IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図1
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図2
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図3
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図4
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図5
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図6
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図7
  • 特開-駆動力伝達構造及び画像形成装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060631
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】駆動力伝達構造及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
G03G21/18 160
G03G21/18 164
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168003
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(72)【発明者】
【氏名】二宮 洋介
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA14
2H171GA06
2H171GA12
2H171GA13
2H171JA07
2H171JA14
2H171KA05
2H171KA12
2H171KA16
2H171KA22
2H171KA25
2H171KA27
2H171LA13
2H171LA17
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB03
2H171QB52
2H171QC03
2H171RA01
2H171RA03
2H171RA05
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA15
2H171SA18
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171WA07
2H171WA16
2H171WA23
(57)【要約】
【課題】カップリング同士の回転中心位置がずれていても安定して駆動力を伝達することができる駆動力伝達構造及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】駆動部からの駆動力を伝達する駆動力伝達部と、駆動力伝達部に挿入され、駆動力伝達部に係合して駆動力を受ける駆動力受け部と、を有する駆動力伝達構造であって、駆動力伝達部は、挿入方向と交差する方向に移動可能な係合部を有し、係合部は駆動力受け部が挿入された際に駆動力受け部の被係合部と係合する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部からの駆動力を伝達する駆動力伝達部と、前記駆動力伝達部に挿入され、前記駆動力伝達部に係合して前記駆動力を受ける駆動力受け部と、を有する駆動力伝達構造であって、
前記駆動力伝達部は、挿入方向と交差する方向に移動可能な係合部を有し、前記係合部は前記駆動力受け部が挿入された際に前記駆動力受け部の被係合部と係合する、
ことを特徴とする駆動力伝達構造。
【請求項2】
前記駆動力受け部は、挿入方向に突出する凸部を有し、前記凸部が前記駆動力伝達部に挿入される際に、前記係合部と接触して前記係合部を挿入方向と交差する方向に移動させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達構造。
【請求項3】
前記駆動力伝達部は、前記係合部を挿入方向と交差する方向に付勢する付勢部を更に有し、前記凸部は、前記駆動力伝達部に挿入される際に、前記付勢部の付勢に抗して前記係合部を移動させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動力伝達構造。
【請求項4】
前記凸部は、挿入方向の先端側が先細りのテーパ形状を有し、前記係合部に形成されたテーパ形状と接触して前記係合部を挿入方向と交差する方向に移動させる、
ことを特徴とする請求項3に記載の駆動力伝達構造。
【請求項5】
前記凸部は、挿入方向と交差する断面において前記係合部を受け入れ可能な凹部を有し、前記駆動力伝達部が回転することで前記係合部が前記凹部から移動して前記駆動力伝達部の前記凸部と係合する、
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動力伝達構造。
【請求項6】
前記凹部は2箇所以上設けられている、
ことを特徴とする請求項5に記載の駆動力伝達構造。
【請求項7】
記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成装置本体に着脱可能であって、回転しながらトナーを供給するトナーカートリッジと、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の駆動力伝達構造と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動力伝達構造及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転体を有し、装置本体に対して脱着可能なユニットと、ユニットに設けられ回転体に駆動力を伝達するための被駆動軸と装置本体に設けられた駆動源から駆動力を受けて回転駆動する駆動軸とを連結するための連結手段とを備え、ユニットに設けられた被位置決め部と装置本体側の位置決め部とを嵌め合うことで、ユニットの装置本体内での位置決めを行う画像形成装置において、駆動軸のユニット側端部がラジアル方向に移動可能となるように駆動軸を、装置本体内に支持し、連結手段として、被駆動軸および駆動軸のいずれか一方の軸に取り付けられ、一端が開口する環状空間を有し、その環状空間の外壁面と内壁面の少なくとも一方に軸方向に延びるトラック溝を周方向に等間隔で複数形成したメス型ジョイントと、他方の軸に取り付けられ、一部がメス型ジョイントの環状空間内に組み込まれ、メス型ジョイントに形成されたトラック溝に沿って摺動するボールを保持するオス型ジョイントとを有し、オス型ジョイントをメス型ジョイントの環状空間に挿入して、オス型ジョイントが保持するボールをメス型ジョイントのトラック溝に係合させることで連結を行う等速ジョイントを用いた画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
モータと、モータにより回転駆動される装置本体側ギアであって、その回転中心軸線上にねじれた面によって構成された連結穴を有する装置本体側ギアを備えた電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジであって、電子写真感光体ドラムと、電子写真感光体ドラムに作用するプロセス手段と、電子写真感光体ドラムの長手方向の端部に設けられた、連結穴と嵌合可能なねじれていない連結突起と、プロセスカートリッジが装置本体に装着された際に、プロセスカートリッジを電子写真感光体ドラムの長手方向へ付勢するための弾性部材と、を備えており、装置本体側ギアが連結穴と連結突起が嵌合して回転した際、連結穴と嵌合した連結突起を介して装置本体から電子写真感光体ドラムが回転駆動力を受けるプロセスカートリッジも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-025704号公報
【特許文献2】特開平10-153937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カップリング同士の回転中心位置がずれていても安定して駆動力を伝達する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の駆動力伝達構造は、
駆動部からの駆動力を伝達する駆動力伝達部と、前記駆動力伝達部に挿入され、前記駆動力伝達部に係合して前記駆動力を受ける駆動力受け部と、とを有する駆動力伝達構造であって、
前記駆動力伝達部は、挿入方向と交差する方向に移動可能な係合部を有し、前記係合部は前記駆動力受け部が挿入された際に前記駆動力受け部の被係合部と係合する、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の駆動力伝達構造において、
前記駆動力受け部は、挿入方向に突出する凸部を有し、前記凸部が前記駆動力伝達部に挿入される際に、前記係合部と接触して前記係合部を挿入方向と交差する方向に移動させる、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の駆動力伝達構造において、
前記駆動力伝達部は、前記係合部を挿入方向と交差する方向に付勢する付勢部を更に有し、前記凸部は、前記駆動力伝達部に挿入される際に、前記付勢部の付勢に反して前記係合部を移動させる、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の駆動力伝達構造において、
前記凸部は、挿入方向の先端側が先細りのテーパ形状を有し、前記係合部に形成されたテーパ形状と接触して前記係合部を挿入方向と交差する方向に移動させる、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の駆動力伝達構造において、
前記凸部は、挿入方向と交差する断面において前記係合部を受け入れ可能な凹部を有し、前記駆動力伝達部が回転することで前記係合部が前記凹部から移動して前記駆動力伝達部の前記凸部と係合する、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の駆動力伝達構造において、
前記凹部は2箇所以上設けられている、
ことを特徴とする。
【0012】
前記課題を解決するために、請求項7に記載の画像形成装置は、
記録媒体にトナーを用いて画像を形成する画像形成装置本体に着脱可能であって、回転しながらトナーを供給するトナーカートリッジと、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の駆動力伝達構造と、を備えた、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、カップリング同士の回転中心位置がずれていても安定して駆動力を伝達することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、カップリング同士の回転中心位置ずれ量によらず、凸形状部の大きさによって一定の係合掛り量を得ることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、することができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、回転力受け部の回転力付与部への挿入を容易にする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、駆動力伝達部の挿入時の凸部と係合部の干渉を抑制することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、駆動力伝達部の挿入時に係合部を受け入れることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、トナーカートリッジの装置本体への装着時にカップリング同士の回転中心位置がずれていても安定して駆動を伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】画像形成装置の概略構成を示す断面模式図である。
図2】トナーカートリッジの全体構成を示す斜視図である。
図3】トナーカートリッジの断面模式図である。
図4】伝達部材とカップリングギアとの関係を示す分解斜視図である。
図5】(a)は駆動力伝達部の構成を示す平面模式図、(b)は駆動力伝達部の構成を示す断面模式図である。
図6】駆動力伝達構造としての駆動力伝達部とカップリングギアのカップリング動作を説明する断面模式図である。
図7】伝達部材と変形例に係るカップリングギアとの関係を示す分解斜視図である。
図8】変形例に係るカップリングギアの突起と係合部の係合を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
尚、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。
【0022】
「第1実施形態」
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図である。以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
【0023】
(1.1)画像形成装置の全体構成
画像形成装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の底部に装着された給紙装置20と、操作表示部30と、画像処理部40と、を備えて構成されている。
【0024】
画像形成部10は、システム制御装置11、露光装置LH、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、用紙搬送装置16、定着装置17、を備えて構成され、画像処理部40から受け取った画像情報を給紙装置20から送り込まれた用紙P上にトナー像として形成する。
【0025】
画像形成部10の底部には、用紙トレイ21、22を有する給紙装置20が設けられ、更に給紙装置20の下方には、上下方向に多段(本実施形態においては2段)に配置され、用紙Pを収容する用紙トレイT1、T2からなるトレイモジュールTMが接続されて画像形成部10に対する用紙供給を行う。
すなわち、種類(例えば、材質や厚さ、用紙サイズ、紙目)の異なる用紙を収容する複数のトレイを備えており、これら複数のトレイのいずれか一つから繰り出した用紙を画像形成部10に対して供給するように構成されている。
【0026】
操作表示部30は、いわゆるユーザインタフェースに相当するもので、具体的には液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され各種の設定や指示の入力及び情報表示に用いられる。
画像処理部40は、外部機器から送信された印刷情報から画像データを生成する。
【0027】
(1.2)画像形成部の構成及び動作
このような構成の画像形成装置1では、画像形成のタイミングに合わせて給紙装置20又はトレイモジュールTMのうち、印刷ジョブで印刷の1枚毎に指定されたトレイから繰り出された用紙Pが画像形成部10へ送り込まれる。
【0028】
感光体ユニット13は、給紙装置20の上方(Z方向)に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する感光体ドラム31を備えている。感光体ユニット13には、現像ローラ41を有する現像装置14が対向配置され、現像装置14の上方には、現像剤G(キャリアを含むトナー)を収容する交換可能なトナーカートリッジTCと、それぞれのトナーカートリッジTCから現像装置14に現像剤Gを供給するトナー供給装置TGが配置されている。
露光装置LHにより静電潜像が形成されたそれぞれの感光体ドラム31上には、それぞれの現像装置14によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像が形成される。
【0029】
転写装置15は、各感光体ユニット13の感光体ドラム31にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト51、各感光体ユニット13にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト51に順次転写(一次転写)する一次転写ローラ52、中間転写ベルト51上に重畳して転写された各色トナー像を記録媒体である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ローラ62とから構成されている。
【0030】
各感光体ユニット13の感光体ドラム31に形成された各色トナー像は、システム制御装置11により制御される電源装置等(不図示)から所定の転写電圧が印加された一次転写ローラ52により中間転写ベルト51上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。
【0031】
中間転写ベルト51上の重畳トナー像は、中間転写ベルト51の移動に伴って二次転写ローラ62が配置された二次転写部TRに搬送される。重畳トナー像が二次転写部TRに搬送されると、そのタイミングに合わせて給紙装置20から用紙Pが二次転写部TRに供給される。そして、二次転写ローラ62には、システム制御装置11により制御される電源装置から所定の転写電圧が印加され、レジストローラ対24から送り出された用紙Pに中間転写ベルト51上の多重トナー像が一括転写される。
【0032】
定着装置17は、加熱モジュール71と加圧モジュール72を有し、加熱モジュール71と加圧モジュール72の圧接領域によって定着ニップ部NF(定着領域)が形成される。二次転写部TRにおいてトナー像が転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイド166を経由して定着装置17に搬送される。定着装置17に搬送された用紙Pは、一対の加熱モジュール71と加圧モジュール72により、加熱と圧着の作用でトナー像が定着される。
【0033】
定着トナー像が形成された用紙Pは、切替ゲートG1にガイドされ、第1排出ローラ対73から画像形成装置1上面の排紙トレイ部TR1に排出・収容される。また、両面印刷のために反転したり、画像記録面を上側にして排出する場合は、切替ゲートG1で搬送ガイド66に向って搬送方向が切り替えられる。
【0034】
(2)駆動力伝達構造
図2はトナーカートリッジTCの全体構成を示す斜視図、図3はトナーカートリッジTCの断面模式図、図4は伝達部材120とカップリングギア130との関係を示す分解斜視図、図5(a)は駆動力伝達部200の構成を示す平面模式図、(b)は駆動力伝達部200の構成を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る駆動力伝達構造を備えたトナーカートリッジTCの構成について説明する。
【0035】
(2.1)トナーカートリッジ
トナーカートリッジTCは、図2図3に示すように、容器本体100と、容器本体100を回転可能に保持する保持部材110と、容器本体100に固定され、かつトナー供給装置TGの駆動力伝達部200からの回転駆動力を容器本体100に伝達する伝達部材120と、保持部材110の内周面に沿って伝達部材120と連動して回転しながら保持部材110内の現像剤Gを攪拌する攪拌部材AGと、を備えている。
【0036】
容器本体100は、長尺な略円筒状の一端側が閉塞された筒体としてポリエチレンやポリエステル樹脂を用いたブロー成形で成形され、筒体の内周面には筒体の一端側から他端側にかけて螺旋状の突起が形成された螺旋部101を有し、筒体を所定方向に回転させることによって筒体内に収容された現像剤Gを螺旋部101にて搬送可能としている。
【0037】
保持部材110は、トナー供給装置TGに装着されたときにトナー供給装置TGとの間で互いに嵌合できる形状となっている。また、トナーカートリッジTCがトナー供給装置TGに装着されると、開閉蓋112がトナー供給装置TGによって装着方向と反対方向に押されて(図2中 矢印参照)、排出口111が開放されるようになっている。
【0038】
伝達部材120は、図4に示すように、円筒状の外筒部121と、外筒部121の中心軸に沿って設けられ、かつトナー供給装置TG側の駆動力伝達部200からの回転動作が伝達される伝達部122と、伝達部122と外筒部121との間に設けられ外筒部121を支持する支持部123と、支持部123より保持部材110の排出口111側に設けられ現像剤Gを攪拌する攪拌部材AGと、を備えている。
【0039】
伝達部材120には、伝達部122の略回転中心位置に凹部125が形成されており、この凹部125に対して、伝達部材120と協働して働く駆動力受け部の一例としてのカップリングギア130が挿入されて駆動力伝達部200からの回転駆動力が伝達部材120に伝達されるようになっている。すなわち、カップリングギア130が回転することで、伝達部材120及び容器本体100が回転するようになっている。
【0040】
カップリングギア130は、その伝達部材120側には、伝達部材120の凹部125に対して挿入されるギア部131が形成されている。カップリングギア130の挿入側となるトナー供給装置TG側には、4箇所(図4においては3箇所が表示されている)の突起133と、凸部134が形成されている。
【0041】
突起133は、トナー供給装置TGの駆動力伝達部200の係合部220と係合して回転駆動力を受ける被係合部の一例であり、カップリングギア130の表面130aから略三角形状に突出するように形成されている。
凸部134は、トナーカートリッジTCのトナー供給装置TG側への挿入方向に突出するボス体であり、挿入方向の先端側には先細りのテーパ形状134aが形成されている。
【0042】
(2.2)駆動力伝達部
駆動力伝達部200は、図5に示すように、本体部210と、本体部210に形成されたガイド溝212に沿って本体部210の半径方向に移動可能な係合部220と、係合部220を本体の最外径部分210aから外側に突出させないように付勢する(図5中 矢印参照)付勢部230と、を備えている。
【0043】
本体部210は、全体が円板状で、中央部には、挿入されるカップリングギア130の凸部134を受け入れる孔211が形成されている。本体部210のカップリングギア130が挿入される側の表面210bには、孔211から最外径部分210aに延びるガイド溝212が形成されている。
【0044】
係合部220は、ブロック形状で、ガイド溝212に、本体部210の半径方向に移動可能にはめ込まれている。係合部220は、孔211側が誘い込み形状となるテーパ形状220aを有し、カップリングギア130の凸部134が孔211に向かって挿入されると、付勢部230の付勢に抗して外径方向に移動して本体部210の最外径部分210aから外側に突出して、側面がカップリングギア130の突起133と回転方向で接触して係合する。
【0045】
付勢部230は、板バネ、スプリング等の弾性体で構成され、ガイド溝212内で係合部220を孔211方向に付勢している。すなわち、カップリングギア130の凸部134が孔211に挿入されていない状態では、係合部220が本体部210の最外径部分210aから外側に突出することなく、駆動力伝達部200と駆動力受け部であるカップリングギア130との係合が解除される。
【0046】
(2.3)駆動力伝達構造のカップリング動作
図6は駆動力伝達構造としての駆動力伝達部200とカップリングギア130のカップリング動作を説明する断面模式図である。
駆動力伝達構造は、駆動力伝達部200の孔221にトナーカートリッジTCのカップリングギア130の凸部134が挿入されると、係合部220が本体部210の最外径部分210aから外側に突出して、カップリングギア130の突起133と回転方向で接触して係合する。これにより、カップリングギア130が回転することで、伝達部材120及び容器本体100が回転する。
【0047】
図6(a)に示すように、駆動力伝達部200は、カップリングギア130の凸部134が挿入されていない状態では、係合部220は孔211方向に付勢され本体部210の最外径部分210aから外側に突出しない位置に位置している。また、図6(a)は、駆動力伝達部200とカップリングギア130は、それぞれの回転中心位置が偏心量eを有して嵌合する状態を示している。
【0048】
そして、図6(b)に示すように、トナーカートリッジTCが装着されてカップリングギア130の凸部134が挿入されると、凸部134の先端側に形成されたテーパ形状134aと接触して係合部220が挿入方向と交差する本体部210の最外径部分210a側へ移動し、係合部220がカップリングギア130の突起133と回転方向で接触して係合する。
【0049】
ここで、図6(b)に示すように、カップリングギア130の突起133と係合部220の掛かり量dは、カップリングギア130の突起133の半径方向位置aと、係合部220の半径方向全長bと、カップリングギア130の凸部134の半径cによって、式(1)によって決定される。
d=b+c-a・・・(1)
すなわち、駆動力伝達部200とカップリングギア130の偏心量eによらず係合部220の半径方向位置が決まるために、掛かり量dは一定に保たれカップリング同士の回転中心位置がずれていても安定して駆動力を伝達することが可能となっている。
【0050】
「変形例」
図7は伝達部材120と変形例に係るカップリングギア130Aとの関係を示す分解斜視図、図8は変形例に係るカップリングギア130Aの突起133と係合部220の係合を説明する図である。
変形例に係るカップリングギア130Aの凸部134Aは、図7に示すように、挿入方向と交差する断面において係合部220を受け入れ可能な凹部134Aaを有している。凹部134Aaは、少なくとも2箇所以上設けられ、本実施形態においては、図7図8に示すように、凹部134Aaは4箇所設けられている。
【0051】
図8(a)に示すように、トナーカートリッジTCが装着されてカップリングギア130Aの凸部134Aが挿入されると、カップリングギア130Aの凸部134Aと係合部220の回転方向の位相がずれていた場合、係合部220は、凸部134Aの凹部134Aaに嵌まり込んで、カップリングギア130Aの突起133と係合しない。
【0052】
この状態から、駆動力伝達部200の本体部210(図9において、不図示)が回転すると、凸部134Aの凹部134Aaに嵌まり込んだ係合部220が凹部134Aaから凸部134Aの外径部134Abに移動する(図8(b)中 矢印R1参照)。これにより、係合部220が挿入方向と交差する本体部210の最外径部分210a側へ移動し(図8(b)中 矢印R2参照)、係合部220がカップリングギア130Aの突起133と回転方向で接触して係合する。
このように、カップリングギア130Aの凸部134Aに凹部134Aaを設けることで、凸部134Aの半径方向距離を変化させ、必要な個所のみで嵌合しトナーカートリッジTCの挿入時の凸部134Aと係合部220の干渉を抑制することができる。
【0053】
本実施形態に係る駆動力伝達構造は、トナー供給装置TG側からの駆動力」を伝達する駆動力伝達部200と、駆動力伝達部200に挿入され、駆動力伝達部200に係合して駆動力を受ける駆動力受け部であるカップリングギア130と、を有する。駆動力伝達部200は、挿入方向と交差する方向に移動可能な係合部220を有し、係合部220はカップリングギア130が挿入された際にカップリングギア130の被係合部である突起133と係合する。これにより、駆動力伝達部200とカップリングギア130の回転中心位置がずれていても安定して駆動力を伝達することができる。
【符号の説明】
【0054】
1・・・画像形成装置
10・・・画像形成部
11・・・システム制御装置、13・・・感光体ユニット、14・・・現像装置、
15・・・転写装置、17・・・定着装置、LH・・・露光装置、
20・・・給紙装置
30・・・操作表示部
40・・・画像処理部
TC・・・トナーカートリッジ
100・・・容器本体、110・・・保持部材、120・・・伝達部材、130・・・カップリングギア、134、134A・・・凸部
200・・・駆動力伝達部
210・・・本体部、220・・・係合部
G・・・現像剤
TG・・・トナー供給装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8