IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイリスオーヤマ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-冷蔵庫 図1
  • 特開-冷蔵庫 図2
  • 特開-冷蔵庫 図3
  • 特開-冷蔵庫 図4
  • 特開-冷蔵庫 図5
  • 特開-冷蔵庫 図6
  • 特開-冷蔵庫 図7
  • 特開-冷蔵庫 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060441
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
F25D23/00 301K
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167811
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】淡路 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
(72)【発明者】
【氏名】石富 雅士
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA21
3L345JJ02
3L345JJ14
3L345JJ26
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】扉に設けられた扉側収容部を従来技術のものよりも広範囲に亘って撮影できる冷蔵庫の提供を目的とした。
【解決手段】冷蔵庫10は、物品を収容可能な第一貯蔵室26a、及び第一貯蔵室26aの開口領域を開閉するための扉32を備えた冷蔵庫本体20と、第一貯蔵室26aの内部を撮影する撮影装置60と、を有し、扉32が、第一貯蔵室26aに向く側に物品を収容可能な扉側収容部37を備えたものであり、撮影装置60として、第一貯蔵室26aから扉32に向かう方向に撮影可能な扉方向撮影装置62が設けられており、扉32が所定の基準角度域Xまで開いた状態であることを条件として、扉方向撮影装置62による撮影が行われるものとされている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収容可能な物品収容部、及び前記物品収容部の開口領域を開閉するための扉を備えた冷蔵庫本体と、
撮影装置と、
を有し、
前記扉が、前記物品収容部に向く側に物品を収容可能な扉側収容部を備えたものであり、
前記撮影装置として、前記物品収容部から前記扉に向かう方向に撮影可能な扉方向撮影装置が設けられており、
前記扉が所定の基準角度域に開いた状態であることを条件として、前記扉方向撮影装置による撮影が行われること、を特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記扉方向撮影装置は、
前記扉によって前記物品収容部が閉じられた状態から開いた状態に至る前記扉の開動作の途中において、前記基準角度域まで開かれることを条件として撮影を行うこと、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記基準角度域は、前記扉が前記物品収容部を閉じる位置を基準として、70度以上80度以下の範囲に含まれる角度域であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
オン状態となることにより前記物品収容部の内部を照明する庫内照明を有し、
前記扉が前記基準角度域よりも角度の小さい照明開始角度域まで開くことを条件として、前記庫内照明がオン状態となるものであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記扉として、前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉が設けられており、
前記第一扉が開くことを条件として、前記扉方向撮影装置による撮影が行われること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉として、
前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉と、
前記第一扉よりも小さな前記開口領域を開閉する第二扉と、
を備えており、
前記第二扉は、前記物品収容部の前記開口領域における幅方向中央部から側方に外れた領域を開閉するものであり、
前記撮影装置として、前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記庫内方向撮影装置は、前記第二扉が閉じた状態において、前記物品収容部の前記開口領域における幅方向中央側に向けて斜め向きに撮影可能なように設けられていること、を特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記扉として、前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉と、
前記第一扉よりも小さな前記開口領域を開閉する第二扉と、
を備えており、
前記撮影装置として、前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えており、
前記扉方向撮影装置として、前記物品収容部から前記第一扉に向かう方向に撮影可能なものを備えており、
前記第一扉が開くことを条件として、前記扉方向撮影装置により、前記物品収容部から前記第一扉に向かう方向への撮影が行われ、
前記扉方向撮影装置による撮影よりも後に、前記庫内方向撮影装置による前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向への撮影が行われること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記扉を開いてから前記物品の出し入れに十分であると想定される時間が標準出入時間として規定され、
前記扉方向撮影装置による撮影の後、前記庫内方向撮影装置による撮影が行われるまでの時間が、前記標準出入時間以上と規定されていること、を特徴とする請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記撮影装置として、前記扉の開閉に伴って、前記扉と共に前記物品収容部に対して移動し、前記扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えており、
前記庫内方向撮影装置が設けられた前記扉が開状態から閉状態になることを条件として、前記庫内方向撮影装置による撮影が行われること、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記扉として、
前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉と、
前記第一扉よりも小さな前記開口領域を開閉する第二扉と、
を備えており、
前記第一扉が開くことを条件としてオン状態となって前記物品収容部の内部を照明する庫内照明を有し、
前記庫内照明が、前記第一扉が閉じた後、所定の照明維持時間に亘ってオン状態を維持した後にオフ状態となるものであり、
前記撮影装置として、前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えており、
前記扉方向撮影装置により撮影した後、前記庫内方向撮影装置による撮影を行うものであり、
前記照明維持時間が、前記扉方向撮影装置による撮影後、前記庫内方向撮影装置による撮影までの期間よりも長いこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されているような冷蔵庫が提供されている。特許文献1に開示されている冷蔵庫は、撮像カメラと、当該撮像カメラで撮像した画像を外部の装置に送信するための通信部と、を備えたものとされている。特許文献1の冷蔵庫は、冷蔵室内に撮像カメラを設けたものとされており、扉を閉じた状態において、扉に設けられたドアポケットを撮影可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6701281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているような従来技術の冷蔵庫においては、扉を閉じた状態において、扉に設けられたドアポケット(扉側収容部)を撮影するものであるため、扉とドアポケットとの距離が十分に確保できない。そのため、従来技術の冷蔵庫においては、撮影範囲がドアポケットにおける狭い範囲に限定され、ドアポケットに収納された物品を十分に視認できず、使い勝手が悪いという欠点があった。
【0005】
そこで本発明は、扉に設けられた扉側収容部を従来技術のものよりも広範囲に亘って撮影できる冷蔵庫の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の冷蔵庫は、物品を収容可能な物品収容部、及び前記物品収容部の開口領域を開閉するための扉を備えた冷蔵庫本体と、前記物品収容部の内部を撮影する撮影装置と、を有し、前記扉が、前記物品収容部に向く側に物品を収容可能な扉側収容部を備えたものであり、前記撮影装置として、前記物品収容部から前記扉に向かう方向に撮影可能な扉方向撮影装置が設けられており、前記扉が所定の基準角度域まで開いた状態であることを条件として、前記扉方向撮影装置による撮影が行われること、を特徴とするものである。
【0007】
本発明の冷蔵庫は、扉が所定の基準角度域まで開いたことを条件として、扉方向撮影装置により、物品収容部から前記扉に向かう方向に撮影するものとされている。これにより、本発明の冷蔵庫は、扉方向撮影装置と、扉やこれに設けられた扉側収容部とを、一定の距離だけ離した状態で撮影できる。従って、本発明の冷蔵庫は、扉に設けられた扉側収容部を従来技術のものに比べて広範囲に亘って撮影できる。
【0008】
ここで、扉方向撮影装置による撮影品質を向上させるためには、扉が急激な動きをする可能性があるタイミングを避け、動きが緩やかであるタイミングにおいて撮影することが好ましい。かかる観点に基づいて本発明者らが鋭意検討したところ、扉を開閉される多くの場面において、扉を閉じるときよりも扉を開くときの方が扉が緩やかに動作するとの知見が得られた。かかる知見に基づけば、扉を閉じるときに扉が所定の基準角度域に開いた状態となったタイミングよりも、扉を開くときに扉が所定の基準角度域に開いた状態となったタイミングの方が、扉方向撮影装置による撮影に適していると考えられる。
【0009】
(2)上述した知見に基づけば、本発明の冷蔵庫は、前記扉方向撮影装置が、前記扉によって前記物品収容部が閉じられた状態から開いた状態に至る前記扉の開動作の途中において、前記基準角度域まで開かれることを条件として撮影を行うものであると良い。
【0010】
本発明の冷蔵庫は、上記(2)のような構成とすることにより、扉の動きが緩やかである可能性の高い扉を開くときに扉方向撮影装置による撮影を行うことができる。これにより、本発明の冷蔵庫は、扉方向撮影装置により、ブレ等を生じることなく高品質な画像を取得することができる。
【0011】
(3)本発明の冷蔵庫において、前記基準角度域は、前記扉が前記物品収容部を閉じる位置を基準として、70度以上80度以下の範囲に含まれる角度域であると良い。
【0012】
本発明の冷蔵庫は、上記(3)のような構成とすることにより、扉方向撮影装置により扉側収容部を正面側や側面側から撮影するのではなく、70度以上80度以下の範囲で傾いた斜め方向からの視点で扉側収容部を捉えた状態の画像を取得することができる。これにより、本発明の冷蔵庫は、扉側収容部の正面側や側面側に収容されているものだけでなく、扉側収容部の奥側に収納された物品まで確認できるような画像を取得することができる。
【0013】
また、扉が70度以上80度以下の範囲まで開かれた状態においては、ユーザによる扉の開閉操作が遅くなることが多いと想定される。そのため、本発明の冷蔵庫は、上記(3)のような構成とすることにより、扉方向撮影装置により扉側収容部をブレずに撮影できる可能性が高くなる。
【0014】
(4)本発明の冷蔵庫は、オン状態となることにより前記物品収容部の内部を照明する庫内照明を有し、前記扉が前記基準角度域よりも角度の小さい照明開始角度域まで開くことを条件として、前記庫内照明がオン状態となるものであると良い。
【0015】
本発明の冷蔵庫は、上記(4)のような構成とすることにより、照明開始角度域まで扉が開いて庫内照明がオン状態となった後、照明開始角度域よりも大きな基準角度域まで扉が開いてから扉方向撮影装置による撮影を行うことができる。そのため、本発明の冷蔵庫は、庫内照明がオン状態となってから少し時間が経過した後に扉方向撮影装置による撮影を行う。このような構成とすることにより、本発明の冷蔵庫は、庫内照明がオン状態になった後、庫内照明の明るさが安定した状態において扉方向撮影装置による撮影を行うことができる。従って、本発明の冷蔵庫は、扉方向撮影装置による撮影を、庫内照明によって十分明るくなった状態において行うことができる。
【0016】
(5)本発明の冷蔵庫は、前記扉として、前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉が設けられており、前記第一扉が開くことを条件として、前記扉方向撮影装置による撮影が行われるものであると良い。
【0017】
本発明の冷蔵庫は、上述したように、扉方向撮影装置と、扉やこれに設けられた扉側収容部とを、一定の距離だけ離した状態で撮影できるため、扉方向撮影装置により広範囲に亘って撮影できる。そのため、本発明の冷蔵庫は、上記(5)のように、物品収容部の開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉に設けられた扉側収容部についても、扉方向撮影装置による撮影範囲に収めることができる。
【0018】
(6)本発明の冷蔵庫は、前記扉として、前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉と、前記第一扉よりも小さな前記開口領域を開閉する第二扉と、を備えており、前記第二扉が、前記物品収容部の前記開口領域における幅方向中央部から側方に外れた領域を開閉するものであり、前記撮影装置として、前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えているものであると良い。
【0019】
本発明の冷蔵庫は、上記(6)のような構成とすることにより、撮影装置として設けられた庫内方向撮影装置により、第二扉から物品収容部の内部を撮影できる。これにより、本発明の冷蔵庫は、庫内方向撮影装置により、物品収容部の幅方向中央部を外れた位置から物品収容部の内部を撮影できる。従って、本発明の冷蔵庫は、物品収容部の正面側に収容されているものだけでなく、物品収容部の奥側に収納された物品まで確認できるような画像を取得することができる。
【0020】
(7)本発明の冷蔵庫において、前記庫内方向撮影装置は、前記第二扉が閉じた状態において、前記物品収容部の前記開口領域における幅方向中央側に向けて斜め向きに撮影可能なように設けられていると良い。
【0021】
本発明の冷蔵庫は、上記(7)のような構成とすることにより、物品収容部の内側を物品収容部の正面側だけでなく奥側まで見えるように撮影した画像を取得することができる。
【0022】
(8)本発明の冷蔵庫は、前記扉として、前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉を備えており、前記撮影装置として、前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えており、前記扉方向撮影装置として、前記物品収容部から前記第一扉に向かう方向に撮影可能なものを備えており、前記第一扉が開くことを条件として、前記扉方向撮影装置により、前記物品収容部から前記第一扉に向かう方向への撮影が行われ、前記扉方向撮影装置による撮影よりも後に、前記庫内方向撮影装置による前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向への撮影が行われるものであると良い。
【0023】
本発明の冷蔵庫は、上記(8)のような構成とすることにより、ユーザが第一扉を開いて物品収容部に対して物品の出し入れを行った後の最新の状態において、庫内方向撮影装置により物品収容部の撮影を行うことができる。
【0024】
(9)本発明の冷蔵庫は、前記扉を開いてから前記物品の出し入れに十分であると想定される時間が標準出入時間として規定され、前記扉方向撮影装置による撮影の後、前記庫内方向撮影装置による撮影が行われるまでの時間が、前記標準出入時間以上と規定されているものであると良い。
【0025】
本発明の冷蔵庫は、上記(9)のような構成とすることにより、より一層確実に物品収容部に対して物品の出し入れを行った後の最新の状態において、庫内方向撮影装置により物品収容部の撮影を行うことができる。
【0026】
(10)本発明の冷蔵庫は、前記撮影装置として、前記扉の開閉に伴って、前記扉と共に前記物品収容部に対して移動し、前記扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えており、前記庫内方向撮影装置が設けられた前記扉が開状態から閉状態になることを条件として、前記庫内方向撮影装置による撮影が行われるものであると良い。
【0027】
本発明の冷蔵庫は、上記(10)のような構成とすることにより、物品収容部に対して物品の出し入れが行われた後の状態を、物品収容部の内部を撮影できる。
【0028】
(11)本発明の冷蔵庫は、前記扉として、前記物品収容部の前記開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉と、前記第一扉よりも小さな前記開口領域を開閉する第二扉と、を備えており、前記第一扉が開くことを条件としてオン状態となって前記物品収容部の内部を照明する庫内照明を有し、前記庫内照明が、前記第一扉が閉じた後、所定の照明維持時間に亘ってオン状態を維持した後にオフ状態となるものであり、前記撮影装置として、前記第二扉から前記物品収容部に向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置を備えており、前記扉方向撮影装置により撮影した後、前記庫内方向撮影装置による撮影を行うものであり、前記照明維持時間が、前記扉方向撮影装置による撮影後、前記庫内方向撮影装置による撮影までの期間よりも長いものであると良い。
【0029】
本発明の冷蔵庫は、上記(11)のような構成とすることにより、庫内照明によって物品収容部の内部が明るい状態において庫内方向撮影装置による撮影を行える。そのため、本発明の冷蔵庫は、物品収容部の内部に収容された物品の視認性の高い画像を取得することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上述した本発明の課題を解決した冷蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態に係る冷蔵庫を示す斜視図である。
図2図1のA-A断面図である。
図3図1の冷蔵庫を開いた状態を示す斜視図である。
図4図1の冷蔵庫において、第一扉を省略しつつ、第二扉を開いた状態における要部を拡大した正面図である。
図5図1の冷蔵庫の構成を示すブロック図である。
図6図1の冷蔵庫において撮影制御装置の制御による撮影の流れの一例を示したタイミングチャートである。
図7図1の冷蔵庫において撮影制御装置の制御による撮影の流れの一例を示したタイミングチャートである。
図8図1の冷蔵庫において撮影制御装置の制御による撮影の流れの一例を示したタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る冷蔵庫10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、先ず冷蔵庫10の構成について概略を説明した後、冷蔵庫10の特徴部分について詳細に説明する。なお、以下の説明において、上下左右や正面、背面等の位置関係は、特に断りのない限り、冷蔵庫10を通常に設置した状態を基準にして説明する。
【0033】
≪冷蔵庫10の概略構成について≫
図1図5に示すように、冷蔵庫10は、冷蔵庫本体20、温度調整装置40、本体制御装置50等に加え、撮影装置60や撮影制御装置70を備えている。
【0034】
冷蔵庫本体20は、食品等の物品を収容する物品収容部として形成された複数の貯蔵室26を備えている。本実施形態では、冷蔵庫本体20は、第一貯蔵室26a、第二貯蔵室26b、第三貯蔵室26c、第四貯蔵室26d、及び第五貯蔵室26eからなる5つの貯蔵室を備えている。第一貯蔵室26a~第五貯蔵室26eからなる複数の貯蔵室26は、筐体22に設けた仕切部24により冷蔵庫本体20の内部を仕切ることにより形成されている。
【0035】
第一貯蔵室26aは、主として食品等を冷蔵保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第二貯蔵室26bは、主として野菜等の食品を冷蔵保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第三貯蔵室26cは、主として別途設けられた製氷装置(図示せず)により作られた氷を保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第四貯蔵室26d及び第五貯蔵室26eは、主として食品等を冷凍保存することを想定して設けられた貯蔵室である。
【0036】
冷蔵庫10は、後に詳述する温度調整装置40により冷蔵庫本体20の内部温度(庫内温度)を所定の低温状態に調整し、冷蔵庫本体20内に収容された食品等の収容対象物を低温雰囲気下において保管できる。本実施形態の冷蔵庫10は、温度調整装置40により、第一貯蔵室26a及び第二貯蔵室26bを物品の冷蔵保存に適した温度、第三貯蔵室26c~第五貯蔵室を物品の冷凍保存に適した温度に調整可能なものとされている。
【0037】
筐体22は、前方に向けて開口するように形成された筐体本体30と、筐体本体30の前方側に設けられた扉32とを有する。図2に示すように、筐体本体30は、外装部34及び内箱36(内装部)の間に断熱材38を充填した構成とされている。
【0038】
外装部34は、筐体本体30の外装を構成し、前方に開口するように設けられた箱状の部材である。外装部34は、例えば鉄板等の金属により形成されている。また、内箱36は、筐体本体30の内装を構成するものであり、外装部34の内部に配されている。内箱36は、例えばABS等の樹脂により形成されている。
【0039】
内箱36は、単一であっても良いが、庫内に形成される貯蔵室の数に応じて複数設けることも可能である。本実施形態では、内箱36が複数設けられており、それぞれ、第一貯蔵室26a~第五貯蔵室26eを構成するためのものとされている。第一貯蔵室26a~第五貯蔵室26eを構成する複数の内箱36は、それぞれ外装部34の外周面から所定の間隔だけ離れた位置に配置されている。また、互いに隣接する内箱36,36同士の間についても、所定の間隔だけ離れるように配置されている。
【0040】
断熱材38は、外装部34と内箱36との間における伝熱を抑制すべく、両者の間に充填された断熱性を有する部材である。断熱材38は、例えば硬質ウレタン等の発泡性樹脂等とすることができる。断熱材38は、外装部34と内箱36との間に充填されている。
【0041】
仕切部24(図2参照)は、筐体本体30の内部に形成される複数の貯蔵室を仕切るためのものである。本実施形態では、上下に配置された第一貯蔵室26aと第二貯蔵室26bとの間、第三貯蔵室26c及び第四貯蔵室26dと第五貯蔵室26eとの間に仕切部24が設けられている。また、仕切部24は、左右に配置された第三貯蔵室26cと第四貯蔵室26dとの間にも設けられている。仕切部24は、外装部34と、第一貯蔵室26a~第五貯蔵室26eを構成するそれぞれの内箱36との間に充填された断熱材38とによって構成されている。
【0042】
第一貯蔵室26aは、上述した内箱36、及び後述の扉32(第一扉32a及び第二扉32b)によって形成される貯蔵室である。第一貯蔵室26aは、上述のとおり、主として食品等を冷蔵保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第一貯蔵室26aは、第一貯蔵室26aは、後に詳述する温度調整装置40を作動させることにより、庫内温度を冷蔵に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。
【0043】
第一貯蔵室26aには、庫内照明27(図5参照)が設けられている。庫内照明27は、オン状態となることにより第一貯蔵室26aの内部を照明できる。庫内照明27は、第一扉32aあるいは第二扉32bが所定の照明開始角度域まで開くことを条件として、オン状態となるものとされている。庫内照明27は、第一扉32aが閉じた後、所定の照明維持時間に亘ってオン状態を維持した後にオフ状態となる。本実施形態では、第一扉32a及び第二扉32bの開閉に連動してオン状態及びオフ状態となる庫内照明スイッチ(図示せず)が設けられている。そのため、本実施形態では、図6図7に示すように、第一扉32a及び第二扉32bが開いて庫内照明スイッチがオン状態となるのに連動して、庫内照明27がオン状態となる。また、第一扉32a及び第二扉32bが閉じて庫内照明スイッチがオフ状態となった後、予め規定された照明維持時間が経過してから庫内照明27がオフ状態となる。
【0044】
第二貯蔵室26bは、上述した内箱36、及び前後方向にスライド可能とされた引き出し式の収容容器33αを組み合わせて構成される貯蔵室である。収容容器33αは、冷蔵庫10の正面側に露出する正面部33α1を有する。正面部33α1は、第二貯蔵室26bの開口部を開閉するための扉として機能するものである。第二貯蔵室26bは、上述のとおり、主として野菜等の食品を冷蔵保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第二貯蔵室26bは、後に詳述する温度調整装置40を作動させることにより、庫内温度を冷蔵に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。また、第二貯蔵室26bには、収容容器33αが開かれた(引き出された)ことを検知するための開検知センサ28aや、補助照明28b、後述する第二貯蔵室撮影装置66等が設けられている。
【0045】
第三貯蔵室26cは、上述した内箱36、及び前後方向にスライド可能とされた引き出し式の収容容器33βを組み合わせて構成される貯蔵室である。収容容器33βは、冷蔵庫10の正面側に露出する正面部33β1を有する。正面部33β1は、第三貯蔵室26cの開口部を開閉するための扉として機能するものである。第三貯蔵室26cは、上述のとおり、主として別途設けられた製氷装置(図示せず)により作られた氷を保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第三貯蔵室26cは、後に詳述する温度調整装置40を作動させることにより、庫内温度を冷凍に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。
【0046】
第四貯蔵室26dは、上述した内箱36、及び前後方向にスライド可能とされた引き出し式の収容容器33γを組み合わせて構成される貯蔵室である。収容容器33γは、冷蔵庫10の正面側に露出する正面部33γ1を有する。正面部33γ1は、第四貯蔵室26dの開口部を開閉するための扉として機能するものである。第四貯蔵室26dは、上述のとおり、主として食品等を冷凍保存することを想定して設けられた貯蔵室である。第四貯蔵室26dは、後に詳述する温度調整装置40を作動させることにより、庫内温度を冷凍に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。
【0047】
第五貯蔵室26eは、上述した内箱36、及び収容容器33δを組み合わせて構成される貯蔵室である。収容容器33δは、前後方向にスライド可能な引き出し式の容器である。収容容器33δは、冷蔵庫10の正面側に露出する正面部33δ1を有する。正面部33δ1は、第五貯蔵室26eの開口部を開閉するための扉として機能するものである。収容容器33δは、下方容器33δ2、及び上方容器33δ3が上下に配された2段構成とされている。収容容器33δは、必要に応じて下方容器33δ2と上方容器33δ3とをスライド方向(前後方向)に相対的に分離可能とされている。第五貯蔵室26eは、後に詳述する温度調整装置40を作動させることにより、庫内温度を冷凍に適した所定の低温雰囲気となるように調整可能とされている。すなわち、第五貯蔵室26eは、温度調整装置40を作動させることにより、摂氏0度以下の低温雰囲気になるように調整可能とされている。
【0048】
扉32は、筐体本体30の正面側に設けられた開口部分を閉塞し、貯蔵室(本実施形態では第一貯蔵室26a)を開閉するためのものである。扉32は、例えば、筐体本体30の幅方向一方側に設けられたヒンジ等により開閉可能とされた片開き状のもの、幅方向両側に設けられた連結部により開閉可能とされた観音開き状のもの、レール等を介して開閉可能とされたスライド式のもの等、適宜のものとすることができる。本実施形態では、第一貯蔵室26aを開閉するものとして、第一扉32a及び第二扉32bによって構成された、観音開き状のもの(フレンチドア式のもの)とされている。
【0049】
第一扉32a及び第二扉32bは、それぞれ同一の大きさを有する者であっても良いが、本実施形態では大きさが相違するものとされている。具体的には、第一扉32aは、第一貯蔵室26aの開口領域のうち、幅方向に半分よりも大きい領域を開閉する扉とされている。また、第二扉32bは、第一扉32aよりも開閉できる開口領域の大きさが幅方向に小さい扉である。第二扉32bは、第一貯蔵室26aの開口領域のうち、幅方向に半分よりも大きい領域を開閉する扉である。第二扉32bは、第一貯蔵室26aの開口領域における幅方向中央部から側方(本実施形態では冷蔵庫10を正面視した状態において左側)に外れた領域を開閉するものとされている。
【0050】
第一貯蔵室26aや扉32(第一扉32a、第二扉32b)には、例えば引き出し式やポケット式の収容容器、棚板等の部材を配置することが可能である。本実施形態においては、第一貯蔵室26aを開閉するための第一扉32a及び第二扉32bにおいて、第一貯蔵室26aの内側を向く面には、ポケット式の扉側収容部37が設けられている。第一扉32a及び第二扉32bに設けられた扉側収容部37は、例えば、調味料や飲料等を収容可能なものとされている。
【0051】
また、図5に示すように、第二扉32bには、扉開閉検知装置35を構成する被検知体35aが設けられている。具体的には、扉開閉検知装置35は、第二扉32bの開閉を検知する検知装置である。扉開閉検知装置35は、一般的なマグネット方式のスイッチによって構成されている。具体的には、扉開閉検知装置35は、例えば、磁石を被検知体35aとし、磁石の近接を検知可能なリードスイッチを検知体35bとして備えたものとすることができる。本実施形態では、被検知体35aとして機能する磁石を第二扉32bに設けると共に、筐体本体30において第二扉32bが閉状態となったときに被検知体35aに対応する位置に検知体35bとして機能するリードスイッチを設けた構成とされている。また、第一扉32aには、開閉状態検知装置35cが設けられている。開閉状態検知装置35cは、例えば角速度センサ等によって構成すると良い。第一扉32aに開閉状態検知装置35cを設けることにより、第一扉32aが閉じた位置を基準として、第一扉32aの開閉具合を把握可能とされている。
【0052】
温度調整装置40は、冷蔵庫本体20に設けられた貯蔵室の温度(庫内温度)を所定の低温状態にするためのものである。温度調整装置40は、例えば冷蔵庫本体20の背面側や天面側、底面側等、適宜の場所に配置することができる。本実施形態では、図2に示すように、冷蔵庫本体20の背面側であって、第五貯蔵室26eの背後に設けられた空間内に温度調整装置40が配置されている。温度調整装置40は、従来公知のものと同様に、圧縮機、コンデンサと、放熱パイプと、キャピラリーチューブと、冷却器とを順次環状に接続したものに冷媒を封入した冷凍サイクルを備えている。温度調整装置40は、第一貯蔵室26a及び第五貯蔵室26eとの間で気流を循環可能なように接続されている。また、温度調整装置40は、送風ファンを備えている。そのため、温度調整装置40は、冷却器において生成された冷気を第一貯蔵室26aや第五貯蔵室26e等の貯蔵室に供給することにより、各貯蔵室を所定の低温雰囲気に調整可能とされている。
【0053】
温度調整装置40は、冷蔵庫本体20に設けられた本体制御装置50により動作制御される。本体制御装置50は、第一貯蔵室26a及び第五貯蔵室26eの庫内温度に応じて冷凍サイクルをなす各部材や送風ファンを作動させることにより、第一貯蔵室26a及び第五貯蔵室26eを所定の設定温度になるように制御することができる。
【0054】
本体制御装置50は、冷蔵庫10を構成する温度調整装置40等の各部についての動作制御を行うものである。本体制御装置50は、冷蔵庫10を構成する各部に対して通信可能なように接続されている。具体的には、本体制御装置50は、上述したように温度調整装置40の動作制御を行うことにより、第一貯蔵室26aや第五貯蔵室26eの温度調整を行う。
【0055】
本体制御装置50は、扉32が開状態のまま所定の開許容時間を越えて放置された場合に、ユーザに対して扉32を閉じるように警告を行う。さらに詳細には、本体制御装置50は、扉開閉検知装置35による検知信号に基づき、扉32が開状態であるのか閉状態であるのかを把握することができる。また、本体制御装置50は、冷蔵庫本体20に設けられた警報装置52(図5参照)に対して電気的に接続されている。警報装置52は、例えばブザー等によって構成されている。本体制御装置50は、扉開閉検知装置35の検知信号に基づき、扉32の開操作が行われた後、開許容時間が経過しても扉32の閉操作が行われないことを条件として、警報装置52を作動させ、ユーザに対して扉32が開状態である旨の警告を行う。
【0056】
本体制御装置50は、上述した各種の動作制御に加え、冷蔵庫10の各部の動作の制御も行う。例えば、本体制御装置50は、扉開閉検知装置35による検知信号に基づき、第一扉32aが開状態であるときに第一貯蔵室26aの内側を照明するための庫内照明27を点等させ、第一扉32aが開状態であるときに消灯させる制御等を行う。
【0057】
冷蔵庫10は、上述した冷蔵庫本体20、温度調整装置40、本体制御装置50等の構成に加え、撮影装置60や、撮影制御装置70等を備えている。撮影装置60は、冷蔵庫本体20において食品等の物品を収容するために、物品収容部として設けられた第一貯蔵室26aの内部を撮影するために設けられたものである。また、撮影制御装置70は、撮影装置60により撮影を実行するための制御を行うものである。これらの構成について、以下さらに詳細に説明する。
【0058】
≪撮影装置60について≫
冷蔵庫10は、撮影装置60を複数備えている。冷蔵庫10は、撮影装置60として、扉方向撮影装置62、庫内方向撮影装置64、及び第二貯蔵室撮影装置66を具備している。
【0059】
扉方向撮影装置62は、第一貯蔵室26aにおいて、第一貯蔵室26aの内側から扉32に向かう方向に撮影するために設けられたものである。扉方向撮影装置62は、第一貯蔵室26aの天面をなす部分に設けられている。また、扉方向撮影装置62は、第一貯蔵室26aを構成する開口領域の幅方向中央部に設けられている。扉方向撮影装置62は、扉32をなす第一扉32a及び第二扉32bのいずれか一方又は双方を撮影できるものとすると良い。本実施形態では、扉方向撮影装置62は、第一扉32aの第一貯蔵室26a側を向く面を、第一貯蔵室26aの内側から撮影するものとされている。また、扉方向撮影装置62は、例えば上下方向や左右方向に位置を変えて複数設けられたり、第一扉32aを撮影するものに加えて第二扉32bを撮影するものを設けたりして、複数設けられても良いが、本実施形態では前述した位置に一つ設けられている。
【0060】
庫内方向撮影装置64は、第一貯蔵室26aにおいて、扉32から第一貯蔵室26aの内側に向かう方向に撮影するために設けられたものである。庫内方向撮影装置64は、扉32をなす第一扉32a及び第二扉32bのいずれか一方又は双方に設けると良い。本実施形態では、庫内方向撮影装置64は、第二扉32bに設けられ、第二扉32bから第一貯蔵室26aの内側に向かう方向に撮影するものとされている。また、庫内方向撮影装置64は、一つだけ設けたり、撮影領域や用途に応じて複数設けたりすることが可能である。本実施形態では、第二扉32bにおいて上側の領域に設けられたもの(第一庫内方向撮影装置64a)、及び下側の領域に設けられたもの(第二庫内方向撮影装置64b)からなる二つの庫内方向撮影装置64が設けられている。庫内方向撮影装置64は、第二扉32bが閉じられた状態において、第一貯蔵室26aの開口領域における幅方向中央側に向けて斜め向きに撮影可能なように設けられている。
【0061】
上述した扉方向撮影装置62及び庫内方向撮影装置64が第一貯蔵室26aに設けられているのに対して、第二貯蔵室撮影装置66は、第二貯蔵室26bに設けられている。第二貯蔵室撮影装置66は、例えば第二貯蔵室26bの天面をなす部分等、第二貯蔵室26bに収容される物品によって撮影が阻害される可能性が低く、第二貯蔵室26bの内部を広範囲に撮影可能な位置に設けると良い。
【0062】
上述した扉方向撮影装置62、庫内方向撮影装置64、及び第二貯蔵室撮影装置66は、それぞれ異なる特性や機能を有するカメラ(撮影装置60)によって構成されても良いが、本実施形態では特性や機能が同一のカメラ(撮影装置60)によって構成されている。扉方向撮影装置62、庫内方向撮影装置64、及び第二貯蔵室撮影装置66をなすカメラ(撮影装置60)は、撮影部60a、入出力部60b、受電部60c、及び撮影側接続部60dを備えたものとされている。
【0063】
撮影部60aは、電力の供給を受けて撮影を行い、撮影データを生成して出力するものとされている。撮影部60aは、静止画及び動画のいずれか一方を撮影可能なものとしたり、静止画及び動画の双方を撮影可能なものとしたりすると良い。撮影部60aは、例えばMOTION JPG等の形式からなるストリーミング画像を撮影データとして生成して出力可能なものとされている。
【0064】
入出力部60bは、撮影部60aに対して電気的に接続されている。また、入出力部60bは、撮影部60aにおいて生成された撮影データを取得(入力)し、これを冷蔵庫10の外部に設けられた撮影制御装置70に向けて出力可能なものとされている。入出力部60bは、有線あるいは無線のいずれかにより撮影部60aに対して接続されたものとすることができる。本実施形態では、入出力部60bは、冷蔵庫10の外部に設けられた撮影制御装置70に対して有線により電気的に接続され、撮影データを撮影制御装置70に向けて送信するものとされている。
【0065】
受電部60cは、給電部80から電力供給を受ける部分である。受電部60cには、上述した撮影部60a、入出力部60bが電気的に接続されている。これにより、外部から供給された電力を、撮影部60a、入出力部60b、及び撮影制御装置70に供給可能とされている。
【0066】
撮影側接続部60dは、上述した入出力部60b及び受電部60cを撮影制御装置70に対して電気的に接続するものである。本実施形態では、撮影側接続部60dは、USB(Universal Serial Bus)形式の端子によって形成されている。
【0067】
≪撮影制御装置70の構成について≫
撮影制御装置70は、撮影装置60の動作制御を行うものである。撮影制御装置70は、第一貯蔵室26a~第五貯蔵室26eの外部に設けられている。撮影制御装置70は、本体制御装置50とは別に設けられている。また、撮影制御装置70は、本体制御装置50よりも冷蔵庫本体20の正面側の位置に設けられている。撮影制御装置70は、複数の撮影装置60に対して電気的に接続され、撮影装置60をそれぞれ個別に制御するものとされている。
【0068】
具体的には、撮影制御装置70は、扉方向撮影装置62、庫内方向撮影装置64(第一庫内方向撮影装置64a、及び第二庫内方向撮影装置64b)、第二貯蔵室撮影装置66に対して電気的に接続され、それぞれを個別に制御するものとされている。撮影制御装置70は、複数の撮影装置60(扉方向撮影装置62、第一庫内方向撮影装置64a、第二庫内方向撮影装置64b、及び第二貯蔵室撮影装置66)を順次切り替えつつ、それぞれの撮影装置60により順次撮影を行う制御を行える。撮影制御装置70は、制御側接続部72、記憶部74、及び送信部76を有する。
【0069】
制御側接続部72は、撮影制御装置70を、複数の撮影装置60に対して個別に着脱自在に接続するためのものである。撮影制御装置70は、複数の撮影装置60を接続可能なように複数の制御側接続部72を有する。制御側接続部72を構成する端子は、第一貯蔵室26a及び第二貯蔵室26bに設けられている。本実施形態では、制御側接続部72は、撮影装置60の撮影側接続部60dに対応して、USB(Universal Serial Bus)形式の端子によって形成されている。制御側接続部72をなす端子は、撮影側接続部60dを接続していない状態において液体等が付着しないように、カバーを装着する等して保護したものとすると良い。
【0070】
記憶部74は、撮影装置60による撮影により生成された撮影データを記録するものである。記憶部74は、従来公知の揮発性メモリ(RAM)等によって構成されている。
【0071】
送信部76は、撮影データを通信により外部機器110に対して送信するものである。送信部76は、有線あるいは無線のいずれかにより外部機器110に対して通信可能に接続されるものである。送信部76は、冷蔵庫10の外部に設けられた任意の無線アクセスポイント120を外部機器110として選択して設定することにより、当該無線アクセスポイント120、及びこれに対して接続されたインターネット網を介してサーバ130(外部機器110)に向けて送信できる。これにより、ユーザは、自身が所有するPCや、スマートフォン、タブレット端末等の携帯端末を用いてサーバ130にアクセスすることにより、第一貯蔵室26aや第二貯蔵室26bに入っている食品等の物品を確認することができる。
【0072】
≪撮影制御装置70による制御について≫
続いて、上述した撮影制御装置70により行われる制御について説明する。撮影制御装置70は、冷蔵庫10において複数設けられた撮影装置60により撮影し、撮影により得られた撮影データを送信部76を介して外部に送信する処理を、撮影装置60ごとに順次行う。これにより、複数の撮影装置60による撮影や、撮影データの送信を、重複して行う場合に比べて、撮影制御装置70への負荷を低減している。
【0073】
撮影制御装置70は、扉方向撮影装置62による撮影についての制御を行う。撮影制御装置70は、第一扉32aが所定の基準角度域Xに開いた状態であることを条件として撮影を実行するように、扉方向撮影装置62の動作を制御する。具体的には、撮影制御装置70は、第一扉32aによって第一貯蔵室26aが閉じられた状態から開いた状態に至る第一扉32aの開動作が行われている途中において、基準角度域Xまで開かれることを条件として扉方向撮影装置62により、第一貯蔵室26aの内側から第一扉32aに設けられた扉側収容部37を撮影するように、扉方向撮影装置62の動作制御を行う。ここで、上述した基準角度域Xは、第一扉32aが第一貯蔵室26aを閉じる位置を基準(0度)として、70度以上80度以下の範囲に含まれる角度域として規定されている。
【0074】
撮影制御装置70は、庫内方向撮影装置64(第一庫内方向撮影装置64a及び第二庫内方向撮影装置64b)による撮影についての制御を行う。撮影制御装置70は、第二扉32bが開かれた後、閉じられた後に庫内方向撮影装置64の動作を制御する。これにより、庫内方向撮影装置64は、第二扉32bから第一貯蔵室26aの内側を撮影する。
【0075】
撮影制御装置70は、上述した扉方向撮影装置62、第一庫内方向撮影装置64a、及び第二庫内方向撮影装置64bによる撮影を所定の順番で行うように、それぞれの撮影装置60の動作制御を行う。具体的には、撮影制御装置70は、第一扉32aが開かれことを条件として、扉方向撮影装置62により、第一貯蔵室26aから第一扉32aに向かう方向への撮影を行うように扉方向撮影装置62を動作させる。撮影制御装置70は、扉方向撮影装置62により得られた第一扉32aの扉側収容部37を撮影した撮影データを、送信部76を介して外部に送信する処理を行う。また、撮影制御装置70は、扉方向撮影装置62による撮影及び撮影データの送信に係る処理を行った後、予め規定されているインターバル時間Tが経過してから、第一庫内方向撮影装置64a及び第二庫内方向撮影装置64bのうち一方(例えば第一庫内方向撮影装置64a)による撮影、及び撮影データの送信処理を行わせる。
【0076】
ここで、上述したインターバル時間Tは、第一扉32aを開いてから物品の出し入れに要すると想定される時間や、庫内照明27により照明が行われる時間を考慮して規定される。具体的には、第一扉32aを開いてから第一貯蔵室26aに物品を出し入れするのに十分であると想定される時間を標準出入時間t1として規定した場合、インターバル時間Tは、標準出入時間t1以上に規定される(T≧t1)。標準出入時間t1は、例えば、第一扉32aや第二扉32bを開いてから上述した警報装置52による警報が行われるまでの時間以下の時間に規定すると良い。また、第一扉32aを開状態から閉状態とした後、庫内照明27がオン状態からオフ状態になるまでの時間を照明維持時間t2と規定した場合、インターバル時間Tは、照明維持時間t2よりも短い時間に規定される(T<t2)。そのため、本実施形態の冷蔵庫10において、インターバル時間Tは、標準出入時間t1と照明維持時間t2との関係において、t1≦T<t2の関係が成立するように規定されている。
【0077】
撮影制御装置70は、扉方向撮影装置62による撮影及び撮影データの送信に係る処理を行った後、上述したインターバル時間Tが経過してから、第一庫内方向撮影装置64aによる撮影、及び撮影データの送信処理を行わせる。また、第一庫内方向撮影装置64aによる撮影及び撮影データの送信処理が完了すると、撮影制御装置70は、第二庫内方向撮影装置64bによる撮影及び撮影データの送信を行わせる。
【0078】
撮影制御装置70は、上述した扉方向撮影装置62、第一庫内方向撮影装置64a、及び第二庫内方向撮影装置64bによる第一貯蔵室26aについての撮影とは別に、第二貯蔵室撮影装置66による第二貯蔵室26bの撮影を行う。撮影制御装置70は、第二貯蔵室26bに設けられた開検知センサ28aにより第二貯蔵室26bに設けられた収容容器33αが開かれた(引き出された)状態になったことが検知された後、収容容器33αが閉じられた(押し戻された)状態になったことが検知されると、予め規定されている補助照明維持時間t3に亘って補助照明28bをオン状態とする。撮影制御装置70は、補助照明28bがオン状態である間に第二貯蔵室撮影装置66による撮影を実行させ、その後撮影データの送信処理を行わせる。
【0079】
以下、上述した撮影制御装置70による制御方法について、図6図8に係るタイミングチャートを参照しつつ詳細に説明する。
【0080】
図6は、第一扉32aの開閉に連動して撮影制御装置70によって行われる扉方向撮影装置62及び庫内方向撮影装置64による撮影の流れを示したタイミングチャートである。図6に示すように、第一扉32aが開状態となり、庫内照明スイッチがオン状態となると、庫内照明27がオン状態となる。その後、第一扉32aが基準角度域Xまで開いた状態(図6において「開」と示した状態)になった後、扉方向撮影装置62がオン状態となる。これにより、扉方向撮影装置62による撮影、及び撮影データの送信が行われ、その後、扉方向撮影装置62がオフ状態となる。また、扉方向撮影装置62がオフ状態となった後、第一庫内方向撮影装置64aがオン状態となり、第一庫内方向撮影装置64aによる撮影、及び撮影データの送信が行われる。第一庫内方向撮影装置64aによる処理が完了し、第一庫内方向撮影装置64aがオフ状態となった後、第二庫内方向撮影装置64bがオン状態となり、第二庫内方向撮影装置64bによる撮影、及び撮影データの送信が行われる。第二庫内方向撮影装置64bによる処理が完了すると一連の動作が完了する。
【0081】
図7は、第二扉32bの開閉に連動して撮影制御装置70によって行われる庫内方向撮影装置64による撮影の流れを示したタイミングチャートである。図7に示すように、第二扉32bが開状態となり、庫内照明スイッチがオン状態となると、庫内照明27がオン状態となる。その後、第二扉32bが閉じられると、第一庫内方向撮影装置64aがオン状態となり、第一庫内方向撮影装置64aによる撮影、及び撮影データの送信が行われる。第一庫内方向撮影装置64aによる処理が完了し、第一庫内方向撮影装置64aがオフ状態となった後、第二庫内方向撮影装置64bがオン状態となり、第二庫内方向撮影装置64bによる撮影、及び撮影データの送信が行われる。第二庫内方向撮影装置64bによる処理が完了すると一連の動作が完了する。
【0082】
図8は、撮影制御装置70によって行われる、第二貯蔵室撮影装置66による第二貯蔵室26bの撮影の流れを示したタイミングチャートである。図8に示すように、第二貯蔵室26bの収容容器33αが引き出され、第二貯蔵室26bが開状態とされたことが検知された後、第二貯蔵室26bが閉状態に戻ったことが検知されると、撮影制御装置70は、予め規定されている補助照明維持時間t3に亘って補助照明28bをオン状態とする。撮影制御装置70は、補助照明28bがオン状態である間に、第二貯蔵室撮影装置66をオン状態とする。これにより、第二貯蔵室撮影装置66による撮影を実行させ、その後撮影データの送信処理を行わせる。
【0083】
≪冷蔵庫システム100について≫
上述した冷蔵庫10は、サーバ130を組み合わせることにより冷蔵庫システム100を構築できる。冷蔵庫システム100は、冷蔵庫10が撮影装置60を備えており、第一貯蔵室26a~第三貯蔵室26cを開けることなく内部を確認できるようにしたものであることを活用して、通信網を介してリモートで第一貯蔵室26a~第三貯蔵室26cの内部状況を確認できるようにしたシステムである。冷蔵庫システム100は、冷蔵庫10から送信された撮影データを加工の状態あるいは加工した状態でサーバ130に送り、送信元の冷蔵庫と関連付けた撮影記録データとしてサーバ130に記録可能としたものである。また、冷蔵庫システム100は、サーバ130への接続が許可されたクライアント端末140からのアクセスに応じ、サーバ130に記録された撮影記録データのうち、アクセス権限を有するものを取得あるいは閲覧可能としたものである。クライアント端末140には、例えばユーザが所有しているスマートフォンやタブレット端末、携帯電話、PDA、コンピュータ等を用いることができる。
【0084】
上述した本実施形態の冷蔵庫10は、以下の(a)~(k)のような特徴的構成を備えている。これにより、冷蔵庫10は、以下に記載のような特有の効果を奏することができる。
【0085】
(a)本実施形態の冷蔵庫10は、物品を収容可能な第一貯蔵室26a、及び第一貯蔵室26aの開口領域を開閉するための扉32を備えた冷蔵庫本体20と、第一貯蔵室26aの内部を撮影する撮影装置60と、を有し、扉32が、第一貯蔵室26aに向く側に物品を収容可能な扉側収容部37を備えたものであり、撮影装置60として、第一貯蔵室26aから扉32に向かう方向に撮影可能な扉方向撮影装置62が設けられており、扉32が所定の基準角度域Xまで開いた状態であることを条件として、扉方向撮影装置62による撮影が行われるものとされている。
【0086】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(a)のように、扉32が所定の基準角度域Xまで開いたことを条件として、扉方向撮影装置62により、第一貯蔵室26aから扉32に向かう方向に撮影するものとされている。これにより、本実施形態の冷蔵庫10は、扉方向撮影装置62と、扉32やこれに設けられた扉側収容部37とを、一定の距離だけ離した状態で撮影できる。従って、本実施形態の冷蔵庫10は、扉32に設けられた扉側収容部37を従来技術のものに比べて広範囲に亘って撮影できる。
【0087】
(b)本実施形態の冷蔵庫10は、扉方向撮影装置62が、扉32によって第一貯蔵室26aが閉じられた状態から開いた状態に至る扉32の開動作の途中において、基準角度域Xまで開かれることを条件として撮影を行うものとされている。
【0088】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(b)のような構成とすることにより、扉32の動きが緩やかである可能性の高い扉32を開くときに扉方向撮影装置62による撮影を行うことができる。これにより、本実施形態の冷蔵庫10は、扉方向撮影装置62により、ブレ等を生じることなく高品質な画像を取得することができる。
【0089】
(c)本実施形態の冷蔵庫10は、基準角度域Xが、扉32によって第一貯蔵室26aを閉じる位置を基準として、70度以上80度以下の範囲に含まれる角度域であると良い。
【0090】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(c)のような構成とすることにより、扉方向撮影装置62により扉側収容部37を正面側や側面側から撮影するのではなく、70度以上80度以下の範囲で傾いた斜め方向からの視点で扉側収容部37を捉えた状態の画像を取得することができる。これにより、本実施形態の冷蔵庫10は、扉側収容部37の正面側や側面側に収容されているものだけでなく、扉側収容部37の奥側に収納された物品まで確認できるような画像を取得することができる。
【0091】
また、扉32が70度以上80度以下の範囲まで開かれた状態においては、ユーザによる扉32の開閉操作が遅くなることが多いと想定される。そのため、本実施形態の冷蔵庫10は、上記(c)のような構成とすることにより、扉方向撮影装置62により扉側収容部37をブレずに撮影できる可能性が高くなる。
【0092】
(d)本実施形態の冷蔵庫10は、オン状態となることにより第一貯蔵室26aの内部を照明する庫内照明27を有し、扉32が基準角度域Xよりも角度の小さい照明開始角度域まで開くことを条件として、庫内照明27がオン状態となるものとされている。
【0093】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(d)のような構成とすることにより、照明開始角度域まで扉32が開いて庫内照明27がオン状態となった後、照明開始角度域よりも大きな基準角度域Xまで扉32が開いてから扉方向撮影装置62による撮影を行うことができる。そのため、本実施形態の冷蔵庫10は、庫内照明27がオン状態となってから少し時間が経過した後に扉方向撮影装置62による撮影を行う。このような構成とすることにより、本実施形態の冷蔵庫10は、庫内照明27がオン状態になった後、庫内照明27の明るさが安定した状態において扉方向撮影装置62による撮影を行うことができる。従って、本実施形態の冷蔵庫10は、扉方向撮影装置62による撮影を、庫内照明27によって十分明るくなった状態において行うことができる。
【0094】
(e)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32として、第一貯蔵室26aの開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉32aが設けられており、第一扉32aが開くことを条件として、扉方向撮影装置62による撮影が行われるものである。
【0095】
本実施形態の冷蔵庫10は、上述したように、扉方向撮影装置62と、扉32やこれに設けられた扉側収容部37とを、一定の距離だけ離した状態で撮影できるため、扉方向撮影装置62により広範囲に亘って撮影できる。そのため、本実施形態の冷蔵庫10は、上記(e)のように、第一貯蔵室26aの開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉32aに設けられた扉側収容部37についても、扉方向撮影装置62による撮影範囲に収めることができる。
【0096】
(f)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32として、第一貯蔵室26aの開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉32aと、第一扉32aよりも小さな開口領域を開閉する第二扉32bと、を備えており、第二扉32bが、第一貯蔵室26aの開口領域における幅方向中央部から側方に外れた領域を開閉するものであり、撮影装置60として、第二扉32bから第一貯蔵室26aに向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置64を備えているものである。
【0097】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(f)のような構成とすることにより、撮影装置60として設けられた庫内方向撮影装置64により、第二扉32bから第一貯蔵室26aの内部を撮影できる。これにより、本実施形態の冷蔵庫10は、庫内方向撮影装置64により、第一貯蔵室26aの幅方向中央部を外れた位置から第一貯蔵室26aの内部を撮影できる。従って、本実施形態の冷蔵庫10は、第一貯蔵室26aの正面側に収容されているものだけでなく、第一貯蔵室26aの奥側に収納された物品まで確認できるような画像を取得することができる。
【0098】
(g)本実施形態の冷蔵庫10において、庫内方向撮影装置64は、第二扉32bが閉じた状態において、第一貯蔵室26aの開口領域における幅方向中央側に向けて斜め向きに撮影可能なように設けられている。
【0099】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(g)のような構成とすることにより、第一貯蔵室26aの内側を第一貯蔵室26aの正面側だけでなく奥側まで見えるように撮影した画像を取得することができる。
【0100】
(h)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32として、第一貯蔵室26aの開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉32aを備えており、撮影装置60として、第二扉32bから第一貯蔵室26aに向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置64を備えており、扉方向撮影装置62として、第一貯蔵室26aから第一扉32aに向かう方向に撮影可能なものを備えており、第一扉32aが開くことを条件として、扉方向撮影装置62により、第一貯蔵室26aから第一扉32aに向かう方向への撮影が行われ、扉方向撮影装置62による撮影よりも後に、庫内方向撮影装置64による第二扉32bから第一貯蔵室26aに向かう方向への撮影が行われるものである。
【0101】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(h)のような構成とすることにより、ユーザが第一扉32aを開いて第一貯蔵室26aに対して物品の出し入れを行った後の最新の状態において、庫内方向撮影装置64により第一貯蔵室26aの撮影を行うことができる。
【0102】
(i)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32を開いてから物品の出し入れに十分であると想定される時間が標準出入時間t1として規定され、扉方向撮影装置62による撮影の後、庫内方向撮影装置64による撮影が行われるまでの時間が、標準出入時間以上と規定されているものである。
【0103】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(i)のような構成とすることにより、より一層確実に第一貯蔵室26aに対して物品の出し入れを行った後の最新の状態において、庫内方向撮影装置64により第一貯蔵室26aの撮影を行うことができる。
【0104】
(j)本実施形態の冷蔵庫10は、撮影装置60として、第二扉32bの開閉に伴って、第二扉32bと共に第一貯蔵室26aに対して移動し、第二扉32bから第一貯蔵室26aに向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置64を備えており、庫内方向撮影装置64が設けられた第二扉32bが開状態から閉状態になることを条件として、庫内方向撮影装置64による撮影が行われるものである。
【0105】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(j)のような構成とすることにより、第一貯蔵室26aに対して物品の出し入れが行われた後の状態を、第一貯蔵室26aの内部を撮影することができる。
【0106】
(k)本実施形態の冷蔵庫10は、扉32として、第一貯蔵室26aの開口領域の半分よりも大きい領域を開閉する第一扉32aと、第一扉32aよりも小さな開口領域を開閉する第二扉32bと、を備えており、第一扉32aが開くことを条件としてオン状態となって第一貯蔵室26aの内部を照明する庫内照明27を有し、庫内照明27が、第一扉32aが閉じた後、所定の照明維持時間t2に亘ってオン状態を維持した後にオフ状態となるものであり、撮影装置60として、第二扉32bから第一貯蔵室26aに向かう方向に撮影可能な庫内方向撮影装置64を備えており、扉方向撮影装置62により撮影した後、庫内方向撮影装置64による撮影を行うものであり、照明維持時間t2が、扉方向撮影装置62による撮影後、庫内方向撮影装置64による撮影までの期間よりも長いものである。
【0107】
本実施形態の冷蔵庫10は、上記(k)のような構成とすることにより、庫内照明27によって第一貯蔵室26aの内部が明るい状態において庫内方向撮影装置64による撮影を行える。そのため、本実施形態の冷蔵庫10は、第一貯蔵室26aの内部に収容された物品の視認性の高い画像を取得することができる。
【0108】
本実施形態において例示した冷蔵庫10は、上述した(a)~(k)に係る特徴的構成を備えたものであるが、本発明はこれに限定されない。冷蔵庫10は、上述した(a)~(k)のいずれかを省略した構成としたり、(a)~(k)に係る構成に加えて、あるいは(a)~(k)に係る構成に加えて他の構成を備えたものとしたりしても良い。例えば、冷蔵庫10は、撮影装置60(扉方向撮影装置62)による第一扉32aに設けられた扉側収容部37の撮影を、第一扉32aの開動作の途中で基準角度域Xまで開かれることを条件として行う例を示したが、第一扉32aに設けられた扉側収容部37の撮影は、必ずしも第一扉32aの開動作を行うときに限定する必要はない。具体的には、冷蔵庫10は、第一扉32aの開動作の途中で基準角度域Xまで開かれた状態になったときに加えて、あるいはこれに代えて、第一扉32aの閉動作の途中で基準角度域Xまで開かれた状態になったとき(基準角度域Xよりも大きく開かれた第一扉32aの開度が基準角度域Xとなったとき)に撮影装置60(扉方向撮影装置62)による扉側収容部37の撮影を行うことも可能である。第一扉32aを閉じる途中で、第一扉32aが基準角度域Xに差し掛かったときに撮影を行う場合は、物品の出し入れが終わった後の最終状態を撮影できる。
【0109】
本願発明は、上述した実施の形態に記載の構成に限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲において適宜設計変更等することが可能である。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、課題を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素または課題を解決するための手段、発明を実施するための形態等に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても、本願または本願に基づく分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、冷蔵庫全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0111】
10 :冷蔵庫
20 :冷蔵庫本体
26a :物品収容部
27 :庫内照明
32 :扉
32a :第一扉
32b :第二扉
37 :扉側収容部
40 :温度調整装置
50 :本体制御装置
60 :撮影装置
62 :扉方向撮影装置
64 :庫内方向撮影装置
70 :撮影制御装置
74 :記憶部
120 :外部機器
X :基準角度域
t1 :標準出入時間
t2 :照明維持時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8