IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図1
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図2
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図3
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図4
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図5
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図6
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図7
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図8
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図9
  • 特開-検査ソケットおよび検査装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060417
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】検査ソケットおよび検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20240424BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
G01R1/073 F
G01R1/067 C
G01R1/067 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167778
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】酒井 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】笹野 直哉
(72)【発明者】
【氏名】小野山 太治
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA04
2G011AA12
2G011AB01
2G011AB07
(57)【要約】
【課題】複数のサイズの電池に対応可能な検査ソケットおよび検査装置を提供すること。
【解決手段】検査ソケットが、ハウジングと、ハウジングの内部に収容された複数の板状のプローブピンとを備える。各プローブピンは、一端に設けられた第1端部と、他端に設けられた第2端部とを有している。複数のプローブピンが、第1端部が電池のプラス極端子に接触可能な少なくとも1つの第1プローブピンと、第1端部が電池の縁部に接触可能な少なくとも1つの第2プローブピンとを含む。第1方向に沿って見た場合に、第2プローブピンの第1端部が、電池の外周に交差する方向に延びている。第1方向およびプローブピンの厚さ方向に交差する第2方向における第2プローブピンの第1端部の寸法が、径方向における電池の縁部の寸法よりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向の一端の中央に位置するプラス極端子と、前記プラス極端子に対して径方向の外側に位置すると共にマイナス極端子と電気的に接続された環状の縁部とを有する電池の検査に用いられる検査ソケットであって、
ハウジングと、
第1方向の一端に設けられた第1端部と、前記第1方向の他端に設けられた第2端部とをそれぞれ有し、前記ハウジングの内部に収容された複数の板状のプローブピンと
を備え、
複数の前記プローブピンが、前記第1端部が前記プラス極端子に接触可能な少なくとも1つの第1プローブピンと、前記第1端部が前記縁部に接触可能な少なくとも1つの第2プローブピンとを含み、
前記第1方向に沿って見た場合に、前記第2プローブピンの前記第1端部が、前記電池の外周に交差する方向に延びており、
前記第1方向および前記プローブピンの厚さ方向に交差する第2方向における前記第2プローブピンの前記第1端部の寸法が、径方向における前記縁部の寸法よりも大きい、検査ソケット。
【請求項2】
複数の前記プローブピンが、複数の前記第1プローブピンと、複数の前記第2プローブピンとを含む、請求項1に記載の検査ソケット。
【請求項3】
複数の前記プローブピンが、少なくとも1つの前記第1プローブピンを有する第1プローブピンセットと、前記第1プローブピンセットに対して相互に電気的に独立して位置していると共に少なくとも1つの前記第2プローブピンを有する第2プローブピンセットとを含む、請求項2に記載の検査ソケット。
【請求項4】
複数の前記第2プローブピンが、前記縁部に接触可能な状態で前記ハウジングに収容されている、請求項2に記載の検査ソケット。
【請求項5】
複数の前記プローブピンは、前記厚さ方向が一致するように前記ハウジングに収容されている、請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項6】
前記第1プローブピンが、凸形状の前記プラス極端子に対して接触可能に構成されている、請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項7】
前記第1プローブピンが、前記第1方向における前記第1端部および前記第2端部の間に位置すると共に前記第1方向に沿って伸縮可能な弾性部を有し、
前記第1端部および前記第2端部が、前記弾性部の前記第2方向の一端に位置しており、
前記第1プローブピンが、前記第1端部を前記第2端部に向かって接近させる場合に、前記第1端部が前記第2方向でかつ前記ハウジングの中心に接近する方向に移動するように、前記ハウジングに収容されている、請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項8】
前記第2プローブピンが、前記第1方向における前記第1端部および前記第2端部の間に位置すると共に前記第1方向に沿って伸縮可能な弾性部を有し、
前記第1端部および前記第2端部が、前記弾性部の前記第2方向の一端に位置しており、
前記第2プローブピンが、前記第1端部を前記第2端部に向かって接近させる場合に、前記第1端部が前記第2方向でかつ前記ハウジングの中心から離れる方向に移動するように、前記ハウジングに収容されている、請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項9】
前記ハウジングが、内部に収容された前記プローブピンを外部から視認可能な窓部を有している、請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケット。
【請求項10】
少なくとも1つの請求項1~4のいずれかに記載の検査ソケットを備える、検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査ソケットおよび検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、二次電池の検査装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-28692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、特許文献1の検査装置を含む検査装置では、円筒形状のスプリングプローブ(いわゆるポゴピン)を用いて、検査が行われる。しかし、通常、ポゴピンは、接点径が小さいため、複数のサイズの電池の検査に対応できない場合がある。
【0005】
本開示は、複数のサイズの電池に対応可能な検査ソケットおよび検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の検査ソケットは、
軸方向の一端の中央に位置するプラス極端子と、前記プラス極端子に対して径方向の外側に位置すると共にマイナス極端子と電気的に接続された環状の縁部とを有する電池の検査に用いられる検査ソケットであって、
ハウジングと、
第1方向の一端に設けられた第1端部と、前記第1方向の他端に設けられた第2端部とをそれぞれ有し、前記ハウジングの内部に収容された複数の板状のプローブピンと
を備え、
複数の前記プローブピンが、前記第1端部が前記プラス極端子に接触可能な少なくとも1つの第1プローブピンと、前記第1端部が前記縁部に接触可能な少なくとも1つの第2プローブピンとを含み、
前記第1方向に沿って見た場合に、前記第1端部が、前記電池の外周に交差する方向に延びており、
前記第1方向および前記プローブピンの厚さ方向に交差する第2方向における前記第2プローブピンの前記第1端部の寸法が、径方向における前記縁部の寸法よりも大きい。
【0007】
本開示の一態様の検査装置は、
少なくとも1つの前記態様の検査ソケットを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、複数のサイズの電池に対応可能な検査ソケットおよび検査装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の一実施状態の検査ソケットを示す斜視図。
図2図1の検査ソケットの拡大正面図。
図3図2のIII-III線に沿った断面図。
図4図1のIV-IV線に沿った断面図。
図5図1のV-V線に沿った断面図。
図6図1のVI-VI線に沿った断面図。
図7図1のVII-VII線に沿った断面図。
図8図1の検査ソケットの第1の変形例を示す斜視図。
図9図1の検査ソケットの第2の変形例を示す拡大平面図。
図10図1の検査ソケットの第3の変形例を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一例を添付図面に従って説明する。以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、本開示の適用物、または、本開示の用途を制限することを意図するものではない。図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
【0011】
本開示の一実施形態の検査ソケット1は、図1に示すように、ハウジング10と、ハウジングの内部に収容された複数の板状のプローブピン20とを備える。複数のプローブピン20は、第1プローブピン21と、第2プローブピン22とを含む。
【0012】
検査ソケット1は、例えば、図2に示す電池100の検査に用いられる検査装置の一部を構成する。電池100は、略円柱形状で、軸方向(例えば、X方向)の一端の中央に位置するプラス極端子101と、プラス極端子101に対して径方向の外側に位置すると共にマイナス極端子と電気的に接続された環状の縁部102(図3参照)とを有する。一例として、プラス極端子101は、凸形状を有している。電池100は、例えば、EV(Electric Vehicle)用のリチウムイオン電池である。
【0013】
本実施形態では、複数のプローブピン20が、2つの第1プローブピン21と、2つの第2プローブピン22とを含む。詳しくは、複数のプローブピン20が、各々が1つの第1プローブピン21を含む2つの第1プローブピンセット211、212と、各々が1つの第2プローブピン22を含む2つの第2プローブピンセット221、222とを含む。各プローブピンセットは、相互に電気的に独立している。第1プローブピンセット211および第2プローブピンセット221は、例えば、センスピンとして機能し、第1プローブピンセット212および第2プローブピンセット222は、例えば、フォースピンとして機能する。各プローブピン20は、単一の部品で形成されている。
【0014】
ハウジング10は、図1に示すように、例えば、略四角柱形状で、内部に少なくとも1つのプローブピン20を収容可能な収容部13を複数有している(図4図7参照)。各収容部13は、後述するプローブピン20の第1端部31および第2端部41が露出した状態で、プローブピン20を収容可能に構成されている。
【0015】
本実施形態では、ハウジング10は、収容されたプローブピン20が延びる第1方向(例えば、X方向)に積層された2つの部材11、12で構成されている。各収容部13には、1つのプローブピン20が収容されている。各収容部13は、収容部13に収容されたプローブピン20の厚さ方向が一致するように形成されている。部材11のプローブピン20の第1端部31が露出する面111には、略円形の凹部14が設けられている。凹部14の底面には、第1プローブピン21の第1端部31がそれぞれ露出する2つの開口部112が設けられている。第2プローブピン22の第1端部31は、面111の凹部14の径方向の外側には、第2プローブピン22の第1端部31がそれぞれ露出する2つの開口部113が設けられている。部材12のプローブピン20の第2端部41が露出する面121(図4図7参照)には、基板110が取り付けられている。
【0016】
プローブピン20は、図4図7に示すように、第1方向Xの一端に設けられた第1端部31と、第1方向Xの他端に設けられた第2端部41とを有している。本実施形態では、プローブピン20は、第1端部31を有する第1接触部30と、第2端部41を有する第2接触部40と、第1方向Xにおける第1接触部30および第2接触部40の間に位置する共に第1方向Xに沿って伸縮可能な弾性部50とを含む。第1接触部30および第2接触部40は、第1方向Xに沿って延びる仮想直線L上に位置し、弾性部50により接続されている。つまり、第1接触部30および第2接触部40は、第1方向Xおよびプローブピン20の厚さ方向(例えば、Z方向)に交差する第2方向(例えば、Y方向)における弾性部50の一端に位置している。
【0017】
第1接触部30は、第1方向Xに沿って延びる略矩形板状を有している。第1接触部30の第1方向Xにおいて第2接触部40よりも遠くに位置する端が第1端部31を構成している。第1接触部30の第1方向Xにおいて第2接触部40の近くに位置する端には、弾性部50が第2方向Yから接続されている。
【0018】
本実施形態では、図3に示すように、第2プローブピンの第1端部31は、第1方向Xに沿って見た場合に、電池100の外周103に交差する方向に延びている。第2方向Yにおける第2プローブピン22の第1端部31の寸法W1が、径方向における電池100の縁部102の寸法W2よりも大きい。
【0019】
第1プローブピン21の第1端部31は、電池100のプラス極端子101に接触可能に構成され、第2プローブピン22の第1端部31は、電池100の縁部102に接触可能に構成されている。詳しくは、第1プローブピン21の第1端部31は、図4および図5に示すように、第2方向Yにおいて第1方向Xに延びるハウジング10の中心線CLから離れるに従って、第1方向Xにおいて第2接触部40に接近する方向に傾斜する傾斜面32を有している。第2プローブピン22の第1端部31は、図6および図7に示すように、複数の凹凸が形成された凹凸面33を有している。このように第1端部31を構成することで、第1プローブピン21および第2プローブピン22の各々を電池100に対して点接触させることができる。
【0020】
第2接触部40は、第1方向Xに沿って延びる略矩形板状を有している。第2接触部40の第1方向Xの長さは、第1接触部30よりも小さくなっている。第2接触部40の第1方向Xにおいて第1接触部30よりも遠くに位置する端が第2端部41を構成している。第2接触部40の第1方向Xにおいて第1接触部30の近くに位置する端には、弾性部50が第2方向Yから接続されている。
【0021】
本実施形態では、図3に示すように、複数の第2プローブピン22が、電池100の縁部102に接触可能な状態で、ハウジング10の収容部13に収容されている。
【0022】
第1プローブピン21および第2プローブピン22の第2端部41は、基板110の端子に接触可能に構成されている。詳しくは、第1プローブピン21および第2プローブピン22の第2端部41は、図4図7に示すように、第2方向Yにおいて中心線CLから離れるに従って、第1方向Xにおいて第1接触部30に接近する方向に傾斜する傾斜面42を有している。このように第2端部41を構成することで、第1プローブピン21および第2プローブピン22の各々を基板110に対して点接触させることができる。
【0023】
弾性部50は、複数の第1部分51と、複数の第2部分52とを有する。各第1部分51は、第1方向Xに沿って間隔を空けて配置され、各々が第2方向Yに沿って直線的に延びている。各第2部分52は、第1方向Xに沿って延びる略半円弧形状を有し、両端が隣り合う第1部分51の端部にそれぞれ接続されている。第1方向Xの両端に位置する第1部分51が、それぞれ第1接触部30および第2接触部40に対して、第2方向Yの同じ側から接続されている。全ての第1部分51および第2部分52は、第1接触部30の側面34に対して同じ側に位置している。側面34は、第1接触部30の第2方向Yに交差する一対の側面のうち、第1部分51が接続されている側面と反対側の側面である。
【0024】
本実施形態では、図4および図5に示すように、第1プローブピン21は、第1端部31を第2端部41に向かって接近させる場合、第1端部31が第2方向Yでかつハウジング10の中心に接近する方向に移動するように、ハウジング10の収容部13に収容されている。言い換えると、第1プローブピン21を第1端部31側から第2端部41に向かって押圧すると、第1端部31がハウジング10の中心線CLに向かう方向にワイピングする。
【0025】
図6および図7に示すように、第2プローブピン22は、第1端部31を第2端部41に向かって接近させる場合、第1端部31が第2方向Yでかつハウジング10の中心から離れる方向に移動するように、ハウジング10の収容部13に収容されている。言い換えると、第2プローブピン22を第1端部31側から第2端部41に向かって押圧すると、第1端部31がハウジング10の中心線CLから離れる方向にワイピングする。
【0026】
検査ソケット1は、次のような効果を発揮できる。
【0027】
検査ソケット1が、ハウジング10と、ハウジング10の内部に収容された複数の板状のプローブピン20とを備える。各プローブピン20は、第1方向の一端に設けられた第1端部31と、第1方向の他端に設けられた第2端部41とをそれぞれ有している。複数のプローブピン20が、第1端部31が電池100のプラス極端子101に接触可能な少なくとも1つの第1プローブピン21と、第1端部31が電池100の縁部102に接触可能な少なくとも1つの第2プローブピン22とを含む。第1方向に沿って見た場合に、第2プローブピン22の第1端部31が、電池100の外周に交差する方向に延びている。第1方向およびプローブピン20の厚さ方向に交差する第2方向における第2プローブピン22の第1端部31の寸法W1が、径方向における電池100の縁部102の寸法W2よりも大きい。このような構成により、複数のサイズの電池に対応可能な検査ソケット1を実現できる。
【0028】
EV用電池の検査には、通常、円筒形状のポゴピンが採用されている。しかし、ポゴピンは、EV用電池の接点に適した形状の先端を有しておらず、検査時に接触不良を起こす場合がある。ポゴピンは、通常、複数の部品で構成されているため、ポゴピンを用いた検査ソケットでは、電流特性が安定しない。このため、検査用ソケットを小型化または薄型化する場合、検査ソケット内に収容されるプローブピンも小型化する必要があるが、プローブピンを小型化すると電流を流す導通経路が細くなり、導通時にプローブピンが発熱するため、検査ソケットの放熱性を高めたいという要望がある。検査時に流れる電流が高電流である場合、例えば、複数のプローブピンを電池に接触させることが考えられる。しかし、ポゴピンは、通常、円筒形状を有しているため、複数のポゴピンをハウジングに収容する場合、検査ソケットの省スペース化を図ることができない場合がある。
【0029】
検査ソケット1では、プローブピン20の第1端部31の形状を電池100の形状(例えば、プラス極端子101および縁部102の形状)にあわせてカスタムできるので、検査時の接触不良の発生を低減させることができる。検査ソケット1では、単一の部品である板状のプローブピン20を用いているため、電流特性を安定させて、検査において測定値を安定化させることができる。板状のプローブピン20は、例えば、複数枚重ねつつ同一方向に並べることで、効率的な配列となり、検査ソケット1の省スペース化を図ることができる。板状のプローブピン20は、ポゴピンよりも空気に接する面積を大きくすることができるため、検査ソケット1の放熱性を高めて、プローブピン20の抵抗値の上昇を抑えることができる。
【0030】
検査ソケット1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前述の実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前述の実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、複数のサイズの電池に対応可能な検査ソケット1をより確実に実現できる。
【0031】
複数のプローブピン20が、複数の第1プローブピン21と、複数の第2プローブピン22とを含む。
【0032】
複数のプローブピン20が、少なくとも1つの第1プローブピン21を有する第1プローブピンセット211と、第1プローブピンセット211に対して相互に電気的に独立して位置していると共に少なくとも1つの第1プローブピン21を有する第2プローブピンセット212とを含む。
【0033】
複数の第2プローブピン22が、電池100の縁部102に接触可能な状態でハウジング10に収容されている。
【0034】
複数のプローブピン20は、厚さ方向が一致するようにハウジング10に収容されている。
【0035】
第1プローブピン21が、凸形状のプラス極端子101に対して接触可能に構成されている。
【0036】
第1プローブピン21が、第1方向における第1端部31および第2端部41の間に位置すると共に第1方向に沿って伸縮可能な弾性部50を有する。第1端部31および第2端部41が、弾性部50の第2方向の一端に位置している。第1プローブピン21が、第1端部31を第2端部41に向かって接近させる場合に、第1端部31が第2方向でかつハウジング10の中心に接近する方向に移動するように、ハウジング10に収容されている。
【0037】
第2プローブピン22が、第1方向における第1端部31および第2端部41の間に位置すると共に第1方向に沿って伸縮可能な弾性部50を有する。第1端部31および第2端部41が、弾性部50の第2方向の一端に位置している。第2プローブピン22が、第1端部31を第2端部41に向かって接近させる場合に、第1端部31が第2方向でかつハウジング10の中心から離れる方向に移動するように、ハウジング10に収容されている。
【0038】
検査装置は、次のような効果を発揮できる。
【0039】
検査装置が、少なくとも1つの検査ソケット1を備える。検査ソケット1により、複数のサイズの電池に対応可能な検査装置を実現できる。
【0040】
検査ソケット1は、次のように構成することもできる。
【0041】
ハウジング10は、検査ソケット1の設計等に応じて、形状および構成を任意に変更することができる。例えば、ハウジング10の形状は、略四角柱形状に限らず、略円柱形状であってもよいし、略四角柱形状以外の略多角形状であってもよい。ハウジング10は、2つの部材11、12で構成されている場合に限らず、1つの部材で構成されていてもよいし、3以上の部材で構成されていてもよい。
【0042】
ハウジング10が、第1方向Xに積層された5つの部材15、16、17、18、19で構成されている検査ソケット1の一例を図8に示す。図8の検査ソケット1では、ハウジング10が、内部に収容されたプローブピン20をハウジング10の外部から視認可能な窓部61と、ガイド壁部62とを有している。窓部61は、厚さ方向Zに交差する部材17の側面171および第2方向Yに交差する部材17の側面172に複数設けられている。窓部61を設けることにより、ハウジング10を分解しなくても、収容されているプローブピン20の状態を確認できると共に、検査ソケット1の放熱性を高めることができる。ガイド壁部62は、部材15のプローブピン20の第1端部31が露出する面111に設けられ、電池100を第1端部31に向かって案内可能に構成されている。
【0043】
例えば、ハウジング10の一部を熱伝導率の高い材料(例えば、アルミ)で形成することで、ハウジング10を窓部61に形成するのと同じ効果を得ることができる。
【0044】
検査ソケット1に収容されるプローブピン20の数は、検査ソケット1の設計等に応じて、任意に変更できる。
【0045】
例えば、図8の検査ソケット1は、複数のプローブピン20が、4つの第1プローブピンセット211、212、213、214と、4つの第2プローブピンセット221、222、223、224を含む。4つの第1プローブピンセット211、212、213、214のうち、第1プローブピンセット211は、1つの第1プローブピン21を含み、例えば、センスピンとして機能する。残り3つの第1プローブピンセット212、213、214は、厚さ方向Zに積層された3つの第1プローブピン21を含み、例えば、フォースピンとして機能する。同様に、4つの第2プローブピンセット221、222、223、224のうち、第2プローブピンセット221は、1つの第2プローブピン22を含み、例えば、センスピンとして機能する。残り3つの第2プローブピンセット222、223、224は、厚さ方向Zに積層された3つの第2プローブピン22を含み、例えば、フォースピンとして機能する。第1プローブピンセット211、212、213、214は、第1方向Xに沿って見た場合に、凹部14の開口部141の内側に位置している。具体的には、第1プローブピンセット211、213が厚さ方向Zに沿って等間隔で並んでおり、第1プローブピンセット212、214が厚さ方向Zに沿って等間隔で並んでいる。第1プローブピンセット211、213および第1プローブピンセット212、214は、第2方向Yに間隔を空けて配置されている。
【0046】
例えば、図9の検査ソケット1は、複数のプローブピン20が、6つの第1プローブピンセット211、212、213、214、215、216と、4つの第2プローブピンセット221、222、223、224を含む。6つの第1プローブピンセット211、212、213、214、215、216のうち、2つの第1プローブピンセット211、215は、1つの第1プローブピン21を含み、例えば、センスピンとして機能する。残り4つの第1プローブピンセット212、213、214、216は、厚さ方向Zに積層された3つの第1プローブピン21を含み、例えば、フォースピンとして機能する。第1プローブピンセット211、213、215が厚さ方向Zに沿って等間隔で並んでおり、第1プローブピンセット212、214、216が厚さ方向Zに沿って等間隔で並んでいる。第1プローブピンセット211、213、215および第1プローブピンセット212、214、216は、第2方向Yに間隔を空けて配置されている。
【0047】
このように、プローブピンセットの数、および、1つのプローブピンセットに含まれるプローブピンの数は1以上の任意の数に変更できる。
【0048】
複数のプローブピン20は、全てのプローブピン20の厚さ方向が一致した状態でハウジング10に収容されている場合に限らず、全てのプローブピン20の厚さ方向が一致しない状態でハウジング10に収容されていてもよい。
【0049】
図9の検査ソケット1では、ハウジング10の部材15におけるプローブピン20の第1端部31が露出する面151に、複数の窓部61が設けられている。各窓部61は、フォースピンとして機能する第2プローブピンセット222、223、224に含まれる3つの第2プローブピン22の弾性部50をハウジング10の外部から視認可能に構成されている。
【0050】
プローブピン20の形状および構成は、検査ソケット1の設計等に応じて、任意に変更できる。例えば、第1端部31および第2端部41は、傾斜面32または凹凸面33を有している場合に限らず、検査対象物または基板110の形状等に応じた他の構成を有していてもよい。図10に、第1プローブピン21の第1端部31が、傾斜面32ではなく、凹凸面33を有している検査ソケット1の一例を示す。弾性部50は、第1部分51および第2部分52を有する場合に限らず、第1方向Xに沿って伸縮可能な任意の構成を有していてもよい。
【0051】
以上、図面を参照して本開示における種々の実施形態を詳細に説明したが、最後に、本開示の種々の態様について説明する。なお、以下の説明では、一例として、参照符号も添えて記載する。
【0052】
本開示の第1態様の検査ソケット1は、
軸方向の一端の中央に位置するプラス極端子と、前記プラス極端子に対して径方向の外側に位置すると共にマイナス極端子と電気的に接続された環状の縁部とを有する電池の検査に用いられる検査ソケット1であって、
ハウジング10と、
第1方向の一端に設けられた第1端部31と、前記第1方向の他端に設けられた第2端部41とをそれぞれ有し、前記ハウジング10の内部に収容された複数の板状のプローブピン20と
を備え、
複数の前記プローブピン20が、前記第1端部31が前記プラス極端子に接触可能な少なくとも1つの第1プローブピン21と、前記第1端部31が前記縁部に接触可能な少なくとも1つの第2プローブピン22とを含み、
前記第1方向に沿って見た場合に、前記第2プローブピン22の前記第1端部31が、前記電池の外周に交差する方向に延びており、
前記第1方向および前記プローブピン20の厚さ方向に交差する第2方向における前記第2プローブピン22の前記第1端部31の寸法が、径方向における前記縁部の寸法よりも大きい。
【0053】
本開示の第2態様の検査ソケット1は、第1態様の検査ソケット1において、
複数の前記プローブピン20が、複数の前記第1プローブピン21と、複数の前記第2プローブピン22とを含む。
【0054】
本開示の第3態様の検査ソケット1は、第2態様の検査ソケット1において、
複数の前記プローブピン20が、少なくとも1つの前記第1プローブピン21を有する第1プローブピンセット211、212と、前記第1プローブピンセット211、212に対して相互に電気的に独立して位置していると共に少なくとも1つの前記第2プローブピン22を有する第2プローブピンセット221、222とを含む。
【0055】
本開示の第4態様の検査ソケット1は、第2態様または第3態様の検査ソケット1において、
複数の前記第2プローブピン22が、前記縁部に接触可能な状態で前記ハウジング10に収容されている。
【0056】
本開示の第5態様の検査ソケット1は、第1態様~第4態様のいずれかの検査ソケット1において、
複数の前記プローブピン20は、前記厚さ方向が一致するように前記ハウジング10に収容されている。
【0057】
本開示の第6態様の検査ソケット1は、第1態様~第5態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記第1プローブピン21が、凸形状の前記プラス極端子に対して接触可能に構成されている。
【0058】
本開示の第7態様の検査ソケット1は、第1態様~第6態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記第1プローブピン21が、前記第1方向における前記第1端部31および前記第2端部41の間に位置すると共に前記第1方向に沿って伸縮可能な弾性部50を有し、
前記第1端部31および前記第2端部41が、前記弾性部50の前記第2方向の一端に位置しており、
前記第1プローブピン21が、前記第1端部31を前記第2端部41に向かって接近させる場合に、前記第1端部31が前記第2方向でかつ前記ハウジング10の中心に接近する方向に移動するように、前記ハウジング10に収容されている。
【0059】
本開示の第8態様の検査ソケット1は、第1態様~第7態様のいずれかの検査ソケット1において、
前記第2プローブピン22が、前記第1方向における前記第1端部31および前記第2端部41の間に位置すると共に前記第1方向に沿って伸縮可能な弾性部50を有し、
前記第1端部31および前記第2端部41が、前記弾性部50の前記第2方向の一端に位置しており、
前記第2プローブピン22が、前記第1端部31を前記第2端部41に向かって接近させる場合に、前記第1端部31が前記第2方向でかつ前記ハウジング10の中心から離れる方向に移動するように、前記ハウジング10に収容されている。
【0060】
本開示の第9態様の検査ソケット1は、第1態様~第8態様の検査ソケット1において、
前記ハウジング10が、内部に収容された前記プローブピン20を外部から視認可能な窓部61を有している。
【0061】
本開示の第10態様の検査装置は、
少なくとも1つの第1態様~第9態様のいずれかに記載の検査ソケット1を備える。
【0062】
前述の様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
【0063】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本開示の検査ソケットは、例えば、EV用電池の検査に用いる検査装置に適用できる。
【0065】
本開示の検査装置は、例えば、EV用電池の検査装置として適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1 検査ソケット
10 ハウジング
11、12、15、16、17、18、19 部材
13 収容部
14 凹部
20 プローブピン
21 第1プローブピン
22 第2プローブピン
30 第1接触部
31 第1端部
32 傾斜面
33 凹凸面
34 側面
40 第2接触部
41 第2端部
42 傾斜面
50 弾性部
51 第1部分
52 第2部分
61 窓部
62 ガイド壁部
100 電池
101 プラス極端子
102 縁部
103 外周
110 基板
111、121、151 面
112、113、141 開口部
171、172 側面
211、212、213、214、215、216 第1プローブピンセット
221、222、223、224 第2プローブピンセット
402 第2接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10