(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060610
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】液化ガス貯蔵タンクに装備することが意図された搬入および/または搬出タワー
(51)【国際特許分類】
F17C 9/00 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
F17C9/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023179719
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】2210817
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン、クトー
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ベルジェ
(72)【発明者】
【氏名】マルク、ボヨー
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB04
3E172BB02
3E172BB12
3E172BB13
3E172BB17
3E172BD02
3E172EB03
3E172EB10
3E172KA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】貯蔵タンクの底壁に及ぼされる機械的応力を考慮しつつ、ポンプ部材および搬出パイプへのアクセスを容易にする。
【解決手段】液化ガスタンクに装備された液化ガスの搬入および/または搬出用のタワー(16)であって、タワーは、前記ベースと一体の少なくとも3つのポール(24)を備え、それらのうちの2つのポールが後方ポール(24b)を形成し、それらのうちの前記第3ポールが前方ポール(24a)を形成し、前記タワーは、3つの前記ポールの外殻により規定された外周(P)の少なくとも部分的に外側に配置された少なくとも1つの液化ガスポンプ部材(34)を備え、前記ベース(25)は、前記ポンプ部材の少なくとも1つの支持体(38)を備える、タワーにおいて、前記支持体(38)は、前記外周の外側において、前記前方ポールに対して2つの前記後方ポールのうちのいずれか一方の反対側で延びることを特徴とするタワー。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの頂壁と、底壁(4)と、前記頂壁と前記底壁(4)との間で延びる複数の側壁(6)と、を備える液化ガス貯蔵および/または輸送タンク(2)であって、
前記タンク(2)の前記壁(4、6)は、液化ガス貯蔵容積を画定し、
前記タンク(2)は、タンク(2)用の少なくとも1つの液化ガス搬入および/または搬出タワー(16)であって、前記液化ガスを収容することが意図された液化ガス搬入および/または搬出タワー(16)を備え、
前記タワー(16)は、前記頂壁と前記底壁(4)との間において、上端部(20)と下端部(22)との間の主延在方向に沿って延びるとともに、その下端部(22)にベース(25)を備え、
前記タワー(16)は前記ベース(25)と一体の少なくとも3つのポール(24)を備え、それらのうちの2つのポール(24)が後方ポール(24b)を形成し、それらのうちの前記第3ポール(24)が前方ポール(24a)を形成し、
前記タワー(16)は、液化ガスを圧送するための少なくとも1つのポンプ部材(34)であって、3つの前記ポール(24)の外殻により規定された外周(P)の少なくとも部分的に外側に配置されたポンプ部材(34)を備える、タンク(2)において、
前記ベース(25)は、前記ポンプ部材(34)の少なくとも1つの支持体(38)を備え、
前記支持体(38)は、前記外周(P)の外側において、前記前方ポール(24a)に対して2つの前記後方ポール(24b)のうちのいずれか一方の反対側で延び、
前記前方ポール(24a)は、前記搬入および/または搬出タワー(2)の最も前方の前記ポール(16)である、ことを特徴とするタンク(2)。
【請求項2】
前記支持体(38)は、前記ポンプ部材(34)を支える少なくとも1つのプラットホーム(40)、ならびに、前記ポンプ部材(34)を前記液化ガスの移動に起因する衝撃から保護する液化ガス用スロッシング防止システム(44)を備える、請求項1に記載のタンク(2)。
【請求項3】
前記スロッシング防止システム(44)は、前記プラットホーム(40)と少なくとも前記前方ポール(24a)との間で延びる少なくとも1つの保護アーム(46)を備える、請求項2に記載のタンク(2)。
【請求項4】
前記保護アーム(46)は、前記液化ガスが通過できるように構成された少なくとも1つのオリフィス(52)を備える、請求項3に記載のタンク(2)。
【請求項5】
前記スロッシング防止システム(44)は、前記プラットホーム(40)と一体の少なくとも1つのブッシュ(56)を備え、前記ポンプ部材(34)は、前記ブッシュ(56)内で少なくとも部分的に延びる、請求項2~4のいずれか一項に記載のタンク(2)。
【請求項6】
前記ブッシュ(56)は、少なくとも1つのベース本体(58)と少なくとも1つの保護壁(60)とを備え、
前記ベース本体(58)は、前記プラットホーム(40)が内接する平面に対して平行な平面内で延び、
前記保護壁(60)は、前記ベース本体(58)から、前記タワー(16)の前記主延在方向に対して平行な方向に沿って、前記タワー(16)の前記上端部(20)の反対側に延び、
前記ベース本体(58)と前記保護壁(60)とは、前記ポンプ部材(34)のハウジングを画定する、請求項5に記載のタンク(2)。
【請求項7】
前記ブッシュ(56)は、前記ポンプ部材(34)の周囲(16)で径方向に延びる少なくとも2つの保護壁(60)を備え、2つの前記保護壁(60)は、互いから距離を置いて配置されるとともに、スロット(68)を規定する、請求項6に記載のタンク(2)。
【請求項8】
2つの保護壁(60)により規定される少なくとも1つのスロット(68)は、前記前方ポール(24a)に対向する、請求項7に記載のタンク(2)。
【請求項9】
前記支持体(38)は、前記ベース(25)にボルト留めされる、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンク(2)。
【請求項10】
前記支持体(38)は、前記ベース(25)に溶接される、請求項1~9のいずれか一項に記載のタンク(2)。
【請求項11】
前記支持体(38)は、前記ベース(25)と一体である、請求項1~10のいずれか一項に記載のタンク(2)。
【請求項12】
前記タンク(2)は、前記底壁(4)に配置される液貯め(26)を備え、ここに前記タワー(16)の前記ポンプ部材(34)および前記スロッシング防止システム(44)の前記ブッシュ(56)が少なくとも部分的に収容される、請求項5~8のいずれか一項に記載のタンク(2)。
【請求項13】
前記タンク(2)は、長手方向(L)に沿って主に延び、
前記ブッシュ(56)を保護するための少なくとも2つの保護壁(60)は、前記長手方向(L)および前記タワー(16)の前記主延在方向に対して垂直な横方向(T)に沿って、互いに対面して延びる、請求項7と組み合わせた請求項13に記載のタンク(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化天然ガス、液体アンモニア、ならびに液化石油ガス等の液化ガスの積荷の貯蔵および/または輸送の分野に関する。より具体的には、本発明は、液化ガス貯蔵タンクに積荷を搬入および搬出するためのタワーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に「Liquefied Natural Gas」の頭文字「LNG」として知られる液化天然ガスは、重要なエネルギー源であり、およそ95%がメタンから構成されている。より具体的には、LNGは、液体状態で断熱タンクに-160℃付近の温度で貯蔵される。この温度において、LNGは、気体状態である場合に占め得る1/600の体積を占めるため、ある場所から別の場所への輸送が容易になり得る。
【0003】
従来的に、タンクは、タンクの開口を閉鎖するカバーから吊り下げられた搬入搬出タワーを備えている。搬入搬出タワーは、三脚式構造体、すなわち格子構造を形成するクロス部材により互いに連結された3つの垂直ポールを備える三脚式構造体を備え得る。前記タワーは、底壁から出現するタンクの支持体によりガイドされる。搬入搬出タワーは、少なくとも1つの搬出パイプと、タンクから積荷を搬出する機能を有するポンプ部材と、を備えている。前記ポンプ部材は、タンクの外部に配置された駆動装置に接続している。さらに、積荷の最適な吸引を可能とするように、通常、吸引部材が、タンクの底壁に形成された液貯めに少なくとも部分的に配置されている。これにより、吸引部材が前記積荷に浸漬した状態を確保しつつ、搬出パイプで抽出される積荷の量を増加させることが可能となり、その完全性が保持される。
【0004】
搬出パイプを搬入搬出タワーの構造体のポールのうちの1つに配置することが知られている。搬入搬出タワーのこのような配置の欠点の1つは、タワーの構造体をガイドする支持体と、搬出パイプの反対側に形成された液貯めとの近接性にある。実際に、このような近接性により、積荷を貯蔵している間、および液化ガスをタンクに充填する前にこれを冷却する間のタンク壁の変形性が制限されるが、この変形性は、タンクの劣化を制限するために必要である。さらに、搬出パイプをパワーの構造体のポールの1つにこのように配置することで、オペレータがアクセスしにくくなる。したがって、タンクの、より具体的には搬入搬出タワーのこのような構成により、搬出パイプのアクセス性が制限されるとともに、液化ガスの貯蔵に必要な前記タンクの強度が低下することが理解される。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、この文脈において、既存の位置決め解決策とは異なるポンプ部材の配置を提案することにより、第一に、貯蔵タンクの底壁に及ぼされる機械的応力を考慮しつつ、ポンプ部材および搬出パイプへのアクセスを容易にすることを可能にする。
【0006】
この文脈において、本発明の主題は、液化ガスを収容することが意図されたタンク用の液化ガスを搬入および/または搬出するためのタワーであって、前記タワーは、上端部と下端部との間の主延在方向に沿って延びるとともに、その下端部にベースを備え、前記タワーは前記ベースと一体の少なくとも3つのポールを備え、それらのうちの2つのポールが後方ポールを形成し、それらのうちの前記第3ポールが前方ポールを形成し、前記タワーは、3つの前記ポールの外殻により規定された外周の少なくとも部分的に外側に配置された少なくとも1つの液化ガスポンプ部材を備えるタワーにおいて、前記ベースは、前記ポンプ部材の少なくとも1つの支持体を備え、前記支持体は、前記外周の外側において、前記前方ポールに対して2つの前記後方ポールのうちのいずれか一方の反対側で延びることを特徴とするタワーである。
【0007】
したがって、タワーによって、このタワーが設置されたタンクに液化ガスを搬入したり搬出したりすることができる。
【0008】
タワーの構造体により画定される外周は、タワーが設置された貯蔵タンクの底壁に対するタワーの構造体の軸方向投影に対応する。また、外周は、ポールの各々の外縁部により、すなわち、構造体の最も外側に配置されたポールの円形部分により画定される。これは、ポールの各々が、他のポールに向かって配向された内面と、タワーの外側を向いた外面とを有し、外周は外殻を形成するこれらの外面に正接することを意味すると理解される。したがって、タワーの外周は、ポールの外面の各々を通過している。
【0009】
このように、ポンプ部材を構造体により画定された外周の外側に配置することによる利点は、ポンプ部材をタワーのベースから離れさせることができるということである。ポンプ部材のこの特定の配置により、一方でポンプ部材を装着する、設置する、メンテナンスする、または他の作業を実施することが容易になり、他方でタワーが設置されたタンクの壁の剛性が低下する。
【0010】
この外周の外側に配置することに加えて、ポンプ部材は、有利には、前方ポールの前方に配置される。この配置は、2つの後方ポールに対する評価である。タワーの前方に配置されることにより、ポンプ部材を装着する、設置する、メンテナンスする、または他の作業を実施することがさらに最適化されるとともに、タワーが設置されたタンクの壁の剛性が制限される。
【0011】
また、上記から、ポンプ部材の支持体はタワーのベースと一体である、またさらには後者の突出部を形成するということが理解される。支持体をベースに固着することにより、特に前記タワーが少なくとも部分的に液化ガスに浸漬している場合に、ポンプ部材をタワーに対して所定位置に保持することが容易になる。
【0012】
本発明の任意の特徴によれば、前記支持体は、前記ポンプ部材を支える少なくとも1つのプラットホーム、ならびに、前記ポンプ部材を前記液化ガスの移動に起因する衝撃から保護する液化ガス用スロッシング防止システムを備える。ポンプ部材および支持体をタワーの前方に配置することにより、これらは、タワーを少なくとも部分的に浸漬させ得るうねりを受ける。このうねりは、ポンプ部材および支持体に激しく接触してこれらを劣化させ得る。そこで、スロッシング防止システムにより、ポンプ部材および支持体に対する液化ガスの衝撃力を低減させることができ、これらの劣化のリスクが制限される。スロッシング防止システムは保護部材であり、この保護は局所的である。したがって、スロッシング防止システムは、スロッシングの影響を低減することを目的とする局所システムである。
【0013】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記スロッシング防止システムは、前記プラットホームと少なくとも前記前方ポールとの間で延びる少なくとも1つの保護アームを備える。保護アームは、液化ガスのうねりにより生じ得る衝撃を受けることにより、支持体およびポンプ部材に及ぼされる衝撃が制限される。
【0014】
本発明の別の任意の特徴によれば、保護アームは、プラットホームとポールのうちの1つとの間で延びる。好適には、保護アームは、前方ポールに直接的に取り付けられる。保護アームの端部を一方でプラットホームに、他方でポールのうちの1つに固着することにより、ベースに対する支持体の強度が強化される。
【0015】
本発明の別の任意の特徴によれば、プラットホームは、互いに対して平行に延びる2つのアームを備えるとともに、プラットホームは、タワーの主延在方向に対して垂直に延びる平面で見て、U字状の断面を有している。より厳しい流体力学的に負荷に対処するように、「U」の端部間に、例えば取り外し可能にボルト留めされた補強材を追加することにより、スロッシングの影響に対してU字状断面を補強してもよい。
【0016】
本発明の別の任意の特徴によれば、プラットホームの分岐部は、分岐部が延びる方向に対して垂直な方向に沿って測定される第1寸法において互いに離間している。ポンプ部材は、ポンプ部材の外面が内接する円の直径に一致する第2寸法を有している。第1寸法は、第2寸法よりも大きい。
【0017】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記保護アームは、前記液化ガスが通過できるように構成された少なくとも1つのオリフィスを備える。オリフィスの寸法は、一方で、液化ガスがこれを通過して通流できることでアームおよび支持体に及ぼされる力が制限されるように、他方で、液化ガスのうねりにより生じる力であって支持体およびポンプ部材に及ぼされる力をアームが十分に低減させるように計算される。
【0018】
本発明の別の任意の特徴によれば、保護部材は、その端部の一方に配置された、ポールのうちの1つのストラップ部材を備え、ストラップ部材は、前記ポールに対して少なくとも部分的に相補的な形状を有する。
【0019】
本発明の別の任意の特徴によれば、ストラップ部材は、ポールのうちの1つに接続する。
【0020】
本発明の別の任意の特徴によれば、ストラップ部材は、前方ポールに接続する。
【0021】
本発明の別の任意の特徴によれば、スロッシング防止システムは、プラットホームから同一のポールまで延びる2つのアームを備え、アームの各々は、オリフィスの形成に関与する。オリフィスは、これを通る液化ガスが変位することができるように構成される。
【0022】
本発明の別の任意の特徴によれば、2つのアームは、プラットホームから前方ポールまで延びる。
【0023】
本発明の別の任意の特徴によれば、アームの各々は、プラットホームの分岐部の一方から延びる。
【0024】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記スロッシング防止システムは、前記プラットホームと一体の少なくとも1つのブッシュを備え、前記ポンプ部材は、前記ブッシュ内で少なくとも部分的に延びる。ここで、「ブッシュ」という用語は、ポンプ部材が少なくとも部分的に収容される少なくとも部分的に円筒形の部材を指すということが理解されるであろう。
【0025】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記ブッシュは、少なくとも1つのベース本体と少なくとも1つの保護壁とを備え、前記ベース本体は、前記プラットホームが内接する平面に対して平行な平面内で延び、前記保護壁は、前記ベース本体から、前記タワーの前記主延在方向に対して平行な方向に沿って、前記タワーの前記上端部の反対側に延び、前記ベース本体と前記保護壁とは、前記ポンプ部材のハウジングを画定する。
【0026】
本発明の別の任意の特徴によれば、ベース本体は、例えば溶接および/またはボルト留めにより、プラットホームと一体である。
【0027】
本発明の別の任意の特徴によれば、ベース本体は、例えば溶接および/またはボルト留めにより、プラットホームの分岐部の各々と一体である。
【0028】
本発明の別の任意の特徴によれば、ブッシュは、例えば、タワーの主延在方向に沿って、タワーの上端部の反対側のベース本体から延びる少なくとも2つの保護壁を備え、2つの保護壁は、ポンプ部材の周囲で径方向に延び、2つの保護壁は、互いに距離を置いて配置されるとともに、スロットを規定する。
【0029】
本発明の1つの特定の実施形態によれば、「径方向」という用語は、保護壁がポンプ部材の周囲で少なくとも部分的に円を描くように延びることを意味する。
【0030】
本発明の別の任意の特徴によれば、2つの保護壁により規定される少なくとも1つのスロットは、前記前方ポールに対向する。「ポールに対面する」とは、前方ポールが、ポンプ部材を中心とした角度セクタであって、スロットの縁部を通過する角度セクタに配置されるという事実を意味すると理解される。
【0031】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記支持体は、前記ベースにボルト留めされる。代替的または相補的な態様において、支持体は、ベースに溶接される。
【0032】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記支持体は、前記ベースと一体である。
【0033】
また、本発明は、少なくとも1つの頂壁と、底壁と、前記頂壁と前記底壁との間で延びる複数の側壁と、を備える液化ガスを貯蔵および/または輸送するためのタンクであって、前記貯蔵タンクの前記壁は、液化ガス貯蔵容積を画定し、前記貯蔵タンクは、上述の特徴のうちのいずれか1つによる特徴を有する少なくとも1つのタワーを備え、前記タワーは前記頂壁と前記底壁との間で延びるタンクに関する。
【0034】
上述の説明を繰り返すため、ポンプ部材を前方ポールの前方に配置することは、貯蔵タンクの配向に関する評価である。タワーは、有利には、貯蔵タンクの後方に配置される。支持体の前方に配置することにより、タワーと貯蔵タンクの後方に配置された側壁との間の底壁の剛性が制限され得る。
【0035】
上述したように、タワーは少なくとも3つのポールを備え、それらのうちの2つのポールが後方ポールを形成し、それらのうちの1つが前方ポールを形成する。タワーは、タンク内において、前記タンクの後部に配置される。この後部は、タンクを備える構造体の進行方向に対して考えられるものである。タワーの前方ポールは、同様に構造体の進行方向について考える場合、タンクの後壁から最も離れたポールである。ポンプ部材の支持体は、この前方ポールに配置される。より詳細には、ポンプ部材の支持体は、前方ポールに対して前方の位置に配置される。この結果、ポンプ部材は、フリースペースに配置される。例えばタワーとタンクの後壁との間に拘束されるようなポンプ部材の配置と比較して、このスペースは非常にアクセスしやすいため、その内部に介入することが容易化される。
【0036】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記貯蔵タンクは、前記底壁に配置される液貯めを備え、ここに前記タワーの前記ポンプ部材および前記スロッシング防止システムの前記ブッシュが少なくとも部分的に収容される。
【0037】
本発明の別の任意の特徴によれば、前記貯蔵タンクは、長手方向に沿って主に延び、前記ブッシュを保護するための少なくとも2つの保護壁は、前記長手方向および前記タワーの前記主延在方向に対して垂直な横方向に沿って、互いに対面して延びる。
【0038】
本発明の別の任意の特徴によれば、保護壁は、長手方向に沿って互いに対向する2つのスロットの形成に関与する。
【0039】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、以下の説明、および添付の概略図面を参照して例示を目的として非限定的になされるいくつかの例示的な実施形態の両者から、より明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本発明による搬入および/または搬出タワーを備えた液化ガス貯蔵タンクを装備した船を上方から見た概略図である。
【
図5】
図5は、
図1によるタワーのスロッシング防止システムにより保護されたポンプ部材用の支持体の概略図である。
【
図6】
図6は、
図1によるタワーのスロッシング防止システムにより保護されたポンプ部材の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の特徴、変形例および種々の実施形態は、両立しないか相互に排他的でない限り、種々の組み合わせに従って互いに関連付けられ得る。特に、以下に記載の特徴の選択であって記載の他の特徴から切り離された選択のみを備える本発明の変形例を、考案することができる。ただし、この特徴の選択が、技術的な利点を付与するのに十分である、および/または、本発明を先行技術と差別化するのに十分であることを条件とする。
【0042】
図面において、複数の図面に共通する部材には、同一の参照符号を付す。
【0043】
以下に続く詳細な説明において、「長手方向」、「横方向」、および「鉛直方向」という用語は、本発明による搬入および/または搬出タワーを装備した貯蔵タンクの配向を指す。「長手方向」は、貯蔵タンクの主延在方向に対応する。この長手方向は、図面に示す基準フレームL、V、Tの長手方向軸Lに対して平行である。鉛直方向は、タワーが主として延びる方向に対応する。この鉛直方向は基準フレームL、V、Tの鉛直方向軸Vに対して平行であり、この鉛直方向軸Vは長手方向軸Lに対して垂直である。最後に、横方向は、基準フレームL、V、Tの横方向軸Tに対して平行な方向に対応する。この横方向軸Tは、長手方向軸Lおよび鉛直方向軸Vに対して垂直である。
【0044】
図1は、ここでは液化ガス輸送船に対応する構造体1を示す。液化ガスを輸送するために、船は、液化ガスを貯蔵および/または輸送するための少なくとも1つのタンク2を備えている。タンク2は、少なくとも1つの底壁4と、本例では見えない頂壁であって、タンク2の垂直方向において互いに対向する頂壁と、を備えている。前記壁同士は、側壁6により互いに接続している。底壁4、頂壁、および側壁6は、とりわけ、液化ガスの貯蔵容積を画定することに関与している。
【0045】
タンク2内の液化ガスの最適な輸送と保存を保証するように、その壁、特に底壁4は、
図3および
図4に見えるシール膜で覆われた少なくとも1つの断熱層であって、液化ガスに接触することが意図された断熱層を備えている。
【0046】
このようなタンク2は、例えば、船や荷船等の液化ガスの輸送を意図した構造体1、再液化ユニットおよび/またはガス化ユニット等の液化ガスの処理を意図した構造体1、ならびに陸上構造物や重力プラットホーム等の液化ガスの貯蔵を意図した構造体1に設置され得る。
【0047】
図3に示すように、タンク2の壁は、タンク2の内部容積の画定に関与する少なくとも1つの一次スペースと、一次スペースを支持する二次スペースとを備えている。スペースの各々は、段熱層およびシール膜を備えている。したがって、タンク2の壁は、互いに重ね合わされた層と膜とから構成されることが理解される。
【0048】
より詳細には、タンク2の壁は、タンク2の外側から前記タンク2の内部容積に向かって、二次断熱層8と、二次断熱層8に支えられた二次シール膜10と、二次シール膜10に配置された一次断熱層12と、一次断熱層12に支えられた一次シール膜14と、を備え、一次シール膜14は、タンク2の内部容積の規定に関与している。断熱層は、一般に2つの合板からなるブロックにより形成され、それらの間に断熱材料が延びている。
【0049】
本明細書の以下の部分において、「シール膜10、14」という用語に関連して記載される特性は、特に断りのない限り、一次シール膜14および/または二次シール膜10に関連し得る。
【0050】
シール膜10、14それ自体は、断熱層に接触する外面およびタンク2の内部容積に面する内面を各々有する複数の金属ストリップまたは金属プレートを備えている。また、金属ストリップは2つの折り返し縁部を有し、それらのそれぞれの折り返し縁部を介して、金属ストリップは互いに接続している。換言すれば、2つの隣り合う金属ストリップの折り返し縁部は、例えば溶接により互いに一体とされることで、金属ストリップが互いに一体となっている。金属ストリップをそれらの折り返し縁部によって互いに取り付けることにより、特に液化ガスのタンク2への搬入および/または搬出時にタンク2の壁が熱変形する際のシール膜10、14の弾性が促進される。
【0051】
図2に示すように、タンク2は、液化ガスをタンク2内に導入し得る、または外部に移動させ得る、本発明による少なくとも1つの搬入および/または搬出タワー16を備えている。タワー16は、有利には、頂壁と底壁4との間で延びている。より具体的には、頂壁は、開口を備えている。開口には、タンク2を構成するカバー18が配置されて、タンク2の貯蔵容積をシールした態様で閉鎖する。
図2に示すように、タワー16がカバー18を少なくとも部分的に通過することにより、液化ガスをタンク2の貯蔵スペースに搬入するおよび/または搬出することが可能となっている。
【0052】
タワー16は、鉛直方向に対して平行な主延在方向に沿って主に延びる構造体を備えている。構造体は、上端部20と下端部22とを有し、上端部20は、頂壁のごく近傍にあり、下端部22は底壁4に面している。より具体的には、タワー16は、三脚とも称される少なくとも3つのポール24と、有利にはその下端部22に配置されたベース25であって、3つのポール24を互いに接続するベース25と、により形成されている。
【0053】
また、タワー16の構造体は、格子構造体28により互いに固着された少なくとも3つのポール24を備えている。3つのポール24の各々は、タンク2のカバーを貫通している。構造体の前方ポール24aと、構造体の2つの後方ポール24bとが、通常の航行状態において、
図1に示す船の進行方向に従って定義される。前方ポール24aは、タンク2における最も前方の構造体のポールである。
【0054】
タワー16は、タンク2内において、構造体1の進行方向、すなわち前記タンク2を装備した船の進行方向について考えた場合、タンク2の後部に面して配置されている。3つのポール24は、2つの後方ポール24bがタンク2の後壁に最も近い2つのポール24であり、前方ポール24aがこの後壁から最も離れている、すなわち後方ポールに比較してタンク2の前壁に最も近い状態で、三角構成に配置されている。
【0055】
実際に、
図1において、タワー16のポール24は、図示の実施形態において、各ポールが二等辺三角形の頂点を形成するように、互いに対して配置されていることに注目されたい。前方ポール24aは、この二等辺三角形の主頂点を形成している。図示の実施形態において、後方ポール24bは、タンク2の後壁の主延在平面に対して実質的に平行な直線に沿って互いに整列していることに留意すべきである。この結果、タワー16の二等辺三角形構成により、前方ポール24aをタンク2の前壁に面して可能な限り遠くに配置することができる。
【0056】
さらに、特に
図4に示すように、タワー16の構造体は、タンク2の底壁4を少なくとも部分的に貫通する支持装置30により支持されている。より詳細には、支持装置30は、タンク2の図示しない外部構造体からベース25まで前記タンク2の底壁4を貫通して延びる少なくとも1つの脚部32を備えている。
【0057】
タワー16は、液化ガス用の少なくとも1つのポンプ部材34であって、
図1に示すように3つのポール24の外殻により規定された外周Pの少なくとも部分的に外側に配置されたポンプ部材34を備えている。「3つのポール24の外殻により規定された外周P」とは、タンク2の底壁に対するタワー16の構造体の軸方向投影を意味すると理解される。外周Pは、ここでは、ポール24の各々の外縁部により、すなわち、構造体の最も外側に配置されたポール24の円形部分により画定されている。したがって、外周Pは三角形を形成し、その各辺は2つのポールに正接している。
【0058】
この外周Pの外側に配置されていることに加えて、ポンプ部材34は、有利には、前方ポール24aの前方に配置される。この配置は、2つの後方ポール24bに対する評価である。ポンプ部材34の位置は、ポール24と同様に、構造体1の進行方向に対して考えられるものである。したがって、ポンプ部材34は、前方ポール24aに対して、前方ポール24aの前方にあるように、すなわち、前方ポールよりもタンク2の前壁に近接するように配置されている。ポンプ部材34のこのような配置により、ポンプ部材34に隣接する作業空間が最大化されることで、タンク2内におけるこのポンプ部材34に対する介入がしやすくなる。
【0059】
タンク2は、タンク2の底壁を少なくとも部分的に貫通して設置された少なくとも1つの液貯め26を備え、ここにポンプ部材34が少なくとも部分的に配置されている。液貯め26の主たる機能は、タンク2の底部に収容されたガスの一部を回収することである。液貯め26に少なくとも部分的に配置されたポンプ部材34は、液貯め26に収容された液化ガスを吸引する。一態様によれば、ポンプ部材34は、燃料を構造体の少なくとも1つの消費体に供給するように構成されている。別の解決策によれば、ポンプ部材34は、タンクから積荷を圧送する、特に搬出するように構成されている。
【0060】
有利には、
図3および
図4に示すように、タワー16は、タンク2に収容された液化ガスの積荷の大部分を吸引するように構成された少なくとも1つの液化ガス搬出部材36と、液貯め26を流れる積荷の一部を回収するように構成された少なくとも1つのポンプ部材34と、を備え、この一部は搬出部材36が圧送する液化ガスに対応する。本発明によれば、好ましくは、3つのポール24により規定された外周Pの外側であって前方ポール24aの前方に配置されるのはポンプ部材34であり、搬出部材36は、外周P内にある、またはこれに交差している。
【0061】
本発明によれば、
図3~
図5により具体的に示すように、ベース25は、ポンプ部材34の少なくとも1つの支持体38を備えている。前記支持体38は、前記外周Pの外側において、前方ポール24aに対して2つの後方ポール24bのうちのいずれか一方の反対側で延びている。ここで、ポンプ部材34を3つのポール24により規定される外周Pの外側において、前方ポール24aの前方に配置することが、ベース25の支持体38の特定の配置により可能とされていることが理解されるであろう。
【0062】
より詳細には、ポンプ部材34の支持体38は、タワー16のベース25と一体である、または、
図3~
図5に示すように、後者の突出部を形成する。このように支持体38をベース25に固着することにより、特に前記タワー16が少なくとも部分的に液化ガスに浸漬している場合に、ポンプ部材34をタワー16に対して所定位置に保持することが容易になる。
図3~
図5に示す例によれば、支持体38は、有利には、ベース25と一体の要素を形成している。すなわち、支持体38とベース25とを分離すれば、支持体38および/またはベース25の破壊を伴い得る。このような例において、支持体38はベース25と一体であるが、この支持体をこのベースに溶接および/またはボルト留めしてもよい。
【0063】
図3~
図5に示すように、支持体38は、ポンプ部材34を支える少なくとも1つのプラットホーム40を備えている。プラットホーム40は、タワー16のベース25が延びる平面と一致する平面において主に延びている。より詳細には、プラットホーム40は、特に
図5に示す、ベース25の縁部から互いに対して平行に延びる2つの分岐部42を備えている。プラットホーム40は、タワー16の主延在方向に対して垂直に延びる平面で見て、U字状の断面を有している。分岐部42の各々が、「U」字形状のアームを形成している。
【0064】
プラットホーム40の分岐部42は、スペースを規定することにより互いに対して配置されている。このスペース内で、ポンプ部材34が少なくとも部分的に延びる。一例によれば、これらの分岐部42は、互いに接続可能な自由端部、またはリンクを有さなくてよい自由端部を各々備えている。
【0065】
プラットホーム40の分岐部42は、分岐部42が延びる方向に対して垂直な方向に沿って測定される第1寸法において互いに離間している。ポンプ部材34は、ポンプ部材34の外面が内接する円の直径に一致する第2寸法を有している。ポンプ部材を配置できるように、第1寸法は第2寸法よりも大きい。
【0066】
本発明によれば、支持体38は、ポンプ部材34を前記液化ガスの移動に起因する衝撃から保護する液化ガス用スロッシング防止システム44を備えている。スロッシング防止システム44により、ポンプ部材34および支持体38に対する液化ガスの衝撃力が低減される。これにより、特に船が海上を航行しているときの船の縦揺れによりタンク2内の液化ガスのうねりが生じる場合に、ポンプ部材34および支持体38が劣化するリスクが制限される。
【0067】
図3~
図5に示すように、スロッシング防止システム44は、プラットホーム40とポール24のうちの少なくとも1つ、例えば前方ポール24aとの間において延びる少なくとも1つの保護アーム46を備えているが、本発明はこれに限定されない。保護アーム46は、液化ガスのうねりで生じる衝撃を受ける。このような保護アーム46により、支持体38およびポンプ部材34が受ける衝撃が制限される。
【0068】
保護アーム46は、有利には、支持体38のプラットホーム40が内接する平面に交差する方向に沿って延びる金属ロッド48の全体形状をとる。また、保護アーム46は、例えば、保護アーム46が延びる方向に対して垂直な平面で見て、T字形状の断面を有している。
【0069】
また、保護アーム46は、保護アーム46の主ロッド48とプラットホーム40との間で延びるビーム50を備えている。ここで、ビーム50は、より正確には、鉛直方向Vに沿って延びるとともに、プラットホーム40から突出するベース25の縁部と一体である。ビーム50は、支持体38およびスロッシング防止システム44の強度を強化するように構成されている。
【0070】
特に
図3~
図5に示すように、保護アーム46は、プラットホーム40とともに、少なくとも1つのオリフィス52の形成に関与している。オリフィス52は、液化ガスがこれを通って変位することができるように構成されている。オリフィス52は、特に横方向Tに沿って延びるとともに、全体として三角形状をとる。三角形状の辺のうちの少なくとも1つが保護アーム46により規定され、別の辺がプラットホーム40の分岐部42のうちの一方により規定される。図示例によれば、辺のうちの1つが保護アーム46の主ロッド48により規定され、別の辺がビーム50により規定され、最後の辺がプラットホーム40の分岐部42のうちの一方により規定されている。
【0071】
オリフィス52は、第一に、液化ガスがオリフィスを通過し得ることで、アーム、支持体38およびポンプ部材34が受ける力が制限されるような大きさとされる。
【0072】
有利には、保護アーム46は、プラットホーム40と前方ポール24aとの間で延びている。より有利には、保護アーム46は、プラットホーム40の自由端部から前方ポール24aまで延びている。このように延びることにより、保護アーム46は、支持体38における液化ガスのうねりを打破することに寄与するため、液化ガスの前記うねりが支持体38および/またはポンプ部材34に対して及ぼす力が制限される。
【0073】
また、保護アーム46は、ポール24のうちの1つ、およびプラットホーム40に、溶接またはボルト留めによって接続している。保護アーム46を一方でプラットホーム40と他方でポール24のうちの1つとの間で固着することにより、液化ガスのうねりにより及ぼされる力に直面するアームおよび支持体38の抵抗が増大する。
図3~
図5に示す例において、保護アーム46は、前方ポール24aに接続している。
【0074】
特に
図5に示すように、保護アーム46は、その端部の一方に配置された、ポール24のうちの1つのストラップ部材54を備えている。ストラップ部材54は、前記ポールに対して少なくとも部分的に相補的な形状を有している。「ストラップ部材54」とは、部材が前記ポールの周囲で少なくとも部分的に延びるという事実を意味すると理解される。したがって、ストラップ部材54は、例えば、閉鎖フープ、すなわち、ポールを一周するフープ、円弧状フープ、すなわち、少なくとも1つ縁部において開放していてポールを一周しないフープ、または、ポールを部分的に囲む部分を形成する複数の円弧状フープにより形成され得る。図示例において、ストラップ部材54は、円弧を形成するフープである。
【0075】
有利には、ストラップ部材54は、ポール24のうちの1つに接続している。より有利には、ストラップ部材54は、前方ポール24aに接続している。
【0076】
図3および
図5に示す例によれば、スロッシング防止システム44は、プラットホーム40から同一のポール24まで延びる2つの保護アーム46を備えている。保護アーム46の各々は、液化ガスが通過できるように構成されたオリフィス52を画定している。ここで、スロッシング防止システム44は、プラットホーム40の第1分岐部42と一体の第1保護アーム46であって、第1分岐部42と第1オリフィス52を少なくとも部分的に画定する第1保護アーム46と、プラットホーム40の第2分岐部42と一体の第2保護アーム46であって、プラットホーム40の第2分岐部42と第2オリフィス52を少なくとも部分的に画定する第2保護アーム46と、を備えていることが理解されるであろう。
【0077】
上記から、保護アーム46に関して上述した特徴は、第1保護アーム46および/または第2保護アーム46にも適用可能であることが理解されるであろう。
【0078】
2つの保護アーム46は、有利には、プラットホーム40から前方ポール24aまで延びている。アームの各々は、プラットホーム40の分岐部42の一方から同一のポール、ここでは前方ポール24aまで延びていることが理解されるであろう。アームの各々のこの特定の配置により、プラットホーム40の機械的強度を強化することができる。
【0079】
また、
図5に示すように、ここでの2つの保護アーム46は、同一のストラップ部材54と一体である。
【0080】
代替的または追加的に、
図4~
図6に示すように、スロッシング防止システム44は、プラットホーム40と一体の、ポンプ部材34の少なくとも1つのブッシュ56を備えている。ポンプ部材34は、ブッシュ56内で少なくとも部分的に延びている。ここで、「ブッシュ56」という用語は、ポンプ部材34が少なくとも部分的に収容される少なくとも部分的に円筒形の部材を指すということが理解されるであろう。
【0081】
ブッシュ56は、少なくとも1つのベース本体58と少なくとも1つの保護壁60とを備えている。ベース本体58は、プラットホーム40が内接する平面に対して平行な平面において延びている。保護壁60は、ベース本体58から、タワー16の主延在方向に対して平行な方向に沿って、このタワー16の上端部の反対側に延びている。ベース本体58と保護壁60とは、ポンプ部材34のハウジングを画定している。換言すれば、ベース本体58は、プラットホーム40に対して平行に延びる壁であり、保護壁60は、ベース本体58に対して垂直に、タンクの底壁の方向において延びている。この構成において、保護壁60は、特に、ポンプ部材34を液化ガスのうねりで生じる衝撃から保護することに寄与している。
【0082】
有利には、ベース本体58は、プラットホーム40に、特にボルト留めおよび/または溶接により固着されている。より詳細には、ベース本体58は、プラットホーム40の分岐部42の各々と一体である。これにより、プラットホーム40に対するブッシュ56の固着が最適化される。
図5により具体的に示すように、ベース本体58は、ここでは、互いに対して反対方向に延びる2つの凸部62を有する円盤状の形態をとる。凸部62の各々は、プラットホーム40の分岐部42の一方に固着されている。
【0083】
また、ポンプ部材34は、その端部のうちの一方により、ブッシュ56のベース本体58に固着されている。
図4に示すように、ポンプ部材34は、ポンプ部材34とタンク2の外部との間で延びる搬出パイプ64を備えている。搬出パイプ64は、ポンプ部材34により圧送される液化ガスをタンク2の外部に向けて移送するように構成されている。この目的のために、ベース本体58には、
図6に示す孔66を備えており、搬出パイプ64はこれを貫通している。
【0084】
図5および
図6に示すように、ブッシュ56は、ベース本体58からタワー16の主延在方向に沿ってタワー16の上端部の反対側に各々延びる少なくとも2つの保護壁60を備えている。2つの保護壁60は、ポンプ部材34の周囲で径方向に延びている。2つの保護壁60は、互いに距離を置いて配置されるとともに、スロット68を規定している。2つの保護壁60は、ポンプ部材34を液化ガスのうねりから保護する。一方、スロット68により、液化ガスがポンプ部材34の周囲をある程度通流することができる。
【0085】
また、「径方向」という用語は、ポンプ部材34の周囲で円を描くように延びる保護壁60を指す。しかしながら、ポンプ部材34の周囲で円に内接することなく、したがって、ポンプ部材34の周囲で円を描くように配置されることなく、径方向に延びる保護壁60も、本発明の範囲外ではない。
【0086】
スロッシング防止システム44は、保護アーム46を有さなくてもよいことに留意すべきである。スロッシング防止システム44は、本例において、上述のことに従うことが理解されるであろう。また、スロッシング防止システム44のこのような構成において、プラットホーム40および/または支持体38がポンプ部材34を保護することにより、液化ガスのうねりによりポンプ部材34に及ぼされる力が制限され得ることに留意すべきである。
【0087】
図6に示すように、2つの保護壁60は、鉛直方向Vに沿って各々延びる2つのスロット68を画定することに関与している。有利には、2つの保護壁60は互いに対面して配置され、2つのスロット68は互いに対向している。有利には、2つの保護壁60は互いに対面しつつ横方向Tに沿って延び、2つのスロット68は長手方向Lに沿って互いに対向して配置される。保護壁60のこの配置により、ポンプ部材34を液化ガスのうねりから保護することができる。このうねりは、一般に、タンク2内において横方向Tに沿って移動する。そして、スロット68により、保護壁60が存在するにもかかわらず、液化ガスはポンプ部材34の周囲を通流し続けることができる。
【0088】
有利には、2つの保護壁60により画定される少なくとも1つのスロット68は、前方ポール24aに対向している。「ポールに対向している」とは、前方ポール24aが、ポンプ部材34を中心とした角度セクタであって、スロット68の縁部を通過する角度セクタに配置されているという事実を意味すると理解される。ここで、スロット68の縁部とは、保護壁60の縁部を指す。
【0089】
また、
図6に示すように、ブッシュ56は、保護壁60の縁部同士を接続するリング70を備えている。リング70は、ここでは環状形状をとり、この環状形状を通ってポンプ部材34が延びている。
図4に示すように、ポンプ部材34の一部は、ブッシュ56の外側においてその下方に延びていることが理解される。
【0090】
さらに、ブッシュ56は、タンク2の底壁4に形成された液貯め26内で、少なくとも部分的に延びている。より具体的には、ベース本体58は液貯め26の外側に配置されているが、保護壁のベース本体58およびリング70の反対側の端部は、液貯め26内に配置されている。
【0091】
本発明は、タワー16に関し、タワー16は、タワー16の外周Pの規定に関与する前方ポール24aおよび2つの後方ポール24bを含む少なくとも3つのポール24を備えることを思い出されたい。3つのポール24は、特にベース25により互いに一体とされている。タワー16は、液化ガスを圧送するためのポンプ部材34を備えている。ベース25は、ポンプ部材34の支持体38を備えている。前記支持体38は、少なくとも3つのポール24により規定される外周の外側において、2つの後方ポール24bに対して前方ポール24aの前方で延びている。ポンプ部材34およびその支持体38の特定の配置により、タワー16の装着、特にポンプ部材34のタワー16に対する設置、ならびにタワー16の設置後の前記ポンプ部材34のメンテナンスが容易になる。
【0092】
しかしながら、本発明は、ここに記載され図示された手段および構成に限定されず、任意の等価な手段または構成、およびこのような手段を使用する任意の技術的組合せもカバーする。特に、上述のスロッシング防止システム44の構成要素の形状は、本発明について限定されず、実質的に構造的に異なる要素および/または追加の要素を備えるスロッシング防止システム44も、本発明の範囲から外れるものではない。
【外国語明細書】