(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060470
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0604 20220101AFI20240424BHJP
G08C 25/00 20060101ALI20240424BHJP
H04M 3/14 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
H04L41/0604
G08C25/00 Z
H04M3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167858
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】簗瀬 壮一朗
【テーマコード(参考)】
2F073
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA12
2F073AB02
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CD11
2F073DD01
2F073EF04
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG08
2F073GG09
(57)【要約】
【課題】リトライ動作中にデータの記憶領域がオーバーフローして、データの欠損が発生することを防ぐ。
【解決手段】情報処理装置100は、機器の測定データの測定データ記憶部121への記憶速度および測定データ記憶部121の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出し、通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替え、取得モードに基づき、所定の条件で機器の測定データを取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の測定データの記憶部への記憶速度および前記記憶部の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出する算出部と、
前記通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替える切替部と、
前記取得モードに基づき、所定の条件で前記機器の測定データを取得する取得部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記通信待機可能時間の経過前に通信の失敗と判定された場合に、前記通信待機可能時間と前記通信の失敗の判定までの経過時間に基づき、該通信待機可能時間を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記通信待機可能時間の経過状況として前記通信待機可能時間の経過後も通信が完了されない場合に、前記所定の取得モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記切替部は、前記通信待機可能時間の経過前に通信の成功と判定され、かつ前記記憶部の記憶可能容量が所定の条件を満たす場合に、所定の取得モードに切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記取得モードに基づき、前記所定の条件としてデータ保全の優先度の条件を満たす前記機器の測定データを取得する、
ことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得モードに基づき、所定のデータの保全優先度の条件を満たす前記機器の測定データを削除する削除部を更に有する、
ことを特徴とする請求項1または3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
機器の測定データの記憶部への記憶速度および前記記憶部の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出する工程と、
前記通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替える工程と、
前記取得モードに基づき、所定の条件で前記機器の測定データを取得する工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
機器の測定データの記憶部への記憶速度および前記記憶部の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出する手順と、
前記通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替える手順と、
前記取得モードに基づき、所定の条件で前記機器の測定データを取得する手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
設備等の診断は、工場等で用いられるバルブ等の開度、圧力、流量等に関する情報を取得するフィールド機器(以降は、単に「フィールド機器」と表記)が計測する計測値や稼動状況に関する情報等に基づいて行われる。例えば、フィールド機器が取得するバルブ等の運転データに基づいて各種診断を行う技術として、「調節弁メンテナンスサポートシステム PLUG-IN Valstaff」が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。また、クラウドベースの診断形態として、クラウド型診断による診断項目やアルゴリズムの拡張を提供する「Dx Valve Cloud Service」が知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
【0003】
前述の従来技術に用いられる無線通信においては、通信失敗時や応答のタイムアウトが発生した場合に、リトライを実施し、通信の信頼性を確保する仕組みが用意されている場合がある。しかし、リトライの動作は、リトライを実施するごとに応答待ち時間が発生する。加えて、リトライに必要な待ち時間は、無線通信規格や通信環境により変化し、状況によって数分以上に達する場合もあることが知られている。
【0004】
そこで、従来技術では、無線通信区間を含む通信路のパケット往復時間を測定し、その変動の最大値と最小値から通信速度を推定することで、最適な再送タイムアウト時間を算出する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、ユーザ操作に基づく通信を実行し、通信が失敗した場合、予め設定するユーザ操作の種類に応じて通信リトライの条件に基づいて、通信のリトライを実行する技術が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-253934号公報
【特許文献2】特開2020-021128号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】調節弁メンテナンスサポートシステム PLUG-IN Valstaff(CA1-VMS200-07.pdf),[令和4年9月1日検索], インターネット<URL:https://www.azbil.com/jp/product/factory/download/catalog-spec/CA1-VMS200-07.pdf>
【非特許文献2】Dx Valve Cloud Service,[令和4年9月1日検索], インターネット<URL:https://www.azbil.com/jp/product/factory/support-training/lifecycle-support/control-valve-solution/services/dx-valve-cloud-service.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術では、リトライ動作中にデータの記憶領域がオーバーフローして、保全優先度の高いデータの欠損が発生する場合がある、という問題があった。
【0008】
例えば、フィールド機器のセンサーの測定頻度が高い場合、リトライや応答待ちの間も測定データの取得と、記憶部への測定データの記憶を継続する。したがって、リトライ回数や応答待ち時間によっては、その間に記憶領域の容量が逼迫する場合があった。しかしながら、従来技術は、最適なタイムアウト時間を算出したり、リトライ条件に基づき再度リトライを実施したり、といった技術であり、データの保全性が考慮されていなかった。
【0009】
また、バルブ動作の発生等、何らかの外的要因によるイベントが発生した時にデータの測定頻度が増加するシステムであった場合、その外的要因の種類や頻度によって、記憶領域の容量がオーバーフローするまでの時間が変化する場合がある。さらに、送信対象の測定データが複数種類存在するシステムの場合、測定データごとに優先度が存在する場合がある。そのため、測定データごとの保全優先度に応じた、適切な測定データの保全が難しい場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、上記の課題を解決し目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、機器の測定データの記憶部への記憶速度および前記記憶部の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出する算出部と、前記通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替える切替部と、前記取得モードに基づき、所定の条件で前記機器の測定データを取得する取得部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、リトライ動作中にデータの記憶領域がオーバーフローして、保全優先度の高いデータの欠損が発生することを防ぐ、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の概要の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の装置構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に優先度記憶部が記憶する情報の一例を示すテーブル図である。
【
図4】
図4は、実施形態に取得モード記憶部が記憶する情報の一例を示すテーブル図である。
【
図5】
図5は、実施形態に取得モード記憶部が記憶する情報の一例を示すテーブル図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理手順についてのフローチャートである。
【
図7】
図7は、変形例に係る情報処理の概要の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【
図9】
図9は、変形例2に係る取得モード記憶部が記憶する情報の一例を示すテーブル図である。
【
図10】
図10は、変形例2に係る取得モード記憶部が記憶する情報の一例を示すテーブル図である。
【
図11】
図11は、変形例2に係る情報処理手順についてのフローチャートである。
【
図12】
図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここから、実施の形態(以降、「実施形態」)について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、この実施形態の説明は、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを限定するものではない。
【0014】
〔1.情報処理方法の概要〕
情報処理装置100は、測定データ記憶部121に記憶される測定データの量や測定データの記憶速度を用いて、無線通信時の通信待機可能時間を算出する。そして、情報処理装置100は、無線通信の失敗等により通信待機可能時間を超えて通信が開始されない場合には、所定の条件に基づき保全優先度の低い測定データを削除し、保全優先度の高い測定データのみを取得および記憶するモードに切り替える。
【0015】
ここから、
図1を用いて、情報処理装置100が行う情報処理の概要を説明する。なお、本実施形態においては、フィールド機器が以下に記載する条件で稼働し、測定データを取得し、測定データの送信を行う前提として説明を行う。具体的には、条件1が「測定データを一定量記憶後に、まとめて無線通信を実施し、無線通信中も測定データの取得を継続する」で、条件2が「外的要因により測定頻度が変化する」で、条件3が「測定データの種類は複数存在し、それぞれ保全優先度(または重要度)が異なる」で、あるとする。さらに、以降の項目ではフィールド機器による測定データの取得および記憶は、情報処理装置100が実施する前提で説明を行う。なお、前述した条件は、あくまで一例であり本実施形態の情報処理装置100の実施する情報処理は、前述の条件に限定されない。
【0016】
図1では、情報処理装置100は、時系列順に低保全優先度データPLと高保全優先度データPHとを取得する。この時、情報処理装置100が測定データを取得するモード(言い換えると、測定データの取得条件)は、データの保全優先度に関わらず全ての測定データを取得し、記憶する「取得モードA」である(
図1の(1)を参照)。なお、前述の高保全優先度データPHは、外部トリガー(例えば、バルブ動作の発生等)に基づき取得される測定データであり、本実施形態では保全優先度が高いデータであるとする。他方、低優先度データPLは、保全優先度が低いデータと条件付けられた測定データである。
【0017】
情報処理装置100の送信部136は、所定の条件を超える測定データを取得した後、無線通信を行い、測定データを外部の所定の装置等へ送信する(
図1の(2)を参照)。そして、情報処理装置100の判定部132は、情報処理装置100の測定データ記憶部121への測定データの記憶速度および測定データ記憶部121の記憶可能容量を用いて、情報処理装置100の算出部131が算出する通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定通信の失敗または無応答を判定する(
図1の(3)を参照)。
【0018】
次に、情報処理装置100の切替部133は、情報処理装置100の判定部132の判定結果に基づき、所定の取得モードに切り替えを行う。例えば、
図1において、情報処理装置100の切替部133は、取得モードAから取得モードBに、取得モードを切り替える(
図1の(4)を参照)。続けて、情報処理装置100の削除部135は、取得モードBに設定される所定の条件に基づき、対象となる取得済みの測定データを削除する。例えば、
図1において、情報処理装置100の削除部135は、低保全優先度データPLを削除対象の測定データと判定し、削除を行う(
図1の(5)を参照)。
【0019】
そして、情報処理装置100の取得部134は、取得モードBに設定される所定の条件に基づき、対象となる測定データの取得を行う。例えば、
図1においては、外部トリガ(
図1の(6)を参照)により取得される高優先度データPHのみを取得する(
図1の(7)を参照)。続けて、情報処理装置100の算出部131は、切替後の取得モードBによる測定データの取得速度、すなわち測定データ記憶部121への測定データの記憶速度に基づき、通信待機可能時間を更新する。
【0020】
その後、情報処理装置100は、通信状況と測定データ記憶部121の記憶容量に基づき、空き容量が所定の条件を満たす場合に、取得モードの再切替を行う。
【0021】
〔2.情報処理装置の構成〕
ここから、実施形態に係る情報処理装置100の構成について、
図2を用いて説明する。
図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、センサー部140と、電源部150と、を有する。なお、
図2に図示していないが、情報処理装置100は、各種操作を受け付ける入力部(例えば、タッチパネルや、キーボードや、マウス等)を備えてもよい。
【0022】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、フィールド機器内に実装され動作することを前提に説明を行うが、情報処理装置としての形態は限定されず、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータ(Personal Computer)や、ノート型PC、仮想PC、スマートフォンやタブレット、PDA(Personal Digital Assistant)等であってよい。続いて、以下に各部の詳細な機能について記載する。
【0023】
(通信部110)
通信部110は、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、必要に応じてネットワークと有線または無線で接続され、双方向に情報の送受信を行うことができる。なお、送信部136による測定データの送信は、通信部110を介して行われる。また、本実施形態においては、無線通信を前提に説明を行う。
【0024】
(記憶部120)
記憶部120は、測定データ記憶部121(記憶部)と、保全優先度情報記憶部122と、取得モード記憶部123と、を有する。なお、記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0025】
(測定データ記憶部121)
測定データ記憶部121(記憶部)は、取得部134が取得した測定データを記憶する。例えば、測定データ記憶部121(記憶部)は、複数のセンサー部140から取得部134が取得する測定データ(例えば、バルブの開度、温度、電圧等に関する情報)を記憶する。なお、測定データ記憶部121は、取得部134が取得する測定データの範疇であれば、限定なく測定データとして記憶することができる。
【0026】
(保全優先度情報記憶部122)
保全優先度情報記憶部122は、取得部134が取得する測定データの保全優先度に関する情報を記憶する。具体的には、保全優先度情報記憶部122は、
図3に示すように「保全優先度ID」と、「データ名」と、「保全優先度」と、をデータの保全優先度に関する情報として記憶する。
【0027】
例えば、
図3において保全優先度情報記憶部122は、保全優先度ID「P001」が識別する、データ名が「開度(動作時)」と、保全優先度が「高」と、を記憶する。なお、保全優先度情報記憶部122は、前述した「保全優先度ID」と、「データ名」と、「保全優先度」と、以外の情報を記憶してもよい。また、
図3に記載されている情報についてはあくまで一例であり、保全優先度情報記憶部122は、必要に応じてその他の情報等を記憶してよい。
【0028】
(取得モード記憶部123)
取得モード記憶部123は、取得モード(測定データの取得および削除)の条件に関する情報を記憶する。具体的には、取得モード記憶部123は、
図4に示すように「取得モードID」と、「モード名」と、「削除対象データ」と、「取得対象データ」と、「非取得対象データ」と、を取得モードの条件に関する情報として記憶する。なお、前述の「削除対象データ」と、「取得対象データ」と、「非取得対象データ」と、には、保全優先度情報記憶部122が記憶する「保全優先度」の情報に基づいて、「高(優先度高)」や「低(優先度低)」といった情報が記憶されてよい。
【0029】
例えば、
図4において、取得モード記憶部123は、取得モードID「M001」が識別する、モード名が「取得モードA」と、削除対象データが「なし」と、取得対象データが「高,低」と、非取得対象データが「なし」と、を記憶する。
【0030】
他方、取得モード記憶部123は、
図5に示すように、保全優先度の情報として、保全優先度情報記憶部122が記憶する「保全優先度ID」を用いて記憶してもよい。例えば、
図5において取得モード記憶部123は、取得モードID「M001」が識別する、モード名が「取得モードA」と、削除対象データが「なし」と、取得対象データが「P001,P002,P003,P004」と、非取得対象データが「なし」と、を記憶してよい。
【0031】
また、取得モード記憶部123は、前述した「取得モードID」と、「モード名」と、「削除対象データ」と、「取得対象データ」と、「非取得対象データ」と、以外の情報を記憶してよい。なお、前述した
図4および
図5に記載されている情報についてはあくまで一例であり、取得モード記憶部123は、必要に応じてその他の情報等を記憶してよい。
【0032】
(制御部130)
ここから、
図2に戻り説明を続ける。制御部130は、算出部131と、判定部132と、切替部133と、取得部134と、削除部135と、送信部136と、を有する。なお、制御部130は、プロセッサ(Processor)や、MPU(Micro Processing Unit)や、CPU(Central Processing Unit)等が、記憶部120に記憶されている各種プログラムについて、RAMを作業領域として実行することにより、実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のIC(Integrated Circuit)により実現される。
【0033】
(算出部131)
算出部131は、機器の測定データの測定データ記憶部121への記憶速度および測定データ記憶部121の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出する。具体的には、算出部131は、下記の式(1)に基づいて、通信待機可能時間T(s)を算出する。なお、下記の式(1)に含まれる変数は、Bが測定データ記憶部121の残り記憶容量(bytes)と、Vが測定データの記憶速度(bytes/s)と、する。
【0034】
【0035】
算出部131は、切替部133により取得モードが切り替えられた場合は、取得対象の測定データが変更され、測定データ記憶部121への測定データの記憶速度が変化するため、式(1)を用いて、通信待機可能時間Tを更新する。また、算出部131は、その他の要因で測定データの記憶速度が変化した場合にも、式(1)を用いて、通信待機可能時間Tを更新する。
【0036】
さらに、算出部131は、通信待機可能時間の経過前に通信の失敗と判定された場合に、通信待機可能時間と通信の失敗の判定までの経過時間に基づき、該通信待機可能時間を更新する。具体的には、判定部132が通信の失敗と判定する場合、算出部131は、下記の式(2)に基づいて、通信待機可能時間T(s)を更新し、更新後の通信待機可能時間T’(s)を算出する。なお、Tは更新前の通信待機可能時間(s)と、Twは通信開始から応答までの経過時間(s)と、する。
【0037】
【0038】
(判定部132)
判定部132は、通信を開始してから通信待機可能時間内での通信の応答の有無を判定する。具体的には、判定部132は、通信を開始してから通信待機可能時間内に通信の応答が有る場合に応答有りと判定し、応答が無い場合に応答無しと判定する。
【0039】
さらに、判定部132は、通信待機可能時間が経過する前に応答が有る場合は、実施した通信の成否を判定する。具体的には、判定部132は、通信待機可能時間が経過する前に応答が有り、かつ通信が成功する場合に通信が成功と判定する。さらに、判定部132は、通信待機可能時間が経過する前に応答が有り、かつ通信が失敗する場合に通信が失敗と判定する。
【0040】
(切替部133)
切替部133は、通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替える。具体的には、切替部133は、通信待機可能時間の経過状況として通信待機可能時間の経過後も通信が完了されない場合に、すなわち判定部132が応答無し、と判定する場合には、所定の取得モードに切り替える。例えば、本実施形態において、切替部133は、通信開始からの経過時間が通信待機可能時間を経過した場合、測定データ記憶部121の容量を確保するために低保全優先度の測定データを削除し、更に高保全優先度の測定データのみを取得する「取得モードB(例えば、
図4に示す条件)」に切り替える。
【0041】
また、切替部133は、通信待機可能時間の経過前に通信の成功と判定され、かつ測定データ記憶部121の記憶可能容量が所定の条件を満たす場合に、所定の取得モードに切り替える。
【0042】
さらに、切替部133は、送信成功時に測定データ記憶部121の記憶容量が一定以上であり、かつ取得モードが取得モードA以外の場合、低保全優先度の測定データも取得する「取得モードA(例えば、
図4に示す条件)」に切り替えを行う。なお、切替部133は、測定データ記憶部121の記憶容量が一定以下の場合には、取得モードの切り替えは行わず、所定の記憶容量が確保されるまで、測定データの送信イベントが継続される。
【0043】
(取得部134)
取得部134は、取得モードに基づき、所定の条件で機器の測定データを取得する。具体的には、取得部134は、取得モードに基づき、所定の条件としてデータの保全優先度の条件を満たす機器の測定データを取得する。なお、取得部134は取得モード記憶部123が記憶する取得モードに関する情報に基づき、所定の動作を行う。
【0044】
例えば、取得部134は、
図4に示す条件の通り、取得モードAの場合には低保全優先度の測定データおよび高保全優先度の測定データの両方を取得し、取得モードBの場合には、削除部135が低優先度の測定データを削除し、更に低保全優先度の測定データの取得を停止し、高保全優先度の測定データのみを取得する。さらに、取得部134は、取得モードCの場合には、削除部135が低保全優先度の測定データを削除せずに、測定データの取得の停止をするという動作も行うことができる。
【0045】
(削除部135)
削除部135は、取得モードに基づき、所定のデータの保全優先度の条件を満たす機器の測定データを削除する。なお、削除部135は取得モード記憶部123が記憶する取得モードに関する情報に基づき、所定の動作を行う。
【0046】
例えば、削除部135は、
図4に示す条件の通り、取得モードAの場合には測定データを削除しないが、取得モードBの場合には、低保全優先度の測定データを削除する。さらに、削除部135は、取得モードCの場合には、低保全優先度の測定データを削除せずに、その後は取得部134が低保全優先度の測定データの取得を停止するという動作も行うことができる。
【0047】
(送信部136)
送信部136は、測定データ記憶部121が記憶する測定データを所定の外部の装置等に通信する。
【0048】
(センサー部140)
センサー部140は、情報処理装置100がフィールド機器として動作する場合に、測定データとして所定の情報を取得する。例えば、センサー部140は、測定データとして、温度、湿度、二酸化炭素濃度、差圧、機械振動、角度、電圧等の測定データを取得する。なお、センサー部140は、使用するセンサーの種類によって計測可能な測定データを変更することが可能で、センサーが感知や検知、検出して測定データ化が可能な範疇の情報は、測定データとして取得できる。
【0049】
(電源部150)
電源部150は、情報処理装置100が駆動するための電源である。電源部150は、電源として配線用差込接続器(コンセント等)から駆動電力を供給したり、電池等を用いて駆動電力を供給したりする。なお、本実施形態においては、電池等を用いて駆動電力の供給を行う前提とする。
【0050】
〔3.処理手順〕
次に、本実施形態に係る情報処理装置100の情報処理手順を、
図6を用いて説明する。まず、算出部131は、測定データ記憶部121への測定データの記憶速度および測定データ記憶部121の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間の算出する(工程S101)。次に、送信部136は、通信対象の測定データを所定の条件に基づいて送信する(工程S102)。
【0051】
判定部132は、通信可能待機時間内に応答が無し、と判定する(工程S103のNo)。その場合、切替部133は、取得モードを切り替える(工程S104)。なお、本実施形態においては、工程S104で切替部133は、取得モードAから取得モードBに切り替えることとする。続けて、削除部135は、取得モードBに設定される条件に基づき、低保全優先度の測定データを削除する(工程S105)。そして、取得部134は、取得モードBに設定される条件に基づき、高保全優先度の測定データのみを取得する(S106)。算出部131は、取得モードの切り替え後の測定データの取得状況に基づいて、測定データ記憶部121への測定データの記憶速度を更新する(工程S107)。そして、工程の最初に戻り処理を継続する(工程S101)。
【0052】
他方、判定部132は、通信可能待機時間内に応答が有り、と判定する(工程S103のYes)。さらに、判定部132は、通信が成功しなかったと判定する(工程S108のNo)。その場合は、算出部131は、通信開始から応答までの経過時間を算出する(工程S109)。そして、算出部131は、工程を最初に戻り、通信開始から応答までの経過時間を用いて、新たに通信可能待機時間を算出する(工程S101)。
【0053】
また、判定部132は、通信が成功したと判定する(工程S108のYes)。さらに、判定部132は、測定データ記憶部121の記憶容量が一定以上であると判定する(工程S110のYes)。加えて、判定部132は、取得モードA以外であると判定する(工程S111のYes)。その場合は、切替部133は、取得モードAに切り替え、工程が終了する(工程S112)。
【0054】
一方で、判定部132は、測定データ記憶部121の記憶容量が一定以下、もしくは取得モードAであると判定する(工程S110または工程S111のいずれかがNo)。その場合は、工程の最初に戻り処理を継続する(工程S101)。
【0055】
〔4.変形例〕
ここから、本実施形態における情報処理装置100が実現する変形例について、
図7から
図11を用いて説明する。
【0056】
〔4-1.変形例1〕
まずは、
図7を用いて変形例1を説明する。なお、
図7に示す通り、本変形例において情報処理装置100は、測定データとして「バルブ開度PH1」、「バルブ開度PL1」、「温度PL2」、「電圧PL3」を取得する。また、前述した測定データはそれぞれ、高保全優先度の測定データが「バルブ開度PH1」で、低保全優先度の測定データが「バルブ開度PL1」と、「温度PL2」と、「電圧PL3」と、であるとする。さらに、「バルブ開度PH1」は、外部トリガによって取得される。
【0057】
図7において、情報処理装置100は、測定データの保全優先度に関わらず全ての測定データを取得し、記憶する「取得モードA(例えば、
図4に示す条件)」であり、時系列順に「バルブ開度PL1」、「温度PL2」、「電圧PL3」、「バルブ開度PH1」を取得する(
図7の(1)を参照)。そして、情報処理装置100は、所定の条件を超える測定データを取得した後、無線通信を行い、測定データを外部の所定の装置等へ送信する(
図7の(2)を参照)。
【0058】
情報処理装置100の判定部132は、測定データ記憶部121への測定データの記憶速度および測定データ記憶部121の記憶可能容量を用いて、算出部131が算出する通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定通信の失敗または無応答を判定する(
図7の(3)を参照)。
【0059】
次に、切替部133は、判定部132の判定結果に基づき、取得モードを取得モードAから取得モードBに切り替える(
図7の(4)を参照)。続けて、削除部135は、取得モードBに設定される所定の条件に基づき、対象となる測定データを削除する。例えば、
図7において、削除部135は、「バルブ開度PL1」と、「温度PL2」と、「電圧PL3」と、を削除対象の測定データと判定し、データの削除を行う(
図7の(5)を参照)。
【0060】
そして、取得部134は、取得モードBに設定される所定の条件に基づき、対象となる測定データの取得を行う。例えば、
図7においては、外部トリガ(
図7の(6)を参照)に基づいて「バルブ開度PH1」のみを取得する(
図7の(7)を参照)。続けて、算出部131は、切替後の取得モードBによる測定データの取得速度、すなわち測定データ記憶部121への測定データの記憶速度に基づき、通信待機可能時間を更新する。その後、情報処理装置100は、通信状況と記憶部120の記憶容量に基づき、空き容量が所定の条件を満たす場合に、取得モードの再切替を行う。
【0061】
〔4-2.変形例2〕
続いて、情報処理装置100が実現する変形例2について、
図8から
図11を用いて説明する。変形例2は、測定データの削除と圧縮を組み合わせる形態である。具体的には、情報処理装置100は、
図7の取得モードBに移行した後、更に所定通信の失敗または無応答が続いて通信待機可能時間を超過した場合、取得モード記憶部123が記憶する取得モードD(M004)に切替を行う。取得モードDにおいて、情報処理装置100は、測定データ記憶部121が記憶する測定データを圧縮し、更に取得する測定データも所定の方法で圧縮した上で取得することで、測定データ記憶部121の容量確保を行う。
【0062】
〔4-2-1.変形例2の装置構成〕
次に、変形例2に係る情報処理装置100の構成について、
図8を用いて説明する。
図8に示すように、変形例2の情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、センサー部140と、電源部150と、を有する。なお、変形例2は、前述した実施形態の情報処理装置100の構成で実現可能であり、本項目では差異のある「取得モード記憶部123」、「圧縮部137」についてのみ説明を行い、その他の機能部の説明は省略する。
【0063】
(取得モード記憶部123)
取得モード記憶部123は、取得モード(測定データの取得、削除、圧縮)の条件に関する情報を記憶する。具体的には、取得モード記憶部123は、
図9に示すように「取得モードID」と、「モード名」と、「削除対象データ」と、「取得対象データ」と、「非取得対象データ」と、「圧縮対象データ」と、を取得モードの条件に関する情報として記憶する。なお、前述の「削除対象データ」と、「取得対象データ」と、「非取得対象データ」と、「圧縮対象データ」と、には、保全優先度情報記憶部122が記憶する「保全優先度」の情報に基づいて、「高(優先度高)」や「低(優先度低)」といった情報が記憶されてよい。
【0064】
例えば、
図9において、取得モード記憶部123は、取得モードID「M004」が識別する、モード名が「取得モードD」と、削除対象データが「低」と、取得対象データが「高」と、非取得対象データが「低」と、圧縮対象データが「高」と、を記憶する。
【0065】
他方、取得モード記憶部123は、
図10に示すように、保全優先度の情報として、保全優先度情報記憶部122が記憶する「保全優先度ID」を用いて記憶してもよい。例えば、
図10において取得モード記憶部123は、取得モードID「M004」が識別する、モード名が「取得モードD」と、削除対象データが「P002,P003,P004」と、取得対象データが「P001」と、非取得対象データが「P002,P003,P004」と、圧縮対象データが「P001」と、を記憶してよい。
【0066】
また、取得モード記憶部123は、前述した「取得モードID」と、「モード名」と、「削除対象データ」と、「取得対象データ」と、「非取得対象データ」と、「圧縮対象データ」と、以外の情報を記憶してよい。なお、前述した
図9および
図10に記載されている情報についてはあくまで一例であり、取得モード記憶部123は、必要に応じてその他の情報等を記憶してよい。
【0067】
(圧縮部137)
ここで、
図8に戻り説明を続ける。圧縮部137は、取得モード記憶部123が記憶する取得モードに関する情報に基づき、所定の動作を行う。具体的には、圧縮部137は、取得モードに基づき、所定の条件を満たす機器の測定データを、所定の方法を用いて圧縮する。例えば、圧縮部137は、測定データがバルブの開閉時の波形である場合、所定の圧縮方法として得られる波形データに基づき近似式を算出し、係数として保存することで測定データを圧縮してよい。
【0068】
〔4-2-2.変形例2に係る処理手順〕
次に、変形例2に係る情報処理装置100の情報処理手順を、
図11を用いて説明する。まず、情報処理装置100は、所定の判定を行う(工程S201)。なお、ここでいう所定の判定は、前述の実施形態において情報処理装置100が行う工程S101から工程S112の処理であってよい。次に、切替部133は、前述の所定の判定結果に基づいて、取得モードを取得モードBに切り替える(工程S202)。
【0069】
判定部132は、通信可能待機時間内に応答が無し、と判定する(工程S203のNo)。その場合、切替部133は、取得モードを取得モードDに切り替える(工程S204)。なお、前述の切替部133による切り替えについて、判定部132が「通信可能待機時間内に応答が無し」と判定する回数や、測定データ記憶部121の残容量に基づいて、切り替えタイミングを判定してよい。例えば、切替部133、判定部132が「通信可能待機時間内に応答が無し」と所定の回数以上判定した場合、もしくは測定データ記憶部121の残容量が所定の容量以下となった場合に、取得モードを取得モードDに切り替えてよい。なお、前述の所定の回数および所定の容量は、必要に応じて設定されてよい。
【0070】
続けて、圧縮部137は、取得モードDに設定される条件に基づき、対象となる取得済みの測定データを圧縮する(工程S205)。そして、取得部134は、取得モードDに設定される条件に基づき、圧縮部137が圧縮した対象の測定データを取得する(S206)。次に、算出部131は、取得モードの切り替え後の測定データの取得状況に基づいて、測定データ記憶部121への測定データの記憶速度を更新する(工程S207)。そして、工程の最初に戻り処理を継続する(工程S201)。
【0071】
他方、判定部132は、通信可能待機時間内に応答が有り、と判定する(工程S203のYes)。さらに、判定部132は、通信が成功しなかったと判定する(工程S208のNo)。その場合は、算出部131は、通信開始から応答までの経過時間を算出する(工程S209)。そして、算出部131は、工程を最初に戻り、通信開始から応答までの経過時間を用いて、新たに通信可能待機時間を算出する(工程S201)。
【0072】
また、判定部132は、通信が成功したと判定する(工程S208のYes)。さらに、判定部132は、測定データ記憶部121の記憶容量が一定以上であると判定する(工程S210のYes)。加えて、判定部132は、取得モードA以外であると判定する(工程S211のYes)。その場合は、切替部133は、取得モードAに切り替え(工程S212)、工程が終了する。
【0073】
一方で、判定部132は、測定データ記憶部121の記憶容量が一定以下、もしくは取得モードAであると判定する(工程S210または工程S211のいずれかがNo)。その場合は、工程の最初に戻り処理を継続する(工程S201)。
【0074】
〔5.効果〕
前述してきたフィールド機器において、無線通信時の応答待ち時間やリトライ回数を固定の値で設定したり、通信環境に合わせて設定したりする場合、リトライを実施している間に測定データ記憶部121の記憶容量がオーバーフローしてしまう可能性がある、という問題があった。しかしながら、リトライ回数や応答待ちが少なすぎる場合、通信の信頼性が損なわれるという問題があった。したがって、「測定頻度または記憶領域の容量」に基づいて、「リトライ回数・応答待ち時間」を動的に変化させることが求められている。
【0075】
他方、フィールド機器において通信環境の悪化によりデータの送信に時間がかかってしまう場合、全ての測定データを取得および記憶するとなると記憶領域の容量が逼迫し、結果として低保全優先度の測定データの分、高保全優先度の測定データの記憶領域が少なくなる場合がある。その結果、高保全優先度の測定データが欠損したり、損失したりする可能性が高まる場合があった。
【0076】
そこで、前述してきた情報処理装置100は、機器の測定データの測定データ記憶部121への測定データの記憶速度および測定データ記憶部121の記憶可能容量に基づいて、通信待機可能時間を算出し、通信待機可能時間の経過状況に基づいて、所定の取得モードに切り替え、取得モードに基づき、所定の条件で機器の測定データを取得する、ことにより、本実施形態によれば、下記の効果を提供する。
【0077】
情報処理装置100は、通信待機可能時間の設定および更新により、通信環境や測定データの記憶速度が変化しても待ち時間を最適な時間に設定することにより、高保全優先度の測定データが欠損しないように保全できる、という効果を提供する。
【0078】
また、情報処理装置100は、算出部131が算出する通信待機時間の経過状況と所定のデータ取得条件に基づいて、低保全優先度の測定データを削除し、高保全優先度の測定データのみを取得する取得モードに切り替える。その結果、情報処理装置100は、高保全優先度の測定データのみを取得および記憶することにより、高保全優先度の測定データが欠損しないように保全できる、という効果を提供する。
【0079】
さらに、情報処理装置100は、取得する測定データの種類や数によらず、所定の条件に基づいて、対象となる高保全優先度の測定データを保全することを可能とする、という効果を提供する。
【0080】
また、情報処理装置100は、所定の方法で測定データを圧縮することにより、測定データ記憶部121の記憶容量を確保し、高保全優先度の測定データが欠損しないように保全できる、という効果を提供する。
【0081】
〔6.ハードウェア構成〕
本実施形態に係る情報処理装置100は、例えば、
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、補助記憶装置1400、通信I/F(インタフェース)1500、入出力I/F(インタフェース)1600が、バス1800により接続された形態を有する。
【0082】
CPU1100は、ROM1300または補助記憶装置1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0083】
補助記憶装置1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信I/F1500は、所定の通信網NWを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網NWを介して他の機器へ送信する。CPU1100は、入出力I/F1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入出力装置1700を制御する。CPU1100は、入出力I/F1600を介して、入出力装置1700からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータについて入出力I/F1600を介して入出力装置1700へ出力する。
【0084】
例えば、コンピュータ1000が本実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。
【0085】
〔7.その他〕
前述の実施形態および変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0086】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の通り構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0087】
前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0088】
また、前述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0089】
以上、実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で、本実施形態について実施をすることが可能である。
【符号の説明】
【0090】
PH 高保全優先度データ
PH1 バルブ開度
PL 低保全優先度データ
PL1 バルブ開度
PL2 温度
PL3 電圧
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 測定データ記憶部
122 保全優先度情報記憶部
123 取得モード記憶部
130 制御部
131 算出部
132 判定部
133 切替部
134 取得部
135 削除部
136 送信部
137 圧縮部
140 センサー部
150 電源部
1000 コンピュータ
1100 CPU
1200 RAM
1300 ROM
1400 補助記憶装置
1500 通信I/F
1600 入出力I/F
1700 入出力装置
1800 バス
NW 所定の通信網