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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060524
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 11/283 20060101AFI20240424BHJP
   A47L 11/24 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A47L11/283
A47L11/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167957
(22)【出願日】2022-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大曽根 輝
(72)【発明者】
【氏名】尾関 良洋
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 広夢
(72)【発明者】
【氏名】田中 冬也
(57)【要約】
【課題】清掃装置の使用性を向上すること。
【解決手段】清掃装置は、本体と、本体を支持し、清掃対象面に接触した状態で回転する車輪と、回転力を発生するモータと、本体に支持され、モータの回転力及び車輪の回転力の一方の回転力に基づいて、清掃対象面のゴミを掻き上げるように回転するブラシと、モータからブラシへの回転力の伝達と車輪からブラシへの回転力の伝達とを切り換える駆動モード切換機構と、を備える。駆動モード切換機構により、ブラシの駆動モードが、モータの回転力によりブラシが回転するモータモードと、車輪の回転力によりブラシが回転する手押しモードとに切り換えられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体を支持し、清掃対象面に接触した状態で回転する車輪と、
回転力を発生するモータと、
前記本体に支持され、前記モータの回転力及び前記車輪の回転力の一方の回転力に基づいて、前記清掃対象面のゴミを掻き上げるように回転するブラシと、
前記モータから前記ブラシへの回転力の伝達と前記車輪から前記ブラシへの回転力の伝達とを切り換える駆動モード切換機構と、を備え、
前記駆動モード切換機構により、前記ブラシの駆動モードが、前記モータの回転力により前記ブラシが回転するモータモードと、前記車輪の回転力により前記ブラシが回転する手押しモードとに切り換えられる、
清掃装置。
【請求項2】
前記駆動モードの切り換えのために操作される駆動モード操作部を備える、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記駆動モード操作部は、前記本体の少なくとも一部に取り付けられるレバーを含む、
請求項2に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記手押しモードにおいて、前記車輪が前転するときに前記車輪から前記ブラシに回転力が伝達され、
前記車輪が後転するときに前記車輪から前記ブラシへの回転力の伝達を抑制する第1ワンウェイクラッチを備える、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記手押しモードにおいて、前記モータから前記ブラシへの回転力の伝達を抑制する第2ワンウェイクラッチを備える、
請求項4に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記モータの回転力を前記ブラシに伝達するモータ回転力伝達部と、
前記車輪の回転力を前記ブラシに伝達する車輪回転力伝達部と、を備え、
前記駆動モード切換機構は、前記モータ回転力伝達部と前記車輪回転力伝達部とに共用される共用部材を移動することによって、前記駆動モードを切り換える、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記共用部材は、回転部材を含み、
前記モータモードにおいて、前記モータの回転力が前記回転部材を介して前記ブラシに伝達され、
前記手押しモードにおいて、前記車輪の回転力が前記回転部材を介して前記ブラシに伝達される、
請求項6に記載の清掃装置。
【請求項8】
前記共用部材は、カムを含む、
請求項6に記載の清掃装置。
【請求項9】
前記カムは、第1伝達位置と第2伝達位置との間をスライドし、
前記モータモードにおいて、前記カムが前記第1伝達位置に配置され、
前記手押しモードにおいて、前記カムが前記第2伝達位置に配置される、
請求項8に記載の清掃装置。
【請求項10】
前記共用部材は、前記ブラシを回転させるブラシプーリに掛けられるブラシベルトと、前記ブラシベルトが掛けられた状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動する移動プーリと、を含み、
前記モータ回転力伝達部は、前記モータの回転力により回転するモータプーリを有し、
前記車輪回転力伝達部は、前記車輪の回転力によりにより回転する車輪プーリを有し、
前記モータモードにおいて、前記ブラシベルトが前記モータプーリに接触するように前記移動プーリが前記第1伝達位置に移動され、
前記手押しモードにおいて、前記ブラシベルトが前記車輪プーリに接触するように前記移動プーリが前記第2伝達位置に移動される、
請求項6に記載の清掃装置。
【請求項11】
前記モータの回転力により回転するモータプーリと、
前記車輪の回転力により回転する車輪プーリと、前記車輪プーリに掛けられる車輪ベルトと、
第1プーリ及び第2プーリのそれぞれを回転可能に支持した状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動するベース部材と、
前記モータプーリと前記第1プーリとに掛けられる中間ベルトと、を備え、
前記モータモードにおいて、前記車輪ベルトが前記第1プーリから離れて前記第2プーリに接触するように前記ベース部材が前記第1伝達位置に移動され、
前記手押しモードにおいて、前記車輪ベルトが前記第2プーリから離れて前記第1プーリに接触するように前記ベース部材が前記第2伝達位置に移動される、
請求項1に記載の清掃装置。
【請求項12】
前記モータの出力軸を示す第1出力軸と、
前記第1出力軸と同軸に配置され、前記ブラシを回転させるブラシプーリの入力軸を示す第1入力軸と、
前記車輪の出力軸を示す第2出力軸と、
前記第2出力軸と同軸に配置される第2入力軸と、
前記第1出力軸と前記第1入力軸との結合と結合解除とを切り換える第1クラッチ機構と、
前記第2出力軸と前記第2入力軸との結合と結合解除とを切り換える第2クラッチ機構と、を備え、
前記モータモードにおいて、前記第1出力軸と前記第1入力軸とが結合され、前記第2出力軸と前記第2入力軸との結合が解除されるように、前記第1クラッチ機構及び前記第2クラッチ機構が作動され、
前記手押しモードにおいて、前記第1出力軸と前記第1入力軸との結合が解除され、前記第2出力軸と前記第2入力軸とが結合されるように、前記第1クラッチ機構及び前記第2クラッチ機構が作動され、前記車輪の回転力が前記第1入力軸と前記第2入力軸とに掛けられた伝達ベルトにより前記ブラシプーリに伝達される、
請求項1に記載の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなスイーパが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第10309991号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃装置のブラシは、モータが発生する回転力に基づいて回転する。例えばモータの電源が喪失した場合においても、清掃装置のブラシを回転させることができれば、清掃装置の使用性の向上が期待できる。
【0005】
本明細書で開示する技術は、清掃装置の使用性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、清掃装置を開示する。清掃装置は、本体と、本体を支持し、清掃対象面に接触した状態で回転する車輪と、回転力を発生するモータと、本体に支持され、モータの回転力及び車輪の回転力の一方の回転力に基づいて、清掃対象面のゴミを掻き上げるように回転するブラシと、モータからブラシへの回転力の伝達と車輪からブラシへの回転力の伝達とを切り換える駆動モード切換機構と、を備えてもよい。駆動モード切換機構により、ブラシの駆動モードが、モータの回転力によりブラシが回転するモータモードと、車輪の回転力によりブラシが回転する手押しモードとに切り換えられてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、清掃装置の使用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る清掃装置を左後方から見た図である。
図2図2は、第1実施形態に係る清掃装置を上方から見た図である。
図3図3は、第1実施形態に係る清掃装置を右方から見た図である。
図4図4は、第1実施形態に係る清掃装置の一部を右前方から見た図である。
図5図5は、第1実施形態に係る駆動モード切換機構を右前方から見た図である。
図6図6は、第1実施形態に係る駆動モード切換機構を上方から見た図である。
図7図7は、第1実施形態に係る駆動モード切換機構の一部を上方から見た断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係るブラシの駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係るブラシの駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るブラシの駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係るブラシの駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図12図12は、第3実施形態に係るブラシの駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図13図13は、第3実施形態に係るブラシの駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図14図14は、第3実施形態に係る駆動モード切換機構の一部を模式的に示す図である。
図15図15は、第4実施形態に係るブラシの駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。
図16図16は、第4実施形態に係るブラシの駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1つ又はそれ以上の実施形態において、清掃装置は、本体と、本体を支持し、清掃対象面に接触した状態で回転する車輪と、回転力を発生するモータと、本体に支持され、モータの回転力及び車輪の回転力の一方の回転力に基づいて、清掃対象面のゴミを掻き上げるように回転するブラシと、モータからブラシへの回転力の伝達と車輪からブラシへの回転力の伝達とを切り換える駆動モード切換機構と、を備えてもよい。駆動モード切換機構により、ブラシの駆動モードが、モータの回転力によりブラシが回転するモータモードと、車輪の回転力によりブラシが回転する手押しモードとに切り換えられてもよい。
【0010】
上記の構成では、モータモードにおいて、ブラシはモータが発生する回転力に基づいて回転することができる。例えばモータの電源が喪失した場合、モータモードから手押しモードに切り換えられることにより、ブラシは車輪の回転力に基づいて回転することができる。これにより、清掃装置の使用性が向上される。
【0011】
1つ又はそれ以上の実施形態において、清掃装置は、駆動モードの切り換えのために操作される駆動モード操作部を備えてもよい。
【0012】
上記の構成では、清掃装置の使用者の意思に基づいて、モータモードと手押しモードとが切り換えられる。
【0013】
1つ又はそれ以上の実施形態において、駆動モード操作部は、本体の少なくとも一部に取り付けられるレバーを含んでもよい。
【0014】
上記の構成では、使用者はレバーを操作するだけで、モータモードと手押しモードとを切り換えることができる。
【0015】
1つ又はそれ以上の実施形態において、手押しモードにおいて、車輪が前転するときに車輪からブラシに回転力が伝達されてもよい。清掃装置は、車輪が後転するときに車輪からブラシへの回転力の伝達を抑制する第1ワンウェイクラッチを備えてもよい。
【0016】
上記の構成では、車輪の回転方向に基づいてブラシの回転方向が決定される場合において、車輪が前転するときにブラシがゴミを掻き上げることができ、車輪が後転するときにブラシがゴミを掻き上げることができない場合、車輪が後転するときに車輪からブラシへの回転力の伝達が抑制されることにより、ゴミが清掃対象面に逆流することが抑制される。
【0017】
1つ又はそれ以上の実施形態において、清掃装置は、手押しモードにおいて、モータからブラシへの回転力の伝達を抑制する第2ワンウェイクラッチを備えてもよい。
【0018】
上記の構成では、手押しモードにおいて、モータの回転力と車輪の回転力との両方の回転力がブラシに伝達されることが抑制される。
【0019】
1つ又はそれ以上の実施形態において、清掃装置は、モータの回転力をブラシに伝達するモータ回転力伝達部と、車輪の回転力をブラシに伝達する車輪回転力伝達部と、を備えてもよい。駆動モード切換機構は、モータ回転力伝達部と車輪回転力伝達部とに共用される共用部材を移動することによって、駆動モードを切り換えてもよい。
【0020】
上記の構成では、共用部材を移動させるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0021】
1つ又はそれ以上の実施形態において、共用部材は、回転部材を含んでもよい。モータモードにおいて、モータの回転力が回転部材を介してブラシに伝達され、手押しモードにおいて、車輪の回転力が回転部材を介してブラシに伝達されてもよい。
【0022】
上記の構成では、回転部材を移動させるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0023】
1つ又はそれ以上の実施形態において、共用部材は、カムを含んでもよい。
【0024】
上記の構成では、カムを移動させるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0025】
1つ又はそれ以上の実施形態において、カムは、第1伝達位置と第2伝達位置との間をスライドしてもよい。モータモードにおいて、カムが第1伝達位置に配置され、手押しモードにおいて、カムが第2伝達位置に配置されてもよい。
【0026】
上記の構成では、カムをスライドさせるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0027】
1つ又はそれ以上の実施形態において、共用部材は、ブラシを回転させるブラシプーリに掛けられるブラシベルトと、ブラシベルトが掛けられた状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動する移動プーリと、を含んでもよい。モータ回転力伝達部は、モータの回転力により回転するモータプーリを有してもよい。車輪回転力伝達部は、車輪の回転力により回転する車輪プーリを有してもよい。モータモードにおいて、ブラシベルトがモータプーリに接触するように移動プーリが第1伝達位置に移動され、手押しモードにおいて、ブラシベルトが車輪プーリに接触するように移動プーリが第2伝達位置に移動されてもよい。
【0028】
上記の構成では、移動プーリを介してブラシベルトを移動させるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0029】
1つ又はそれ以上の実施形態において、清掃装置は、モータの回転力により回転するモータプーリと、車輪の回転力により回転する車輪プーリと、車輪プーリに掛けられる車輪ベルトと、第1プーリ及び第2プーリのそれぞれを回転可能に支持した状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動するベース部材と、モータプーリと第1プーリとに掛けられる中間ベルトと、を備えてもよい。モータモードにおいて、車輪ベルトが第1プーリから離れて第2プーリに接触するようにベース部材が第1伝達位置に移動され、手押しモードにおいて、車輪ベルトが第2プーリから離れて第1プーリに接触するようにベース部材が第2伝達位置に移動されてもよい。
【0030】
上記の構成では、ベース部材を移動させるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0031】
1つ又はそれ以上の実施形態において、清掃装置は、モータの出力軸を示す第1出力軸と、第1出力軸と同軸に配置され、ブラシを回転させるブラシプーリの入力軸を示す第1入力軸と、車輪の出力軸を示す第2出力軸と、第2出力軸と同軸に配置される第2入力軸と、第1出力軸と第1入力軸との結合と結合解除とを切り換える第1クラッチ機構と、第2出力軸と第2入力軸との結合と結合解除とを切り換える第2クラッチ機構と、を備えてもよい。モータモードにおいて、第1出力軸と第1入力軸とが結合され、第2出力軸と第2入力軸との結合が解除されるように、第1クラッチ機構及び第2クラッチ機構が作動されてもよい。手押しモードにおいて、第1出力軸と第1入力軸との結合が解除され、第2出力軸と第2入力軸とが結合されるように、第1クラッチ機構及び第2クラッチ機構が作動され、車輪の回転力が第1入力軸と第2入力軸とに掛けられた伝達ベルトによりブラシプーリに伝達されてもよい。
【0032】
上記の構成では、第1クラッチ機構及び第2クラッチ機構を作動させるだけで、ブラシの駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0033】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0034】
実施形態においては、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、清掃装置の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。
【0035】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る清掃装置1Aを左後方から見た図である。図2は、本実施形態に係る清掃装置1Aを上方から見た図である。図3は、本実施形態に係る清掃装置1Aを右方から見た図である。図4は、本実施形態に係る清掃装置1Aの一部を右前方から見た図である。
【0036】
図1図2図3、及び図4に示すように、清掃装置1Aは、本体2と、車輪3と、ハンドル4と、ブラシ5と、ダストボックス6と、モータ7と、駆動モード切換機構8とを備える。
【0037】
本体2は、ブラシ5、ダストボックス6、モータ7、及び駆動モード切換機構8のそれぞれを支持する。車輪3は、本体2を支持する。車輪3は、回転可能に本体2に取り付けられる。車輪3の回転軸は、左右方向に延びる。車輪3は、清掃対象面に接触した状態で回転する。車輪3が清掃対象面に接触した状態で回転することにより、清掃装置1Aが清掃対象面を走行する。車輪3は、左車輪3Lと、右車輪3Rとを含む。ハンドル4は、本体2の後部に連結される。清掃装置1Aの使用者は、ハンドル4を握った状態で、清掃装置1Aを前進させたり後進させたりすることができる。車輪3が前転することにより、清掃装置1Aが前進する。車輪3が後転することにより、清掃装置1Aが後進する。本体2がハンドル4を介して使用者により前方に押されることにより、車輪3が前転する。本体2がハンドル4を介して使用者により後方に引かれることにより、車輪3が後転する。
【0038】
ブラシ5は、本体2に回転可能に支持される。ブラシ5は、清掃対象面に対向する。ブラシ5は、前後方向に2つ配置される。ブラシ5は、清掃対象面のゴミを掻き上げるように回転する。ブラシ5により掻き上げられたゴミは、ダストボックス6に送られる。ダストボックス6は、ブラシ5により掻き上げられたゴミを収容する。モータ7は、回転力を発生する。モータ7は、例えばインナロータ型のブラシレスモータである。
【0039】
ブラシ5は、モータ7の回転力及び車輪3の回転力の一方の回転力に基づいて回転する。モータ7の回転力は、駆動モード切換機構8を介してブラシ5に伝達される。車輪3の回転力は、駆動モード切換機構8を介してブラシ5に伝達される。駆動モード切換機構8は、モータ7からブラシ5への回転力の伝達と、車輪3からブラシ5への回転力の伝達とを切り換えることができる。以下の説明において、モータ7から伝達される回転力によりブラシ5が回転する駆動モードを適宜、モータモード、と称し、車輪3から伝達される回転力によりブラシ5が回転する駆動モードを適宜、手押しモード、と称する。駆動モード切換機構8により、ブラシ5の駆動モードが、モータ7の回転力によりブラシ5が回転するモータモードと、車輪3の回転力によりブラシ5が回転する手押しモードとに切り換えられる。
【0040】
図5は、本実施形態に係る駆動モード切換機構8を右前方から見た図である。図6は、本実施形態に係る駆動モード切換機構8を上方から見た図である。図7は、本実施形態に係る駆動モード切換機構8の一部を上方から見た断面図である。図5図6、及び図7のそれぞれは、清掃装置1Aから本体2の一部のパーツを除去した図に相当する。
【0041】
駆動モード切換機構8は、支持シャフト9と、ブラシプーリ10と、ブラシベルト11と、ガイドロッド12と、スライドカム13と、モータ回転力伝達部14と、車輪回転力伝達部15とを有する。
【0042】
支持シャフト9は、ベアリング16及びベアリング17により本体2の一部に回転可能に支持される。支持シャフト9の左端部は、カップリング18を介してシャフト19の右端部に連結される。図1及び図2に示すように、シャフト19の左部は、ベアリング20を介して本体2の一部に支持される。シャフト19の左端部にプーリ21が設けられる。左車輪3Lに車輪プーリ22が設けられる。プーリ21と車輪プーリ22とにベルト23が掛けられる。
【0043】
ブラシプーリ10は、ブラシ5を回転させる。ブラシ5は、ブラシプーリ10に同期して回転する。本実施形態において、ブラシプーリ10を回転させることは、ブラシ5を回転させることを意味する。ブラシプーリ10は、ベアリング24を介して支持シャフト9に支持される。ブラシ5の右端部に入力プーリ25が設けられる。ブラシベルト11は、ブラシプーリ10と入力プーリ25とに掛けられる。なお、本体2の右端部には、ブラシベルト11を支持する複数の支持プーリ26が設けられる。本実施形態において、支持プーリ26は、2つ設けられる。2つの支持プーリ26のうち、一方の支持プーリ26は、ばねに支持される。一方の支持プーリ26は、例えば他方の支持プーリ26との相対位置を変更可能なアイドルプーリである。ブラシプーリ10が回転することにより、入力プーリ25が回転する。入力プーリ25が回転することにより、ブラシ5が回転する。ブラシプーリ10が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0044】
ガイドロッド12は、ブラシプーリ10に固定される。ガイドロッド12は、ブラシプーリ10から左方に突出する。ガイドロッド12は、複数設けられる。
【0045】
スライドカム13は、ガイドロッド12に移動可能に支持される。スライドカム13は、ガイドロッド12にガイドされながら左右方向に移動することができる。スライドカム13は、第1伝達位置と、第1伝達位置よりも右側の第2伝達位置との間をスライドすることができる。
【0046】
モータ回転力伝達部14は、モータ7の回転力をブラシ5に伝達する。モータ回転力伝達部14は、モータ7の回転力を第1伝達位置に配置されたスライドカム13に伝達する。モータ回転力伝達部14は、モータプーリ27と、第1プーリ28と、モータベルト29と、スライドカム13とを有する。モータプーリ27は、動力伝達機構31の出力シャフト30の先端部に設けられる。モータ7の回転力は、動力伝達機構31を介して出力シャフト30に伝達される。モータプーリ27は、モータ7の回転力により回転する。
【0047】
第1プーリ28は、ベアリング32を介して支持シャフト9に支持される。第1プーリ28の内周部にリング33が固定される。ベアリング32は、リング33の内周面の左部を支持する。リング33の内周面の右部にカム34が設けられる。スライドカム13の左部にカム35が設けられる。スライドカム13が第1伝達位置に配置されると、カム34とカム35とが噛み合う。
【0048】
モータベルト29は、モータプーリ27と第1プーリ28とに掛けられる。モータ7の駆動により出力シャフト30が回転し、モータプーリ27が回転する。モータプーリ27が回転すると、モータベルト29を介して第1プーリ28が回転される。
【0049】
車輪回転力伝達部15は、車輪3の回転力をブラシ5に伝達する。車輪回転力伝達部15は、車輪3の回転力を第2伝達位置に配置されたスライドカム13に伝達する。車輪回転力伝達部15は、車輪プーリ36と、中継プーリ37と、第2プーリ38と、車輪ベルト39と、中継ベルト40と、スライドカム13とを有する。車輪プーリ36は、右車輪3Rの回転力により回転する。車輪プーリ36は、右車輪3Rと一緒に回転する。中継プーリ37は、本体2の右部に支持される。第2プーリ38は、支持シャフト9の右端部に配置される。車輪ベルト39は、車輪プーリ36と中継プーリ37とに掛けられる。中継ベルト40は、中継プーリ37と第2プーリ38とに掛けられる。右車輪3Rの回転力は、車輪プーリ36、車輪ベルト39、中継プーリ37、及び中継ベルト40を介して第2プーリ38に伝達される。
【0050】
支持シャフト9にカム41が固定される。カム41は、カム34よりも右側に配置される。スライドカム13の右部にカム42が設けられる。スライドカム13が第2伝達位置に配置されると、カム41とカム42とが噛み合う。
【0051】
モータ回転力伝達部14と車輪回転力伝達部15とは、スライドカム13を共用する。スライドカム13は、モータ回転力伝達部14と車輪回転力伝達部15とに共用される共用部材である。スライドカム13は、ガイドロッド12を介してブラシプーリ10と一緒に回転可能な回転部材である。駆動モード切換機構8は、モータ回転力伝達部14と車輪回転力伝達部15とに共用されるスライドカム13を左右方向に移動することによって、ブラシ5の駆動モードを切り換える。
【0052】
モータモードにおいて、スライドカム13が第1伝達位置に配置される。手押しモードにおいて、スライドカム13が第2伝達位置に配置される。モータモードにおいて、モータ7の回転力がスライドカム13を介してブラシ5に伝達される。手押しモードにおいて、車輪3の回転力がスライドカム13を介してブラシ5に伝達される。実施形態においては、ブラシ5の駆動モードを切り換えるために使用者に操作される駆動モード操作部が設けられる。一例として、駆動モード操作部は、ハンドル4に取り付けられるレバー43(図1参照)を含む。例えばレバー43が使用者に操作されることにより、スライドカム13が第1伝達位置と第2伝達位置との間をスライドする。なお、駆動モード操作部は、レバー43に限定されない。
【0053】
図8は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。図9は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
【0054】
図8に示すように、モータモードにおいて、スライドカム13が第1伝達位置に配置される。第1伝達位置に配置されたスライドカム13のカム35と第1プーリ28のカム34とが噛み合う。カム35とカム34とが噛み合うことにより、第1プーリ28がベアリング32を介して支持シャフト9に支持された状態で回転した場合、スライドカム13は第1プーリ28と一緒に回転する。モータ7が駆動すると、モータ7の回転力は、モータプーリ27及びモータベルト29を介して第1プーリ28に伝達される。これにより、第1プーリ28は、モータ7の回転力に基づいて回転する。カム35とカム34とが噛み合っているので、第1プーリ28が回転することにより、スライドカム13が第1プーリ28と一緒に回転する。スライドカム13とブラシプーリ10とは、ガイドロッド12を介して連結されている。スライドカム13が回転することにより、ブラシプーリ10は、ベアリング24を介して支持シャフト9に支持された状態で回転する。上述のように、本実施形態において、ブラシプーリ10を回転させることは、ブラシ5を回転させることを意味する。ブラシプーリ10が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0055】
モータ7は、電動モータである。例えばモータ7の電源が喪失した場合、使用者は、レバー43を操作して、モータモードから手押しモードに切り換えることができる。なお、本体2に電源としてバッテリパックが搭載されている場合、電源が喪失する状態は、バッテリパックの残容量が無くなった状態を含む。モータ7の電源が商用電源である場合、電源が喪失する状態は、停電等により商用電源から電力を得られなくなった状態を含む。本実施形態においては、モータ7の電源が喪失しても、使用者は、モータモードから手押しモードに切り換えて、車輪3を回転させることにより、清掃装置1Aのブラシ5を回転させることができる。すなわち、モータ7の電源が喪失しても、使用者は、清掃装置1Aを前進させることにより、ブラシ5を回転させることができる。これにより、清掃装置1Aの使用性が向上する。
【0056】
図9に示すように、手押しモードにおいて、スライドカム13が第2伝達位置に配置される。スライドカム13が第2伝達位置に配置されることにより、第1プーリ28とスライドカム13とが分離される。第2伝達位置に配置されたスライドカム13のカム42と支持シャフト9に固定されているカム41とが噛み合う。カム42とカム41とが噛み合うことにより、スライドカム13は、支持シャフト9と一緒に回転することができる。使用者により清掃装置1Aが前進するように押されると、車輪3が前転する。右車輪3Rの回転力は、車輪プーリ36、車輪ベルト39、中継プーリ37、及び中継ベルト40を介して第2プーリ38に伝達される。これにより、第2プーリ38は、右車輪3Rの回転力に基づいて回転する。また、左車輪3Lの回転力は、車輪プーリ22及びベルト23を介してプーリ21に伝達される。これにより、プーリ21は、左車輪3Lの回転力に基づいて回転する。第2プーリ38が回転することにより、支持シャフト9が回転する。また、プーリ21の回転力は、シャフト19及びカップリング18を介して支持シャフト9に伝達される。本実施形態において、車輪プーリ22及び車輪プーリ36のそれぞれにワンウェイクラッチが設けられる。ワンウェイクラッチにより、支持シャフト9は、第2プーリ38及びプーリ21のうち、回転数が高い方のプーリの回転力に基づいて回転する。カム42とカム41とが噛み合っているので、支持シャフト9が回転することにより、スライドカム13が支持シャフト9と一緒に回転する。スライドカム13とブラシプーリ10とは、ガイドロッド12を介して連結されている。スライドカム13が回転することにより、ブラシプーリ10は、ベアリング24を介して支持シャフト9に支持された状態で回転する。上述のように、本実施形態において、ブラシプーリ10を回転させることは、ブラシ5を回転させることを意味する。ブラシプーリ10が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0057】
手押しモードにおいて、清掃装置1Aが前進するときに、すなわち、車輪3が前転するときに、車輪3からブラシ5に回転力が伝達される。上述のように、車輪プーリ22及び車輪プーリ36のそれぞれには、ワンウェイクラッチが設けられている。ワンウェイクラッチは、清掃装置1Aが後進するときに、すなわち、車輪3が後転するときに、車輪3からブラシ5への回転力の伝達を抑制する。手押しモードにおいて、使用者は、清掃装置1Aを前進させることにより、ブラシ5を回転させることができる。手押しモードにおいて、清掃装置1Aが後進されても、ワンウェイクラッチの機能により、ブラシ5は回転しない。ワンウェイクラッチが無い場合、清掃装置1Aが後進されたとき、ブラシ5はゴミを掻き上げるように回転することができない。ワンウェイクラッチが無い場合、ブラシ5が逆方向に回転してしまうので、ブラシ5よりも上方に存在するゴミが清掃対象面に排出されてしまう可能性がある。すなわち、ブラシ5よりも上方に存在するゴミが清掃対象面に逆流してしまう可能性がある。本実施形態においては、ワンウェイクラッチにより、清掃装置1Aが後進された場合、ブラシ5は回転しない。これにより、ゴミの逆流が抑制される。
【0058】
以上説明したように、本実施形態において、清掃装置1Aは、本体2と、本体2を支持し、清掃対象面に接触した状態で回転する車輪3と、回転力を発生するモータ7と、本体2に支持され、モータ7の回転力及び車輪3の回転力の一方の回転力に基づいて、清掃対象面のゴミを掻き上げるように回転するブラシ5と、モータ7からブラシ5への回転力の伝達と車輪3からブラシ5への回転力の伝達とを切り換える駆動モード切換機構8と、を備える。駆動モード切換機構8により、ブラシ5の駆動モードが、モータ7の回転力によりブラシ5が回転するモータモードと、車輪3の回転力によりブラシ5が回転する手押しモードとに切り換えられる。
【0059】
上記の構成では、モータモードにおいて、ブラシ5はモータ7が発生する回転力に基づいて回転することができる。例えばモータ7の電源が喪失した場合、モータモードから手押しモードに切り換えられることにより、ブラシ5は車輪3の回転力に基づいて回転することができる。これにより、清掃装置1Aの使用性が向上される。
【0060】
本実施形態において、清掃装置1Aは、駆動モードの切り換えのために操作される駆動モード操作部を備える。
【0061】
上記の構成では、清掃装置1Aの使用者の意思に基づいて、モータモードと手押しモードとが切り換えられる。
【0062】
本実施形態において、駆動モード操作部は、本体2の少なくとも一部に取り付けられるレバー43を含む。
【0063】
上記の構成では、使用者はレバー43を操作するだけで、モータモードと手押しモードとを切り換えることができる。
【0064】
本実施形態において、清掃装置1Aは、モータ7の回転力をブラシ5に伝達するモータ回転力伝達部14と、車輪3の回転力をブラシ5に伝達する車輪回転力伝達部15と、を備える。駆動モード切換機構8は、モータ回転力伝達部14と車輪回転力伝達部15とに共用される共用部材を移動することによって、駆動モードを切り換える。
【0065】
上記の構成では、共用部材を移動させるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0066】
本実施形態において、共用部材は、回転部材を含む。モータモードにおいて、モータ7の回転力が回転部材を介してブラシ5に伝達され、手押しモードにおいて、車輪3の回転力が回転部材を介してブラシ5に伝達される。
【0067】
上記の構成では、回転部材を移動させるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0068】
本実施形態において、共用部材は、スライドカム13を含む。
【0069】
上記の構成では、スライドカム13を移動させるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0070】
本実施形態において、スライドカム13は、第1伝達位置と第2伝達位置との間をスライドする。モータモードにおいて、スライドカム13が第1伝達位置に配置される。手押しモードにおいて、スライドカム13が第2伝達位置に配置される。
【0071】
上記の構成では、スライドカム13をスライドさせるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0072】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号又は名称を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0073】
図10は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。図11は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
【0074】
図10及び図11に示すように、本実施形態に係る清掃装置1Bは、モータプーリ44と、第1車輪プーリ45と、第2車輪プーリ46と、ブラシプーリ47と、移動プーリ48と、支持プーリ49と、支持プーリ50と、ブラシベルト51と、車輪ベルト52とを備える。
【0075】
モータプーリ44は、モータ7の回転力により回転する。モータプーリ44は、例えばモータ7の出力シャフトにダイレクトに固定されてもよい。
【0076】
第1車輪プーリ45及び第2車輪プーリ46のそれぞれは、車輪3の回転力により回転する。第1車輪プーリ45は、車輪3に固定される。第1車輪プーリ45は、車輪3と一緒に回転する。車輪ベルト52は、第1車輪プーリ45と第2車輪プーリ46とに掛けられる。車輪3が回転して第1車輪プーリ45が回転すると、車輪ベルト52を介して第1車輪プーリ45に連結されている第2車輪プーリ46が、第1車輪プーリ45と一緒に回転する。
【0077】
なお、図示は省略するが、上述の実施形態と同様、車輪3は、左車輪3Lと右車輪3Rとを含む。左車輪3L及び右車輪3Rのそれぞれの回転力が第2車輪プーリ46に伝達される。また、車輪3(3L,3R)に固定される第1車輪プーリ45にワンウェイクラッチが設けられる。ワンウェイクラッチは、車輪3が後転するときに、車輪3からブラシ5への回転力の伝達を抑制する。ワンウェイクラッチにより、清掃装置1Bが後進された場合、ブラシ5は回転しない。これにより、ゴミの逆流が抑制される。
【0078】
ブラシプーリ47は、ブラシ5を回転させる。本実施形態において、ブラシプーリ47は、ブラシ5に固定される。ブラシプーリ47の回転軸とブラシ5の回転軸とは、一致する。ブラシプーリ47にブラシベルト51が掛けられる。
【0079】
移動プーリ48は、本体2に移動可能に支持される。移動プーリ48は、ブラシベルト51が掛けられた状態で第1伝達位置と第1伝達位置よりも前方の第2伝達位置とに移動することができる。支持プーリ49及び支持プーリ50のそれぞれは、ブラシベルト51の一部を支持する。
【0080】
本実施形態において、モータ7の回転力をブラシ5に伝達するモータ回転力伝達部14は、モータプーリ44と、移動プーリ48と、ブラシベルト51とを含む。車輪3の回転力をブラシ5に伝達する車輪回転力伝達部15は、第1車輪プーリ45と、第2車輪プーリ46と、移動プーリ48と、ブラシベルト51とを含む。駆動モード切換機構8は、モータ回転力伝達部14と車輪回転力伝達部15とに共用される共用部材を移動することによって、ブラシ5の駆動モードを切り換える。本実施形態において、共用部材は、ブラシ5を回転させるブラシプーリ47に掛けられるブラシベルト51と、ブラシベルト51が掛けられた状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動する移動プーリ48と、を含む。
【0081】
図10に示すように、モータモードにおいて、ブラシベルト51がモータプーリ44に接触するように移動プーリ48が第1伝達位置に移動される。移動プーリ48が第1伝達位置に配置されることにより、ブラシベルト51の一部がモータプーリ44に接触する。移動プーリ48が第1伝達位置に配置されることにより、ブラシベルト51が第2車輪プーリ46から離れる。モータ7が駆動すると、モータプーリ44が回転する。ブラシベルト51がモータプーリ44に接触した状態でモータ7が駆動することにより、ブラシベルト51は、モータプーリ44の回転により回転する。ブラシベルト51が回転することにより、ブラシベルト51に掛けられているブラシプーリ47が回転する。ブラシプーリ47が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0082】
図11に示すように、手押しモードにおいて、ブラシベルト51が第2車輪プーリ46に接触するように移動プーリ48が第2伝達位置に移動される。移動プーリ48が第2伝達位置に配置されることにより、ブラシベルト51の一部が第2車輪プーリ46に接触する。移動プーリ48が第2伝達位置に配置されることにより、ブラシベルト51がモータプーリ44から離れる。車輪3が回転すると、第1車輪プーリ45が回転する。第1車輪プーリ45が回転すると、車輪ベルト52を介して第2車輪プーリ46が回転する。ブラシベルト51が第2車輪プーリ46に接触した状態で車輪3が駆動することにより、ブラシベルト51は、第2車輪プーリ46の回転により回転する。ブラシベルト51が回転することにより、ブラシベルト51に掛けられているブラシプーリ47が回転する。ブラシプーリ47が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態において、共用部材は、ブラシ5を回転させるブラシプーリ47に掛けられるブラシベルト51と、ブラシベルト51が掛けられた状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動する移動プーリ48と、を含む。モータ回転力伝達部14は、モータ7の回転力により回転するモータプーリ44を有する。車輪回転力伝達部15は、車輪3の回転力によりにより回転する第2車輪プーリ46を有する。モータモードにおいて、ブラシベルト51がモータプーリ44に接触するように移動プーリ48が第1伝達位置に移動される。手押しモードにおいて、ブラシベルト51が第2車輪プーリ46に接触するように移動プーリ48が第2伝達位置に移動される。
【0084】
上記の構成では、移動プーリ48を介してブラシベルト51を移動させるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0085】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号又は名称を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0086】
図12は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。図13は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。図14は、本実施形態に係る駆動モード切換機構の一部を模式的に示す図である。
【0087】
図12図13、及び図14に示すように、本実施形態に係る清掃装置1Cは、モータプーリ56と、車輪プーリ61と、ブラシプーリ57と、第1プーリ55と、第2プーリ54と、ベース部材53と、支持プーリ62と、支持プーリ63と、車輪ベルト64と、中間ベルト60と、第1ブラシベルト58と、第2ブラシベルト59とを備える。
【0088】
モータプーリ56は、モータ7の出力シャフト66に取り付けられる。図14に示すように、モータプーリ56は、1つのモータプーリ56Aと、2つのモータプーリ56Bとを含む。モータプーリ56Aは、ワンウェイクラッチ67を介してモータ7の出力シャフト66に取り付けられる。2つのモータプーリ56Bは、モータ7の出力シャフト66にダイレクトに固定される。出力シャフト66は、ワンウェイクラッチ68を介してモータ7に接続される。
【0089】
車輪プーリ61は、車輪3の回転力により回転する。車輪プーリ61は、車輪3に固定される。車輪プーリ61は、車輪3と一緒に回転する。
【0090】
ブラシプーリ57は、ブラシ5を回転させる。本実施形態において、ブラシプーリ57は、ブラシ5に固定される。ブラシプーリ57の回転軸とブラシ5の回転軸とは、一致する。
【0091】
第1プーリ55は、ベース部材53に回転可能に支持される。第2プーリ54は、ベース部材53に回転可能に支持される。第1プーリ55と第2プーリ54とは、離れている。第2プーリ54は、第1プーリ55よりも上方に配置される。
【0092】
ベース部材53は、第1プーリ55及び第2プーリ54のそれぞれを回転可能に支持した状態で第1伝達位置と第1伝達位置よりも上方の第2伝達位置とに移動する。ベース部材53は、本体2に移動可能に支持される。
【0093】
車輪ベルト64は、車輪プーリ61に掛けられる。車輪ベルト64の一部は、第1プーリ55と第2プーリ54との間に配置される。車輪ベルト64は、第1プーリ55又は第2プーリ54に接触する。支持プーリ62及び支持プーリ63のそれぞれは、車輪ベルト64の一部を支持する。本実施形態において、支持プーリ62は、ばねに支持される。支持プーリ62は、例えば支持プーリ63との相対位置を変更可能なアイドルプーリである。なお、支持プーリ63が、アイドルプーリでもよい。
【0094】
中間ベルト60は、モータプーリ56Aと第1プーリ55とに掛けられる。第1ブラシベルト58は、一方のモータプーリ56Bと一方のブラシプーリ57とに掛けられる。第2ブラシベルト59は、他方のモータプーリ56Bと他方のブラシプーリ57とに掛けられる。
【0095】
本実施形態において、モータ7の回転力をブラシ5に伝達するモータ回転力伝達部14は、モータプーリ56Bと、第1ブラシベルト58と、第2ブラシベルト59とを含む。車輪3の回転力をブラシ5に伝達する車輪回転力伝達部15は、車輪プーリ61と、車輪ベルト64と、第1プーリ55と、中間ベルト60と、モータプーリ56Aと、第1ブラシベルト58と、第2ブラシベルト59とを含む。
【0096】
図12に示すように、モータモードにおいて、車輪ベルト64が第1プーリ55から離れて第2プーリ54に接触するように、ベース部材53が第1伝達位置に移動される。ベース部材53が第1伝達位置に配置され、車輪ベルト64が第1プーリ55から離れることにより、車輪3の回転力は、モータプーリ56に伝達されない。モータ7が駆動し、出力シャフト66が回転すると、モータプーリ56Bが回転する。モータプーリ56Bが回転することにより、モータプーリ56Bに掛けられている第1ブラシベルト58及び第2ブラシベルト59が回転する。第1ブラシベルト58及び第2ブラシベルト59が回転することにより、2つのブラシ5のそれぞれが回転する。ワンウェイクラッチ67により、出力シャフト66が回転しても、モータプーリ56Aは回転しない。すなわち、ワンウェイクラッチ67により出力シャフト66の回転力は、モータプーリ56Aには伝達されない。モータプーリ56Aが回転しないので、中間ベルト60も回転しない。
【0097】
図13に示すように、手押しモードにおいて、車輪ベルト64が第2プーリ54から離れて第1プーリ55に接触するように、ベース部材53が第2伝達位置に配置される。ベース部材53が第2伝達位置に配置され、車輪ベルト64が第1プーリ55に接触することにより、車輪3の回転力は、モータプーリ56Aに伝達される。すなわち、車輪3の回転により車輪プーリ61が回転すると、車輪ベルト64を介して第1プーリ55が回転する。第1プーリ55が回転すると、中間ベルト60を介してモータプーリ56Aが回転する。モータプーリ56Aの回転力は、ワンウェイクラッチ67を介して出力シャフト66に伝達される。出力シャフト66の回転力は、モータプーリ56Bに伝達される。ワンウェイクラッチ68により、出力シャフト66の回転力がモータ7に伝達されることが抑制される。モータプーリ56Bが回転することにより、モータプーリ56Bに掛けられている第1ブラシベルト58及び第2ブラシベルト59が回転する。第1ブラシベルト58及び第2ブラシベルト59が回転することにより、2つのブラシ5のそれぞれが回転する。
【0098】
図13に示すように、車輪プーリ61にワンウェイクラッチ65が設けられる。手押しモードにおいて、清掃装置1Cが前進するときに、すなわち、車輪3が前転するときに、車輪3からブラシ5に回転力が伝達される。清掃装置1Cが後進するときに、すなわち、車輪3が後転するときに、ワンウェイクラッチ65は、車輪3からブラシ5への回転力の伝達を抑制する。手押しモードにおいて、使用者は、清掃装置1Cを前進させることにより、ブラシ5を回転させることができる。手押しモードにおいて、清掃装置1Cが後進されても、ワンウェイクラッチ65の機能により、ブラシ5は回転しない。
【0099】
図14に示すように、モータプーリ56Aにワンウェイクラッチ67が設けられる。手押しモードにおいて、モータ7が駆動される場合がある。ワンウェイクラッチ67は、モータ7の回転力が中間ベルト60及び第1プーリ55を介して車輪3に伝達されることを抑制する。ワンウェイクラッチ67により、車輪3はモータ7の回転力の影響を受けない。すなわち、手押しモードにおいて、車輪3が自走することが抑制される。また、出力シャフト66にワンウェイクラッチ68が設けられる。ワンウェイクラッチ68は、出力シャフト66の回転力がモータ7に伝達されることを抑制する。なお、手押しモードにおいて、モータ7が駆動すると、モータ7による出力シャフト66の回転は、手押しによる出力シャフト66の回転よりも高速であるため、モータプーリ56Bがモータ7の回転力に基づいて回転し、その結果、ブラシ5が回転する。
【0100】
以上説明したように、本実施形態において、清掃装置1Cは、モータ7の回転力により回転するモータプーリ56と、車輪3の回転力により回転する車輪プーリ61と、車輪プーリ61に掛けられる車輪ベルト64と、第1プーリ55及び第2プーリ54のそれぞれを回転可能に支持した状態で第1伝達位置と第2伝達位置とに移動するベース部材53と、モータプーリ56と第1プーリ55とに掛けられる中間ベルト60と、を備える。モータモードにおいて、車輪ベルト64が第1プーリ55から離れて第2プーリ54に接触するようにベース部材53が第1伝達位置に移動される。手押しモードにおいて、車輪ベルト64が第2プーリ54から離れて第1プーリ55に接触するようにベース部材53が第2伝達位置に移動される。
【0101】
上記の構成では、ベース部材53を移動させるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【0102】
本実施形態において、手押しモードにおいて、車輪3が前転するときに車輪3からブラシ5に回転力が伝達される。清掃装置1Cは、車輪3が後転するときに車輪3からブラシ5への回転力の伝達を抑制するワンウェイクラッチ65を備える。
【0103】
上記の構成では、車輪3の回転方向に基づいてブラシ5の回転方向が決定される場合において、車輪3が前転するときにブラシ5がゴミを掻き上げることができ、車輪3が後転するときにブラシ5がゴミを掻き上げることができない場合、車輪3が後転するときに車輪3からブラシ5への回転力の伝達が抑制されることにより、ゴミが清掃対象面に逆流することが抑制される。
【0104】
本実施形態において、清掃装置1Cは、手押しモードにおいて、出力シャフト66からモータ7への回転力の伝達を抑制するワンウェイクラッチ68を備える。
【0105】
上記の構成では、手押しモードにおいて、モータ7の回転力と車輪3の回転力との両方の回転力がブラシ5に伝達されることが抑制される。
【0106】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。上述の実施形態と同一の又は同等の構成要素については同一の符号又は名称を付し、その構成要素の説明を簡略又は省略する。
【0107】
図15は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードがモータモードに選択された状態を模式的に示す図である。図16は、本実施形態に係るブラシ5の駆動モードが手押しモードに選択された状態を模式的に示す図である。
【0108】
図15及び図16に示すように、本実施形態に係る清掃装置1Dは、第1出力軸71と、第1入力軸74と、第2出力軸77と、第2入力軸81と、第1クラッチ機構91と、第2クラッチ機構92とを備える。
【0109】
第1出力軸71は、モータ7の出力軸である。モータ7が駆動することにより、第1出力軸71が回転する。第1入力軸74は、ブラシプーリ76の入力軸である。第1入力軸74は、第1出力軸71と同軸に配置される。ブラシプーリ76は、ブラシ5を回転させる。ブラシプーリ76を回転させることは、ブラシ5を回転させることを意味する。ブラシプーリ76は、ブラシ5に固定されてもよいし、不図示のブラシプーリを介してブラシ5に連結されてもよい。
【0110】
第2出力軸77は、左車輪3Lの出力軸である。左車輪3Lが回転することにより、第2出力軸77が回転する。第2入力軸81は、右車輪3Rの入力軸である。第2入力軸81は、第2出力軸77と同軸に配置される。
【0111】
第1クラッチ機構91は、第1出力軸71と第1入力軸74との結合と結合解除とを切り換える。第1クラッチ機構91は、第1出力軸71の端部に設けられた円板72と、第1入力軸74の端部に設けられた円板73とを有する。円板72と円板73とが接触することにより、第1出力軸71と第1入力軸74とが結合される。第1出力軸71と第1入力軸74とが結合された状態で、モータ7が駆動され、第1出力軸71が回転すると、第1入力軸74は第1出力軸71と一緒に回転する。円板72と円板73とが離隔することにより、第1出力軸71と第1入力軸74との結合が解除される。第1出力軸71と第1入力軸74との結合が解除された状態で、モータ7が駆動され、第1出力軸71が回転しても、第1入力軸74は、モータ7の回転力によっては回転しない。
【0112】
第2クラッチ機構92は、第2出力軸77と第2入力軸81との結合と結合解除とを切り換える。第2クラッチ機構92は、第2出力軸77の端部に設けられた円板78と、第2入力軸81の端部に設けられた円板79とを有する。円板78と円板79とが接触することにより、第2出力軸77と第2入力軸81とが結合される。第2出力軸77と第2入力軸81とが結合された状態で、左車輪3Lが回転され、第2出力軸77が回転すると、第2入力軸81は第2出力軸77と一緒に回転する。円板78と円板79とが離隔することにより、第2出力軸77と第2入力軸81との結合が解除される。第2出力軸77と第2入力軸81との結合が解除された状態で、左車輪3Lが回転し、第2出力軸77が回転しても、第2入力軸81は、左車輪3Lの回転力によっては回転しない。
【0113】
第1入力軸74と第2入力軸81とに伝達ベルト83が掛けられる。第1入力軸74にはプーリ75が固定され、第2入力軸81にはプーリ82が固定される。伝達ベルト83は、プーリ75とプーリ82とに掛けられる。
【0114】
第1クラッチ機構91により第1出力軸71と第1入力軸74とが結合された場合、第2クラッチ機構92により第2出力軸77と第2入力軸81との結合が解除される。第2クラッチ機構92により第2出力軸77と第2入力軸81とが結合された場合、第1クラッチ機構91により第1出力軸71と第1入力軸74との結合が解除される。第1クラッチ機構91による第1出力軸71と第1入力軸74との結合と、第2クラッチ機構92による第2出力軸77と第2入力軸81との結合解除とは、同期して行われる。第2クラッチ機構92による第2出力軸77と第2入力軸81との結合と、第1クラッチ機構91による第1出力軸71と第1入力軸74との結合解除とは、同期して行われる。本実施形態においては、円板72と円板79とが支持部材80により支持される。円板72及び円板79のそれぞれは、支持部材80に回転可能に支持される。支持部材80の移動により、円板72と円板79とは、同期して移動する。円板72が円板73に接触するように支持部材80が第1伝達位置に移動すると、円板79が円板78から離隔する。円板72が円板73から離隔するように支持部材80が第2伝達位置に移動すると、円板79が円板78に接触する。
【0115】
図15に示すように、モータモードにおいて、第1出力軸71と第1入力軸74とが結合され、第2出力軸77と第2入力軸81との結合が解除されるように、第1クラッチ機構91及び第2クラッチ機構92が作動される。モータモードにおいて、モータ7の回転力は、第1出力軸71、第1クラッチ機構91、及び第1入力軸74を介して、ブラシプーリ76に伝達される。ブラシプーリ76が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0116】
図16に示すように、手押しモードにおいて、第1出力軸71と第1入力軸74との結合が解除され、第2出力軸77と第2入力軸81とが結合されるように、第1クラッチ機構91及び第2クラッチ機構92が作動される。手押しモードにおいて、車輪3の回転力は、第1入力軸74と第2入力軸81とに掛けられた伝達ベルト83により、ブラシプーリ76に伝達される。すなわち、手押しモードにおいて、車輪3の回転力は、第2出力軸77、第2クラッチ機構92、第2入力軸81、伝達ベルト83、及び第1入力軸74を介して、ブラシプーリ76に伝達される。ブラシプーリ76が回転することにより、ブラシ5が回転する。
【0117】
左車輪3Lにワンウェイクラッチが設けられる。ワンウェイクラッチは、左車輪3Lが後転するときに、左車輪3Lからブラシ5への回転力の伝達を抑制する。ワンウェイクラッチにより、清掃装置1Dが後進された場合、第2出力軸77は回転せず、ブラシ5も回転しない。これにより、ゴミの逆流が抑制される。右車輪3Rにワンウェイクラッチは設けられない。右車輪3Rは、左車輪3Lと同期しない。
【0118】
以上説明したように、本実施形態において、清掃装置1Dは、モータ7の出力軸を示す第1出力軸71と、第1出力軸71と同軸に配置され、ブラシ5を回転させるブラシプーリ76の入力軸を示す第1入力軸74と、左車輪3Lの出力軸を示す第2出力軸77と、第2出力軸77と同軸に配置される第2入力軸81と、第1出力軸71と第1入力軸74との結合と結合解除とを切り換える第1クラッチ機構91と、第2出力軸77と第2入力軸81との結合と結合解除とを切り換える第2クラッチ機構92と、を備える。モータモードにおいて、第1出力軸71と第1入力軸74とが結合され、第2出力軸77と第2入力軸81との結合が解除されるように、第1クラッチ機構91及び第2クラッチ機構92が作動される。手押しモードにおいて、第1出力軸71と第1入力軸74との結合が解除され、第2出力軸77と第2入力軸81とが結合されるように、第1クラッチ機構91及び第2クラッチ機構92が作動され、車輪3の回転力が第1入力軸74と第2入力軸81とに掛けられた伝達ベルト83によりブラシプーリ76に伝達される。
【0119】
上記の構成では、第1クラッチ機構91及び第2クラッチ機構92を作動させるだけで、ブラシ5の駆動モードがモータモードと手押しモードとに切り換えられる。
【符号の説明】
【0120】
1A…清掃装置、1B…清掃装置、1C…清掃装置、1D…清掃装置、2…本体、3…車輪、3L…左車輪、3R…右車輪、4…ハンドル、5…ブラシ、6…ダストボックス、7…モータ、8…駆動モード切換機構、9…支持シャフト、10…ブラシプーリ、11…ブラシベルト、12…ガイドロッド、13…スライドカム、14…モータ回転力伝達部、15…車輪回転力伝達部、16…ベアリング、17…ベアリング、18…カップリング、19…シャフト、20…ベアリング、21…プーリ、22…車輪プーリ、23…ベルト、24…ベアリング、25…入力プーリ、26…支持プーリ、27…モータプーリ、28…第1プーリ、29…モータベルト、30…出力シャフト、31…動力伝達機構、32…ベアリング、33…リング、34…カム、35…カム、36…車輪プーリ、37…中継プーリ、38…第2プーリ、39…車輪ベルト、40…中継ベルト、41…カム、42…カム、43…レバー(駆動モード操作部)、44…モータプーリ、45…第1車輪プーリ、46…第2車輪プーリ、47…ブラシプーリ、48…移動プーリ、49…支持プーリ、50…支持プーリ、51…ブラシベルト、52…車輪ベルト、53…ベース部材、54…第2プーリ、55…第1プーリ、56…モータプーリ、56A…モータプーリ、56B…モータプーリ、57…ブラシプーリ、58…第1ブラシベルト、59…第2ブラシベルト、60…中間ベルト、61…車輪プーリ、62…支持プーリ、63…支持プーリ、64…車輪ベルト、65…ワンウェイクラッチ、66…出力シャフト、67…ワンウェイクラッチ、68…ワンウェイクラッチ、71…第1出力軸、72…円板、73…円板、74…第1入力軸、75…プーリ、76…ブラシプーリ、77…第2出力軸、78…円板、79…円板、80…支持部材、81…第2入力軸、82…プーリ、83…伝達ベルト、91…第1クラッチ機構、92…第2クラッチ機構。
図1
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