(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060714
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ロボットハンド
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B25J15/08 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168161
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】305027401
【氏名又は名称】東京都公立大学法人
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(72)【発明者】
【氏名】和田 一義
(72)【発明者】
【氏名】北島 陽介
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS03
3C707CS08
3C707ES03
3C707ET08
3C707EV11
3C707EV22
3C707HS27
3C707HT22
3C707WA16
(57)【要約】
【課題】両側から挟んで把持する構成に比べて、外表面が曲面を有する対象物でも確実に把持可能なロボットハンドを提供すること。
【解決手段】第1の非回転把持部(148)を有する第1の把持部材(141)と、第1の非回転把持部(148)との間で対象物(11)を回転不能な状態で把持可能な第2の非回転把持部(168)と対象物(11)に接触可能な箇所が第2の非回転把持部(168)とは異なり第1の非回転把持部(148)との間で対象物(11)を把持可能な第3の把持部(171)とを有する第2の把持部材(161)と、を備えたロボットハンド(100)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に接触可能な第1の非回転把持部、を有する第1の把持部材と、
前記第1の非回転把持部に対応して配置されて前記第1の非回転把持部との間で挟んだ場合に前記対象物が回転不能な状態で把持可能な第2の非回転把持部と、前記対象物に接触可能な箇所の数が前記第2の非回転把持部とは異なり、前記第1の非回転把持部との間で対象物を把持可能な第3の把持部と、を有する第2の把持部材と、
前記第1の把持部材を支持する第1の支持部材と、
前記第2の把持部材を支持する第2の支持部材と、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の少なくとも一方を、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材とが相対的に接近、離間する方向に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とするロボットハンド。
【請求項2】
前記第1の非回転把持部と、前記第1の非回転把持部に対して傾斜した位置に配置され且つ前記対象物に対して接触可能な第1の引掛け把持部と、を有する前記第1の把持部材と、
前記第2の非回転把持部と、前記第3の把持部と、前記第1の引掛け把持部と対応して配置されて前記第1の引掛け把持部との間で挟んだ場合に前記対象物を引掛けた状態で把持可能な第2の引掛け把持部と、を有する前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド。
【請求項3】
前記第1の非回転把持部と、前記第1の引掛け把持部と、前記第1の非回転把持部および前記第1の引掛け把持部に対して傾斜した位置に配置され且つ対象物に対して接触可能な第1の回転把持部と、を有する前記第1の把持部材と、
前記第2の非回転把持部と、前記第3の把持部と、前記第2の引掛け把持部と、前記第1の回転把持部に対応して配置されて前記第1の回転把持部との間で挟んだ場合に前記対象物が回転可能な状態で把持可能な第2の回転把持部と、を有する前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記第1の回転把持部が対象物に対向する第1の回転把持位置と、前記第1の非回転把持部が対象物に対向する第1の非回転把持位置と、前記第1の引掛け把持部が対象物に対向する第1の引掛け把持位置と、の間で、第1の回転中心を中心として回転移動可能な前記第1の把持部材と、
前記第2の回転把持部が対象物に対向する第2の回転把持位置と、前記第2の非回転把持部が対象物に対向する第2の非回転把持位置と、前記第2の引掛け把持部が対象物に対向する第2の引掛け把持位置と、前記第3の把持部が対象物に対向する第3の把持位置との間で、第2の回転中心を中心として回転移動可能な前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記第1の非回転把持部と、前記第1の非回転把持部に対して傾斜した位置に配置され且つ前記対象物に対して接触可能な第1の回転把持部と、を有する前記第1の把持部材と、
前記第2の非回転把持部と、前記第3の把持部と、前記第1の回転把持部に対応して配置されて前記第1の回転把持部との間で挟んだ場合に前記対象物が回転可能な状態で把持可能な第2の回転把持部と、を有する前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のロボットハンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を把持したり持ち上げたり運搬したりする際に使用されるロボットハンドに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の商品陳列棚に陳列される物品や、工場で生産された製品等の対象物を把持して移動させるロボットハンドやマニピュレータなどと呼ばれる対象物把持装置に関し、下記の特許文献1に記載の技術が公知である。
【0003】
特許文献1(特開2021-94642号公報)には、一対の回転把持面(107)と一対の固定把持面(108)とが並んで配置されたロボットハンド(100)において、回転が必要な対象物(141)か回転が不要な対象物(142)かに応じて、回転把持面(107)または固定把持面(108)で選択的に対象物(141,142)を把持する技術が記載されている。
特許文献1には、対象物(141,142)を回転把持面(107)で把持した後に、対象物(141,142)の姿勢をカメラ(121)でモニタリングして、目標の姿勢になると回転把持面(107)から固定把持面(108)に切り替えることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(従来技術の問題点)
特許文献1に記載の技術では、一対の把持面(107,108)で対象物を両側から挟んで把持している。特許文献1のように、2カ所で挟んで把持する構成では、対象物の外形形状が、円筒状や円錐状、球状といった滑らかな曲面を有する場合、把持面が外表面で滑りやすく、対象物が確実に把持できず、運搬中に対象物が落下、脱落する恐れがある。
【0006】
本発明は、両側から挟んで把持する構成に比べて、外表面が曲面を有する対象物でも確実に把持可能なロボットハンドを提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明のロボットハンドは、
対象物に接触可能な第1の非回転把持部、を有する第1の把持部材と、
前記第1の非回転把持部に対応して配置されて前記第1の非回転把持部との間で挟んだ場合に前記対象物が回転不能な状態で把持可能な第2の非回転把持部と、前記対象物に接触可能な箇所の数が前記第2の非回転把持部とは異なり、前記第1の非回転把持部との間で対象物を把持可能な第3の把持部と、を有する第2の把持部材と、
前記第1の把持部材を支持する第1の支持部材と、
前記第2の把持部材を支持する第2の支持部材と、
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の少なくとも一方を、前記第1の把持部材と前記第2の把持部材とが相対的に接近、離間する方向に移動させる移動機構と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロボットハンドにおいて、
前記第1の非回転把持部と、前記第1の非回転把持部に対して傾斜した位置に配置され且つ前記対象物に対して接触可能な第1の引掛け把持部と、を有する前記第1の把持部材と、
前記第2の非回転把持部と、前記第3の把持部と、前記第1の引掛け把持部と対応して配置されて前記第1の引掛け把持部との間で挟んだ場合に前記対象物を引掛けた状態で把持可能な第2の引掛け把持部と、を有する前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のロボットハンドにおいて、
前記第1の非回転把持部と、前記第1の引掛け把持部と、前記第1の非回転把持部および前記第1の引掛け把持部に対して傾斜した位置に配置され且つ対象物に対して接触可能な第1の回転把持部と、を有する前記第1の把持部材と、
前記第2の非回転把持部と、前記第3の把持部と、前記第2の引掛け把持部と、前記第1の回転把持部に対応して配置されて前記第1の回転把持部との間で挟んだ場合に前記対象物が回転可能な状態で把持可能な第2の回転把持部と、を有する前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のロボットハンドにおいて、
前記第1の回転把持部が対象物に対向する第1の回転把持位置と、前記第1の非回転把持部が対象物に対向する第1の非回転把持位置と、前記第1の引掛け把持部が対象物に対向する第1の引掛け把持位置と、の間で、第1の回転中心を中心として回転移動可能な前記第1の把持部材と、
前記第2の回転把持部が対象物に対向する第2の回転把持位置と、前記第2の非回転把持部が対象物に対向する第2の非回転把持位置と、前記第2の引掛け把持部が対象物に対向する第2の引掛け把持位置と、前記第3の把持部が対象物に対向する第3の把持位置との間で、第2の回転中心を中心として回転移動可能な前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のロボットハンドにおいて、
前記第1の非回転把持部と、前記第1の非回転把持部に対して傾斜した位置に配置され且つ前記対象物に対して接触可能な第1の回転把持部と、を有する前記第1の把持部材と、
前記第2の非回転把持部と、前記第3の把持部と、前記第1の回転把持部に対応して配置されて前記第1の回転把持部との間で挟んだ場合に前記対象物が回転可能な状態で把持可能な第2の回転把持部と、を有する前記第2の把持部材と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、第1の把持部材の第1の非回転把持部と、第2の把持部材の第3の把持部との間で挟持することで、ロボットハンドで、外表面が曲面を有する対象物でも確実に把持できる。
請求項2記載の発明によれば、非回転把持部どうしでの把持と、引掛け把持部どうしでの把持と、第1の非回転把持部と第3の把持部との間での把持との3種類の把持方法で、対象物を把持できる。
請求項3記載の発明によれば、回転把持部どうしでの把持と、非回転把持部どうしでの把持と、引掛け把持部どうしでの把持と、第1の非回転把持部と第3の把持部との間での把持との4種類の把持方法で、対象物を把持できる。
請求項4記載の発明によれば、各把持部を個別に駆動する場合に比べて、各把持部材が各回転中心で回転することで、駆動源を減らすことができ、構成が簡素化され、費用を削減できる。
請求項5記載の発明によれば、非回転把持部どうしでの把持と、回転把持部どうしでの把持と、第1の非回転把持部と第3の把持部との間での把持との3種類の把持方法で、対象物を把持できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は本発明の実施例1の搬送機の説明図である。
【
図2】
図2は実施例1のロボットハンドの説明図である。
【
図4】
図4は実施例1の各把持部材の移動位置の説明図であり、
図4Aは回転把持位置に移動した状態の説明図、
図4Bは非回転把持位置に移動した状態の説明図、
図4Cは引掛け把持位置に移動した状態の説明図、
図4Dは第1の把持部材が第1の非回転把持位置に移動し且つ第2の把持部材が第3の把持位置に移動した状態の説明図である。
【
図7】
図7はロボットハンドで対象物を把持した状態の説明図であり、
図7Aは回転把持部で対象物を把持した状態の説明図、
図7Bは非回転把持部で対象物を把持した状態の説明図、
図7Cは引掛け把持部で対象物を把持した状態の説明図、
図7Dは第3の把持部で対象物を把持した状態の説明図である。
【
図8】
図8は実施例1のロボットハンドで対象物を把持した後に回転をさせる場合の説明図であり、
図8Aは非回転把持部で把持した状態の説明図、
図8Bは
図8Aの状態から回転把持部での把持に切り替えた状態の説明図、
図8Cは
図8Bの状態から対象物が回転した状態の説明図、
図8Dは
図8Cの状態から非回転把持部での把持に切り替えた状態の説明図である。
【
図9】
図9は実施例1の変更例の説明図であり、
図9Aは第2の引掛け把持部が装着された状態の説明図、
図9Bは第2の引掛け把持部が取り外された状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例0015】
図1は本発明の実施例1の搬送機の説明図である。
図1において、本発明の搬送機1は、搬送部の一例としての移動台車2を有する。移動台車2は、下部の四隅にキャスター3が設置されており、モータやギア等が内蔵された駆動ユニット4からの駆動を受けて、前後左右に移動可能に構成されている。移動台車2の上部には、枠体の一例として、複数の柱や梁からなるフレーム6が支持されている。
前記フレーム6には、上下方向の中央部に、収納部の一例としての収納ケース10が支持されている。収納ケース10には、対象物の一例として、包装されたおにぎりやサンドイッチ、弁当等の商品が収納されている。
【0016】
フレーム6には、ケース昇降部20が支持されている。ケース昇降部20は、上下方向に延びる直動アクチュエータ21を有する。直動アクチュエータ21は上下に駆動可能に構成されている。収納ケース10には、フレーム6の上下方向に延びる支柱6aに沿って上下方向に移動する昇降体22が支持されている。昇降体22は、直動アクチュエータ21に連結されており、直動アクチュエータ21の上下動に連動して、昇降体22が収納ケース10を上下方向に昇降可能に構成されている。
フレーム6の上部には、物品移送部30が支持されている。物品移送部30は、ロボットハンド100と、昇降部材の一例としての把持昇降部50と、把持移動部60とを有する。把持移動部60は、ロボットハンド100および把持昇降部50を前後左右に移動可能に構成されている。把持昇降部50は、ロボットハンド100を上下方向に移動可能に構成されている。
なお、搬送機1の移動台車2やケース昇降部20、把持昇降部50、把持移動部60等については、従来公知の種々の構成を採用可能であり、例えば、特許文献1(特開2021-94642号公報)に記載されているので、詳細な説明は省略する。
【0017】
(ロボットハンドの説明)
図2は実施例1のロボットハンドの説明図である。
図2において、実施例1の対象物把持装置の一例としてのロボットハンド100は、ベース部101を有する。ベース部101の上端部には、把持昇降部50に対して回転可能に支持される回転連結部102が配置されている。回転連結部102には、駆動源の一例としての回転用モータ103からの駆動が伝達され、ベース部101が把持昇降部50に対して回転可能である。
ベース部101の下部には、案内部の一例として、長手方向(左右方向)に延びるガイドロッド106,107が支持されている。ガイドロッド106,107は、前後(短手方向に)一対並行して配置されている。
【0018】
前側の第1のガイドロッド106には、第1の支持部材の一例としての第1のスライダ部111が支持されており、後側の第2のガイドロッド107には、第2の支持部材の一例としての第2のスライダ部121が支持されている。
第1のスライダ部111の上端部には、被案内部の一例として、前後左右の四隅の位置に被ガイド部112が配置されている。被ガイド部112は、前側の2つを第1のガイドロッド106が貫通し、且つ、後側の2つを第2のガイドロッド107が貫通した状態で、左右方向に移動可能に支持されている。したがって、第1のスライダ部111は、前側の左右一対の前被ガイド部112aと、後側の左右一対の後被ガイド部112bと、を有する合計4つの被ガイド部112がガイドロッド106,107にガイドされて、左右方向に移動可能である。後被ガイド部112bは、
図2において第2のスライダ部121の前被ガイド部122bと同一形状且つ前後対称に配置されており、ラック部材123との干渉を避けるための通過部112cが形成されている。
【0019】
また、第1のスライダ部111の前側の上部には、被駆動部の一例としてのラック部材113が配置されている。ラック部材113は、左右方向に延びる板状に形成されており、前後方向の内側の部分にギア歯状のラック歯が形成されている。第2のスライダ部121は、第1のスライダ部111と同様に構成され且つ前後左右対称に配置された、被ガイド部122やラック部材123を有する。
ラック部材113,123の内側には、駆動伝達部の一例としてのギア列131が配置されている。ギア列131は、2つのラック部材113,123のラック歯が噛み合う第1の伝達ギア132と、駆動源の一例としての間隔調整モータ133から駆動が伝達される第2の伝達ギア134と、を有する。
【0020】
したがって、間隔調整モータ133の正回転または逆回転に応じて、各伝達ギア132,134が回転し、ラック部材113,123が左右方向に移動する。ラック部材113,123の移動に応じて、第1のスライダ部111と第2のスライダ部121とが相対的に接近、離間する方向に移動する。すなわち、第1のスライダ部111と第2のスライダ部121との間隔を広くしたり、狭くしたりの調整が可能である。前記間隔調整モータ133やギア列131、ラック部材113,123、ガイドロッド106,107、被ガイド部112,122等により、実施例1の移動機構が構成されている。
【0021】
図3は実施例1の第1の把持部材の説明図であり、
図3Aは斜視図、
図3Bは
図3Aの矢印IIIB方向から見た図である。
図2、
図3において、第1のスライダ部111の下部には、第1の把持部材の一例としての第1のハンド部141が支持されている。第1のハンド部141は、第1のスライダ部111に対して、第1の回転中心142を中心として回転可能に支持されている。第1の回転中心(回転軸)142には、第1のスライダ部111に支持されたモータ111aから駆動が伝達される。
【0022】
第1のハンド部141は、第1の回転中心142の径方向に延びる第1のアーム部143を有する。第1のアーム部143は前後一対設けられている。第1のアーム部143の外端部は、前後方向に延びる第1の把持連結部144で連結されている。第1の把持連結部144の前後方向の中央部には、下方(径方向の外側)に向けて延びる第1の把持支持部146が形成されている。
前記第1の把持支持部146の下端部には、第1の回転把持部147が支持されている。実施例1の第1の回転把持部147は、円状の外表面147aを有する。
【0023】
第1の回転把持部147の上方には、第1の非回転把持部148が支持されている。実施例1の第1の非回転把持部148は、第1の把持支持部146に沿って延びる長板状に形成されており、長方形状の外表面148aを有する。また、第1の回転把持部147の外表面147aに対して、第1の非回転把持部148の外表面148aは、傾斜した位置に配置されている。したがって、実施例1では、第1の回転把持部147の外表面147aの延長上に第1の非回転把持部148の外表面148aは存在せず、且つ、第1の非回転把持部148の外表面148aの延長上にも第1の回転把持部147の外表面147aは存在しないように、配置されている。すなわち、第1の回転把持部147の外表面147aが対象物11に接触した状態では第1の非回転把持部148の外表面148aが対象物11に接触せず、第1の非回転把持部148の外表面148aが対象物11に接触した状態では第1の回転把持部147の外表面147aが対象物11に接触しないように、配置されている。なお、実施例1では、外表面147a,148aがシリコンで構成されており、弾力、弾性を有する。したがって、第1の非回転把持部148の外表面148aの延長上に第1の回転把持部147の外表面147aが一部重複していても、弾性変形で影響を無視することは可能である。したがって、2つの把持部147,148で両方同時に対象物11が把持されない(影響を無視できる)のであれば、一方の外表面の延長上に他方の外表面が一部重複する構成とすることも可能である。特に、実施例1の構成では、第1の回転把持部147で対象物11を挟む際に、挟まれた対象物11が第1の非回転把持部148に触れないようにマージン(余裕)を取るために、第1の非回転把持部148の外表面148aの延長上に第1の回転把持部147の外表面147aを少し重複させることが好ましい。
【0024】
前記第1のアーム部143に対して、第1の回転中心142の周方向にずれた位置、すなわち、第1の回転把持部147および第1の非回転把持部148に対して傾斜した位置に、第1の引掛け把持部149が配置されている。第1の引掛け把持部149は、前後一対配置されている。第1の引掛け把持部149の径方向の外端部には、左右方向の内側に屈曲した引掛け爪部149aが形成されている。
【0025】
図4は実施例1の各把持部材の移動位置の説明図であり、
図4Aは回転把持位置に移動した状態の説明図、
図4Bは非回転把持位置に移動した状態の説明図、
図4Cは引掛け把持位置に移動した状態の説明図、
図4Dは第1の把持部材が第1の非回転把持位置に移動し且つ第2の把持部材が第3の把持位置に移動した状態の説明図である。
実施例1の第1のハンド部141では、符号143~149を付した各部が、第1の回転中心142を中心として一体的に回転可能に支持されている。実施例1の第1のハンド部141は、第1の回転把持部147が対象物11に対向する第1の回転把持位置(
図4A参照)と、第1の非回転把持部148が対象物11に対向する第1の非回転把持位置(
図4B、
図4D参照)と、第1の引掛け把持部149が対象物11に対向する第1の引掛け把持位置(
図4C参照)と、の間で、第1の回転中心142を中心として回転移動可能に構成されている。したがって、第1のハンド部141は、モータの正逆回転および停止に応じて、第1の回転把持位置、第1の非回転把持位置、第1の引掛け把持位置の間で移動する。
【0026】
図5は実施例1の第2の把持部材の説明図であり、
図5Aは斜視図、
図5Bは
図5Aの矢印VB方向から見た図である。
図2、
図4、
図5において、第2のスライダ部121の下部には、第2の把持部材の一例としての第2のハンド部161が支持されている。第2のハンド部161は、第1のハンド部141の第1の回転中心142、第1のアーム部143、第1の把持連結部144、第1の把持支持部146、第1の回転把持部147、第1の非回転把持部148、第1の引掛け把持部149と同様に構成され且つ左右対称に配置された第2の回転中心162、第2のアーム部163、第2の把持連結部164、第2の把持支持部166、第2の回転把持部167、第2の非回転把持部168、第2の引掛け把持部169を有する。
【0027】
また、実施例1の第2のスライダ部121には、第2の回転中心162の周方向において、第2のアーム部163および第2の引掛け把持部169からズレた位置、すなわち、第2の回転把持部167、第2の非回転把持部168、第2の引掛け把持部169に対して傾斜した位置に、第3の把持部171が配置されている。第3の把持部171は、前後一対配置されている。また、実施例1の第3の把持部171は、外端部の第3の接触面171aが長方形状に形成されている。すなわち、実施例1の第3の把持部171は、第1の非回転把持部148や第2の非回転把持部168と異なり、前後で合計2つの第3の接触面171aを有し、2つの第3の接触面171aが対象物11に接触可能である。したがって、第3の把持部171では、対象物11に接触可能な箇所の数が第2の回転把持部167や第2の非回転把持部168とは異なる。
【0028】
実施例1の第2のハンド部161では、符号163~171を付した各部が、第2の回転中心162を中心として一体的に回転可能に支持されている。実施例1の第2のハンド部161は、第2の回転把持部167が対象物11に対向する第2の回転把持位置(
図4A参照)と、第2の非回転把持部168が対象物11に対向する第2の非回転把持位置(
図4B参照)と、第2の引掛け把持部169が対象物11に対向する第2の引掛け把持位置(
図4C参照)と、第3の把持部171が対象物11に対向する第3の把持位置(
図4D参照)との間で、第2の回転中心162を中心として回転移動可能に構成されている。したがって、第2のハンド部161は、モータの正逆回転および停止に応じて、第2の回転把持位置、第2の非回転把持位置、第2の引掛け把持位置、第3の把持位置の間で移動する。
【0029】
したがって、
図4Aにおいて、各ハンド部141,161が回転把持位置に移動すると、回転把持部147,167で対象物11を挟んだ状態で把持することが可能である。
また、
図4Bにおいて、各ハンド部141,161が非回転把持位置に移動すると、非回転把持部148,168で対象物11を挟んだ状態で把持することが可能である。
さらに、
図4Cにおいて、各ハンド部141,161が引掛け把持位置に移動すると、引掛け把持部149,169の引掛け爪部149a,169aで対象物11の縁または底の部分を引掛けた状態で把持、いわば、掬い上げた状態、抱え上げた状態、吊り上げた状態とすることが可能である。
また、
図4Dにおいて、第1のハンド部141を第1の非回転把持位置に移動させると共に、第2のハンド部161を第3の把持位置に移動させると、対象物11を第1の非回転把持部148と第3の把持部171とで挟んだ状態で把持することが可能である。
【0030】
ロボットハンド100の外方には、ロボットハンド100に把持された対象物11の姿勢や位置を検知可能な検知部材の一例としてのカメラ(図示せず)がフレーム6に支持されている。なお、カメラの設置位置はフレーム6に限定されず、例えば、ロボットハンド100のベース部101の側面等、任意の位置に設置可能である。
【0031】
(実施例1の搬送機1の制御手段の説明)
図6は実施例1の制御手段の説明図である。
図6において、実施例1の搬送機1には、制御手段の一例としての制御部200が設置されている。制御部200は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な起動処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM等に記憶された起動プログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)ならびにクロック発振器等を有するコンピュータ装置により構成されており、前記ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
制御部200には、基本動作を制御する基本ソフト、いわゆる、オペレーティングシステムOS、アプリケーションプログラムの一例としての搬送機制御プログラムAP1、その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
【0032】
(実施例1の制御部200に接続された要素)
制御部200には、カメラ等の信号出力要素からの出力信号が入力されている。
また、実施例1の制御部200は、移動台車2やケース昇降部20、把持昇降部50、把持移動部60、ロボットハンド100の各部位に設置されたモータ103,111a,121a,133等の被制御要素へ制御信号を出力している。
【0033】
(制御部200の機能)
実施例1の制御部200の搬送機制御プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)201~207を有する。
【0034】
移動制御手段201は、移動台車2を制御して、搬送機1の移動を制御する。移動制御手段201は、対象物の搬送作業を行う位置、例えば、おにぎり等を陳列する陳列棚の位置に搬送機1を移動させる。
ケース昇降制御手段202は、ケース昇降部20を制御して、収納ケース10の高さを制御する。実施例1のケース昇降制御手段202は、ロボットハンド100でおにぎり等の対象物を取り出す作業を行う際に、対象物の高さが予め設定された作業用の高さ(位置)となるように収納ケース10の高さを制御する。
【0035】
対象物判別手段203は、カメラの映像に基づいて、収納ケース10から陳列棚へ搬送する対象であるおにぎり等の対象物を判別する。実施例1の対象物判別手段203は、対象物の位置、外形および姿勢を判別する。なお、複数の対象物が存在する場合には、予め定められた優先順位に基づいて搬送する対象物を選定可能である。一例として、収納ケースにおいて、最も高い位置にあるものから順に選定したり、収納ケース10の左上に近いものから順に選定するといった形で対象物を選定することが可能である。
また、おにぎりやサンドイッチ、弁当等の対象物の種類については、種類ごとに異なる収納ケース10に入れる(例えば、おにぎりのみが収納された収納ケース10にする)とか、収納ケース10内でおにぎりが収納される領域とサンドイッチが収納される領域と弁当が収納される領域を予め区分けしておくとか、おにぎり等の外形を予め登録しておき画像解析で判定するとか、任意の変更が可能である。
【0036】
把持昇降制御手段204は、把持昇降部50を制御して、ロボットハンド100の昇降を制御する。実施例1の把持昇降制御手段204は、ロボットハンド100がおにぎり等の対象物を把持する場合、ロボットハンド100を収納ケース10のおにぎり等の高さまで初期位置から下降させる。そして、ロボットハンド100が対象物を把持すると、ロボットハンド100を上昇させる。そして、ロボットハンド100が対象物の設置位置まで移動するとロボットハンド100を下降させる。ロボットハンド100が対象物を設置位置で離すと、初期位置に向けて上昇させる。
【0037】
把持移動制御手段206は、把持移動部60を制御して、ロボットハンド100の前後左右の位置を制御する。実施例1の把持移動制御手段206は、ロボットハンド100がおにぎり等の対象物を把持する場合、ロボットハンド100を収納ケース10のおにぎり等の位置まで初期位置から移動させる。そして、ロボットハンド100が対象物を把持して上昇すると、対象物の設置位置までロボットハンド100を移動させる。ロボットハンド100が対象物を設置位置で離すと、初期位置に向けて移動させる。
【0038】
図7はロボットハンドで対象物を把持した状態の説明図であり、
図7Aは回転把持部で対象物を把持した状態の説明図、
図7Bは非回転把持部で対象物を把持した状態の説明図、
図7Cは引掛け把持部で対象物を把持した状態の説明図、
図7Dは第3の把持部で対象物を把持した状態の説明図である。
ロボットハンド制御手段207は、ロボットハンド100を制御して、おにぎりやサンドイッチ、弁当、カップ等の対象物11の把持または把持解除を行う。実施例1のロボットハンド制御手段207は、対象物がおにぎりまたはサンドイッチか、弁当か、カップかを判別する。すなわち、対象物の種類を判別する。そして、おにぎりまたはサンドイッチを把持する場合、対象物の姿勢を検出して、回転が必要な状態か否かを判別する。
図7において、おにぎりまたはサンドイッチには、陳列棚に設置する姿勢が予め登録されており、設置する姿勢とカメラで検出した対象物の姿勢とを画像解析で比較することで、回転が必要な対象物11であるか、回転が不要な対象物11であるかを判別する。
【0039】
実施例1では、対象物がおにぎりまたはサンドイッチであり且つ回転が必要な対象物11の場合、まず、スライダ部111,121を、間隔が最も広い位置に移動させた状態で、各ハンド部141,161をそれぞれ回転把持位置に移動させる。そして、スライダ部111,121を互いに接近する方向に移動させる。この結果、
図7Aに示すように、回転把持部147,167どうしで対象物11が挟まれて把持される。なお、回転把持部147,167で把持された状態でロボットハンド100が上昇して、対象物11が離床すると、回転把持部147,167の把持する位置11aと対象物11の重心位置11bとの位置関係に応じて、対象物11の自重で対象物11が回転可能である。
【0040】
対象物がおにぎりまたはサンドイッチであり且つ回転が不要な対象物11の場合、スライダ部111,121を、間隔が最も広い位置に移動させた状態で、各ハンド部141,161をそれぞれ非回転把持位置に移動させる。そして、スライダ部111,121を互いに接近する方向に移動させる。この結果、
図7Bに示すように、非回転把持部148,168どうしで対象物11が挟まれて把持される。
【0041】
図8は実施例1のロボットハンドで対象物を把持した後に回転をさせる場合の説明図であり、
図8Aは非回転把持部で把持した状態の説明図、
図8Bは
図8Aの状態から回転把持部での把持に切り替えた状態の説明図、
図8Cは
図8Bの状態から対象物が回転した状態の説明図、
図8Dは
図8Cの状態から非回転把持部での把持に切り替えた状態の説明図である。
図8Aに示すように、対象物11を非回転把持部148,168で把持した状態で、対象物11の姿勢が目的の姿勢からズレている場合には、ロボットハンド制御手段207は、各ハンド部141,161を回転中心142,162を中心として回転(正回転、一方向への回転)させて、
図8Bに示すように、対象物11の把持を非回転把持部148,168から回転把持部147,167に切り替える。回転把持部147,167に把持された対象物11が回転する過程をカメラで観察して、対象物11が
図8Cに示すように目的の姿勢に到達すると、各ハンド部141,161を回転中心142,162を中心として回転(逆回転、逆方向への回転)させて、
図8Dに示すように、対象物11の把持を回転把持部147,167から非回転把持部148,168に切り替える。このようにすることで、ハンド部141,161で対象物11を把持した後に対象物11の姿勢を変更することも可能である。
【0042】
図7Cにおいて、対象物が弁当のような扁平な形状の対象物11の場合、スライダ部111,121を、間隔が最も広い位置に移動させた状態で、各ハンド部141,161をそれぞれ引掛け把持位置に移動させる。そして、スライダ部111,121を互いに接近する方向に移動させる。この結果、
図7Cに示すように、引掛け把持部149,169どうしで対象物11が挟まれて把持される。
図7Dにおいて、対象物が、飲料のカップやペットボトル、プリンやヨーグルト、アイスクリーム等の容器のような外表面が円筒または円錐状、すなわち、外表面が曲面状の対象物11の場合、スライダ部111,121を、間隔が最も広い位置に移動させた状態で、第1のハンド部141を第1の非回転把持位置に移動させると共に、第2のハンド部161を第3の把持位置に移動させる。そして、スライダ部111,121を互いに接近する方向に移動させる。この結果、
図7Dに示すように、第1の非回転把持部148と第3の把持部171で対象物11が挟まれて把持される。
また、実施例1のロボットハンド制御手段207は、対象物11が陳列棚の設置目標位置に移動すると、スライダ部111,121を互いに離間する方向に移動させて、対象物11の把持を解除する。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のロボットハンド100では、外表面が円筒状や円錐状の容器の場合に、第1の非回転把持部148と第3の把持部171とで把持される。この状態では、対象物11の外表面は、1つの第1の非回転把持部148と、2つの第3の把持部171の3か所で把持された状態となる。
【0044】
外表面が円筒状や円錐状の容器に対して、一対の回転把持部147,167で把持する場合や一対の非回転把持部148,168で把持する場合は、容器が左右両側から挟まれる際に、回転把持部147,167や非回転把持部148,168が外表面で滑ってしまう場合がある。すなわち、回転把持部147,167と外表面の2カ所の接触位置が容器の円形断面の中心を通過する線から外れていたり、容器が微小に変形して線から外れたりすると、両側から挟む力で接触位置が外表面に沿って滑り、容器が脱落、落下する場合がある。
これに対して、実施例1では、対象物11の容器の外表面の周方向に沿って3か所の接触位置で把持される。したがって、2か所で把持する場合に比べて、対象物11がロボットハンド100から脱落、落下することが抑制される。
【0045】
また、実施例1では、第1のハンド部141は3つの把持部147,148,149が一体的に構成され、第2のハンド部161は4つの把持部167,168,169,171が一体的に構成されている。そして、各ハンド部141,161は、各回転中心142,162を中心としてモータで駆動される。したがって、各把持部147~149,167~171を個別に駆動源を設ける場合に比べて、構成を簡素化でき、費用を削減できる。
【0046】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H05)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、フレーム6上でロボットハンド100が移動する搬送機1の構成を例示したが、これに限定されない。例えば、多関節のアーム状先端に設置されたロボットハンドにも適用可能である。
【0047】
(H02)前記実施例において、対象物11の一例としておにぎりやサンドイッチ、弁当、カップ等を例示したが、これに限定されず、冷凍食品やチルド食品、サラダ、菓子等の食品類、紙パックや缶入りの飲料類等、任意の物品に対して適用が可能である。
(H03)前記実施例において、第3の把持部171で把持する際に、第1の非回転把持部148との間で対象物11を把持する構成を例示したが、これに限定されない。第1の回転把持部147と第3の把持部171とを使用して、3か所で対象物11を把持する構成とすることも可能である。
【0048】
(H04)前記実施例において、回転把持部147,167と、非回転把持部148,168と、引掛け把持部149,169と、第1の非回転把持部148+第3の把持部171との4種類の把持が可能なロボットハンド100を例示したが、これに限定されない。例えば、回転把持部147,167と、第1の回転把持部147+第3の把持部171との2種類、非回転把持部148,168と、第1の非回転把持部148+第3の把持部171との2種類、回転把持部147,167と、非回転把持部148,168と、第1の非回転把持部148(または第1の回転把持部147)+第3の把持部171との3種類、回転把持部147,167と、引掛け把持部149,169と、第1の回転把持部147+第3の把持部171との3種類、非回転把持部148,168と、引掛け把持部149,169と、第1の非回転把持部148+第3の把持部171との3種類、の把持が可能な構成に変更することも可能である。また、実施例で例示した4種類の把持方法とは異なる5種類目以上の把持部を有する構成とすることも可能である。
【0049】
図9は実施例1の変更例の説明図であり、
図9Aは第2の引掛け把持部が装着された状態の説明図、
図9Bは第2の引掛け把持部が取り外された状態の説明図である。
(H05)前記実施例において、回転把持部147,167と、非回転把持部148,168と、引掛け把持部149,169と、第3の把持部171が一体的に構成された場合を例示したが、これに限定されない。例えば、
図9に示すように、第2の引掛け把持部169′を第2のアーム部163に対して着脱可能に構成して、長さの異なる第2の引掛け把持部169′を複数用意しておき、対象物11の大きさ、形状に応じて第2の引掛け把持部169′を交換する構成とすることも可能である。第2の引掛け把持部169′だけでなく、同様にして、第1の引掛け把持部149も着脱可能としたり、回転把持部147,167や非回転把持部148,168、第3の把持部171も形状や大きさが異なる複数種用意しておいて、対象物11に応じて交換可能な構成とすることも可能である。