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▶ タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッドの特許一覧

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  • 特開-コネクタおよびコネクタアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060598
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】コネクタおよびコネクタアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20240424BHJP
   H02G 15/02 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
H01R13/56
H02G15/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023177970
(22)【出願日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】202222754357.1
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】チィー ファン
(72)【発明者】
【氏名】イーチェン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ヅゥウェイ ヴィヴィ リィー
(72)【発明者】
【氏名】シィアオ ニッチ ヂォウ
【テーマコード(参考)】
5E021
5G375
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA03
5E021FA08
5E021FB07
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC21
5E021FC27
5E021FC32
5E021FC40
5E021GA03
5E021GA07
5E021GB20
5G375BA02
5G375BB05
5G375BB23
5G375DA36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】占有空間がより小さくなりコストが削減されるように、異なる角度の出力方向とより簡単な構造とを有するコネクタを提供する。
【解決手段】曲管の形のハウジング(1)を備えるコネクタが開示されている。ハウジングは、第1の管状部(101)と、第2の管状部(102)と、第1の管状部と第2の管状部との間に接続された曲がり部(103)とを含み、第1の管状部と第2の管状部とが、互いに対して0度超~180度未満の角度で延びるようになっている。ハウジング(1)は、ハウジングの内部を通って延びるケーブル(12)を、このケーブルが曲がり部(103)内で曲がるようにして保持するように構成されている。コネクタアセンブリも開示されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタであって、
曲管の形のハウジング(1)を備え、
前記ハウジングは、第1の管状部(101)と、第2の管状部(102)と、前記第1の管状部と前記第2の管状部との間に接続された曲がり部(103)とを含み、前記第1の管状部と前記第2の管状部とが、互いに対して0度超~180度未満の角度で延びるようになっており、
前記ハウジング(1)は、前記ハウジングの内部を通って延びるケーブル(12)を、前記ケーブルが前記曲がり部(103)内で曲がるようにして保持するように構成されている
ことを特徴とする、コネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記ハウジングに保持された前記ケーブル(12)の導電性コア(121)と、前記導電性コア(121)に巻き付けられた第1の絶縁層(122)とが、前記ハウジング(1)の前記内部を通って延びることができるように構成され、前記ハウジングが、前記第1の絶縁層によって前記導電性コアから電気的に絶縁されるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記曲がり部(103)は90度の角度で曲げられ、前記ハウジングに保持された前記ケーブル(12)が、前記ハウジング(1)内において90度の角度で曲げられるようになっていることを特徴とする、請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記第1の管状部(101)の端部の外周面と前記ハウジングに保持された前記ケーブル(12)の外周面とに外装されるように構成されて、前記ケーブルを前記第1の管状部に対して保持するシース(11)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記シース(11)は、前記第1の管状部(101)の前記外周面に外装されるように構成された環状壁(111)と、前記第1の管状部(101)の前記端部の開口部を部分的に閉じるように構成されたカバー部(113)とを含み、前記カバー部(113)は、前記ケーブル(12)が通るように構成された貫通孔を有するように構成され、
係合開口部(112)が前記環状壁(111)に形成され、突起(104)が前記第1の管状部(101)の前記外周面に形成され、
前記シース(11)は、前記係合開口部(112)と前記突起(104)との係合によって前記第1の管状部(101)に固定されるように構成されている
ことを特徴とする、請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シース(11)に収容された第1のクランプ部材(10)をさらに備え、前記第1のクランプ部材は、前記ケーブル(12)の前記外周面に外装されるように構成された環状部(1002)と、前記環状部(1002)から半径方向外方に延びるように構成されたフランジ(1001)とを含み、
前記環状部(1002)は、前記ケーブル(12)の前記外周面と前記シースの前記カバー部(113)の前記貫通孔の内縁部との間に位置決めされるように構成されて、前記ケーブルをクランプし、
前記フランジ(1001)は、前記シースの前記カバー部(113)の内面に当接するように構成されて、前記第1のクランプ部材(10)が前記シース(11)から軸方向および外方に外れることを防ぐ
ことを特徴とする、請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1の管状部(101)の内面と前記ケーブル(12)の前記外周面との間に密接に位置決めされて、前記第1の管状部(101)の内部を前記コネクタの外部環境からシールする第1のシール(9)をさらに備え、
前記第1のクランプ部材の前記フランジ(1001)は、前記シースの前記カバー部(113)の前記内面と前記第1のシール(9)との間に軸方向に位置決めされている
ことを特徴とする、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第1の管状部は、前記ケーブル(12)の前記導電性コア(121)と、前記第1の絶縁層(122)と、前記第1の絶縁層に巻き付けられた第2の絶縁層(123)と、前記第1の絶縁層(122)および前記第2の絶縁層(123)の間に位置するシールド層(124)とが、前記第1の管状部(101)で延びることができるように構成され、
前記第2の絶縁層(123)の延長部が、前記第1の管状部(101)で終端し、前記シールド層(124)が、前記第2の絶縁層(123)の端部の終端部で露出し、折り曲げられて前記第2の絶縁層(123)の外周面に外装されるようになっており、
前記コネクタは、前記第1の管状部(101)内にシールドリング(7、8)をさらに備え、前記シールドリングは、前記第2の絶縁層(123)の前記端部の前記終端部で露出した前記シールド層(124)の部分に接触するように構成され、前記シールドリングの外面が、前記第1の管状部(101)の内面に接触するように構成され、
前記シールドリングは、第1のシールドリング(8)と、前記第1のシールドリングに嵌め込まれるように構成された第2のシールドリング(7)とを含み、前記第2の絶縁層(123)の前記端部の前記終端部で露出した前記シールド層(124)の前記部分は、前記第1のシールドリング(8)と前記第2のシールドリング(7)との間に密接にクランプされるように構成されている
ことを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第1の管状部(101)に位置するスペーサ(6)をさらに備え、前記曲がり部(103)に面した前記スペーサ(6)の端部が、トランペット部(61)を形成するようにトランペット状であり、前記トランペット部は、前記ハウジングに保持された前記ケーブル(12)を、前記トランペット部(61)において前記第1の管状部(101)から前記第2の管状部(102)へ延びて曲がるよう案内するように構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第2の管状部(102)の外面に、取付孔(14)が形成されたラグ(15)が設けられ、
前記ハウジング(1)は、前記取付孔(14)およびモータハウジングの対応する取付孔を通って延びる締付具によって前記モータハウジングに固定されるように構成されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記第2の管状部(102)の前記端部の前記外周面と前記第2の管状部(102)から出る前記ケーブル(12)の接続端(1202)の外周面とに外装されるように構成されて、前記第2の管状部(102)の内部を前記コネクタの外部環境からシールする熱収縮チューブ(13)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記熱収縮チューブ(13)に部分的に挿入された接続端子(5)をさらに備え、前記接続端子は、前記第2の管状部(102)から出る前記ケーブル(12)の前記接続端(1202)に電気的に接続するように構成され、モータに電気的に接続するように構成され、
前記接続端子(5)は、前記接続端子を貫通する接続孔(51)を含み、
前記ケーブル(12)は、前記接続孔(51)を通って延びるボルトによって、前記モータに固定され電気的に接続するように構成されている
ことを特徴とする、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記第2の管状部(102)に収容された第2のクランプ部材(3)および第3のクランプ部材(4)をさらに備え、前記第2のクランプ部材および前記第3のクランプ部材は、互いに結合して、前記第2の管状部(102)内に位置する前記ケーブル(12)の部分をクランプするように構成されて、前記ケーブル(12)を前記第2の管状部(102)に対して固定することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記第2の管状部(102)の外側に外装された第2のシール(2)をさらに備え、前記第2のシールは、前記ハウジング(1)とモータハウジングとの間に固定されて、汚染物質が前記モータハウジングの内部に入ることを防ぐように構成されていることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
コネクタアセンブリであって、請求項1から14のいずれか一項に記載の少なくとも2つのコネクタを備え、
前記少なくとも2つのコネクタは接続板(16)を介して互いに固定され、
前記少なくとも2つのコネクタのうちの一方のコネクタの前記第1の管状部と、他方のコネクタの前記第1の管状部とが、互いに対して角度を形成するように構成され、前記一方のコネクタの前記第2の管状部と前記他方のコネクタの前記第2の管状部とが、互いに対して平行である
ことを特徴とする、コネクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2022年10月19日に出願された中国特許出願第CN202222754357.1号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、コネクタおよびコネクタアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー車両において、パワーボルト型コネクタは非常に重要な構成部品であり、一般に、電源とモータとを接続して、電源からモータへ電気エネルギーを伝達するために使用される。新エネルギー車両の内部配線の要件がますます厳格になっていることにより、パワーボルト型コネクタは、占有空間がより小さくなりコストが削減されるように、異なる角度の出力方向とより簡単な構造とを有することが要求されている。
【0004】
既存のパワーボルト型コネクタは、基本的に180度の直線出力方向を有しており、後の配線のために90度の方向が必要な場合には、ケーブルを曲げる必要がある。より太いケーブルの場合、より大きい曲げ半径を確保する必要があるため、より大きい空間を占めることになり、モータの内部空間に大きな無駄が生じることが明らかである。加えて、ケーブルを手で曲げると、製品の均一性が低下し、さらには不良品発生率が高くなる。
【0005】
加えて、この種類のコネクタは高電圧および高電流コネクタであり、したがって、この種類のコネクタは、シールド、絶縁、防水、感電防止などの機能を有する必要がある。さらに、従来技術のコネクタの部品数は非常に多く、組立てが複雑であり、コストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関連技術に存在する上記その他の問題および欠点のうちの少なくとも1つの局面を解決するために、本開示が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様の実施形態によれば、曲管の形のハウジングを備えるコネクタが提供される。ハウジングは、第1の管状部と、第2の管状部と、第1の管状部と第2の管状部との間に接続された曲がり部とを含み、第1の管状部と第2の管状部とが、互いに対して0度超~180度未満の角度で延びるようになっている。ハウジングは、ハウジングの内部を通って延びるケーブルを、このケーブルが曲がり部内で曲がるようにして保持するように構成されている。
【0008】
一部の実施形態において、ハウジングは、ハウジングに保持されたケーブルの導電性コアと、導電性コアに巻き付けられた第1の絶縁層とが、ハウジングの内部を通って延びることができるように構成され、ハウジングが、第1の絶縁層によって導電性コアから電気的に絶縁されるようになっている。
【0009】
一部の実施形態において、曲がり部は90度の角度で曲げられ、ハウジングに保持されたケーブルが、ハウジング内において90度の角度で曲げられるようになっている。
【0010】
一部の実施形態において、コネクタは、第1の管状部の端部の外周面とハウジングに保持されたケーブルの外周面とに外装されるように構成されて、ケーブルを第1の管状部に対して保持するシースをさらに備える。
【0011】
一部の実施形態において、シースは、第1の管状部の外周面に外装されるように構成された環状壁と、第1の管状部の端部の開口部を部分的に閉じるように構成されたカバー部とを含み、カバー部は、ケーブルが通るように構成された貫通孔を有するように構成されている。
【0012】
一部の実施形態において、係合開口部が環状壁に形成され、突起が第1の管状部の外周面に形成され、シースは、係合開口部と突起との係合によって第1の管状部に固定されるように構成されている。
【0013】
一部の実施形態において、コネクタは、シースに収容された第1のクランプ部材をさらに備え、第1のクランプ部材は、ケーブルの外周面に外装されるように構成された環状部と、環状部から半径方向外方に延びるように構成されたフランジとを含む。環状部は、ケーブルの外周面とシースのカバー部の貫通孔の内縁部との間に位置決めされるように構成されて、ケーブルをクランプする。フランジは、シースのカバー部の内面に当接するように構成されて、第1のクランプ部材がシースから軸方向および外方に外れることを防ぐ。
【0014】
一部の実施形態において、コネクタは、第1の管状部の内面とケーブルの外周面との間に密接に位置決めされて、第1の管状部の内部をコネクタの外部環境からシールする第1のシールをさらに備え、第1のクランプ部材のフランジは、シースのカバー部の内面と第1のシールとの間に軸方向に位置決めされている。
【0015】
一部の実施形態において、第1の管状部は、ケーブルの導電性コアと、第1の絶縁層と、第1の絶縁層に巻き付けられた第2の絶縁層と、第1の絶縁層および第2の絶縁層の間に位置するシールド層とが、第1の管状部で延びることができるように構成されている。第2の絶縁層の延長部が、第1の管状部で終端することができ、シールド層が、第2の絶縁層の端部の終端部で露出し、折り曲げられて第2の絶縁層の外周面に外装されるようになっている。コネクタは、第1の管状部内にシールドリングをさらに備え、シールドリングは、第2の絶縁層の端部の終端部で露出したシールド層の部分に接触するように構成され、シールドリングの外面が、第1の管状部の内面に接触するように構成されている。
【0016】
一部の実施形態において、シールドリングは、第1のシールドリングと、第1のシールドリングに嵌め込まれるように構成された第2のシールドリングとを含み、第2の絶縁層の端部の終端部で露出したシールド層の部分は、第1のシールドリングと第2のシールドリングとの間に密接にクランプされるように構成されている。
【0017】
一部の実施形態において、コネクタは、第1の管状部に位置するスペーサをさらに備え、曲がり部に面したスペーサの端部が、トランペット部を形成するようにトランペット状であり、トランペット部は、ハウジングに保持されたケーブルを、トランペット部において第1の管状部から第2の管状部へ延びて曲がるよう案内するように構成されている。
【0018】
一部の実施形態において、第2の管状部の外面に、取付孔が形成されたラグが設けられている。ハウジングは、取付孔およびモータハウジングの対応する取付孔を通って延びる締付具によってモータハウジングに固定されるように構成されている。
【0019】
一部の実施形態において、コネクタは、第2の管状部の端部の外周面と第2の管状部から出るケーブルの接続端の外周面とに外装されるように構成されて、第2の管状部の内部をコネクタの外部環境からシールする熱収縮チューブをさらに備える。
【0020】
一部の実施形態において、コネクタは、熱収縮チューブに部分的に挿入された接続端子をさらに備え、接続端子は、第2の管状部から出るケーブルの接続端に電気的に接続するように構成され、モータに電気的に接続するように構成されている。
【0021】
一部の実施形態において、接続端子は、接続端子を貫通する接続孔を含み、ケーブルは、接続孔を通って延びるボルトによって、モータに固定され電気的に接続するように構成されている。
【0022】
一部の実施形態において、コネクタは、第2の管状部に収容された第2のクランプ部材および第3のクランプ部材をさらに備え、第2のクランプ部材および第3のクランプ部材は、互いに結合して、第2の管状部内に位置するケーブルの部分をクランプするように構成されて、ケーブルを第2の管状部に対して固定する。
【0023】
一部の実施形態において、コネクタは、第2の管状部の外側に外装された第2のシールをさらに備え、第2のシールは、ハウジングとモータハウジングとの間に固定されて、汚染物質がモータハウジングの内部に入ることを防ぐように構成されている。
【0024】
本開示の別の態様の実施形態によれば、コネクタアセンブリであって、本開示による少なくとも2つのコネクタを備え、少なくとも2つのコネクタは接続板を介して互いに固定されている、コネクタアセンブリが提供される。
【0025】
一部の実施形態において、少なくとも2つのコネクタのうちの一方のコネクタの第1の管状部と、他方のコネクタの第1の管状部とが、互いに対して角度を形成するように構成され、一方のコネクタの第2の管状部と他方のコネクタの第2の管状部とが、互いに対して平行である。
【0026】
本開示の様々な実施形態によれば、提供されるコネクタおよびコネクタアセンブリは、非直線構造を有し、コネクタハウジングに保持されたケーブルを、コネクタハウジングにおいて曲げて延ばすことができるようになっているため、空間の無駄が少なくなる。加えて、コネクタおよびコネクタアセンブリを通るケーブルの所定の非直線配線方向を実現することにより、製品の均一性が向上し、不良品発生率が低下する。さらに、本開示の様々な実施形態によって提供されるコネクタおよびコネクタアセンブリは、シールド、絶縁、防水、感電防止、およびその他の機能をさらに提供することができる。コネクタおよびコネクタアセンブリは、部品数がより少ないため、組立てがより簡単で便利になり、コストが低い。
【0027】
本出願のその他の目的および利点は、添付図面を参照した本出願の以下の説明から明らかになり、本出願の徹底した理解を提供するのに役立つであろう。
【0028】
本開示の実施形態の技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態の図面の簡単な説明を以下に示す。以下に記載する図面は、本開示の一部の実施形態のみに関するものであり、本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本開示の実施形態によるコネクタの斜視図である。
図2図1に示すコネクタの別の斜視図である。
図3】線A-Aに沿って取った、図1に示すコネクタの断面図である。
図4】本開示の実施形態によるコネクタの部分分解図である。
図5】本開示の実施形態によるコネクタの完全分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下で、本開示の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本開示の図面に示す同一の参照数字および符号は、実質的に同一の機能を果たす要素または構成要素を指す。
【0031】
さらに、本明細書で使用される用語は、実施形態を説明することを意図したものであり、本開示を限定および/または制限することを意図したものではない。単数形「a」、「an」、「the」、および「said」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本開示において、「含む」、「備える」、「有する」などの用語は、記述される機構、数、ステップ、動作、要素、構成要素、およびそれらの組合せの存在を特定することが意図されるが、1つもしくは複数の他の機構、数、ステップ、動作、要素、構成要素、およびそれらの組合せの存在または追加を排除するものではない。
【0032】
様々な要素を説明するために、「第1の」、「第2の」、「第3の」などの用語が本明細書で使用されるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別することのみを意図したものである。例えば、本開示の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と称し、第2の要素を第1の要素と称する。「および/または」という用語は、関連付けられる項目の複数の組合せまたは複数の関連付けられる項目のうちのいずれか1つを含む。
【0033】
以下の詳細な説明では、説明の便宜上、開示される実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかである。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスは概略的に示す。
【0034】
本開示の態様の実施形態は、曲管の形のハウジング1を備えるコネクタを提供する。ハウジングは、第1の管状部101と、第2の管状部102と、曲がり部103とを含む。曲がり部103は、第1の管状部101と第2の管状部102との間に接続され、第1の管状部と第2の管状部とが、互いに対して0度超~180度未満の角度で延びるようになっている。ハウジング1は、ハウジングの内部を通って延びるケーブル12を、このケーブルが曲がり部103内で曲がるようにして保持するように構成されている。
【0035】
ハウジング1は、導電性材料、好ましくはアルミニウム合金およびステンレス鋼などの金属から形成されている。一実施形態において、ハウジングは、アルミニウム合金から形成されている。しかしながら、他の実施形態において、ハウジングを、プラスチックなどの非金属材料から形成してもよい。
【0036】
図示の実施形態において、曲がり部103は90度の角度で曲げられ、ハウジングに保持されたケーブル12が、ハウジング1内において90度の角度で曲げられるようになっている。しかしながら、特定の用途の条件に従って、曲がり部103を、30度、45度、60度などの90度未満の鋭角で曲げることができ、または120度、135度、150度、およびその他の角度などの90度超の鈍角で曲げることができ、これらは本出願では限定されない。
【0037】
図3および図4に最も良く示すように、ハウジング1に収容されるように構成されたケーブル12は、導電性コア121と、導電性コアに巻き付けられた第1の絶縁層122とを含み、ハウジング1は、導電性コア121と第1の絶縁層122とがハウジング1の内部を通って延びることができるように構成され、ハウジングが第1の絶縁層122によって導電性コア121から電気的に絶縁されるようになっている。
【0038】
図3および図4に最も良く示すように、一実施形態において、ケーブル12は、第1の絶縁層122に巻き付けられた第2の絶縁層123と、第1の絶縁層122および第2の絶縁層123の間に位置するシールド層124とをさらに含むことができる。図示の実施形態において、第2の絶縁層123の延長部は、第1の管状部101で終端し、シールド層124が、第2の絶縁層123の端部の終端部で露出し、折り曲げられて第2の絶縁層123の外周面に外装されるようになっている。
【0039】
図3図5に最も良く示すように、コネクタはシース11をさらに備え、シース11は、第1の管状部101の端部の外周面とハウジングに保持されたケーブル12の外周面とに外装されるように構成されて、ケーブルを第1の管状部に対して保持し、ハウジング1内の他の構成部品が、第1の管状部101の端部の開口部を通ってハウジングから外れることを防ぐ。
【0040】
図示の実施形態において、シース11は、第1の管状部101の外周面に外装されるように構成された環状壁111と、第1の管状部101の端部の開口部を部分的に閉じるように構成されたカバー部113とを含み、カバー部113は、ケーブル12が通るように構成された貫通孔を有するように構成されている。
【0041】
図4に最も良く示すように、係合開口部112が環状壁111に形成され、突起104が第1の管状部101の外周面に形成され、シース11は、係合開口部112と突起104との係合によって第1の管状部101に固定されるように構成されている。
【0042】
図示の好ましい実施形態において、コネクタは、シース11に収容された第1のクランプ部材10をさらに備え、第1のクランプ部材は、ケーブル12の外周面に外装されるように構成された環状部1002と、環状部1002から半径方向外方に延びるように構成されたフランジ1001とを含む。環状部1002は、ケーブル12の外周面とシースのカバー部113の貫通孔の内縁部との間に位置決めされて、ケーブル12をクランプするように構成され、それにより、ケーブル12が第1の管状部101に対して動くことを防ぐ。フランジ1001は、シースのカバー部113の内面に当接するように構成されて、第1のクランプ部材10がシース11から軸方向および外方に外れることを防ぐ。
【0043】
図3図5に最も良く示すように、一実施形態において、コネクタは、第1の管状部101の内面とハウジング1に保持されたケーブル12の外周面との間に密接に位置決めされて、第1の管状部101の内部をコネクタの外部環境からシールする第1のシール9をさらに備えて、水および汚染物質などの異物がコネクタのハウジングの内部空間に入ることを防ぐ。一実施形態において、第1のクランプ部材10のフランジ1001は、シース11のカバー部113の内面と第1のシール9との間に軸方向に位置決めされている。
【0044】
シース11、第1のクランプ部材10、および第1のシール9は、第1の管状部101の端部で互いに結合されて、ハウジング1に保持されたケーブル12を固定し、ハウジング1内の他の構成部品が第1の管状部101の端部の開口部を通ってハウジングから外れることを防ぎ、ハウジング1の内部をコネクタの外部から密閉して分離する。
【0045】
図示の例において、コネクタは、第1の管状部101内にシールドリング7、8をさらに備えることができ、シールドリング7、8は、第2の絶縁層123の端部の終端部で露出したシールド層124の部分に接触するように構成されている。シールドリングの外面は、第1の管状部101の内面に接触するように構成されている。
【0046】
シールドリングは導電性材料から形成され、ケーブル12のシールド層124と導電性材料から形成されたハウジング1とが同じ電位を有するようになっている。加えて、導電性材料から形成されたコネクタのハウジング1は、図示の例において、ハウジング1のラグ15およびボルトなどの締付具によって、モータハウジングに接続される。その結果、ケーブル12のシールド層124とコネクタのハウジング1とは、モータハウジングと同じ電位を有し、それにより、全体的なシールド機能を実現する。
【0047】
図示の例において、シールドリングは、第1のシールドリング8と、第1のシールドリングに嵌め込まれるように構成された第2のシールドリング7とを含むことができ、第2の絶縁層123の端部の終端部で露出したシールド層124の部分は、第1のシールドリング8と第2のシールドリング7との間に密接にクランプされるように構成されている。
【0048】
第1のシールドリング8は、軸方向に延びる第1の円筒形部分と第2の円筒形部分とを含み、第1の円筒形部分の直径は、第2の円筒形部分の直径よりも大きく、図3に示すように、第1の円筒形部分の外面が第1の管状部101の内面に当接し、第2の絶縁層123の端部の終端部で露出したシールド層124の部分が、折り曲げられて、第1のシールドリング8の第2の円筒形部分と第2のシールドリング7との間に密接にクランプされるようになっている。
【0049】
図示の好ましい実施形態において、コネクタは、第1の管状部101に位置するスペーサ6をさらに備える。曲がり部103に面したスペーサ6の端部が、トランペット部61を形成するようにトランペット状である。トランペット部61は、ハウジングに保持されたケーブル12を、トランペット部61において第1の管状部101から第2の管状部102へ延びて曲がるよう案内するように構成され、それにより、ケーブル12の第1の絶縁層122が、ハウジングの曲がり部103で摩耗することを防ぎ、したがって、漏電のリスクを防ぐ。
【0050】
図1および図2に最も良く示すように、コネクタのハウジング1の第2の管状部102の外面に、取付孔14が形成されたラグ15が設けられている。ラグ15は、コネクタのハウジング1に一体に形成されていることが好ましい。ハウジング1は、取付孔14およびモータハウジングの対応する取付孔を通って延びる締付具によってモータハウジングに固定されるように構成されている。
【0051】
図3図5に最も良く示すように、コネクタは熱収縮チューブ13をさらに備え、熱収縮チューブ13は、第2の管状部102の端部の外周面と第2の管状部102から出るケーブル12の接続端1202の外周面とに外装されるように構成されて、第2の管状部102の内部をコネクタの外部環境からシールし、それにより、水および汚染物質などの異物がコネクタのハウジングの内部空間に入ることを防ぎ、ケーブル12が第2の管状部102に対して動くことを防ぐ。
【0052】
コネクタは、熱収縮チューブ13に部分的に挿入された接続端子5をさらに備えることができる。接続端子は、第2の管状部102から出るケーブル12の接続端1202に電気的に接続するように構成され、モータに電気的に接続するように構成されている。図示の例において、接続端子5は、接続端子を貫通する接続孔51を含み、ケーブル12は、接続孔51を通って延びるボルトによって、モータに固定され電気的に接続するように構成されている。
【0053】
図3図5に最も良く示すように、コネクタは、第2の管状部102に収容された第2のクランプ部材3および第3のクランプ部材4をさらに備え、第2のクランプ部材および第3のクランプ部材は、互いに結合して、第2の管状部102内に位置するケーブル12の部分をクランプするように構成されて、ケーブル12を第2の管状部102に対して固定する。
【0054】
図示の例において、第2の管状部102の軸方向における第3のクランプ部材4の寸法は、第2の管状部102の軸方向における第2のクランプ部材3の寸法よりも小さく、ハウジング内に保持されたケーブル12が、第3のクランプ部材4を越えてハウジングの曲がり部103まで延び、さらに第1の管状部101内へ延びるよう構成されるようになっている。
【0055】
図3に最も良く示すように、コネクタは、第2の管状部102の外側に外装された第2のシール2をさらに備え、第2のシールは、ハウジング1とモータハウジングとの間に固定されて、汚染物質がモータハウジングの内部に入ることを防ぐように構成されている。
【0056】
本開示の別の態様は、本開示の上記の実施形態による少なくとも2つのコネクタを備えるコネクタアセンブリをさらに提供する。図1図2に最も良く示すように、少なくとも2つのコネクタが、接続板16を介して互いに固定されている。
【0057】
図2に最も良く示すように、コネクタアセンブリの一方のコネクタの第1の管状部と、コネクタアセンブリの他方のコネクタの第1の管状部とが、互いに対して角度を形成するように構成されている。特定の用途の条件に従って、角度は、30度、45度、60度などの90度未満の鋭角であってよく、または120度、135度、150度などの90度超の鈍角であってよく、これらは本出願では限定されない。図示の例において、コネクタアセンブリの一方のコネクタの第2の管状部と、コネクタアセンブリの他方のコネクタの第2の管状部とは、互いに対して平行である。
【0058】
本開示によって提供されるコネクタおよびコネクタアセンブリは、非直線構造を有し、コネクタハウジングに保持されたケーブルを、コネクタハウジングにおいて曲げて延ばすことができるようになっているため、空間の無駄が少なくなる。加えて、コネクタおよびコネクタアセンブリを通るケーブルの所定の非直線配線方向を実現することにより、製品の均一性が向上し、不良品発生率が低下する。さらに、本開示の様々な実施形態によって提供されるコネクタおよびコネクタアセンブリは、シールド、絶縁、防水、感電防止、およびその他の機能をさらに提供することができる。コネクタおよびコネクタアセンブリは、部品数がより少ないため、組立てがより簡単で便利になり、コストが低い。
【0059】
上記の実施形態はすべて例示的なものであり、当業者がこれらを改良することができ、構造または原理に関して矛盾しなければ、様々な実施形態に記載された構造を任意選択で組み合わせることができることを当業者は理解するだろう。
【0060】
一般的な本発明概念の一部の実施形態について図示し説明したが、一般的な本発明概念の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に修正を加えることができることを当業者は理解するだろう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】