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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060509
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/80 20220101AFI20240424BHJP
   B30B 9/32 20060101ALI20240424BHJP
   B09B 3/32 20220101ALI20240424BHJP
   B09B 101/75 20220101ALN20240424BHJP
   B09B 101/85 20220101ALN20240424BHJP
【FI】
B09B3/80 ZAB
B30B9/32 101G
B09B3/32
B09B101:75
B09B101:85
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167924
(22)【出願日】2022-10-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】394008271
【氏名又は名称】日本シーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】知久 光夫
(72)【発明者】
【氏名】本田 高規
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA10
4D004AA12
4D004CA03
4D004CA40
4D004CB15
4D004CB42
4D004CB43
4D004CC03
4D004CC05
4D004DA01
4D004DA02
(57)【要約】
【課題】
紙コップが汚れた状態ではリサイクル時の洗浄コストが高くなる。
破砕してしまうと、輸送や再生処理の際に紙屑が舞ったり零れたりして処理がしづらいという問題点があった。
【解決手段】
容器を投下する投下口11と、洗浄水を前記容器の内側に噴射する噴射口と、噴射した洗浄水を吸引する吸引装置と、前記容器を挟み込んで圧縮する圧縮装置15を、備え、前記噴射口からの洗浄水の噴射と、前記吸引装置による吸引を、同時または略同時に行う、容器処理装置。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を投下する投下口と、
前記投下口から投下された前記容器が、開口部が下方とされた状態で載置される洗浄台と、
前記洗浄台に載置された前記容器の内側に、洗浄水を噴射する噴射口と、
噴射した洗浄水を吸引する吸引装置と、を備えた、
容器処理装置。
【請求項2】
壁面および水平面が一体となった第一移送手段を、さらに備え、
前記第一移送手段は、前記容器が前記洗浄台に載置されると移動を開始し、
前記第一移送手段が移動すると、前記壁面が前記容器を押すことによって前記容器を洗浄場所まで移送し、該第一移送手段の移動後には前記水平面にて前記投下口を塞ぐ、
請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項3】
前記洗浄台に載置された前記容器を上方及び/又は側方から押さえる固定金具を、さらに備え、
前記噴射口は、前記固定金具によって押さえられた前記容器の内側に洗浄水を噴射する、
請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項4】
前記容器を挟み込んで圧縮減容する減容装置を、さらに備えた、
請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項5】
前記減容装置は、2本のベルトをV字状に配置し、その間に前記容器を挟み込むことで圧縮減容する、
請求項4に記載の容器処理装置。
【請求項6】
伸縮可能なシリンダを有する第二移送手段を、さらに備え、
前記噴射口からあらかじめ定めた時間だけ洗浄水が噴射されると、前記シリンダが伸長し、
前記第二移送手段の前記シリンダが伸長すると、該シリンダが押すことによって前記容器を前記洗浄場所から2本の前記ベルトの間に落下させる、
請求項5に記載の容器処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て容器を廃棄する際に用いる処理装置に関する。より詳しくは、紙製またはプラスチック製のコップやカップを、店舗内で洗浄して圧縮減容する、使用済み使い捨て容器の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などでは、飲み物などを紙製またはプラスチック製の使い捨てコップに入れて提供されることがある。これらは店舗内に設置された回収箱にて回収される。回収箱内の回収袋が満杯になると、店員がこれを回収して新しい回収袋を設置する。回収した使い捨てコップは、廃棄もしくはリサイクルされる。
【0003】
特許文献1には、V型に配置された一対のコップ押し潰しベルト機構を備えたコップ押し潰し回収装置であって、上記一対のコップ押し潰しベルト機構は、一定位置においてモータで回転駆動される一対の上部ローラと、回転可能な一対の下部ローラと、上記一対の上部ローラと下部ローラ間に張設された一対のベルトとから構成され、上記一対の下部ローラは、夫々一定の点を中心に垂直面内で回転可能な回転支持部材に取り付けられており、上記一対の回転支持部材は、常時は一対の下部ローラを上記一対のベルトを介して互いに押圧する方向に一対のばねにより付勢されており、押し潰されるコップが上記一対の下部ローラの間を上記一対のベルトを介して通過する際には、上記一対の下部ローラが互いに離れる方向かつ上方に、上記一対のばねに抗して回動することを特徴とするコップ押し潰し回収装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ドリンクショップ、ファストフードショップ等の店舗内に設置する、使用したコップ、カップ又は皿などの使い捨て容器を回収する使用済み使い捨て容器の処理装置であって、飲み残しと氷を回収する飲み残し回収口と、該飲み残し回収口に隣接して使用した容器を投入する容器投入口が上部に設けられ、かつその高さが、該飲み残し回収口と容器投入口に、容器を捨てようとする人の手が届く高さである90~110cmに形成された処理装置本体と、前記飲み残し回収口の下部に設けられた、飲み残しを一時貯留する飲み残し用タンクと、前記容器投入口の下部に設けられた、容器を所定の大きさの細片に破砕する刻み目が形成された回転刃が軸方向に並べられた第1回転刃軸と、同様な形状の刻み目を有する第2回転刃軸とから成り、第1回転刃軸と第2回転刃軸の各回転刃が噛み合うように並べられ、かつ向かい合う方向にそれぞれ回転させる構成の破砕装置と、前記破砕装置において破砕された容器の細片を水洗浄し、その細片に付着した水分を圧縮空気で除去する、筒体内で洗浄水と洗剤で洗浄回転するスクリューコンベアがその軸方向に設けられ、該筒体の下部に洗浄後の洗浄水を排水する排水口と細片を排出する細片排出口と、該筒体の上部に細片を投入する細片投入口が取り付けられ、該筒体における排水口と細片投入口の間に、コンプレッサーの圧縮空気を噴射する噴射口を有する、洗浄・脱水・圧縮装置と、前記洗浄・脱水・圧縮装置において洗浄と脱水が済んだ容器の細片を、収納する細片回収ボックスと、を備え、前記飲み残しタンク、破砕装置、洗浄・脱水・圧縮装置、コンプレッサー及び細片回収ボックスの全てが前記処理装置本体内に収納され、かつ該処理装置本体内において容器を破砕、洗浄と圧縮をして、その嵩を減量させる、ことを特徴とする使用済み使い捨て容器の処理装置。が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-105190号公報
【特許文献2】特許7051158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の回収装置は、洗浄しないため、汚れが残りリサイクル時の負荷が大きかった。特許文献2の処理装置は、紙コップを破砕するため、細かくなり過ぎてしまい、その砕片が輸送や処理の際に飛んだりこぼれたりしてリサイクルしづらいという問題点があった。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、紙コップ等を破砕することなく、店舗内で洗浄し減容する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
容器を投下する投下口と、
前記投下口から投下された前記容器が、開口部が下方とされた状態で載置される洗浄台と、
前記洗浄台に載置された前記容器の内側に、洗浄水を噴射する噴射口と、
噴射した洗浄水を吸引する吸引装置と、を備えた、
容器処理装置。
【0009】
壁面および水平面が一体となった第一移送手段を、さらに備え、
前記第一移送手段は、前記容器が前記洗浄台に載置されると移動を開始し、
前記第一移送手段が移動すると、前記壁面が前記容器を押すことによって前記容器を洗浄場所まで移送し、該第一移送手段の移動後には前記水平面にて前記投下口を塞ぐ、
ものとすることもできる。
【0010】
前記洗浄台に載置された前記容器を上方及び/又は側方から押さえる固定金具を、さらに備え、
前記噴射口は、前記固定金具によって押さえられた前記容器の内側に洗浄水を噴射する、
ものとすることもできる。
【0011】
前記容器を挟み込んで圧縮減容する減容装置を、
さらに備えることもできる。
【0012】
前記減容装置は、2本のベルトをV字状に配置し、その間に前記容器を挟み込むことで圧縮減容する、
ものとすることもできる。
【0013】
伸縮可能なシリンダを有する第二移送手段を、さらに備え、
前記噴射口からあらかじめ定めた時間だけ洗浄水が噴射されると、前記シリンダが伸長し、
前記第二移送手段の前記シリンダが伸長すると、該シリンダが押すことによって前記容器を前記洗浄場所から2本の前記ベルトの間に落下させる、
ものとすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の容器処理装置は、使用済み使い捨てコップを破砕することなく、洗浄し減容することができる。その結果、従来技術と比べて容易に使用済み使い捨てコップをリサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】処理装置の平面図。
図2】処理装置の正面図。
図3】処理装置の側面図。
図4】移送工程の説明平面図。
図5】第一移送手段の変形例の説明平面図。
図6】洗浄工程の説明側面図。
図7】移送金具の変形例の説明平面図。
図8】減容工程の説明側面図。
図9】容器等の流れを表すフロー図。
図10】処理の流れを表す時系列図。
図11】処理の流れを表すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の容器処理装置の実施の一例について、図を用いて説明する。
【0017】
<全体概要>
図1は、容器処理装置1を上から見た平面図である。図2は、容器処理装置1を正面(A方向)から見た正面図である。図3は、容器処理装置1を側面(B方向)から見た側面図である。
容器処理装置1は、筐体10、投下口11、第一移送手段12、洗浄手段13、第二移送手段14、減容手段15、排水槽16、収容箱17および飲み残し回収器18によって構成される。
容器Cが投下口11から投下されると、第一移送手段12によって洗浄場所まで移送され、洗浄手段13によって洗浄され、第二移送手段14によって減容場所まで移送され、減容手段15によって減容され、収容箱17に収容される。
【0018】
<投下・第一移送>
図4は、第一移送手段12および第二移送手段14が容器Cを移送する手順を表す説明平面図である。
第一移送手段12は、投下検知センサ121、回転軸122、壁面123、水平面124およびガイド板125によって構成される。
容器処理装置1は、紙コップのように開口部を有する容器を洗浄するものであって、下側に向けられた開口部に向かって洗浄水を噴射する装置である。そのため、開口部を下側とされた容器Cが、容器処理装置1の上面に位置する投下口11から投下される。容器処理装置1の上面に位置する投下口11から容器Cが投下されると、容器処理装置1内の投下検知センサ121が投下された容器Cを感知して、第一移送手段12が作動する。なお、洗浄場所に前に投下された容器Cがある場合には、第一移送を行わない。つまり、第二移送手段14から第二移送完了の信号を受信するまで第一移送を行わない。
【0019】
回転軸122は棒状の部材(図示例では円柱形)であり、これが回転(図示例では時計回り)することで、これに固定された壁面123および水平面124が回転軸122の回転に伴って元位置(1)から中継地点(2)まで回転移動する。壁面123が容器Cを押すことで、容器Cを位置(1)から中継位置(2)へ移動させる。ガイド板125は第一移送経路に沿って鉛直または略鉛直に配置された板状の部材である。壁面123が容器Cを押す際にガイド板125によって容器Cを洗浄場所へ誘導する。なお、押す力は、指などを挟んだ際に怪我をしない程度の強さが望ましい。
壁面123および水平面124は、図示例では板材であるが、これに限らず壁面と水平面を有する一体の箱状部材とすることもできる。また、壁面123は鉛直に限らず、容器Cの形に合わせて傾斜していてもよい。
【0020】
同時に、水平面124が投下口11の下にくることで、投下口11を塞ぐ。つまり、シャッターとして機能する。投下口11を塞ぐことで、第一移送中に次の容器が投下されるのを防ぐことができる。
壁面123が中継地点(2)まで移動(図では90度回転)すると、容器Cは洗浄工程を行う場所(洗浄場所)まで移動する。中継地点(2)まで移動した壁面123は、回転軸122が逆回転(図示例では反時計回り)することで、元位置(1)まで戻る。同時に、水平面124が投下口11から外れ(シャッターが開き)、次の容器を投下できるようになる。
【0021】
図5は、図4とは異なる手法によって、第一移送手段12が容器Cを移送する手順を表す説明平面図である。
回転軸122の代わりに第一移送シリンダ126を備える構成とすることもできる。第一移送シリンダ126が元位置(1)から中継地点(2)まで伸びることで、壁面123が容器Cを押し、洗浄場所へ移送する。同時に、水平面124が投下口11の下にくることで投下口11を塞ぐ(シャッターを閉じる)。中継地点(2)から元位置(1)へ戻ることで投下口11の下から水平面124が退き(シャッターが開き)次の容器を投下できる。
【0022】
重ね検知システムを備えることもできる。容器が重ねて投下されると、洗浄されない容器が発生するので、それを防ぐためである。
重ね検知システムは、重量センサとし、容器2個分以上の重さを検知するとアラートを発し、第一移送を行わないようにする。
また、使われる容器の高さが1種類である場合には次の方法も考えられる。第一移送経路の載置台から天井までの高さを容器1個分より高く2個分未満とすることで、重ねた容器がつかえて、第一移送が行われないようにする。
【0023】
<洗浄>
図6は、容器Cを洗浄する手順を表す説明側面図である。
洗浄手段13は、固定シリンダ131、固定金具132、載置台133、噴射口134、給水槽135、給水管136、受け口137および吸引装置138を備える。固定シリンダ131は、伸縮する装置であり、電気式でも油圧式でもよい。固定金具132は、板状の部材であり、固定シリンダ131の先に取り付けられる。載置台133は、容器Cが載置される台であり、移送されてきた容器Cの中央部に当たる位置に噴射用の孔があり、そのほかは網状になっている。噴射口134は洗浄液を噴射する装置であり、エアーで作動する。受け口137は、容器Cの径より大きな開口を有し、その下部に漏斗を備える。吸引装置138は、エアーによって作動する吸引機である。
【0024】
容器Cが洗浄場所(位置(2))まで移送されると、容器Cは載置台133の上に配置され、固定シリンダ131が縮まることで、固定具132が容器Cの底面(高台部)を押さえる。これにより、容器Cの載った載置台133と固定具132で容器Cを挟むことで固定する。容器Cが洗浄中に後述する噴射の圧力でずれるのを防ぐためである。なお図示例では、固定具132が容器Cの底部を上方から押さえつける構成としているが、これに限らず洗浄中の容器Cが移動しないように固定することができれば、固定具132は容器Cの側方から押さえつける構成とすることもできる。
【0025】
容器Cが固定されると、載置台133の孔およびその開口部を通じて容器C内に噴射口134から洗浄水が噴射される。容器Cの内側についた汚れを洗い流すためである。噴射口134はエアーコンプレッサー19(図2)からエアーの供給を受けて、圧力をかけて洗浄水を噴射する。洗浄水はただの水でもよいし、液体洗剤でもよい。
【0026】
洗浄水は給水槽135から供給される。図示例では、給水槽135を噴射口134より上部に配置し給水管136によって噴射口134まで給水している。これに限らず、噴射口134と同じ高さや、噴射口134より下部に配置することもできる。その場合は、ポンプを用いて給水を行うこととなる。
また、給水槽135を備えずに、外部から給水する構成とすることもできる。つまり、給水管136を水道に繋ぐわけである。
【0027】
噴射した洗浄水および容器内の汚れ(以下まとめて汚水と呼ぶ)は、容器Cの内壁を伝い、載置台133の網目を通って載置台133の下に設けられた受け口137へ流れる。受け口137は、容器Cの径より大きな開口を有する。汚水を漏らさず受けるためである。受け口137は漏斗になっており、受けた汚水を集めて吸引装置138へ流す。
【0028】
吸引装置138は、噴射口134と同様に、エアーコンプレッサー19(図2)からエアーの供給を受けて作動し、汚水を吸引する。つまり、吸引装置138は受け口137を通じて容器C内部の汚水を吸引する。
吸引装置138は、噴射口134の噴射と同時に作動してもよいし、少し遅れて(例えば1秒後に)作動してもよい。また、噴射口134の噴射の停止と同時に吸引を停止してもよいし、少し遅れて(例えば1秒後に)停止してもよい。後述する固定の解除が終わるまで吸引を続けてもよい。固定金具132が容器Cに貼り付いて容器Cが浮き上がってしまうのを防ぐためである。
吸引された汚水は、吸引装置138より下部にある排水槽16に貯められる(図3)。排水槽16の位置も給水槽135の位置と同様に図示例に限らない。
【0029】
<第二移送・減容>
洗浄が終わると、固定シリンダ131が伸び、固定金具132が容器Cから離れ、容器Cの固定を解除し、容器Cは第二移送手段14によって減容手段15に投下される(図6)。
第二移送手段14は、第二移送シリンダ141および移送金具142を備える(図4)。第二移送シリンダ141は、伸縮する装置であり、電気式でも油圧式でもよい。移送金具142はL字状の板材であり、第二移送シリンダ141の先端に取り付けられる。壁面123と同様に鉛直でもよいし、容器Cの形状に合わせて傾斜していてもよい。移送金具142の有する2面が90度より鋭角を成すことで、容器Cを捉えて、移送中に容器Cが移送経路から逸れるのを防ぐことができる。図7に示すとおり、移送金具142の形状はL字に限らず、容器Cの形に合わせた円弧状でもよい。
第二移送シリンダ141が伸びると、移送金具142が容器Cを押して、位置(2)から位置(3)へ移動させ、容器Cが載置台133の上から外れることで位置(4)まで落下する(図6)。
第二移送が完了すると第一移送手段12へ完了信号を送る。
【0030】
図8は、減容手段15が容器Cを減容する手順を表す説明側面図である。
減容手段15は、2本の回転軸151および2本のベルト152によって構成される。2本のベルトはV字状に配置され、その間に容器Cが投下され、圧し潰されることで、減容される。
2本のベルト152がそれぞれ内側(容器C側)で下向きに動く方向に2本の回転軸151がそれぞれ回転する。容器C(位置(4))は2本のベルト152の間を通過するように下方に送られ、2本のベルト152がV字状に配置されていることから容器Cは徐々に押しつぶされて変形していく。
これにより減容された容器C(位置(5))は、ベルト152の下端から落下し、収容箱17に収容される。つまり、収容箱17に洗浄・減容された容器が貯まっていく。
【0031】
ベルト152の下部に返しが付いているとよい。容器Cが減容時の圧力でベルト152に貼り付いてしまった時に剥がすためである。
また、2本のベルト152の両側(図面上、手前および奥)に側壁を設けるとよい。容器Cが逸脱するのを防ぐためである。
減容手段15は、図示例に限らず、容器Cを減容できる機構であれば従来の種々の技術を用いることができる。例えば、固定シリンダ131のように伸縮する装置によって縦または横から容器Cを圧し潰すことが考えられる。さらに、固定シリンダ131が、減容手段15を兼ねることも考えられる。
【0032】
<回収>
図1に示すとおり、飲み残し回収器18を備える。図2に示すとおり、飲み残し回収器18は、回収口181および回収管182からなる。回収口181は漏斗となっており下部に回収管182を備え、排水槽16に繋がっている。利用者には、氷などの飲み残しを回収口181に捨ててもらう。捨てられた飲み残しは、汚水とともに排水槽16に貯まっていく。
【0033】
図9は、容器、洗浄水、汚水および飲み残しの流れを表すフロー図である。
中央の列は容器の流れを表す。飲み残しを回収し、洗浄され、圧縮され、収容箱17に収容される。
また、給水槽から洗浄に使われる洗浄水が供給され、洗浄に使われた汚水は飲み残しとともに排水槽16に貯められる。
【0034】
排水槽16を備えず外部に直接排水する構成とすることもできる。つまり、回収管182を設置箇所(店舗)の排水管に接続するわけである。
【0035】
<電源>
図示例では、容器処理装置1は、外部から給電を受ける構成としている。つまり、電源プラグを設置箇所(店舗)のコンセントに接続する。
外部から給電せずに蓄電池(バッテリー)を備えるものとすることもできる。
【0036】
<処理の流れ>
図10は、処理の流れを表す時系列図である。
容器が投下されると、第一移送が行われ、その間はシャッターが閉じ、壁面123および水平面124が元の位置に戻るとシャッターが開く。
容器が移送されると固定手段が容器を固定し、洗浄が完了するまで押さえ続ける。洗浄中は吸引装置138が、汚水を吸引する。
洗浄が終わると第二移送を行う。第二移送が完了すると第一移送手段へ信号が送られ、投下口11から新規の容器が投下されている場合には、次の第一移送から第二移送までを繰り返し行う。こうして連続的に容器の処理が行われる。
【0037】
図11は、処理の流れを表すフロー図である。
まず、飲み残しを回収し、容器を投下させる。
投下された容器は洗浄場所へ移送され、同時にシャッターが閉じて移送中の新規な容器の投下を防ぐ。移送が完了するとシャッターが開く。
容器が洗浄場所へ移送されると、容器が固定される。
容器が固定されると、容器内部が洗浄され、同時に汚水が吸引される。
洗浄が完了すると、容器の固定が解除される。
固定が解除されると、減容場所へ移送される。移送が完了すると信号が第一移送手段へ送られる。
容器は減容されながら収容箱へ収容される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の容器処理装置は、使用済み使い捨て容器を店舗内で洗浄して容器をリサイクルしやすくし、減容することで輸送コストなどを低減することができ、
産業上利用できるばかりでなく、環境負荷を抑えることで、社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
【符号の説明】
【0039】
1 容器処理装置
10 筐体
11 投下口
12 第一移送手段
121 投下検知センサ
122 回転軸
123 壁面
124 水平面
125 ガイド板
126 第一移送シリンダ
13 洗浄手段
131 固定シリンダ
132 固定金具
133 載置台
134 噴射口
135 給水槽
136 給水管
137 受け口
138 吸引装置
14 第二移送手段
141 第二移送シリンダ
142 移送金具
15 減容手段
151 回転軸
152 ベルト
16 排水槽
17 収容箱
18 飲み残し回収器
181 回収口
182 回収管
19 エアーコンプレッサー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を投下する投下口と、
前記投下口から投下された前記容器が、開口部が下方とされた状態で載置される洗浄台と、
前記洗浄台に載置された前記容器の内側に、洗浄水を噴射する噴射口と、
噴射した洗浄水を吸引する吸引装置と、
壁面および水平面が一体となった第一移送手段と、を備え、
前記第一移送手段は、前記容器が前記洗浄台に載置されると移動を開始し、
前記第一移送手段が移動すると、前記壁面が前記容器を押すことによって前記容器を洗浄場所まで移送し、該第一移送手段の移動後には前記水平面にて前記投下口を塞ぐ、
容器処理装置。
【請求項2】
前記洗浄台に載置された前記容器を上方及び/又は側方から押さえる固定金具を、さらに備え、
前記噴射口は、前記固定金具によって押さえられた前記容器の内側に洗浄水を噴射する、
請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項3】
前記容器を挟み込んで圧縮減容する減容装置を、さらに備えた、
請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項4】
前記減容装置は、2本のベルトをV字状に配置し、その間に前記容器を挟み込むことで圧縮減容する、
請求項に記載の容器処理装置。
【請求項5】
伸縮可能なシリンダを有する第二移送手段を、さらに備え、
前記噴射口からあらかじめ定めた時間だけ洗浄水が噴射されると、前記シリンダが伸長し、
前記第二移送手段の前記シリンダが伸長すると、該シリンダが押すことによって前記容器を前記洗浄場所から2本の前記ベルトの間に落下させる、
請求項に記載の容器処理装置。