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特開2024-60588自車両の後方および側方に位置する検出エリア内のターゲット対象を検出するための車両対象検出システムおよび方法
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  • 特開-自車両の後方および側方に位置する検出エリア内のターゲット対象を検出するための車両対象検出システムおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060588
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】自車両の後方および側方に位置する検出エリア内のターゲット対象を検出するための車両対象検出システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240424BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20240424BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01S13/931
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023175396
(22)【出願日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】22202610
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 正一
(72)【発明者】
【氏名】石松 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】雲丹亀 誉史
(72)【発明者】
【氏名】松永 一誠
【テーマコード(参考)】
5H181
5J070
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF27
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5J070AC01
5J070AC06
5J070AC19
5J070AF03
5J070BF01
5J070BF08
5J070BF09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自車両の後方および/または側方に位置する検出エリアにおいてターゲット対象を検出する。
【解決手段】車両対象検出システムは、検出エリアDAにおいて検出されたターゲット対象60が警報対象であるかどうかに関する判定を生成し、ターゲット対象60が警報対象であることを示す判定に基づいて、自車両50の運転者に警告を出力するように構成された警告手段に判定を出力するように構成された判定手段を備え、判定手段は、ターゲット対象60以外の1つまたは複数の他の対象の1つまたは複数の位置が、ターゲット対象と自車両50との間に位置することが検出されたことと、ターゲット対象60が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことに基づいて判定を生成するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両(50)の後方および/または側方に位置する検出エリア(DA)においてターゲット対象(60)を検出するための車両対象検出システム(10)、好ましくは後方交差交通検出システムであって、前記車両対象検出システム(10)は、
前記検出エリア(DA)において検出されたターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかに関する判定を生成し、前記ターゲット対象(60)が警報対象であることを示す前記判定に基づいて、前記自車両(50)の運転者に警告を出力するように構成された警告手段(30)に前記判定を出力するように構成された判定手段(20)を備え、前記判定手段(20)は、
前記ターゲット対象(60)以外の1つまたは複数の他の対象(70)の1つまたは複数の位置が、前記ターゲット対象(60)と前記自車両(50)との間に位置することが検出されたことと、
前記ターゲット対象(60)が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことと
に基づいて前記判定を生成するように構成される、車両対象検出システム(10)。
【請求項2】
前記判定手段(20)は、
前記検出されたターゲット対象の検出された反射強度であって、前記検出されたターゲット対象が反射するエネルギー量を示すとともに指定値よりも小さい前記反射強度にさらに基づいて前記判定を生成するように構成される、請求項1に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項3】
前記反射強度は、レーダ断面積(RCS)またはレーダシグネチャである、請求項2に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項4】
前記判定手段(20)は、
前記自車両(50)に対する前記ターゲット対象(60)の検出位置が、前記自車両(50)の後方および/または側方のエリアであって前記検出エリア(DA)に含まれる、前記自車両(50)に対する指定エリア(SA)内にあること
にさらに基づいて前記判定を生成するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項5】
前記指定エリア(SA)は、前記自車両(50)からある半径方向距離、好ましくは前記自車両(50)から9mで始まり、前記自車両(50)からある半径方向距離、好ましくは42mで終わるエリアとして定義され、および/または前記自車両(50)までのある指定された横方向距離よりも大きい、好ましくは前記自車両(50)から横方向に5mよりも大きいエリアとして定義される、請求項4に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項6】
前記1つまたは複数の他の対象(70)の前記1つまたは複数の位置は、前記自車両(50)と前記指定エリア(SA)との間に位置する前記検出エリア(DA)のあるエリア内にあると検出される、請求項4または5に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項7】
前記1つまたは複数の他の対象(70)は1つまたは複数の静止対象であると検出され、および/または特定の角度領域(AR)に位置すると検出され、前記特定の角度領域(AR)の角度は、前記自車両(50)のセンサ(401、402)の位置を頂点として定義され、前記ターゲット対象(60)は角度二等分線上に位置する、請求項1~6のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項8】
前記判定手段(20)は、前記自車両が後退すると検出されたことに応答して、前記検出エリア(DA)において検出された前記ターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかに関する判定を生成するように構成される、請求項1~7のいずれかに記載の車両対象検出システム。
【請求項9】
前記判定手段(20)は、前記自車両(50)が後退することに基づいて、少なくとも以下の条件が充足されることに基づいて前記ターゲット対象(60)が警報対象でないことを示す前記判定を生成するように構成され、前記条件は、
(v)前記ターゲット対象(60)以外の1つまたは複数の他の対象(70)の1つまたは複数の位置が、前記ターゲット対象(60)と前記自車両(50)との間に位置すると検出されることと、
(vi)前記ターゲット対象(60)が検出されている時間期間は、指定された時間の期間よりも短いことと、
(vii)前記検出されたターゲット対象の検出された反射強度が指定値よりも小さく、前記反射強度は、前記検出されたターゲット対象が反射するエネルギー量を示すことと、
(viii)前記自車両(50)に対する前記ターゲット対象(60)の検出位置は、前記自車両(50)の後方および/または側方のエリアであって前記検出エリア(DA)に含まれる、前記自車両(50)に対する指定エリア(SA)内にあることと
である、請求項1~8のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項10】
前記判定手段(20)は、前記自車両(50)が後退することに基づいて、前記検出エリア(DA)において検出された候補対象が、以下の1次条件を評価することによる前記ターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかの前記判定に使用されるターゲット対象(60)とみなされるための候補であるかどうかを判定するように構成され、前記1次条件は、
前記自車両が後退している間、前記検出エリア(DA)において検出された前記対象が前記自車両に接近していること、および/または
前記自車両と前記検出エリア(DA)において検出された前記対象との間の推定衝突時間が指定された時間よりも小さいこと
である、請求項1~9のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項11】
前記判定手段(20)は、前記ターゲット対象(60)が警報対象でないことを示す前記判定を前記判定手段(20)が生成したことに基づいて、ターゲット対象が検出された場合でも警告を出力しないことを前記警告手段(30)に示す前記判定を前記警告手段(30)に出力するように構成される、先行する請求項のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項12】
自車両(50)のための運転者支援システム(1)であって、
前記自車両(50)の後方および/または側方に位置する検出エリア(DA)においてターゲット対象(60)を検出するように構成された検出手段(40)と、
請求項1~11のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)と、
前記ターゲット対象(60)が警報対象であることを示す前記判定を前記車両対象検出システム(10)の前記判定手段(20)が生成したことに基づいて、前記ターゲット対象(60)が前記検出エリア(DA)に存在することを前記自車両の運転者に警告するように構成された警告手段(30)と
を備える、運転者支援システム(1)。
【請求項13】
特に請求項1~11のいずれか1項に記載の車両対象検出システム(10)を制御するために、自車両(50)の後方および/または側方に位置する検出エリア(DA)においてターゲット対象(60)を検出するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、以下のステップ、すなわち、
前記検出エリア(DA)において検出されたターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかに関する判定を生成するステップと、前記ターゲット対象(60)が警報対象であることを示す前記判定に基づいて、前記自車両(50)の運転者に警告を出力するように構成された警告手段(30)に前記判定を出力するステップと
を含み、
判定する前記ステップにおいて、前記判定を生成することは、
前記ターゲット対象(60)以外の1つまたは複数の他の対象(70)の1つまたは複数の位置が、前記ターゲット対象(60)と前記自車両(50)との間に位置すると検出されたことと、
前記ターゲット対象(60)が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことと
に基づく、コンピュータ実装方法。
【請求項14】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、請求項13に記載のコンピュータ実装方法を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の後方および/または側方に位置する検出エリアにおいて車両のようなターゲット対象を検出するための車両対象検出システム、好ましくは後方交差交通検出システムに関する。
【0002】
さらに、本発明は、特にそのような車両対象検出システムを制御するための、自車両の後方または側方に位置する検出エリアにおいて車両のようなターゲット対象を検出するためのコンピュータ実装方法に関する。
【0003】
さらに、本発明は、そのような車両対象検出システムを備える車両のための運転者支援システムと、コンピュータ実装方法を実行するための対応するコンピュータプログラムと、それぞれの非一時的コンピュータ可読媒体とに関する。
【背景技術】
【0004】
車両用の従来の運転者支援システムまたは先進運転者支援システム(ADAS)は、例えば、従来の車両ならびに自律型車両に関連して広く使用されており、通常、そのような車両対象検出システムを備える。
【0005】
多くの車両事故は、そのような先進運転者支援システムによって回避されたかもしれないヒューマンエラーによって引き起こされる。一般的に知られているセーフティクリティカルADAS用途は、例えば、歩行者検出/回避、車線逸脱警告/修正、交通標識認識、自動緊急ブレーキ、(後方)交差交通警報および死角検出(BSD)を含む。
【0006】
(後方)交差交通警報に関連して、それぞれの後方交差交通警報(RCTA)システムは、死角内の車両を検出するために使用されるもの(BSD)と同じレーダインフラストラクチャのような検出手段を使用することが多い。
【0007】
例えば、長距離レーダ/長距離レーダセンサは、通常、緊急ブレーキ支援および適応走行制御のような用途に使用されるが、短距離レーダは、例えば、死角検出(BSD)、後方交差交通警報、車線変更支援および後方プリクラッシュシステムのような用途に関連して使用されることが多い。
【0008】
(後方)交差交通警報に関連して、従来の後方交差交通警報(RCTA)システムは、死角内の車両または対象を検出するためのレーダセンサのようなレーダインフラストラクチャ(死角検出、BSD)を使用し、駐車スペースからバックするとき、すなわち自車両が後退するときの事故を回避するのに役立つことができる。
【0009】
可能性のある衝突または危険な状況の場合、後方交通接近通知(RTAN)は、視覚または音響インジケータによって自車両の運転者にRCTAシステムによって出力されてもよく、この通知は通常、車両対象検出システムによって実装される後方接近ターゲット通知システム(RTANシステム)によって出力される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このようなシステムでは、いわゆる衝突余裕時間(TTC)および衝突危険エリアの横断予測に基づいて、自車両が後退している場合に、後退している自車両と、自車両の後方および/または側方に位置する、すなわち自車両の側方から後方で接近してくる検出されたターゲット対象との衝突または危険状況の可能性を決定し、実際にはターゲット対象が存在しない、すなわち検出エリアにおいて検出されるターゲット対象が実際には実在しない場合であっても警告を行う機能を提供するという問題がある。すなわち、実際には実在しない接近する移動対象/ターゲット対象に対して自車両の運転者に警告するための警告が起動されて出力される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による車両対象検出システムは、好ましくは後方交差交通検出システムであり、自車両の後方および/または側方に位置する検出エリアにおいてターゲット対象を検出するためのものであり、車両対象検出システムは、検出エリアにおいて検出されたターゲット対象が警報対象であるかどうかに関する判定を生成し、ターゲット対象が警報対象であることを示す判定に基づいて、自車両の運転者に警告を出力するように構成された警告手段に判定を出力するように構成された判定手段を備える。さらに、判定手段は、
ターゲット対象以外の1つまたは複数の他の対象の1つまたは複数の位置が、ターゲット対象と自車両との間に位置すると検出されたことと、
ターゲット対象が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことと
に基づいて判定を生成するように構成される。
【0012】
したがって、前記時間期間は、ターゲット対象が最初に検出された時点から始まり、ターゲット対象が検出されている時間の期間であり、指定された時間の期間よりも小さい。例えば、前記時間期間または時間の期間は、ターゲット対象が連続的に検出されるか、またはレーダセンサのようなセンサによって実行される走査サイクルごとに少なくとも所定の回数検出される時間期間である。
【0013】
本発明による車両対象検出システムによって、検出エリアにおいて検出されたターゲット対象が実際には他の対象への反射によって引き起こされる誤検出である場合、警報/警告が出力されないことを達成することができる。
【0014】
最も好ましくは、ターゲット対象が鏡対象のような警報対象でないと認識/判定するために、以下の条件のすべてを満たす/充足する必要がある:
自車両と検出されたターゲット対象との間に複数の静止対象が存在すること、
ターゲット対象が検出エリアにおいて、または指定エリアにおいて最初に検出された時点から始まり、ターゲット対象が検出されている時間の期間が、指定された時間の期間よりも短い(例えば、そのような指定された時間の期間は7sであってもよい)こと、
例えば、移動対象として検出されたターゲット対象の反射強度が指定値よりも小さいこと、および
ターゲット対象の位置が、検出エリアの一部であり検出エリアに含まれる指定エリアに位置すると検出される。
【0015】
したがって、これらの条件がすべて充足される/満たされる場合、迷光反射に起因する誤警告を回避し得る。
【0016】
本質的に、本発明は、例えば、他の対象の反射によって引き起こされる鏡のような対象であり、実際には実在しないターゲット対象に対する、後方交差交通警報システムにおける誤警報、すなわち不要な警告を低減するための方法またはアルゴリズムを提供する。したがって、換言すれば、本開示の文脈において、「鏡対象」または「鏡のような対象」という用語は、センサによる検出の結果が存在するべき対象を示したとしても、実際には存在せず、検出はむしろ反射、例えば、検出エリアに実際に存在し得る他の対象でのレーダ反射によって引き起こされる対象を意味すると理解される。
【0017】
本発明によれば、上記の条件が充足されていると判定された場合に、自車両が背後/後方に走行している間に、そのような鏡のような対象を識別することができる。この場合、本発明によれば、車両の運転者に警告を出力するための警告機能を抑制する命令を警告手段に送る。結果として、上記以外の場合に警告を出力するためのロジックは動作し続けてもよいが、本発明によるロジックは、特定の状況下で、すなわち上記の条件が充足された場合に、誤警報/不要な警告を抑制し得る。
【0018】
したがって、本発明によって達成される有利な効果の1つは、不必要なアラームの警告/起動を回避することである。
【0019】
本発明による車両対象検出システムは、判定手段が、検出されたターゲット対象の検出された反射強度にさらに基づいて判定を生成するように構成されるようにさらに変更することができ、反射強度は、検出されたターゲット対象が反射するエネルギー量を示し、指定値よりも小さい。反射強度は、対象がその反射エネルギー量によってどの程度検出可能であるかを示し、それぞれの対象の反射率の特性である。例えば、反射強度は、反射信号の振幅またはパワーであってもよい。反射信号は、車両上のセンサによって放出された信号の反射であってもよい。信号および反射信号は、例えば、電磁信号であってもよい。センサは、例えばレーダまたはLiDARセンサであってもよい。
【0020】
好ましくは、指定値は、それより上では対象が検出されてターゲット対象とみなされ/判定され、それより下では対象が全く検出されないか、または少なくとも実際に存在する実対象を構成しない何らかの種類のノイズとみなされ/判定されるセンサ感度値よりも高い値である。
【0021】
換言すれば、検出された反射率がセンサ感度値を下回る場合、センサの出力、すなわち検出の結果は、対象が検出されていないか、むしろノイズが検出されているとみなされる。検出された反射率がセンサ感度値よりも高いが指定値よりも低い場合、センサの出力は、現時点でターゲット対象であり得る対象が検出されたとみなされる。この場合、上述のさらなる条件が評価され、次いで、検出されたターゲット対象が警報対象であるか、それとも警報対象でないか、すなわち、警告をトリガすべきでない鏡対象または鏡のような対象であるかどうかが判定される。検出された反射率が指定値よりも高い場合、センサの出力は、いずれにせよ、ターゲット対象である対象が検出されたとみなされる。そのような対象は、鏡対象または鏡のような対象ではなく、検出エリアに実際に実在/存在する対象とみなされる。
【0022】
特に、反射強度は、レーダ断面積(RCS)またはレーダシグネチャであってもよい。より具体的には、レーダ断面積(RCS)またはレーダシグネチャは、レーダによって対象がどの程度検出可能であるかの尺度である。RCSが大きいほど、対象がより容易に検出されることを示す。対象は、限られた量のレーダエネルギーを反射してソースに戻す。これに影響を与える要因は、ターゲットが作られる材料、照明レーダ信号の波長に対するターゲットのサイズ、ターゲットの絶対サイズ、入射角(レーダビームがターゲットの特定の部分に当たる角度であって、これはターゲットの形状およびレーダソースに対するその向きに依存する)、反射角(反射ビームがターゲットヒットの一部を離れる角度であって、それは入射角に依存する)、ターゲットの向きに対する送信および受信放射の偏波を含む。RCSは、ターゲットの反射率の特性である。
【0023】
さらに、本発明による車両対象検出システムは、判定手段が、自車両に対するターゲット対象の検出位置が、自車両の後方および/または側方のエリアであって検出エリアに含まれる、自車両に対する指定エリア内にあることにさらに基づいて判定を生成するように構成されるようにさらに構成することができる。
【0024】
これに関連して、本発明による車両対象検出システムは、指定エリアが、自車両からある半径方向距離、好ましくは自車両から9mで始まり、自車両からある半径方向距離、好ましくは42mで終わるエリアとして定義され、および/または自車両までのある指定された横方向距離よりも大きい、好ましくは自車両から横方向に5mよりも大きいエリアとして定義されるようにさらに実施することができる。
【0025】
さらに、本発明による車両対象検出システムは、1つまたは複数の他の対象の1つまたは複数の位置が、自車両と指定エリアとの間に位置する検出エリアのあるエリア内にあると検出されるようにさらに変更することができる。
【0026】
さらに、本発明による車両対象検出システムは、1つまたは複数の他の対象が1つまたは複数の静止対象であると検出され、および/または特定の角度領域に位置すると検出されるようにさらに実現することができ、特定の角度領域の角度は、自車両のセンサの位置を頂点として定義され、ターゲット対象は角度二等分線上に位置する。例えば、角度は、角度二等分線に対してプラス/マイナス5度の範囲にあってもよい。
【0027】
また、本発明による車両対象検出システムは、判定手段が、自車両が後退すると検出されたことに応答して、検出エリアにおいて検出されたターゲット対象が警報対象であるかどうかに関する判定を生成するように構成されるようにさらに構成することができる。
【0028】
さらに、本発明による車両対象検出システムは、判定手段が、自車両が後退することに基づいて、少なくとも以下の条件が充足されることに基づいてターゲット対象が警報対象でないことを示す判定を生成するように構成されるようにさらに実装することができ、(2次)条件は、
(i)ターゲット対象以外の1つまたは複数の他の対象の1つまたは複数の位置が、ターゲット対象と自車両との間に位置すると検出されることと、
(ii)ターゲット対象が検出されている時間期間は、指定された時間の期間よりも短いことと、
(iii)検出されたターゲット対象の検出された反射強度が指定値よりも小さく、反射強度は、検出されたターゲット対象が反射するエネルギー量を示すことと、
(iv)自車両に対するターゲット対象の検出位置は、自車両の後方および/または側方のエリアであって検出エリアに含まれる、自車両に対する指定エリア内にあることと
である。
【0029】
さらに、本発明による車両対象検出システムは、判定手段が、自車両が後退することに基づいて、検出エリアにおいて検出された候補対象が、以下の1次条件を評価することによってターゲット対象が警報対象であるかどうかの判定に使用されるターゲット対象とみなされるための候補であるかどうかを判定するように構成されるようにさらに実現することができ、1次条件は、
自車両が後退している間、検出エリアにおいて検出された対象が自車両に接近していること、および/または自車両と検出エリアにおいて検出された対象との間の推定衝突時間が指定された時間よりも小さいこと
である。したがって、本質的には、1次条件が充足されるかどうかが最初に判定される。もしそうであれば、上述した第1~第4の(2次)条件が充足されない限り、警告が出力され、警告の出力が抑制されることになる。
【0030】
さらに、本発明による車両対象検出システムは、判定手段が、ターゲット対象が警報対象でないことを示す判定を判定手段が生成したことに基づいて、ターゲット対象が検出された場合でも警告を出力しないことを警告手段に示す判定を警告手段に出力するように構成されるようにさらに構成することができる。
【0031】
本発明による運転者支援システムは、自車両のためのものであり、自車両の後方および/または側方に位置する検出エリアにおいてターゲット対象を検出するように構成された検出手段と、上記で概説したような本発明による車両対象検出システムと、ターゲット対象が警報対象であることを示す判定を車両対象検出システムの判定手段が生成したことに基づいて、ターゲット対象が検出エリアに存在することを自車両の運転者に警告するように構成された警告手段とを備える。
【0032】
本発明による運転者支援システムは、検出手段が、検出エリアにおいてターゲット対象を検出するための少なくとも2つのセンサ、好ましくは2つの短距離レーダセンサのような少なくとも2つのレーダセンサを備えるようにさらに変更することができる。
【0033】
本発明による車両は、好ましくは自律型車両であり、上述のような本発明による運転者支援システムを備え、一方のセンサは車両の左後方の縁部/領域に配置され、他方のセンサは車両の右後方の縁部/領域に配置される。
【0034】
本発明によるコンピュータ実装方法は、特に上述したような本発明による車両対象検出システムを制御するために、自車両の後方および/または側方に位置する検出エリアにおいてターゲット対象を検出するためのものであり、方法は、以下のステップ、すなわち、
検出エリアにおいて検出されたターゲット対象が警報対象であるかどうかに関する判定を生成するステップと、ターゲット対象が警報対象であることを示す判定に基づいて、自車両の運転者に警告を出力するように構成された警告手段に判定を出力するステップと
を含み、
判定するステップにおいて、判定を生成することは、少なくとも、
ターゲット対象以外の1つまたは複数の他の対象の1つまたは複数の位置が、ターゲット対象と自車両との間に位置すると検出されたことと、
ターゲット対象が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことと
に基づく。
【0035】
したがって、本発明による車両対象検出システムに関連して説明された特性および利点は、本発明による自車両の後方に位置する検出エリアにおいてターゲット対象を検出するためのコンピュータ実装方法に関して同じまたは同様の方法で生じるが、これは、繰り返しを避けるために、本発明による車両対象検出システムに関するそれぞれの説明を参照する理由である。
【0036】
本発明によるコンピュータプログラムは、プログラムがコンピュータまたはプロセッサによって実行されると、コンピュータまたはプロセッサに、本発明による上述のコンピュータ実装方法を実行させる命令を含む。
【0037】
本発明による非一時的コンピュータ可読媒体は、本発明による上述のコンピュータプログラムを記憶している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】具体的な後退運転状況における本発明による運転者支援システムを備える本発明による車両の第1の実施形態を示す図である。
図2図1の本発明による運転者支援システムによって実行される判定プロセスのフローチャートである。
図3図1の本発明による運転者支援システムの概略構成をより詳細に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
これに関連して、本明細書で説明される車両対象検出システムは、例えば車両対象検出システムで実行される処理で使用されるメモリを含み得る。実施形態で使用されるメモリは、揮発性メモリ、例えばDRAM(動的ランダムアクセスメモリ)または不揮発性メモリ、例えばPROM(プログラム可能読み出し専用メモリ)、EPROM(消去可能PROM)、EEPROM(電気的消去可能PROM)、またはフラッシュメモリ、例えばフローティングゲートメモリ、電荷トラップメモリ、MRAM(磁気抵抗ランダムアクセスメモリ)またはPCRAM(相変化ランダムアクセスメモリ)であってもよい。
【0040】
これに関連して、本明細書で説明する車両対象検出システムは、プロセッサまたは「回路」を含み得る。「回路」は、専用回路またはメモリに記憶されたソフトウェアを実行するプロセッサ、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せであり得る、任意の種類の論理実装エンティティとして理解され得る。したがって、一実施形態では、「回路」は、ハードワイヤード論理回路、またはプログラマブルプロセッサ、例えばマイクロプロセッサ(例えば、複合命令セットコンピュータ(CISC)プロセッサまたは縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ)などのプログラマブル論理回路であってもよい。「回路」はまた、ソフトウェア、例えば、任意の種類のコンピュータプログラム、例えば、例えばJavaなどの仮想マシンコードを使用するコンピュータプログラムを実行するプロセッサであってもよい。以下でより詳細に説明されるそれぞれの機能の任意の他の種類の実装もまた、代替の実施形態による「回路」として理解され得る。
【0041】
図面を参照して、本発明の好ましい第1および第2の実施形態を、ここで例示目的のために具体的に説明する。これらの実施形態における構成要素または要素は、例としてのみ示され説明されるが、本発明をそれらに限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【実施例0042】
図1は、具体的な後退運転状況における本発明による運転者支援システム1を備える本発明による車両50の第1の実施形態を示し、運転者支援システム1は、図3に関連してより具体的に説明される。
【0043】
図3は、図1の本発明による運転者支援システム1の概略構成をより詳細に示す。
【0044】
図3から分かるように、自車両50に設けられた運転者支援システム1は、本発明による車両対象検出システム10と、検出手段40と、警告手段30とを備える。
【0045】
検出手段40は、自車両の後方および側方に位置する検出エリアDAにおいて、他のターゲット車両のようなターゲット対象60を検出するように構成され、以下でより具体的に説明する。
【0046】
この第1の実施形態では、検出手段40は、レーダセンサ、特に検出エリアDAにおいてターゲット対象60を検出するように構成された2つの短距離レーダセンサである少なくとも2つのセンサ401、402を備える。
【0047】
より具体的には、レーダセンサ401、402は、例えば、従来の(後方)交差交通警報システムの一部であってもよく、この特定の第1の実施形態では、少なくともターゲット対象60(ターゲット車両)および自車両50に対する他の対象の相対位置、自車両50の長手方向(図1において車両のy方向)および車両の横断方向(図1において車両のx方向)におけるターゲット対象60の自車両50に対する相対速さ/速度、ならびに以下でより具体的に説明するターゲット対象60の反射強度を検出することができる短距離レーダセンサ401、402である。
【0048】
したがって、図1から分かるように、2つの短距離レーダセンサ401、402は各々、検出エリアDAにおいてターゲット対象60を検出するように構成され、一方のセンサ402は車両50の左後方の縁部/領域に配置され、他方のセンサ401は車両50の右後方の縁部/領域に配置される。したがって、各センサ401、402は、その視野(FoV)に起因して、自車両50の両側のそれぞれのセンサ401、402のそれぞれの視野に含まれる異なる検出可能エリアDAを監視/検出する。
【0049】
警告手段30は、検出エリアDAにターゲット対象60が存在することを自車両50の運転者に警告するように構成される。例えば、警告手段30は、ターゲット対象60が検出エリアDAに存在することを自車両50の運転者に通知することができる従来の視覚的または音響的インジケータ(ディスプレイまたはスピーカ)であってもよい。この第1の実施形態では、警告手段30は、後述する車両対象検出システム10の判定手段20が、ターゲット対象60が警報対象であることを示す判定を生成した場合にのみ、検出エリアDAにターゲット対象60が存在することを自車両50の運転者に警告する。
【0050】
車両対象検出システム10は、自車両50の後方および側方に位置する検出エリアDAにおけるターゲット対象60の検出または検出処理のためのものであり、上述のような判定手段20を備える。車両対象検出システム10は、例えば、判定手段20の機能および従来の機能を実行するためのいくつかのプログラムを記憶しているプロセッサまたはコンピュータによって実装されてもよい。
【0051】
判定手段20は、検出エリアDAにおいて検出されたターゲット対象60が警報対象であるか、それとも警報対象でないかに関して判定し、または判定を生成し、警告手段30に判定を出力するように構成される。次に、警告手段30は、判定手段がターゲット対象60が警報対象であることを示す判定を生成した場合にのみ、検出エリアDAにターゲット対象60が存在するという警告を自車両50の運転者に出力するように構成される。
【0052】
最初に、判定手段20は、自車両50が後退した場合に、検出エリアDAで現在検出されている候補対象がターゲット対象60とみなされるための候補であるかどうかを判定するように構成され、ターゲット対象60が警報対象であるか、それとも警報対象でないかに関するさらなる判定に使用される。したがって、判定手段20は、検出エリアDAにおいて検出された候補対象が自車両50に接近していること、自車両50が後退している間であること、および自車両50と検出エリアDAにおいて検出された候補対象との間の推定衝突時間が指定された時間よりも小さいこと、という1次条件を評価する。
【0053】
この第1の実施形態では、判定手段20は、1次条件が満足される場合、自車両50の後退が検出されていれば、検出エリアDAにおいて検出されたターゲット対象60が警報対象であるか、それとも警報対象でないかに関する判定を生成する。この判定は、特定の2次の第1~第4の条件がすべて充足されるかどうかの評価に基づく。
【0054】
このように、この第1の実施形態によれば、判定手段20は、以下に説明する2次条件がすべて充足されると決定された場合に、ターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成する。他方、2次条件のうちの1つのみが充足されないと決定された場合、判定手段20は、ターゲット対象60が警告手段30による警告の出力をトリガする警報対象であるという判定を生成する。
【0055】
次に、2次条件の判定についてより詳細に説明する。
【0056】
判定手段20は、検出エリアDAにおいて検出されたターゲット対象60の反射強度であって、ターゲット対象60がその反射エネルギー量によってどの程度検出可能であるかを示す検出パラメータに基づいて、第1の条件が充足されるか否かを決定するように構成される。この場合、反射強度のパラメータは、従来技術でよく知られているレーダ断面積(RCS)またはレーダシグネチャである。
【0057】
より具体的には、判定手段20は、検出された反射強度のパラメータが指定値よりも小さい場合、反射強度の第1の条件が充足されると決定するように構成される。
【0058】
さらに、判定手段20は、ターゲット対象60の自車両50に対する検出位置が、自車両50に対する指定エリアSAにある場合に第2の条件が充足されると決定するように構成される。前記指定エリアSAは、図1から分かるように、自車両50の後方かつ側方であって検出エリアDAに含まれるエリアである。
【0059】
図1においてさらに見られるように、指定エリアSAは、自車両50からある半径方向距離、好ましくは自車両50から9mで始まり、自車両50からある半径方向距離、好ましくは42mで終わるエリアとして定義される。さらに、指定エリアSAは、図1からさらに分かるように、自車両50に対する指定された横方向距離よりも大きい、好ましくは自車両50から横方向に(すなわち、x方向に)5mよりも大きいエリアとして定義される。
【0060】
さらに、判定手段20は、この場合、ターゲット対象60以外の1つまたは複数の他の対象70の複数の検出位置が、指定エリアSAにおいて検出されているターゲット対象60と自車両50との間に位置することが検出された場合に第3の条件が充足されると決定するように構成され、前提条件は、複数の他の対象70が移動しない、すなわち絶対速度が0である複数の静止対象であることである。
【0061】
さらに、さらなる前提条件として、図1に見られるように、静止対象70は特定の角度領域ARで検出され、特定の角度領域ARの角度は、図1に示すように、ターゲット対象60が角度二等分線上に位置する状態で、頂点としての自車両50の右後方センサ402の位置によって定義される。車両の左後方側の他方のセンサ401についても同様であるため、それぞれの説明を省略する。
【0062】
さらに、判定手段20は、ターゲット対象60が検出されている時間期間が指定された時間の期間よりも短い場合に第4の条件が充足されると決定するように構成される。
【0063】
上述したように、この第1の実施形態では、判定手段20は、第1~第4の(2次)条件がすべて満足/充足される場合、ターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成する。他方、2次の第1~第4の条件のうちの1つのみが充足されないと決定された場合、判定手段20は、ターゲット対象60が警告手段30による警告の出力をトリガする警報対象であることを示す判定を生成する。
【0064】
このように、判定手段20は、第1~第4の(2次)条件がすべて満足/充足される場合に、判定手段20はターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成したので、判定の結果が実際には実在しない鏡のようなターゲット対象60が検出されたとしても警告を出力しないように警告手段30に示す判定を警告手段30に出力する。
【0065】
図2は、図1の本発明による運転者支援システム1によって実行される判定プロセスのフローチャートを示す。より詳細には、図2に示すような判定プロセスは、判定手段20によって実行される。
【0066】
図1のステップS10に移行するとき、検出手段40によって検出エリアDAで候補対象が既に検出されており、判定手段20は、自車両50が後退した場合に、検出エリアDAにおいて検出された候補対象が、1次条件を評価することによるターゲット対象60が警報対象であるかそれとも警報対象でないかの判定に用いるターゲット対象60として考慮すべき候補であるかどうかに関する判定を生成した。これらの1次条件は、検出エリアDAにおいて検出された対象が自車両50に接近していること、自車両50が後退している間であること、および自車両50と検出エリアDAにおいて検出された対象との間の推定衝突時間が指定された時間よりも小さいことである。
【0067】
これらの1次条件が充足される場合、検出された対象はターゲット対象60とみなされる。次に、図2に見られるように、ステップ10で、フラグ「flagA」の形態のデータ構造(警告手段30のアラーム/または警告プロセスをトリガまたは防止/抑制するためのアラームフラグ)は、判定手段20の判定の結果に応じて「真」または「偽」のいずれかに設定される。
【0068】
より詳細には、「flagA」は、上記のような第1~第4の条件が充足されたときに判定手段20がターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成した場合にTRUEに設定される。他の場合、すなわち判定手段20がターゲット対象60が警報対象であることを示す判定を生成した場合、「flagA」はFALSEに設定される。次に、手順はステップS20に進み、「flagA」がTRUEに設定されているかどうかをチェックする。それがTRUEに設定されている場合、手順はステップS30に進み、そうでない場合、ステップS30はスキップされ、手順は終了し、1次条件が満足された場合に警告手段30によって警告が出力される。
【0069】
ステップS30で、警告/アラームを抑制する要求が警告手段30に送られ、それによって、ターゲット対象60が現時点で警報対象でないことが示され、それによって、少なくとも次の判定まで警告/アラームが警告手段30によって出力されない。
【0070】
換言すれば、判定手段20はターゲット対象が警報対象でないことを示す判定を生成したので、判定手段20は、ターゲット対象60が検出されても警告を抑制することを警告手段30に示す判定を警告手段30に出力する。
【0071】
次に、図1に基づいて、車両対象検出システム10を備えた運転者支援システム1の動作の一例について説明する。
【0072】
図1)に見られるように、自車両50は後方に運行しており、候補対象は、候補対象が右後方レーダセンサ402によって検出されたターゲット対象60とみなされるように、1次条件を満足すると仮定される。
【0073】
そして、判定手段20は、第1~第4の2次条件が充足されるかどうかを評価する。
【0074】
この場合、第1~第4の2次条件のすべてが充足される。すなわち、より具体的には、ターゲット対象の反射強度が指定値よりも小さく(第1の条件)、ターゲット対象60の位置が上記で定義された指定エリア内にあり(第2の条件)、特定の角度領域ARに複数の静止対象70があり(第3の条件)、ターゲット対象60が検出された時間期間が指定された時間の期間よりも短い(第4の条件)。
【0075】
したがって、この場合、判定手段20は、第1~第4の条件のすべてが満足されているので、ターゲット対象60が検出エリアDAにおいて検出されても警告手段30が警告を出力しないように、ターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成する。これは、検出された第1~第4の条件のすべてを満足するターゲット対象60は存在せず、反射のような誤検出、例えば静止対象のうちの1つによる多重反射等に起因すると考えられるからである。
【実施例0076】
以下では、本発明の第2の実施形態について説明するが、第2の実施形態の説明では、第1の実施形態との相違点のみをより詳細に説明する。その他の点では、すなわち、以下に説明する相違点を除き、第2の実施形態による運転者支援システム1および車両対象検出システム10は、第1の実施形態による運転者支援システム1および車両対象検出システム10に完全に対応する。
【0077】
第1の実施形態に関する図面、すなわち図1図3は、第2の実施形態にも完全に適用される。第1の実施形態のものに対応する第2の実施形態の対応する構成要素には、第1の実施形態に関連して使用されるのと同じ参照符号が付されている。
【0078】
第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、車両対象検出システム10または判定手段20の処理負荷を低減するために、第1~第4の(2次)条件をすべて満足/充足する必要がなく、判定手段20が、ターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成する点である。
【0079】
第2の実施形態では、判定手段20は、上述した第3および第4の条件のみを充足する場合に、ターゲット対象60が警報対象でないことを示す判定を生成する。したがって、この第2の実施形態では、第1および第2の条件は使用/判定されない。
【0080】
他方、第3および第4の条件のうちの1つのみが充足されないと決定された場合、判定手段20は、ターゲット対象60が警告手段30による警告の出力をトリガする警報対象であることを示す判定を生成する。
【0081】
さらなる変形例
上述の実施形態のいずれかによれば、判定手段20は、判定プロセッサを含み得る。判定プロセッサは、判定手段20の機能を実行し得る。
【0082】
前述の説明、図面および特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、個別におよび任意の組合せで本発明を実現するために不可欠であり得る。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-02-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両(50)の後方および/または側方に位置する検出エリア(DA)においてターゲット対象(60)を検出するための車両対象検出システム(10)、好ましくは後方交差交通検出システムであって、前記車両対象検出システム(10)は、
前記検出エリア(DA)において検出されたターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかに関する判定を生成し、前記ターゲット対象(60)が警報対象であることを示す前記判定に基づいて、前記自車両(50)の運転者に警告を出力するように構成された警告手段(30)に前記判定を出力するように構成された判定手段(20)を備え、前記判定手段(20)は、
前記ターゲット対象(60)以外の1つまたは複数の他の対象(70)の1つまたは複数の位置が、前記ターゲット対象(60)と前記自車両(50)との間に位置することが検出されたことと、
前記ターゲット対象(60)が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことと
に基づいて前記判定を生成するように構成される、車両対象検出システム(10)。
【請求項2】
前記判定手段(20)は、
前記検出されたターゲット対象の検出された反射強度であって、前記検出されたターゲット対象が反射するエネルギー量を示すとともに指定値よりも小さい前記反射強度にさらに基づいて前記判定を生成するように構成される、請求項1に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項3】
前記反射強度は、レーダ断面積(RCS)またはレーダシグネチャである、請求項2に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項4】
前記判定手段(20)は、
前記自車両(50)に対する前記ターゲット対象(60)の検出位置が、前記自車両(50)の後方および/または側方のエリアであって前記検出エリア(DA)に含まれる、前記自車両(50)に対する指定エリア(SA)内にあること
にさらに基づいて前記判定を生成するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項5】
前記指定エリア(SA)は、前記自車両(50)からある半径方向距離、好ましくは前記自車両(50)から9mで始まり、前記自車両(50)からある半径方向距離、好ましくは42mで終わるエリアとして定義され、および/または前記自車両(50)までのある指定された横方向距離よりも大きい、好ましくは前記自車両(50)から横方向に5mよりも大きいエリアとして定義される、請求項4に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項6】
前記1つまたは複数の他の対象(70)の前記1つまたは複数の位置は、前記自車両(50)と前記指定エリア(SA)との間に位置する前記検出エリア(DA)のあるエリア内にあると検出される、請求項4に記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項7】
前記1つまたは複数の他の対象(70)は1つまたは複数の静止対象であると検出され、および/または特定の角度領域(AR)に位置すると検出され、前記特定の角度領域(AR)の角度は、前記自車両(50)のセンサ(401、402)の位置を頂点として定義され、前記ターゲット対象(60)は角度二等分線上に位置する、請求項1~のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項8】
前記判定手段(20)は、前記自車両が後退すると検出されたことに応答して、前記検出エリア(DA)において検出された前記ターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかに関する判定を生成するように構成される、請求項1~のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)
【請求項9】
前記判定手段(20)は、前記自車両(50)が後退することに基づいて、少なくとも以下の条件が充足されることに基づいて前記ターゲット対象(60)が警報対象でないことを示す前記判定を生成するように構成され、前記条件は、
(v)前記ターゲット対象(60)以外の1つまたは複数の他の対象(70)の1つまたは複数の位置が、前記ターゲット対象(60)と前記自車両(50)との間に位置すると検出されることと、
(vi)前記ターゲット対象(60)が検出されている時間期間は、指定された時間の期間よりも短いことと、
(vii)前記検出されたターゲット対象の検出された反射強度が指定値よりも小さく、前記反射強度は、前記検出されたターゲット対象が反射するエネルギー量を示すことと、
(viii)前記自車両(50)に対する前記ターゲット対象(60)の検出位置は、前記自車両(50)の後方および/または側方のエリアであって前記検出エリア(DA)に含まれる、前記自車両(50)に対する指定エリア(SA)内にあることと
である、請求項1~のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項10】
前記判定手段(20)は、前記自車両(50)が後退することに基づいて、前記検出エリア(DA)において検出された候補対象が、以下の1次条件を評価することによ前記ターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかの前記判定に使用されるターゲット対象(60)とみなされるための候補であるかどうかを判定するように構成され、前記1次条件は、
前記自車両が後退している間、前記検出エリア(DA)において検出された前記対象が前記自車両に接近していること、および/または
前記自車両と前記検出エリア(DA)において検出された前記対象との間の推定衝突時間が指定された時間よりも小さいこと
である、請求項1~のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項11】
前記判定手段(20)は、前記ターゲット対象(60)が警報対象でないことを示す前記判定を前記判定手段(20)が生成したことに基づいて、ターゲット対象が検出された場合でも警告を出力しないことを前記警告手段(30)に示す前記判定を前記警告手段(30)に出力するように構成される、請求項1~3のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)。
【請求項12】
自車両(50)のための運転者支援システム(1)であって、
前記自車両(50)の後方および/または側方に位置する検出エリア(DA)においてターゲット対象(60)を検出するように構成された検出手段(40)と、
請求項1~11のいずれかに記載の車両対象検出システム(10)と、
前記ターゲット対象(60)が警報対象であることを示す前記判定を前記車両対象検出システム(10)の前記判定手段(20)が生成したことに基づいて、前記ターゲット対象(60)が前記検出エリア(DA)に存在することを前記自車両の運転者に警告するように構成された警告手段(30)と
を備える、運転者支援システム(1)。
【請求項13】
特に請求項1~のいずれか1項に記載の車両対象検出システム(10)を制御するために、自車両(50)の後方および/または側方に位置する検出エリア(DA)においてターゲット対象(60)を検出するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法は、以下のステップ、すなわち、
前記検出エリア(DA)において検出されたターゲット対象(60)が警報対象であるかどうかに関する判定を生成するステップと、前記ターゲット対象(60)が警報対象であることを示す前記判定に基づいて、前記自車両(50)の運転者に警告を出力するように構成された警告手段(30)に前記判定を出力するステップと
を含み、
判定する前記ステップにおいて、前記判定を生成することは、
前記ターゲット対象(60)以外の1つまたは複数の他の対象(70)の1つまたは複数の位置が、前記ターゲット対象(60)と前記自車両(50)との間に位置すると検出されたことと、
前記ターゲット対象(60)が検出されている時間期間が、指定された時間の期間よりも短いことと
に基づく、コンピュータ実装方法。
【請求項14】
命令を含むコンピュータプログラムであって、前記命令は、前記プログラムがコンピュータによって実行されると、請求項13に記載のコンピュータ実装方法を前記コンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
のステップS10に移行するとき、検出手段40によって検出エリアDAで候補対象が既に検出されており、判定手段20は、自車両50が後退した場合に、検出エリアDAにおいて検出された候補対象が、1次条件を評価することによるターゲット対象60が警報対象であるかそれとも警報対象でないかの判定に用いるターゲット対象60として考慮すべき候補であるかどうかに関する判定を生成した。これらの1次条件は、検出エリアDAにおいて検出された対象が自車両50に接近していること、自車両50が後退している間であること、および自車両50と検出エリアDAにおいて検出された対象との間の推定衝突時間が指定された時間よりも小さいことである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
1に見られるように、自車両50は後方に運行しており、候補対象は、候補対象が右後方レーダセンサ402によって検出されたターゲット対象60とみなされるように、1次条件を満足すると仮定される。
【外国語明細書】