(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060480
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240424BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20240424BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167879
(22)【出願日】2022-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 孔司
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
5L099
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザの行動変容をより効果的に促すことを可能とする技術を提供する。
【解決手段】複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、
前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標を所定の閾値と比較することにより、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の閾値は、前記意欲度の閾値を示す意欲閾値と、前記実行容易度の閾値を示す容易度閾値を含む、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ前記意欲閾値および前記容易度閾値を上回っている行動を抽出し、
抽出された行動に関するメッセージの通知を決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知制御部は、前記意欲閾値と前記容易度閾値を関連付けて規定する行動曲線を設定し、
前記行動曲線と、前記意欲度および前記実行容易度の関係に基づき、前記メッセージの通知を行う行動を決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知制御部は、前記意欲閾値が高いほど前記容易度閾値が低くなり、かつ、前記容易度閾値が高いほど前記意欲閾値が低くなるように、前記行動曲線を設定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知制御部は、前記行動曲線上に位置する前記意欲閾値および前記容易度閾値の組合せを、前記所定の閾値として前記行動の抽出を行う、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記行動に関するメッセージは、前記ユーザに対し、前記行動を誘発する旨のメッセージである、請求項1~8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部をさらに備え、
前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記行動変容進度は、前記複数の行動の各々の達成に対して複数のユーザが有する前記心理的指標の統計量に基づく類型である、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記進度検出部は、前記ユーザが前記複数の行動のうち少なくともいずれか1の行動に対して有する前記心理的指標の値を取得し、
前記1の行動に対応付けられている行動変容進度のうちで、取得された前記1の行動に対する前記心理的指標の値と最も近い前記心理的指標の値が対応付けられている行動変容進度を、前記ユーザが属する行動変容進度として検出する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記通知制御部は、前記ユーザが属する行動変容進度において、前記複数の行動の各々に対応付けられている前記心理的指標を、前記複数の行動の各々に対して前記ユーザが有する心理を示す心理的指標として取得する、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記複数の行動は、強度の異なる同一種類の行動であり、
前記取得部は、前記ユーザの前記行動の実績を示す物理的指標を取得し、
前記通知制御部は、抽出された前記行動のなかから、前記物理的指標が示す実績を上回る強度の行動を、前記メッセージを通知する行動に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記取得部は、前記ユーザの前記心理的指標を、前記ユーザからのアンケート回答結果に基づいて取得する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記取得部は、前記行動に関するメッセージにおいて誘発されている前記行動の実行に対する前記ユーザの応答を取得し、
前記通知制御部は、前記応答が、前記ユーザの前記行動の実行に対する不同意を示している場合、前記行動よりも前記実行容易度が高い前記心理的指標に関連付けられた前記複数の行動のうちの他の行動に関するメッセージの通知を決定する、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
コンピュータを、
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、
前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項18】
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得することと、
前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、健康増進等の目的で、ユーザの行動を変容させるための様々な技術が検討されている。例えば、特許文献1には、ユーザの健康行動に基づき、景品または電子マネー等の金銭的価値を有する報酬に交換可能な健康ポイントをユーザに付与する、健康インセンティブ・サポート・システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献1に開示されるような技術では、ユーザの行動目的が健康増進ではなく報酬獲得となってしまいやすい。その場合、報酬を増加させ付与し続けない限り、ユーザに行動を継続させる効果が期待できないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの行動変容をより効果的に促すことを可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0007】
前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含んでもよい。
【0008】
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標を所定の閾値と比較することにより、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定してもよい。
【0009】
前記所定の閾値は、前記意欲度の閾値を示す意欲閾値と、前記実行容易度の閾値を示す容易度閾値を含んでもよい。
【0010】
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ前記意欲閾値および前記容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定してもよい。
【0011】
前記通知制御部は、前記意欲閾値と前記容易度閾値を関連付けて規定する行動曲線を設定し、前記行動曲線と、前記意欲度および前記実行容易度の関係に基づき、前記メッセージの通知を行う行動を決定してもよい。
【0012】
前記通知制御部は、前記意欲閾値が高いほど前記容易度閾値が低くなり、かつ、前記容易度閾値が高いほど前記意欲閾値が低くなるように、前記行動曲線を設定してもよい。
【0013】
前記通知制御部は、前記行動曲線上に位置する前記意欲閾値および前記容易度閾値の組合せを、前記所定の閾値として前記行動の抽出を行ってもよい。
【0014】
前記行動に関するメッセージは、前記ユーザに対し、前記行動を誘発する旨のメッセージであってもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部をさらに備えていてもよく、前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定してもよい。
【0016】
前記行動変容進度は、前記複数の行動の各々の達成に対して複数のユーザが有する前記心理的指標の統計量に基づく類型であってもよい。
【0017】
前記進度検出部は、前記ユーザが前記複数の行動のうち少なくともいずれか1の行動に対して有する前記心理的指標の値を取得し、前記1の行動に対応付けられている行動変容進度のうちで、取得された前記1の行動に対する前記心理的指標の値と最も近い前記心理的指標の値が対応付けられている行動変容進度を、前記ユーザが属する行動変容進度として検出してもよい。
【0018】
前記通知制御部は、前記ユーザが属する行動変容進度において、前記複数の行動の各々に対応付けられている前記心理的指標を、前記複数の行動の各々に対して前記ユーザが有する心理を示す心理的指標として取得してもよい。
【0019】
前記複数の行動は、強度の異なる同一種類の行動であり、前記取得部は、前記ユーザの前記行動の実績を示す物理的指標を取得し、前記通知制御部は、抽出された前記行動のなかから、前記物理的指標が示す実績を上回る強度の行動を、前記メッセージを通知する行動に決定してもよい。
【0020】
前記取得部は、前記ユーザの前記心理的指標を、前記ユーザからのアンケート回答結果に基づいて取得してもよい。
【0021】
前記取得部は、前記行動に関するメッセージにおいて誘発されている前記行動の実行に対する前記ユーザの応答を取得し、前記通知制御部は、前記応答が、前記ユーザの前記行動の実行に対する不同意を示している場合、前記行動よりも前記実行容易度が高い前記心理的指標に関連付けられた前記複数の行動のうちの他の行動に関するメッセージの通知を決定してもよい。
【0022】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【0023】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得することと、前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することと、を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの行動変容をより効果的に促すことを可能とする技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示すブロック図である。
【
図3】複数の行動の各々に対するユーザの心理的指標のアンケートの一例を示す説明図である。
【
図4】本実施形態による情報処理装置20の構成例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態による記憶部210が保持する特性管理テーブルの一例を説明する図である。
【
図6】特性管理テーブルT1に示した、行動変容進度1における行動種別ごとの心理的指標の値の分布図である。
【
図7】特性管理テーブルT1に示した、行動変容進度2における行動種別ごとの心理的指標の値の分布図である。
【
図8】特性管理テーブルT1に示した、行動変容進度5における行動種別ごとの心理的指標の値の分布図である。
【
図9】行動2に対応付けられた行動変容進度ごとの心理的指標の分布図である。
【
図10】行動変容進度2における行動種別ごとの心理的指標の値と、取得されたユーザの心理的指標の分布図である。
【
図11】通知制御部253による行動の抽出および決定の処理を説明するための図である。
【
図12】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む画面例を示す図である。
【
図13】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図14】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図15】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図16】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図17】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図18】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される他の画面例を示す図である。
【
図19】本実施形態による情報処理システムの動作例を説明するフローチャートである。
【
図20】本情報処理システムの変形例による情報処理装置20の動作例を説明する説明図である。
【
図21】本情報処理システムの変形例による通知制御部253の行動の抽出および決定の処理を説明するための図である。
【
図22】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図23】ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。
【
図24】本発明の一実施形態による情報処理装置20のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0027】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、複数の構成要素の各々に同一符号のみを付する。
【0028】
<1.概要>
まず、本発明の位置実施形態に係る情報処理システムの概要について述べる。本実施形態に係る情報処理システムは、複数の行動の各々に関するメッセージをユーザに通知するシステムに関する。本情報処理システムは、ユーザが複数の行動の各々の達成に対し有する心理を示す心理的指標に基づき、ユーザにいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する。これにより、ユーザの心理的指標に基づいて、ユーザにとって受容しやすい行動を促すメッセージがユーザに通知される。
【0029】
本発明は、例えば、環境保護に資する行動、ユーザの健康増進に資する行動、その他の社会課題の解決に係る行動等、様々な分野に適用されることが可能である。
【0030】
図1を用いて、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例について述べる。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明するための図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザ端末10、および情報処理装置20を備えていてもよい。なお、本情報処理システムは、ユーザ端末10を複数備えていてもよい。また、ユーザ端末10および情報処理装置20は、ネットワーク30を介して互いに通信可能に構成される。
【0032】
(ユーザ端末10)
ユーザ端末10は、ユーザにより利用される端末である。本実施形態に係るユーザ端末10は、例えば、スマートフォン、PC(Personal Computer)、タブレット型端末、または、ウェアラブル端末等であってもよい。
【0033】
ユーザ端末10は、情報処理装置20から、ユーザ端末10を利用するユーザに対し、行動を誘発するメッセージ等のデータを受信する機能を有する。当該データは、文字情報、画像情報、または、音声情報を含んでいてよい。例えば、ユーザ端末10は、ユーザ端末10を利用するユーザに対し行動を誘発するメッセージを含む画面情報を情報処理装置20から受信してもよい。
【0034】
また、ユーザ端末10は、情報処理装置20から受信したメッセージを出力する機能を有する。例えば、ユーザ端末10は、当該メッセージを含む画面を表示部に出力させてもよい。また、ユーザ端末10は、当該メッセージの内容を音声出力してもよい。
【0035】
また、ユーザ端末10は、複数の行動の各々について、当該行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する機能を有する。
【0036】
複数の行動は、例えば、強度の異なる同一種類の行動であってもよい。
【0037】
より具体的に、例えば、複数の行動は、1日の歩数(強度)が異なる歩行(行動)であってもよい。例えば、複数の行動は、12000歩の歩行、10000歩の歩行、7000歩の歩行、および、3000歩の歩行、の異なる4段階の強度の行動であってもよい。以下、本実施形態では、複数の行動が、1日の歩数が異なる歩行である例を主に説明する。
【0038】
また、心理的指標は、各行動の達成に対してユーザが有する意欲(モチベーション)を示す意欲度、および、各行動のユーザの実行の容易さを示す実行容易度であってもよい。
【0039】
意欲度は、複数の行動の各々の達成に対する、ユーザのやる気の度合いを示す指標であると言い換えることもできる。また、実行容易度は、複数の行動の各々に対する、ユーザの実行しやすさの度合いと言い換えることもできる。実行容易度は、ユーザの身体的能力、知的能力、経済的能力、または、ユーザの日常生活への組み込みやすさ等、複数の指標に分解され取得されてもよい。
【0040】
以下、本実施形態では、心理的指標として、意欲度および実行容易度が取得される例を主に説明する。
【0041】
ユーザ端末10は、ユーザに対するアンケートの回答結果に基づき、複数の行動の各々の達成に対するユーザの心理的指標を取得してもよい。
【0042】
また、ユーザ端末10は、ユーザ端末10を利用するユーザが達成した行動の実績を示す物理的指標を取得してもよい。例えば、ユーザ端末10は、一定期間内でのユーザの歩数を取得してもよい。
【0043】
ユーザ端末10は、取得した物理的指標を情報処理装置20へ送信する。
【0044】
(情報処理装置20)
情報処理装置20は、ユーザ端末10のユーザに対し、複数の行動の各々のうち、いずれかの行動に関するメッセージをユーザ端末10に送信する機能を有する。
【0045】
より詳細には、情報処理装置20は、複数の行動の各々に対するユーザの心理的指標を、ユーザ端末10から取得する。情報処理装置20は、取得された心理的指標に基づき、複数の行動の各々のうち、いずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する。
【0046】
また、情報処理装置20は、ユーザ端末10から、複数の行動の各々の、ユーザの実績を示す物理的指標を受信してもよい。
【0047】
情報処理装置20は、心理的指標および物理的指標に基づき、ユーザへ複数の行動のうちいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定してもよい。
【0048】
また、情報処理装置20は、複数の行動の各々の達成について、複数のユーザが有する心理的指標の統計量の類型を示す行動変容進度に基づき、ユーザへいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定してもよい。
【0049】
本実施形態による情報処理装置20が上記のような処理を行うことにより、ユーザの行動変容をより効果的に促すことが可能となる。
【0050】
(ネットワーク30)
本実施形態に係るネットワーク30は、ユーザ端末10と情報処理装置20との間の通信における通信を仲介する。
【0051】
以上、本実施形態に係る情報処理システムの構成例について述べた。なお、
図1を参照して説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る情報処理システムの構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る情報処理システムの構成は、仕様または運用等に応じて柔軟に変形可能である。
【0052】
<2.構成例>
<<2-1.ユーザ端末10>>
続いて、本実施形態に係るユーザ端末10の構成例について説明する。
【0053】
図2は、本実施形態に係るユーザ端末10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、本実施形態に係るユーザ端末10は、記憶部110、通信部130、制御部150、センサ部170、および、操作表示部190を備えていてもよい。
【0054】
(記憶部110)
記憶部110は、ユーザ端末10の動作に必要なソフトウェアおよび各種データを保持する。また、記憶部110は、制御部150の動作の過程で必要となるパラメータ等の情報を一時的に記憶してもよい。
【0055】
例えば、記憶部110は、制御部150の制御に従い、ユーザ端末10のユーザが複数の行動の各々の達成に対して有する心理的指標としてアンケートに回答した結果の値を保持する。
【0056】
(通信部130)
通信部130は、ネットワーク30を介して情報処理装置20との通信を行う。通信部130は、例えば、ユーザ端末10から、情報処理装置20においてユーザへの通知が決定された行動に関するメッセージのデータを受信する。
【0057】
なお、メッセージのデータは、画像データ、文字データ、または、音声データであってもよい。
【0058】
また、通信部130は、ユーザが所定の行動に対して有する心理を示す心理的指標を情報処理装置20へ送信してもよい。
【0059】
さらに、通信部130は、センサ部170により取得される、ユーザの所定の行動の実績を示す物理的指標を、情報処理装置20へ送信してもよい。物理的指標は、例えば、センサ部170により取得される、ユーザの1日の歩数であってもよい。
【0060】
(制御部150)
制御部150は、ユーザ端末10の動作全般を制御する機能を有する。例えば、制御部150は、情報処理装置20から受信したメッセージを含む画面を、操作表示部190に表示させてもよい。
【0061】
また、制御部150は、複数の行動の各々に対するユーザの心理的指標を取得する機能を有する。制御部150は、例えば、ユーザに対する、複数の行動の各々に対する心理的指標のアンケートの回答結果に基づいて、ユーザの心理的指標を取得してもよい。
【0062】
図3は、複数の行動の各々に対するユーザの心理的指標のアンケートの一例を示す説明図である。
図3に示したように、アンケート例QT1は、選択1~10の10の質問を含んでいてもよい。
【0063】
アンケート例QT1の2列目の1行目に示す文言は、ユーザに対する質問文の一例である。
図3に示した例では、「「行動名」を継続することについてどう思いますか。選択肢1~5から1つ、選択肢6~10から1つ、それぞれ選んでください。」という質問文が示されている。「行動名」には、複数の行動に含まれる各行動(例えば、「1日3000歩の歩行」など)の名称が入る。
【0064】
アンケート例QT1の2列目の2行目~11行目に示した文言は、上記質問文に対するユーザの回答の選択肢の文言例を示す。選択肢1~5は、意欲度の回答選択肢の文言の一例である。ユーザは、選択肢1~5のうちいずれか1つを選択して回答することにより、各行動に対する意欲度を回答してもよい。
【0065】
また、選択肢6~10は、実行容易度の回答選択肢の文言の一例である。ユーザは、選択肢6~10のうちいずれかを1つを選択して回答することにより、各行動に対する実行容易度を回答してもよい。
【0066】
また、アンケート例QT1に示した収集されるデータ列は、各選択肢がユーザにより選択された場合に制御部150により取得される心理的指標の値を示す。
図3に示した例では、選択肢1~5には、順に、最も意欲度が低い意欲度1から最も意欲度が高い意欲度5が対応付けられている。また、選択肢6~11には、順に、最も実行容易度が低い実行容易度1から最も実行容易度が高い実行容易度5が対応付けられている。
【0067】
制御部150は、アンケート例QT1の2列目の1行目に示したような質問文と、アンケート例QT1の2列目の2行目~11行目に示したような回答の選択肢を、操作表示部190に表示させてもよい。ユーザは、操作表示部190において選択操作を行うことにより、アンケートに回答してもよい。
【0068】
制御部150は、操作表示部190において選択操作が検出された回答に基づき、ユーザ端末10を利用するユーザの複数の行動の各々に対する心理的指標を取得してもよい。
【0069】
図3に示した例では、例えば、ユーザの回答が選択肢1および選択肢10である場合には、制御部150は、ユーザ端末10を利用するユーザの、アンケート対象の行動に対する意欲度として意欲度1を取得するとともに、当該ユーザの当該行動に対する実行容易度として、実行容易度5を取得する。
【0070】
制御部150は、ユーザに対し、上記アンケートを、所定の期間ごとに繰り返し行う。例えば、制御部150は、3日毎に、ユーザからの上記アンケートに対する回答を取得してもよい。
【0071】
また、制御部150は、直近に情報処理装置20から行動を誘発するメッセージを受信した当該行動について、上記アンケートを行ってもよい。
【0072】
なお、
図3では、意欲度および実行容易度が、それぞれ、意欲度1~5および実行容易度1~5の5段階で取得される例を示しているが、本発明は係る例に限定されない。例えば、意欲度および実行容易度は、上記と異なる単位で取得されてもよい。
【0073】
(センサ部170)
センサ部170は、各種のセンサ情報を収集する機能を有する。例えば、センサ部170により取得されるセンサ情報は、情報処理装置20によるユーザへメッセージを通知する行動の決定に用いられてもよい。
【0074】
例えば、センサ部170は、IMU(Inertial Measurement Unit)により実現されてもよい。センサ部170は、ユーザ端末10を利用するユーザの歩数を、ユーザの歩行の実績を示す物理的指標として取得してもよい。
【0075】
(操作表示部190)
操作表示部190は、制御部150の制御に従い、通信部130が操作表示部190から受信したメッセージを表示する表示部としての機能を有する。また、操作表示部190は、ユーザ端末10を利用するユーザの操作および情報の入力を受け付けることが可能な操作部としての機能を有する。
【0076】
操作表示部190の表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現され得る。また、操作表示部190の操作部としての機能は、例えば、タッチパネルまたはキーボードにより実現され得る。なお、操作表示部190が有する表示部としての機能および操作部としての機能は、一体的に構成されていてもよく、分離して構成されてもよい。
【0077】
以上、
図2を参照して、本実施形態によるユーザ端末10の構成例を説明した。なお、
図2を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態によるユーザ端末10の構成は係る例に限定されない。
【0078】
例えば、ユーザ端末10は、情報処理装置20から受信したメッセージを音声として出力することが可能な音出力部を備えていてもよい。本実施形態によるユーザ端末10の構成は、仕様および運用に応じて柔軟に変更可能である。
【0079】
<<2-2.情報処理装置20>>
続いて、本実施形態による情報処理装置20の構成例について説明する。
図4は、本実施形態による情報処理装置20の構成例を示すブロック図である。
図4に示したように、本実施形態による情報処理装置20は、記憶部210、通信部230、および、制御部250を備えていてもよい。
【0080】
(記憶部210)
記憶部210は、情報処理装置20の動作に必要なソフトウェアおよび各種データを保持する。また、記憶部210は、制御部250の動作の過程で必要となるパラメータ等の情報を一時的に記憶してもよい。
【0081】
また、本実施形態による記憶部210は、後述する制御部250の進度検出部251および通知制御部253による処理に用いられる、特性管理テーブルを保持する機能を有する。
【0082】
特性管理テーブルは、複数の行動の各々に対して、複数のユーザが有する心理的指標の統計量の類型を示す、行動変容進度に関する情報を保持する。後述する進度検出部251は、当該特性管理テーブルに基づき、ユーザにいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定してもよい。行動変容進度および特性管理テーブルについては、後に詳細に説明する。
【0083】
(通信部230)
通信部230は、ユーザ端末10と通信を行う機能を有する。例えば、通信部230は、制御部250により決定された行動に関するメッセージのデータを、ユーザ端末10へ送信する。
【0084】
また、通信部230は、ユーザ端末10から、ユーザ端末10を利用するユーザの心理的指標を取得する。さらに、通信部230は、ユーザ端末10を利用するユーザの、複数の行動の実績を示す物理的指標を取得してもよい。本実施形態による通信部230は、情報処理装置20の取得部の一例である。
【0085】
(制御部250)
制御部250は、情報処理装置20の動作全般を制御する機能を有する。このような制御部250は、進度検出部251、および、通知制御部253としての機能を有する。
【0086】
進度検出部251は、複数の行動の各々と、複数の行動の各々の達成に対するユーザの心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づいて、ユーザ端末10を利用するユーザが属する行動変容進度を検出する機能を有する。
【0087】
行動変容進度は、予め複数のユーザに対して行われたアンケートの回答結果に基づき、予め設定されていてもよい。また、予め設定された行動変容進度を規定する特性管理テーブルが記憶部210に保持されていてもよい。
【0088】
図5は、本実施形態による記憶部210が保持する特性管理テーブルの一例を説明する図である。
図5に示したように、特性管理テーブルT1は、各行の項目が行動変容進度、各列の項目が行動種別であるマトリクス表である。また、特性管理テーブルT1は、複数の行動が、1日の歩数が3000歩、7000歩、10000歩、および120000歩の、ことなる歩数(行動強度)の行動である例を示している。
【0089】
図5に示した例では、行動変容進度は、行動変容進度1~5を含む。また、行動種別は、行動1~行動4を含む。行動1は、1日の歩数が3000歩の歩行を示す。また、行動2は、1日の歩数が7000歩の歩行を示す。行動3は、1日の歩数が10000歩の歩行を示す。行動4は、1日の歩数が120000歩の歩行を示す。
【0090】
特性管理テーブルT1は、行動1~行動4の各々に対する複数のユーザの意欲度および実行容易度のアンケート結果に基づき設定されてもよい。アンケートとして、上記で
図3を参照して説明したような質問文および選択肢が用いられたとする。例えば、当該アンケートにより得られた(行動種別、実行容易度、意欲度)のデータの組をクラスタリングして得られた各グループが、行動1~行動4の各々に対する複数のユーザの意欲度および実行容易度の統計量の類型を示す行動変容進度として用いられてもよい。
【0091】
また、クラスタリングの結果得られたグループ毎の、当該グループに含まれるデータの行動種別毎の実行容易度、および、意欲度の平均値が、行動変容進度と各行動種別に対応した特性管理テーブルT1の値に設定されてもよい。
【0092】
図5に示した特性管理テーブルT1では、縦方向に5グループに分けられた行動変容進度が、横方向に4つの行動種別がそれぞれ設定され、両者が交差するマス目に(実行容易度、意欲度)の平均値が設定されている。
【0093】
図6は、特性管理テーブルT1に示した、行動変容進度1における行動種別ごとの心理的指標の値の分布図である。
図6に示した分布
図G1の横軸は、意欲度を示す。分布
図G1の縦軸は、実行容易度を示す。
【0094】
分布
図G1に示したデータ点A1~データ点A4の各点は、特性管理テーブルT1に示した行動変容進度1の行の、行動1~行動4に設定された心理的指標の値に対応している。例えばデータ点A1は、特性管理テーブルT1において行動変容進度1かつ行動1のマス目に示された(意欲度、実行容易度)=(4.5、2.0)の値を示していることが理解される。
【0095】
行動曲線CLは、通知制御部253により設定され、意欲度および実行容易度の閾値を示す曲線である。行動曲線CLについては、後に詳細に説明する。
【0096】
また、
図7は、特性管理テーブルT1に示した、行動変容進度2における行動種別ごとの心理的指標の値の分布図である。
図7に示した分布
図G2の横軸は、意欲度を示す。分布
図G1の縦軸は、実行容易度を示す。
【0097】
また、分布
図G2に示したデータ点A21~データ点A24の各点は、特性管理テーブルT1に示した行動変容進度2の行の、行動1~行動4に設定された心理的指標の値に対応している。
【0098】
例えば、データ点A21は、特性管理テーブルT1において行動変容進度2かつ行動1のマス目に示された(意欲度、実行容易度)=(4.6、1.5)の値を示していることが理解される。
【0099】
また、データ点A22は、特性管理テーブルT1において行動変容進度2かつ行動2のマス目に示された(意欲度、実行容易度)=(3.3、3.8)の値を示している。
【0100】
また、データ点A23は、特性管理テーブルT1において行動変容進度2かつ行動3のマス目に示された(意欲度、実行容易度)=(2.5、1.3)の値を示している。
【0101】
また、データ点A24は、特性管理テーブルT1において行動変容進度2かつ行動4のマス目に示された(意欲度、実行容易度)=(1.6、1.3)の値を示している。
【0102】
また、
図8は、特性管理テーブルT1に示した、行動変容進度5における行動種別ごとの心理的指標の値の分布図である。
図6と同様に、
図8に示した分布
図G3の横軸は意欲度を、縦軸は実行容易度を示す。
【0103】
分布
図G4に示したデータ点A51~データ点A54の各点は、特性管理テーブルT1に示した行動変容進度5の行の、行動1~行動4に設定された心理的指標の値に対応している。例えばデータ点A51は、特性管理テーブルT1において行動変容進度5かつ行動1のマス目に示された(意欲度、実行容易度)=(4.8、1.4)の値を示していることが理解される。
【0104】
進度検出部251は、ユーザ端末10から取得した、複数の行動の各々に含まれる少なくともいずれか1の行動に対するユーザの心理的指標に基づいて、当該ユーザが属する行動変容進度を検出してもよい。進度検出部251は、当該1の行動に対応付けられている行動変容進度のうちで、当該1の行動に対する当該ユーザの心理的指標の値と最も近い心理的指標の値が対応付けられている行動変容進度を、当該ユーザが属する行動変容進度として検出する。
【0105】
より具体的に、進度検出部251は、ユーザ端末10から、複数の行動の各々の行動実績を示す物理的指標を取得する。例えば、進度検出部251は、ユーザ端末10から、ユーザ端末10のユーザの歩数の実績を取得する。進度検出部251は、取得した歩数の実績から、ユーザ端末10のユーザの過去1週間の1日の平均歩数を算出する。
【0106】
進度検出部251は、当該ユーザの過去1週間の1日の平均歩数と最も近い行動強度の行動を抽出する。例えば、当該ユーザの過去1週間の1日の平均歩数が7300歩であったとする。この場合、進度検出部251は、行動2(1日7000歩の歩行)を抽出する。
【0107】
進度検出部251は、抽出された行動2に対して、当該ユーザが有する心理的指標の値を取得する。このとき、進度検出部251は、ユーザ端末10から、当該ユーザが行動2に対して有する心理的指標の値として回答したアンケート結果に基づき、心理的指標を取得してもよい。例えば、当該ユーザが行動2に対して有する心理的指標として、(意欲度、実行容易度)=(4.0、4.0)が取得されたとする。
【0108】
進度検出部251は、行動2に対応付けられた、行動変容進度ごとの心理的指標の値を、特性管理テーブルT1から取得する。
【0109】
図9は、行動2に対応付けられた行動変容進度ごとの心理的指標の分布図である。
図9に示した分布
図G4の横軸は、意欲度を示す。また、分布
図G4の縦軸は、実行容易度を示す。
【0110】
データ点A2、データ点A22、データ点A32、データ点A42、および、データ点A52の各点は、それぞれ順に、行動変容進度1~5において、行動2に対応付けられた心理的指標の値を示す。また、データ点Aa1は、ユーザ端末10から取得された、当該ユーザが行動2に対して有する心理的指標である(意欲度、実行容易度)=(4.0、4.0)を示す。
【0111】
進度検出部251は、取得された行動変容進度ごとの行動2に対応付けられた心理的指標のうち、ユーザが行動2に対して有する心理的指標である(意欲度、実行容易度)=(4.0、4.0)に最も近い心理的指標が対応付けられている行動変容進度を検出する。
図9に示した例では、データ点Aa1に最も近い心理的指標の値を示すデータ点がデータ点A22であるとする。進度検出部251は、データ点A22に対応付けられている行動変容進度2を、ユーザが属する行動変容進度として検出する。
【0112】
進度検出部251は、検出したユーザの属する行動変容進度を、通知制御部253に出力する。
【0113】
このように、進度検出部251は、ユーザの実際のアンケート回答結果等に基づき取得された、当該ユーザが複数の行動の各々のすくなくともいずれか1の行動に対して有する心理的指標に基づき、当該ユーザが属する行動変容進度を検出する。進度検出部251は、ユーザが属する行動変容進度において複数の行動の各々に対応付けられた心理的指標を用いて、当該ユーザの実際のアンケート回答が得られていない行動についての心理的指標を推定することが出来る。
【0114】
通知制御部253は、通信部230によりユーザ端末10から取得されたユーザの心理的指標に基づき、当該ユーザへ、複数の行動の内のいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する機能を有する。
【0115】
または、通知制御部253は、進度検出部251により検出されたユーザの行動変容進度に基づき、ユーザの心理的指標を取得してもよい。さらに、通知制御部253は、行動変容進度に基づいて取得された当該心理的指標に基づき、ユーザにメッセージを通知する行動を決定してもよい。
【0116】
通知制御部253は、取得した心理的指標を所定の閾値と比較することにより、いずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定してもよい。所定の閾値は、意欲度の閾値を示す意欲閾値と、実行容易度を示す容易度閾値であってもよい。
【0117】
通知制御部253は、複数の行動の各々について取得された意欲度および実行容易度の両方が、それぞれ、意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出した行動に関するメッセージの通知を決定してもよい。
【0118】
また、本実施形態による通知制御部253は、意欲閾値と容易度閾値を関連付けて規定する行動曲線を設定してもよい。行動曲線は、意欲閾値が高いほど容易度閾値が低くなり、かつ、容易度閾値が高いほど意欲閾値が低くなるように設定されてもよい。
【0119】
通知制御部253は、行動曲線上に位置する意欲閾値および容易度閾値の組合せを、所定の閾値として、上述したような行動の抽出を行ってもよい。
【0120】
ここで、
図10および
図11を用いて、通知制御部253による行動の抽出についてより詳細に説明する。なお、複数の行動の各々のうち、ユーザが行動2に対して有する心理的指標として、(意欲度、実行容易度)=(4.0、4.0)の値が取得されたとする。また、進度検出部251により、当該心理的指標に基づき、ユーザが属する行動変容進度が行動変容進度2であると決定された例を説明する。
【0121】
図10は、行動変容進度2における行動種別ごとの心理的指標の値と、取得されたユーザの心理的指標の分布図である。なお、データ点A21~データ点A24は、上記で
図7を参照して説明した通りであるのでここでの重複説明を省略する。
【0122】
図10に示した分布
図G5の横軸は、意欲度を示す。分布
図G5の縦軸は、実行容易度を示す。また、データ点Aa1は、ユーザが行動2に対して有する心理的指標として取得された(意欲度、実行容易度)=(4.0、4.0)のデータ点を示す。
【0123】
また、行動曲線CLは、上記で説明したように、通知制御部253により設定される行動曲線の一例を示す。行動曲線は、意欲閾値と容易度閾値を関連付けて規定する。行動曲線は、意欲閾値が高いほど容易度閾値が低くなり、かつ、容易度閾値が高いほど意欲閾値が低くなるように設定される。
【0124】
行動曲線CLは、ユーザの行動に対する意欲度を横軸、実行容易度を縦軸とするグラフにおいて、ユーザが行動に対して有する意欲度および実行容易度が当該曲線の右上側の領域に位置するほど当該行動が起こりやすいことを示し、かつ、当該曲線の左下側の領域に位置するほど、当該行動が起こりづらいことを示す境界線を示す。
【0125】
また、複数の行動の各々について、ユーザが有する実行容易度が相対的に低い値であっても、意欲度が高ければ、当該ユーザが各行動を達成できる可能性が高い。また、複数の行動の各々について、ユーザが有する意欲度が低い場合であっても、ユーザが有する実行容易度が高ければ、ユーザが各行動を達成できる可能性が高い。行動曲線は、このような点に鑑みて、意欲閾値が高いほど容易度閾値が低くなり、かつ、容易度閾値が高いほど意欲閾値が低くなるように設定される。
【0126】
また、
図11は、通知制御部253による行動の抽出および決定の処理を説明するための図である。
図11に示したように、行動誘発メッセージテーブルT2には、現在の推奨行動、同一推奨行動の経過期間、行動誘発メッセージの意図、および、メッセージ例が関連付けられている。
【0127】
現在の推奨行動は、直近に通知制御部253がユーザ端末10を利用するユーザに行動誘発メッセージを通知した行動を指す。例えば、本情報処理システムが初めて起動された際など、未だユーザ端末10を利用するユーザにいずれの行動に関するメッセージも通知されていない場合には、現在の推奨行動は、1行目のなしに該当する。
【0128】
通知制御部253は、次のような行動誘発条件に従って、行動の抽出および決定を行ってもよい。なお、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績を示す物理的指標が、1日の平均歩数7300歩である場合を例に説明する。
【0129】
(行動誘発条件1)
まず、現在の推奨行動がなしである場合には、通知制御部253は、検出された行動変容進度に対応付けられた心理的指標のうち、実行容易度が最も高く、かつ、行動曲線よりも右上側の領域に位置する心理的指標に対応する行動を、推奨行動として決定する。
【0130】
通知制御部253は、行動曲線上に位置する意欲閾値および容易度閾値のそれぞれよりも、意欲度および実行容易度が高い心理的指標を抽出することにより、行動曲線よりも右上側の領域に位置する心理的指標を抽出することが出来る。
【0131】
図10の分布
図G5に示した例では、実行容易度が最も高く、かつ、行動曲線よりも右上側に位置する心理的指標は、データ点A21である。従って、通知制御部253は、特性管理テーブルT1においてデータ点A21に対応づけられた行動1を、推奨行動に決定する。
【0132】
また、通知制御部253は、推奨行動に決定した行動を誘発するメッセージを出力し、ユーザ端末10に表示させる。
図12は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む画面例を示す図である。画面D1は、メッセージM1、ボタンB1、および、ボタンB2を含む。通知制御部253は、推奨行動に決定した行動1を誘発するメッセージとして、画面D1に示すような画面を出力してもよい。
【0133】
ユーザは、ボタンB1を押下することにより、行動誘発メッセージによって通知された行動を実行する同意を示すことが出来る。通知制御部253は、ユーザによる同意が示されたことに基づいて、現在の推奨行動を変更するか否かを判定してもよい。
【0134】
また、操作表示部190において、ユーザがボタンB1を押下する操作が検出された場合に、通知制御部253は、当該ユーザの現在の推奨行動を行動1に更新し、記憶部210またはユーザ端末10に記憶させてもよい。また、操作表示部190においてボタンB2を押下する操作が検出された場合には、通知制御部253は、当該ユーザの現在の推奨行動を変更しない。
【0135】
また、通知制御部253は、ユーザにより行動誘発メッセージによって通知された行動を実行する同意が示された旨を、予め設定されたユーザの関係者に通知してもよい。これにより、ユーザが当該行動を実行する動機をより高めることが出来る。
【0136】
このように、通知制御部253は、検出されたユーザの行動変容進度において、心理的指標が行動曲線より右上の領域に位置する行動を、複数の行動のうちユーザに対しメッセージを通知する行動に決定する。これにより、ユーザ端末10のユーザが、情報処理装置20から通知される行動誘発メッセージを受容しやすくなる。従って、ユーザ端末10のユーザによる当該行動の達成を促進することが出来る。
【0137】
(行動誘発条件2)
または、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績が、現在の推奨行動の強度よりも所定の差分値を超えて大きい場合には、通知制御部253は、現在の推奨行動よりも強度が1段階大きい行動を抽出する。通知制御部253は、抽出された当該行動が、行動曲線よりも右上にある場合には、当該行動を推奨行動とする。当該行動が行動曲線よりも左下にある場合には、通知制御部253は、推奨行動を変更しない。なお、差分値は、情報処理装置20の管理者により適宜設定されてよい。
【0138】
図11の行動誘発メッセージテーブルT2に示した例では、2行目の、現在の推奨行動が行動1である場合が行動誘発条件2の適用例に該当する。
【0139】
図10の分布
図G5に示した通り、現在の推奨行動よりも強度が1段階大きい行動である行動2に対応する心理的指標を示すデータ点A22は、行動曲線よりも右上に位置している。従って、通知制御部253は、推奨行動を行動2に決定する。
【0140】
図13は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D2は、メッセージM2、ボタンB1、および、ボタンB2を含む。ボタンB1およびボタンB2は上記で
図12を参照して説明した通りである。通知制御部253は、推奨行動に決定した行動2を誘発するメッセージとして、画面D2に示すメッセージM2のようなメッセージを出力してもよい。
【0141】
(行動誘発条件3)
または、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績が、現在の推奨行動の強度と同等または所定の差分値を超えない程度に大きい場合には、通知制御部253は、現在の推奨行動よりも強度が1段階大きい行動を抽出する。通知制御部253は、抽出された当該行動が、行動曲線よりも右上にあり、かつ、現在の推奨行動が最後に変更されてから2週間以上経過している場合には、当該行動を推奨行動とする。通知制御部253は、抽出された当該行動が、行動曲線よりも左下にある、または、現在の推奨行動が最後に変更されてから2週間未満である場合には、現在の推奨行動を変更しない。
【0142】
図11の行動誘発メッセージテーブルT2に示した例では、3行目および4行目の、現在の推奨行動が行動2である場合が行動誘発条件3の適用例に該当する。
【0143】
図10の分布
図G5に示したように、現在の推奨行動よりも強度が1段階大きい行動である行動3に対応する心理的指標を示すデータ点A23は、行動曲線よりも右上に位置している。
【0144】
しかし、現在の推奨行動が行動2に変更されてから2週間未満である場合、
図11の行動誘発メッセージテーブルT2の2行目に示したように、通知制御部253は、行動2の継続を推奨するメッセージを出力してもよい。
【0145】
図14は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D3は、メッセージM3、およびボタンB1を含む。ボタンB1は上記で
図12を参照して説明した通りである。通知制御部253は、現在の推奨行動である行動2の継続を推奨するメッセージとして、画面D3に示すメッセージM3のようなメッセージを出力してもよい。
【0146】
一方、
図11の行動誘発メッセージテーブルT2の3行目に示したように、通知制御部253は、現在の推奨行動が行動2に変更されてから2週間以上経過している場合には、推奨行動を行動3に決定してもよい。
【0147】
図15は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D4は、メッセージM4、ボタンB1、および、ボタンB2を含む。ボタンB1およびボタンB2は上記で
図12を参照して説明した通りである。通知制御部253は、行動3を誘発するメッセージとして、画面D4に示すメッセージM4のようなメッセージを出力してもよい。
【0148】
このように、通知制御部253が、現在の推奨行動が決定されてから一定期間(上記例では2週間)以上経過している場合に、現在の推奨行動を変更する。このとき、通知制御部253は、現在の推奨行動よりも実行容易度が低い行動を新たな推奨行動に決定する。これにより、現在の推奨行動である行動がユーザにある程度定着するために必要な期間が経過した後に、当該行動よりも実行容易度が低い行動に関するメッセージが、ユーザに通知される。従って、ユーザは、情報処理装置20からユーザ端末10に通知されるメッセージにより誘発される行動を受容しやすくなる。また、ユーザは、徐々に実行容易度の低い(すなわち、難易度の高い)行動を身に着けることが可能となる。
【0149】
(行動誘発条件4)
または、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績が、現在の推奨行動の強度を下回っている場合には、通知制御部253は、現在の推奨行動よりも強度が1段階小さい行動を推奨行動に決定してもよい。
【0150】
図11の行動誘発メッセージテーブルT2に示した例では、4行目および5行目の、現在の推奨行動が行動3、および、行動4である場合が行動誘発条件4の適用例に該当する。
【0151】
図11の行動誘発メッセージテーブルT2の4行目に示したように、通知制御部253は、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績が、現在の推奨行動である行動3の強度を下回ることから、推奨行動を行動2に決定してもよい。
【0152】
図16は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D5は、メッセージM5、ボタンB1、および、ボタンB3を含む。ボタンB1は上記で
図12を参照して説明した通りである。通知制御部253は、行動2を誘発するメッセージとして、画面D5に示すメッセージM5のようなメッセージを出力してもよい。
【0153】
また、操作表示部190においてボタンB3を押下する操作が検出された場合には、通知制御部253は、当該ユーザの現在の推奨行動を変更しない。
【0154】
また、
図11の行動誘発メッセージテーブルT2の5行目に示したように、通知制御部253は、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績が、現在の推奨行動である行動4の強度を下回る場合には、推奨行動を行動3に決定してもよい。
【0155】
図17は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D6は、メッセージM6、ボタンB1、および、ボタンB3を含む。ボタンB1およびボタンB3は、それぞれ、上記で
図12および
図16を参照して説明した通りである。通知制御部253は、行動3を誘発するメッセージとして、画面D6に示すメッセージM6のようなメッセージを出力してもよい。
【0156】
通知制御部253は、上記のような規則に従って、複数の行動の各々のうち、行動曲線よりも右上の領域に位置する心理的指標に対応付けられた行動を、ユーザにメッセージを通知する行動として決定する。これにより、ユーザにとって受容しやすい行動を誘発するメッセージが、ユーザに通知され得る。従って、より効果的に、ユーザに行動変容を促すことが出来る。
【0157】
また、通知制御部253は、ユーザに行動を誘発するメッセージと共に、ユーザの現在の推奨行動の情報を含む画面をユーザ端末10に表示させてもよい。
図18は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される他の画面例を示す図である。例えば、画面D7に示したように、ユーザの所定の期間中の平均歩数、および、所定の期間ごとの行動実績を示す文字及びグラフ等の情報を含む画面が、操作表示部190に表示されてもよい。
【0158】
以上、
図4~
図17を参照して、本実施形態による情報処理装置20の構成例を説明した。なお、
図4を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態による情報処理装置20の構成は係る例に限定されない。本実施形態による情報処理装置20の構成は、仕様および運用に応じて柔軟に変更可能である。
【0159】
<3.動作例>
続いて、
図19を参照して、本実施形態による情報処理システムの処理の流れについて詳細に説明する。
図19は、本実施形態による情報処理システムの動作例を説明するフローチャートである。
【0160】
図19に示したように、まず、情報処理装置20の進度検出部251は、現在時刻が、行動変容進度の検出タイミングであるかの判定を行う(S101)。例えば、進度検出部251は、予め設定された所定のタイミングで、定期的に、行動変容進度の検出を行ってもよい。例えば、進度検出部251は、毎日同時刻(例えば、午前9時)に、行動変容進度の検出を行ってもよい。所定のタイミングは、情報処理装置20の管理者により予め設定されてもよい。進度検出部251は、現在時刻が、行動変容進度検出を行う所定のタイミングであるか否かを判定する。
【0161】
S101において、現在時刻が行動変容進度検出を行う所定のタイミングではないと判定された場合(S101/NO)、S107に進む。
【0162】
現在時刻が行動変容進度検出を行う所定のタイミングであると判定された場合(S101/YES)、情報処理装置20の通信部230は、ユーザ端末10から、ユーザ端末10を利用するユーザの歩数(物理的指標)、歩数の異なる歩行の達成に対してユーザが有する意欲度および実行容易度を取得する(S103)。
【0163】
次いで、進度検出部251は、取得された歩数、意欲度、および実行容易度に基づき、ユーザ端末10を利用するユーザが属する行動変容進度を検出する(S105)。
【0164】
次に、通知制御部253は、現在時刻が、ユーザに対し行動を誘発するメッセージを通知するタイミングとして設定された行動誘発タイミングであるか否かを判定する(S107)。例えば、通知制御部253は、定期的に行動を誘発するメッセージを出力してもよい。例えば、行動誘発タイミングは、10分おきに設定された時刻であってもよい。または、行動誘発タイミングは、毎日決まった時刻(例えば、9:00、12:00、および13:00など)であってもよい。
【0165】
行動誘発タイミングでないと判定された場合(S107/NO)、S113へ進む。
【0166】
行動誘発タイミングであると判定された場合(S107/YES)、通知制御部253は、ユーザ端末10を利用するユーザに対し、複数の行動のうち、いずれの行動の行動誘発メッセージを通知するかを決定する。通知制御部253は、決定した行動に関する行動誘発メッセージを、ユーザ端末10へ出力する。ユーザ端末10の操作表示部190は、情報処理装置20から受信したメッセージを操作表示部190に表示する(S109)。
【0167】
次いで、通知制御部253は、操作表示部190において表示された行動誘発メッセージに対するユーザの応答をユーザ端末10から取得する。通知制御部253は、当該応答を記憶部210に記憶するとともに、当該応答結果に基づいて、現在の推奨行動を変更するか否かを判定する。また、通知制御部253は、当該応答が、誘発された行動に同意する応答であった場合には、ユーザが当該行動の実行に同意した旨を予め設定されるユーザの任意の関係者に通知してもよい(S111)。
【0168】
本実施形態による情報処理システムは、一連の処理の終了指示が入力されるまで、S101~S111の処理を繰り返す(S113/NO)。本情報処理システムは、終了指示が入力されると、一連の処理を終了する(S113/YES)。終了指示は、情報処理装置20の利用者により、
図4に図示しない操作部を操作することにより入力されてもよい。
【0169】
以上、
図19を参照して、本実施形態による情報処理システムの動作例を説明した。
【0170】
<4.変形例>
続いて、
図20~
図23を用いて、本実施形態による情報処理システムの変形例について述べる。本変形例では、情報処理装置20の通知制御部253が、推奨行動に決定する行動の抽出および決定にあたり従う行動誘発条件の変形例を説明する。
【0171】
図20は、本情報処理システムの変形例による情報処理装置20の動作例を説明する説明図である。なお、
図20に示したS101~S107、および、S113は、上記で
図19を参照して説明した通りであるので、ここでの重複する説明を省略する。
【0172】
本変形例においては、予め、ユーザ端末10のユーザにより、複数の行動の各々のうち、当該ユーザが達成したい目的の行動(以下、目的行動)が設定されていてもよい。本動作例では、目的行動として、行動3(1日10000歩の歩行)が設定されているとする。
【0173】
また、ユーザ端末10から取得されたユーザの行動の実績が、過去一週間の1日平均歩数であり、当該1日平均歩数が7300歩であるとする。さらに、S103において、当該ユーザが属する行動変容進度が、行動変容進度2であると検出されるものとする。
【0174】
まず、S101~S107の処理が行われる。S107において、現在時刻が行動誘発タイミングであると判定されると(S107/YES)、情報処理装置20の通知制御部253は、次のような行動誘発条件に従って、複数の行動の各々のうち、いずれの行動に関するメッセージをユーザに通知するかを決定する。
【0175】
図21は、本情報処理システムの変形例による通知制御部253の行動の抽出および決定の処理を説明するための図である。
図21の行動誘発メッセージテーブルT3には、現在の推奨行動、推奨行動への応答、行動誘発メッセージの意図、および、メッセージ例が関連付けられている。
【0176】
(行動誘発条件1の変形例)
本変形例による通知制御部253は、現在の推奨行動がなしである場合、検出された行動変容進度において、実行容易度が目的行動よりも低く、かつ、行動曲線よりも左下側の領域にある心理的指標に対応付けられた行動を推奨行動に決定する。
【0177】
図21の行動誘発メッセージテーブルT3に示した例では、1行目が本行動誘発条件1の変形例の適用例に該当する。行動誘発メッセージテーブルT3に示したように、通知制御部253は、現在の推奨行動がなしである場合、行動4を推奨する行動誘発メッセージを出力する。
【0178】
図10の分布
図G5に示したように、行動変容進度2において1日の歩数が12000歩での歩行である行動4に対応付けられた心理的指標を示すデータ点A24は、行動曲線よりも左下側に位置していることが理解される。
【0179】
図22は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D8は、メッセージM8、ボタンB1、および、ボタンB2を含む。ボタンB1およびボタンB2は、上記で
図12を参照して説明した通りである。通知制御部253は、行動4を誘発するメッセージとして、画面D8に示すメッセージM8のようなメッセージを出力してもよい。
【0180】
ユーザは、ボタンB2を押下することにより、誘発されている行動の実行への不同意を示すことが出来る。
【0181】
本変形例による通知制御部253は、S209においてユーザに通知された行動誘発メッセージへの応答をユーザ端末10から取得し、S211へ進む。
【0182】
次に、本変形例による通知制御部253は、ユーザによる行動誘発メッセージへの応答が同意である場合には、現在の推奨行動を、通知した行動誘発メッセージに係る行動に変更する。また、通知制御部253は、ユーザによる行動誘発メッセージへの応答を、記憶部210または記憶部110に記憶させる。
【0183】
さらに、本変形例による通知制御部253は、ユーザによる応答が不同意であった場合、検出された行動変容進度において、目的行動より実行容易度が高く、かつ、行動曲線も右上側の領域に位置する心理的指標に対応付けられた行動と、目的行動の、いずれかを推奨行動に再決定する。通知制御部253は、再決定された推奨行動を誘発するメッセージである第2の行動誘発メッセージを出力し、操作表示部190に表示させる(S211)。
【0184】
図21に示した例では、行動誘発メッセージテーブルT3の2行目が本行動誘発条件1の変形例の他の適用例に該当する。行動誘発メッセージテーブルT3に示したように、通知制御部253は、現在の推奨行動が行動4であり、かつ、行動4の行動誘発メッセージへの応答が不同意であった場合、行動3を推奨する行動誘発メッセージを出力する。
【0185】
図23は、ユーザ端末10の操作表示部190に表示される行動誘発メッセージを含む他の画面例を示す図である。画面D9は、メッセージM9、ボタンB1、および、ボタンB2を含む。ボタンB1およびボタンB2は、上記で
図12を参照して説明した通りである。
【0186】
本変形例による通知制御部253は、行動4を誘発するメッセージに不同意の応答があった場合に、第2の行動誘発メッセージとして、画面D9に示すメッセージM9のようなメッセージを出力してもよい。メッセージM9は、目的行動である、1日10000歩の歩行を推奨行動とする行動誘発メッセージであることが理解される。また、メッセージM9は、
図23に示したように、ユーザに対し、当初通知されたメッセージにおいて誘発された行動よりも低い強度の行動を推奨行動とする譲歩が行われたことを示唆するような文面であってもよい。
【0187】
また、第2の行動誘発メッセージにおいても、ユーザにより不同意が示された場合には、通知制御部253は、検出された行動変容進度においてさらに実行容易度が高く、かつ、行動曲線より右上の領域に位置する心理的指標に対応付けられた行動の行動誘発メッセージの通知を行ってもよい。
【0188】
次いで、S113に進む。
【0189】
以上、
図20~
図23を用いて、本情報処理システムの変形例について説明した。本変形例によれば、情報処理装置20の通知制御部253は、目的行動よりも実行容易度が低く、あえて拒絶される可能性の高い行動を推奨行動に決定する。通知制御部253は、当該推奨行動の行動誘発メッセージを通知し、当該メッセージの応答として不同意が示された場合、目的行動または目的行動よりも実行容易度が高い行動に関するメッセージを、第2の行動誘発メッセージとして通知する。これにより、ユーザは、当初通知されたメッセージに関する行動に不同意を示した後に、当該行動よりも実行容易度が低い行動に関するメッセージが通知されることで、新たに通知されたメッセージに係る行動の実行を受容しやすくなる。
【0190】
<5.ハードウェア構成例>
以上、本発明の一実施形態を説明した。上述した、情報処理装置20による、心理的指標に基づく行動変容進度の検出、および、心理的指標に基づく行動誘発のメッセージに係る行動の決定の処理は、ソフトウェアと、情報処理装置20のハードウェアとの協働により実現される。以下では、本発明の実施形態による情報処理装置20のハードウェア構成例について説明する。
【0191】
なお、以下に説明する情報処理装置20のハードウェア構成例は、情報処理装置20のハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、情報処理装置20のハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置20のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。
【0192】
図24は、本発明の一実施形態による情報処理装置20のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置20は、CPU1001と、ROM1002と、RAM1003と、内部バス1004と、入出力インターフェース1010と、表示装置1011と、入力装置1012と、音声出力部1013と、記憶装置1014と、ドライブ1015と、ネットワークインターフェース1016と、外部インターフェース1017と、を備えることができる。
【0193】
CPU1001は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置20内の動作全般を制御する。CPU1001が後述するROM1002、RAM1003およびソフトウェアと協働することにより、例えば、制御部250の機能が実現され得る。
【0194】
ROM1002は、CPU1001が使用するプログラムおよび演算パラメータ等を記憶する。RAM1003は、CPU1001の実行において使用するプログラム、およびその実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。
【0195】
CPU1001、ROM1002、RAM1003は、内部バス1004によって相互に接続され、さらに入出力インターフェース1010を介して後述する表示装置1011、入力装置1012、音声出力部1013、記憶装置1014、ドライブ1015、ネットワークインターフェース1016および外部インターフェース1017と接続される。
【0196】
表示装置1011は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)、OLED装置などの表示装置であり、映像データを映像に変換して出力する。また、入力装置1012は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、センサ、スイッチおよび制御回路などから構成され得る。また、音声出力部1013は、スピーカおよびヘッドフォンなどの音声出力装置であり、音声データなどを音声に変換して出力する。
【0197】
記憶装置1014は、本実施形態による記憶部110および記憶部210の一例として構成されたデータ記憶用の装置である。記憶装置1014は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでいてもよい。記憶装置1014は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)、あるいは同等の機能を有するメモリ等で構成される。この記憶装置1014は、ストレージを駆動し、CPU1001により実行されるプログラムまたは各種データを記憶する。
【0198】
ドライブ1015は、記憶媒体用リーダライタであり、情報処理装置20に内蔵、または外付けされる。ドライブ1015は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体に記憶されている情報を読み出して、RAM1003に出力する。また、ドライブ1015は、リムーバブル記憶媒体に情報を書き込むことも可能である。
【0199】
ネットワークインターフェース1016は、例えば、インターネットなどの通信網に接続するためのデバイス等で構成された通信インターフェースである。また、ネットワークインターフェース1016は、無線LAN(Local Area Network)または/および有線LAN対応の通信装置であってもよい。
【0200】
外部インターフェース1017は、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interデータ点Ace)ポート、RS-232Cポートまたは光オーディオ端子などのような外部接続機器を接続するための接続ポートで構成された接続インターフェースである。
【0201】
<6.まとめ>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0202】
例えば、上記実施形態では、心理的指標として、ユーザが行動の達成に対して有する意欲度、および、当該行動の実行容易度が用いられる例を説明した。しかし、本発明はかかる例に限定されない。例えば、心理的指標は、別の心理的指標に置き換えられてもよいし、他の心理的指標が追加されてもよい。例えば、意欲度は、ユーザの行動に対するやる気の度合いを示す指標であるから、同種の指標として、ユーザの行動変容進度または自己効力感等の度合いがアンケート当の手法により取得され、心理的指標として用いられてもよい。
【0203】
また、上記実施形態では、通知制御部253が、決定した行動に係るメッセージを出力し、ユーザ端末10の操作表示部190に表示させる例を説明した。しかし、メッセージのデータが、予めユーザ端末10の記憶部110に記憶されていてもよい。この場合、通知制御部253は、操作表示部190に表示させるメッセージの指示をユーザ端末10に通知してもよい。操作表示部190は、通知制御部253からの指示に従い、記憶部110に予め格納されているメッセージのデータに基づき、各種メッセージを出力してもよい。
【0204】
また、上記では、行動変容進度が、複数の行動の各々に対して、複数のユーザが有する心理的指標の統計量の類型である例を説明した。より詳細には、行動変容進度は、複数のユーザに対して行われたアンケート結果をクラスタリングし、クラスタリングの結果得られたグループごとに、心理的指標の平均値を、行動種別(行動強度の異なる行動)毎に対応付けたデータである例を説明した。しかし、行動変容進度は、他の方法により設定されてもよい。例えば、アンケートを行った対象の複数のユーザの回答結果をクラスタリングせず、各ユーザ一人一人の回答結果を1の行動変容進度として用いてもよい。または、行動変容進度は、専門家の知見等に基づいて設定されてもよい。
【0205】
また、上記実施形態では、通知制御部253が、ユーザ端末10を利用しているユーザが、当該ユーザ自身の複数の行動の各々の達成に対して有する心理的指標に基づき、当該ユーザにいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定するとした。しかし、通知制御部253は、例えば、ユーザ端末10を利用しているユーザによる複数の行動の各々の達成に対して、当該ユーザとは異なる他のユーザが有する心理的指標に基づき、ユーザ端末10を利用しているユーザへメッセージを通知する行動を決定してもよい。
【0206】
また、上記実施形態では、複数の行動の各々が、強度の異なる同一種別の行動である例を主に説明した。より具体的に、複数の行動の各々が、1日の歩数が異なる歩行(1日平均3000歩の歩行、1日平均7000歩の歩行、1日平均10000歩の歩行、および、1日平均12000歩の歩行)である例を説明した。しかし、本発明の適用先は係る例に限定されない。例えば、複数の行動は、行動強度が一様に比較されない、異なる種別の複数の行動であってもよい。例えば、本発明が環境保護分野に適用される例では、複数の行動は「地産地消野菜の購入」、「大豆商品の購入」、および「消費期限の近い商品の購入」等の、異なる種別の行動であってもよい。
【0207】
また、本実施形態によるユーザ端末10、および情報処理装置20の動作の処理におけるステップは、必ずしも説明図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、ユーザ端末10および情報処理装置20の動作の処理における各ステップは、説明図として記載した順序と異なる順序で処理されてもよく、並列的に処理されてもよい。
【0208】
また、上述したユーザ端末10および情報処理装置20に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、本実施形態による情報処理システムの機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムを記憶させたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【0209】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本発明に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【符号の説明】
【0210】
10 ユーザ端末
110 記憶部
130 通信部
150 制御部
170 センサ部
190 操作表示部
20 情報処理装置
210 記憶部
230 通信部
251 進度検出部
253 通知制御部
30 ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、
前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、を備え、
前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含み、
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定する、情報処理装置。
【請求項2】
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、
前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動を誘発する旨のメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、
前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部と、
を備え、
前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定する、情報処理装置。
【請求項3】
前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標を所定の閾値と比較することにより、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記所定の閾値は、前記意欲度の閾値を示す意欲閾値と、前記実行容易度の閾値を示す容易度閾値を含む、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ前記意欲閾値および前記容易度閾値を上回っている行動を抽出し、
抽出された行動に関するメッセージの通知を決定する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知制御部は、前記意欲閾値と前記容易度閾値を関連付けて規定する行動曲線を設定し、
前記行動曲線と、前記意欲度および前記実行容易度の関係に基づき、前記メッセージの通知を行う行動を決定する、
請求項1または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知制御部は、前記意欲閾値が高いほど前記容易度閾値が低くなり、かつ、前記容易度閾値が高いほど前記意欲閾値が低くなるように、前記行動曲線を設定する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通知制御部は、前記行動曲線上に位置する前記意欲閾値および前記容易度閾値の組合せを、前記所定の閾値として前記行動の抽出を行う、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記行動に関するメッセージは、前記ユーザに対し、前記行動を誘発する旨のメッセージである、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部をさらに備え、
前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記行動変容進度は、前記複数の行動の各々の達成に対して複数のユーザが有する前記心理的指標の統計量に基づく類型である、
請求項2または11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記進度検出部は、前記ユーザが前記複数の行動のうち少なくともいずれか1の行動に対して有する前記心理的指標の値を取得し、
前記1の行動に対応付けられている行動変容進度のうちで、取得された前記1の行動に対する前記心理的指標の値と最も近い前記心理的指標の値が対応付けられている行動変容進度を、前記ユーザが属する行動変容進度として検出する、
請求項2または11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記通知制御部は、前記ユーザが属する行動変容進度において、前記複数の行動の各々に対応付けられている前記心理的指標を、前記複数の行動の各々に対して前記ユーザが有する心理を示す心理的指標として取得する、
請求項13に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記複数の行動は、強度の異なる同一種類の行動であり、
前記取得部は、前記ユーザの前記行動の実績を示す物理的指標を取得し、
前記通知制御部は、抽出された前記行動のなかから、前記物理的指標が示す実績を上回る強度の行動を、前記メッセージを通知する行動に決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記取得部は、前記ユーザの前記心理的指標を、前記ユーザからのアンケート回答結果に基づいて取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記取得部は、前記行動に関するメッセージにおいて誘発されている前記行動の実行に対する前記ユーザの応答を取得し、
前記通知制御部は、前記応答が、前記ユーザの前記行動の実行に対する不同意を示している場合、前記行動よりも前記実行容易度が高い前記心理的指標に関連付けられた前記複数の行動のうちの他の行動に関するメッセージの通知を決定する、
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
コンピュータを、
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、
前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、を備え、
前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含み、
前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定する、情報処理装置として機能させるための、プログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、
前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動を誘発する旨のメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、
前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部と、
を備え、
前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定する、情報処理装置として機能させるための、プログラム。
【請求項20】
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得することと、
前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することと、
を含み、
前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含み、
前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することは、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定することを含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項21】
複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得することと、
複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出することと、
検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、を備え、前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含み、前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定する、情報処理装置が提供される。また、上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動を誘発する旨のメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部と、を備え、前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定する、情報処理装置が提供される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含み、前記通知制御部は、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定する、情報処理装置として機能させるための、として機能させるための、プログラムが提供される。また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、コンピュータを、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得する取得部と、前記取得部により前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動を誘発する旨のメッセージを通知するかを決定する通知制御部と、前記複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出する進度検出部と、を備え、前記通知制御部は、前記進度検出部により検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザに前記メッセージを通知する行動を決定する、情報処理装置として機能させるための、プログラムが提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得することと、前記複数の行動の各々について取得された前記心理的指標に基づき、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することと、を含み、前記心理的指標は、前記行動の達成に対する前記ユーザの意欲の度合いを示す意欲度、および、前記行動の前記ユーザの実行の容易さの度合いを示す実行容易度を含み、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することは、前記複数の行動の各々について取得された前記意欲度および前記実行容易度の両方が、それぞれ意欲閾値および容易度閾値を上回っている行動を抽出し、抽出された行動に関するメッセージの通知を決定することを含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、複数の行動の各々について、前記行動の達成に対してユーザが有する心理を示す心理的指標を取得することと、複数の行動の各々と、前記複数の行動の各々の達成に対するユーザの前記心理的指標との関係の類型を示す行動変容進度に基づき、前記ユーザが属する行動変容進度を検出することと、検出された前記行動変容進度に基づいて、前記ユーザへ前記複数の行動のうちのいずれの行動に関するメッセージを通知するかを決定することと、
を含む、コンピュータにより実行される情報処理方法が提供される。