(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060715
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/253 20200101AFI20240425BHJP
【FI】
G06F40/253
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168162
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】399021943
【氏名又は名称】アイビーリサーチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 正人
【テーマコード(参考)】
5B091
【Fターム(参考)】
5B091EA04
(57)【要約】
【課題】文書ファイルにおいて問題がある箇所を容易に特定し、修正できるようにする
【解決手段】コンピュータを、編集される文書ファイルを取得する取得部151と、文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定する特定部152と、特定部152が特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示し、メッセージが選択されると、選択されたメッセージに文書ファイルにおいて対応する箇所を異常箇所として提示する提示部153と、
として機能させるためのプログラム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
編集される文書ファイルを取得する取得部と、
前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定する特定部と、
前記特定部が特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示し、前記メッセージが選択されると、選択された前記メッセージに前記文書ファイルにおいて対応する箇所を異常箇所として提示する提示部と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
取得した前記文書ファイルを編集する操作を受け付ける受付部と、
前記受付部が受付けた前記操作に基づいて前記文書ファイルを編集する編集部と、
としてさらに機能させ、
前記特定部は、前記編集部が編集した前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記提示部は、前記編集部が編集した前記文書ファイルに含まれるテキストに異常があると前記特定部が特定した箇所を、他の箇所と異なる態様にすることにより前記異常箇所として提示する、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、
前記文書ファイルに含まれるテキストにおける複数の単語と前記複数の単語それぞれに結合された符号とを抽出する第1符号抽出部と、
前記文書ファイルに含まれる画像中に含まれる符号を抽出する第2符号抽出部と、
としてさらに機能させ、
前記特定部は、前記第1符号抽出部が抽出した前記テキストにおける符号のうち、前記第2符号抽出部が抽出した画像中に含まれる符号に含まれない符号である不一致符号を特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した前記不一致符号と、前記不一致符号と結合された単語と、を他の符号及び他の単語と異なる態様で表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記文書ファイルに含まれるテキストにおける複数の単語と前記複数の単語それぞれに関連付けられた符号とを抽出する第1符号抽出部と、
前記文書ファイルに含まれる画像中に含まれる符号を抽出する第2符号抽出部と、
としてさらに機能させ、
前記特定部は、前記第2符号抽出部が抽出した画像中に含まれる符号のうち、前記第1符号抽出部が抽出した前記テキストにおける符号に含まれない符号である不一致符号を特定し、
前記提示部は、前記特定部が特定した前記不一致符号を、他の符号と異なる態様で表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2符号抽出部は、前記文書ファイルに含まれる所定の文字列と所定の関係にある画像中に含まれる符号を抽出する、
請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
編集される文書ファイルを取得する取得部と、
前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定する特定部と、
前記特定部が特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示し、前記メッセージが選択されると、選択された前記メッセージに前記文書ファイルにおいて対応する箇所を異常箇所として提示する提示部と、
を有する情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
編集される文書ファイルを取得するステップと、
前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定するステップと、
前記特定するステップにおいて特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示するステップと、
前記メッセージの選択を受付けるステップと、
前記受付けるステップにおいて前記メッセージが選択を受付けると、選択された前記メッセージに前記文書ファイルにおいて対応する箇所を異常個所として提示するステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
文書ファイルに含まれるテキストに含まれる誤りを表示する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術においては、表示された誤りを有する箇所を示す情報に基づいて、作成する文書ファイルにおいてユーザが誤りを有する箇所を特定し、修正し、再度誤りのチェックをする必要があり、文書の作成に手間がかかるという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、文書ファイルにおいて問題がある箇所を容易に特定し、修正できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のプログラムにおいては、コンピュータを、編集される文書ファイルを取得する取得部と、前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定する特定部と、前記特定部が特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示し、前記メッセージが選択されると、選択された前記メッセージに前記文書ファイルにおいて対応する箇所を異常箇所として提示する提示部と、として機能させる。
【0007】
コンピュータを、取得した前記文書ファイルを編集する操作を受け付ける受付部と、前記受付部が受付けた前記操作に基づいて前記文書ファイルを編集する編集部と、としてさらに機能させ、前記特定部は、前記編集部が編集した前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定してもよい。
請求項1に記載のプログラム。
【0008】
前記提示部は、前記編集部が編集した前記文書ファイルに含まれるテキストに異常があると前記特定部が特定した箇所を、他の箇所と異なる態様にすることにより前記異常箇所として提示してもよい。
【0009】
前記コンピュータを、前記文書ファイルに含まれるテキストにおける複数の単語と前記複数の単語それぞれに結合された符号とを抽出する第1符号抽出部と、前記文書ファイルに含まれる画像中に含まれる符号を抽出する第2符号抽出部と、としてさらに機能させ、前記特定部は、前記第1符号抽出部が抽出した前記テキストにおける符号のうち、前記第2符号抽出部が抽出した画像中に含まれる符号に含まれない符号である不一致符号を特定し、前記提示部は、前記特定部が特定した前記不一致符号と、前記不一致符号と結合された単語と、を他の符号及び他の単語と異なる態様で表示させてもよい。
【0010】
前記コンピュータを、前記文書ファイルに含まれるテキストにおける複数の単語と前記複数の単語それぞれに関連付けられた符号とを抽出する第1符号抽出部と、前記文書ファイルに含まれる画像中に含まれる符号を抽出する第2符号抽出部と、としてさらに機能させ、前記特定部は、前記第2符号抽出部が抽出した画像中に含まれる符号のうち、前記第1符号抽出部が抽出した前記テキストにおける符号に含まれない符号である不一致符号を特定し、前記提示部は、前記特定部が特定した前記不一致符号を、他の符号と異なる態様で表示させてもよい。
【0011】
前記第2符号抽出部は、前記文書ファイルに含まれる所定の文字列と所定の関係にある画像中に含まれる符号を抽出してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の情報処理装置においては、編集される文書ファイルを取得する取得部と、前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定する特定部と、前記特定部が特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示し、前記メッセージが選択されると、選択された前記メッセージに前記文書ファイルにおいて対応する箇所を異常箇所として提示する提示部と、を有する。
【0013】
コンピュータが実行する、編集される文書ファイルを取得するステップと、前記文書ファイルに含まれるテキストに異常がある箇所を特定するステップと、前記特定するステップにおいて特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示するステップと、前記メッセージの選択を受付けるステップと、前記受付けるステップにおいて前記メッセージが選択を受付けると、選択された前記メッセージに前記文書ファイルにおいて対応する箇所を異常個所として提示するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、文書ファイルにおいて問題がある箇所をユーザが容易に特定し、修正できるようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】情報処理装置1における処理の概要について説明する図である。
【
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部14が記憶する記載方式情報の一例を示す図である。
【
図4】提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図5】提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図6】提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図7】提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図8】提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。
【
図9】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報処理装置1の概要]
図1は、情報処理装置1における処理の概要について説明する図である。情報処理装置1は、文書ファイルを編集し、編集された文書ファイルにおいて異常がある箇所を特定し、特定した異常がある箇所を表示するためのコンピュータである。情報処理装置1は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。
【0017】
情報処理装置1は、文書ファイルを取得する。文書ファイルは、例えば特許明細書等の特許文書の電子ファイルである。文書ファイルは、テキスト及び画像データを含む。情報処理装置1は、あらかじめ定められた文書の記載方式に基づいて、文書ファイルに含まれるテキストの異常がある箇所(異常箇所とも言う)を特定する。情報処理装置1は、画像データ中に含まれる文字を抽出し、テキスト及び画像データに含まれる文字を対象として異常箇所を特定してもよい。
【0018】
情報処理装置1は、特定した異常の内容を示す情報を表示する。ユーザは表示された異常の内容のうち、閲覧したい異常箇所を選択する。情報処理装置1は、文書ファイル内のテキスト又は画像データのうち、選択された異常箇所に対応する箇所を表示する。ユーザは、選択された異常箇所を確認し、必要に応じて文書ファイルを編集し、修正する。
【0019】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザが異常箇所を確認した上で、異常箇所を容易に編集することができる。
【0020】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、入力部12、表示部13、記憶部14及び制御部15を有する。制御部15は、取得部151、特定部152、提示部153、受付部154、編集部155、第1符号抽出部156及び第2符号抽出部157を有する。
【0021】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。入力部12は、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク等のユーザの操作を受付けるための入力デバイスである。入力部12は、受付けた操作に対応する操作信号を受付部154に入力する。
【0022】
表示部13は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスである。表示部13は、提示部153が生成した画面を表示するための表示信号に基づいて、画面を表示する。
【0023】
記憶部14は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを予め記憶している。
【0024】
記憶部14は、記載方式情報を記憶する。記載方式情報は、情報処理装置1が異常を判定するために用いる、判定対象の文書における正しい記載方式を示す情報である。
図3は、記憶部14が記憶する記載方式情報のデータ構造の一例を示す図である。記載方式情報は、「セクション」、「記載方式」及び「メッセージ」を含む。「セクション」は、当該記載方式を適用する文書または文書中のセクションを示す。「記載方式」は、文書ファイル中のテキストに適用される記載の規則を示す情報である。「メッセージ」は、「記載方式」において示された方式に合致しないテキストが特定された場合に表示するメッセージの内容を示す。一例として、「記載方式」は「請求項番号が一連番号で付されていること」であり、「メッセージ」は、「請求項〇がありません」である。
【0025】
制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部151、特定部152、提示部153、受付部154、編集部155、第1符号抽出部156及び第2符号抽出部157として機能する。
【0026】
取得部151は、編集される文書ファイルを取得する。取得部151は、記憶部14に記憶された文書ファイルを取得して取得したファイルを主記憶装置に展開し、取得したファイルを編集可能な状態にする。取得部151は、通信部11を介して文書ファイルを取得してもよい。
【0027】
提示部153は、取得部151が文書ファイルを取得すると、
図4に示す画面を表示部13に表示させる。
図4は、提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。
図4に示す画面においては、取得部151が取得した電子ファイルの内容を編集するための領域A1及びファイルの内容をチェックする操作をするための領域A2を含む。領域A1においては、文書ファイルに含まれるテキストTが表示されている。文書の編集については後述する。領域A2においては、文書ファイルにおけるテキストTにおいて異常がある箇所を特定するための操作(以下、「チェック操作」ともいう)をするためのボタンが配置されている。
【0028】
特定部152は、文書ファイルに含まれるテキストTに異常がある箇所を特定する。一例として、受付部154が領域A2に配置されたボタンを押す操作を受付けた場合、文書ファイルに含まれるテキストTに異常がある箇所を特定する。特定部152は、記憶部14に記憶された記載方式情報が示す記載方式と、文書ファイルに含まれるテキストTと、を比較し、記載方式情報が示す記載方式に合致しないセンテンス、単語、符号、句読点等がある場合に、記載方式に合致しないセンテンス等を異常がある箇所として特定する。
【0029】
提示部153は、特定部152が特定した箇所の異常に対応するメッセージを選択可能に提示し、表示されたメッセージが選択されると、選択されたメッセージに文書ファイルにおいて対応する箇所を異常箇所として提示する。
図5は、提示部153が表示させる画面の一例を示す図である。特定部152が文書ファイルに含まれるテキストTの異常を特定する処理が完了すると、提示部153は、
図5に示す画面を表示させる。
【0030】
図5に示す画面においては、異常を有する箇所についての情報を表示するための領域A3がさらに表示されている。領域A3においては、特定された異常を有する箇所と、当該箇所の異常内容を示すメッセージが表示されている。異常を有する箇所は、例えば、当該箇所に対応するページ数、段落数、行数、当該箇所のセンテンス又は単語等で特定される。編集対象の文書が特許文書である場合、請求項番号や「要約書」等の文書名で特定されてもよい。メッセージには、特定部152が特定したテキストTに含まれるの異常の内容に、記載方式情報において対応するメッセージが表示されている。
【0031】
図5の領域A2に表示されたメッセージを選択する操作を受付部154が受付けると、提示部153は、選択されたメッセージに対応する箇所を領域A1に表示させる。
図6は、表示されたメッセージが選択された場合において、提示部153が表示する画面の一例を示す図である。
図6においては、「タッチパネルに前記がありません」と表示されたメッセージが選択されており、当該メッセージに対応する箇所である「請求項2」における「タッチパネル」の単語を含むテキストTが領域A1において、表示されている。
【0032】
情報処理装置1がこのように構成されることで、文書ファイルにおいて問題がある箇所をユーザが容易に特定し、修正できるようにすることができる。
【0033】
なお、提示部153は、編集部155が編集した文書ファイルに含まれるテキストTに異常があると特定部152が特定した箇所を、他の箇所と異なる態様にすることにより異常箇所として提示してもよい。
図6に示す画面においては、特定された異常箇所である「請求項2」における「タッチパネル」の語が他の文字よりも大きく、下線を付して表示されている。提示部153は、特定された異常箇所を他の文字と異なる文字色で表示してもよいし、ハッチングして表示してもよい。このように異常箇所を表示するよう情報処理装置1が構成されることで、ユーザは異常箇所を容易に発見できるようになる。
【0034】
なお、
図6に示す画面においては、選択されたメッセージを他のメッセージと異なる態様で表示してしてもよい。このようにすることで、対応すべき異常の内容をユーザが把握しやすくなる効果を奏する。
【0035】
表示された異常がある箇所をそのまま編集し、その内容に基づいて再度編集された文書をチェックできるように情報処理装置1が構成されることで、ユーザは容易に文書を作成することが可能となる。
【0036】
受付部154は、取得した文書ファイルを編集する操作を受け付ける。編集部155は、受付部154が受付けた操作に基づいて文書ファイルを編集する。上述の例に基づいて説明すると、
図6に示す画面においてユーザは領域A1に表示された文書を編集する操作をし、「請求項2」における「タッチパネル」の前に「前記」の語を追加する。そして、ユーザは、領域A2に表示されたボタンを押し、異常箇所を特定する操作をする。
【0037】
特定部152は、編集部155が編集した文書ファイルに含まれるテキストTに異常がある箇所を特定する。受付部154が、領域A2に表示されたボタンを押す操作を受付けた場合、記憶部14が記憶する記載方式情報と、に基づいて編集された文書ファイルに含まれるテキストTに含まれる異常箇所を再度特定する。
図7は、この場合に提示部153が提示する画面の一例を示す図である。
図7に示す画面においては、「請求項2」における「タッチパネル」の記載が記載方式と合致していることから、
図6に示す画面に表示されたメッセージと比較して、当該箇所に関するメッセージが表示されていない。
【0038】
情報処理装置1がこのように構成されることで、特定された異常に対応する箇所をユーザが容易に編集することができ、編集した内容で異常が解消できているかをユーザが容易に確認することができる。
【0039】
[符号の比較]
図面が含まれる特許文書においては、図面とテキストとの間の不整合を発見するために手間を要する。そこで、図面とテキストTとの記載内容を照合してチェックした結果を表示し、表示された情報を参照しながら文書の該当箇所を編集できるように情報処理装置1が構成されると、ユーザの利便性が高い。
図8を参照してこの場合の処理について説明する。
【0040】
図面とテキストとの記載内容を照合するチェック操作がされると、第1符号抽出部156及び第2符号抽出部157は、テキストT及び画像データから符号を抽出する処理をする。第1符号抽出部156は、文書ファイルに含まれるテキストTにおける複数の単語Wと複数の単語Wそれぞれに結合された符号Rとを抽出する。第1符号抽出部156は、テキストTに含まれる文字列のうち、単語Wと符号Rが所定の文字数以内の距離で接続されているものを抽出する。
図8に示す例においては、単語Wは例えば「タッチパネル用入力補助装置」、「キートップシート」であり、それぞれに対応する符号Rは「B1」、「B2」である。
【0041】
一例として第1符号抽出部156は、文書ファイルに含まれるテキストTのうち、漢字、英字並びに片仮名で表記された文字又は所定の文字列(例えば「第1の」、「第2の」等)から構成される文字列の後に英数字から構成される文字列が接続されて構成される文字列(例えば、「タッチパネルB1」)を抽出し、漢字又は漢字以外の文字種を含む所定の文字列を単語Wとして抽出し、当該単語Wの後ろに接続された英数字から構成される文字列を符号Rとして抽出する。また、第1符号抽出部136は、単語Wと符号Rとの間に含まれるスペースが1文字以内の場合(例えば、「B1 タッチパネル」)に単語Wと符号Rとを抽出してもよい。
【0042】
第2符号抽出部157は、文書ファイルに含まれる画像F中に含まれる符号Rを抽出する。この場合の抽出対象の画像データ第2符号抽出部157は、文書ファイルに含まれる画像データをOCR処理することで、画像F中に含まれる数字や文字列等を符号Rとして抽出する。
【0043】
特定部152は、第1符号抽出部156が抽出したテキストTにおける符号Rのうち、第2符号抽出部157が抽出した画像中に含まれる符号Rに含まれない符号Rである不一致符号を特定する、特定部152は、テキストTから抽出した符号Rのうち、画像Fから抽出した符号Rに含まれない符号Rを特定する。
図8に示す例においては、図面中に「B1」、「B3」、「B4」が含まれるが、符号「B2」が含まれていない。他方、テキストTにおいては、符号「B1」、「B2」、「B3」が含まれていることを示している。特定部152は、不一致の符号として「B2」を特定し、テキストTに含まれる符号「B2」と接続された単語Wとして「キートップシート」を特定する。
【0044】
図8に示す画面においては、領域A3に代えて符号Rの照合結果を表示するための領域A4が表示されている。領域A4においては、テキストT中に含まれる符号Rと、その符号Rと接続された単語Wとが表示されている。提示部153は、特定部152が特定した不一致符号と、不一致符号と結合された単語Wと、を他の符号R及び他の単語と異なる態様で表示させる。提示部153は、領域A4不一致の符号Rを例えば他の符号Rと異なる色で表示してもよいし、下線を付して表示してもよい。受付部154が不一致の符号を選択する操作を受付けた場合、選択された不一致の符号Rを含む箇所を領域A1に表示させるよう構成されてもよい。
【0045】
また、テキストTには含まれず図面だけに含まれる符号Rがある場合には、図面に重畳して当該符号Rを強調して表示させてもよい。具体的には、特定部152は、第2符号抽出部157が抽出した画像F中に含まれる符号Rのうち、第1符号抽出部156が抽出したテキストTにおける符号Rに含まれない符号Rである不一致符号を特定する。提示部153は、特定部152が特定した不一致符号を、他の符号Rと異なる態様で表示させる。
図8に示す画面においては、画像Fに含まれる符号「B4」の隣に他の符号Rよりも大きく表示された「B4?」の文字が画像Fに重畳して表示されている。
【0046】
情報処理装置1がこのように構成されることで、人手による確認では特定に手間がかかる、画像とテキストのとの間で生じている不整合を容易に特定することができ、特定された異常に対応する箇所をユーザが容易に編集することができる。
【0047】
なお、文書ファイルには、符号抽出の対象とはならない画像データを含む場合があり、含まれる画像データのうち、符号Rの抽出対象とする画像を特定する必要がある。そこで、第2符号抽出部157は、文書ファイルに含まれる所定の文字列と所定の関係にある画像中に含まれる符号を抽出してもよい。所定の文字列は例えば、「〈図※〉(※はワイルドカード)」である。所定の関係は例えば、所定の文字列と画像データとの間に含まれる文字数が所定の字数以内であることである。所定の関係の一例は、空白、改行等を除いて所定の文字列と画像データの間に含まれる文字が無い場合である場合である。なお、受付部151が画像データを文書ファイルに挿入する際に、画像データが挿入される位置の直前に所定の文字列を埋め込むように編集部155が構成されてもよい。
【0048】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図9は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図9におけるフローチャートは、編集対象の文書ファイルを取得する時点から開始している。
【0049】
取得部151は、編集される文書ファイルを取得する(S01)。受付部154は、文書の編集操作を受付け(S02)、編集部155は、受付けた編集内容を文書ファイルに反映させる。特定部152は、チェックの操作を受付けたか否かを判定する(S03)。チェックの操作は、
図4等の領域A2に表示されたボタンを押す操作である。
【0050】
チェックの操作を受付けない場合(S03におけるNO)、情報処理装置1は、処理をS02に進める。チェックの操作を受付けた場合(S03におけるYES)、特定部152は、文書ファイルに含まれるテキストの異常箇所を特定する(S04)。提示部153は、特定部152が特定した異常箇所があるか否かを判定する(S05)。
【0051】
特定部152が特定した異常箇所が無い場合(S05におけるNO)、情報処理装置1は、処理をS02に進める。特定部152が特定した異常箇所が有る場合(S05におけるYES)、特定部152が特定した異常箇所に対応するメッセージを表示する(S06)。
【0052】
情報処理装置1は、受付けた操作の内容を判定する(S07)。表示されたメッセージが選択された場合(S07におけるCase.1)、提示部153は、選択されたメッセージに対応する箇所を表示し(S08)、処理をS07に進める。
【0053】
S07において受付部154が編集操作を受付けた場合(Case.2)、編集部155は、受付けた編集の内容を文書ファイルに反映させる(S09)。S07において受付部154がチェック操作を受付けた場合(Case.3)、情報処理装置1は、処理をS04に進める。S07において受付部154が終了操作を受付けた場合(Case.4)、情報処理装置1は処理を終了させる。
【0054】
[情報処理装置1による効果]
情報処理装置1がこのように構成されることで、文書ファイルにおいて問題がある箇所をユーザが容易に特定し、修正できるようにすることができるという効果を奏する。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0056】
1 情報処理装置
11 通信部
12 入力部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
151 取得部
152 特定部
153 提示部
154 受付部
155 編集部
156 第1符号抽出部
157 第2符号抽出部