することができると同時に、L字板を付け替えることで容易に出入口を左右いずれかの方向に変更することができ、部屋空間のレイアウト変更に応じて、対応できるブースとすることができる。
【0068】
<第二の特徴>
本発明に係るブースユニットの配置構造は、第一の特徴の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、前記小ブース同士が隣接せずに前記小ブース及び前記大ブースが3つ以上隣接して配置され、周囲全体が前記間仕切板で囲まれるように配置されていることを特徴としたことにある。
【0069】
この特徴により、大ブースよりも防音性の低い小ブースを用いても、周りの音が気にならず、さらに周囲全体が間仕切板で囲まれるように配置されているので、防音性の高いブースユニットの配置構造とすることができる。
【0070】
<第三の特徴>
本発明に係るブースユニットの配置構造は、第一の特徴の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、前記側面板同士が接着するように前記大ブース2つの間に前記小ブース1つが配置され、前記大ブースは各前記出入口が前記小ブース側となるように前記L字板が設けられていることを特徴としたことにある。
【0071】
この特徴により、3人同時にユニット内でブースを使用することができ、小ブース同士が隣接せずにブースユニット全体として周囲が間仕切で囲まれているように配置されるので、防音性の高いブースユニットの配置構造とすることができる。
【0072】
<第四の特徴>
本発明に係るブースユニットの配置構造は、第一の特徴の大ブースを用いたブースユニットの配置構造であって、同方向に前記出入口を有する前記大ブースが3つ、前記小ブースが1つ用いられ、前記大ブースは、各前記出入口が隣接するように連続して前記背面板および前記他方の側面板が接着して配置され、
前記小ブースは、前記延長側面板と、前記小ブースの前記正面板と、が連続するように、前記小ブースの前記側面板が前記大ブースの前記背面板に接着して配置されていることを特徴としたことにある。
【0073】
この特徴により、4人同時にユニット内でブースを使用することができ、小ブース同士が隣接せずに、ブースユニット全体として周囲が間仕切で囲まれているように配置されるので、防音性の高いブースユニットの配置構造とすることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 大ブース
1a~1f ブースユニットの配置構造
2 小ブース
3 間仕切板
4 正面板
4a 天板
5 側面板
5a 一方の側面板
5b 他方の側面板
6 吸音材
7 連結孔
7a ねじ孔
8 留め孔
9 ダブルボルト
10 ミニフィックス
11 嵩上げ板
12 受桟
12a~12c 配線孔
13 L字板
14 延長側面板
15 背面板
16 出入口
16a~16d 出入口
S スペース
L 幅間隔
W 内壁