(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060612
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法および指紋スペクトル
(51)【国際特許分類】
G01N 30/88 20060101AFI20240424BHJP
G01N 30/04 20060101ALI20240424BHJP
G01N 30/06 20060101ALI20240424BHJP
G01N 30/86 20060101ALI20240424BHJP
G01N 30/34 20060101ALI20240424BHJP
G01N 30/26 20060101ALI20240424BHJP
G01N 30/72 20060101ALI20240424BHJP
G01N 27/62 20210101ALI20240424BHJP
【FI】
G01N30/88 C
G01N30/04 P
G01N30/06 C
G01N30/86 B
G01N30/86 G
G01N30/34 E
G01N30/26 A
G01N30/72 C
G01N27/62 V
G01N27/62 X
G01N27/62 D
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180236
(22)【出願日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】202211281891.3
(32)【優先日】2022-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518427292
【氏名又は名称】シャンシー・ユニヴァーシティ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】SHAANXI UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】6 XUEFU ROAD, WEIYANG DISTRICT, XI’AN, 710021 SHAANXI, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チェンユアン・リャン
(72)【発明者】
【氏名】ジンロン・フー
(72)【発明者】
【氏名】ボーシン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】チャンファ・クー
(72)【発明者】
【氏名】シャン・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジンジン・ジョウ
(72)【発明者】
【氏名】ジャシュアン・リー
(72)【発明者】
【氏名】チウファン・シエ
(72)【発明者】
【氏名】ユエ・グー
(72)【発明者】
【氏名】ウェンシュエ・ワン
【テーマコード(参考)】
2G041
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041DA13
2G041EA04
2G041GA01
2G041HA01
(57)【要約】
【課題】先行技術の欠陥を解決するために、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法および指紋スペクトルを提供する。
【解決手段】(1)新規の複合アロエベラカプセル粉末を取り、還流により抽出した後、メタノールを加えて超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して試験液を得、取アロエ配糖体、アロエエモジン、インジルビン、トリプタントリン、アロエビターテインおよびβ-シトステロールをそれぞれメタノールに溶解して各対照液を得る工程と、(2)試験液と各対照液を取り、それぞれ高速液体クロマトグラフィーに注入し、勾配で溶出させ、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムと各対照液のクロマトグラムを得る工程と、(3)新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム、各対照液のクロマトグラムに基づいて、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム上の各ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを得る工程と、を含む新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法および指紋スペクトル。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)新規の複合アロエベラカプセル粉末を取り、還流により抽出した後、メタノールを加えて超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して試験液を得、アロエ配糖体,アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインとβ-シトステロールをそれぞれメタノールに溶解して各対照液を得る工程と、
(2)試験液と各対照液を取り、それぞれ高速液体クロマトグラフィーに注入し、勾配で溶出させ、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムと各対照液のクロマトグラムを得る工程と、
(3)新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム、各対照液のクロマトグラムに基づいて、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム上の各ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを得る工程と、を含むことを特徴とする新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項2】
工程(2)において、勾配溶出に使用する移動相:アセトニトリル-0.08%リン酸水溶液である、ことを特徴とする請求項1に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項3】
工程(2)において、溶出手順は以下の表に示されることを特徴とする請求項2に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項4】
工程(2)において、波長300nmでクロマトグラムを測定する、ことを特徴とする請求項1に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項5】
工程(2)において、高速液体クロマトグラフィーに使用するカラムはHypersil ODS(C18)である、ことを特徴とする請求項1に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項6】
試験液に対して質量分析を行って質量分析結果マップを得る工程をさらに含み、工程(3)において、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム、各対照液のクロマトグラムおよび質量分析結果マップに基づいて、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム上の各ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを得る、ことを特徴とする請求項1に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項7】
異なるバッチの新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムを取得し、漢方薬クロマトグラム指紋スペクトル類似性評価システムに導入し、異なるバッチの新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムに存在するクロマトグラフィーピークを共通ピークとして選択し、各共通ピークの相対保持時間と相対ピーク面積を算出し、対照指紋スペクトルを生成し、各対照液クロマトグラムの保持時間に基づいて対照指紋スペクトル中の共通ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルと対照指紋スペクトルの類似性を比較して、指紋スペクトルの信頼性を確認する工程をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項8】
新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルは、4番ピーク,5番ピーク,6番ピーク,8番ピーク,14番ピーク,15番ピークという6つの特徴ピークを有し、それぞれトリプタントリン,アロエビターテイン,アロエ配糖体,β-シトステロール,アロエエモジン,インジルビンである、ことを特徴とする請求項1に記載の新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の構築方法によって得られた新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漢方薬検査の分野に属し、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法および指紋スペクトルに関する。
【背景技術】
【0002】
新規の複合アロエベラカプセルは、明代の医学者繆希雍の<先醒斎医学広筆記>に由来し、長い歴史を持つ便秘治療用漢方製剤の一種である。1982年、河北万邦複臨薬業公司と河北中医薬病院の李恩複教授が共同で開発し、「通便霊カプセル」と命名したが、1994年に「複合アロエベラカプセル」と改名した。処方には有毒な生薬である丹砂が含まれており、多量にも少量にも長期間服用することができないため、人体への害を減らすために、有毒な生薬である丹砂を処方から引いて、「新規の複合アロエベラカプセル」と改名し、アロエベラ、イカリソウ、サクシナムの3つの生薬を加工した複合製剤であり、清熱潤腸、整肝益腎、精神鎮静などの作用があり、臨床上、主に肝経の固熱や腸管の停滞による便秘の治療や、数日間の便不順による習慣性便秘、便の乾燥、あるいは腹部膨満感、腹痛、イライラ感、不眠などの治療に用いられている。
【0003】
漢方薬の品質はその発展に直結している。現在、漢方薬はその確かな効き目、副作用の少なさ、毒性の低さ、薬剤耐性が少ないことなどから、世界中でますます注目されているが、漢方薬の化学組成の複雑さや成分間の相互作用により、漢方薬の品質管理が難しくなっている。現在、新規の複合アロエベラカプセルの品質管理は比較的簡単で、新規の複合アロエベラカプセルの現在の国家標準はアロエ配糖体の含有量しか要求しておらず、新規の複合アロエベラカプセルの全体的な組成を反映しておらず、その品質管理と評価の基礎になっていない。したがって、新規の複合アロエベラカプセルの既存の品質基準は、さらなる最適化と改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術の欠陥を解決するために、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法および指紋スペクトルを提供し、処方中のアロエベラ、イカリソウ、サクシナムに対する包括的な指紋スペクトル検出方法を提供し、本検出方法は、新規の複合アロエベラカプセルの品質を客観的に、包括的、正確に評価することができ、新規の複合アロエベラカプセルの品質管理および臨床効能保証に重要な意義を持っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術的解決策によって達成される。
【0006】
新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法は、
(1)新規の複合アロエベラカプセル粉末を取り、還流により抽出した後、メタノールを加えて超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して試験液を得、アロエ配糖体,アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインとβ-シトステロールをそれぞれメタノールに溶解して各対照液を得る工程と、
(2)試験液と各対照液を取り、それぞれ高速液体クロマトグラフィーに注入し、勾配で溶出させ、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムと各対照液のクロマトグラムを得る工程と、
(3)新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム、各対照液のクロマトグラムに基づいて、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム上の各ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを得る工程と、を含む。
【0007】
好ましくは、工程(2)において、勾配溶出に使用する移動相:アセトニトリル-0.08%リン酸水溶液である。
【0008】
さらに、工程(2)において、溶出手順は以下の表に示される。
【0009】
【0010】
好ましくは、工程(2)において、波長300nmでクロマトグラムを測定する。
【0011】
好ましくは、工程(2)において、高速液体クロマトグラフィーに使用するカラムはHypersil ODS(C18)である。
【0012】
好ましくは、試験液に対して質量分析を行って質量分析結果マップを得る工程をさらに含み、
工程(3)において、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム、各対照液のクロマトグラムおよび質量分析結果マップに基づいて、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム上の各ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを得る。
【0013】
好ましくは、異なるバッチの新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムを取得し、漢方薬クロマトグラム指紋スペクトル類似性評価システムに導入し、異なるバッチの新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムに存在するクロマトグラフィーピークを共通ピークとして選択し、各共通ピークの相対保持時間と相対ピーク面積を算出し、対照指紋スペクトルを生成し、各対照液クロマトグラムの保持時間に基づいて対照指紋スペクトル中の共通ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルと対照指紋スペクトルの類似性を比較して、指紋スペクトルの信頼性を確認する工程をさらに含む。
【0014】
好ましくは、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルは、4番ピーク,5番ピーク,6番ピーク,8番ピーク,14番ピーク,15番ピークという6つの特徴ピークを有し、それぞれトリプタントリン,アロエビターテイン,アロエ配糖体,β-シトステロール,アロエエモジン,インジルビンである。
【0015】
前記の構築方法によって得られた新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルである。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明は、高速液体クロマトグラフィーを採用して新規の複合アロエベラカプセル指紋スペクトルを確立し、抽出方法をスクリーニングして指紋スペクトル測定方法を確立し、得られたクロマトグラムピーク形状、分離度などのピーク状況が良好であり、工程が簡単で安価であり、指紋スペクトルの確立要求に一致し、本発明の方法は操作が簡単で、安定して信頼性が高く、精度が高く、分離度が良好であり、得られた指紋スペクトルの安定性および再現性が良好である。指紋スペクトルは新規の複合アロエベラカプセルの品質管理手段として、1つまたは2つの化学成分のみの測定による製剤全体品質決定の一面性を回避し、新規の複合アロエベラカプセルの品質をより包括的かつ科学的に評価することができ、製品の品質および効能を保証することができ、新規の複合アロエベラカプセルの成分同定、品質評価および品質標準の策定には重要な意義を持っている。
【0017】
さらに、本発明では、アセトニトリル-0.08%リン酸水溶液システムを採用し、勾配溶出方法により新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを確立し、本発明の溶出手順はピーク状況と分離度が良好である。
【0018】
さらに、指紋スペクトルは、ある成分の正確な含有量を決定するものではなく、化学成分の情報を完全に反映するものであるため、本発明は、より多くのピークを生成し、より完全な情報を反映し、各ピークの吸収値が良好で、ベースラインが滑らかな300nmの波長で測定を実施することを選択する。
【0019】
さらに、試験液に対して質量分析を行うことにより、指紋スペクトル中のより多くの化学成分を補足することができ、より包括的に分析することができる。
【0020】
さらに、複数のバッチのサンプルを系統的に分析することにより、新規の複合アロエベラカプセルの品質をより包括的かつ科学的に評価することができ、製品の品質および効能を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明における抽出方法A、溶出手順Cで得られたクロマトグラムである。
【
図2】本発明における抽出方法B、溶出手順Cで得られたクロマトグラムである。
【
図3】本発明における抽出方法C、溶出手順Cで得られたクロマトグラムである。
【
図4】本発明における抽出方法D、溶出手順Aで得られたクロマトグラムである。
【
図5】本発明における抽出方法D、溶出手順Bで得られたクロマトグラムである。
【
図6】本発明における抽出方法D、溶出手順Cで得られたクロマトグラムである。
【
図7】本発明のアロエ配糖体対照品のクロマトグラムである。
【
図8】本発明のアロエエモジン対照品のクロマトグラムである。
【
図9】本発明のインジルビン対照品のクロマトグラムである。
【
図10】本発明のトリプタントリンのマススペクトログラムである。
【
図11】本発明のアロエビターテインのマススペクトログラムである。
【
図12】本発明のβ-シトステロールのマススペクトログラムである。
【
図13】本発明の新規の複合アロエベラカプセル中のアロエベラ、イカリソウおよびサクシナム生薬の12バッチの試験品指紋スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
当業者が本発明の解決策をよりよく理解できるように、以下、本発明の実施例の図面と併せて、本発明の実施例中の技術的解決策を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0023】
なお、本発明の明細書、特許請求の範囲および上記図面における「第1」、「第2」などの用語は類似の対象を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または優先度を説明する必要がないことに留意されたい。このように使用されるデータは、ここで説明される本発明の実施例が、ここで図示または説明された順序以外の順序で実施され得るように、必要に応じて交換され得ることが理解されたい。加えて、「含む」、「有する」および他の任意の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連の工程またはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品または設備は、必ずしも列挙されたそれらの工程またはユニットに限定されず、明確に列挙されていない、またはそれらのプロセス、方法、製品または設備に固有の他の工程またはユニットを含んでもよい。
【0024】
1.新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法は、以下の工程を含む。
【0025】
(1)試験液の調製:異なるバッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末を正確に秤量し、還流で抽出し、室温まで冷却した後超純水で重量の損失を補い、その後メタノールを加え超音波処理して濾過し、ろ液を収集して得る。
【0026】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロールを正確に秤量し、メスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ各対照液を調製し、4℃で保存する。
【0027】
(3)試験液と各対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録して、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラムおよび各対照液のクロマトグラムを得る。
【0028】
(4)指紋スペクトル中の化学成分をより多く決定および補充するために、上記試験液に対して質量分析を行い、全イオンフロー図および6つの化学成分の質量分析結果マップを得、検出データをXcaliburソフトウェアに導入し、Qual Browserインターフェースに入り、化学成分ピーク状況に基づいてデータ分析を行う。
【0029】
(5)新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム、質量分析結果マップ、各対照液のクロマトグラムに基づいて、新規の複合アロエベラカプセルのクロマトグラム上の各ピークの化学成分をラベル付け、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルを得る。
【0030】
(6)新規の複合アロエベラカプセル試験液のクロマトグラムを導出し、漢方薬クロマトグラム指紋スペクトル類似性評価システム(2004Aバージョン)に導入し、クロマトグラムに存在するクロマトグラフィーピークを共通ピークとして選択し、各共通ピークの相対保持時間と相対ピーク面積を算出し、対照指紋スペクトルを生成し、単一対照液クロマトグラムの保持時間に基づいて対照指紋スペクトル中の共通ピークの化学成分をラベル付ける。
【0031】
(7)新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルと対照指紋スペクトルの類似性を比較し、指紋スペクトルの信頼性を確認する。
【0032】
上記工程(1)において、前記の試験液の調製方法は、好ましくは以下のとおりである。12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、30mL超純水を加えて溶解し、称重し、115℃で30分還流抽出した後室温まで冷却し、再度称重し、超純水で重量の損失を補い、その後20mLメタノールを加え、30分超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して得る。
【0033】
上記工程(2)において、一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量する。
【0034】
上記工程(3)において、高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0035】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
【0036】
溶出手順は以下の表3に示される。
【0037】
上記工程(5)で使用した装置は、DIONEX UltiMate 3000超高速液体クロマトグラフィー-Orbitrap質量分析計であり、試験条件はエレクトロスプレーイオン化(Electrospray Ionization, ESI)、スプレー電圧3500V、シースガス流速40arb、補助ガス流速10arb、補助ガス温度300℃、毛細管温度300℃、スキャンモードはフルスキャンモードであり、質量電荷比スキャン範囲m/zは100~1300である。
【0038】
2.抽出方法の最適化
本発明の工程(1)において、それぞれ以下の4つの抽出方法を検討した:
【0039】
抽出方法A:新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、25mLのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を加えて溶解し、超音波で1h抽出し、室温まで冷却し、濾過し、10mLのろ液を収集し、5倍量の超純水を加えて希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて得る。
【0040】
抽出方法B:新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、25mLのメタノールを加えて溶解し、超音波で1h抽出し、室温まで冷却し、濾過し、10mLのろ液を収集し、5倍量の超純水を加えて希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて得る。
【0041】
抽出方法C:新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、25mL超純水を加えて溶解し、超音波で1h抽出し、室温まで冷却し、濾過し、10mLのろ液を収集し、5倍量の超純水を加えて希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて得る。
【0042】
抽出方法D:新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、30mLの超純水で溶解し、称重し、115℃で30分還流抽出した後、室温まで冷却し、再度称重し、超純水で重量の損失を補い、その後20mLのメタノールを加え、30分超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して得る。
【0043】
結果から分かるように、抽出方法Aのピーク効果が低く、ピークの数も少なく、隣接するピーク間の分離度も低いため、指紋スペクトル要求を満たすことができない。抽出方法Bは方法Aに比べて、ピークの数が増加し、主に35~56分に集中し、分離度は比較的良好であるが、10~35分以前にはピークが見られなかった。抽出方法Cと抽出方法Dは、最初の2つの抽出方法に比べて、ピーク形状、分離度などのピーク状況がいずれも良好である。比較すると、方法Dの抽出方法および工程は方法Cに比べて、簡単で安価である。したがって、指紋スペクトルは、方法Dを最終の抽出条件として最終的に決定し、すなわち、新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、30mL超純水を加えて溶解し、称重し、115℃で30分還流抽出した後、室温まで冷却し、再度称重し、超純水で重量の損失を補い、その後20mLメタノールを加え、30分超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して得る。
【0044】
3.移動相溶出手順の最適化
本発明の工程(3)において、それぞれ以下の3つの移動相溶出手順を検討した:
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
結果から分かるように、溶出手順Aは32~55分の間にピークがあるが、全体的にピーク数が少なく、分離度が悪く、0~30分にピークがなかった。溶出手順Bでは、有機相を減少させた後、実施例4中のクロマトグラムに比べて、20~40分の間にピーク間隔がわずかに改善されたが、ピーク数が依然として少なく、分離度もある程度悪かった。溶出手順Cは、溶出手順A、溶出手順Bに比べて、ピーク状況が良好で、分離度も良好である。したがって、溶出手順Cを指紋スペクトルの最終移動相溶出手順として選択する。
【0049】
以下、
図1~
図13を参照して本発明をより詳細に説明する。
【0050】
1.本発明で使用した装置は以下の表4に示される:
【0051】
【0052】
2.本発明で使用した材料と試薬は以下の表5に示される:
【0053】
【0054】
〔実施例1〕
(1)試験液の調製:抽出方法Aに従って調製し、すなわち、12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、25mLのN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を加えて溶解し、超音波で1h抽出し、室温まで冷却し、濾過し、10mLのろ液を収集し、5倍量の超純水を加えて希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて得る。
【0055】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量し、50mLのメスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ標準品予備液を調製し、4℃で保存する。
【0056】
(3)指紋スペクトルの確立:試験液と対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録する。
【0057】
高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0058】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
溶出手順:溶出手順Cに従って行われる。
【0059】
最終的に得られたクロマトグラムは
図1に示され、クロマトグラムから分かるように、本実施例の抽出方法Aのピーク効果が悪く、ピークの数が少なく、隣接するピーク間に分離度が低いため、指紋スペクトル要求を満たすことができない。
【0060】
〔実施例2〕
(1)試験液の調製:抽出方法Bに従って調製し、すなわち、12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、25mLのメタノールを加えて溶解し、超音波で1h抽出し、室温まで冷却し、濾過し、10mLのろ液を収集し、5倍量の超純水を加えて希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて得る。
【0061】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量し、50mLのメスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ標準品予備液を調製し、4℃で保存する。
【0062】
(3)指紋スペクトルの確立:試験液と対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録する。
【0063】
高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0064】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
溶出手順:溶出手順Cに従って行われる。
【0065】
最終的に得られたクロマトグラムは
図2に示され、クロマトグラムから分かるように、本実施例中の抽出方法Bは実施例1中の抽出方法Bに比べて、ピークの数が増加し、主に35~56分に集中し、分離度が比較的良好であるが、10~35分以前にピークが見られなかった。
【0066】
〔実施例3〕
(1)試験液の調製:抽出方法Cに従って調製し、すなわち、12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、25mL超純水を加えて溶解し、超音波で1h抽出し、室温まで冷却し、濾過し、10mLのろ液を収集し、5倍量の超純水を加えて希釈し、20mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて得る。
【0067】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量し、50mLのメスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ標準品予備液を調製し、4℃で保存する。
【0068】
(3)指紋スペクトルの確立:試験液と対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録する。
【0069】
高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0070】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
溶出手順:溶出手順Cに従って行われる。
【0071】
最終的に得られたクロマトグラムは
図3に示され、クロマトグラムから分かるように、本実施例中の抽出方法Cは実施例1,2中の抽出方法B,Cに比べて、ピーク状況が良好であり、ピーク形状がよく、分離度が良好である。
【0072】
〔実施例4〕
(1)試験液の調製:抽出方法Dに従って調製し、すなわち、12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、30mL超純水を加えて溶解し、称重し、115℃で30分還流抽出した後室温まで冷却し、再度称重し、超純水で重量の損失を補い、その後20mLメタノールを加え、30分超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して得る。
【0073】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量し、50mLのメスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ標準品予備液を調製し、4℃で保存する。
【0074】
(3)指紋スペクトルの確立:試験液と対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録する。
【0075】
高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0076】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
溶出手順:溶出手順Aに従って行われる。
【0077】
最終的に得られたクロマトグラムは
図4に示され、クロマトグラムから分かるように、本実施例中の溶出手順Aでは、32~55分の間にピークがあるが、全体のピーク数が少なく、分離度が悪く、0~30分にピークが見られない場合がある。
【0078】
〔実施例5〕
(1)試験液の調製:抽出方法Dに従って調製し、すなわち、12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、30mL超純水を加えて溶解し、称重し、115℃で30分還流抽出した後室温まで冷却し、再度称重し、超純水で重量の損失を補い、その後20mLメタノールを加え、30分超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して得る。
【0079】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量し、50mLのメスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ標準品予備液を調製し、4℃で保存する。
【0080】
(3)指紋スペクトルの確立:試験液と対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録する。
【0081】
高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0082】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
溶出手順:溶出手順Bに従って行われる。
【0083】
最終的に得られたクロマトグラムは
図5に示され、クロマトグラムから分かるように、本実施例中の溶出手順Bでは、有機相を減少した後、実施例4中のクロマトグラムに比べて、20~40分の間にピーク間隔がわずか改善されたが、ピーク数が依然として少なく、分離度がある程度悪かった。
【0084】
〔実施例6〕
(1)試験液の調製:抽出方法Dに従って調製し、すなわち、12バッチの新規の複合アロエベラカプセル粉末1.0gを正確に秤量し、栓付きコニカルフラスコに入れ、30mL超純水を加えて溶解し、称重し、115℃で30分還流抽出した後室温まで冷却し、再度称重し、超純水で重量の損失を補い、その後20mLメタノールを加え、30分超音波処理し、濾過し、ろ液を収集して得る。
【0085】
(2)対照液調製:一定重量に乾燥したアロエ配糖体、アロエエモジン,インジルビン,トリプタントリン,アロエビターテインおよびβ-シトステロール5mgを正確に秤量し、50mLのメスフラスコに入れ、メタノールを加えて目盛線まで定量し、それぞれ標準品予備液を調製し、4℃で保存する。
【0086】
(3)指紋スペクトルの確立:試験液と対照液をそれぞれ正確に秤量し、0.45μm微多孔膜で濾過し、高速液体クロマトグラフィーに注入し、クロマトグラムを記録する。
【0087】
高速液体クロマトグラフィー分離条件は以下のとおりである:
【0088】
カラム:Hypersil ODS(C18)
カラム温度:30℃
測定波長:300nm
流速:0.8mL/分
サンプル注入量:20μL
移動相:アセトニトリル(A相)、0.08%リン酸水溶液(B相)
溶出手順は溶出手順Cに従って行われる。
【0089】
最終的に得られたクロマトグラムは
図6に示され、この実施例中の抽出方法Dと溶出手順Cで得られたクロマトグラムのピーク状況が良好であり、分離度が良好であるため、指紋スペクトルの確立要求を満たし、抽出方法Dは抽出方法Cに比べてより簡単で安価である。従って、最終的にこの方法を新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトル確立方法として選択し、その後のピーク同定、類似性分析と方法論的検討を行った。
【0090】
(4)工程(3)で得られた12バッチの新規の複合アロエベラカプセル試験液のクロマトグラム(
図13)を導出し、漢方薬クロマトグラム指紋スペクトル類似性評価システム(2004Aバージョン)に導入し、クロマトグラムに存在するクロマトグラフィーピークを共通ピークとして選択し、各共通ピークの相対保持時間と相対ピーク面積を算出し、対照指紋スペクトルを生成し、工程(2)で得られた単一対照品のクロマトグラム(
図7~
図9)の保持時間に基づいて、対照指紋スペクトル中のピークの化学成分をラベル付ける。指紋スペクトル中の化学成分をより多く決定および補充するために、上記試験液に対して質量分析を行い、DIONEX UltiMate 3000超高速液体クロマトグラフィー-Orbitrap質量分析計を用い、試験条件はエレクトロスプレーイオン化(Electrospray Ionization, ESI)、スプレー電圧3500V、シースガス流速40arb、補助ガス流速10arb、補助ガス温度300℃、毛細管温度300℃であり、スキャンモードはフルスキャンモードであり、質量電荷比スキャン範囲m/zは100~1300である。全イオンフロー図および6つの化学成分の質量分析結果マップ(
図10~
図12)を得、検出データをXcaliburソフトウェアに導入し、Qual Browserインターフェースに入り、化学成分ピーク状況に応じてデータ分析を行う。比較した結果、4番ピーク,5番ピーク,6番ピーク,8番ピーク,14番ピーク,15番ピークの6つの主要成分を同定し、それぞれトリプタントリン,アロエビターテイン,アロエ配糖体,β-シトステロール,アロエエモジン,インジルビンであり、新規の複合アロエベラカプセル指紋スペクトルを得る。
【0091】
(5)類似性分析:
12バッチの新規の複合アロエベラカプセルを取り、試験液を調製し、上記確立された指紋スペクトル測定方法に従って検出し、得られた指紋スペクトルと新規の複合アロエベラカプセル対照指紋スペクトルをフルスペクトルマッチングし、3点補正し、各バッチのサンプル指紋スペクトルと対照スペクトルの類似性を算出する。12バッチの新規の複合アロエベラカプセル類似性はいずれも0.85以上であり(表6)、結果から分かるように、異なるバッチの新規の複合アロエベラカプセルの類似性が高く、これは、本方法が安定性、信頼性、適応性が高く、新規の複合アロエベラカプセルの品質を良好に検出および評価することを示している。
【0092】
【0093】
(6)方法論的検討
<1>精度試験
工程(1)に従って試験液を調製し、同一試験液を取り、連続6回注入し、工程(3)中のクロマトグラフィー条件に従って測定し、第1の共通ピークアロエ配糖体を標準ピーク(S)として選択し、それぞれ保持時間と相対ピーク面積を比較し、結果から分かるように(表7、表8を参照)、各共通ピークの相対保持時間RSD≦0.20%で、各共通ピークの相対ピーク面積RSD≦0.50%であり、これは、本クロマトグラフィー条件下でスペクトル精度が良好であることを示している。
【0094】
【0095】
【0096】
<2>再現性実験
同一バッチの新規の複合アロエベラカプセルを取り、工程(1)に従って試験液を6コピー調製し、工程(3)中のクロマトグラフィー条件に従って測定し、順次、保持時間と相対ピーク面積を比較し、結果から分かるように(表9および表10を参照)、各共通ピークの相対保持時間RSD≦0.10%、各共通ピークの相対ピーク面積RSD≦1.00%であることを示している。本クロマトグラフィー条件下で再現性が良好である。
【0097】
【0098】
【0099】
<3>安定性実験工程
(1)に従って試験液を調製し、同一試験液を取り、それぞれ0、2、4、8、16、24hで所定の標準クロマトグラフィー条件下で注入し分析し、それぞれ保持時間と相対ピーク面積を比較し、結果から分かるように(表11および表12を参照)、各共通ピークの相対保持時間RSD≦0.16%、各共通ピークの相対ピーク面積RSD≦0.85%であることを示している。試験液が24h内で体系安定性が良好である。
【0100】
【0101】
【0102】
以上の実験結果から分かるように、本発明が提供する新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトル検出方法は、いずれも安定性が高く、精度が高く、再現性が良好であるという特性を有し、新規の複合アロエベラカプセルの品質を包括的かつ客観的に評価することができ、臨床効能の品質を保証することができる。
【0103】
以上、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって限定される。当業者にとって、本発明は様々な変更や変形が可能である。本発明の精神および原則から逸脱することなく、加えられた任意の修正、等価置換、改善などは、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、漢方薬検査の分野に属し、新規の複合アロエベラカプセルの指紋スペクトルの構築方法および指紋スペクトルに利用できる。