(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060708
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】OD記録システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168141
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】509335144
【氏名又は名称】株式会社JR西日本テクシア
(74)【代理人】
【識別番号】100113712
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】栗山 宙之
(72)【発明者】
【氏名】天野 勝裕
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA06
5H181AA16
5H181BB15
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF27
(57)【要約】
【課題】低コストでプライバシー保護が容易なOD記録システムを提供する。
【解決手段】OD記録システム1は、乗車用カメラ2と、降車用カメラ3と、位置情報取得部4と、記憶装置5と、制御部6とを備える。乗車用カメラ2は、乗車する人を撮像する。降車用カメラ3は、降車する人を撮像する。制御部6は、乗車用カメラ2が撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出し、その特徴量と乗車時の位置情報をその人の乗客データとして記憶装置5に記録する。制御部6は、降車用カメラ3が撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出し、その特徴量と降車情報がない乗客データ中の特徴量とを比較し、それらの特徴量が最も近似する乗客データに降車情報を書き込む。その降車情報は、降車時の位置情報を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における乗車地と降車地との間の利用者数のデータであるODデータを取得するためのOD記録システムであって、
乗車する人を撮像する乗車用カメラと、
降車する人を撮像する降車用カメラと、
乗車時及び降車時の前記車両の情報位置を取得する位置情報取得部と、
データが記録される記憶装置と、
前記乗車用カメラ、前記降車用カメラ、前記位置情報取得部、及び前記記憶装置に接続された制御部とを備え、
前記制御部は、前記乗車用カメラが撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出し、その特徴量と乗車時の位置情報をその人の乗客データとして前記記憶装置に記録し、
前記制御部は、前記降車用カメラが撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出し、その特徴量と降車情報がない前記乗客データ中の特徴量とを比較し、それらの特徴量が最も近似する乗客データに降車情報を書き込み、
前記降車情報は、降車時の位置情報を含むことを特徴とするOD記録システム。
【請求項2】
前記位置情報取得部が取得する位置情報は、当該OD記録システムに入力される停留所情報、又は衛星測位による緯度経度であることを特徴とする請求項1に記載のOD記録システム。
【請求項3】
計時機能を有し、
前記制御部は、前記各乗客データに対して乗車時の時刻と降車時の時刻を前記乗車データにさらに書き込むことを特徴とする請求項1に記載のOD記録システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記降車情報を書き込んだ乗客データ中の特徴量を自動的に削除することを特徴とする請求項1に記載のOD記録システム。
【請求項5】
前記乗車用カメラ及び降車用カメラが撮像した画像を前記記憶装置に記録しないことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のOD記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公共交通機関のODデータを取得するためのOD記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
路線バス等の公共交通機関では、利用者への利便性を向上するとともに、運行を効率化するために、ODデータが調査され、ODデータが運行ダイヤの作成等に活用される。ODはオリジン(Origin)とデスティネイション(Destination)の略語である。ODデータは、出発地(乗車地)と目的地(降車地)との間の利用者数のデータである。
【0003】
鉄道や都市部のバスでは、運賃のキャッシュレス決済としてICカードが利用されている。ICカード利用時のデータを用いることにより、ODデータが得られる。
【0004】
例えば、非接触ICカードを用いたバス改札装置が知られている(特許文献1参照)。バス改札装置では、乗車口と降車口にICカードリーダ・ライタが設置され、乗車及び降車に関するデータが取得される。しかし、このようなバス改札機は、高コストであるので、導入できない事業者も存在する。また、全ての乗客がICカードを所持しているわけではない。
【0005】
ICカードを用いずに乗車駅と降車駅を特定する乗客管理装置が提案されている(特許文献2参照)。この乗客管理装置は、車内のカメラで撮像した画像を処理して人物を特定し、その人物の乗車駅と降車駅を特定し、有料座席の利用料金の精算処理を行う。しかし、この乗客管理装置は、利用料金の請求先や請求金額の誤りを防ぐために高い精度で画像処理を行って個人を特定するので、高コストとなる。また、この乗客管理装置は、個人を特定するので、プライバシー保護の観点から取り扱いが容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9-134460号公報
【特許文献2】特開2020-154917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題を解決するものであり、低コストでプライバシー保護が容易なOD記録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のOD記録システムは、車両における乗車地と降車地との間の利用者数のデータであるODデータを取得するためのシステムであって、乗車する人を撮像する乗車用カメラと、降車する人を撮像する降車用カメラと、乗車時及び降車時の前記車両の情報位置を取得する位置情報取得部と、データが記録される記憶装置と、前記乗車用カメラ、前記降車用カメラ、前記位置情報取得部、及び前記記憶装置に接続された制御部とを備え、前記制御部は、前記乗車用カメラが撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出し、その特徴量と乗車時の位置情報をその人の乗客データとして前記記憶装置に記録し、前記制御部は、前記降車用カメラが撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出し、その特徴量と降車情報がない前記乗客データ中の特徴量とを比較し、それらの特徴量が最も近似する乗客データに降車情報を書き込み、前記降車情報は、降車時の位置情報を含むことを特徴とする。
【0009】
このOD記録システムにおいて、前記位置情報取得部が取得する位置情報は、当該OD記録システムに入力される停留所情報、又は衛星測位による緯度経度であることが好ましい。
【0010】
このOD記録システムにおいて、計時機能を有し、前記制御部は、前記各乗客データに対して乗車時の時刻と降車時の時刻を前記乗車データにさらに書き込むことが好ましい。
【0011】
このOD記録システムにおいて、前記制御部は、前記降車情報を書き込んだ乗客データ中の特徴量を自動的に削除することが好ましい。
【0012】
このOD記録システムにおいて、前記乗車用カメラ及び降車用カメラが撮像した画像を前記記憶装置に記録しないことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のOD記録システムによれば、降車する人の特徴量と、乗車している人の特徴量が最も近似する人が降車したと判定することになるので、降車する人が特定の人物と同一であるとの判定を行う必要がなく、特徴量を算出する制御部を簡素化でき、OD記録システムが低コストとなる。また、乗客が特定の人物と同一であるとの判定を行わないことにより、プライバシー保護が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係るOD記録システムのブロック構成図である。
【
図2】
図2は同システムにおける乗車用カメラ及び降車用カメラの配置を示す車内の平面図である。
【
図3】
図3は同システムにおけるデータ処理を示す処理フロー図である。
【
図4】
図4は同システムにおける乗客データの構造を表形式で表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係るOD記録システムを
図1乃至
図4を参照して説明する。OD記録システムは、ODデータを取得するためのシステムである。ODデータとは、車両における乗車地と降車地との間の利用者数のデータである。
【0016】
図1に示すように、OD記録システム1は、乗車用カメラ2と、降車用カメラ3と、位置情報取得部4と、記憶装置5と、制御部6とを備える。
【0017】
図2に示すように、乗車用カメラ2は、車両7に乗車する人P1を撮像するカメラである。降車用カメラ3は、降車する人P2を撮像するカメラである。
【0018】
位置情報取得部4は、乗車時及び降車時の車両7の情報位置を取得する。記憶装置5は、データが記録される(
図1参照)。制御部6は、乗車用カメラ2、降車用カメラ3、位置情報取得部4、及び記憶装置5に接続される。
【0019】
OD記録システム1の構成についてさらに詳述する。本実施形態では、OD記録システム1は、バスに搭載される。例えば、一つのOD記録システム1を複数のバスで使いまわし、OD調査の際に調査対象のバスに仮設される。OD記録システム1をバスに常設してもよい。また、OD記録システム1を鉄道車両に搭載してもよい。
【0020】
乗車用カメラ2及び降車用カメラ3は、例えば、無線LAN機能を有するネットワークカメラ(IPカメラ)である。ネットワークカメラを制御部6に登録する際に、車両7の乗車口に設けられたカメラが乗車用カメラ2に設定され、降車口に設けられたカメラが降車用カメラ3に設定される(
図2参照)。乗車口と降車口は、同じ乗降口であってもよい。乗車口と降車口が同じ場合も、乗車する人と降車する人は進行方向が異なるので、乗車用カメラ2と降車用カメラ3は、レンズの光軸の向きと撮像範囲が異なる。また、乗車口と降車口が同じ場合、1台のカメラが乗車用カメラ2と降車用カメラ3を兼ねてもよい。例えば、1台の360度カメラ(360度全方向を撮像するカメラ)で乗降する人を撮像し、制御部6が、その人の進行方向に基づいて乗車する人と降車する人を判別してもよい。また、乗車用カメラ2及び降車用カメラ3を複数台設置してもよい。乗車用カメラ2及び降車用カメラ3が撮像した画像は、制御部6に入力される(
図1参照)。なお、乗車用カメラ2及び降車用カメラ3を有線で制御部6に接続してもよい。
【0021】
本実施形態では、位置情報取得部4が取得する位置情報は、OD記録システム1に入力される停留所情報である。車両7に自車がどの停留所に停まっているかの停留所情報を有する機器が搭載されている場合、その機器が有する停留所情報がOD記録システム1に入力される。この場合、位置情報取得部4は、入力インタフェースである。車両7の乗務員又は調査員が位置情報をOD記録システム1に手動で入力する場合には、位置情報取得部4は、入力操作を受ける入力装置である。
【0022】
位置情報取得部4が取得する位置情報は、衛星測位による緯度経度であってもよい。衛星測位は、例えば、GPS(全地球測位システム)又は準天頂衛星システムである。この場合、位置情報取得部4は、GPS受信機又は準天頂衛星システムの受信機である。停留所の緯度経度と、位置情報取得部4が取得した緯度経度から、乗車時の停留所(乗車地)及び降車時の停留所(降車地)が分かる。なお、付加機能として、制御部6は、位置情報取得部4が取得した緯度経度から停留所情報を生成して、バスに搭載されている音声合成装置や運賃表示器に出力してもよい。
【0023】
制御部6は、コンピュータであり、CPUとメモリ等を有し、プログラムを実行することによって機能する。記憶装置5は、そのコンピュータに内蔵されたSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)又はハードディスクである。記憶装置5は、そのコンピュータに外付けされたSSD又はハードディスクであってもよい。
【0024】
上記のように構成されたOD記録システム1における処理について説明する。
図3に示すように、先ず、制御部6は、乗車用カメラ2が撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出する。この時、制御部6は、画像から人の顔を検出し、個人の顔の違いを数値列として取り出す。その数値列が特徴量である。体の大きさ等の顔以外の情報を特徴量に含めてもよい。なお、特徴量は、日本産業規格に記載されている用語である。
【0025】
そして、制御部6は、抽出した特徴量と、乗車時の位置情報(位置情報取得部4が取得した位置情報)をその人の乗客データとして記憶装置5に記録する。
図4に示すように、乗客データは、表形式のテーブルとして記憶装置5に記録される。テーブルの行に該当するレコードは、各乗客の乗客データである。本実施形態では、乗客データは、ID、乗車時の位置情報、乗車時刻、降車フラグ、降車時の位置情報、降車時刻のカラムがある。IDは、乗客を区別する符号、例えば通し番号である。制御部6は、新たに乗車した人に新たなIDを付与する。したがって、乗車した各人の乗客データは、一意なIDを有する。記憶装置5に記録される複数の乗客データがデータベースを構成する。そのデータベースがODデータの元となる。なお、
図4では、乗客データの具体的な値の記載は省略している。
【0026】
制御部6は、降車用カメラ3が撮像した画像に写っている人の特徴量を抽出する(
図3参照)。この時、制御部6は、画像から人の顔を検出し、個人の顔の違いを数値列として取り出す。その数値列が特徴量である。
【0027】
そして、制御部6は、その抽出した特徴量と、降車情報がない乗客データ中の特徴量とを比較する。降車情報は、乗客が既に降車したことを表す情報である。本実施形態では、降車情報は、降車フラグである(
図4参照)。一般的にデータの処理において、フラグは、1ビットの真偽値(ブール値)又は二進数の数値で表わされる。降車フラグは、例えば、降車した場合には「真」又は「1」、降車していない場合には「偽」又は「0」である。これにより、制御部6は、降車する人の特徴量と降車していない乗客の特徴量を照合することになる(
図3参照)。
【0028】
そして、制御部6は、それらの特徴量が最も近似する乗客データに降車情報を書き込む。つまり、制御部6は、降車する人に最も似た乗客が降車したと判定することになる。特徴量の近似は、例えば、特徴量間の距離に基づいて定量的に評価される。特徴量は数値列であるので、数値列の個数がn個(nは正の整数)であれば、特徴量間の距離は、数学における多次元空間(n次元空間)の距離である。つまり、特徴量が最も近似するとは、特徴量の数値列間の数学的な距離が最も小さいことを表す。
【0029】
降車情報は、降車時の位置情報を含む。つまり、本実施形態では、降車情報は、降車フラグと、降車時の位置情報である(
図4参照)。なお、ある乗客の乗客データに降車時の位置情報があれば、その乗客は降車したことが分かるので、乗客データの降車フラグを省略しても構わない。
【0030】
OD記録システム1は、計時機能を有する。制御部6はコンピュータであり、コンピュータは、時計の機能(計時機能)を有する。制御部6は、各乗客データに対して乗車時の時刻と降車時の時刻をその乗車データにさらに書き込む。降車時の時刻は、乗客が既に降車したことを表すので降車情報に含まれる。なお、乗客データに書き込まれる乗車時の時刻と降車時の時刻は、タイムスタンプと呼ばれる。
【0031】
一般的な顔認証では、本人の顔とデータベースに予め登録された顔画像とを照合して、同一の本人であることを判定する。そのため、顔認証に基づいて本人に課金することが可能となる。これに対して、本実施形態のOD記録システム1は、降車する人に最も似た乗客が降車したと判定するが、降車する人が特定の人物と同一の本人であるとの判定はしない。したがって、制御部6における処理が一般的な顔認証と比べてシンプルになり、制御部6のハードウェアとソフトウェアを簡素化でき、OD記録システム1が低コストとなる。OD記録システム1は、課金に用いられないので、判定に誤差があっても、乗客及び事業者に金銭的な損害は発生しない。
【0032】
OD記録システム1は、氏名等の個人を識別できる情報、すなわち個人情報を有しない。個人情報は、ODデータ(乗車地と降車地との間の利用者数のデータ)の算出に必要ではないからである。このため、OD記録システム1は、顔画像から抽出された特徴量を個人情報と照合や紐付をすることがなく、個人を識別しないので、乗客のプライバシーが保護される。
【0033】
本実施形態では、制御部6は、降車情報を書き込んだ乗客データ中の特徴量を自動的に削除する機能を有する。個々の乗客の特徴量は、ODデータの算出に必要なデータではないので、削除してもODデータの調査に支障しない。日本産業規格JIS X9250:2017「情報技術-セキュリティ技術-プライバシーフレームワーク(プライバシー保護の枠組に及び原則)によれば、「“バイオメトリックデータ”とは、バイオメトリック認証及び識別処理に利用される、人の身体的又は行動的な特徴及び属性を示す」とされており、バイオメトリックデータは、個人識別可能情報(PII:personally identifiable information)とみなされる(同JISの4.4.2参照)。このため、OD記録システム1において、顔画像から抽出された特徴量は、バイオメトリックデータに該当し、個人識別可能情報(PII)とみなされる。OD記録システム1は、特徴量を削除することにより、個人識別可能情報(PII)を有しないことになり、乗客のプライバシー保護が一層徹底される。
【0034】
車両7が停車して、人が乗車又は降車するたびに、OD記録システム1は、上述した処理を行う(
図3参照)。これにより、車両7の運行中に乗降した人の乗客データが記憶装置5に蓄積される(
図4参照)。
【0035】
記憶装置5に記録された乗客データにおける乗車時の位置情報と降車時の位置情報から、ODデータ(乗車地と降車地との間の利用者数のデータ)が算出される。本実施形態では、制御部6がそのようなODデータを算出する。OD記録システム1の外部のコンピュータでODデータを算出してもよい。
【0036】
記憶装置5に記録された乗客データにおける乗車時の時刻と降車時の時刻から、時間帯別の乗車人数が算出される。本実施形態では、制御部6が時間帯別の乗車人数を算出する。また、制御部6は、リアルタイムの乗車人数を算出する。時間帯別の乗車人数は、車両7の運行終了後にOD記録システム1の外部のコンピュータで算出してもよい。
【0037】
記憶装置5に記録された乗客データにおける乗車時の時刻と降車時の時刻から、各乗客の滞在時間(乗車時間)が算出される。そして、各乗客の滞在時間から、時間帯別の平均滞在時間と、始発から終着までの全体の平均滞在時間が算出される。本実施形態では、制御部6がそのような滞在時間を算出する。OD記録システム1の外部のコンピュータで滞在時間を算出してもよい。
【0038】
OD記録システム1は、乗車用カメラ2及び降車用カメラ3が撮像した画像を記憶装置5に記録しない。
【0039】
以上、本実施形態に係るOD記録システム1によれば、降車する人の特徴量と、乗車している人の特徴量が最も近似する人(乗客)が降車したと判定することになるので、降車する人が特定の人物と同一であるとの判定を行う必要がなく、特徴量を算出する制御部6を簡素化でき、OD記録システム1が低コストとなる。また、乗客が特定の人物と同一であるとの判定を行わないことにより、プライバシー保護が容易である。
【0040】
制御部6が降車情報を書き込んだ乗客データ中の特徴量を自動的に削除するので、個人の特徴量を収集せず、プライバシー保護が容易である。
【0041】
乗車用カメラ2及び降車用カメラ3が撮像した画像を記憶装置5に記録しないことにより、プライバシー保護が容易であるとともに、記憶装置5の管理が容易になって運用コストが低コストとなる。
【0042】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、OD記録システム1は、特徴量を削除する前に、性別など、個人を識別可能ではない情報を特徴量から取得してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 OD記録システム
2 乗車用カメラ
3 降車用カメラ
4 位置情報取得部
5 記憶装置
6 制御部