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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060712
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】建物周りの風騒音評価システム
(51)【国際特許分類】
   G01H 3/00 20060101AFI20240425BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240425BHJP
   G06F 30/13 20200101ALI20240425BHJP
   G06F 30/28 20200101ALI20240425BHJP
【FI】
G01H3/00 A
G06Q10/00
G06F30/13
G06F30/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168158
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉川 優
(72)【発明者】
【氏名】濱田 由記子
(72)【発明者】
【氏名】冨▲高▼ 隆
【テーマコード(参考)】
2G064
5B146
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
2G064AA05
2G064AB01
2G064AB02
2G064AB15
2G064BA02
2G064BD02
2G064CC42
2G064DD02
5B146AA04
5B146DC03
5B146DJ03
5B146DL08
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】建物における風騒音を可視化することで、外装部材の風騒音への対策に要するコストを低減可能な、風騒音評価システムを提供する。
【解決手段】建物周りの風騒音評価システム10は、建物の外壁面に沿って設けられる外装部材の設置位置における、風速情報及び風向情報を取得する風情報取得部11と、設置位置において、風速情報と、風向情報の外壁面に対する角度と、に基づき、外装部材により生じる風騒音を評価して、風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部14と、風騒音指標値の分布図を作成する風騒音の可視化部15と、を備え、分布図には、外装部材の設置位置に、当該設置位置での風騒音指標値に基づく情報が示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物周りの風騒音を評価する風騒音評価システムであって、
前記建物の外壁面に沿って設けられる外装部材の設置位置における、風速情報及び風向情報を取得する風情報取得部と、
前記設置位置において、前記風速情報と、前記風向情報の前記外壁面に対する角度と、に基づき、当該外装部材により生じる前記風騒音を評価して、前記風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部と、
前記風騒音指標値の分布図を作成する風騒音の可視化部と、
を備え、
前記分布図には、前記外装部材の前記設置位置に、当該設置位置での前記風騒音指標値に基づく情報が示されていることを特徴とする建物周りの風騒音評価システム。
【請求項2】
建物周りの風騒音を評価する風騒音評価システムであって、
前記建物の外壁面に沿って設けられる外装部材または当該外装部材を模擬した部材の風騒音計測実験で得られる風騒音データ、または前記風騒音の評価結果が記録されたデータベースに基づき、前記風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部と、
前記風騒音指標値の分布図を作成する風騒音の可視化部と、
を備え、
前記分布図には、前記外装部材の前記設置位置に、当該設置位置での前記風騒音指標値に基づく情報が示されていることを特徴とする建物周りの風騒音評価システム。
【請求項3】
前記風騒音の可視化部では、少なくとも、前記風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び前記風騒音の対策が必要な範囲が、区別可能となるように、前記分布図を作成することを特徴とする請求項1または2に記載の建物周りの風騒音評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物周りの風騒音を評価する風騒音評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物を建築するに際し、事前に、建物における騒音を評価することが行われている。
例えば、特許文献1には、建物や障壁等の建造物の配置と騒音源を入力し、入力された建造物の配置と騒音源から音の伝播経路を音線でモデル化し、距離減衰式を使って各伝播経路により観測点の音圧レベルを求めて合成することで、複数の騒音源による騒音の程度や分布状態を解析する構成が開示されている。
【0003】
ところで、特に高層建築物においては、風による騒音(風騒音)が大きくなることがある。風騒音は、建物の周辺で生じる強風や乱流が、手摺やルーバー等の外装部材に空力振動を生じさせること、或いは、外装部材周りに生じる細かい渦が周囲に圧力波を生じさせること等により発生する。外装部材における風騒音の予測評価は、例えば、実物大の外装部材に対して、風速、風向を変化させて風洞実験を行い、マイクロフォンで騒音を計測することで行われる。
特許文献2には、このような、外装材などの風騒音を風洞実験や解析等によって評価する方法が開示されている。この方法は、建築物に対する風当たりによる音に関する測定スペクトルデータから、暗騒音を除いた差音に関する周波数分布を作成し、差音の大きな周波数を任意数選択し、選択周波数について騒音に関する聴覚評価と整合する周波数の純音度と騒音レベルとの合成値を求めて、合成値を建築物に対する風騒音の予測値とする、というものである。
【0004】
特許文献2に記載されたような方法で、外装部材における風騒音の予測評価を行った結果、風騒音を生じる可能性があると判断された場合には、外装部材には、風騒音を低減するための対策が施される。
特許文献3には、このような対策に関する構造として、両端部において支持された棒状部材の風による振動を低減するため、間隔をあけて並設された複数の棒状部材の間に粘弾性体が密着した状態で架設された構成が開示されている。
しかし、建物に設けられる全ての外装部材に対して、一様に、このような対策を行うのは、コストが嵩む。
他方、建物の模型を用いて風洞実験を行ったり、建物の周囲の環境に対して数値シミュレーションを実施したりすることで、建物の周囲の風環境を予測することが行われている。しかし、外装部材は建物に対しては極めて微小な大きさであるため、建物を主な対象として風環境を評価するこれらの手法によって、外装部材の各々が生じさせる風騒音を正確に評価することは、容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6-4512号公報
【特許文献2】特許第6768479号公報
【特許文献3】特許第6893537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、建物における風騒音を可視化することで、外装部材の風騒音への対策に要するコストを低減可能な、風騒音評価システムを提供することである。具体的には、風騒音の可視化とは、風騒音レベルを強弱等で分類化したもの、または風騒音の要対策範囲(風騒音対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び風騒音対策が必要な範囲)について分布状況を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、建物周りの風騒音を評価する風騒音評価システムとして、建物周りの風速情報、及び風向情報から、外装部材の近傍で発生する風騒音の程度を風騒音指標値として評価し、その風騒音指標値を分布図として可視化することで、風騒音の要対策範囲が容易に確認可能な点に着眼して、本発明に至った。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の風騒音評価システムは、建物周りの風騒音を評価する風騒音評価システムであって、前記建物の外壁面に沿って設けられる外装部材の設置位置における、風速情報及び風向情報を取得する風情報取得部と、前記設置位置において、前記風速情報と、前記風向情報の前記外壁面に対する角度と、に基づき、当該外装部材により生じる前記風騒音を評価して、前記風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部と、前記風騒音指標値の分布図を作成する風騒音の可視化部と、を備え、前記分布図には、前記外装部材の前記設置位置に、当該設置位置での前記風騒音指標値に基づく情報が示されていることを特徴とする。
このような構成によれば、風情報取得部は、建物の外壁面に沿って設けられる外装部材の設置位置における、風速情報及び風向情報を取得する。外装部材の設置位置における風速情報は、外壁面に設けられた外装部材に対する風速となる。また、外装部材の設置位置における風向情報の、建物の外壁面に対する角度は、外壁面に設けられた外装部材に対する風向となる。このようにして、外装部材が設けられる設置位置における、風速情報と、風向情報の外壁面に対する角度を得ることができるため、風騒音評価部は、これらに基づき、外装部材により生じる風騒音を、外装部材ごとに、評価することができる。
また、風騒音評価部は、外装部材の設置位置の各々において、上記のように、外装部材により生じる風騒音を評価した結果として、風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定し、風騒音の可視化部は、このようにして設定された風騒音指標値の分布図を作成する。この分布図には、設置位置の各々に、各設置位置に対して設定された風騒音指標値に基づく情報(風騒音の要対策範囲として、風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び風騒音の対策が必要な範囲など)が示されている。このため、建物のどの部分に設けられた外装部材によって、主に風騒音が生じているかが、可視化される。
上記の効果が相乗し、風騒音に対する対策が必要な外装部材を、明確に特定することができる。ここで、外装部材に対して風騒音の対策を実際に実施する際には、対策が必要であることが明確に特定された外装部材に対してのみ、対策を実施すればよい。このようにして、建物における風騒音を可視化することで、風騒音への対策の対象となる外装部材の数が低減し、外装部材の風騒音への対策に要するコストを低減することができる。
【0008】
また、本発明の風騒音評価システムは、建物周りの風騒音を評価する風騒音評価システムであって、前記建物の外壁面に沿って設けられる外装部材または当該外装部材を模擬した部材の風騒音計測実験で得られる風騒音データ、または前記風騒音の評価結果が記録されたデータベースに基づき、前記風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部と、前記風騒音指標値の分布図を作成する風騒音の可視化部と、を備え、前記分布図には、前記外装部材の前記設置位置に、当該設置位置での前記風騒音指標値に基づく情報が示されていることを特徴とする。
このような構成によれば、対象とする建物ごとに、建物形状や周囲の市街地から決まる風速分布は変化するが、過去に実施された風洞実験または数値解析によって取得された、部材自体から生じる風騒音データ、または、風騒音の評価結果がデータベースとして記録されていれば、当該データベースから類似する外装部材により生じる風騒音を評価することで、風騒音の評価精度を高めることができる。
【0009】
本発明の一態様においては、前記風騒音の可視化部では、少なくとも、前記風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び前記風騒音の対策が必要な範囲が、区別可能となるように、前記分布図を作成する。
このような構成によれば、風騒音指標値の分布図に、風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、風騒音の対策が必要な範囲が区別可能となるように表示することで、風騒音の要対策の是非判断を行う際に、風騒音の対策の必要度合いを容易に把握することができ、対策を実施するための合意形成に利用可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、建物における風騒音を可視化することで、外装部材の風騒音への対策に要するコストを低減可能な、風騒音評価システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る建物周りの風騒音評価システムの構成を示す図である。
図2】上記建物周りの風騒音評価システムにおいて評価対象となる建物の一例を示す図である。
図3】風情報取得部により得られる、建物の周囲における風速分布の一例を示す図である。
図4】オフセット面の説明図である。
図5】オフセット面の位置における風速ベクトルの例を示す図である。
図6】オフセット面の位置における風速ベクトルを模式的に示す図である。
図7】実際の外装部材における、風速、風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係の一例を示す図である。
図8】各外装部材の設置位置における風騒音指標値の分布図の一例を示す図である。
図9】上記建物周りの風騒音評価システムにおける、風騒音評価方法の流れを示す図である。
図10】風騒音への対策を適用した実際の外装部材における、風速、風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係の一例を示す図である。
図11】他の対策を適用した実際の外装部材における、風速、風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、建物周りの風速情報、及び風向情報から、建物の外装部材の近傍に発生する風騒音を評価し、当該風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する。その風騒音指標値に基づき、風騒音の要対策範囲(風騒音対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び風騒音対策が必要な範囲など)を評価する風騒音評価システムである(例えば、図8)。
以下、添付図面を参照して、本発明による建物周りの風騒音評価システムを実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
本発明の実施形態に係る建物周りの風騒音評価システムの構成を示す図を図1に示す。図2は、上記建物周りの風騒音評価システムにおいて評価対象となる建物の一例を示す図である。
建物周りの風騒音評価システム10は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置である。風騒音評価システム10は、風情報取得部11と、風洞実験情報取得部13と、風騒音評価部14と、風騒音の可視化部15と、データベース17と、を機能的に備えている。この建物周りの風騒音評価システム10は、建物1周りの風騒音を評価する。
図2に示されるように、評価対象となる建物1は、例えば、ビルディング、マンション等であり、その具体的な建物形態、構造、階層数等は何ら限定するものではない。建物1は、建物1の外壁面2に沿って設けられる外装部材3を備えている。外装部材3は、例えば、建物1のバルコニーに設けられた手摺4やルーバー等の、ビル風等の風が生じた際に、共鳴、振動等を発生させて、騒音を生じさせ得る部材である。外壁面2に沿って設けられる外装部材3は、外壁面2と同一面上に配置されているものに限らず、外壁面2に対し、外壁面2に直交する方向に離れた位置に配置されているものを含む。すなわち、外装部材3は、外壁面2に対して、建物1の外方に向けて突出するように配置されていてもよい。
建物1に対し、外装部材3は、複数が設けられている。外装部材3の各々は、建物1の外壁面2の、異なる設置位置Pに設けられている。例えば、図2の外装部材3Aは、設置位置PAに、外装部材3Bは、設置位置PBに、外装部材3Cは、設置位置PCに、それぞれ設けられている。
【0013】
風情報取得部11は、建物1の外壁面2に沿って設けられる外装部材3の設置位置Pにおける、風速情報及び風向情報を取得する。
このために、風情報取得部11は、まず、建物1の周囲の、例えば全域における風情報、すなわち風速情報及び風向情報を取得する。
図3は、風情報取得部により得られる、建物の周囲における風速分布の一例を示す図である。図3に示されるように、建物の評価モデルの周囲における、風速情報と風向情報とが、周囲の各位置における風速ベクトルV(矢印)により示されている。風速ベクトルVの大きさが、当該風速ベクトルVが設けられた位置における風速情報すなわち風速の大きさであり、向き、例えば予め設定された基準方向に対する角度が、当該位置における風向情報すなわち風向である。
【0014】
風速情報及び風向情報は、評価対象となる建物1に対して風洞実験または数値解析(シミュレーション)を実施することで、得ることができる。風洞実験を行う場合、建物1を縮小した模型(スケールモデル)を用いる。数値解析を行う場合、建物1をモデル化した、評価モデルを用いる。数値解析は、建物1が、実際に建物1が設置される場所、例えば市街地を対象としてシミュレーションを行う。このとき、数値解析は、地表付近だけでなく、建物1の上部までを対象として評価できるよう、評価モデルは3次元モデルを用い、建物1の上部の外壁面2付近の風速場についても評価を行う。数値解析には、風の流れの支配方程式に対する数値解が得られる、流体解析、CFD(Computational Fluid Dynamics)と称される数値流体解析技術等が用いられる。
風速情報及び風向情報は、風速情報及び風向情報を推論するように深層学習された学習済みモデルに対し、建物1の構造や大まかな風向を入力することで、推論するようにして求めてもよい。
このようにして求められた風速情報及び風向情報は、いったんデータベース17に格納され、風情報取得部11は、適宜必要な際に、データベース17を参照して、風速情報及び風向情報を取得する。
あるいは、データベース17に、建物1に類似した類似建物に対して過去に実施された風洞実験や数値解析、学習済みモデルによる推論等によって取得された、類似建物の周囲の、例えば全域における、風速情報及び風向情報が保管されているようにしてもよい。この場合においては、対象となる建物1に対して、改めて風洞実験や数値解析、学習済みモデルによる推論等を実施しなくとも、建物1の風速情報及び風向情報の代替として、類似建物の風速情報及び風向情報を使用することができる。
【0015】
風情報取得部11は、データベース17から、建物1の外壁面2に沿って設けられる外装部材3の設置位置Pにおける、風の状態として、風速情報及び風向情報を取得する。
外装部材3は、特にこれがベランダの手摺4等である場合には、外壁面2に対し、外壁面2に直交する方向に離れた位置に配置されていることが多い。このような場合を考慮し、実際の外装部材3が設置される外壁面2からの距離に応じ、建物1の外壁面2から水平方向に所定寸法離れた位置に、外壁面2と平行なオフセット面F(図2参照)を設定する。
図4は、オフセット面の説明図である。オフセット面Fは、例えば、外壁面2から水平方向に1~3m程度離れた位置に設定される。
図5は、オフセット面の位置における風速ベクトルの例を示す図である。
風情報取得部11は、上記のようにして得られた、建物1の周囲全域における複数の風速ベクトルVの中から、図5に示されるように、オフセット面Fの位置における風速ベクトルVfを抽出する。
【0016】
図6は、オフセット面の位置における風速ベクトルを模式的に示す図である。
風情報取得部11は、更に、複数の外装部材3の各々に対し、個別に、当該外装部材3が設けられた設置位置Pにおける、風速情報及び風向情報を取得する。
具体的には、風情報取得部11は、複数の外装部材3の各々に対し、当該外装部材3が設けられた設置位置Pを算出し、オフセット面Fの位置における風速ベクトルVfのなかから、当該設置位置Pに最も近い位置に相当する風速ベクトルVfを抽出することで、当該外装部材3が設けられた設置位置Pにおける、風速情報及び風向情報を取得する。
例えば、図6における外装部材3Aに関しては、外装部材3Aが設けられた設置位置PAに最も近い位置に相当する風速ベクトルVfは風速ベクトルVfAであるから、この風速ベクトルVfAを、外装部材3Aに対応する、外装部材3Aが設けられた設置位置PAにおける風速情報及び風向情報として選択、取得する。外装部材3B、3Cにおいても同様に、外装部材3B、3Cが設けられた設置位置PB、PCにおける風速情報及び風向情報として、風速ベクトルVfB、VfCを選択、取得する。
【0017】
風洞実験情報取得部13は、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材を用いて行った、風騒音計測実験に関する情報を取得する。風騒音計測実験が例えば風洞実験の場合、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材を用いて行う風洞実験は、風洞実験室等において、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材を気流中においた状態で、気流の風速、風向を様々に変えて、騒音値を測定することで、風速と風向の複数の組み合わせに対して、風騒音を評価する。この場合、騒音値は、騒音計で音圧スペクトル等の騒音データを計測することで、定量的に評価してもよいし、人が実際に音を聴いて判断してもよい。
本実施形態においては、騒音値を基に、風騒音の程度を示す風騒音指標値が設定されている。風騒音指標値は、例えば、以下のような6段階の値として設定されている。
風騒音指標値0:風騒音の発音なし
風騒音指標値1:注意深く聞けば確認できるわずかな発音
風騒音指標値2:かすかに聞こえる発音
風騒音指標値3:明瞭に聞こえる発音
風騒音指標値4:明瞭、かつ障害となる可能性が高い発音
風騒音指標値5:非常にうるさく、明らかに障害となる発音
【0018】
図7は、実際の外装部材における、風速、風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係の一例を示す図である。図7においては、外装部材3に対する風速を、2.5m/s~25m/sの間の、2.5m/s刻みの値の各々として、及び風向を、0°~90°の、15°刻みの値の各々として、それぞれ設定した場合における、風騒音指標値が設定されている。
上記のように、風洞実験により、図7に示されるような、実際の外装部材3に対し、様々な風速、風向の風が当たった際に生じる、風騒音のレベルを示す風洞実験情報(例えば、外装部材の風騒音実験データ)が得られる。このように、風洞実験情報は、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材における、風速と風向の複数の組み合わせと、当該組み合わせを実現する風が外装部材3に当たった際に生じる風騒音の騒音値を基にして設定された風騒音指標値との対応関係を示す情報である。また、図7で、×印が付されている箇所は、気流により外装部材3に振動が生じた場合を示している。
このような風洞実験情報、すなわち風速と風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係は、本実施形態においては、風騒音データ、あるいは風騒音の評価結果として、事前にデータベース17に格納されている。これに替えて、風洞実験情報は、建物1の風騒音の評価を行う際に、建物周りの風騒音評価システム10に外部から入力するようにしてもよい。風洞実験情報取得部13は、風洞実験情報がデータベース17に事前に格納されている場合、データベース17から風洞実験情報を取得する。また、風洞実験情報取得部13は、風洞実験情報がデータベース17に事前に格納されていない場合、建物1の風騒音の評価を行う際に、外部から風洞実験情報を取得する。
【0019】
風騒音評価部14は、外装部材3により生じる風騒音を評価する。風騒音評価部14は、風情報取得部11で抽出された風速ベクトルVfに基づいて、各外装部材3の設置位置Pの各々における風速、及び風向を取得する。具体的には、風騒音評価部14は、外装部材3の各々の、設置位置Pにおける風速ベクトルVfを取得する。風騒音評価部14は、外装部材3の各々に対し、取得した風速ベクトルVfの大きさを、当該設置位置Pに設けられる外装部材3に作用する風の風速情報として取得する。風騒音評価部14はまた、外装部材3の各々に対し、取得した風速ベクトルVfの風向情報の、外壁面2に対する角度から、当該設置位置Pに設けられる外装部材3に作用する風の風向を計算する。
風騒音評価部14は、外装部材3の各々に対し、上記のように取得した風速情報と風向の組み合わせに対応する、風騒音指標値を、データベース17に格納された、風速と風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係から、取得し、設定する。このようにして取得された風騒音指標値は、建物1の周りに、風情報取得部11によって取得された風速情報及び風向情報であらわされる風が吹いた際に、外装部材3の各々が生じる騒音値を表現するものとなっている。
このようにして、風騒音評価部14は、外装部材3の各々により生じる風騒音を評価し、外装部材3の各々に対して、風騒音指標値を設定する。
風騒音評価部14は、このようにして得た、各外装部材3の設置位置Pにおける、風速及び風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係を示す情報を、データベース17に格納する。
【0020】
図8は、各外装部材の設置位置における風騒音指標値の分布図の一例を示す図である。
風騒音の可視化部15は、図8に示すように、各外装部材3の設置位置Pに、当該設置位置Pでの風騒音指標値に基づく情報(風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び風騒音の対策が必要な範囲など)が、建物1の外形とともに示された、分布図Dを作成する。本実施形態においては、風騒音の可視化部15は、風騒音指標値に基づく情報は、風騒音指標値に応じて異なるように設定された色または濃淡である。すなわち、風騒音の可視化部15は、風騒音指標値が色または濃淡によって識別できるように、分布図Dを作成する。
図8においては、風騒音指標値が1に相当する範囲が、範囲A1として示されている。同様に、風騒音指標値が2、3、4、5の各々に相当する範囲が、それぞれ、範囲A1、A2、A3、A4、A5として示されている。図8においては、風騒音指標値が0に相当する範囲A0は存在せず、したがって図示されていないが、範囲A0が存在すれば、分布図Dには、範囲A1、A2、A3、A4、A5と同様に、図示される。
【0021】
ここで、風騒音指標値が0、1に相当する範囲A1(風騒音指標値が0に相当する範囲A0が存在すればこれも含む)の部分は、例えば、風騒音の対策が不要な範囲と考えられる。風騒音指標値が2、3に相当する範囲A2、A3の部分は、例えば、風騒音を留意すべき範囲と考えられる。風騒音指標値が4、5に相当する範囲A4、A5の部分は、例えば、風騒音の対策が必要な範囲と考えられる。このように、風騒音の可視化部15は、風騒音指標値に応じて、上記のような、風騒音の対策が不要な範囲A0、A1、風騒音を留意すべき範囲A2、A3、風騒音の対策が必要な範囲A4、A5の、3種類の範囲のが、少なくとも区別可能となるように、分布図Dを作成する。本実施形態においては、図8に示されるように、風騒音指標値の6種類の値の各々に応じて、6種類の範囲を区別するように分布図Dが作成されているが、これに替えて、風騒音の対策が不要な範囲A0、A1、風騒音を留意すべき範囲A2、A3、風騒音の対策が必要な範囲A4、A5の、3種類の範囲が区別可能となるように、3種類の色または濃淡によって、分布図Dが作成されても構わない。
いずれの場合であっても、風騒音の可視化部15は、少なくとも、風騒音指標値の情報を基に、風騒音の対策が不要な範囲A0、A1、留意すべき範囲A2、A3、及び風騒音の対策が必要な範囲A4、A5が、区別可能となるように、分布図Dを作成する。風騒音の可視化部15は、作成した分布図Dを、モニター装置等に表示させる。
【0022】
データベース17は、建物周りの風騒音評価システム10における処理に必要な各種の情報が格納されている。
例えば、データベース17は、上記のようにして行った、複数の建物1における風騒音の評価結果を示す情報、すなわち風速情報及び風向情報が格納されている。
また、データベース17は、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材を用いて行った、風洞実験より得られた風洞実験情報、すなわち風速と風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係が格納されている。
【0023】
次に、上記したような建物周りの風騒音評価システム10における、風騒音評価方法について説明する。
図9は、上記建物周りの風騒音評価システムにおける、風騒音評価方法の流れを示す図である。
この図9に示すように、建物周りの風騒音評価システム10で、建物1を対象として風騒音を評価するには、まず、風情報取得部11が、図3に示されるように、建物1の周囲の、例えば全域における風情報、すなわち風速情報及び風向情報を取得する(ステップS11)。
ここで、風情報取得部11は、データベース17から、建物1に類似した類似建物に対して過去に実施された風洞実験や数値解析、学習済みモデルによる推論等によって取得された、類似建物の周囲の、例えば全域における、風速情報及び風向情報を取得するようにしてもよい。
次いで、風情報取得部11が、図2図4に示されるように、外装部材3が設置される外壁面2からの距離に応じ、建物1の外壁面2から水平方向に所定寸法離れた位置に、外壁面2と平行なオフセット面Fを設定する(ステップS12)。
続いて、風情報取得部11は、上記のようにして得られた、建物1の周囲全域における複数の風速ベクトルVの中から、オフセット面Fの位置における風速ベクトルVfを抽出する(ステップS13)。
【0024】
次に、風情報取得部11は、更に、複数の外装部材3の各々に対し、個別に、当該外装部材3が設けられた設置位置Pにおける、風速情報及び風向情報を取得する(ステップS14)。
また、風洞実験情報取得部13は、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材を用いて行った、風洞実験に関する風洞実験情報(図7参照)を取得する(ステップS15)。風洞実験情報は、実際の外装部材3、または外装部部材3を模擬した部材における、風速と風向の複数の組み合わせと、当該組み合わせを実現する風が外装部材3に当たった際に生じる風騒音の騒音値を基にして設定された風騒音指標値との対応関係を示す情報である。
その後、風騒音評価部14が、外装部材3により生じる風騒音を評価する(ステップS16)。風騒音評価部14は、外装部材3の各々の、設置位置Pにおける風速ベクトルVfを取得する。風騒音評価部14は、外装部材3の各々に対し、取得した風速ベクトルVfの大きさを、当該設置位置Pに設けられる外装部材3に作用する風の風速情報として取得する。風騒音評価部14はまた、外装部材3の各々に対し、取得した風速ベクトルVfの風向情報の、外壁面2に対する角度から、当該設置位置Pに設けられる外装部材3に作用する風の風向を計算する。風騒音評価部14は、外装部材3の各々に対し、上記のように取得した風速情報と風向の組み合わせに対応する、風騒音指標値を、データベース17に格納された、風速と風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係から、取得し、設定する。
【0025】
次いで、風騒音の可視化部15が、各外装部材3の設置位置Pに、当該設置位置Pでの風騒音指標値に基づく情報が、建物1の外形とともに示された、分布図Dを作成する。風騒音の可視化部15は、作成した分布図Dを、モニター装置等に表示させる(ステップS17)。
建物1の設計者等は、表示された分布図Dを見て、建物1の風騒音を低減するための改善を検討することができる。例えば、風騒音の対策が必要な範囲A4、A5について、
対策1)外装部材3に、例えば補強のための部材の追加
対策2)外装部材3への防振材の追加
等を検討する。
図10は、対策1)を適用した実際の外装部材における、風速、風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係の一例を示す図である。図11は、対策2)を適用した実際の外装部材における、風速、風向の組み合わせと、風騒音指標値との対応関係の一例を示す図である。これらの対応関係は、例えば図7と同様に、外装部材3に対し、実際に、補強のための部材や、防振材を追加した状態としたうえで、補強のための部材や防振材が追加された外装部材3に対して、風速と風向の複数の組み合わせに対して風洞実験を行い、騒音値を測定することで、取得され得る。
【0026】
例えば、図7に示されるような外装部材3において、風速17.5m/s、風向0°の風が作用した場合には、風騒音指標値は5として示されており、風騒音の対策が必要である。この場合において、例えば補強のための部材の追加を行うと、図10に示されるように風騒音指標値は3となり、風騒音が低減されることがわかる。
また、図7に示されるような外装部材3において、風速7.5m/s、風向30°の風が作用した場合には、風騒音指標値は3として示されており、風騒音を留意すべきではあるが、風騒音の対策が必要であるとまでは認定されていない。しかし、この場合においては、外装部材3に振動が発生しており、対策するのが望ましい。ここで、例えば補強のための部材の追加を行っても、図10に示されるように、風速7.5m/s、風向30°の風が作用した場合には、依然として、振動が発生する。この場合には、防振材を追加すると、図11に風速7.5m/s、風向30°の風が作用した場合として示されるように、振動が治まることがわかる。したがって、対策としては、防振材を追加するのが望ましい。
【0027】
上述したような風騒音評価システム10は、建物1周りの風騒音を評価する風騒音評価システム10であって、建物1の外壁面2に沿って設けられる外装部材3の設置位置Pにおける、風速情報及び風向情報を取得する風情報取得部11と、設置位置Pにおいて、風速情報と、風向情報の外壁面2に対する角度と、に基づき、外装部材3により生じる風騒音を評価して、風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部14と、風騒音指標値の分布図Dを作成する風騒音の可視化部15と、を備え、分布図Dには、外装部材3の設置位置Pに、設置位置Pでの風騒音指標値に基づく情報が示されている。
このような構成によれば、風情報取得部11は、建物1の外壁面2に沿って設けられる外装部材3の設置位置Pにおける、風速情報及び風向情報を取得する。外装部材3の設置位置Pにおける風速情報は、外壁面2に設けられた外装部材3に対する風速となる。また、外装部材3の設置位置Pにおける風向情報の、建物1の外壁面2に対する角度は、外壁面2に設けられた外装部材3に対する風向となる。このようにして、外装部材3が設けられる設置位置Pにおける、風速情報と、風向情報の外壁面2に対する角度を得ることができるため、風情報取得部11は、これらに基づき、外装部材3により生じる風騒音を、外装部材3ごとに、評価することができる。
また、風騒音評価部14は、外装部材3の設置位置Pの各々において、上記のように、外装部材3により生じる風騒音を評価した結果として、風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定し、風騒音の可視化部15は、このようにして設定された風騒音指標値の分布図Dを作成する。この分布図Dには、設置位置Pの各々に、各設置位置Pに対して設定された風騒音指標値に基づく情報が示されている。このため、建物1のどの部分に設けられた外装部材3によって、主に風騒音が生じているかが、可視化される。
上記の効果が相乗し、風騒音に対する対策が必要な外装部材3を、明確に特定することができる。ここで、外装部材に対して風騒音の対策を実際に実施する際には、対策が必要であることが明確に特定された外装部材3に対してのみ、対策を実施すればよい。このようにして、建物1における風騒音を可視化することで、風騒音への対策の対象となる外装部材3の数が低減し、外装部材3の風騒音への対策に要するコストを低減することができる。
【0028】
また、上述したような風騒音評価システム10は、建物1周りの風騒音を評価する風騒音評価システム10であって、建物1の外壁面2に沿って設けられる外装部材3または当該外装部材3を模擬した部材の風騒音計測実験で得られる風騒音データ、または風騒音の評価結果が記録されたデータベース17に基づき、風騒音の程度を示す風騒音指標値を設定する風騒音評価部14と、風騒音指標値の分布図Dを作成する風騒音の可視化部15と、を備え、分布図Dには、外装部材3の設置位置Pに、設置位置Pでの風騒音指標値に基づく情報が示されている。
このような構成によれば、対象とする建物1ごとに、建物形状や周囲の市街地から決まる風速分布は変化するが、過去に実施された風洞実験または数値解析によって取得された、部材自体から生じる風騒音データ、または、風騒音の評価結果がデータベース17として記録されていれば、当該データベース17から類似する外装部材3により生じる風騒音を評価することで、風騒音の評価精度を高めることができる。
【0029】
また、風速情報及び風向情報は、建物1に対して風洞実験または数値解析を実施して取得されるか、或いは、建物1に類似した類似建物1に対して過去に実施された風洞実験または数値解析によって取得された、当該類似建物の風速情報及び風向情報が保管されたデータベース17(類似建物周りを対象とするデータベース、外装部材の周辺を対象としたデータベース等)から取得される。
このような構成によれば、建物1に対して風洞実験または数値解析を実施することで、風速情報及び風向情報を取得する。または、データベース17に、対象となる建物1に類似した類似建物に対して、過去に実施された風洞実験または数値解析によって取得された、当該類似建物周り、または外装部材3の周辺の風速情報及び風向情報が保管されている場合、これを、風速情報及び風向情報として取得する。このようにして取得した風速情報及び風向情報に基づいて、外装部材3の設置位置Pにおける、外装部材3により生じる風騒音を評価することで、風騒音の評価精度が高まる。
【0030】
また、風騒音の可視化部15では、少なくとも、風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、及び風騒音の対策が必要な範囲が、区別可能となるように、分布図Dを作成する。
このような構成によれば、風騒音指標値の分布図Dに、風騒音の対策が不要な範囲、留意すべき範囲、風騒音の対策が必要な範囲が区別可能となるように表示することで、風騒音の要対策の是非判断を行う際に、風騒音の対策の必要度合いを容易に把握することができ、対策を実施するための合意形成に利用可能である。
【0031】
また、外装部材3に対し、風速と風向の複数の組み合わせで風洞実験を実施して、組み合わせごとに測定された騒音値を基に、組み合わせの各々に対して風騒音指標値が設定され、データベース17には、組み合わせと風騒音指標値との対応関係が保管されている。
また、風騒音評価部14は、設置位置Pの各々において、当該設置位置Pにおける風向情報の外壁面2に対する角度から、当該設置位置Pに設けられる外装部材3に対する風向を計算し、当該設置位置Pにおける風速情報と、風向と、の組み合わせに対応する風騒音指標値をデータベース17から取得することで、当該設置位置Pの風騒音指標値を設定する。
このような構成によれば、外装部材3の各々が設けられた設置位置Pを考慮して、当該設置位置Pにおける風速、風向を把握し、当該風速、風向の組み合わせを実現する風が外装部材3に当たった際の風騒音指標値をデータベース17から取得するため、各外装部材3の設置位置Pを反映して、風騒音を正確に推定することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 建物 17 データベース
2 外壁面 A0、A1 風騒音の対策が不要な範囲
3、3A、3B、3C 外装部材 A2、A3 風騒音を留意すべき範囲
10 風騒音評価システム A4、A5 風騒音の対策が必要な範囲
11 風情報取得部 D 分布図
14 風騒音評価部 P、PA、PB、PC 設置位置
15 風騒音の可視化部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11