IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンエムパッケージ 株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-マスク 図1
  • 特開-マスク 図2
  • 特開-マスク 図3
  • 特開-マスク 図4
  • 特開-マスク 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060461
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167843
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】391032783
【氏名又は名称】サンエムパッケージ 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 隆
(57)【要約】
【課題】上側起立シートの下端部分と下側起立シートの上端部分とが重なっている構成と比して、上側起立シート及び下側起立シートを本体シートに対して容易に起立させることである。
【解決手段】マスクは、着用者の口を覆うと共に正面から見て幅方向に延びる矩形状の本体シートと、本体シートに対して着用者の肌面側で、本体シートの上側部分に重ねられ、本体シートに対して本体シートの上縁側を起点に肌面側に起立可能とされている上側起立シートと、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、正面から見て上縁から本体シートの側縁まで幅方向に対して傾斜して延びると共に、本体シートと上側起立シートとを接合する傾斜接合部と、本体シートに対して肌面側で、本体シートの下側部分に重ねられ、本体シートに対して本体シートの下縁側を起点に肌面側に起立可能とされ、上側起立シートとの間に着用者の指が挿入可能なように上側起立シートに対して上下方向に離隔している下側起立シートと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の口を覆うと共に正面から見て幅方向に延びる矩形状の本体シートと、
前記本体シートに対して着用者の肌面側で、前記本体シートの上側部分に重ねられ、前記本体シートの上縁側を起点に前記肌面側に起立可能とされている上側起立シートと、
幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記本体シートの上縁から前記本体シートの側縁まで前記幅方向に対して傾斜して延びると共に、前記本体シートと前記上側起立シートとを接合する傾斜接合部と、
前記本体シートに対して前記肌面側で、前記本体シートの下側部分に重ねられ、前記本体シートの下縁側を起点に前記肌面側に起立可能とされ、前記上側起立シートとの間に着用者の指が挿入可能なように前記上側起立シートと上下方向で離隔している下側起立シートと、
を備えるマスク。
【請求項2】
幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記上縁から前記傾斜接合部まで上下方向に延びる共に、前記本体シートと前記上側起立シートとを接合する上下接合部を備える、
請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記上側起立シートの下端部分には、着用者の鼻の凹凸形状に前記下端部分が沿うようにするノーズクランプが幅方向に延びて設けられており、前記ノーズクランプは、前記正面から見て、上下方向において、前記上下接合部の下方に配置されている、
請求項2に記載のマスク。
【請求項4】
幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記本体シートの下縁から前記本体シートの側縁まで前記幅方向に対して傾斜して延びると共に、前記本体シートと前記下側起立シートとを接合する他の傾斜接合部を備え、
前記他の傾斜接合部における前記下縁側の端部は、前記傾斜接合部における前記上縁側の端部と比して前記幅方向の外側に配置されている、
請求項1に記載のマスク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のマスクは、不織布で構成され、少なくとも口を覆う覆い部と、覆い部の両端部の上下端部に固定される一対の耳掛け部とを有し、覆い部の着用者側の両端部側から中央に向かって延在するように、一側部が覆い部に固定された帯状体からなる漏れ防止部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-217142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、着用者の口を着用者の正面から覆う本体シートと、本体シートの上縁側を起点に着用者の肌面側に起立する上側起立シートと、本体シートの下縁側を起点に着用者の肌面側に起立する下側起立シートとを備えているマスクがある。具体的には、上側起立シートは、本体シートの上縁側を起点に着用者の肌面側に起立して着用者の口に対して上側部分の肌面と本体シートの上縁側との間を覆う。また、下側起立シートは、本体シートの下縁側を起点に着用者の肌面側に起立して着用者の口に対して下側部分の肌面と本体シートの下縁側との間を覆う。
【0005】
このようなマスクにおいて、上側起立シート及び下側起立シートが折りたたまれた状態では、上側起立シートの下端部分が、下側起立シートの上端部分に重なっており、上側起立シートの下端と下側起立シートの上端との間に着用者は指を挿入することができない。このため、上側起立シート及び下側起立シートを本体シートに対して起立させるのに手間が生じる。
【0006】
本開示の課題は、上側起立シートの下端部分と下側起立シートの上端部分とが重なっている構成と比して、上側起立シート及び下側起立シートを本体シートに対して容易に起立させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係るマスクは、着用者の口を覆うと共に正面から見て幅方向に延びる矩形状の本体シートと、前記本体シートに対して着用者の肌面側で、前記本体シートの上側部分に重ねられ、前記本体シートの上縁側を起点に前記肌面側に起立可能とされている上側起立シートと、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記本体シートの上縁から前記本体シートの側縁まで前記幅方向に対して傾斜して延びると共に、前記本体シートと前記上側起立シートとを接合する傾斜接合部と、前記本体シートに対して前記肌面側で、前記本体シートの下側部分に重ねられ、前記本体シートの下縁側を起点に前記肌面側に起立可能とされ、前記上側起立シートとの間に着用者の指が挿入可能なように前記上側起立シートと上下方向で離隔している下側起立シートと、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、上側起立シートと下側起立シートとは上下方向で離隔しており、この離隔した部分に、着用者の指が挿入可能となっている。このため、上側起立シートの下端部分と下側起立シートの上端部分とが重なっている構成と比して、上側起立シート及び下側起立シートを本体シートに対して容易に起立させることができる。
【0009】
第2態様に係るマスクは、第1態様に記載のマスクにおいて、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記上縁から前記傾斜接合部まで上下方向に延びる共に、前記本体シートと前記上側起立シートとを接合する上下接合部を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、正面から見て、本体シートの上縁から傾斜接合部まで上下方向に延びる上下接合部が設けられている。このため、マスクが、着用者に装着されたときに、上下方向において傾斜接合部と本体シートの上縁とに挟まれる領域に、幅方向に延びる皺が発生するのを抑制することができる。
【0011】
第3態様に係るマスクは、第2態様に記載のマスクにおいて、前記上側起立シートの下端部分には、着用者の鼻の凹凸形状に前記下端部分が沿うようにするノーズクランプが幅方向に延びて設けられており、前記ノーズクランプは、前記正面から見て、上下方向において、前記上下接合部の下方に配置されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、上側起立シートにおいて下端部分には、ノーズクランプが設けられ、このノーズクランプは、正面から見て、上下方向において、上下接合部の下方に配置されている。このため、ノーズクランプが、上下方向において、上下接合部と重なるように配置されている場合と比して、ノーズクランプを着用者の鼻に沿うように容易に曲げることができる。
【0013】
第4態様に係るマスクは、第1態様に記載のマスクにおいて、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記本体シートの下縁から前記本体シートの側縁まで前記幅方向に対して傾斜して延びると共に、前記本体シートと前記下側起立シートとを接合する他の傾斜接合部を備え、前記他の傾斜接合部における前記下縁側の端部は、前記傾斜接合部における前記上縁側の端部と比して前記幅方向の外側に配置されていることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、他の傾斜接合部における下縁側の端部は、傾斜接合部における上縁側の端部と比して幅方向の外側に配置されている。これにより、他の傾斜接合部における下縁側の端部が傾斜接合部における上縁側の端部と幅方向において同様の位置に配置されている場合と比して、着用者の口と本体シートとの間の空間を幅方向で広げることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、上側起立シートの下端部分と下側起立シートの上端部分とが重なっている構成と比して、上側起立シート及び下側起立シートを本体シートに対して容易に起立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施形態に係るマスクを正面から見た図であって、マスクが折りたたまれた状態を示した正面図である。
図2】(A)(B)(C)本開示の実施形態に係るマスクを背面から見た図であって、マスクが折りたたまれた状態を示した背面図、及び断面図である。
図3】本開示の実施形態に係るマスクを示し、マスクを折りたたまれた状態から展開させた状態を示した斜視図である。
図4】本開示の実施形態に係るマスクを示し、マスクを展開させて着用者がマスクを着用した状態を示した斜視図である。
図5】本開示の実施形態に係るマスクを示し、マスクを展開させて着用者がマスクを着用した状態を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施形態に係るマスクの一例について図1図5に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは、マスクの上下方向を示し、矢印Wは、マスクの幅方向を示し、矢印Dは、着用者がマスクを装着する装着方向を示す。また、矢印H、矢印W、及び矢印Dは、互いに直交する。
【0018】
(マスク10の構成)
マスク10は、図1に示されるように、装着方向の正面から見て、矩形状の本体シート12と、着用者の耳に掛けられる一対の耳掛け部14とを備えている。さらに、マスク10は、図2(A)に示されるように、装着方向の背面から見て、本体シート12に対して着用者の肌面側で、かつ、本体シート12の上側部分に重ねられている上側起立シート16と、本体シート12に対して着用者の肌面側で、かつ、本体シート12の下側部分に重ねられている下側起立シート18とを備えている。
【0019】
なお、図1図2には、マスク10が折りたたまれた状態(着用者が着用する前の状態)のマスク10が示されている。また、マスク10は、幅方向中央において上下方向に延びる仮想線に対して線対称の形状とされている。
【0020】
さらに、マスク10は、耳掛け部14を除き、一枚のシート部材100を折り曲げることで形成されている。このシート部材100は、複数の層構造で構成され、各層は、一例として、ポリプロピレン、又はポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂の不織布で構成されている。
【0021】
〔本体シート12、耳掛け部14〕
本体シート12は、図1に示されるように、幅方向に延びる矩形状とされており、本体シート12の側縁12bには、図2(A)、図2(B)に示されるように、シート部材100を折り曲げることで形成された折り曲げ部22が上下方向に延びて形成されている。そして、折り曲げ部22の上側部分と本体シート12との間には、上側起立シート16の端部が挿入されており、折り曲げ部22の下側部分と本体シート12との間には、下側起立シート18の端部が挿入されている。
【0022】
さらに、折り曲げ部22の上側部分に、耳掛け部14の一端が、溶着部24aによって接合されている。具体的には、この溶着部24aによって、耳掛け部14の一端、折り曲げ部22、上側起立シート16、及び本体シート12が、接合されている。
【0023】
また、折り曲げ部22の下側部分に、耳掛け部14の他端が、溶着部24bによって折り曲げ部22に接合されている。具体的には、この溶着部24bによって、耳掛け部14の他端、折り曲げ部22、下側起立シート18、及び本体シート12が、接合されている。
【0024】
さらに、上下方向において溶着部24aと溶着部24bとの間には、折り曲げ部22、上側起立シート16、及び本体シート12、又は折り曲げ部22、及び本体シート12、又は折り曲げ部22、下側起立シート18、及び本体シート12を接合する接合部26が、上下方向に延びるように設けられている。具体的には、複数の溶着点26aが、上下方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、接合部26が形成されている。
【0025】
なお、本実施形態では、本体シート12の上下方向の長さは、90〔mm〕とされている。
【0026】
この構成において、図4図5に示されるように、マスク10が着用者に着用された状態で、本体シート12は、着用者の口を正面から覆うようになっている。
【0027】
〔下側起立シート18〕
下側起立シート18は、図2(A)に示されるように、本体シート12に対して着用者の肌面側で、本体シート12の下側部分に重ねられおり、幅方向に延びる矩形状とされている。
【0028】
さらに、下側起立シート18の上端部分は、図2(C)に示されるように、本体シート12側に折り曲げられており、折り曲げられた折り曲げ部18aは、下側起立シート18において、着用者の肌面側を向いた基部シート18bと、接合部34によって接合されている。具体的には、図2(A)に示されるように、上下方向に離間した一対の溶着点34aが、幅方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、接合部34が形成されている。
【0029】
また、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、正面又は背面から見て本体シート12の下縁12aから本体シート12の側縁12b側へ幅方向に対して傾斜して延びると共に、本体シート12と下側起立シート18とを接合する傾斜接合部36が設けられている。傾斜接合部36は、他の傾斜接合部の一例である。
【0030】
具体的には、傾斜接合部36の側縁12b側の端部は、正面又は背面から見て、折り曲げ部22の端部と下側起立シート18の上端との交点まで延びている。そして、複数の溶着点36aが傾斜する方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、傾斜接合部36が形成されている。
【0031】
この構成において、下側起立シート18において一対の傾斜接合部36の間の部分が、図3に示されるように、本体シート12の下縁12a側を起点に着用者の肌面側に起立する。そして、図4図5に示されるように、下側起立シート18の端縁が、着用者の口の下端部分の肌面と接する。そして、下側起立シート18は、着用者の口に対して下側部分の肌面と本体シート12の下縁12a側との間を覆う。
【0032】
〔上側起立シート16〕
上側起立シート16は、図2(A)に示されるように、本体シート12に対して着用者の肌面側で、本体シート12の上側部分に重ねられおり、幅方向に延びる矩形状とされている。
【0033】
また、上側起立シート16と下側起立シート18とは、上下方向で離隔しており、上側起立シート16と下側起立シート18との間に着用者の指が挿入可能となっている。本実施形態では、離隔距離は、5〔mm〕以上30〔mm〕以下とされている。換言すると、本体シート12の高さを100とすると、離隔距離は、5.6以上33以下とされている。
【0034】
また、上下方向において上側起立シート16の中央部分には、図2(B)に示されるように、プリーツ状に折りたたまれたプリーツ部16aが形成されている。
【0035】
さらに、上側起立シート16の下側部分は、本体シート12側に折り曲げられており、折り曲げられた折り曲げ部16bは、上側起立シート16において、着用者の肌面側を向いた基部シート16cと、接合部44によって接合されている。具体的には、図2(A)に示されるように、上下方向に離間した一対の溶着点44aが、幅方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、接合部44が形成されている。そして、袋状とされた折り曲げ部16bと基部シート16cとの間には、上側起立シート16の下端が、着用者の鼻の凹凸形状に沿うようにノーズクランプ50が幅方向に延びて配置されている。なお、ノーズクランプ50とは、折り曲げて塑性変形することで、上側起立シート16の下端を着用者の鼻の凹凸形状に沿わせることができる部材である。
【0036】
また、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、正面又は背面から見て本体シート12の上縁12cから本体シート12の側縁12b側へ幅方向に対して傾斜して延びると共に、本体シート12と上側起立シート16とを接合する傾斜接合部46が設けられている。
【0037】
具体的には、傾斜接合部46の側縁12b側の端部は、正面又は背面から見て、折り曲げ部22の端部と上側起立シート16の下端との交点まで延びている。そして、複数の溶着点46aが傾斜する方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、傾斜接合部46が形成されている。
【0038】
また、傾斜接合部46における本体シート12の上縁12c側の端部47は、傾斜接合部36における本体シート12の下縁12a側の端部37と比して、幅方向の内側に配置されている。換言すれば、傾斜接合部36における本体シート12の下縁12a側の端部37は、傾斜接合部46における本体シート12の上縁12c側の端部47と比して、幅方向の外側に配置されている。ここで、幅方向の内側とは、本体シート12の幅方向の中央部側である。
【0039】
また、上側起立シート16の上端部分で、かつ、一対の傾斜接合部46の間には、上側起立シート16と本体シート12とを接合する接合部48が形成されている。具体的には、複数の溶着点48aが幅方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、接合部48が形成されている。
【0040】
さらに、幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、正面又は背面から見て、本体シート12の上縁12cから傾斜接合部46まで上下方向に延びると共に、本体シート12と上側起立シート16とを接合する上下接合部54が形成されている。
【0041】
具体的には、複数の溶着点54aが上下方向に延びるように間隔を空けて配置されることで、上下接合部54が形成されている。この上下接合部54は、正面又は背面から見て、傾斜接合部46、本体シート12の上縁12c、及び折り返し部22に囲まれる領域で、かつ、幅方向において、端部47と折り返し部22との間に配置されている。なお、上下接合部54については、幅方向において、端部47と側縁12bとの中央部分に配置されることが好ましい。
【0042】
そして、上下方向においては、上下接合部54の下方に、ノーズクランプ50が配置されている。
【0043】
この構成において、上側起立シート16において一対の傾斜接合部46の間の部分が、図3に示されるように、本体シート12の上縁12c側を起点に着用者の肌面側に起立する。そして、図4図5に示されるように、上側起立シート16の端縁が、着用者の鼻の下端部分で、かつ、着用者の口に対して上側部分の肌面と接する。そして、上側起立シート16は、着用者の口に対して上側部分の肌面と本体シート12の上縁12c側との間を覆う。
【0044】
(作用、まとめ)
以上の構成において、マスク10では、マスク10が折りたたまれた状態で、上側起立シート16と下側起立シート18とは、上下方向で離隔しており、上側起立シート16と下側起立シート18との間に着用者の指が挿入されるようになっている。このため、上側起立シートの下端部分と下側起立シートの上端部分とが重なっている構成と比して、上側起立シート16及び下側起立シート18を本体シート12に対して容易に起立させることができる。
【0045】
また、マスク10では、上下接合部54は、正面又は背面から見て、傾斜接合部46、本体シート12の上縁12c、及び折り返し部22に囲まれる領域に配置されている。このため、マスク10が、着用者に装着されたときに、傾斜接合部46、本体シート12の上縁12c、及び折り返し部22に囲まれる領域に、幅方向に延びる皺が発生するのを抑制することができる。
【0046】
また、マスク10では、ノーズクランプ50は、正面又は背面から見て、上下方向においては、上下接合部54の下方に配置されている。このため、上下方向においては、上下接合部とノーズクランプとが重なっている場合と比して、上下接合部54によって生じる剛性によってノーズクランプ50の可撓性が阻害されないため、ノーズクランプ50を着用者の鼻に沿うように容易に曲げることができる。
【0047】
また、マスク10では、傾斜接合部36における本体シート12の下縁12a側の端部37は、傾斜接合部46における本体シート12の上縁12c側の端部47と比して、幅方向の外側に配置されている。このため、傾斜接合部36における本体シート12の下縁12a側の端部37が傾斜接合部46における本体シート12の上縁12c側の端部47と同様の位置に配置されている場合と比して、着用者の口と本体シート12との間の空間を幅方向で広げることができる。
【0048】
また、マスク10では、上側起立シート16にプリーツ部16aが形成されている。このため、プリーツ部がない場合と比して、着用者の肌面側への伸縮性が向上することで、上側起立シート16の端部を確実に着用者の肌面と接触させることができる。
【0049】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示は本開示の範囲にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、ノーズクランプ50が、袋状とされた折り曲げ部16bと基部シート16cとの間に配置されたが、ノーズクランプが、基部シート16cの肌面側に溶着されていてもよい。
【0050】
(((1)))
着用者の口を覆うと共に正面から見て幅方向に延びる矩形状の本体シートと、
前記本体シートに対して着用者の肌面側で、前記本体シートの上側部分に重ねられ、前記本体シートの上縁側を起点に前記肌面側に起立可能とされている上側起立シートと、
幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記本体シートの上縁から前記本体シートの側縁まで前記幅方向に対して傾斜して延びると共に、前記本体シートと前記上側起立シートとを接合する傾斜接合部と、
前記本体シートに対して前記肌面側で、前記本体シートの下側部分に重ねられ、前記本体シートの下縁側を起点に前記肌面側に起立可能とされ、前記上側起立シートとの間に着用者の指が挿入可能なように前記上側起立シートと上下方向で離隔している下側起立シートと、
を備えるマスク。
【0051】
(((2)))
幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記上縁から前記傾斜接合部まで上下方向に延びる共に、前記本体シートと前記上側起立シートとを接合する上下接合部を備える、
(((1)))に記載のマスク。
【0052】
(((3)))
前記上側起立シートの下端部分には、着用者の鼻の凹凸形状に前記下端部分が沿うようにするノーズクランプが幅方向に延びて設けられており、前記ノーズクランプは、前記正面から見て、上下方向において、前記上下接合部の下方に配置されている、
(((2)))に記載のマスク。
【0053】
(((4)))
幅方向中央に対して一方側の部分及び他方側の部分に夫々設けられ、前記正面から見て前記本体シートの下縁から前記本体シートの側縁まで前記幅方向に対して傾斜して延びると共に、前記本体シートと前記下側起立シートとを接合する他の傾斜接合部を備え、
前記他の傾斜接合部における前記下縁側の端部は、前記傾斜接合部における前記上縁側の端部と比して前記幅方向の外側に配置されている、
(((1)))~(((3)))の少なくとも一に記載のマスク。
【符号の説明】
【0054】
10 マスク
12 本体シート
12a 下縁
12b 側縁
12c 上縁
16 上側起立シート
18 下側起立シート
36 傾斜接合部(他の傾斜接合部の一例)
37 端部
46 傾斜接合部
47 端部
50 ノーズクランプ
54 上下接合部
図1
図2
図3
図4
図5