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特開2024-60625マッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法
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  • 特開-マッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060625
(43)【公開日】2024-05-02
(54)【発明の名称】マッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/795 20140101AFI20240424BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20240424BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20240424BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240424BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240424BHJP
【FI】
A63F13/795
A63F13/65
A63F13/35
A63F13/53
A63F13/79
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024032463
(22)【出願日】2024-03-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・ウェブサイト『セカナビ・マニュアルサイト』における2024年1月31日の「大会参加の事前準備」の掲載部分(https://pcg.sekanavi.jp/#/docs/introduction)及び「大会当日の流れ」の掲載部分(https://pcg.sekanavi.jp/#/docs/flow)のコピー・ウェブサイト『ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト』における2024年2月2日のニュースの掲載部分(https://www.pokemon-card.com/info/004296.html、https://www.pokemon-card.com/info/004298.html、https://www.pokemon-card.com/info/004299.html、https://www.pokemon-card.com/info/004300.html、https://www.pokemon-card.com/info/004301.html、https://www.pokemon-card.com/info/004302.html)のコピー
(71)【出願人】
【識別番号】521087003
【氏名又は名称】株式会社Sekappy
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【弁理士】
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】志村 一郎
(72)【発明者】
【氏名】小栗 崇裕
(72)【発明者】
【氏名】江間 悠太
(72)【発明者】
【氏名】高田 敦行
(57)【要約】
【課題】リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会において、大会を効率的に進めることができるマッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法を提供する。
【解決手段】マッチングプログラムは、複数のプレイヤの内の第1プレイヤ群に、一の対戦開始時間を設定するステップと、大会の所定の終了条件を設定するステップと、一の対戦開始時間以降、第1プレイヤ群に含まれるプレイヤからのマッチング指示を受け付けて対戦相手をマッチングするステップと、マッチングの成立後、現実世界の対戦場所に関する情報をプレイヤに通知するステップと、プレイヤと対戦相手との対戦ゲームの勝敗に関する勝敗情報を受け付けるステップと、勝敗情報を受け付けた後、終了条件に基づいてプレイヤの大会が終了したか否かを判定して通知するステップとを実行させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会における対戦相手のマッチング処理を実行させるためのマッチングプログラムであって、
前記マッチングプログラムは、前記プロセッサに、
前記大会に参加する複数のプレイヤの内の第1プレイヤ群に、複数の対戦開始時間から決定される一の対戦開始時間を設定するステップと、
前記大会の所定の終了条件を設定するステップと、
前記一の対戦開始時間以降、前記第1プレイヤ群に含まれるプレイヤからのマッチング指示を受け付けて、前記第1プレイヤ群に含まれる他のプレイヤ及び前記一の対戦開始時間以降に到来する対戦開始時間が設定された第2プレイヤ群に含まれるプレイヤの中から、前記マッチング指示を受け付けたときの前記プレイヤの前記大会での対戦結果に基づいて、前記対戦相手をマッチングするステップと、
前記マッチングの成立後、前記プレイヤが前記対戦相手と前記対戦ゲームを実行する現実世界の対戦場所に関する情報を前記プレイヤに通知するステップと、
前記プレイヤと前記対戦相手との前記対戦ゲームの勝敗に関する勝敗情報を受け付けるステップと、
前記勝敗情報を受け付けた後、前記終了条件に基づいて前記プレイヤの前記大会が終了したか否かを判定し、前記大会が終了したと判定した場合にプレイヤに対して前記大会が終了した旨を通知するステップと
を実行させるマッチングプログラム。
【請求項2】
前記マッチングするステップが、前記判定して通知するステップにおいて前記プレイヤの前記大会が終了していないと判定された場合、前記プレイヤからの前記マッチング指示を受け付け可能にする請求項1に記載のマッチングプログラム。
【請求項3】
前記判定して通知するステップにおいて前記プレイヤの前記大会が終了したと判定され、所定の報酬を前記プレイヤが取得するための取得条件を満たしている場合、有体物の報酬である前記所定の報酬を前記プレイヤに取得可能にする取得情報を前記プレイヤに付与するステップ
を更に実行させる請求項1に記載のマッチングプログラム。
【請求項4】
前記マッチングするステップが、前記他の1以上のプレイヤそれぞれから前記マッチング指示を受け付けた時刻である複数の対戦相手時刻のうち、前記プレイヤからのマッチング指示を受け付けた時刻であるプレイヤ時刻に最も近い前記対戦相手時刻でマッチング指示をした他のプレイヤを、前記プレイヤの前記対戦相手としてマッチングする請求項1に記載のマッチングプログラム。
【請求項5】
前記マッチングするステップが、前記プレイヤの前記対戦ゲームの対戦成績と、前記他の1以上のプレイヤそれぞれの前記対戦ゲームの対戦成績とに基づいて前記マッチングをする請求項1に記載のマッチングプログラム。
【請求項6】
前記会場は、一度に対戦可能なプレイヤの人数の物理的な上限がある請求項1に記載のマッチングプログラム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する手段を備えるマッチングシステム。
【請求項8】
制御部と、格納部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行する情報処理装置。
【請求項9】
制御部と、格納部とを備えるサーバであって、前記制御部が、請求項1から請求項6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行するサーバ。
【請求項10】
プロセッサとメモリとを備えるコンピュータに実行されるマッチング方法であって、
前記プロセッサが、請求項1から請求項6のいずれか1項に係る発明において実行されるすべてのステップを実行するマッチング方法。
【請求項11】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会における対戦相手のマッチング処理を実行させるためのマッチングプログラムであって、
前記マッチングプログラムは、前記プロセッサに、
前記大会に参加する複数のプレイヤの内の第1プレイヤ群に、複数の対戦開始時間から決定される一の対戦開始時間を設定するステップと、
前記大会の所定の終了条件を設定するステップと、
前記第1プレイヤ群に含まれるプレイヤからのマッチング指示を受け付けて、前記第1プレイヤ群に含まれる他のプレイヤ及び前記一の対戦開始時間以降に到来する対戦開始時間が設定された第2プレイヤ群に含まれるプレイヤの中から、前記マッチング指示を受け付けたときの前記プレイヤの前記大会での対戦結果に基づいて、前記対戦相手をマッチングするステップと、
前記マッチングの成立後、前記プレイヤが前記対戦相手と前記対戦ゲームを実行する現実世界の対戦場所に関する情報を前記プレイヤに通知するステップと、
前記プレイヤと前記対戦相手との前記対戦ゲームの勝敗に関する勝敗情報を受け付けるステップと、
前記勝敗情報を受け付けた後、前記終了条件に基づいて前記プレイヤの前記大会が終了したか否かを判定し、前記大会が終了したと判定した場合にプレイヤに対して前記大会が終了した旨を通知するステップと
を実行させるマッチングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法に関する。特に、本発明は、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会において対戦相手をマッチング可能なマッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マッチング処理を行ってマッチングしたプレイヤ間でゲームを実行させるための通信接続された複数のゲーム端末を備えたマッチングシステムであって、ゲーム端末に入力されたプレイ操作が、所定レベルに達しているプレイヤが行うプレイ操作か否かを判定するために予め設定された条件を充足するか否かに基づいて、プレイレベルが所定レベルに達しているプレイヤを検出する所定レベル到達プレイヤ検出手段と、所定レベル到達プレイヤ検出手段により検出されたプレイヤと、それ以外のプレイヤとのマッチングを行わないようにマッチング処理を行うマッチング処理手段とを備えたマッチングシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のマッチングシステムにおいては、不特定多数のプレイヤが接続可能なネットワークゲームにおいて、初級者のゲーム離れを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-254979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1等に記載のマッチングシステムは、デジタル空間上で実行される対戦ゲームにおいてマッチング処理を実行しており、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会では用いることができない。
【0005】
また、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会においては、例えば、スイスドロー方式(スイス式トーナメント)を採用した大会が実行されることがある。スイスドロー方式は、組み合わせの異なる2人のプレイヤ(若しくは2組のチーム)による所定回数の対戦を繰り返し、各回の対戦が、その前の回の対戦結果により勝率が同じ若しくは勝率が近接しているプレイヤ(若しくはチーム)が対戦する方式である。スイスドロー方式では、最終的なランキングが決定されるまでのラウンド数をn(ただし、nは正の整数)とすると、参加するプレイヤ数=2となる(例えば、参加者が256人であれば、8回のラウンドを実行すれば必ず全勝するプレイヤが一人となる。)。そして、スイスドロー方式では、一のラウンドにおいては、当該一のラウンドに参加したプレイヤ全員の対戦が終了するまで、プレイヤ全員は会場に待機することを要するので、リアルな会場に収容可能な人数(キャパシティ)によって一のラウンドに参加可能なプレイヤ数は制限される。
【0006】
したがって、本発明の目的は、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会において、大会を効率的に進めることができるマッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会における対戦相手のマッチング処理を実行させるためのマッチングプログラムであって、マッチングプログラムは、プロセッサに、大会に参加する複数のプレイヤの内の第1プレイヤ群に、複数の対戦開始時間から決定される一の対戦開始時間を設定するステップと、大会の所定の終了条件を設定するステップと、一の対戦開始時間以降、第1プレイヤ群に含まれるプレイヤからのマッチング指示を受け付けて、第1プレイヤ群に含まれる他のプレイヤ及び一の対戦開始時間以降に到来する対戦開始時間が設定された第2プレイヤ群に含まれるプレイヤの中から、マッチング指示を受け付けたときのプレイヤの大会での対戦結果に基づいて、対戦相手をマッチングするステップと、マッチングの成立後、プレイヤが対戦相手と対戦ゲームを実行する現実世界の対戦場所に関する情報をプレイヤに通知するステップと、プレイヤと対戦相手との対戦ゲームの勝敗に関する勝敗情報を受け付けるステップと、勝敗情報を受け付けた後、終了条件に基づいてプレイヤの大会が終了したか否かを判定し、大会が終了したと判定した場合にプレイヤに対して大会が終了した旨を通知するステップとを実行させるマッチングプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るマッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法によれば、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会において、大会を効率的に進めることができるマッチングプログラム、マッチングシステム、情報処理装置、サーバ、及びマッチング方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るマッチングシステムの概要図である。
図2】本実施形態に係るマッチングシステムの機能構成ブロック図である。
図3】本実施形態に係るマッチングシステムが有する格納ユニットのデータ構成図である。
図4】本実施形態に係るマッチングシステムにおける処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
<マッチングシステム1の概要>
図1は、本実施形態に係るマッチングシステムの概要を示す。具体的に、図1(a)は、マッチングシステム1の構成の一例の概要であり、図1(b)は対戦ゲームの大会が実行される会場の一例の概念図である。
【0011】
本実施形態に係るマッチングシステム1は、現実世界の(つまり、リアルな)会場9で実施される対戦ゲームの大会等において、プレイヤとそのプレイヤの対戦相手とのマッチングを実行するシステムである。対戦ゲームとしては様々なゲームが挙げられるが、本実施形態では、プレイヤがアナログのカード(トレーディングカード)を用いて所定のルールの下で相手方プレイヤ(対戦相手)と対戦するトレーディングカードゲーム(TCG)を一例として挙げて説明する。また、当該大会では様々なトーナメント方式を採用でき、例えば、スイスドロー方式(スイス式トーナメント)やマクマホン式トーナメント等を採用できる。本実施形態では、スイスドロー方式を用いて実行される大会を例に挙げて説明する。
【0012】
具体的にマッチングシステム1は、リアルな会場9で実施されるリアルタイムの対戦ゲームの大会に参加する1以上のプレイヤごとに対戦開始時間を割り当てて所定のマッチング処理を実行することで、リアルな会場9における大会への参加人数のピークを分散させ、当該大会開催期間におけるトータルの参加人数を当該会場の収容人数(キャパシティ)以上にすることができると共に、各プレイヤが自身の対戦開始タイミングを自らの意思で決定可能なシステムである。つまり、マッチングシステム1においては、プレイヤごとに対戦開始時間を設定することで会場9において同時に対戦するプレイヤの最大人数を対戦開始時間ごとにずらし、かつ、対戦開始時間が早いプレイヤほど早く対戦が終了し得るようにして、リアルな会場9のキャパシティによらない大会運営を可能にする。
【0013】
図1(a)に示すようにマッチングシステム1は、1以上のプレイヤの情報端末(例えば、情報端末3、情報端末3a、・・・情報端末3n)と、大会における各種処理を実行するサーバ7とを備える。すなわち、図1(a)では、それぞれ異なるプレイヤ(対戦相手を含む)が用いる複数の情報端末それぞれが通信ネットワーク5を介してサーバ7に接続されている例を示している。各情報端末とサーバ7とは、通信ネットワーク5を介して双方向通信可能に接続される。なお、マッチングシステム1は、サーバクライアント型のマッチングシステムであってよい。以下の説明では、説明を簡略化するため、1つの情報端末3(プレイヤの情報端末3)が通信ネットワーク5を介してサーバ7に接続されている例を主として説明する。
【0014】
まず、マッチングシステム1は、双方向通信可能に接続されたプレイヤの情報端末3から、リアルな会場9で実施される対戦ゲームの大会への参加を受け付ける。ここで、当該大会においては、大会開催期間を複数に区切った複数の対戦開始時間が設定されており、各対戦開始時間における参加可能人数の上限が設けられている。マッチングシステム1は、参加を受け付けたプレイヤに対し、複数の対戦開始時間から選択される一の対戦開始時間を設定し、当該プレイヤの情報端末3に設定した一の対戦開始時間を通知する。
【0015】
そして、プレイヤは、大会開催日に大会が開催される会場9に出向く。マッチングシステム1は、当該プレイヤに設定された対戦開始時間になった場合、当該プレイヤの情報端末3において対戦相手とのマッチングの実行を可能にする。すなわち、マッチングシステム1は、情報端末3にプレイヤからの指示(マッチング指示)を受け付けるアイコンを表示させ、情報端末3を介して当該アイコンに対するプレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にする(一方、対戦開始時間になる前は受け付け不可にする。)。マッチングシステム1は、当該プレイヤに設定された対戦開始時間以降にプレイヤによる当該アイコンに対するマッチング指示を受け付けた場合、他の1以上のプレイヤの中からプレイヤの対戦相手をマッチングする。
【0016】
ここで、マッチングシステム1は、プレイヤの対戦開始時間より前の対戦開始時間が設定された他のプレイヤ、プレイヤと同じ対戦開始時間が設定された他のプレイヤ、及びプレイヤの対戦開始時間より後の対戦開始時間が設定された他のプレイヤであってプレイヤがマッチング指示をした時間が当該後の対戦開始時間以降である他のプレイヤの中からプレイヤの対戦相手をマッチングする。ただし、マッチングシステム1は、プレイヤがマッチング指示をしたタイミングで、大会において設定されている所定の終了条件を満たしている他のプレイヤ及び既にプレイヤと対戦済みの他のプレイヤは除いてマッチングする。マッチングシステム1は、マッチングにおいて、プレイヤによるマッチング指示のタイミングと他のプレイヤによるマッチング指示のタイミングとがより近いプレイヤ同士、及び/又は対戦成績がより近いプレイヤ同士を優先的にマッチングする。
【0017】
なお、所定の終了条件は、大会に参加したプレイヤによる対戦を終了させる条件であり、大会に参加したすべてのプレイヤに共通に適用される。終了条件は、例えば、プレイヤの対戦履歴に関する情報に基づく終了、プレイヤの自発的な意思表示による所定の操作に基づく終了、及び/又は所定の時間に関する条件を満たしたことに基づく終了等を終了条件としてよい。具体的に、予め定められた回数の対戦の実行による終了、予め定められた回数の勝利を収めたことによる終了、予め定められた回数の敗北を喫したことによる終了、及び/又はプレイヤ自身による大会の辞退(ドロップ)をしたことによる終了、大会会場が閉鎖される時間の到来による終了、プレイヤが大会会場に出席した時刻(つまり、エントリーした時刻)からの経過時間(つまり、会場での滞在時間)が所定時間を経過したことによる終了等を終了条件としてよい。
【0018】
そして、マッチングが成立した場合、マッチングシステム1は、リアルな会場9においてプレイヤとマッチングが成立した他のプレイヤ(対戦相手)との現実世界の対戦場所900を選定し、選定した対戦場所900に関する情報を情報端末3及び対戦相手の情報端末に通知する。プレイヤは情報端末3に通知された対戦場所900の情報を参照し、図1(b)に示すような対戦場所900に出向いて対戦相手との対戦を実行する。対戦相手も自身の情報端末に通知された対戦場所900の情報を参照し、対戦場所900に出向いてプレイヤとの対戦を実行する。プレイヤと対戦相手との対戦の実行開始は、例えば、以下のような開始方法を採用できる。
a)対戦場所900においてプレイヤと対戦相手とが実際に会った際に口頭でコミュニケーションをとって対戦を開始する方法。
b)ユーザの情報端末3と対戦相手の情報端末との間で通信し、情報端末3と対戦相手の情報端末とを連携させ、当該連携の状況をマッチングシステム1が把握して両者の対戦開始を把握する方法。なお、当該連携は、例えば、近距離無線通信で互いの情報端末を通信接続させることや、情報端末3及び/又は対戦相手の情報端末に所定の二次元コードを表示させ、相手方の二次元コードを読み取ることで情報端末3と対戦相手の情報端末とを連携できる。
c)対戦場所900に所定の二次元コードを予め設置しておき、ユーザの情報端末3及び対戦相手の情報端末のそれぞれが当該所定の二次元コードを読み取ることで対戦を開始する方法。
【0019】
次に、プレイヤと対戦相手との対戦が終了した後、対戦に勝利した者(ここでは、仮に情報端末3を有するプレイヤが勝利したとする)が、情報端末3を介してサーバ7に対戦結果を登録する。マッチングシステム1は、対戦結果をプレイヤの情報端末3及び対戦相手の情報端末に表示させる。その後、マッチングシステム1は、プレイヤの当該対戦結果に基づいて所定の終了条件を満たしているか否かを判定する。マッチングシステム1は、所定の終了条件を満たしていないと判定した場合、プレイヤの情報端末3にプレイヤからのマッチング指示を受け付けるアイコンを再び表示させ、情報端末3を介して当該アイコンに対するプレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にする。
【0020】
マッチングシステム1は、プレイヤによる当該アイコンに対するマッチング指示を受け付けた場合、上記と同様に、他の1以上のプレイヤの中からプレイヤの対戦相手をマッチングする。プレイヤは当該アイコンが情報端末3に再び表示された場合、すぐに当該アイコンに対するマッチング指示をしてもよいし、当該アイコンに対するマッチング指示をせずに休憩等することもできる。休憩等をしたプレイヤは、当該アイコンに対してマッチング指示をすることで再び対戦に戻ることができる。マッチングの成立以降は上記と同様である。なお、マッチングシステム1は、プレイヤに大会への参加可能な時間の上限を設定してもよい。例えば、マッチングシステム1は、一のプレイヤに大会に参加できるトータルの時間を大会開催期間の時間以下に設定してよい。一例として、大会開催期間が8時間である場合、一のプレイヤが大会に参加できるトータルの時間を4時間等に設定できる。そして、マッチングシステム1は、プレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にした時刻から当該プレイヤから実際にマッチング指示を受け付けた時刻までの時間、及び当該プレイヤが他のプレイヤとの対戦に要した時間を参加可能な時間から差し引いて残り時間を算出し、残り時間を当該プレイヤの情報端末3に出力させてもよい。これによりプレイヤは、休憩等によって参加可能な時間が短くなることを把握できる。また、マッチングシステム1は、大会参加の終了指示をプレイヤから任意のタイミングで受け付け可能してよい。この場合、マッチングシステム1は、プレイヤから当該終了指示を情報端末3を介して受け付けた時点において当該プレイヤが獲得可能な報酬に関する情報を当該プレイヤの情報端末に出力させてもよい。
【0021】
一方、マッチングシステム1は、所定の終了条件を満たしていると判定した場合、所定の報酬をプレイヤが獲得可能である条件(報酬取得条件)を満たしているか否かを判定する。そして、マッチングシステム1は、プレイヤが報酬取得条件を満たしていると判定した場合、プレイヤの情報端末3に所定の報酬を取得可能である情報(例えば、所定の報酬と引き換え可能な電子的な引換券等の情報)を供給する。プレイヤは、情報端末3に供給された当該情報を、例えば、大会運営者等に提示することで、所定の報酬を得ることができる。なお、所定の報酬は有体物の報酬(例えば、ワッペンやステッカー、トレーディングカード等)であってよい。また、大会会場は、例えば、プレイヤが所定の報酬を取得した後、当該プレイヤが当該大会会場に再び入場することができないレイアウトにすることが好ましい。このようなレイアウトにすることで、大会会場内の対戦人数を制御できる。当該レイアウトとしては、例えば、大会会場の入口と出口とを分け、出口の直前付近においてプレイヤに所定の報酬を渡す領域を設けたようなレイアウトが挙げられる。
【0022】
本実施形態に係るマッチングシステム1は、各プレイヤに複数の対戦開始時間から選択される一の対戦開始時間を設定する。そのため、一のプレイヤは、自身に設定された対戦開始時間以降から大会に参加可能となる。そして、マッチングシステム1は、一のプレイヤについて、当該一のプレイヤに設定された対戦開始時間以降に対戦相手とのマッチングを可能にする。また、マッチングシステム1は、所定の終了条件を設け、終了条件を満たしたプレイヤから順に大会への参加を終了させ、参加が終了したプレイヤをマッチング対象から除外する。なお、マッチングシステム1は、プレイヤによる大会会場への出席(エントリー)時間を先に受け付けてもよい。この場合、マッチングシステム1は、当該プレイヤがエントリー可能な時間を、対戦開始時間以降となるように対戦開始時間を設定してよい。
【0023】
したがって、従来のリアルな会場9での大会においては、会場9の収容人数が参加可能なプレイヤの人数の上限となっていたところ(例えば、従来のスイスドロー形式の大会においては、第1ラウンドは参加プレイヤの全員が参加しなければならず、参加プレイヤの人数の上限は会場9のキャパシティに制限されている。)、本実施形態に係るマッチングシステム1によれば、各プレイヤの対戦開始時間をずらし、かつ、所定の終了条件を満たしたプレイヤが順次、マッチング対象から除外されるので、大会に参加するプレイヤの人数のピークを分散させることができる。これにより、マッチングシステム1においては、会場9のキャパシティに依存することのない大会運営が可能になる。つまり、マッチングシステム1によれば、会場9内における滞留人数を会場9のキャパシティ以下で遷移させることができるので、大会開催期間中における大会へのトータルの参加者数をキャパシティ以上にすることができる。
【0024】
また、マッチングシステム1においては、プレイヤが所定の終了条件を満たし、かつ、所定の報酬取得条件を満たすことで、所定の報酬をプレイヤは獲得可能になる。そして、マッチングシステム1においては、プレイヤに設定された対戦開始時間以降であれば、任意タイミングで当該プレイヤはマッチングを開始できる。そのため、従来、一のラウンドにおける対戦が全て終了しなければ次のラウンドの対戦を実行できなかったところ、マッチングシステム1によればプレイヤは、所定の報酬の獲得を目指して対戦を早く終了させるため、自身の対戦が終了するたびに当該対戦のラウンドに参加している他のすべてのプレイヤの対戦の終了を待たずにマッチング指示をすぐに実行することもできる。
【0025】
なお、情報端末は、携帯電話やスマートフォン、ノートパソコン、タブレット型PC、及び/又は携帯用ゲーム機等の持ち運び容易な情報端末等である。複数の情報端末が存在する場合、各情報端末の種類は異なっていてもよい。そして、以下において本実施形態に係るマッチングシステム1の詳細を説明するが、上記説明及び下記説明における名称や数値等はあくまで例示であり、これらの固有名や数値に本発明が限定されることはないこと、及びこれら固有名や数値は実在の固有名や数値とは必ずしも関係するとは限らないことを付言する。
【0026】
<マッチングシステム1の詳細>
図2は、本実施形態に係るマッチングシステムの機能構成の一例を示す。また、図3は、本実施形態に係るマッチングシステムが備える格納ユニットが有する各格納部のデータ構成の一例を示す。
【0027】
[マッチングシステム1の構成の概要]
本実施形態に係るマッチングシステム1は、対戦開始時間やマッチング開始の指示を受け付けるアイコン等の画像等を出力する出力部100と、出力部100の出力を制御する出力制御部102と、プレイヤからの指示を受け付ける入力部104と、プレイヤの大会への参加を受け付ける参加受付部110と、プレイヤの対戦開始時間を設定する対戦開始時間設定部112と、プレイヤと対戦相手とのマッチング処理を実行するマッチング部114と、プレイヤ及び対戦相手の情報端末に対戦場所を通知する通知部116と、対戦ゲームの勝敗を受け付ける勝敗受付部118と、大会の終了条件を判定する判定部120と、プレイヤへの報酬付与を制御する報酬部122と、マッチングシステム1の各種機能や動作等を制御する制御部124と、マッチングシステム1に用いる各種の情報を格納する格納ユニット126とを備える。また、格納ユニット126は、プレイヤに関する情報を格納するプレイヤ情報格納部128と、大会に関する情報を格納する大会情報格納部130とを有する。
【0028】
マッチングシステム1は、上記複数の構成要素を物理的に同一の装置や場所に有するだけでなく、上記複数の構成要素の一部を物理的に離れた位置に設置してもよい。この場合、各構成要素は、例えば、インターネット等の通信網により接続されてよい。例えば、マッチングシステム1は、構成要素の機能の一部を外部のサーバに担わせてもよい。また、マッチングシステム1は、一以上のサーバとして構成してもよい。この場合、情報端末、並びに一のサーバの構成要素及び他のサーバの構成要素を組み合わせることで、マッチングシステム1が構成される。また、本実施形態において、所定の構成要素の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、マッチングシステム1を複数の情報処理装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るマッチングシステム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はマッチングシステム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。更に、格納ユニット126が格納する各種の情報は、入力部104を介して受け付けるプレイヤの指示や情報により更新されてもよく、マッチングシステム1の外部に存在する所定のサーバから所定の情報を取得して、随時、更新されてもよい。
【0029】
[マッチングシステム1の構成の詳細]
以下においては、マッチングシステム1により提供される各種の情報を、主としてプレイヤが情報端末3(例えば、スマートフォン等)を用いて実行する場合を例として説明する。情報端末3は、表示部としての出力部100、及び入力部104を少なくとも有して構成される。なお、プレイヤの情報端末3と対戦相手の情報端末とは略同様の構成及び/又は機能を有し、「プレイヤ」を「対戦相手」に置き換えても「対戦相手」を「プレイヤ」に置き換えても同様であるので(つまり、以下の説明において情報端末3を対戦相手の情報端末に置き換えても同様であるので)、以下の説明においてはプレイヤが用いる情報端末3における機能や出力等を主として挙げて説明し、対戦相手の情報端末における機能や出力等の詳細な説明は省略する。
【0030】
(制御部124)
制御部124は、大会に関する情報及びプレイヤに関する情報等に基づいて大会におけるマッチング処理等の各種処理を制御する。各種処理には、例えば、以下の処理が含まれていてよい。
・プレイヤによる大会への参加に関する処理
・プレイヤによる大会会場への出席(エントリー)に関する処理
・対戦相手のマッチングに関する処理
・プレイヤと対戦相手との対戦場所を検索して決定する処理
・プレイヤと対戦相手との対戦開始及び対戦終了に関する処理
・対戦結果の取得に関する処理
・大会の終了条件、及びプレイヤによる自主的な大会終了に関する各種処理(例えば、終了条件を設定する処理等)
・大会終了後における報酬の提供に関する処理
・プレイヤの大会会場への出席時刻、退場時刻、対戦時間、会場内での滞在時間等の時間に関する処理
【0031】
また、制御部124は、情報端末3及び他のプレイヤ(対戦相手)の情報端末から受信した各種の情報に基づいて、プレイヤと対戦相手とのマッチング処理やプレイヤに対する所定の報酬の取得に関する処理を実行可能にしてもよい。更に、制御部124は、マッチングシステム1が備える各構成要素の動作の制御もできる。
【0032】
そして、制御部124は、入力部104を介して受け付けるプレイヤの操作入力に応じ、各種の処理を実行する。例えば、制御部124は、プレイヤによる大会への参加に関する処理、プレイヤ自身の情報の格納ユニット126への格納処理、プレイヤの対戦結果に関する情報の格納ユニット126への格納処理、プレイヤへの報酬付与に関する情報処理、出力制御部102に対する所定の情報の出力部100への出力指示等の各種処理を実行する。一例として、制御部124は、大会会場に来場したプレイヤであって、入力部104を介して当該プレイヤからのエントリーを受け付けて、当該プレイヤの大会への参加を可能にする。
【0033】
(格納ユニット126)
格納ユニット126は、マッチングシステム1の他の構成要素から供給される各種の情報や、マッチングシステム1に関連する各種情報を格納する。格納ユニット126が有する各格納部は、マッチングシステム1の他の構成要素からの要求に応じ、所定の情報を所定の構成要素に供給する。
【0034】
(格納ユニット126:プレイヤ情報格納部128)
プレイヤ情報格納部128は、プレイヤを識別するプレイヤIDに対応付けて、プレイヤ情報、大会への参加に関する参加情報、大会での対戦結果に関する対戦結果情報等を格納する。
【0035】
プレイヤ情報としては、例えば、プレイヤを識別する情報(例えば、プレイヤの氏名、性別、及び/又は生年月日等の情報)、プレイヤが利用しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に関する情報(例えば、SNSのアカウント情報)、プレイヤのメールアドレス、プレイヤの電話番号、プレイヤが設定する名称であるプレイヤ名、及び/又は大会用のサーバ等へのログイン情報(例えば、ログインID、パスワード等)等が挙げられる。
【0036】
参加情報は、プレイヤが参加を申し込んだ対戦ゲームの大会に関する情報(例えば、大会名、主催者、開催場所、開催日時等)、当該大会においてプレイヤに設定された対戦開始時間に関する情報、及び/又はプレイヤがこれまで参加した大会に関する情報(例えば、過去に参加した大会に関する各種の情報、及び/又は当該大会での対戦成績)等が挙げられる。
【0037】
対戦結果情報は、プレイヤが参加している対戦ゲームの大会において当該プレイヤの対戦結果を示す情報である。対戦結果情報はリアルタイムで更新されてよい。対戦結果情報は、例えば、当該プレイヤの1以上のラウンドそれぞれにおける対戦結果(勝敗情報を含む)に関する情報(例えば、マッチング成立時刻、対戦相手に関する情報、対戦場所を特定する情報を含む対戦場所に関する情報、対戦での得点、対戦での勝敗、対戦結果をプレイヤの情報端末3から受け付けた時刻等)が挙げられる。
【0038】
(格納ユニット126:大会情報格納部130)
大会情報格納部130は、リアルな会場9で実施される大会を識別する大会IDに対応付けて、当該大会に関する大会情報を格納する。大会情報としては、例えば、大会開催の主催者、大会開催期間(大会開催日を含む)、大会開催場所、大会開催に関する案内、大会への参加方法、大会開催場所の収容人数(キャパシティ)、1以上の対戦開始時間、一の対戦開始時間における参加可能な最大のプレイヤ数、大会の終了条件、大会で提供される報酬、及び/又は報酬の取得条件(報酬取得条件)等に関する情報が挙げられる。
【0039】
(出力部100、出力制御部102)
出力部100は、出力制御部102に制御され、プレイヤに大会参加への案内や大会参加の可否、マッチング処理の実行を受け付けるアイコン、及び/又は対戦相手との対戦場所等の各種情報を出力する。出力部100は、各種の処理結果や格納ユニット126が格納している情報をプレイヤが知覚可能に出力する。具体的に出力制御部102は、各構成要素における各種処理結果や格納ユニット126が格納している情報等を、所定形式のデータ、静止画像、動画像、及び/又はテキストや音声等として出力部100に出力させる。出力部100は、外部のサーバから受け取る情報を出力してもよい。なお、出力部100は、情報端末3が有する表示部等であってよい。また、出力部100は、表示部、音声を出力する音声出力部、振動を発する振動部、及び/又は光を発する発光部等の要素を含んで構成されていてよい。
【0040】
(入力部104、入力面106、入力制御部108)
入力部104は、プレイヤからの所定の指示や操作等の入力を受け付ける。入力部104は、マッチングシステム1の所定の構成要素に当該指示を供給する。当該指示を受け付けた各構成要素はそれぞれ所定の機能を発揮する。例えば入力部104は、タッチパネル、タブレット、マウス、モーションセンサ等である。本実施形態では入力部104が、情報端末3が備えるタッチパネルである例を説明する。なお、タッチパネルは、マルチタッチ検出可能であってよい。具体的に、入力部104としてのタッチパネルは、プレイヤからの操作等が入力される入力面106と入力面106に入力された操作に関する情報を取得する入力制御部108とを有する。タッチパネルは、出力部100である表示部に重ねて配置され、タッチパネルの表面が入力面106に対応する。
【0041】
例えば、出力部100には所定の指示を受け付ける領域が設けられ、入力面106は、入力面106の当該領域に対するプレイヤの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スワイプ操作、ドラッグ操作、フリック操作等)により指定された位置における所定の指示を検知する。入力面106は検知した情報、すなわち、検知した位置における所定の指示を示す情報を入力制御部108に供給する。入力制御部108は、入力面106から所定の指示を示す情報を取得し、マッチングシステム1の所定の構成要素に当該情報を供給する。
【0042】
(参加受付部110)
参加受付部110は、対戦ゲームの大会へのプレイヤの参加を受け付ける。具体的に、制御部124は、情報端末3からの要求に応じ、情報端末3の出力部100に大会情報格納部130に格納されている情報に基づいて大会に関する情報及び当該大会への参加に関する情報を出力させる。そして、参加受付部110は、入力部104を介して受け付けるプレイヤの大会参加への要求に関する各種情報(例えば、参加要求やプレイヤの個人情報等)を用い、プレイヤの大会への参加を受け付ける。参加受付部110は、参加を受け付けた旨の情報を対戦開始時間設定部112に供給する。また、参加受付部110は、参加を受け付けた旨の情報をプレイヤIDに対応付けて参加情報の一部としてプレイヤ情報格納部128に格納させる。
【0043】
(対戦開始時間設定部112)
対戦開始時間設定部112は、参加受付部110において参加を受け付けたプレイヤ、つまり、大会に参加するプレイヤに、当該大会で設定されている複数の対戦開始時間から決定される一の対戦開始時間を設定する。対戦開始時間設定部112は、大会に参加する複数のプレイヤを複数のプレイヤ群に分け、プレイヤ群ごとに複数の対戦開始時間から決定される一の対戦開始時間を設定する。対戦開始時間設定部112は、複数のプレイヤ群のそれぞれに互いに異なる対戦開始時間を設定する。対戦開始時間設定部112は、抽選で一の対戦開始時間を設定してよい。ここで、一の大会の大会開催期間(典型的には、1日間)は複数の時間帯に分けられ、一の時間帯の始まりの時刻が一の対戦開始時間となる。そのため、第1の対戦開始時間、第2の対戦開始時間、・・・第nの対戦開始時間(但し、nは正の整数)の順に対戦開始時間は設定される。なお、対戦開始時間設定部112は、一定の期間で大会へ参加者を募って応募した参加者の人数が予め定められた人数より多い場合、抽選により参加者を確定し、確定した参加者に対して対戦開始時間を設定する。
【0044】
そして、ある一の対戦開始時間には、当該一の対戦開始時間において参加可能なプレイヤの人数の上限が設定される。当該上限は、リアルな会場9のキャパシティ以下である。つまり、会場9には、一度に対戦可能なプレイヤの人数の物理的な上限(キャパシティ)がある。なお、複数の対戦開始時間それぞれにおける参加可能なプレイヤの人数の上限は、対戦開始時間ごとに同一でも異なっていてもよい。大会に参加するプレイヤの人数のピークを大会開催期間中、適切に分散させ(つまり、特定の時間帯にプレイヤの人数が集中することを抑制する)、会場9内における滞留人数を適切なレベルに維持する観点から、各対戦開始時間における参加可能なプレイヤの人数の上限は設定されてよい。例えば、複数の対戦開始時間それぞれにおける参加可能なプレイヤの人数の上限は、大会会場に用意した対戦座席の数以下に設定してよい。なお、マッチングシステム1においては、各プレイヤが一時的に次の対戦を待つ時間が発生することを許容してよい。この場合、大会会場のキャパシティは、対戦座席数と同一でなくてよい。例えば、大会会場には対戦が実行される対戦座席(つまり、対戦場所の座席)と、プレイヤが休憩等できる座席(その他の座席やスペース)とが設けられていてよい。したがって、大会会場のキャパシティは、対戦座席とその他の座席やスペースとの合計である(一例として、大会会場全体のキャパシティが約3000人収容可能であるとしても、対戦座席が2500席であり、残りの座席等はプレイヤが休憩できる座席やスペースであってよい。)。したがって、マッチングシステム1は、大会会場の対戦座席の数に基づいて、各対戦開始時間における参加可能なプレイヤの人数の上限を設定してよい。
【0045】
対戦開始時間設定部112は、プレイヤに設定した対戦開始時間を、通信ネットワーク5を介してプレイヤの情報端末3に供給して通知する。また、対戦開始時間設定部112は、プレイヤ情報格納部128の参加情報の一部として、当該プレイヤのプレイヤIDに対応付けて、設定した対戦開始時間を格納する。プレイヤは、対戦開始時間設定部112が設定した対戦開始時間を、情報端末3の出力部100を介して任意のタイミングで知覚できる。
【0046】
(マッチング部114)
マッチング部114は、プレイヤに設定された一の対戦開始時間以降、当該プレイヤからのマッチング指示を受け付けて、他の1以上のプレイヤの中から対戦相手をマッチングする。すなわち、マッチング部114は、一の対戦開始時間以降、プレイヤからのマッチング指示を受け付けて、一の対戦開始時間及び一の対戦開始時間とは異なる対戦開始時間が設定された他の1以上のプレイヤの中からマッチング指示時の対戦結果に基づいて対戦相手をマッチングする。具体的に、マッチング部114は、一の対戦開始時間以降、第nプレイヤ群に含まれるプレイヤからのマッチング指示を受け付けて、第nプレイヤ群に含まれる他のプレイヤ及び一の対戦開始時間以降に到来する対戦開始時間が設定された第n+1プレイヤ群に含まれるプレイヤの中から、当該マッチング指示を受け付けたときのプレイヤの大会での対戦結果に基づいて、対戦相手をマッチングする(ただし、nは1以上の整数。)。したがって、例えば、一のラウンドにおいて対戦を早く終えたプレイヤであっても、他に対戦を終了してマッチング可能なプレイヤが存在し、対戦結果を参照できる限り、当該一のラウンドに参加しているすべてのプレイヤの対戦の終了を待たずにマッチングすることができる。
【0047】
マッチング部114は、プレイヤのマッチング相手を以下の他のプレイヤの中からマッチングする。ただし、マッチング部114は、マッチングの際、既にプレイヤと対戦した他のプレイヤが存在する場合、当該他のプレイヤは除かれる。また、既に所定の終了条件を満たした他のプレイヤも除かれる。
a)プレイヤの対戦開始時間より前の対戦開始時間が設定された他のプレイヤ
プレイヤに設定された対戦開始時間が、大会において設定された複数の対戦開始時間のうち、2番目以降の対戦開始時間(つまり、第2の対戦開始時間以降)である場合、プレイヤに設定された対戦開始時間より前の対戦開始時間が設定された他のプレイヤがマッチング対象に含まれる。
b)プレイヤと同じ対戦開始時間が設定された他のプレイヤ
プレイヤに設定された対戦開始時間と同一の対戦開始時間が設定された他のプレイヤがマッチング対象に含まれる。
c)プレイヤの対戦開始時間より後の対戦開始時間が設定された他のプレイヤであってプレイヤがマッチング指示をした時間が当該後の対戦開始時間以降である他のプレイヤ
プレイヤに設定された対戦開始時間より後の対戦開始時間が設定された他のプレイヤであっても、プレイヤが実際にマッチング指示した時間が当該後の対戦開始時間以降である場合、当該後の対戦開始時間が設定された他のプレイヤもマッチング対象に含まれる。したがって、プレイヤがマッチング指示した時間が当該後の対戦開始時間より前である場合、当該後の対戦開始時間が設定された他のプレイヤはマッチング対象から除かれる。
【0048】
また、マッチング部114は、プレイヤに設定された対戦開始時間以降においてエントリーを受け付けたプレイヤを含み、終了条件を満たしたプレイヤを除いたグループ(母集団)の中から、プレイヤのマッチング相手をマッチングしてもよい。例えば、一のプレイヤに一の対戦開始時間が設定されたとする。そして、一のプレイヤが一の対戦開始時間以降に大会会場でエントリーしたとする。この場合、一の対戦開始時間より前の対戦開始時間において既に終了条件を満たしたプレイヤ、そして、一の対戦開始時間以降において既に終了条件を満たしたプレイヤを除いた複数のプレイヤの群と、当該一のプレイヤとを含むグループの中から、マッチング部114は、当該一のプレイヤの対戦相手をマッチングしてもよい。
【0049】
例えば、制御部124は、プレイヤの情報端末3の出力部100に、対戦相手のマッチングを実行する旨の指示を受け付けるアイコン(マッチングアイコン)を出力させる。制御部124は、プレイヤに設定された一の対戦開始時間の前はマッチングアイコンに対する指示を受け付け不可にし、一の対戦開始時間以降にマッチングアイコンに対する指示を受け受け可能にする。そして、マッチング部114は、入力部104を介して受け付けるマッチングアイコンに対するプレイヤの指示(マッチング指示)に基づいて、マッチング処理を実行する。
【0050】
また、マッチング部114は、プレイヤによるマッチング指示のタイミング(つまり、入力部104を介して受け付けたマッチング指示の時刻)と、他のプレイヤによるマッチング指示のタイミング(つまり、他のプレイヤの情報端末の入力部を介して受け付けたマッチング指示の時刻)とがより近いプレイヤ同士を優先的にマッチングする。すなわち、マッチング部114は、他の1以上のプレイヤそれぞれからマッチング指示を受け付けた時刻である複数の対戦相手時刻のうち、プレイヤからのマッチング指示を受け付けた時刻であるプレイヤ時刻に最も近い対戦相手時刻でマッチング指示をした他のプレイヤを、プレイヤの対戦相手として優先的にマッチングする。
【0051】
また、マッチング部114は、開催中の大会におけるプレイヤの対戦ゲームの対戦成績と、他の1以上のプレイヤそれぞれの開催中の大会における対戦ゲームの対戦成績とに基づいてマッチングしてもよい。すなわち、マッチング部114は、プレイヤによるマッチング指示及び他のプレイヤによるマッチング指示を受け付けた場合、プレイヤ情報格納部128に格納されている対戦結果情報を参照し、対戦成績がより近いプレイヤ同士(例えば、勝率が同一若しくは双方の勝率が所定範囲内である場合や、勝利数が同一若しくは所定数だけ勝利数が異なる場合等)を優先的にマッチングする。なお、スイスドロー方式においては、対戦成績に基づくマッチングは必須となる。マッチング部114は、マッチング処理の結果を示す情報を通知部116に供給する。
【0052】
なお、マッチング部114は、マッチング指示のタイミングに基づいたマッチングと対戦成績に基づいたマッチングとを組み合わせてマッチングしてもよい。例えば、マッチング部114は、マッチング指示のタイミングに基づいたマッチングをした上で対戦成績に基づいたマッチングをしてもよいし、対戦成績に基づいたマッチングをした上でマッチング指示のタイミングに基づいたマッチングをしてもよい。
【0053】
なお、制御部124は、プレイヤの情報端末3の位置情報(例えば、情報端末3のGPSを用いて得られる位置情報)を参照し、情報端末3が会場9内若しくは会場9から所定範囲以内に存在する場合、マッチング指示を受け付けるアイコンに対するプレイヤによる指示を受け付け可能にしてもよい。一方、制御部124は、プレイヤの情報端末3の位置情報を参照し、情報端末3が会場9から所定範囲外に存在する場合、マッチング指示を受け付けるアイコンに対するプレイヤによる指示を受け付け不可にしてもよい(この場合、制御部124は、当該プレイヤへの事前の通知を前提に、当該プレイヤがドロップしたと判定してもよい。)。
【0054】
(通知部116)
通知部116は、マッチング部114によるマッチングが成立した後、プレイヤが対戦相手と対戦ゲームを実行するリアルな会場9内の対戦場所、つまり、現実世界の対戦場所に関する情報をプレイヤに通知する。通知部116は、プレイヤの情報端末3及び対戦相手の情報端末の双方に対戦場所を通知する。具体的に、制御部124は、大会会場内で空いている対戦場所を検索し、空いている対戦場所の中から通知部116が通知する対戦場所を決定する。例えば、大会の初戦は予め定められた対戦場所を制御部124は一のプレイヤ及び一の対戦相手に通知し、一のプレイヤと一の対戦相手とによる対戦が終了すると(後述の勝敗受付部118から勝敗情報を受け付けると)、対戦が終了した一のプレイヤと一の対戦相手との対戦場所が空いたことを示す空きフラグを、当該対戦場所に対応付ける。制御部124は、他のプレイヤと他の対戦相手との対戦場所についても同様に処理する。そして、制御部124は、マッチング部114からマッチングが成立したことを示す情報を受け取るたびに、空きフラグが対応付けられた対戦場所の中から通知部116が通知すべき対戦場所を決定し、通知部116は、決定された対戦場所に関する情報をプレイヤ及びその対戦相手に通知する。そして、プレイヤ及び対戦相手はそれぞれ、自身の情報端末の出力部100に出力される対戦場所を参照し、当該対戦場所に赴いて対戦ゲームを実行することができる。なお、対戦場所は、例えば、会場9内に複数の座席が設けられている場合、座席を指定する情報(一例として、座席番号)であってよい。したがって、プレイヤ及び対戦相手はいずれも相手方を探すことを要せず、対戦場所に赴くだけで対戦を開始できる。
【0055】
なお、会場9における一度に対戦可能なプレイヤの人数の物理的な上限(上限人数)を超えた場合、マッチング部114は、マッチング指示をしたプレイヤの情報端末にマッチング中である旨を示す情報(マッチング中情報)、若しくはマッチングされるまで待機中である旨を示す情報(待機情報)を出力させてもよい。具体的に、マッチング部114は、上限人数、及び対戦中の人数に基づいて、マッチングしても対戦場所の空きがないと判断した場合、マッチング処理を実行後、対戦場所の空きが生じるまでマッチングしたプレイヤ及びその対戦相手(以下、この段落の説明において「対戦ペア」と称する。)の情報端末にマッチング中情報及び/又は待機情報を出力させる。例えば、マッチング中情報は「マッチング中です。」というようなテキスト情報であってよく、待機情報は「対戦席を確保していますので、しばらくお待ちください。」というようなテキスト情報であってよい。マッチング部114は、対戦場所の空きがない場合であっても、複数の対戦ペアをマッチングで設定してよい。つまり、マッチング部114は、仮想の待機列を発生させ、マッチングした対戦ペアをマッチング順に並べる。そして、通知部116は、対戦場所が空いた場合、マッチングした順に、待機列の対戦ペアを空いた対戦場所に誘導する情報を当該対戦ペアのプレイヤ及びその対戦相手の情報端末に通知する。
【0056】
(勝敗受付部118)
勝敗受付部118は、通知部116が通知した対戦場所におけるプレイヤと対戦相手との対戦ゲームの勝敗に関する勝敗情報を受け付ける。具体的に、プレイヤと対戦相手とが対戦場所において対戦ゲームを実行し、所定のルールに則って勝敗が決する。ここでは、例えば、プレイヤが勝者になったとする。この場合、プレイヤは、情報端末3の入力部104を介してマッチングシステム1の勝敗受付部118に、対戦ゲームの対戦結果である勝敗情報を供給する。勝敗受付部118は、勝敗情報を受け付けて、対戦結果情報の一部として当該勝敗情報をプレイヤ情報格納部128に格納する。勝敗情報には、プレイヤのプレイヤID及び対戦相手のプレイヤIDに対応付けて、プレイヤが勝利した旨の情報(例えば、プレイヤが勝利した旨の情報と共に、プレイヤ及び対戦相手それぞれの得点等の対戦内容の詳細に関する情報を含んでいてもよい。)が含まれる。勝敗受付部118は、プレイヤのプレイヤ情報格納部128及び対戦相手のプレイヤ情報格納部128のそれぞれに勝敗情報を格納する。勝敗受付部118は、勝敗情報を受け付けた旨を示す情報を判定部120に供給する。
【0057】
(判定部120)
判定部120は、勝敗受付部118が勝敗情報を受け付けた後、大会の所定の終了条件に基づいてプレイヤの大会が終了したか否かを判定する。判定部120は、大会が終了したと判定した場合、プレイヤの情報端末3に大会が終了した旨を通知する。判定部120は、判定結果をマッチング部114、及び報酬部122に供給する。終了条件としては、例えば、以下の条件が挙げられる。
【0058】
a)大会において予め定められた回数の対戦を実行した場合に大会終了とする条件
例えば、スイスドロー方式では、参加人数が増えるにしたがってラウンド数も増加する。しかし、本実施形態では、参加人数に関わらず、一人のプレイヤが対戦可能な回数に上限を設けてよく、当該上限の回数、対戦を実行した場合に当該プレイヤの大会は終了するとしてよい。
b)対戦において予め定められた回数の勝利を収めた場合に大会終了とする条件
例えば、最大7試合を実行可能な大会において、プレイヤが4回の勝利を収めた場合、大会を終了できる条件を満たしたとしてもよい。
c)対戦において予め定められた回数の敗北を喫した場合に大会終了とする条件
例えば、最大7試合を実行可能な大会において、プレイヤが4回の敗北を喫した場合、自動的に大会を終了させるとしてもよい。
d)プレイヤ自身による大会の辞退(ドロップ)をした場合に大会終了とする条件
例えば、入力部104を介してプレイヤから、任意のタイミングでドロップ指示を受け付けた場合、当該プレイヤの大会を終了させてよい。
【0059】
なお、マッチング部114は、判定部120においてプレイヤの大会が終了していないと判定され、大会が終了した旨を情報端末3に通知した場合、プレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にできる。つまり、マッチング部114は、プレイヤと対戦相手との対戦後、当該プレイヤが大会の終了条件を未だ満たしていない場合、プレイヤが更に他の対戦相手との対戦が可能であると判定し、プレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にする。
【0060】
(報酬部122)
報酬部122は、判定部120においてプレイヤの大会が終了したと判定され、所定の報酬をプレイヤが取得するための取得条件を満たしているか否か判定する。そして、報酬部122は、プレイヤが取得条件を満たしていると判定した場合、所定の報酬をプレイヤに取得可能にする取得情報をプレイヤに付与する。報酬部122は、取得情報をプレイヤの情報端末3に供給する。プレイヤは、情報端末3の出力部100に出力される取得情報を参照することができる。取得情報は、例えば、出力部100に出力されている取得情報を大会運営者や販売業者等に提示することでリアルな報酬(一例として、有体物の報酬であるトレーディングカードやステッカーやメダル等のアイテム等)と引き換え可能な引換券等の画像情報であってよい。プレイヤは、自身の情報端末に出力されている取得情報を大会運営者等に提示してリアルな報酬を受け取った後、大会会場から退出して帰路につくことができる。なお、報酬部122は、プレイヤが報酬を受け取った後、報酬受け取り済みを示す情報を取得して(例えば、入力部104を介して受け付ける所定の指示、若しくは報酬等に貼付等されている二次元コードを情報端末に読み取らせる。)、取得情報を使用済みである旨を情報端末に出力することができる。
【0061】
なお、複数の取得条件を設定することができる。そして、複数の取得条件ごとに、異なる報酬をプレイヤに付与可能にしてよい。例えば、取得条件としては以下の条件が挙げられる。
【0062】
a)所定回数以上の対戦を実行したことを条件とする第1取得条件
例えば、対戦の勝敗に関わらず、所定回数の対戦を実行した場合、プレイヤは第1の報酬を取得可能になる。
b)対戦を実行した場合、対戦回数ごとに所定の報酬を取得可能とする第2取得条件
例えば、対戦の勝敗に関わらず、対戦を実行しさえすれば、プレイヤに対戦回数分の第2の報酬を取得可能にしてよい。なお、第2の報酬をプレイヤが実際に取得する場合、第2の報酬は有料であってもよい。
c)所定回数の勝利を収めたことを条件とする第3取得条件
例えば、所定回数の勝利を収めた場合、プレイヤに第3の報酬を取得可能にしてよい。第3の報酬は、少なくとも第1の報酬より付加価値が高くてもよい。
d)大会において全勝したことを条件とする第4取得条件
例えば、大会においてすべての対戦に勝利した場合、プレイヤに第3の報酬及び第4の報酬の双方を取得可能にしてよい。第4の報酬は第3の報酬と同一でも、第3の報酬よりも付加価値が高い報酬であってもよい。
【0063】
[マッチングシステム1の処理の流れ]
図4は、本実施形態に係るマッチングシステムにおける処理の流れの一例を示す。
【0064】
まず、参加受付部110は、情報端末3を介してプレイヤからリアルな会場9で実施される大会への参加を受け付ける(ステップ10。以下、ステップを「S」と表す。)。参加受付部110は、プレイヤの参加を受け付けた旨を示す情報を対戦開始時間設定部112に供給する。対戦開始時間設定部112は、当該情報を受け取り、プレイヤに対して対戦開始時間を設定する(S12)。ここで、大会の開催期間を複数の時間帯に分け、各時間帯の開始時刻を対戦開始時間とする。そして、各時間帯を所定のグループとし、グループごとに対戦開始時間が設定される。更に、各グループには、参加可能な人数が設定される。参加可能な人数の上限は、会場9のキャパシティである(例えば、ここでは3,000名とする。)。一例として、大会における対戦が実行される時間帯は、以下の表1に示すようなグループに分けることができる。なお、以下の一のグループが、一のプレイヤ群である。
【0065】
【表1】
【0066】
対戦開始時間設定部112は、複数の対戦開始時間から抽選で一の対戦開始時間を決定し、決定した対戦開始時間をプレイヤの対戦開始時間として設定する。対戦開始時間設定部112は、プレイヤに設定した対戦開始時間をプレイヤの情報端末3に供給すると共にプレイヤIDに対応付けてプレイヤ情報格納部128に格納する。
【0067】
プレイヤは大会開催日に会場9に赴く。プレイヤに設定された対戦開始時間になるまで、マッチング部114はマッチング処理を待機すると共に、プレイヤも所定の場所等で待機する(S14のNo)。そして、プレイヤに設定された対戦開始時間になった場合(S14のYes)、マッチング部114は、プレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にする(S16)。
【0068】
なお、マッチングシステム1の処理の流れの変形例においては、プレイヤに設定された対戦開始時間に関わらずプレイヤを会場9に入場可能にしてもよい。この場合、マッチング部114は、プレイヤに設定された対戦開始時間になるまでマッチング処理を待機しなくてもよい。例えば、会場9にはプレイヤが入場する所定の入口が設けられ、入口近辺にプレイヤの大会参加を受け付ける受付が設けられていてよい。情報端末3は、プレイヤの指示に応じて対戦開始時間設定部112から供給された対戦開始時間を出力部100に出力させる。そして、受付の担当者が出力部100に出力された対戦開始時間と現在時刻とを確認し、当該プレイヤが当該対戦開始時間における大会の参加者であるか否か(つまり、当該対戦開始時間が対応付けられているグループに含まれているプレイヤであるか否か)を確認する。当該プレイヤが当該対戦開始時間の参加者であると受付の担当者が確認した場合、当該プレイヤを会場9に入場させ、当該プレイヤが当該対戦開始時間の参加者ではないと受付の担当者が確認した場合、当該プレイヤを会場9に入場させないようにしてもよい。この場合、マッチング部114は、プレイヤに設定された対戦開始時間が到来するか否かに関わらず、つまり、プレイヤに設定された対戦開始時間以降であるか否かに関わらず、プレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にしてもよい。ただし、マッチング部114は、会場9に入場したプレイヤからのマッチング指示だけを受け付け可能にしてもよい。例えば、受付の担当者から所定の指示(一例として、プレイヤが会場9に入場したことを示す指示)を情報端末3が受け付けた場合、マッチング部114は、プレイヤからのマッチング指示を受け付け可能にしてもよい。
【0069】
そして、プレイヤに設定された対戦開始時間以降においてマッチング部114が情報端末3の入力部104を介してマッチング指示を受け付けた場合(S16のYes。又は、変形例においては、プレイヤに設定された対戦開始時間が到来したか否かに関わらず、マッチング部114が情報端末3の入力部104を介してマッチング指示を受け付けた場合)、マッチング部114はマッチング処理を実行する(S20)。なお、プレイヤは、対戦開始時間以降であれば、任意のタイミングでマッチング指示を入力部104に入力できる(又は、変形例においては、プレイヤは対戦開始時間が到来したか否かに関わらず、任意のタイミングでマッチング指示を入力部104に入力できる。)。一方、マッチング部114がマッチング指示を受け付けず(S16のNo)、制御部124が入力部104を介してプレイヤからのドロップ指示も受け付けない場合(S18のNo)、マッチング部114はマッチング処理を待機する。
【0070】
なお、制御部124は、プレイヤに設定された対戦開始時間になるまで、プレイヤのエントリー(大会への出席)を停止し、対戦開始時間以降にエントリー可能にしてもよい。この場合、制御部124は、一のプレイヤに設定された一の対戦開始時間まで、当該一のプレイヤのエントリーを停止し、一の対戦開始時間になった後、当該一のプレイヤのエントリーを受け付ける。制御部124は、エントリーを受け付けたプレイヤに関する情報をマッチング部114に供給する。そして、マッチング部114は、エントリーを受け付けたプレイヤをマッチングの対象(マッチングの母集団。つまり、一の対戦開始時間が設定された当該一のプレイヤと他の1以上のプレイヤとを含むグループ。)としてマッチング指示の受け付けを可能にする。
【0071】
マッチング部114によるマッチングが成立した場合(S22のYes)、通知部116は対戦場所を決定し、決定した対戦場所をプレイヤの情報端末3及び対戦相手の情報端末に通知する(S24)。一方、マッチング部114によるマッチングが成立しない場合(S22のNo)、マッチング部114は再度、プレイヤによるマッチング指示を待機してよい。マッチングが成立した場合、プレイヤ及び対戦相手はそれぞれ対戦場所に赴き、対戦を実行する(S26)。この対戦の開始時において、プレイヤ及び対戦相手は互いに口頭で相手方が対戦の相手であることを確認し合ってよい。また、プレイヤの情報端末3と対戦相手の情報端末との間で通信するか、あるいは情報端末3と対戦相手の情報端末の少なくともいずれか一方が所定の二次元コードを表示し、表示された二次元コードを他方の情報端末が読み取ることで、相手方が対戦の相手であることを確認し合ってもよい。この場合、制御部124は、ユーザの情報端末3に対戦相手の名称及び対戦中である旨を出力させ、対戦相手の情報端末にプレイヤの名称及び対戦中である旨を出力させてもよい。情報端末3の出力内容は、一例として、「Bさんと対戦中」(Bさんは対戦相手である。)というような内容であってよく、対戦相手の情報端末の出力内容は、一例として、「Aさんと対戦中」(Aさんはプレイヤである。)というような内容であってよい。そして、対戦が終了するまで対戦は継続され(S28のNo)、対戦が終了した場合(S28のYes)、勝敗受付部118は勝敗情報を受け付ける(S30)。すなわち、情報端末3の入力部104を介し、対戦における勝者である者(例えば、ここではプレイヤを勝者とし、対戦相手を敗者とする。)からの対戦結果の情報、つまり勝敗情報を勝敗受付部118は受け付ける。勝敗受付部118は、勝敗情報を受け付けた旨を判定部120に供給する。
【0072】
判定部120は、プレイヤが大会の所定の終了条件を満たすか否かを判定する(S32)。判定部120が、所定の終了条件をプレイヤが満たしていないと判定した場合(S32のNo)、S16以降のステップを繰り返す。一方、判定部120が、所定の終了条件をプレイヤが満たしていると判定した場合(S32のYes)、又は制御部124が入力部104を介してプレイヤからドロップ指示を受け付けた場合(S18のYes)、報酬部122は、所定の報酬をプレイヤが取得可能であるか否か、つまり、所定の報酬の取得条件を満たしているか否かを判定する(S34)。報酬部122が、所定の取得条件をプレイヤが満たしていないと判定した場合(S34のNo)、プレイヤに報酬を取得させずに処理は終了する(これで、当該プレイヤの大会は終了になる。)。
【0073】
一方、報酬部122が、所定の取得条件をプレイヤが満たしていると判定した場合(S34のYes)、報酬部122は、所定の報酬をプレイヤに取得可能にさせる取得情報をプレイヤに付与する(S36)。具体的に、報酬部122は、取得情報をプレイヤの情報端末3に供給する。プレイヤは、情報端末3の出力部100に出力させた取得情報を大会運営者等に提示することで、所定の報酬を得ることができる。これにより、マッチングシステム1の処理は終了する。
【0074】
[マッチングプログラム]
図1図4に示した本実施形態に係るマッチングシステム1が備える各構成要素は、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等の演算処理装置(プロセッサ)にプログラム(すなわち、マッチングプログラム)を実行させること、つまり、ソフトウェアによる処理により実現できる。また、集積回路(Integrated Circuit:IC)等の電子部品としてのハードウェアにプログラムを予め書き込むことで実現することもできる。なお、プロセッサは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。また、ソフトウェアとハードウェアとを併用することもできる。
【0075】
すなわち、本実施形態に係るマッチングプログラムは、プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータにリアルな会場で実施される対戦ゲームの大会における対戦相手のマッチング処理を実行させるためのマッチングプログラムである。そして、本実施形態に係るマッチングプログラムは、例えば、ICやROM等に予め組み込むことができる。また、マッチングプログラムは、インストール可能な形式、又は実行可能な形式のファイルで、磁気記録媒体、光学記録媒体、半導体記録媒体等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータプログラムとして提供することもできる。プログラムを格納している記録媒体は、CD-ROMやDVD等の非一過性の記録媒体であってよい。更に、マッチングプログラムを、インターネット等の通信ネットワークに接続されたコンピュータに予め格納させ、通信ネットワークを介してダウンロードによる提供ができるようにすることもできる。
【0076】
本実施形態に係るマッチングプログラムは、CPU等に働きかけて、マッチングプログラムを、図1図4にかけて説明した出力部100、出力制御部102、入力部104、入力面106、入力制御部108、参加受付部110、対戦開始時間設定部112、マッチング部114、通知部116、勝敗受付部118、判定部120、報酬部122、制御部124、格納ユニット126、プレイヤ情報格納部128、及び大会情報格納部130として機能させる。
【0077】
[実施の形態の効果]
本実施形態に係るマッチングシステム1は、リアルな会場9で実施される対戦ゲームの大会のマッチングシステムであり、大会に参加を希望するプレイヤの参加を受け付けると、プレイヤごとに対戦開始時間が設定され、各プレイヤの情報端末に設定された対戦開始時間が通知される。そして、マッチングシステム1においてプレイヤは、自身に設定された対戦開始時間以降に対戦相手とのマッチングを実行することができるようになり、対戦成績等に基づいてマッチングされて対戦相手が決定する。対戦相手が決定するとマッチングシステム1は、プレイヤ及び対戦相手それぞれの情報端末にリアルな会場9内の対戦場所を通知し、プレイヤ及び対戦相手は当該対戦場所において対戦を開始する。続いて、マッチングシステム1は、対戦の結果を示す勝敗情報を受け付けると、所定の終了条件に基づいてプレイヤの大会が終了したか否かをプレイヤごと(つまり、プレイヤ及びその対戦相手ごと)に判定する。これにより、従来は、リアルな会場9での対戦ゲームの大会は会場9のキャパシティが参加するプレイヤの人数の上限となっていたところ、マッチングシステム1によれば、対戦開始時間をプレイヤごとに設定し、予め定められた終了条件をプレイヤごとに満たすか否かを判定するので、会場9に入場するプレイヤと会場9から退場するプレイヤが同時に発生し、会場9に滞在する人数のピークを分散させることができ、会場9のキャパシティによらず、大会開催期間中におけるトータルのプレイヤ数を増加させることができる(例えば、表1に示したケースでは、会場9のキャパシティが3,000人であっても、大会開催期間中におけるトータルのプレイヤ数を、キャパシティを超える人数、一例として5,000人にできる。)。
【0078】
ここで、マッチングシステム1においては、プレイヤは自身に設定された対戦開始時間以降であれば任意のタイミングでマッチング指示をマッチングシステム1に供給できる。そうすると、対戦開始時間以降であってもマッチング指示をせずに休憩や食事等に長時間かけるプレイヤが発生する可能性がある。そうすると、会場9に入場するプレイヤの人数のピークが適切に分散しない場合も想定される。そこで、マッチングシステム1においては、所定の終了条件を満たし、所定の取得条件を満たすプレイヤに対して、所定の報酬(例えば、物理的な報酬。つまり、有体物の報酬。)と引き換えるための取得情報(例えば、引き換えコード等)を付与する。これにより、自身の大会の終了後、対戦結果によって所定の報酬を得ることができることを念頭に対戦を早期に終了させようという動機付けをプレイヤに与えることができるので、会場9に入場するプレイヤの人数のピークを適切に分散させることができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせのすべてが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。更に、上記した実施形態の技術的要素は、単独で適用されてもよいし、プログラム部品とハードウェア部品とのような複数の部分に分割されて適用されるようにすることもできる。
【0080】
また、本明細書中に記載されている構成要素により実現される機能は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、汎用プロセッサ、特定用途プロセッサ、集積回路、Application Specific Integrated Circuits(ASICs)、a Central Processing Unit(CPU)、従来型の回路、及び/又はそれらの組み合わせを含む、circuitry又はprocessing circuitryにおいて実装されてもよい。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含み、circuitry又はprocessing circuitryとみなされる。プロセッサは、メモリに格納されたプログラムを実行する、programmed processorであってもよい。本明細書において、circuitry、ユニット、手段は、記載された機能を実現するようにプログラムされたハードウェア、又は実行するハードウェアである。当該ハードウェアは、本明細書に開示されているあらゆるハードウェア、又は、当該記載された機能を実現するようにプログラムされた、又は、実行するものとして知られているあらゆるハードウェアであってもよい。当該ハードウェアがcircuitryのタイプであるとみなされるプロセッサである場合、当該circuitry、手段、又はユニットは、ハードウェアと、当該ハードウェア及び又はプロセッサを構成するために用いられるソフトウェアの組み合わせである。
【0081】
なお、本実施形態に係るマッチングシステムは、特許請求の範囲と混同されるべきでない以下の付記項でも言及できる。
【0082】
(付記項1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに、リアルな会場で実施される対戦ゲームの大会における対戦相手のマッチング処理を実行させるためのマッチングプログラムであって、
前記マッチングプログラムは、前記プロセッサに、
前記大会へのプレイヤの参加を受け付けるステップと、
参加を受け付けた前記プレイヤに、複数の対戦開始時間から抽選で決定される一の対戦開始時間を設定するステップと、
前記一の対戦開始時間以降、前記プレイヤからの指示を受け付けて、他の1以上のプレイヤの中から前記対戦相手をマッチングするステップと、
前記対戦場所における前記プレイヤと前記マッチングした前記対戦相手との前記対戦ゲームの勝敗に関する勝敗情報を受け付けるステップと、
前記勝敗情報を受け付けた後、前記大会の所定の終了条件に基づいて前記プレイヤの前記大会が終了したか否かを判定するステップと
を実行させるマッチングプログラム。
【符号の説明】
【0083】
1 マッチングシステム
3、3a、3n 情報端末
5 通信ネットワーク
7 サーバ
9 会場
100 出力部
102 出力制御部
104 入力部
106 入力面
108 入力制御部
110 参加受付部
112 対戦開始時間設定部
114 マッチング部
116 通知部
118 勝敗受付部
120 判定部
122 報酬部
124 制御部
126 格納ユニット
128 プレイヤ情報格納部
130 大会情報格納部
900 対戦場所
図1
図2
図3
図4