(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060434
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】ホットメルト接着剤、それを用いた接着シート及び容器
(51)【国際特許分類】
C09J 123/00 20060101AFI20240424BHJP
C09J 123/08 20060101ALI20240424BHJP
C09J 7/35 20180101ALI20240424BHJP
C09J 11/08 20060101ALI20240424BHJP
C09J 11/06 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
C09J123/00
C09J123/08
C09J7/35
C09J11/08
C09J11/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167802
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石黒 秀之
(72)【発明者】
【氏名】米村 俊佑
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA07
4J004AB03
4J004CA01
4J004CB02
4J004CC02
4J004CC03
4J040BA182
4J040DA001
4J040DA032
4J040DA052
4J040HB31
4J040JB01
4J040KA26
4J040KA28
4J040KA29
4J040KA31
4J040KA32
4J040KA35
4J040KA36
4J040KA42
4J040LA06
4J040LA08
4J040NA06
(57)【要約】
【課題】オープンタイムが長く、接着性及び耐ブロッキング性に優れるホットメルト接着剤、およびジャミングが発生せず、後印刷適性がある該ホットメルト接着剤を使用した接着シート及び容器を提供すること。
【解決手段】本発明の課題は、熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、およびワックス(D)を含み、熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン(A1)およびエチレン共重合体(A2)(但し、(A1)を除く)のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とするホットメルト接着剤により解決される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、およびワックス(D)を含み、熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン(A1)およびエチレン共重合体(A2)(但し、(A1)を除く)のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
【請求項2】
粘着付与樹脂(B)が、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、および石油系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載のホットメルト接着剤。
【請求項3】
飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の融点が50℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1記載のホットメルト接着剤。
【請求項4】
熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、及びワックス(D)の合計100質量%中、熱可塑性樹脂(A)の含有率が10~70質量%、粘着付与樹脂(B)の含有率が10~70質量%、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の含有率が10~70質量%、ワックス(D)の含有率が10~70質量%であることを特徴とする請求項1記載のホットメルト接着剤。
【請求項5】
請求項1~4いずれか記載のホットメルト接着剤からなる接着剤層を有することを特徴とする接着シート。
【請求項6】
請求項5記載の接着シートが貼付された容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト接着剤に関する。更に、本発明はそのホットメルト接着剤を用いた接着シートおよび該接着シートを貼付した容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は無溶剤であるため、自然環境及び作業環境に優しい接着剤である。
また、加熱溶融した後フィルム及び紙基材などに塗工後、冷却することで冷え固まる為すぐに巻き取ることができるので、塗工機がコンパクトである。さらに、加熱溶融状態で基材同士を貼り合わせると直ぐに冷え固まり接着することから、瞬間接着剤としての機能があるなど、多くのメットがある。
【0003】
ガラス瓶やプラスチックボトル用のラベルには、タックラベルが多く使用されているが剥離紙(フィルム)がごみとして発生するため、廃棄物の削減には適していない。そこで、タック紙レスラベルとして感熱ラベルが注目されてきた。固体可塑剤として環境ホルモンの疑いがあるジシクロヘキシルフタレート(DCHP)を使用しない感熱ラベル用接着剤としてホットメルト接着剤が開発された(特許文献1)が、オープンタイムが短い為安定して容器に接着しないという課題があった。更に、ラベリング時にラベラーのカッターに接着剤が付着しジャミングが発生するなど課題やホットメルト接着剤を塗工し巻物にて保存後印刷するとホットメルト接着剤成分が僅かに印刷面に付着してインキの密着性が劣る(後印刷適性が悪くなる)課題も発生して、一般的に広がらなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感熱ラベル用ホットメルト接着剤は環境負荷が少ない製品として利点がある。しかしながら、上述の通り、ホットメルト接着剤は、オープンタイムが短くラベリング時の接着性が不安定、ジャミング、後印刷適性などの課題があった。
【0006】
本発明の目的は、オープンタイムが長く、接着性及び耐ブロッキング性に優れるホットメルト接着剤、およびジャミングが発生せず、後印刷適性がある該ホットメルト接着剤を使用した感熱ラベルに好適な接着シート及び容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、以下のホットメルト接着剤、それを用いた接着シート及び容器に関する。
【0008】
[1]熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、およびワックス(D)を含み、熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン(A1)およびエチレン共重合体(A2)(但し、(A1)を除く)のうち少なくともいずれか1つを含むことを特徴とするホットメルト接着剤。
【0009】
[2]粘着付与樹脂(B)が、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、および石油系粘着付与樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]記載のホットメルト接着剤。
【0010】
[3]飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の融点が50℃以上100℃以下であることを特徴とする[1]または[2]記載のホットメルト接着剤。
【0011】
[4]熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、及びワックス(D)の合計100質量%中、熱可塑性樹脂(A)の含有率が10~70質量%、粘着付与樹脂(B)の含有率が10~70質量%、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の含有率が10~70質量%、ワックス(D)の含有率が10~70質量%であることを特徴とする[1]~[3]いずれか記載のホットメルト接着剤。
【0012】
[5][1]~[4]いずれか記載のホットメルト接着剤からなる接着剤層を有することを特徴とする接着シート。
【0013】
[6][5]記載の接着シートが貼付された容器。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、オープンタイムが長く、接着性及び耐ブロッキング性に優れるホットメルト接着剤、およびジャミングが発生せず、後印刷適性がある該ホットメルト接着剤を使用した接着シート及び容器を提供できるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示について詳細に説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に含まれることは言うまでもない。
本明細書において、「ホットメルト」とは、常温で固体あるいは粘稠な状態にあり、加熱により溶融して流動状態あるいは液状となる性質をいう。
また、本明細書において「~」を用いて特定される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値の範囲として含むものとする。また、本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
【0016】
本明細書において、「飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の融点」は、食品添加物公定書(第8版)に記載の融点測定方法により測定することができる。ワックスの融点は、JIS K2235 5.3によって測定した。熱可塑性樹脂の融点は、JIS K6924-2(DSC法)によって測定した。メルトマスフローレイト(以下、「MFR」ともいう)は、溶融状態にある樹脂の流動性を示す尺度の一つであり、JIS K7210に準拠して190℃、21.168Nの条件で測定した値である。
【0017】
本開示のホットメルト接着剤は、感熱ラベル用の接着シート、および該接着シートを貼付した容器に用いられて好適なものであるが、任意の用途に使用可能なものである。
【0018】
≪ホットメルト接着剤≫
【0019】
本発明のホットメルト接着剤は、熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、およびワックス(D)を含む。熱可塑性樹脂(A)、粘着付与樹脂(B)、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)、及びワックス(D)の合計100質量%中、熱可塑性樹脂(A)の含有率が10~70質量%、粘着付与樹脂(B)の含有率が10~70質量%、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の含有率が10~70質量%、ワックス(D)の含有率が10~70質量%であることが好ましい。熱可塑性樹脂(A)を10~70質量%とすることにより、接着性(凝集力)を良好に保ち、粘着付与樹脂(B)を10~70質量%にすることにより、接着性(密着性)を良好に保ち、不飽和飽和脂肪酸トリグリセリド(C)を10~70質量%にすることによりオープンタイム及びブロッキング性を良好に保ち、ワックス(D)を10~70質量%にすることにより、後印刷適性を良好にすることができる。
【0020】
<熱可塑性樹脂(A)>
熱可塑性樹脂とは、加熱により溶融成形可能な特性を有する樹脂をいう。なお、本発明のホットメルト接着剤を構成する熱可塑性樹脂(A)は、190℃粘度が100mPa・s以上のものを指す。熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン(A1)およびエチレン共重合体(A2)(但し、(A1)を除く)のうち少なくともいずれか1つを含む。
【0021】
ポリオレフィン(A1)の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、エチレン/ブテン-1共重合体、エチレン/オクテン共重合体などが挙げられる。
【0022】
エチレン共重合体(A2)の具体例としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル共重合体、およびエチレン-酢酸ビニル-塩化ビニル-マレイン酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸ドデシル、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン-マレイン酸共重合体などがある。エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。
【0023】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)の他に、ポリオレフィン(A1)およびエチレン共重合体(A2)以外の熱可塑性樹脂を併用することができる。(A1)及び(A2)以外の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、アクリル、などがあげられる。
<粘着付与樹脂(B)>
本発明のホットメルト接着剤を構成する粘着付与樹脂(B)は、特に限定されないが、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、キシレンフェノール樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、キシレン樹脂、脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、水素添加された脂肪族系、脂環族系、芳香族系等の石油樹脂、フェノール-変性石油樹脂、ロジンエステル樹脂、水素化ロジン、酸変性ロジン、水素添加されたロジンエステル樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、テルペン樹脂、水素添加されたテルペン樹脂などが挙げられる。
接着性・耐ブロッキング性の観点で、ロジン系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、および石油系粘着付与樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0024】
ラベル基材がガラス及び金属容器の場合は、接着性の観点で、カルボン酸などの極性基を有した粘着付与剤が適しており、粘着付与剤の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下、さらに好ましくは150mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることで、ホットメルト接着剤の相溶性及びガラス及び金属などへの接着性が得られる。
【0025】
<飽和脂肪酸トリグリセリド(C)>
一般的に飽和脂肪酸トリグリセリドは、比較的融点の低い不飽和脂肪酸トリグリセリドを多く含むために常温で液体となっている油脂に、水素付加(水添)を行い、より融点の高い飽和脂肪酸トリグリセリドの割合を増加させ、常温で固形化した油脂を指す。代表的な油脂としてはパーム由、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、綿実油、大豆油、ひまわり油、ベニバナ油、米ヌカ油、コーン油、ヤシ油、アマニ油、牛脂、豚脂、魚油などがあり、その硬化油(水素付加物)が、本発明における飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の例として挙げられる。
【0026】
硬化前の油脂は、炭素数6~22までの脂肪酸トリグリセリドの混合物からなり、水素添加することによって硬化して融点が高くなる。本発明に使用する飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の融点は、好ましくは50℃以上100℃以下であり、より好ましくは65℃以上90℃以下である。飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の融点が50℃以上100℃以下であることで、良好な耐ブロッキング性及びロングオープンタイムの性能が得られる。
【0027】
飽和脂肪酸トリグリセリド(C)の飽和脂肪酸は水酸基を有しないものの方が好ましい。水酸基を有するとオープンタイムは長くなるが、耐ブロッキング性が劣ってしまうことがある。
【0028】
<ワックス(D)>
ワックス(D)は、ホットメルト接着剤の耐ブロッキング及びホットメルト接着剤を用いた感熱ラベルの後印刷適性をよくする役割を担う。本発明のホットメルト接着剤を構成するワックス(D)は、190℃の粘度が100mPa・s未満のものを指す。ワックスとしては、例えばカルナバワックス、キャンデリアワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、もしくはこれらのワックスの酸化物、エチレン-アクリル酸共重合体ワックス、エチレン-メタクリル酸共重合体ワックスなどがあげられる。
【0029】
ワックス(D)の融点は65℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの融点が65℃以上130℃以下であることで、良好な後印刷適性及び耐ブロッキング性が得られる。
【0030】
本発明のホットメルト接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲で更にその他成分を含有してもよい。その他成分としては、例えば、着色剤、ブロッキング防止剤、無機フィラー、酸化防止剤、充填剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重金属不活性化剤などが挙げられる。これらの成分は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
前記着色剤は、赤、青、緑、黄などの慣用公知の着色剤を使用することができる。着色剤としては、顔料、染料、色素のいずれでもよく、例えば、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、アントラキノン系があり、顔料系はピグメント、ペリレン系、モノアゾ系、縮合アゾ系、イソインドリノン系、酸化チタン、カーボンなどが挙げられる。
【0032】
前記ブロッキング防止剤としてはシリコーン、ステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アミド及びベヘン酸アマイドなどの不飽和脂肪酸アマイドなどが挙げられる。
【0033】
前記無機フィラーとしては、金属、金属酸化物及び金属水酸化物など粒子、繊維状などが挙げられる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、珪酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム繊維、フレーク状ガラス、タルク、カオリン、マイカ、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸一水素カルシウム、ワラストナイト、シリカ、ゼオライト、アルミナ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミナ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、カーボンナノチーブ、グラファイト、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、鉄、フッ化カルシウム、雲母、モンモリナイト、アパタイトなどが挙げられる。
【0034】
前記酸化防止剤としては、高分子量ヒンダード多価フェノール、トリアジン誘導体、高分子量ヒンダード・フェノール、ジアルキル・フェノール・スルフィド、2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-第三-ブチルフェノール、4,4’-メチレン-ビス-(2,6-ジ-第三-ブチルフェノール、2,6-ジ-第三-ブチル-p-クレゾール、2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-第三-ブチルフェノール)、2,5-ジ-第三-ブチルヒドロキノン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン、ジブチル・ジチオカルバミン酸ニッケル、1-オキシ-3-メチル-4-イソプロピルベンゼン、4,4’-ブチリデンビス-(3-メチル-6-第三-ブチルフェノール、2-メルカプトベンゾイミダゾールなどが挙げられる。酸化防止剤は、熱劣化、熱分解を防ぐために、使用することができる。
【0035】
前記充填剤としては、湿式シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、モンモリロナイト、マイカ、スメクタイト、有機化モンモリロナイト、有機化マイカ、有機化スメクタイト等が挙げられる。
【0036】
前記難燃剤としては、燐含有化合物系難燃剤、ハロゲン含有化合物系難燃剤、スルホン酸金属塩系難燃剤、珪素含有化合物系難燃剤等が挙げられる。
【0037】
前記可塑剤としては、フタル酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、テトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤、グリコール系可塑剤、及びビスフェノールAアルキレンオキサイド誘導体などが挙げられる。
【0038】
前記帯電防止剤としては、プラスチックの帯電防止剤として汎用されているものでよく、具体的には、非イオン界面活性剤(例えば、多価アルコールの脂肪酸エステル、アルキルアミンのエチレンオキサイド付加物、及びアルキルアミンのエチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルなど)、陰イオン界面活性剤(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩など)、陽イオン界面活性剤(例えば、脂肪族アミン塩、4級アンモニウム塩など)、両性界面活性剤(例えばイミダゾリン型、ベタイン型など)が挙げられる。
【0039】
前記光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物及びベンゾエイト系化合物などが挙げられる。
【0040】
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0041】
前記重金属不活性化剤としては、サリチル酸誘導体、ヒドラジド誘導体又はシュウ酸アミド誘導体などが挙げられる。
【0042】
熱可塑性樹脂(A)、粘着付与剤(B)および飽和脂肪酸トリグリセリド(C)及びワックス(D)以外のその他成分の含有量はホットメルト接着剤100質量%中に0~40質量%であることが好ましい。より好ましくは0~30質量%であり、0~20質量%が更に好ましい。
【0043】
≪ホットメルト接着剤の製造≫
本発明のホットメルト接着剤は、例えば、撹拌機を備えた溶融釜に飽和脂肪酸トリグリセリド(C)及びワックス(D)を溶融したものに熱可塑性樹脂(A)を混合分散し、熱可塑性樹脂(A)が溶解した後、粘着付与樹脂(B)を添加し混合することにより製造することができる。また、配合成分を押出機で混合分散させ、溶融した混合物を押出機の先端のノズルから押出すことにより本発明のホットメルト接着剤を製造してもよい。
【0044】
本発明のホットメルト接着剤は配合成分を混合し、所望の形状に成形したものを用いてもよい。所望の形状として、顆粒状、ペレット状、面状、あるいはブロック状が例示できる。これらの方法は、公知の方法を制限なく利用することができる。
【0045】
≪接着シート≫
本発明の接着シートは、上記ホットメルト接着剤からなる接着剤層を有する。基材上に接着剤層を設けても良いし、基材とホットメルト接着剤の間にインキ層などの中間層があっても問題ない。
【0046】
基材としては、プラスチック、合成紙、紙及び金属容器などが挙げられる。
【0047】
接着シートは、公知の方法で製造することができる。例えば、基材へホットメルト接着剤を塗工し、冷却することで製造することができる。
ホットメルト型接着剤の基材への塗工方法としては、加熱して液状化させ、コーターを用いて層状に形成する方法が例示できる。コーターとして、ブレードコーター、バーコーター、コンマコーター、グラビヤコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、ダイコーター、Tダイコーティングなどが挙げられる。塗工後、冷却することにより粘度を調整するために、有機溶剤を添加してもよい。有機溶剤を用いた場合には、温風乾燥炉にて有機溶剤を取り除いても構わない。
【0048】
本発明の接着シートの塗工量は、7~15g/m2が好ましい。
塗工量が7~15g/m2であることにより、ガラス瓶やプラスチックボトル等への接着性、耐水性、および耐結露性と、接着シートがラベルカッターの刃に詰まる(ジャミング)現象や耐ブロッキングを抑制することができる。
【0049】
本発明の接着シートは、後印刷適性に優れている。
【0050】
≪接着シートを貼付された容器≫
本発明の接着シートを貼付された容器とは、ガラス、セラミック、プラスチックまたは金属製の容器である。接着シートの貼付方法としては、接着シートを加熱しボトルに貼付する方法や、プラスチック容器などインモールド成型する時事前に金型にラベルをセットし、容器を成型する時の熱を利用して容器に接着する方法などがある。本発明の容器の一つであるガラス瓶とは、透明瓶、褐色瓶、青・赤・緑などのカラー瓶などでも差し支えない。ガラス瓶の表面は、未処理のものでもコールドコーティング、ホットコーティング、ポリエチレン(PE)コーティングなどの樹脂コーティングしたものでも差しつかえはない。本発明の感熱ラベルは、ガラス瓶以外のガラス製品や金属容器などの金属製品、その他の材質のものに対しても適用できる。
【0051】
被着体がガラス瓶の場合は、ホットメルト接着剤の酸価が、50mgKOH/g以上であること、好ましくは70mgKOH/g以上であることが望ましい。ホットメルト接着剤の酸価が50mgKOH/gであることによって、ガラスへの接着性と、耐水性を付与することができる。
【0052】
本発明の容器の一つであるプラスチックとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンといったオレフィン類、ポリスチレン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリカーボネート、塩化ビニルといった、単体で容器として使用しうる素材はすべて使える。また、多層構成が可能な場合は、容器の耐衝撃強度を向上するなどの目的ために、発泡層を容器片面に配し、同じ樹脂を無発泡で押出し多層容器にしてもよい。インモールド成形方法には、真空成形、圧空成形、押出ブロー成形、射出成形、射出ブロー成形、2軸延伸ブロー成形がある。
【0053】
真空成形、圧空成形、押出ブロー成形、射出成形、射出ブロー成形、2軸延伸ブロー成形等において、ポリオレフィン製容器やポリエチレンテレフタレート製容器等を代表例とする樹脂製容器の外面にラベルを貼り付ける際、インモールドラベルを予め成形用の金型のキャビティ面に配設し、容器の成型と同時に容器外面にインモールドラベルを熱融着して貼り付けるインモールドラベル法が知られている。このインモールドラベル法は、インモールドラベルを容器外面の全面に接着することが可能であるので、ラベルが容器から剥がれ難く、また大面積ラベル表示が容易であるという利点がある。さらに、容器への剛性を高めることが可能であり、また容器の薄肉化が可能になり、意匠性に優れ、プロセスの省人化、省スペース化が可能等の利点を有することから好ましく用いられている。
【0054】
これらの貼付方法により、ホットメルト接着剤(常温では粘着性のない)層を有する接着シートを加熱しながら被着体に貼付することにより、剥離紙が不要で、貼付するための機械への汚れがなく、ラベリングの位置合わせが容易で、通常の輸送、取扱いではブロッキングがなく、貼付することが可能となる、離型紙が不要となり廃棄物の削減が図れることが可能となり、環境に優しいラベルとなった。
【0055】
本発明のホットメルト接着剤を使用することにより、オープンタイムが長く、耐ブロッキング性が良好な接着シートの性能を格段に高めることができる。その理由は、接着シートを加熱後基材に接着させる際にホットメルトのオープンタイムが長い為ホットメルト接着剤の熱が基材に奪われても基材との接着が容易にできる。一方、接着シートを保管する場合一般的にオープンタイムが長いホットメルト接着剤は、耐ブロッキング性が悪く、ラベル同士が接着したり、表面の印刷などを剥離したりする問題が発生する。
【実施例0056】
次に、比較例と対比しながら本発明の具体的な実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り実施例における「部」及び「%」は、各々「質量部」及び「質量%」を表す。
【0057】
[190℃の粘度]
190℃の粘度測定は、ホットメルト接着剤を500cm3の金属缶(直径:約85mm)に300g取り、200℃に加熱した後徐々に冷却し、190℃になった時の粘度をB型回転粘度計で測定した。なお、ローターは2または3を用いて、回転数6、12、30又は60rpmのいずれかの条件で測定した。
ローター3、6rpmで測定した粘度が10,000mPa・s以上の場合は10,000rpm以上とし、ローター2、60rpmで測定した粘度が100mPa・s未満の場合は、100mPa・s未満とした。
【0058】
実施例および比較例のホットメルト接着剤に用いた原料を以下に示す。
【0059】
熱可塑性樹脂(A)
(A1)ポリオレフィン
A1-1:レックスタック2535(REXtac社製、エチレン-プロピレン共重合体、酸価:0mgKOH/g、190℃の粘度:3500mPa・s)
A1-2:レックスタック2715A(REXtac社製、ブテン-プロピレン共重合体、酸価:0mgKOH/g、190℃の粘度:1500mPa・s)
A1-3:レックスタックRT2104(REXtac社製、エチレンホモポリマー、酸価:0mgKOH/g、190℃の粘度:400mPa・s)
(A2)エチレン共重合体
A2-1 ウルトラセン720(東ソー社製、エチレン―酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量が28質量%、融点:69℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-2 ウルトラセン722(東ソー社製、エチレン―酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量28質量%、融点:65℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-3:ウルトラセン633(東ソー社製、エチレン―酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量が20質量%、融点:81℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-4:ウルトラセン680(東ソー社製、エチレン―酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量が20質量%、融点:78℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-5:ウルトラセン681(東ソー社製、エチレン―酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量が20質量%、融点:76℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-6:ウルトラセン685(東ソー社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量が14質量%融点:77℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-7 ウルトラセン530(東ソー社製、エチレン―酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル量が6質量%、融点:64℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-8:レクスパール EB440H(日本ポリエチレン社製、エチレン―アクリル酸エチル共重合体、エチレン量が80質量%、融点:77℃、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
A2-9 プリマコール5980I(SK総合化学社製、エチレン―アクリル酸)共重合体、アクリル酸量が20質量%、融点:75℃、酸価:155mgKOH/g、190℃の粘度:10,000mPa・s以上)
粘着付与樹脂(B)
B-1パインクリスタルKE-604(荒川化学社製、アクリル酸変性水添ロジン、軟化点:129℃、酸価:230mgKOH/g)
B-2 KE-604B(荒川化学社製、アクリル酸変性ロジン、軟化点:129℃、酸価:246mgKOH/g)
B-3 RHR-301(丸善油化商事社製、水添ロジン、軟化点:80℃、酸価:170、mgKOH/g)
B-4 アルコンM-100(荒川化学社製、完全水添石油系炭化水素、軟化点:100℃)
B-5 クリスタレックスF100(イーストマンケミカル社製、αメチルスチレン、軟化点100℃)
B-6 シルバレスTR7125(クレイトン社製、テルペン、軟化点116℃)
飽和脂肪酸トリグリセリド(C)
C-1 パーム極度硬化油(横関油脂工業社製 融点:59℃)
C-2 ナタネ極度硬化油(横関油脂工業社製 融点:70℃)
C-3 ヒマシ極度硬化油(横関油脂工業社製 融点:85℃)
C-4 大豆極度硬化油(山桂産業社製 融点:68℃)
【0060】
ワックス(D)
D-1 パラフィンワックスNHP-11 (日本精蝋社製 融点:68℃、190℃の粘度:100mPa・s未満)
D-2 パラフィンワックスNHP-9 (日本精蝋社製 融点:72℃、190℃の粘度:100mPa・s未満)
D-3 サソールC-80 (サゾール ケミカルインダストリーズ リミテッド社製 融点:82℃、190℃の粘度:100mPa・s未満)
D-4 ポリワックス2000 (融点:126℃、190℃の粘度:100mPa・s未満)
D-5 KHパラフィン FRPW F60L (キングオーナー社製 融点:61℃、190℃の粘度:100mPa・s未満)
D-6 ハイワックスNP055(三井化学社製 融点:136℃、190℃の粘度:100mPa・s未満)
【0061】
添加剤(E)
E-1 酸化防止剤:IRGANOX1010(BASF社製)
E-2 ブロッキング防止剤:アマイドE(花王社製、エルカ酸アマイド)
E-3 ブロッキング防止剤:脂肪酸アマイドS(花王社製、ステアリン酸アマイド)
E-4 シリコーンKF96 100CS(信越化学社製 シリコーン 動粘度:100mm2/s)
【0062】
不飽和脂肪酸トリグリセリド(F)
F-1 (非水添・非硬化の)油脂 パーム油(カネダ社製 融点37℃)
【0063】
本明細書において、「酸価」は、K-0070-1992の「化学品の酸価、ケン化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不ケン化物の試験方法」に準拠して測定した。
【0064】
(実施例1:ホットメルト接着剤の調製)
粘着付与樹脂として(B-5)20部、飽和脂肪酸トリグリセリドとして(C-1)20部、ワックス(D-1)20部および酸化防止剤(E-1)0.1部を180℃に加熱・溶融した後攪拌機で攪拌しながら、熱可塑性樹脂として(A1-1)40部を徐々に添加した。熱可塑性樹脂を完全に溶解させて、実施例1のホットメルト接着剤を得た。
【0065】
(実施例2~15)
表1、2に示す材料、および配合量に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2~15のホットメルト接着剤を得た。なお、ブロッキング防止剤を配合する場合は、飽和脂肪酸トリグリセリド(C)と同時に添加した。
【0066】
(比較例1~3)
表3に示す材料、および配合量に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1~3のホットメルト接着剤を得た。
【0067】
(感熱ラベルの製造)
由利ロール機械社製GPD300Eを用いて、両面アート紙(印刷なし)に一定の塗工厚で実施例1~15、比較例1~3のホットメルト接着剤を各々塗工して感熱ラベルを作製した。
塗工条件は下記の通りである。
塗工速度:5m/分
塗工厚:8~12μm
ホッパー温度:150~180℃
基材:両面アート紙(坪量:約90g/m2)
【0068】
接着性の評価
接着性の評価は、基材としてPET(厚さ:500μm)、PP(厚さ:500μm)を用いて、下記の評価を行い最も良好な評価結果を採用した。
ヒートシール機(テスター産業社製、TP-701-G ヒートシールテスター熱傾斜TYPE)を用いて、塗工量12g/cm2の感熱ラベルと基材を加熱温度:140℃、圧力:0.1MPa、1秒間ヒートシールした後、温度:23℃、湿度:65%の恒温恒湿室で24時間以上保管した。評価は、引張試験機で速度:300mm/分で引き剥がし、以下の基準で評価した。
◎:基材破壊:良
〇:凝集破壊:使用可能
×:界面剥離:使用不可
【0069】
オープンタイムの評価
接着力測定機(JTトーシ(株)社製タイプASM-15N)を用いて、ホットメルト接着剤を段ボール(Bフルートの段ボール)に塗工量36cm3/分、塗工速度30m/分で塗工した後、段ボール(Bフルートの段ボール)を接着圧(1.6g/cm2)で貼り合わせた。120秒間貼り合わせた後、引き剥がしたときに80%以上紙破断する、最短の貼り合わせ時間をオープンタイムとした。
◎:20秒より長い:良
〇:15秒以上20秒以下:使用可能
×:15秒未満:使用不可
【0070】
耐ブロッキング性の評価
耐ブロッキング性の評価方法の測定方法とは、感熱ラベル(両面アート紙、印刷なし)を荷重500g/cm2の加重をかけて、50℃のオーブンの中で保管した。24時間後取り出し感熱ラベルを剥がし、その剥がしたときの抵抗感から耐ブロッキング性を、以下の基準で評価した。
◎:ブロッキングしておらず、1枚1枚を簡単に剥がすことができる。:良
〇:若干ブロッキングしているが、1枚1枚を剥がすことができる。:使用可能
×:完全にブロッキングしており、1枚1枚を剥がすことができない。:使用不可
【0071】
後印刷適性
後印刷適性の評価は、感熱ラベル(両面アート紙、印刷なし)を荷重500g/cm2の加重をかけ、50℃のオーブンの中で24時間静置し、温度23℃、相対湿度50%の恒温恒湿層に1時間以上保管した後、感熱ラベルの印刷される面の表面濡れ性を測定した。測定方法は、濡れ性チェックペン((株)大興製作所製 Tension Checker ダインレベル:30,34)を用いて、行った。チェックペンのペン先を印刷面に水平にあて、ゆっくり移動して塗工して、2秒後インキが保持されていればペンのダインレベル以上で、インキが水滴又は塗工面積が縮小した場合ペンのダインレベル以下であると判断した。
評価基準は下記の通りである。
◎:34mN/m以上:良
〇:30mN/m以上34mN/m以下:使用可能
×:30mN/m未満:使用不可
【0072】
ジャミング性の評価
ジャミング性の評価は、感熱ラベルマシン(光洋自動機株式会社製、型式LR-400KC)を用いて行った。6cm幅のラベルを10cmの長さでラベルの供給スピード350枚/分の速度で5分間カッティングを行い、ラベルのカット時にジャミングの有無を目視で評価した。
◎:ジャミング発生なし:良
×:ジャミングが発生した:使用不可
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
脂肪酸トリグリセリドを添加しない比較例1は、オープンタイムが短くなり接着性(PET,PE)に課題があった。ワックスを添加しない比較例2は、脂肪酸トリグリセリドの成分が基材(アート紙)の表面に極わずかであるが転着してしまう為にインキの密着性が悪くなり、後印刷性に課題があった。飽和脂肪酸トリグリセリドの代わりに不飽和飽和脂肪酸トリグリセリドを用いた比較例3は、オープンターム、ブロッキング性、ジャミング性などに課題がある。