(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060605
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】多孔質シースを備えたバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023179411
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】17/968,901
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ジョージ・リヒター
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK23
4C160KK32
4C160KK36
4C160KK37
4C160KK57
(57)【要約】
【課題】医療装置を提供すること。
【解決手段】医療装置は、患者の体腔に挿入するように構成された挿入管と、挿入管の遠位に接続され、かつ体腔内の組織に電気エネルギーを印加するように構成されている電極を備える、拡張可能アセンブリと、を備える。可撓性多孔質シースは、拡張可能アセンブリを覆うように嵌合されており、かつ電気エネルギーが電極からシースを通って組織に印加されるよう、体腔内の組織に接触するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入管と、
前記挿入管の遠位側に接続された拡張可能アセンブリであって、前記体腔内の組織に電気エネルギーを印加するように構成されている電極を備える拡張可能アセンブリと、
前記拡張可能アセンブリを覆うように嵌合されている可撓性多孔質シースであって、前記電気エネルギーが前記電極から前記シースを通って前記組織に印加されるよう、前記体腔内の前記組織と前記電極との両方に接触するように構成されている可撓性多孔質シースと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記シースが、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記シースが、編組ポリマー繊維を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記シースが、直径が変化する管として編組されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記シースが、親水性コーティングを有するポリマー繊維を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記拡張可能アセンブリが、前記挿入管から前記シースを通して前記組織に灌注流体を輸送するように連結されている1つ以上の灌注出口を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記シースが、前記灌注流体が前記1つ以上の灌注出口から前記シースを通って前記組織へと外方向に通過することを可能にしながら、血液が前記体腔から前記シースを通って内方向に入り込むことを阻止するために選択された布を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記多孔質シースが、10μm2~100,000μm2のそれぞれの面積を有する細孔を含有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記細孔の前記それぞれの面積が、100μm2~10,000μm2である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記拡張可能アセンブリが、それぞれの近位先端及び遠位先端を有する複数の弾性スパインを備え、前記スパインの前記近位先端が、前記拡張可能アセンブリの近位端部で機械的に接合されており、前記スパインの前記遠位先端が、前記拡張可能アセンブリの遠位端部で機械的に接合されており、前記拡張可能アセンブリが前記体腔内で展開されると、前記スパインが前記シースに当たるように半径方向外側に湾曲し、それによって前記シースを前記体腔内の前記組織と接触させる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記拡張可能アセンブリが、
バルーン膜であって、前記バルーン膜の外面上に放射状に配設され、前記外側多孔質シースと接触する複数の電極を含み、前記複数の電極の各々が、前記挿入管を通って延在している少なくとも1つのそれぞれの導電性部材に電気的に接続されている、バルーン膜と、
前記バルーン膜を通って延びる灌注孔であって、灌注流体が前記挿入管から前記灌注孔を通って流れることを可能にする灌注孔と、
を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
医療デバイスを製造するための方法であって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入管を提供することと、
電極を備える拡張可能アセンブリを、前記挿入管の遠位側に接続することと、
前記拡張可能アセンブリを覆うように可撓性多孔質シースを嵌合させ、前記挿入管が前記体腔内に挿入されたときに、前記シースが前記体腔内の組織に接触するようにすることと、を含む、方法。
【請求項13】
前記シースが、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可撓性多孔質シースを嵌合させることが、ポリマー繊維を編組して、前記シースを形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリマー繊維を編組することが、直径が変化する管を編組することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリマー繊維に親水性コーティングを適用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記多孔質シースが、10μm2~100,000μm2のそれぞれの面積を有する細孔を含有する、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記挿入管から前記シースを通して前記組織に灌注流体を輸送することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記拡張可能アセンブリを接続することが、前記拡張可能アセンブリの近位端部で複数の弾性スパインのそれぞれの遠位先端を一体に接合することと、前記拡張可能アセンブリの遠位端部で前記スパインのそれぞれの遠位先端を一体に接合することと、を含み、その結果、前記拡張可能アセンブリが前記体腔内で展開されると、前記スパインが半径方向外側に湾曲し、それによって前記シースを前記体腔内の前記組織と接触させる、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
電気信号発生器を連結して、前記電極から前記シースを通して前記体腔内の前記組織に電気エネルギーを印加することを含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年11月1日に出願された先願の米国特許仮出願第63/274,334号の優先権の利益を主張するものであり、当該米国特許仮出願は、本明細書に完全に記載されるように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、侵襲的医療機器に関し、具体的には、体内の組織をアブレーションするための装置、並びにそのような装置を製造するための方法及び使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
心臓不整脈は一般的に、催不整脈性の電気経路を遮断するために心筋組織のアブレーションによって治療される。この目的のために、カテーテルが患者の血管系を通して心臓の内腔に挿入され、カテーテルの遠位端部にある電極が、アブレーションされる組織と接触される。場合によっては、組織を熱的にアブレーションするために、高電力高周波(radio-frequency、RF)電気エネルギーが電極に印加される。代替的に、不可逆的エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)によって組織をアブレーションするために高電圧パルスが電極に印加されてもよい。
【0004】
一部のアブレーション処置ではバスケットカテーテルが使用され、そのバスケットカテーテルには、複数の電極がカテーテルの遠位端部にある拡張可能アセンブリのスパインに沿って配列されている。スパインは外側に屈曲し、バスケット様形状を形成し、体腔内の組織を接触させる。例えば、米国特許出願公開第2020/0289197号は、エレクトロポレーションアブレーション療法のためのデバイス及び方法を記載しており、デバイスは、医療用アブレーション療法のためのカテーテルに結合されたスパインのセットを含む。スパインのセットの各スパインは、そのスパイン上に形成された電極のセットを含んでもよい。スパインのセットは、並進して第1の構成と第2の構成との間を移行するように構成されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に記載される本発明の実施形態は、体内の組織をアブレーションするための改善された装置、並びにそのような装置を生産するための方法及び使用する方法を提供する。
【0006】
それゆえ、本発明の一実施形態によれば、患者の体腔内に挿入するように構成された挿入管と、挿入管の遠位側に接続される拡張可能アセンブリであって、かつ体腔内の組織に電気エネルギーを印加するように構成されている電極を備える拡張可能アセンブリと、を備える医療装置が提供される。可撓性多孔質シースは、拡張可能アセンブリを覆うように嵌合されており、かつ電気エネルギーが電極からシースを通って組織に印加されるよう、体腔内の組織に接触するように構成されている。
【0007】
また、本発明の一実施形態によれば、患者の体腔内に挿入されるように構成された挿入管を提供することと、電極を含む拡張可能アセンブリを挿入管の遠位側に接続することとを含む、医療デバイスを製造する方法が提供される。可撓性多孔質シースは、挿入管が体腔内に挿入されたときに、シースが体腔内の組織に接触するように、拡張可能アセンブリを覆うように嵌合される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ以上の実装形態を描写している。
【
図1】本発明の一実施形態による、心臓アブレーションのためのシステムを示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、多孔質シースを備えたカテーテル拡張可能アセンブリの概略側面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態による、それぞれ、折り畳み構成及び拡張構成にある
図2のカテーテル拡張可能アセンブリの概略断面図である。
【
図3B】本発明の一実施形態による、それぞれ、折り畳み構成及び拡張構成にある
図2のカテーテル拡張可能アセンブリの概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による、カテーテル拡張可能アセンブリのためのシースを製造するための方法を概略的に示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による、カテーテルバスケットアセンブリのシースを製造するためのシステムの概略側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、
図5のシステムを使用して生産された編組された管の概略側面図である。
【
図7A】本発明の一実施形態による、
図6の編組外側カバーとともに使用することができる例示的拡張可能部材の側面図である。
【
図7B】本発明の一実施形態による、
図6の編組外側カバーとともに使用することができる、更なる別の拡張可能部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±10%の値の範囲を指し得るが、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指し得る。
【0010】
更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。同様に、「近位」という用語は、操作者に近い方の位置を示す一方、「遠位」は、操作者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0011】
本明細書で使用されるとき、「管状」及び「管/チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、断面が直円柱構造若しくは厳密に円形である構造、又は全長にわたって均一な断面である構造に制限されるものではない。例えば、管状構造又は管状システムは、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、管状システムは、本発明の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有し得る。
【0012】
バスケットカテーテルは、バスケットカテーテルのスパイン(ひいてはスパイン上の電極)が同時に複数の場所で組織に接触し、アブレーションすることができることから、アブレーション処置を迅速かつ効率的に実行するのに有用である。しかしながら、スパイン自体が血流に引き起こす障害、及び特にIREによるアブレーションにおけるスパイン間のアーク放電に起因して、アブレーション中に危険な血栓を発生させる可能性がある。更に、スパインは処置中に組織内に埋め込まれることがあるが、これは局所的な過熱につながる可能性があり、結果として炭化及び/又は他の外傷をもたらすことがある。滑らかで丸みを帯びた外形を有するスパインの使用は、これらの影響を軽減するのに役立つが、それ自体が凝固及び組織損傷の問題を排除しない。
【0013】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、多孔質シースで拡張可能アセンブリを覆うことによってこれらの問題に対処する。本明細書で使用される場合、「シース」という用語は、「外側カバー」又は「膜」を含むことが意図される。シースは、スパインと組織との間の直接接触を阻止し、一方で、なおも電極からシースを通して組織に電気エネルギーを印加することを可能にする。シースの材料のタイプ及び厚さは、カテーテルを通して拡張可能アセンブリに送達される灌注流体がシースを通って組織に外側に通過することができる一方で、血液が体腔からシースを通って内側に入り込むことを阻止するように選択され得る。したがって、シースは、凝固及び組織損傷の両方を阻止するのに有用である。
【0014】
これらの原理に基づいて、開示された実施形態は、患者の体腔内に挿入するための挿入管と、挿入管の遠位側に接続された拡張可能アセンブリと、を備える医療装置を提供する。可撓性多孔質シースは、シースが体腔内の組織に接触するように、拡張可能アセンブリを覆うように嵌合されている。拡張可能アセンブリは、シースを通して体腔内の組織に電気エネルギーを印加する電極を備える。以下に記載される実施形態は、特に心臓内アブレーションのためのバスケットカテーテルに関するものであるが、本発明の原理は、電気エネルギーが生体組織に印加される他の種類の処置での使用に適合されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、電気信号発生器は、スパインが接触する組織をアブレーションするのに十分な振幅で、拡張可能アセンブリ上の電極に電気エネルギーを印加する。一実施形態では、電気信号発生器は、電極からシースを通して印加される電気エネルギーが組織内に不可逆的エレクトロポレーション(IRE)を引き起こすのに十分な振幅で電極に双極電気パルスを印加する。追加的又は代替的に、電気信号発生器は、電極からシースを通って印加される電気エネルギーが組織の熱的アブレーションを引き起こすように、電極に十分な電力を有する高周波(RF)電流を印加する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態による、アブレーション処置で使用されるシステム20の概略図である。システム20の要素は、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,California)製のCARTO(登録商標)システムの構成要素に基づくものであってよい。
【0017】
医師30は、患者28の血管系を通してカテーテル22を患者の心臓26の内腔の中へとナビゲートし、次いで、その上に(
図2、並びに
図3A及び
図3Bに詳細に示される)可撓性多孔質シースを嵌合させた拡張可能アセンブリ40(又は40’)を、カテーテル22の遠位端に配備する。拡張可能アセンブリ40(又は40’)の近位端部は挿入管25の遠位端部に接続され、これを医師30が、カテーテル22の近位端部の近くでマニピュレータ32を使用して操縦する。拡張可能アセンブリ40は、折り畳み構成で管状送達シース23を通して挿入され、これが、患者28の血管系を通過して、アブレーション処置が実行されることになる心内腔の中に入る。拡張可能アセンブリ40(又は40’)が心内腔に挿入されると、拡張可能アセンブリは、管状シースから展開され、内腔の中で拡張される。カテーテル22は、その近位端部において制御コンソール24に接続されている。コンソール24上のディスプレイ27は、アブレーション処置の標的存在位置に拡張可能アセンブリ40(又は40’)を位置決めする上で医師30を支援するために、拡張可能アセンブリの存在位置を示すアイコンとともに、心内腔のマップ31又は他の画像を提示し得る。
【0018】
拡張可能アセンブリ40(又は40’)が心臓26内に適切に配備及び位置決めされると、医師30は、コンソール24内の電気信号発生器38を作動させて、プロセッサ36の制御下で拡張可能アセンブリ上の電極に、電気エネルギー(IREパルス又はRF波形など)を印加する。電気エネルギーは、双極性モードにおいて、拡張可能アセンブリ40(又は40’)上の電極対の間に、又は単極性モードにおいて、拡張可能アセンブリ40(又は40’)上の電極と、別個の共通電極、例えば、患者の皮膚に適用される導電性バックパッチ41との間に適用され得る。アブレーション処置中、灌注ポンプ34は、挿入管25を通して食塩水溶液などの灌注流体を拡張可能アセンブリ40(又は40’)に送達する。
【0019】
典型的には、カテーテル22は、拡張可能アセンブリ40(又は40’)の位置(存在位置及び配向)を示す位置信号を出力する1つ以上の位置センサ(図示せず)を備える。例えば、拡張可能アセンブリ40(又は40’)は、印加された磁場に応答して電気信号を出力する1つ以上の磁気センサを組み込んでもよい。プロセッサ36は、拡張可能アセンブリ40(又は40’)の存在位置及び配向の座標を見つけるために、当該技術分野で知られている、例えば上述のCARTOシステムに実装される技術を用いて、信号を受信及び処理する。代替的には、あるいは追加的には、システム20は、拡張可能アセンブリ40(又は40’)の座標を見つけるために他の位置感知技術を適用してもよい。例えば、プロセッサ36は、拡張可能アセンブリ40(又は40’)上の電極と、患者28の胸部に適用される体表面電極39との間のインピーダンスを感知してもよく、かつ同様に当該技術分野で知られている技術を用いて、インピーダンスを存在位置の座標に変換してもよい。いずれの場合でも、プロセッサ36は、マップ31上に拡張可能アセンブリ40(又は40’)の存在位置を表示する際に上記の座標を使用する。
【0020】
代替的には、本明細書に記載されるカテーテル22及びアブレーション技術は、位置感知の恩恵を受けることなく用いられ得る。そのような実施形態では、心臓26内の拡張可能アセンブリ40(又は40’)の存在位置を確認するために、例えば、蛍光透視法及び/又は他の撮像技術が用いられ得る。
【0021】
図1に示されるシステム構成は、本発明の実施形態の動作を理解する際に概念を明確にするための例として提示されるものである。簡潔にするために、
図1は、システム20のうち、拡張可能アセンブリ40及びその拡張可能アセンブリを使用するアブレーション処置に特異的に関連する要素のみを示す。本明細書で使用されるように、用語「拡張可能アセンブリ」は、アセンブリ40(
図2、
図3A、
図3B、及び
図7A)又は40’(
図7B)のいずれかを含む。システムの残りの要素は、当業者であれば明らかであろうが、本発明の原理が他の構成要素を使用して他の医療治療システムにおいて実施され得ることを同様に理解するであろう。全てのこのような代替的な実装は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0022】
ここで、本開示の一実施形態による、可撓性があり多孔質の、外側カバーシース60によって覆われた拡張可能アセンブリ40の詳細を概略的に示す
図2、
図3A、及び
図3Bを参照する。
図2は、拡張可能アセンブリ40の、その拡張状態における断面図であり、
図3A及び
図3Bは、それぞれ折り畳まれた状態及び拡張状態の(外側カバー60付き)拡張可能アセンブリ40を示す断面図である。
【0023】
拡張可能アセンブリ40は、遠位端部48と、近位端部50と、を有し、近位端部50は、挿入管25の遠位端部52に接続されている。拡張可能アセンブリは複数のスパイン44を備え、それらの近位端部は近位端部50で接合され、またそれらの遠位端部は遠位端部48で接合される。1つ以上の電極54が、スパイン44の各々に外方に配設されている。あるいは、スパイン44は、固体の導電性材料を含んでいてよく、したがって、例えば、2020年4月7日に出願された米国特許出願第16/842,648号(BIO6265USNP1)であって、米国特許出願公開第2021/0307815(A1)号として公開された文献に記載されているように、それ自体が電極として機能し得る。なお、この文献の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
スパイン44内の灌注出口56は、スパイン44内を流れる灌注流体が、電極54の近傍で流出して組織に灌注することを可能にする。代替的には、あるいは追加的には、灌注出口は、拡張可能アセンブリ内の他の場所、例えば、拡張可能アセンブリ(図示せず)の内部に収容されている灌注マニホールド上に位置し得る。
【0025】
シース60は拡張可能アセンブリ40を覆うように嵌合されているので、拡張可能アセンブリが拡張され、前進して、心臓26内の組織に当たると、シース60が組織に接触する。シース60は、スパイン44と心臓組織との間の直接接触を阻止する。したがって、電極54に適用される電気エネルギーは、シース60を通過して組織へと至る。一実施形態では、シース60は、例えば、約70μmの厚さを有する、発泡ポリテトラフルオロエチレン(expanded polytetrafluoroethylene、ePTFE)を含む。ePTFEシースは、潤滑性、滑らかさ、強度、及び生体適合性を有し、スパイン44が心臓組織に埋め込まれるのを阻止する際に有利である。
【0026】
あるいは、シース60は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)又はポリアミド(ナイロン)糸などの好適なポリマー繊維を編組することによって作製された管を備える。管は、配備されたバスケット形状により良好に適合するように可変直径で編組され得る。具体的には、管の近位の直径は、バスケットの近位のネックに嵌合するように作製され得、遠位直径は、可能な限り小さくなり得る。遠位端は、固定されていない糸の端部を接着剤で留めること、糸の端部を一体に融着させること、又は任意の他の好適な封止方法によって封止することができる。平坦な形状ではなく管状形状で布を利用する利点は、材料がバスケット形状により良好に適合し、ひだが排除又は最小化されることである。ひだの排除は、シース60の折り畳み直径を低減するのに役立ち、また、材料の折り畳みにおいて血液が凝固する可能性も低減する。この種の編組シースを製造するためのプロセスは、
図4~
図6を参照して以下で更に説明される。
【0027】
更に別の一実施形態では、シース60は、可撓性のある非多孔質材料のシートから作製され、所望のサイズの細孔は、例えばレーザー穿孔によって材料を通して穿孔される。また更に別の一実施形態では、シース60は、より小さい管状部材をブロー成形してバルーン膜を形成し、その後、細孔を、レーザー穿孔によってバルーン膜を通して形成することによって形成することができる。
【0028】
シース60内の細孔は、灌注流体が灌注出口56からシース60を通って外側に通過して心臓組織を灌注することを可能にする一方で、血液が心内腔からシースを通って内側に入り込むことを阻止するのに十分な大きさである。本発明者らは、この目的のためには、シース60内の細孔103(
図6参照)が、約10μm
2~約100,000μm
2の細孔面積を有すると有利であるということを見出した。最良の結果は、約100μm
2~約10,000μm
2の面積を有する細孔を使用して得られた。細孔エリア103のこれらの範囲はまた、灌注流体(導電性を有する)がシース60の内側から細孔エリア103を通って、多孔質膜、シース60の外側に流れることができ、電極54からの電気エネルギーが、シース60を通って自由に通過して出て隣接する組織に至り、組織をアブレーションすることを可能にすることを確実に行うのに有用である。
【0029】
PET及びナイロン繊維などのシース60を製造する際に使用されるポリマー繊維は、本質的に絶縁体である。しかしながら、PET及びナイロンの両方は吸湿性があり、繊維が水又は灌注流体を吸収すると、それらはより高い導電性を有し、電極54によって出力される電気エネルギーがシース60を通って標的組織へとより自由に通過することを可能にする。この点におけるシース60の性能を高めるために、一実施形態では、ポリマー繊維は親水性材料でコーティングされる。親水性コーティングは、繊維の中に水を引き付けるため、シース60はより高い導電性を有するようになり、したがって効率的なアブレーションを容易にする。コーティングはまた、シースにより高い潤滑性を付与しており、そうすることで血液細胞はシースの繊維に付着しない。
【0030】
代替的一実施形態では、疎水性コーティングがシース60のポリマー繊維に適用される。疎水性コーティングを施すと、シース60を通して灌注流体を流すために、シース60を加圧する必要がある。この正圧は、たとえ灌注が低流量であっても、血液がシース60に入ってしまうことを防止する。
【0031】
図3Aの折り畳み状態では、心臓26への拡張可能アセンブリ40の挿入を容易にするためにスパイン44は直線状であり、挿入管25の長手方向軸42に平行に整列されている。この状態では、シース60は、スパイン44とともに内側に折り畳まれる。シース60が拡張可能アセンブリ40とともに折り畳まれ得ることを確実にするために、シース60は、バルーンアセンブリ40の遠位端部48及び近位端部50で接合されている。アクチュエータ46が延伸して遠位端部48と近位端部50とを互いに離間させると、シース60及びスパイン44の両方が
図3Aの管状のプロファイルに圧縮される。アクチュエータを近位端部50に向かって後退させると、スパイン44及びシース60は、
図3Bに示される球形のような構成に拡張される。
図3Bの拡張状態では、スパイン44は径方向外側に湾曲し、シース60を拡張させて心臓内の組織と接触させる。
【0032】
一実施形態では、スパイン44は、拡張可能アセンブリ40の安定状態が
図3Aの折り畳み状態になるように製造される。この場合、拡張可能アセンブリ40がシースから押し出されると、拡張可能アセンブリ40は、挿入管25を通して、例えば好適なワイヤなどのアクチュエータ46を近位方向に引っ張ることによって拡張される。アクチュエータ46を解放すると、拡張可能アセンブリ40が、その折り畳み状態へと折り畳まれて戻ることが可能になる。
【0033】
別の一実施形態では、スパイン44は、拡張可能アセンブリ40の安定状態が
図3Bの拡張状態になるように作製される。この場合、拡張可能アセンブリ40は、シースから押し出されると拡張状態に開くが、アクチュエータ46は、拡張可能アセンブリをシース内に引き戻す前にスパイン44を真っ直ぐにするための可撓性プッシャロッドに置き換えられてもよい。
【0034】
ここで、本発明の一実施形態による、カテーテル拡張可能アセンブリ用のシース60を製造するための方法を概略的に示す
図4~
図6、
図7A及び
図7Bを参照する。
図4は、方法におけることを示すフローチャートであり、
図5は、シースを製造するためのシステム80の概略側面図である。
図6は、
図5のシステムを使用して製造された編組された管100の概略側面図である。
【0035】
予備ステップとして、繊維選択ステップ170で、シースの製造に使用される繊維88の直径及びシース内に形成される細孔のサイズが選択される。例えば、約25~100デニールのPET又はナイロン繊維を使用してもよく、上記のように、シース内の細孔は、約10μm2~約100,000μm2の面積を有していてもよい。必要に応じて、コーティングステップ172で、親水性又は疎水性コーティングを繊維に適用してもよい。
【0036】
編組ステップ174で、繊維88は、好適なマンドレル90の上で編組されて直径が変化する管100を形成する。
図5に示すように、マンドレル90は、シャフト82に沿って配設された複数の球状突起84を備える。球状突起84は、繊維88の編組のための基礎支持構造体として機能するように、所望の形状に膨張したバルーン部材であり得る。当該技術分野で知られているように、編組機86はマンドレル90上で繊維88を編組する。その結果得られた管100は、
図6に示されるように、その間に狭いネック104を有する所望のサイズの複数の球状部102を備える。球状部102はバスケットアセンブリ40を覆うように嵌合するようサイズ決めされているが、ネック104は挿入管25の遠位端を覆うようにぴったりと嵌合する(それについては、
図2に示されるとおりである)。編組機86の編組パラメータは、球状部102が所望のサイズ(例えば、細孔の直径又は細孔のエリア)の開口部又は細孔103を含有するように設定される。編組外側カバー60と拡張可能アセンブリ40との間の強固な接触を確実にするために、編組外側カバー60は、拡張可能アセンブリ40よりもわずかに小さくなるようにサイズ決定され得る。例えば、各球状部84(外側カバー60の内径を画定する)は、マンドレル90の球状突出部84の最大外径(球状部102の最大内径IDでもある)が、拡張可能アセンブリ40又は40’(
図7A及び
図7Bを参照)の最大外径ODより約5%~20%小さくなるようにサイズ決定され得る。拡張可能アセンブリ40の最大外径ODは、拡張可能アセンブリの放射状の最も外側の点から測定(例えば、1つの電極から直径方向に対向する電極まで測定(
図7Aを参照)、又は1つのスパインから直径方向に対向するスパインまで測定)することができる。
【0037】
シース分離ステップ176で、管100内のネック104を切断して管100を複数の別個の球状部102に分離するが、その複数の別個の球状部102の各々がシース60になると考えられ得る。バルブ102を個々の部材又はシース60に分離する前に、マンドレル90の下にあるバルーン又は球状部材84が収縮され、チューブ100を通して引き抜かれるということに留意されたい。あるいは、球状部102を別々のピースに分離した後、下にあるバルーン又は球状部材84をこの段階で引き抜くこともできる。前述のように、球状部102の遠位端部は、切断後に、繊維88の固定されていない端部を接着剤で一緒に締結させ、端部を一体に融着させること、又は任意の他の好適な封止方法によって、閉じられる。シース60(それになる前は、球状部102)は、バスケットアセンブリ40又は40’がシース60に接続しているより小さな管状部材(例えば、ネック104)内に嵌合されるように拡張可能アセンブリ40(
図7A)を圧縮することによって、又は拡張可能アセンブリ40’(
図7B)を収縮させることによって、アセンブリ40又は40’を覆うように嵌合されている。
【0038】
図7Bの実施形態では、拡張可能アセンブリ40’は、挿入管25の遠位端部に連結されたバルーン膜70の形態である。複数の電極54’が、膜70の外面上に配設されたそれぞれの基板55上に配設され得る。導電性部材72を使用して、電気エネルギーをそれぞれの電極54’に送達することができる。導電性部材72は、電気トレースの形態で、膜70の内側又は外側に配設することができる。あるいは、導電性部材72は、バルーン膜70によって画定される内部空間内に配設されたワイヤであり得る。導電性部材72は、挿入管25を通ってアブレーション生成器までずっと延びることができる。灌注細孔74は、バルーン膜70を通って延びて、挿入管25から送達された灌注流体が、膜70を通り、更に外側多孔質カバー60の細孔103を通って流れることを可能にする。アクチュエータ46は、アクチュエータが遠位ハブ48に固定されるように、膜70の内側に取り付ける(かつ破線で示される)ことができ、挿入管25に対するハブ48の伸長(すなわち、膜70をより小さな外側プロファイルに圧縮する)又は挿入管25に対するハブ48の後退(すなわち、膜70をより大きいプロファイルに拡張させる)を可能にする。膜70は、好ましくは、多孔質コーティング60よりも可撓性の低い材料で作製される。
【0039】
拡張可能部材40’の組み立ては、膜70を収縮させ、部材40’をシース60のより小さな管(例えば、ネック104)に挿入することによって完了することができる。その後、部材40’を膨張させることができ、シース60の端部は、膜70の近位端部及び遠位端部に接合することができる。拡張可能部材40’の一実施形態の詳細は、2019年12月9日に出願された米国特許出願第16/707,175号(BIO6195USNP1)であって、米国特許公開第2021/0169567(A1)号として公開された文献を参照して理解することができ、この文献は、参照により本明細書に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
【0040】
上記の実施形態は例として引用したものであり、本発明は、上記で特に図示及び説明されたものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上で説明される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形及び修正を含む。
【0041】
〔実施の態様〕
(1) 医療装置であって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入管と、
前記挿入管の遠位側に接続された拡張可能アセンブリであって、前記体腔内の組織に電気エネルギーを印加するように構成されている電極を備える拡張可能アセンブリと、
前記拡張可能アセンブリを覆うように嵌合されている可撓性多孔質シースであって、前記電気エネルギーが前記電極から前記シースを通って前記組織に印加されるよう、前記体腔内の前記組織と前記電極との両方に接触するように構成されている可撓性多孔質シースと、
を備える、装置。
(2) 前記シースが、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記シースが、編組ポリマー繊維を含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記シースが、直径が変化する管として編組されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記シースが、親水性コーティングを有するポリマー繊維を含む、実施態様1に記載の装置。
【0042】
(6) 前記拡張可能アセンブリが、前記挿入管から前記シースを通して前記組織に灌注流体を輸送するように連結されている1つ以上の灌注出口を備える、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記シースが、前記灌注流体が前記1つ以上の灌注出口から前記シースを通って前記組織へと外方向に通過することを可能にしながら、血液が前記体腔から前記シースを通って内方向に入り込むことを阻止するために選択された布を含む、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記多孔質シースが、10μm2~100,000μm2のそれぞれの面積を有する細孔を含有する、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記細孔の前記それぞれの面積が、100μm2~10,000μm2である、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記拡張可能アセンブリが、それぞれの近位先端及び遠位先端を有する複数の弾性スパインを備え、前記スパインの前記近位先端が、前記拡張可能アセンブリの近位端部で機械的に接合されており、前記スパインの前記遠位先端が、前記拡張可能アセンブリの遠位端部で機械的に接合されており、前記拡張可能アセンブリが前記体腔内で展開されると、前記スパインが前記シースに当たるように半径方向外側に湾曲し、それによって前記シースを前記体腔内の前記組織と接触させる、実施態様1に記載の装置。
【0043】
(11) 前記拡張可能アセンブリが、
バルーン膜であって、前記バルーン膜の外面上に放射状に配設され、前記外側多孔質シースと接触する複数の電極を含み、前記複数の電極の各々が、前記挿入管を通って延在している少なくとも1つのそれぞれの導電性部材に電気的に接続されている、バルーン膜と、
前記バルーン膜を通って延びる灌注孔であって、灌注流体が前記挿入管から前記灌注孔を通って流れることを可能にする灌注孔と、
を備える、実施態様1に記載の装置。
(12) 医療デバイスを製造するための方法であって、
患者の体腔に挿入するように構成された挿入管を提供することと、
電極を備える拡張可能アセンブリを、前記挿入管の遠位側に接続することと、
前記拡張可能アセンブリを覆うように可撓性多孔質シースを嵌合させ、前記挿入管が前記体腔内に挿入されたときに、前記シースが前記体腔内の組織に接触するようにすることと、を含む、方法。
(13) 前記シースが、発泡ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記可撓性多孔質シースを嵌合させることが、ポリマー繊維を編組して、前記シースを形成することを含む、実施態様12に記載の方法。
(15) 前記ポリマー繊維を編組することが、直径が変化する管を編組することを含む、実施態様14に記載の方法。
【0044】
(16) 前記ポリマー繊維に親水性コーティングを適用することを含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記多孔質シースが、10μm2~100,000μm2のそれぞれの面積を有する細孔を含有する、実施態様12に記載の方法。
(18) 前記挿入管から前記シースを通して前記組織に灌注流体を輸送することを含む、実施態様12に記載の方法。
(19) 前記拡張可能アセンブリを接続することが、前記拡張可能アセンブリの近位端部で複数の弾性スパインのそれぞれの遠位先端を一体に接合することと、前記拡張可能アセンブリの遠位端部で前記スパインのそれぞれの遠位先端を一体に接合することと、を含み、その結果、前記拡張可能アセンブリが前記体腔内で展開されると、前記スパインが半径方向外側に湾曲し、それによって前記シースを前記体腔内の前記組織と接触させる、実施態様12に記載の方法。
(20) 電気信号発生器を連結して、前記電極から前記シースを通して前記体腔内の前記組織に電気エネルギーを印加することを含む、実施態様12に記載の方法。
【外国語明細書】