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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060656
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】経路切替装置および経路切替方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/077 20130101AFI20240425BHJP
【FI】
H04B10/077
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168055
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】増田 聖
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA41
5K102AB06
5K102AL02
5K102LA01
5K102LA11
5K102LA22
5K102LA33
5K102LA52
5K102PD11
5K102PH42
5K102PH47
5K102PH50
5K102RB02
(57)【要約】
【課題】光伝送システムの構成によっては、監視光によって監視することができない光伝送路の区間が発生する。
【解決手段】本発明の経路切替装置は、信号光と、信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する波長分離手段と、信号光の経路を切り替える信号光経路切替手段と、監視光の経路を制御する監視光経路制御手段、とを有し、監視光経路制御手段は、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を、一の経路に設定する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号光と、前記信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する波長分離手段と、
前記信号光の経路を切り替える信号光経路切替手段と、
前記監視光の経路を制御する監視光経路制御手段、とを有し、
前記監視光経路制御手段は、前記信号光の経路の切替状態によらず、前記監視光の経路を、一の経路に設定する
経路切替装置。
【請求項2】
分岐光伝送路と接続する第1の接続手段と、
幹線光伝送路の一端と接続する第2の接続手段と、
前記幹線光伝送路の他端と接続する第3の接続手段、とをさらに有し、
前記監視光経路制御手段は、前記第1の接続手段と前記第2の接続手段の間の第1の経路、前記第1の接続手段と前記第3の接続手段の間の第2の経路、および前記第2の接続手段と前記第3の接続手段の間の第3の経路のいずれかに、前記監視光の経路を設定する
請求項1に記載した経路切替装置。
【請求項3】
前記監視光経路制御手段は、前記第2の接続手段および前記第3の接続手段のいずれか一方と、前記第1の接続手段とを接続する光結合手段を備える
請求項2に記載した経路切替装置。
【請求項4】
前記監視光経路制御手段は、前記監視光の経路を、前記監視光を通過させる通過状態および前記監視光を遮断する遮断状態のいずれかに制御する可変遮断手段を備え、
前記可変遮断手段は、
前記第1の経路および前記第2の経路のいずれか一方を前記通過状態とし、
前記第1の経路および前記第2の経路のうちの他方を前記遮断状態とし、
前記第3の経路を前記遮断状態とする
請求項2に記載した経路切替装置。
【請求項5】
前記監視光のみを反射する波長選択反射手段をさらに備え、
前記波長選択反射手段は、
前記監視光経路制御手段が、前記監視光の経路を前記第1の経路に設定する場合、前記第3の接続手段に位置し、
前記監視光経路制御手段が、前記監視光の経路を、前記第2の経路に設定する場合、前記第2の接続手段に位置する
請求項2から4のいずれか一項に記載した経路切替装置。
【請求項6】
前記第1の接続手段に位置し、前記分岐光伝送路を伝搬した前記監視光を反射する監視光反射手段をさらに備え、
前記監視光経路制御手段は、前記監視光の経路を前記第3の経路に設定する
請求項2に記載した経路切替装置。
【請求項7】
前記監視光経路制御手段は、前記第2の接続手段と前記第3の接続手段を接続する光結合手段を備える
請求項6に記載した経路切替装置。
【請求項8】
前記監視光経路制御手段は、前記監視光の経路を、前記監視光を通過させる通過状態および前記監視光を遮断する遮断状態のいずれかに制御する可変遮断手段を備え、
前記可変遮断手段は、
前記第1の経路を前記遮断状態とし、
前記第2の経路を前記遮断状態とし、
前記第3の経路を前記通過状態とする
請求項6に記載した経路切替装置。
【請求項9】
信号光と、前記信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離し、
前記信号光の経路を切り替え、
前記監視光の経路を制御し、
前記監視光の経路を制御することは、前記信号光の経路の切替状態によらず、前記監視光の経路を、一の経路に設定することを含む
経路切替方法。
【請求項10】
前記監視光の経路を制御することは、分岐光伝送路の一端と幹線光伝送路の一端の間の第1の経路、前記分岐光伝送路の一端と前記幹線光伝送路の他端の間の第2の経路、および前記幹線光伝送路の一端と前記幹線光伝送路の他端の間の第3の経路のいずれかに、前記監視光の経路を設定することを含む
請求項9に記載した経路切替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路切替装置および経路切替方法に関し、特に、光伝送システムで用いられる経路切替装置および経路切替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
海底光伝送システムなどの光伝送システムにおいては、特定波長帯域の監視光のレベル変動を用いて、光中継器や光ファイバなどからなる光伝送路の状態を監視するシステムが知られている。このような光伝送路を監視するシステムの一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載された関連する光伝送路監視システムにおいては、波長多重光伝送システムの信号光波長と異なる波長をOTDR(Optical Time Domain Reflectometer)のプローブ光に割り当てて、光伝送路を監視している。このとき、光ファイバと光中継器のそれぞれについて異なる波長のOTDRのプローブ光を割り当てることとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-062217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連する光伝送システムについて、A局、B局、およびC局にそれぞれ備えられた端局装置と、分岐装置を有する構成を例に説明する。ここで、A局とB局の間が基幹区間(トランク区間)であり、C局と分岐装置の間が分岐区間(ブランチ区間)である。
【0006】
図11Aに示すように、分岐装置10とC局(ブランチ局)の間が二重化されている構成では、分岐装置10を介してA局-B局間、A局-C局間、およびB局-C局間のそれぞれの通信が可能である。すなわち、C局は分岐装置10を介してA局およびB局の両方と通信することができる。
【0007】
一方、図11Bに示した例のように、分岐装置10とC局(ブランチ局)の間が二重化されていない構成では、A局-B局間とB局-C局間でのみ通信が可能である。すなわち、C局はA局とは通信を行わず、B局とのみ通信することができる。このような構成とした光伝送システムにおいて、信号光と波長多重した監視光によって光伝送路の状態を監視する場合について、図12を用いて説明する。
【0008】
図12に示した光伝送システムでは、分岐装置10A、10B、10C、および10Dによってリング型ネットワークを構成している。そして、分岐装置10A、10B、10C、および10Dはそれぞれ、A局、B局、C局、およびD局に備えられた端局装置と接続している。ここで、例えば、B局が信号光S11によってA局と通信を行っている場合、分岐装置10BはB局-C局間で通信を行う状態とすることができないので、監視光S12をB局-C局間に伝送することはできない。そのため、B局-C局間の光伝送路の状態を監視することはできない。同様に、A局-D局間の光伝送路の状態も監視することはできないことになる。すなわち、信号光S11の伝送経路の選択状態によっては、監視光S12によって監視することができない光伝送路の区間(図12中のX1、X2)が発生する。
【0009】
このように、光伝送システムの構成によって、監視光によって監視することができない光伝送路の区間が発生する、という問題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した課題である、光伝送システムの構成によって、監視光によって監視することができない光伝送路の区間が発生する、という課題を解決する経路切替装置および経路切替方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の経路切替装置は、信号光と、信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する波長分離手段と、信号光の経路を切り替える信号光経路切替手段と、監視光の経路を制御する監視光経路制御手段、とを有し、監視光経路制御手段は、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を、一の経路に設定する。
【0012】
本発明の経路切替方法は、信号光と、信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離し、信号光の経路を切り替え、監視光の経路を制御し、監視光の経路を制御することは、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を、一の経路に設定することを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明の経路切替装置および経路切替方法によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置の構成を模式的に示す図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置の別の構成を模式的に示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置を有する光伝送システムの構成を示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置のさらに別の構成を模式的に示す図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置をさらに別の構成とした場合における、光伝送システム上の監視光の経路を示す図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る経路切替方法を説明するためのフローチャートである。
図8】本発明の第2の実施形態に係る経路切替装置の構成を模式的に示す図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る経路切替装置を有する光伝送システムの構成を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る経路切替方法を説明するためのフローチャートである。
図11A】関連する光伝送システムの構成を示す図である。
図11B】関連する光伝送システムの別の構成を示す図である。
図12】関連する光伝送システムのさらに別の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0016】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る経路切替装置100の構成を示すブロック図である。経路切替装置100は、波長分離部(波長分離手段)110、信号光経路切替部(信号光経路切替手段)120、および監視光経路制御部(監視光経路制御手段)130を有する。経路切替装置100は、好適には海底光伝送システムにおいて用いられる。
【0017】
波長分離部110は、信号光S11と、信号光S11の波長と異なる波長の監視光S12とを波長分離する。信号光経路切替部120は、信号光S11の経路を切り替える。そして、監視光経路制御部130は、監視光S12の経路を制御する。ここで、監視光経路制御部130は、信号光S11の経路の切替状態によらず、監視光S12の経路を、一の経路に設定する。
【0018】
このように、本実施形態による経路切替装置100は、信号光S11と監視光S12とを波長分離し、信号光S11の経路の切替状態によらず、監視光S12の経路を一の経路に設定する構成としている。そのため、本実施形態の経路切替装置100によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0019】
ここで、波長分離部110として、典型的には光フィルタを用いることができる。また、信号光経路切替部120として、典型的には光スイッチを用いることができる。なお、監視光S12は典型的には光パルスである。この光パルスのレベル変動を用いて、光伝送路の状態を監視することができる。
【0020】
本実施形態による経路切替装置について、さらに詳細に説明する。図2に、本実施形態による経路切替装置101の構成を模式的に示す。図2では、図1に示した波長分離部110および信号光経路切替部120の図示は省略した。
【0021】
経路切替装置101は、第1の接続部(第1の接続手段)141、第2の接続部(第2の接続手段)142、および第3の接続部(第3の接続手段)143をさらに有する。ここで、第1の接続部141は、分岐光伝送路20と接続する。第2の接続部142は、幹線光伝送路21の一端と接続する。そして、第3の接続部143は、幹線光伝送路21の他端と接続する。
【0022】
この場合、監視光経路制御部130は、第1の経路、第2の経路、および第3の経路のいずれかに、監視光の経路を設定する構成とすることができる。ここで、第1の経路は、第1の接続部141と第2の接続部142の間の経路である。第2の経路は、第1の接続部141と第3の接続部143の間の経路である。そして、第3の経路は、第2の接続部142と第3の接続部143の間の経路である。
【0023】
監視光経路制御部130は、第2の接続部142および第3の接続部143のいずれか一方と、第1の接続部141とを接続する光結合部(光結合手段)を備えた構成とすることができる。光結合部として、典型的にはカプラを用いることができる。
【0024】
また、図3に示した経路切替装置102のように、監視光経路制御部130は可変遮断部(可変遮断手段)131、132、133を備えた構成とすることができる。可変遮断部(可変遮断手段)131、132、133は、監視光の経路を、監視光を通過させる通過状態および監視光を遮断する遮断状態のいずれかに制御する。ここで、可変遮断部131、132は、第1の経路および第2の経路のいずれか一方を通過状態とし、第1の経路および第2の経路のうちの他方を遮断状態とする。そして、可変遮断部133は、第3の経路を遮断状態とする構成とすることができる。可変遮断部131、132、133として、典型的には可変アッテネータを用いることができる。
【0025】
図4に、本実施形態による経路切替装置を有する光伝送システム1000の構成を示す。経路切替装置として、上述した経路切替装置101および経路切替装置102のいずれかを用いることができる。図4では、光伝送システム1000が、経路切替装置1100A、経路切替装置1100B、経路切替装置1100C、および経路切替装置1100Dを備えた構成を例として示す。
【0026】
光伝送システム1000はさらに、分岐光伝送路1200と幹線光伝送路1300を有する。ここで、分岐光伝送路1200は、一対のファイバペアからなる。すなわち、経路切替装置1100A、経路切替装置1100B、経路切替装置1100C、および経路切替装置1100DとA局、B局、C局、およびD局のそれぞれの間の分岐光伝送路1200が二重化されていない構成である(図11Bを参照)。また、幹線光伝送路1300は、リング型ネットワークを構成している。
【0027】
上述したように、経路切替装置1100A、1100B、1100C、1100Dは、信号光S11と監視光S12とを波長分離し、信号光S11の経路の切替状態によらず、監視光S12の経路を一の経路に設定する構成としている。そのため、図4に示したように、例えば、B局が信号光S11によってA局と通信を行っている場合であっても、経路切替装置1100Bは監視光S12をB局からC局に伝送することが可能である。その結果、B局-C局間の光伝送路の状態を監視することができる。
【0028】
ここで、経路切替装置1100A、1100B、1100C、1100Dとして上述した経路切替装置102を用いた場合、可変遮断部131、132は、第1の経路および第2の経路のいずれか一方を通過状態とし、他方を遮断状態とすることができる。そのため、監視光S12の経路を切り替えることが可能である。具体的には例えば、監視光S12の経路を、リング型ネットワーク上で時計回りから反時計回りに、または反時計回りから時計回りに変更することが可能である。
【0029】
また、図5に示した経路切替装置103のように、監視光S12のみを反射する波長選択反射部(波長選択反射手段)150をさらに備えた構成とすることができる。監視光経路制御部130が図5に示したように、監視光S12の経路を第2の経路(第1の接続部141と第3の接続部143の間の経路)に設定する場合、波長選択反射部150は第2の接続部142に位置する構成とすることができる。また、監視光経路制御部130が監視光S12の経路を第1の経路(第1の接続部141と第2の接続部142の間の経路)に設定する場合、波長選択反射部150は第3の接続部143に位置する構成とすることができる。波長選択反射部150として、典型的には波長選択反射フィルタを用いることができる。
【0030】
図6に、経路切替装置1100A、1100B、1100C、1100Dとして経路切替装置103を用いた光伝送システム1001における監視光S12の経路を示す。光伝送システム1001においては同図に示したように、監視光S12は幹線光伝送路1300の対向回線へループバックする。その結果、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)測定において、対向する2回線(ファイバペア)の測定が可能である。
【0031】
次に、本実施形態による経路切替方法について、図7に示したフローチャートを用いて説明する。
【0032】
本実施形態による経路切替方法においては、まず、信号光と、信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する(ステップS110)。そして、信号光の経路を切り替える(ステップS120)。さらに、監視光の経路を制御する。ここで、監視光の経路を制御することは、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を一の経路に設定することを含む(ステップS130)。
【0033】
このように、本実施形態による経路切替方法は、信号光と監視光とを波長分離し、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を一の経路に設定する構成としている。そのため、本実施形態の経路切替方法によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0034】
監視光の経路を制御することは、第1の経路、第2の経路、および第3の経路のいずれかに、監視光の経路を設定することを含むものとすることができる。ここで、第1の経路は、分岐光伝送路の一端と幹線光伝送路の一端の間の経路である。第2の経路は、分岐光伝送路の一端と幹線光伝送路の他端の間の経路である。そして、第3の経路は、幹線光伝送路の一端と幹線光伝送路の他端の間の経路である。
【0035】
監視光の経路を制御することは、幹線光伝送路の一端および幹線光伝送路の他端のいずれか一方と、分岐光伝送路の一端とを接続することを含むものとすることができる。または、第1の経路および第2の経路のいずれか一方を、監視光を通過させる通過状態とし、第1の経路および第2の経路のうちの他方を、監視光を遮断する遮断状態とし、第3の経路を遮断状態とすることとしてもよい。
【0036】
さらに、監視光の経路を制御することは、監視光の経路を第1の経路に設定し、幹線光伝送路の他端において監視光のみを反射することを含むものとすることができる。または、監視光の経路を第2の経路に設定し、幹線光伝送路の一端において監視光のみを反射することとしてもよい。
【0037】
以上説明したように、本実施形態による経路切替装置100、101、102、103、光伝送システム1000、1001、および経路切替方法によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0038】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態による経路切替装置200は、波長分離部(波長分離手段)、信号光経路切替部(信号光経路切替手段)、および監視光経路制御部230を有する。経路切替装置200は、好適には海底光伝送システムにおいて用いられる。図8に、本実施形態による経路切替装置200の構成を模式的に示す。図8では、波長分離部および信号光経路切替部の図示は省略した。
【0039】
波長分離部は、信号光と、信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する。信号光経路切替部は、信号光の経路を切り替える。そして、監視光経路制御部230は、監視光の経路を制御する。ここで、監視光経路制御部230は、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を一の経路に設定する。
【0040】
このように、本実施形態による経路切替装置200は、信号光と監視光とを波長分離し、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を一の経路に設定する構成としている。そのため、本実施形態の経路切替装置200によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0041】
経路切替装置200は、第1の接続部(第1の接続手段)141、第2の接続部(第2の接続手段)142、および第3の接続部(第3の接続手段)143をさらに有する。ここで、第1の接続部141は、分岐光伝送路20と接続する。第2の接続部142は、幹線光伝送路21の一端と接続する。そして、第3の接続部143は、幹線光伝送路21の他端と接続する。
【0042】
この場合、監視光経路制御部230は、第1の経路、第2の経路、および第3の経路のいずれかに、監視光の経路を設定する構成とすることができる。ここで、第1の経路は、第1の接続部141と第2の接続部142の間の経路である。第2の経路は、第1の接続部141と第3の接続部143の間の経路である。そして、第3の経路は、第2の接続部142と第3の接続部143の間の経路である。
【0043】
ここまでの構成は、第1の実施形態による経路切替装置101の構成と同様である。本実施形態による経路切替装置200は、第1の接続部141に位置し、分岐光伝送路20を伝搬した監視光を反射する監視光反射部(監視光反射手段)250をさらに備える。そして、監視光経路制御部230は、監視光の経路を第3の経路(第2の接続部142と第3の接続部143の間の経路)に設定する構成とした。
【0044】
監視光経路制御部230は、第2の接続部142と第3の接続部143を接続する光結合部(光結合手段)を備えた構成とすることができる。光結合部として、典型的にはカプラを用いることができる。
【0045】
また、監視光経路制御部230は、監視光の経路を、監視光を通過させる通過状態および監視光を遮断する遮断状態のいずれかに制御する可変遮断部(可変遮断手段)を備えた構成とすることができる。ここで、可変遮断部は、第1の経路を遮断状態とし、第2の経路を遮断状態とし、第3の経路を通過状態とする。可変遮断部として、典型的には可変アッテネータを用いることができる。
【0046】
図9に、本実施形態による光伝送システム2000の構成を示す。光伝送システム2000は、第1の実施形態による経路切替装置101または経路切替装置102である第1の経路切替装置と、本実施形態による経路切替装置200である第2の経路切替装置とを有する。図9では、光伝送システム2000が、第1の経路切替装置1101Bと、第2の経路切替装置2100A、第2の経路切替装置2100C、および第2の経路切替装置2100Dを備えた構成を例として示す。
【0047】
光伝送システム2000はさらに、分岐光伝送路1200と幹線光伝送路1300を有する。
【0048】
図9に示したように、光伝送システム2000においては、B局から第1の経路切替装置1101Bを介して監視光S12が幹線光伝送路1300に導入される。そして監視光S12は、第2の経路切替装置2100C、第2の経路切替装置2100D、および第2の経路切替装置2100Aをそれぞれ通過し、リング型ネットワークを一周する。これにより、監視光S12によって、幹線光伝送路1300の状態を監視することができる。一方、第2の経路切替装置2100C、第2の経路切替装置2100D、および第2の経路切替装置2100Aはそれぞれ、分岐光伝送路20を伝搬した監視光を反射する監視光反射部250を備えている(図8を参照)。これにより、分岐光伝送路20の状態を監視することも可能である。したがって、本実施形態の光伝送システム2000によれば、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0049】
次に、本実施形態による経路切替方法について、図10に示したフローチャートを用いて説明する。
【0050】
本実施形態による経路切替方法においては、まず、信号光と、信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する(ステップS110)。そして、信号光の経路を切り替える(ステップS120)。さらに、監視光の経路を制御する。ここで、監視光の経路を制御することは、信号光の経路の切替状態によらず、監視光の経路を一の経路に設定することを含む。
【0051】
また、監視光の経路を制御することは、第1の経路、第2の経路、および第3の経路のいずれかに、監視光の経路を設定することを含むものとすることができる。ここで、第1の経路は、分岐光伝送路の一端と幹線光伝送路の一端の間の経路である。第2の経路は、分岐光伝送路の一端と幹線光伝送路の他端の間の経路である。そして、第3の経路は、幹線光伝送路の一端と幹線光伝送路の他端の間の経路である。
【0052】
ここまでのステップは、第1の実施形態による経路切替方法のステップと同様である。本実施形態の経路切替方法では、監視光の経路を第3の経路に設定し、分岐光伝送路の一端において、分岐光伝送路を伝搬した監視光を反射する構成とした。すなわち、幹線光伝送路を伝搬した監視光を通過させ、分岐光伝送路を伝搬した監視光を反射させる(ステップS230)こととした。
【0053】
このように、本実施形態による経路切替方法は、信号光と監視光とを波長分離し、信号光の経路の切替状態によらず、幹線光伝送路を伝搬した監視光を通過させ、分岐光伝送路を伝搬した監視光を反射させる構成としている。そのため、本実施形態の経路切替方法によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0054】
監視光の経路を制御することは、幹線光伝送路の一端と幹線光伝送路の他端を接続することを含むものとすることができる。また、監視光の経路を制御することは、第1の経路を、監視光を遮断する遮断状態とし、第2の経路を遮断状態とし、第3の経路を、監視光を通過させる通過状態とすることを含むこととしてもよい。
【0055】
以上説明したように、本実施形態による経路切替装置200、光伝送システム2000、および経路切替方法によれば、光伝送システムにおいて、信号光の伝送経路の選択状態によらず、光伝送路を監視することができる。
【0056】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0057】
(付記1)信号光と、前記信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離する波長分離手段と、前記信号光の経路を切り替える信号光経路切替手段と、前記監視光の経路を制御する監視光経路制御手段、とを有し、前記監視光経路制御手段は、前記信号光の経路の切替状態によらず、前記監視光の経路を、一の経路に設定する経路切替装置。
【0058】
(付記2)分岐光伝送路と接続する第1の接続手段と、幹線光伝送路の一端と接続する第2の接続手段と、前記幹線光伝送路の他端と接続する第3の接続手段、とをさらに有し、前記監視光経路制御手段は、前記第1の接続手段と前記第2の接続手段の間の第1の経路、前記第1の接続手段と前記第3の接続手段の間の第2の経路、および前記第2の接続手段と前記第3の接続手段の間の第3の経路のいずれかに、前記監視光の経路を設定する付記1に記載した経路切替装置。
【0059】
(付記3)前記監視光経路制御手段は、前記第2の接続手段および前記第3の接続手段のいずれか一方と、前記第1の接続手段とを接続する光結合手段を備える付記2に記載した経路切替装置。
【0060】
(付記4)前記監視光経路制御手段は、前記監視光の経路を、前記監視光を通過させる通過状態および前記監視光を遮断する遮断状態のいずれかに制御する可変遮断手段を備え、前記可変遮断手段は、前記第1の経路および前記第2の経路のいずれか一方を前記通過状態とし、前記第1の経路および前記第2の経路のうちの他方を前記遮断状態とし、前記第3の経路を前記遮断状態とする付記2に記載した経路切替装置。
【0061】
(付記5)前記監視光のみを反射する波長選択反射手段をさらに備え、前記波長選択反射手段は、前記監視光経路制御手段が、前記監視光の経路を前記第1の経路に設定する場合、前記第3の接続手段に位置し、前記監視光経路制御手段が、前記監視光の経路を、前記第2の経路に設定する場合、前記第2の接続手段に位置する付記2から4のいずれか一項に記載した経路切替装置。
【0062】
(付記6)前記第1の接続手段に位置し、前記分岐光伝送路を伝搬した前記監視光を反射する監視光反射手段をさらに備え、前記監視光経路制御手段は、前記監視光の経路を前記第3の経路に設定する付記2に記載した経路切替装置。
【0063】
(付記7)前記監視光経路制御手段は、前記第2の接続手段と前記第3の接続手段を接続する光結合手段を備える付記6に記載した経路切替装置。
【0064】
(付記8)前記監視光経路制御手段は、前記監視光の経路を、前記監視光を通過させる通過状態および前記監視光を遮断する遮断状態のいずれかに制御する可変遮断手段を備え、前記可変遮断手段は、前記第1の経路を前記遮断状態とし、前記第2の経路を前記遮断状態とし、前記第3の経路を前記通過状態とする付記6に記載した経路切替装置。
【0065】
(付記9)信号光と、前記信号光の波長と異なる波長の監視光とを波長分離し、前記信号光の経路を切り替え、前記監視光の経路を制御し、前記監視光の経路を制御することは、前記信号光の経路の切替状態によらず、前記監視光の経路を、一の経路に設定することを含む経路切替方法。
【0066】
(付記10)前記監視光の経路を制御することは、分岐光伝送路の一端と幹線光伝送路の一端の間の第1の経路、前記分岐光伝送路の一端と前記幹線光伝送路の他端の間の第2の経路、および前記幹線光伝送路の一端と前記幹線光伝送路の他端の間の第3の経路のいずれかに、前記監視光の経路を設定することを含む付記9に記載した経路切替方法。
【0067】
(付記11)前記監視光の経路を制御することは、前記幹線光伝送路の一端および前記幹線光伝送路の他端のいずれか一方と、前記分岐光伝送路の一端とを接続することを含む付記10に記載した経路切替方法。
【0068】
(付記12)前記監視光の経路を制御することは、前記第1の経路および前記第2の経路のいずれか一方を、前記監視光を通過させる通過状態とし、前記第1の経路および前記第2の経路のうちの他方を、前記監視光を遮断する遮断状態とし、前記第3の経路を前記遮断状態とすることを含む付記10に記載した経路切替方法。
【0069】
(付記13)前記監視光の経路を制御することは、前記監視光の経路を前記第1の経路に設定し、前記幹線光伝送路の他端において前記監視光のみを反射すること、および前記監視光の経路を前記第2の経路に設定し、前記幹線光伝送路の一端において前記監視光のみを反射することのいずれかを含む付記10から12のいずれか一項に記載した経路切替方法。
【0070】
(付記14)前記監視光の経路を制御することは、前記監視光の経路を前記第3の経路に設定し、前記分岐光伝送路の一端において、前記分岐光伝送路を伝搬した前記監視光を反射することを含む付記10に記載した経路切替方法。
【0071】
(付記15)前記監視光の経路を制御することは、前記幹線光伝送路の一端と前記幹線光伝送路の他端を接続することを含む付記14に記載した経路切替方法。
【0072】
(付記16)前記監視光の経路を制御することは、前記第1の経路を、前記監視光を遮断する遮断状態とし、前記第2の経路を、前記遮断状態とし、前記第3の経路を、前記監視光を通過させる通過状態とすることを含む付記14に記載した経路切替方法。
【0073】
(付記17)付記3または4に記載した経路切替装置と、前記分岐光伝送路と、前記幹線光伝送路、とを有する光伝送システム。
【0074】
(付記18)付記3または4に記載した経路切替装置である第1の経路切替装置と、付記6から7のいずれか一項に記載した経路切替装置である第2の経路切替装置と、前記分岐光伝送路と、前記幹線光伝送路、とを有する光伝送システム。
【0075】
(付記19)前記幹線光伝送路は、リング型ネットワークを構成する付記17または18に記載した光伝送システム。
【0076】
(付記20)前記分岐光伝送路は、一対のファイバペアからなる付記17または18に記載した光伝送システム。
【0077】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0078】
100、101、102、103、200、1100A、1100B、1100C、1100D 経路切替装置
110 波長分離部
120 信号光経路切替部
130、230 監視光経路制御部
131、132、133 可変遮断部
141 第1の接続部
142 第2の接続部
143 第3の接続部
150 波長選択反射部
250 監視光反射部
1000、1001、2000 光伝送システム
1101B 第1の経路切替装置
2100A、2100C、2100D 第2の経路切替装置
10A、10B、10C、10D 分岐装置
20、1200 分岐光伝送路
21、1300 幹線光伝送路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12