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特開2024-60596電気機械式のブレーキ倍力装置を運転するための方法、その方法を実行するプログラム、該プログラムを記憶する記憶媒体、および電気機械式のブレーキ倍力装置のためのコントロールユニット
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  • 特開-電気機械式のブレーキ倍力装置を運転するための方法、その方法を実行するプログラム、該プログラムを記憶する記憶媒体、および電気機械式のブレーキ倍力装置のためのコントロールユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060596
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】電気機械式のブレーキ倍力装置を運転するための方法、その方法を実行するプログラム、該プログラムを記憶する記憶媒体、および電気機械式のブレーキ倍力装置のためのコントロールユニット
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/00 20060101AFI20240424BHJP
   B60T 13/74 20060101ALI20240424BHJP
   B60T 8/172 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
B60T8/00 Z
B60T13/74 D
B60T8/172 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177428
(22)【出願日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】10 2022 211 071.4
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】オステルランド,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】シェーファー,ナジャ
(72)【発明者】
【氏名】ツィップリッヒ,ドミニク
【テーマコード(参考)】
3D048
3D246
【Fターム(参考)】
3D048BB03
3D048CC41
3D048HH66
3D048HH68
3D048RR06
3D048RR17
3D246DA01
3D246GA01
3D246GC14
3D246HA03A
3D246HA43C
3D246HC02
3D246HC12
3D246KA13
3D246MA16
(57)【要約】
【課題】 本発明は、車両のブレーキシステム(116)の電気機械式のブレーキ倍力装置(100)を運転するための方法に関する。
【解決手段】 この場合、前記ブレーキ倍力装置(100)で検出された、車両のブレーキペダルのペダルストローク(106)と、車両のデータバス(108)を介して前記ブレーキシステム(116)のブレーキコントロールユニット(114)によって読み込まれた前記ブレーキシステム(116)のエアギャップ値(110)と、前記データバス(108)を介して前記ブレーキコントロールユニット(114)によって読み込まれた前記ブレーキシステム(116)の剛性ファクタ(112)とを用いて、前記ブレーキ倍力装置(100)のコントロールユニット(102)で車両の運転者の運転者制動要求を表す仮想の動的なブレーキ圧値(120)を決定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキシステム(116)の電気機械式のブレーキ倍力装置(100)を運転するための方法において、
前記ブレーキ倍力装置(100)で検出された、車両のブレーキペダルのペダルストローク(106)と、車両のデータバス(108)を介して前記ブレーキシステム(116)のブレーキコントロールユニット(114)によって読み込まれた前記ブレーキシステム(116)のエアギャップ値(110)と、前記データバス(108)を介して前記ブレーキコントロールユニット(114)によって読み込まれた前記ブレーキシステム(116)の剛性ファクタ(112)とを用いて、前記ブレーキ倍力装置(100)のコントロールユニット(102)で車両の運転者の運転者制動要求を表す仮想の動的なブレーキ圧値(120)を決定する、車両のブレーキシステム(116)の電気機械式のブレーキ倍力装置(100)を運転するための方法。
【請求項2】
前記データバス(108)を介して前記ブレーキ倍力装置(100)によって読み込まれた前記ペダルストローク(106)と、前記エアギャップ値(110)と前記剛性ファクタ(112)とを用いて、前記ブレーキコントロールユニット(114)で別の仮想の動的なブレーキ圧値(130)を決定し、この別の動的なブレーキ圧値(130)を、前記動的なブレーキ圧値(120)が決定できないときに、前記データバス(108)を介して前記コントロールユニット(102)のために提供し、前記動的なブレーキ圧値(120)のための代替値として用いる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ペダルストローク(106)を用いてさらに仮想の静的なブレーキ圧値(128)を決定し、この静的なブレーキ圧値(128)を、前記動的なブレーキ圧値(120)が決定できないときに、前記動的なブレーキ圧値(120)のための代替値として用いる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記静的なブレーキ圧値(128)を前記コントロールユニット(102)で決定する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記動的なブレーキ圧値(120)を決定できないときに、前記別の動的なブレーキ圧値(130)を前記動的なブレーキ圧値(120)のための代替値として用い、前記別の動的なブレーキ圧値(130)を決定できないときに、前記静的なブレーキ圧値(128)を前記別の動的なブレーキ圧値(130)のための代替値として用いる、請求項2および請求項3または4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記動的なブレーキ圧値(120)をペダルストローク/圧力特性曲線(124)を用いて決定する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
エアギャップ修正されたペダルストローク(122)を得るために、検出された前記ペダルストローク(106)を、前記エアギャップ値(110)を用いて修正し、前記エアギャップ修正されたペダルストローク(122)を前記ペダルストローク/圧力特性曲線(124)の入力値として用い、前記動的なブレーキ圧値(120)を得るために、前記ペダルストローク/圧力特性曲線(124)から読み込まれたブレーキ圧値(126)を、前記剛性ファクタ(112)を用いて修正する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
電気機械式のブレーキ倍力装置(100)のためのコントロールユニット(102)において、前記コントロールユニット(102)が、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を相応の装置で実行、実施および/または制御するために構成されている、コントロールユニット(102)。
【請求項9】
コンピュータプログラム製品において、該コンピュータプログラム製品は、このコンピュータプログラム製品を実行する際に、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実行、実施および/または制御するように、プロセッサを促すために設計されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項10】
機械読み取り可能な記憶媒体において、前記記憶媒体に請求項9記載のコンピュータプログラム製品が記憶されている、機械読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械式のブレーキ倍力装置を運転するための方法、電気機械式のブレーキ倍力装置のためのコントロールユニット、並びに相応のコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の電気機械式のブレーキ倍力装置は、車両のブレーキペダルに機械的に連結されていて、必要な液圧的なブレーキ圧を生ぜしめるために、車両の運転者がブレーキペダルを踏み込む際のペダル踏力を状況に応じて増幅する。
【0003】
運転者にブレーキペダルのフィードバックを与えるために、ペダル踏力に対する反力が必要とされる。
【0004】
車両の液圧式のブレーキシステムを用いた制動時に、ブレーキペダルを踏み込むと、まず、ホイールブレーキのブレーキライニングがホイールブレーキのブレーキディスクに当接するまで、ブレーキピストンがホイールブレーキのブレーキキャリパ内へ移動せしめられる。この際に、ブレーキペダルは、小さい反力だけを克服すればよいペダルストロークだけ移動する。ブレーキライニングが当接すると、ブレーキ圧は上昇し、閉じられた液圧式のブレーキシステム内のブレーキ圧によって反力が調整される。この場合、ブレーキペダルは、液圧式のブレーキシステムのストローク/圧力比(若しくは圧力/体積比)に基づいて得られるさらなるペダルストロークだけ移動せしめられる。
【0005】
電気駆動式の車両においては、電気エネルギを回生によって再回収するために、通常の制動のために車両の駆動システムが主に使用される。純粋に電気的なブレーキ操作においては、ブレーキシステムでブレーキ圧は形成されない。特に、実際に存在するブレーキ圧なしにブレーキペダルにおける反力を調整するために、演算された代替値が必要である。ペダル踏力のための提供された増幅力が高められるかまたは低下されることによって、反力は、代替値を用いて電気機械式のブレーキ倍力装置によって状況に応じて提供される。
【発明の概要】
【0006】
このような背景から、ここに紹介された提案によって、独立請求項に記載した電気機械式のブレーキ倍力装置を運転するための方法、電気機械式のブレーキ倍力装置のためのコントロールユニット、並びに相応のコンピュータプログラム製品が提案される。ここに紹介された提案の好適な実施態様および改良は、明細書および従属請求項に記載されている。
【0007】
ブレーキペダルにおける反力を調整するための代替値は、仮想のブレーキ圧、仮想のブレーキ圧値若しくは運転者制動要求と呼ばれてよい。仮想のブレーキ圧は、従来形式でブレーキシステムのコントロールユニットで演算され、車両のデータバスを介して電気機械式のブレーキ倍力装置のために提供される。演算は、ブレーキシステムのESPコントロールユニットで実行されてよい。
【0008】
仮想のブレーキ圧値を演算するために、ブレーキシステムはデータバスを介して踏み込まれた最新のペダルストロークを電気機械式のブレーキ倍力装置によって読み込み、このペダルストロークを、ブレーキシステムで最新の走行状況に基づいて連続的に更新される最新のエアギャップ値によって修正する。修正されたペダルストロークおよび処理規定を用いて、仮想のブレーキ圧値が決定される。仮想のブレーキ圧値は、ブレーキシステムで最新の走行状況に基づいて連続的に更新される、ブレーキシステムの最新の剛性ファクタによって修正される。次いで、修正された仮想のブレーキ圧値は、データバスを介してブレーキ倍力装置に送信される。
【0009】
車両のデータバスを介して、車両の一層のデジタル化に伴って常に多くのデータが送信される。追加的に、安全性の要求を満たすために、多くのこのようなデータがコード化される。これによって、データの伝送時に遅延が生じる。このような遅延が信号到達時間の延長である。
【0010】
ペダルストロークをブレーキシステムに伝送し、かつ仮想のブレーキ圧をブレーキ倍力装置に戻し伝送することによって、緊急を要する2つの値がそれぞれデータバスを介して伝送され、信号到達時間によっていつも遅延される。これらの遅延の合計によって、ブレーキ倍力装置は、踏み込みによるペダル踏力が変化したときに反力を、相応の遅延によってのみ変えることができる。運転者はブレーキペダルにおけるこのような遅延を感知することができる。
【発明の効果】
【0011】
ここで紹介された提案において、仮想のブレーキ圧値は、ブレーキ倍力装置で直接に、若しくはブレーキ倍力装置のコントロールユニットで直接に演算される。このために、最新のエアギャップ値および最新の剛性ファクタが、データバスを介してブレーキシステム若しくはそのコントロールユニットによって読み込まれる。ブレーキシステムへのペダルストロークの伝送による遅延、および仮想のブレーキ圧値をブレーキ倍力装置へ戻し伝送することによる遅延は、存在しない。
【0012】
最新のエアギャップ値および最新の剛性ファクタは緊急を要するものではない。エアギャップ値および剛性ファクタの更新率は、仮想のブレーキ圧値の更新率よりも1等級だけ低くてよい。
【0013】
ここで紹介された提案によって、仮想のブレーキ力値の待ち時間は、データバスにおける信号到達時間が除去されたことにより低下される。これによって、車両の運転者のための改善されたペダル感覚が得られる。このペダル感覚は、直接的なものとして感知され得る。
【0014】
ブレーキシステムの電気機械式のブレーキ倍力装置を運転するための方法が提案されており、この場合、ブレーキ倍力装置のコントロールユニットで、車両の運転者の運転者制動要求を表す仮想の動的なブレーキ圧値が、ブレーキ倍力装置で検出された車両のブレーキペダルのペダルストロークと、車両のデータバスを介してブレーキシステムのブレーキコントロールユニットによって読み込まれたブレーキシステムのエアギャップ値と、データバスを介してブレーキコントロールユニットによって読み込まれたブレーキシステムの剛性ファクタと、を用いて決定される。
【0015】
本発明の実施例の着想は、特に以下に記載した考え方および知識に基づいているものとみなされてよい。
【0016】
電気機械式のブレーキ倍力装置は、車両、特に電気式に駆動される車両の車両構成要素である。電気機械式のブレーキ倍力装置は、車両のブレーキペダルに機械的に連結されている。車両の運転者は、その運転者制動要求、つまり車両がどの程度強く制動されるべきかを、ブレーキペダルを踏み込むペダル踏力を介して表す。運転者は、車両がより強く制動されるべきである場合にペダル踏力を高め、より弱く制動されるべきである場合にペダル踏力を低下させる。ブレーキ倍力装置は、状況に応じて可変な増幅ファクタでペダル踏力を増幅する。ブレーキペダルは、ブレーキ倍力装置の入力ロッドに作用する。入力ロッドは、ブレーキペダルが踏み込まれるとペダルストローク分だけ移動する。このペダルストロークはブレーキ倍力装置で測定される。ブレーキ倍力装置で、ブレーキペダルを踏み込むペダル踏力は増幅ファクタだけ増幅される。ブレーキ倍力装置は出力ロッドを介して車両のブレーキシステムのマスタブレーキシリンダに作用する。
【0017】
ブレーキペダルが踏み込まれて液圧式に制動されると、ブレーキ液はマスタブレーキシリンダからブレーキシステムのホイールブレーキに移動される。ホイールブレーキとしてディスクブレーキが使用されている場合、ディスクブレーキのブレーキライニングがディスクブレーキのブレーキディスクに当接するまで、ブレーキ液によってブレーキピストンがディスクブレーキのブレーキキャリパから押しやられる。ホイールブレーキとしてドラムブレーキが使用されている場合、ブレーキライニングがドラム内側に向かって押し付けられる。当接する前にブレーキライニングをどの程度大きく移動させる必要があるかは、ブレーキライニングのエアギャップに依存する。エアギャップは、例えばカーブ走行中のブレーキキャリパ内におけるブレーキディスクの傾き(動的なエアギャップ)に依存するか、またはペダルから足を離した後のピストンのリセット特性(静的なエアギャップ)にも依存する。ブレーキライニングが当接するまでのペダルストロークは、概ねエアギャップに比例する。ブレーキライニングが当接するとブレーキシステム内のブレーキ液はもはや殆ど移動することはなく、ブレーキシステム内のブレーキ圧は上昇し、それによってブレーキライニングは上昇する力で押し付けられ、摩擦が発生する。ブレーキライニングが当接した後でブレーキ圧がどの程度大きく上昇するかは、ブレーキシステムの剛性に依存する。剛性は例えばブレーキキャリパの温度および/またはブレーキ管路のフレキシビリティーに依存する。剛性は、移動せしめられる体積(ペダルストロークに関連する)とブレーキ圧との関係を表す。
【0018】
ブレーキペダルが踏み込まれて、電気式に制動されると、同様にブレーキ液がマスタブレーキシリンダからブレーキシステム内に移動せしめられる。しかしながらここで、ブレーキ液はホイールブレーキに導かれるのではなく、ブレーキシステムの低圧リザーバ内に中間貯蔵され、それによってブレーキ圧は上昇し得ない。このために必要なペダル踏力は、増幅ファクタを介して調整され得る。必要な力は、選択的にまたは補足的にブレーキシステムの弁を介して調整され得る。
【0019】
ペダル感覚(ストロークとペダル踏力と減速との関係)は、電気式の制動においては、液圧式の制動におけるペダル感覚とほぼ一致する。これを保証するために、特にペダルストロークに依存する運転者制動要求(仮想のブレーキ圧)ができるだけ精確に決定されれば、好適である。液圧式の制動においては、運転者制動要求(仮想のブレーキ圧)は、ブレーキシステム内の実際の圧力にできるだけ相当するべきである。したがって、ブレーキシステム内の予測されるエアギャップは連続的に更新され、最新の走行状況に適合される。予測されるエアギャップは、エアギャップ値として表される。同様に、ブレーキシステム内の最新の予測される剛性は連続的に更新され、最新の走行状況に適合される。予測される剛性は、剛性ファクタとして表される。エアギャップ値および剛性ファクタは、学習するアルゴリズムによって連続的に更新される。
【0020】
車両のデータバスは、例えばCANバスまたは”Flex-Ray-Bus”(フレックスレイバス)であってよい。データバスは待ち時間を有していてよい。待ち時間は、データバスの高い最大限の利用によって生ぜしめられる。待ち時間は、例えば伝送毎に20ミリ秒乃至50ミリ秒であってよい。
【0021】
ここで紹介された提案において、ブレーキシステムの更新されたエアギャップ値および更新された剛性ファクタは、車両のデータバスに提供され、ブレーキ倍力装置によって読み込まれる。ペダルストロークは、ブレーキ倍力装置で検出される。この場合、ペダルストロークを表す値は、好適な形式で、ブレーキ倍力装置で直接に算出され、つまりデータバスを介して伝送される必要はない。エアギャップ値および剛性ファクタにおいて、データバスの避けることのできない待ち時間はそれほど問題にならない。何故ならば、エアギャップ値および剛性ファクタは、データバスの待ち時間よりも、著しく低い頻度で更新されるからである。
【0022】
少なくとも電気式の制動において、ペダルストロークを表す値、エアギャップ値、剛性ファクタを用いてブレーキ圧のための代替値が決定される。代替値は、ここでは仮想の動的なブレーキ圧値と呼ばれる。この場合、増幅ファクタは仮想のブレーキ圧値に依存して調整される。
【0023】
データバスの待ち時間なしで、ブレーキ倍力装置内のペダルストロークを直接的に算出するか若しくは用いることによって、仮想の動的なブレーキ圧値を迅速に決定することができる。仮想の動的なブレーキ圧値は、ペダルストロークがブレーキシステムに伝送される際にブレーキシステムで仮想のブレーキ圧値が決定され仮想のブレーキ圧値が再びブレーキ倍力装置に戻し伝送される場合よりも、例えば最大70ミリ秒速く決定され得る。この場合、機能的なソフトウエアでの追加的な演算プロセスに基づいて、105ミリ秒までの待ち時間が得られる。
【0024】
ペダルストロークを表す値を用いて、さらに仮想の静的なブレーキ圧値が決定される。静的なブレーキ圧値は、動的なブレーキ圧値が決定できないときに、動的なブレーキ圧値のための代替値として用いられてよい。エアギャップ値および/または剛性ファクタが車両のデータバスを介して読み込むことができなければ、仮想の動的なブレーキ圧値は、例えば決定できない。仮想の静的なブレーキ圧値は、フォールバックレベルとして並行して演算され、故障時に精度の低い演算による冗長性を提供する。
【0025】
静的なブレーキ圧値は、ブレーキ倍力装置のコントロールユニットで決定されてよい。ブレーキ倍力装置で直接的に決定することによって、静的なブレーキ圧値においてもデータバスの待ち時間を避けることができる。
【0026】
ブレーキコントロールユニットで、データバスを介してブレーキ倍力装置によって読み込まれたペダルストローク、エアギャップおよび剛性ファクタを用いて、別の仮想の動的なブレーキ圧値が決定される。別の動的なブレーキ圧値は、データバスを介してコントロールユニットのために提供され、動的なブレーキ圧値が決定できないときに、動的なブレーキ圧値のための代替値として用いることができる。エアギャップ値および/または剛性ファクタが車両のデータバスを介して読み込むことができなければ、例えば仮想の動的なブレーキ圧値を決定することができない。別の仮想の動的なブレーキ圧値は、フォールバックレベルとして並行して演算することができ、故障時にデータバスの待ち時間を有する冗長性を提供するが、ブレーキ倍力装置での演算と同じ精度を有している。
【0027】
別の動的なブレーキ圧値は、動的なブレーキ圧値が決定できないときに、動的なブレーキ圧値のための代替値として用いられてよい。静的なブレーキ圧値は、別の動的なブレーキ圧値が決定できないときに、別の動的なブレーキ圧値のための代替値として用いられてよい。2つのフォールバックレベルによって、電気式の制動時に高い安全性が得られる。
【0028】
動的なブレーキ圧値は、ペダルストローク/圧力特性曲線を用いて決定されてよい。ペダルストローク/圧力特性曲線は、ペダルストロークとブレーキ圧との間の関係を示す。特性曲線は、簡単に読み込むことができ、僅かな演算費用を必要とするだけである。特性曲線は、参考表の形で記録されていてもよい。
【0029】
検出されたペダルストロークは、エアギャップ修正されたペダルストロークを得るために、エアギャップ値を用いて修正され得る。エアギャップ修正されたペダルストロークは、ペダルストローク/圧力特性曲線の入力値として用いられてよい。ペダルストローク/圧力特性曲線から読み込まれたブレーキ圧値は、動的なブレーキ圧値を得るために、剛性ファクタを用いて修正され得る。動的なブレーキ圧値は、複数の簡単な操作の連続によって簡単かつ迅速に決定され得る。この場合、動的なブレーキ圧値を決定するために、低い演算能力だけで十分である。
【0030】
この方法は、好適な形式で自動化され若しくは特にコンピュータで実行され、例えばソフトウエアまたはハードウエアあるいはソフトウエアとハードウエアとの混合形で、例えば運転者支援システムに実装されていてよい。
【0031】
ここで紹介された提案はさらに、電気機械式のブレーキ倍力装置のためのコントロールユニットを提供する。この場合、コントロールユニットは、ここで提案された方法の変化例のステップを相応の装置で実行、制御および/または実施するために構成されている。
【0032】
コントロールユニットは、信号またはデータを処理するための少なくとも1つのコンピュータユニットと、信号またはデータを記憶するための少なくとも1つの記憶装置と、通信プロトコル内に埋め込まれたデータを読み込むかまたはアウトプットするための少なくとも1つのインターフェースおよび/または通信インターフェースとを備えた電気機器であってよい。コンピュータユニットは、センサ信号を処理し、かつセンサ信号に依存してデータ信号をアウトプットするための、例えば信号プロセッサ、いわゆるシステムASICまたはマイクロコントローラであってよい。記憶装置は、例えばフラッシュメモリー、EEPROMまたは磁気記憶装置であってよい。インターフェースは、センサのセンサ信号を読み込むためのセンサインターフェースとして、並びに/またはデータ信号および/若しくは制御信号をアクチュエータにアウトプットするためのアクチュエータインターフェースとして構成されていてよい。通信インターフェースは、データを無線誘導および/または有線誘導で読み込むかまたはアウトプットするために構成されていてよい。インターフェースは、例えば別のソフトウエアモジュールの隣でマイクロコントローラに設けられているソフトウエアモジュールであってもよい。
【0033】
コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムも有利であって、このコンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムは、例えば半導体記憶装置、ハードディスクまたは光学式記憶装置等の機械読み取り可能な媒体または記憶媒体に記憶されていて、特にプログラム製品またはプログラムがコンピュータまたは装置で実行されるときに、前記実施例に記載した方法のステップを実行、実施および/または制御するために用いられるプログラムコードを有している。
【0034】
本発明のいくつかの可能な特徴および利点は、以下に様々な実施例を用いて説明されていることを指摘しておく。本発明の別の実施例を得るために、当業者は、このようなコントロールユニットおよび方法の特徴が、適切な形式で組み合わされ、適合されるかまたは交換され得ることを認識している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】1実施例によるコントロールユニットを有する車両の電気機械式のブレーキ倍力装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて説明する。この場合、図面も明細書も本発明として限定的に解釈されるべきではない。
【0037】
図面は、単に概略的なものであって、縮尺通りではない。同じ符号は同じまたは同じ作用を有する特徴を表す。
【0038】
図1は、1実施例によるコントロールユニット102を有する車両の電気機械式のブレーキ倍力装置100を示す。ブレーキ倍力装置100は、”iBooster”(アイブースタ)と呼ばれ得る。ブレーキ倍力装置100は、車両のブレーキペダルと機械的に連結されている。ブレーキ倍力装置100は、ブレーキペダルのペダルストローク106を検出するためのペダルストロークセンサ104を有している。ペダルストローク106は、コントロールユニット102によって読み込まれる。
【0039】
コントロールユニット102は、車両のデータバス108に接続されている。データバス108を介して、コントロールユニット102は、車両のブレーキシステム116のブレーキコントロールユニット114から最新のエアギャップ値110および剛性ファクタ112を読み込む。ここでは、ブレーキコントロールユニット114は車両のESPコントロールユニットである。
【0040】
最新のエアギャップ値110および剛性ファクタ112は、ブレーキコントロールユニット114で絶え間なく更新され、最新の走行状況に適合される。このために、ブレーキコントロールユニット114で、エアギャップ値110および剛性ファクタ112のための学習するアルゴリズム118が実行され、エアギャップ値110および剛性ファクタ112がデータバス108を介して提供される。
【0041】
コントロールユニット102で、ペダルストローク106、エアギャップ値110および剛性ファクタ112を用いて、仮想の動的なブレーキ圧値120が決定される。仮想の動的なブレーキ圧値120は、車両の運転者がブレーキペダルを踏み込むことによる運転者制動要求を表す。
【0042】
仮想の動的なブレーキ圧値120は、ブレーキ倍力装置100の可変な増幅ファクタを介してブレーキペダルにおける反力を調整するために、ブレーキ倍力装置100で用いられる。
【0043】
この場合、仮想の動的なブレーキ圧値120を決定するために、まず、エアギャップ修正されたペダルストローク122を得るためにペダルストローク106がエアギャップ値110を用いて修正される。次いで、エアギャップ修正されたペダルストローク122が、ペダルストローク/圧力特性曲線124からブレーキ圧値126を読み込むために、ペダルストローク/圧力特性曲線124を有する処理規定の入力値として用いられる。次いで、仮想の動的なブレーキ圧値120を得るために、ブレーキ圧値126が剛性ファクタ112を用いて修正される。
【0044】
1実施例では、ペダルストローク106から仮想の動的なブレーキ圧値120を決定するのに並行して、仮想の静的なブレーキ圧値128が決定される。仮想の静的なブレーキ圧値128を決定するために、データバス108を介して読み込まれた値が用いられることはない。データバス108に欠陥があって、例えばデータバス108から情報を読み込むことができないときでも、仮想の静的なブレーキ圧値128は決定され得る。
【0045】
1実施例では、ペダルストローク106は、ブレーキコントロールユニット114のためのデータバス108を介して提供される。ブレーキコントロールユニット114で、ブレーキストローク106、エアギャップ値110および剛性ファクタ112を用いて別の仮想の動的なブレーキ圧値130が決定され、データバス108を介して提供される。伝送時のデータバス108のネットワーク遅延時間に基づいて、別の仮想の動的なブレーキ圧値130は、100ミリ秒の範囲の待ち時間だけでブレーキ倍力装置100のコントロールユニット102によって読み込むことができる。この場合、別の仮想の動的なブレーキ圧値130は、非常に精確に仮想の動的なブレーキ圧値120に相当するが、時間のずれを有している。
【0046】
1実施例では、ブレーキ倍力装置100のコントロールユニット102で、提供可能なブレーキ圧値120,128,130の選択132が行われる。コントロールユニット102で所定の仮想の動的なブレーキ圧値120が決定可能あれば、コントロールユニット102で所定の仮想の動的なブレーキ圧値120がブレーキ倍力装置のために提供される。
【0047】
コントロールユニット102で所定の仮想の動的なブレーキ圧値120が決定可能ではないが、ブレーキコントロールユニット114で所定の別の仮想の動的なブレーキ圧値130が決定可能であれば、ブレーキコントロールユニット114で決定された別の仮想の動的なブレーキ圧値130がブレーキ倍力装置100のために提供される。
【0048】
コントロールユニット102で決定された仮想の動的なブレーキ圧値120も、またブレーキコントロールユニット114で決定された別の仮想の動的なブレーキ圧値130も、決定可能でない場合、コントロールユニット102で決定された仮想の静的なブレーキ圧値128がブレーキ倍力装置100のために提供される。
【0049】
以下に、本発明の可能な実施形態を、再び要約して若しくは若干別の言葉を選択して説明する。
【0050】
運転者制動要求検知のための待ち時間の除去が提案される。
【0051】
真空ブレーキ倍力装置等のブレーキ倍力装置は、既に長く車両に用いられている。電気機械式のブレーキ倍力装置の開発に伴って車両の電化が考慮される。電気機械式のブレーキ倍力装置(”iBooster”「アイブースタ」)は、運転者の制動指令を状況に応じて支援することができる。
【0052】
電気機械式のブレーキ倍力装置(iBooster)は、ESPとのインターフェースとしての一体的なインターフェースを介して応答され得る。
【0053】
従来形式で、運転者制動要求(pMCvirtual)は、ESPにおける運転者制動要求(DBR”Driver Brake Request”)機能で仮想圧力を演算することによって決定される。このための中央情報が、iBoosterによって提供されたペダルストローク(sOutputRodDriver,sOutputRodAct)である。ESPでモデルに基づく運転者制動要求算出を可能な限り精確に構成するために、ここでは、ブレーキハードウエア、例えば剛性、摩耗、温度の影響およびエアギャップ特性等への影響が考慮される。
【0054】
ネットワーク遅延時間に基づいて、CAN、CAN-FDまたはFlexRay(フレックスレイ)等の車両バスを介して送信されたすべての信号は所定の待ち時間に支配される。実際にはますます多くのセキュリティ対策が車両通信において考慮されるので、この遅延時間は増え続ける。その理由の一つは、例えば信号のコード化およびデコードである。
【0055】
pMCvirtualのための遅延時間が長ければ長いほど、これらの信号を重要な入力値として利用するiBooster内のペダル感覚調整メカニズムが、より遅れて評価される。それによって、例えばソフトウエア側のペダル感覚調整(PFA-Pedal Force Amplifiction)並びに回生制動の際に必要なペダル踏力調整(PFC-Pedal Force Compensation)が、遅延された信号に基づいて決定される。これは、そのペダル運動によって運転者制動要求を変更し始める運転者にとって直接的に感じ得る力の応答に反する。
【0056】
したがって、ここでは、セキュリティ対策およびFlexRayを有する電気機械式のブレーキ倍力装置で運転者制動要求を決定するために、ネットワーク遅延時間の除去が提案される。この場合、ペダルストロークをブレーキ倍力装置からESPへ伝送するために約35msの遅延、およびESPからブレーキ倍力装置へ運転者制動要求を伝送するためにさらに約35msの遅延が節約される。その結果、全部で約70msの節約が得られる。それによってネットワーク遅延は避けられる。何故ならば、pMCvirtualはiBoosterで直接的に演算されるからである。
【0057】
ここに紹介された提案によって、快適さの向上が得られる。何故ならば直接的な応答および自然なペダル感覚を可能にするからである。この場合、ネットワーク遅延時間の除去によって、結果として、純粋に液圧式の制動と同様の、ペダル踏力、ペダルストロークおよび車両減速の関係が生じる。
【0058】
この場合、ネットワーク遅延時間を除去するために、ブレーキ倍力装置およびESPの通信マトリックスが拡大され、運転者制動要求の並行的な演算を可能にする、ESPの機能成分がiBoosterへ伝送される。このために、「エアギャップ」および「剛性」のためのインターフェースが新たに規定される。ESPで機能的な変更は生じない。新たに規定された信号だけがアウトプットされる。「エアギャップ」および「剛性」への影響は、さらにESPで演算される。「エアギャップ」および「剛性」のために提供された信号は、時間的に問題のない変更に支配され、それによってネットワーク遅延時間は無視されてよい。
【0059】
最後に、「有する」、「含有する」その他の概念は、別の要素またはステップを除外するものではなく、「1つ」等の概念は複数を除外するものではない。請求項に記載した符号は、限定的とみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0060】
100 ブレーキ倍力装置
102 コントロールユニット
104 ペダルストロークセンサ
106 ペダルストローク
108 データバス
110 エアギャップ値
112 剛性ファクタ
114 ブレーキコントロールユニット
116 ブレーキシステム
118 アルゴリズム
120 仮想の動的なブレーキ圧値
122 エアギャップ修正されたペダルストローク
124 ペダルストローク/圧力特性曲線
126 ブレーキ圧値
128 仮想の静的なブレーキ圧値
130 別の仮想の動的なブレーキ圧値
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のブレーキシステム(116)の電気機械式のブレーキ倍力装置(100)を運転するための方法において、
前記ブレーキ倍力装置(100)で検出された、車両のブレーキペダルのペダルストローク(106)と、車両のデータバス(108)を介して前記ブレーキシステム(116)のブレーキコントロールユニット(114)によって読み込まれた前記ブレーキシステム(116)のエアギャップ値(110)と、前記データバス(108)を介して前記ブレーキコントロールユニット(114)によって読み込まれた前記ブレーキシステム(116)の剛性ファクタ(112)とを用いて、前記ブレーキ倍力装置(100)のコントロールユニット(102)で車両の運転者の運転者制動要求を表す仮想の動的なブレーキ圧値(120)を決定する、車両のブレーキシステム(116)の電気機械式のブレーキ倍力装置(100)を運転するための方法。
【請求項2】
前記データバス(108)を介して前記ブレーキ倍力装置(100)によって読み込まれた前記ペダルストローク(106)と、前記エアギャップ値(110)と前記剛性ファクタ(112)とを用いて、前記ブレーキコントロールユニット(114)で別の仮想の動的なブレーキ圧値(130)を決定し、この別の動的なブレーキ圧値(130)を、前記動的なブレーキ圧値(120)が決定できないときに、前記データバス(108)を介して前記コントロールユニット(102)のために提供し、前記動的なブレーキ圧値(120)のための代替値として用いる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ペダルストローク(106)を用いてさらに仮想の静的なブレーキ圧値(128)を決定し、この静的なブレーキ圧値(128)を、前記動的なブレーキ圧値(120)が決定できないときに、前記動的なブレーキ圧値(120)のための代替値として用いる、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記静的なブレーキ圧値(128)を前記コントロールユニット(102)で決定する、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記動的なブレーキ圧値(120)を決定できないときに、前記別の動的なブレーキ圧値(130)を前記動的なブレーキ圧値(120)のための代替値として用い、前記別の動的なブレーキ圧値(130)を決定できないときに、前記静的なブレーキ圧値(128)を前記別の動的なブレーキ圧値(130)のための代替値として用いる、請求項3記載の方法。
【請求項6】
前記動的なブレーキ圧値(120)をペダルストローク/圧力特性曲線(124)を用いて決定する、請求項1または2記載の方法。
【請求項7】
エアギャップ修正されたペダルストローク(122)を得るために、検出された前記ペダルストローク(106)を、前記エアギャップ値(110)を用いて修正し、前記エアギャップ修正されたペダルストローク(122)を前記ペダルストローク/圧力特性曲線(124)の入力値として用い、前記動的なブレーキ圧値(120)を得るために、前記ペダルストローク/圧力特性曲線(124)から読み込まれたブレーキ圧値(126)を、前記剛性ファクタ(112)を用いて修正する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
電気機械式のブレーキ倍力装置(100)のためのコントロールユニット(102)において、前記コントロールユニット(102)が、請求項1または2記載の方法を相応の装置で実行、実施および/または制御するために構成されている、コントロールユニット(102)。
【請求項9】
コンピュータプログラム製品において、該コンピュータプログラム製品は、このコンピュータプログラム製品を実行する際に、請求項1または2記載の方法を実行、実施および/または制御するように、プロセッサを促すために設計されている、コンピュータプログラム製品。
【請求項10】
機械読み取り可能な記憶媒体において、前記記憶媒体に請求項9記載のコンピュータプログラム製品が記憶されている、機械読み取り可能な記憶媒体。
【外国語明細書】