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特開2024-60718情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060718
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240425BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20240425BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/02 470
G06Q30/02 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168169
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 孔司
(72)【発明者】
【氏名】牛窪 裕一
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザが応答しやすいタイミングで情報を通知することが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】ユーザの体動を示す情報の履歴である体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴である応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する制御部、を備える情報処理装置。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体動を示す情報の履歴である体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴である応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記ユーザの前記体動履歴と前記ユーザの前記応答遅延履歴とに基づいて、前記ユーザが通知されたメッセージに応答する可能性の高さを示す応答可能性の対象の時間帯における時系列推移である、前記応答可能性の第1の時系列推移を推定し、前記応答可能性の前記第1の時系列推移に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記応答可能性の前記第1の時系列推移において前記応答可能性が所定の閾値よりも高い1つ以上の第1の時間帯を、前記ユーザにメッセージを通知可能な時間帯である通知時間帯として決定し、前記通知時間帯の中から前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記応答可能性の前記第1の時系列推移において、前記応答可能性が周期的に高まる複数の第2の時間帯を、前記ユーザにメッセージを通知可能な時間帯である通知時間帯として決定し、前記通知時間帯の中から前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記応答可能性の前記第1の時系列推移から前記第1の時間帯に対応する部分を除いた前記応答可能性の第2の時系列推移を生成し、前記応答可能性の前記第2の時系列推移の自己相関関数が極大値をとる最小のラグに基づく周期で前記応答可能性の前記第2の時系列推移を分割することで複数の前記応答可能性の第3の時系列推移を生成し、複数の前記応答可能性の前記第3の時系列推移の各々において相対的に前記応答可能性が高い時間帯を、前記第2の時間帯として決定する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記通知時間帯における前記応答可能性に基づいて、当該通知時間帯において通知するメッセージの内容を制御する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記通知時間帯の長さに基づいて、当該通知時間帯において通知するメッセージの内容を制御する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記通知時間帯において通知するメッセージとして、当該通知時間帯において実行するべき行動を提案するメッセージを生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記通知時間帯において通知するメッセージとして、当該通知時間帯よりも後の時間帯において実行するべき行動を提案するメッセージを生成する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記通知時間帯においてリアルタイムに取得された前記体動履歴にさらに基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記ユーザの前記対象の時間帯の過ごし方に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記ユーザの前記対象の時間帯の過ごし方と同一の過ごし方を前記ユーザが行った際に取得された、前記体動履歴と前記応答遅延履歴とに基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記ユーザの体動、前記ユーザの操作を受け付ける端末装置への操作、又は日時の少なくともいずれか1つに基づいて、前記ユーザの前記対象の時間帯の過ごし方を推定する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記ユーザの体動が大きいほど高い前記応答可能性を計算し、前記ユーザの体動が小さいほど低い前記応答可能性を計算する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記ユーザの前記応答遅延が短いほど高い前記応答可能性を計算し、前記ユーザの前記応答遅延が長いほど低い前記応答可能性を計算する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記ユーザに通知されたメッセージを出力する端末装置への前記ユーザの操作に基づいて、前記応答遅延履歴を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記ユーザが通知されたメッセージにおいて提案された行動を実行したか否かに基づいて、前記応答遅延履歴を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、歩数、加速度、又は歩数若しくは加速度の時間変化量の少なくともいずれか1つの履歴を、前記体動履歴として取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
ユーザの体動を示す情報の履歴を示す体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴を示す応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御すること、
を含む情報処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、
ユーザの体動を示す情報の履歴を示す体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴を示す応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御すること、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な情報をプッシュ通知としてユーザに提供する技術が知られている。例えば、下記特許文献1では、ユーザが持つ端末装置に対して情報を配信し、配信した情報を出力するタイミングをサーバが制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-021192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に開示された技術は、開発されてから未だ日が浅く、様々な観点で向上の余地が残されている。例えば、上記特許文献1では、ユーザが提供された情報に対し応答しやすいか否かは、何ら考慮されていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザが応答しやすいタイミングで情報を通知することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの体動を示す情報の履歴である体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴である応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する制御部、を備える情報処理装置が提供される。
【0007】
前記制御部は、前記ユーザの前記体動履歴と前記ユーザの前記応答遅延履歴とに基づいて、前記ユーザが通知されたメッセージに応答する可能性の高さを示す応答可能性の対象の時間帯における時系列推移である、前記応答可能性の第1の時系列推移を推定し、前記応答可能性の前記第1の時系列推移に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。
【0008】
前記制御部は、前記応答可能性の前記第1の時系列推移において前記応答可能性が所定の閾値よりも高い1つ以上の第1の時間帯を、前記ユーザにメッセージを通知可能な時間帯である通知時間帯として決定し、前記通知時間帯の中から前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定してもよい。
【0009】
前記制御部は、前記応答可能性の前記第1の時系列推移において、前記応答可能性が周期的に高まる複数の第2の時間帯を、前記ユーザにメッセージを通知可能な時間帯である通知時間帯として決定し、前記通知時間帯の中から前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記応答可能性の前記第1の時系列推移から前記第1の時間帯に対応する部分を除いた前記応答可能性の第2の時系列推移を生成し、前記応答可能性の前記第2の時系列推移の自己相関関数が極大値をとる最小のラグに基づく周期で前記応答可能性の前記第2の時系列推移を分割することで複数の前記応答可能性の第3の時系列推移を生成し、複数の前記応答可能性の前記第3の時系列推移の各々において相対的に前記応答可能性が高い時間帯を、前記第2の時間帯として決定してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記通知時間帯における前記応答可能性に基づいて、当該通知時間帯において通知するメッセージの内容を制御してもよい。
【0012】
前記制御部は、前記通知時間帯の長さに基づいて、当該通知時間帯において通知するメッセージの内容を制御してもよい。
【0013】
前記制御部は、前記通知時間帯において通知するメッセージとして、当該通知時間帯において実行するべき行動を提案するメッセージを生成してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記通知時間帯において通知するメッセージとして、当該通知時間帯よりも後の時間帯において実行するべき行動を提案するメッセージを生成してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記通知時間帯においてリアルタイムに取得された前記体動履歴にさらに基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。
【0016】
前記制御部は、前記ユーザの前記対象の時間帯の過ごし方に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記ユーザの前記対象の時間帯の過ごし方と同一の過ごし方を前記ユーザが行った際に取得された、前記体動履歴と前記応答遅延履歴とに基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。
【0018】
前記制御部は、前記ユーザの体動、前記ユーザの操作を受け付ける端末装置への操作、又は日時の少なくともいずれか1つに基づいて、前記ユーザの前記対象の時間帯の過ごし方を推定してもよい。
【0019】
前記制御部は、前記ユーザの体動が大きいほど高い前記応答可能性を計算し、前記ユーザの体動が小さいほど低い前記応答可能性を計算してもよい。
【0020】
前記制御部は、前記ユーザの前記応答遅延が短いほど高い前記応答可能性を計算し、前記ユーザの前記応答遅延が長いほど低い前記応答可能性を計算してもよい。
【0021】
前記制御部は、前記ユーザに通知されたメッセージを出力する端末装置への前記ユーザの操作に基づいて、前記応答遅延履歴を取得してもよい。
【0022】
前記制御部は、前記ユーザが通知されたメッセージにおいて提案された行動を実行したか否かに基づいて、前記応答遅延履歴を取得してもよい。
【0023】
前記制御部は、歩数、加速度、又は歩数若しくは加速度の時間変化量の少なくともいずれか1つの履歴を、前記体動履歴として取得してもよい。
【0024】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータにより実行される情報処理方法であって、ユーザの体動を示す情報の履歴を示す体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴を示す応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御すること、を含む情報処理方法が提供される。
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、ユーザの体動を示す情報の履歴を示す体動履歴と、前記ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴を示す応答遅延履歴と、に基づいて、前記ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御すること、を実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、ユーザが応答しやすいタイミングで情報を通知することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】オフィスワークの日においてユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する処理の具体例を説明するための図である。
図3】在宅ワークの日においてユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する処理の具体例を説明するための図である。
図4】第2の時間帯の決定方法の一例を説明するための図である。
図5】第2の時間帯の決定方法の一例を説明するための図である。
図6】第2の時間帯の決定方法の一例を説明するための図である。
図7】本実施形態に係るシステムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】本実施形態に係るシステムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
<1.構成例>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、システム1は、ウェアラブルセンサ10、端末装置20、及びサーバ30を含む。
【0030】
(1)ウェアラブルセンサ10
ウェアラブルセンサ10は、ユーザの体に装着され、ユーザの体動を示す情報を検出する装置である。一例として、ウェアラブルセンサ10は、歩数計であってもよい。その場合、ウェアラブルセンサ10は、加速度センサを有し、ユーザの歩数をユーザの体動を示す情報として検出する。
【0031】
(2)端末装置20
端末装置20は、ユーザ操作を受け付け、ユーザに対し各種情報を出力する装置である。端末装置20は、スマートフォン又はタブレット端末等の携帯可能な装置であってよい。図1に示すように、端末装置20は、入力部21、出力部22、通信部23、記憶部24、及び制御部25を含む。
【0032】
入力部21は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部21は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置を含んでいてもよい。入力装置としては、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、及びマイク等が挙げられる。
【0033】
出力部22は、情報を出力する機能を有する。出力部22は、ユーザに対し情報を出力する出力装置を含んでいてもよい。出力装置としては、例えば、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、及び音を出力する音出力装置等が挙げられる。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。
【0034】
通信部23は、端末装置20と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部23は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。例えば、通信部23は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、又は5G等のセルラー通信網を介して、他の装置と通信し得る。
【0035】
記憶部24は、各種情報を記憶する。記憶部24は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0036】
制御部25は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置20内の動作全般を制御する。制御部25は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部25は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。端末装置20は、制御部25による制御に基づいて、各種処理を実行する。入力部21により入力された情報の処理、出力部22による情報の出力、通信部23による情報の送受信、並びに記憶部24による情報の記憶及び読み出しは、制御部25により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、端末装置20により実行されるその他の処理も、制御部25により制御される。
【0037】
(3)サーバ30
サーバ30は、ユーザへの情報の通知を制御する情報処理装置の一例である。サーバ30は、例えばクラウドサーバであってよい。図1に示すように、サーバ30は、通信部31、記憶部32、及び制御部33を含む。
【0038】
通信部31は、サーバ30と他の装置との間で情報の送受信を行うための、通信インタフェースである。通信部31は、有線又は無線の任意の通信規格に準拠した通信を行う。例えば、通信部31は、Wi-Fi(登録商標)、又は5G等のセルラー通信網を介して、他の装置と通信し得る。
【0039】
記憶部32は、各種情報を記憶する。記憶部32は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0040】
制御部33は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従ってサーバ30内の動作全般を制御する。制御部33は、例えばCPU、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部33は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAMを含んでいてもよい。サーバ30は、制御部33による制御に基づいて、各種処理を実行する。通信部31による情報の送受信、並びに記憶部32による情報の記憶及び読み出しは、制御部33により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、サーバ30により実行されるその他の処理も、制御部33により制御される。
【0041】
図1示すように、サーバ30は、応答可能性推定部331、通知時間帯決定部332、及び通知制御部333を含む。応答可能性推定部331は、後述するユーザの応答可能性を推定する。通知時間帯決定部332は、応答可能性推定部331により推定された応答可能性に基づいて、後述する通知時間帯を決定する。通知制御部333は、通知時間帯決定部332により決定された通知時間帯を参照して、ユーザにメッセージを通知する。これらの各構成要素の動作については、後に詳しく説明する。
【0042】
<2.技術的特徴>
(1)概要
社会で生活するユーザには、24時間の中で周期的な行動が存在する。そして、周期的な行動と行動との合間において、ユーザはメッセージに応答しやすい。例えば、オフィスワーカーの生活においては、会議の長さが1時間単位で設定される等、行動の切り替わりが1時間単位で発生しやすい。会議と次の会議との合間等の、行動の切り替わりのタイミングに発生する隙間時間においては、トイレへの移動に伴う歩行又は端末装置20の操作が行われやすく、それに伴い、ユーザはメッセージに応答しやすくなる。また、出勤時、昼食時、退勤時、及び退勤後のリラックスした時間帯等は、24時間以内での繰り返しはないものの、決まった時間帯に発生する。そして、これらの時間帯では移動に伴う歩行又は端末装置20の操作が行われやすく、それに伴い、ユーザはメッセージに応答しやすくなる。
【0043】
そこで、サーバ30は、ユーザに関する様々な情報をウェアラブルセンサ10及び端末装置20から取得して、取得した情報に基づいてユーザがメッセージに応答しやすい時間帯を推定し、当該時間帯においてユーザにメッセージを通知する。かかる構成によれば、メッセージの見逃しを防止することが可能となる。
【0044】
なお、サーバ30がユーザにメッセージを通知するとは、ユーザがメッセージを受け取り可能な状態にすることを指す。一例として、サーバ30がユーザにメッセージを通知することは、サーバ30がメッセージを端末装置20に送信することであってよい。ユーザは、端末装置20を操作してメッセージを出力させることで、サーバ30から通知されたメッセージを閲覧することができる。メッセージの内容は任意であるが、ユーザが実行するべき行動を提案する情報を含んでいてもよい。一例として、メッセージは、ストレッチ、筋力トレーニング、又はウォーキング等の運動を行うよう提案する情報を含んでいてもよい。他の一例として、メッセージは、食事内容を提案する情報を含んでいてもよい。他の一例として、外の風景を眺める等の気分転換のための行動を行うよう提案する情報を含んでいてもよい。このようなメッセージを通知することで、ユーザの健康促進が期待される。
【0045】
また、ユーザがメッセージに応答することは、ユーザが通知されたメッセージを受け取ることを指す。一例として、ユーザがメッセージに応答することは、メッセージをユーザが閲覧すること、又は閲覧したメッセージにおいて提案された行動をユーザが実行することであってもよい。ユーザがメッセージを閲覧したか否か、及び閲覧したメッセージにおいて提案された行動をユーザが実行したか否かは、ウェアラブルセンサ10により検出された情報、又は端末装置20へのユーザ操作等に基づいて判定され得る。
【0046】
(2)メッセージを通知するタイミングの制御
制御部33は、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する。とりわけ、制御部33は、ユーザの体動を示す情報の履歴である体動履歴と、ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延の履歴である応答遅延履歴と、に基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する。
【0047】
体動の一例は、歩行である。体動履歴は、ユーザの歩数の履歴であってよい。例えば、サーバ30は、ウェアラブルセンサ10により検出されたユーザの歩数と歩数の検出時刻とを対応付けた情報を、体動履歴として取得する。
【0048】
応答遅延は、ユーザがメッセージを通知されてから応答するまでの応答遅延とユーザにメッセージが通知された時刻とを対応付けた情報である。応答遅延は、ユーザにメッセージを通知するたびに取得され、蓄積される。
【0049】
通勤時には、移動に伴う歩行が行われやすく、移動中の時間帯はユーザがメッセージに応答しやすい時間帯であると考えられる。また、会議と次の会議との合間、昼食時の休憩時間、及び退勤後のリラックスした時間帯には、端末装置20の操作が行われやすいため、応答遅延は短いと考えられる。即ち、ユーザの体動が大きい時間帯、及び/又は応答遅延が短い時間帯は、ユーザがメッセージに応答しやすい時間帯であると考えられる。この点、かかる構成によれば、ユーザがメッセージに応答しやすい時間帯において、ユーザにメッセージを通知することが可能となる。以下、
【0050】
詳しくは、まず、応答可能性推定部331は、体動履歴と応答遅延履歴とに基づいて、対象の時間帯における応答可能性の時系列推移である、応答可能性の第1の時系列推移を推定する。応答可能性とは、ユーザが通知されたメッセージに応答する可能性の高さを示す値である。応答可能性が高いほど、ユーザが通知されたメッセージに応答する可能性が高い。対象の時間帯とは、ユーザにメッセージを通知するタイミングが制御される時間帯である。例えば、対象の時間帯は、1日であってよい。
【0051】
次いで、通知時間帯決定部332は、応答可能性推定部331により推定された応答可能性の第1の時系列推移に基づいて、通知時間帯を決定する。通知時間帯とは、対象の時間帯のうち、ユーザにメッセージを通知可能な時間帯である。例えば、通知時間帯決定部332は、対象の時間帯のうち応答可能性が絶対的に又は相対的に1つ以上の高い時間帯を、通知時間帯として決定する。例えば、通知時間帯は、1日のうち応答可能性が高い数時間であってよい。
【0052】
そして、通知制御部333は、通知時間帯決定部332により決定された通知時間帯の中から、ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定する。詳しくは、通知制御部333は、通知時間帯決定部332により決定された1つ以上の通知時間帯に含まれるタイミングを、ユーザにメッセージを通知するタイミングとして決定する。例えば、通知制御部333は、通知時間帯の始期、又は通知時間帯において最も応答可能性が高い時刻を、ユーザにメッセージを通知するタイミングとして決定する。
【0053】
以上、メッセージを通知するタイミングの制御の概要を説明した。以下では、対象の時間帯を1日(以下では、対象日とも称する)とし、過去3か月に取得された体動履歴と応答履歴とに基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミングが制御されるものとする。その場合、例えば、毎日4時に、応答可能性推定部331は、過去3ヶ月間に取得された体動履歴と応答遅延履歴とに基づいて、当日(即ち、対象日)の応答可能性の第1の時系列推移を推定する。次いで、通知時間帯決定部332は、対象日の応答可能性の第1の時系列推移の中から、応答可能性が絶対的に又は相対的に高い1つ以上時間帯を、通知時間帯として決定する。そして、通知制御部333は、通知時間帯の中から、ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定する。以上説明した処理によれば、サーバ30は、過去に取得されたユーザの体動履歴とユーザの応答遅延履歴とから予測される、対象日のうちユーザが応答しやすいタイミングで、メッセージを通知することが可能となる。
【0054】
(3)応答遅延履歴の取得方法
制御部33は、端末装置20へのユーザの操作に基づいて、応答遅延履歴を取得する。一例として、制御部33は、端末装置20がメッセージを受信してからユーザ操作に応じてメッセージを出力するまでの時間長を、応答遅延として取得してもよい。他の一例として、制御部33は、サーバ30が端末装置20へメッセージを送信してから、端末装置20がメッセージを出力したことを示す情報がサーバ30により受信されるまでの時間長を、応答遅延として取得してもよい。かかる構成によれば、正確な応答遅延履歴を取得することが可能となる。
【0055】
制御部33は、ユーザが通知されたメッセージにおいて提案された行動を実行したか否かに基づいて、応答遅延履歴を取得してもよい。ユーザが通知されたメッセージにおいて提案された行動を実行したか否かは、ユーザにより端末装置20に入力されてもよい。若しくは、ユーザが通知されたメッセージにおいて提案された行動を実行したか否かは、ウェアラブルセンサ10により検出された情報に基づいて推定されてもよい。かかる応答遅延履歴に基づいて通知タイミングを制御することで、通知されたメッセージにおいて提案された行動をユーザが実行する確率を向上させることができる。その結果、ユーザの健康をより促進することが可能となる。
【0056】
なお、制御部33は、応答遅延履歴を取得するために、ランダムなタイミングでユーザにメッセージを通知してもよい。若しくは、制御部33は、応答遅延履歴の蓄積が少ないタイミングで、ユーザにメッセージを通知してもよい。かかる構成によれば、応答可能性をより精度よく推定することが可能となる。
【0057】
(4)対象日の過ごし方
制御部33は、ユーザの対象日の過ごし方に基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。ユーザの対象日の過ごし方としては、オフィスワーク、在宅ワーク、又は休暇といった働き方が挙げられる。近年では、1日ごとに働き方が容易に切り替わり得る。そして、働き方によって生活習慣が変化するので、応答可能性が高まる時間帯は相違し得る。この点、かかる構成によれば、応答可能性の推定精度をより向上させることが可能となる。
【0058】
詳しくは、制御部33は、ユーザの対象日の働き方と同一の働き方をユーザが行った際に取得された、体動履歴と応答遅延とに基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する。より具体的には、応答可能性推定部331は、働き方ごとの体動履歴と応答遅延とに基づいて、働き方ごとの応答可能性の第1の時系列推移を推定する。次いで、通知時間帯決定部332は、働き方ごとに通知時間帯を決定する。その後、通知制御部333は、ユーザの対象日の働き方に対応する通知時間帯の中から、ユーザにメッセージを通知するタイミングを決定する。かかる構成によれば、ユーザの対象日の働き方に応じた適切なタイミングで、ユーザにメッセージを通知することが可能となる。
【0059】
ユーザの対象日の働き方は、ユーザにより指定されてもよい。例えば、ユーザは、朝にその日の働き方を端末装置20に入力してもよい。かかる構成によれば、ユーザの対象日の働き方を精度よく特定することが可能となる。
【0060】
以下、図2及び図3を参照しながら、対象日の働き方ごとにユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する処理の具体例を説明する。
【0061】
-オフィスワークの日
図2は、オフィスワークの日においてユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する処理の具体例を説明するための図である。図2は、タイムチャート101、グラフ102、グラフ103、グラフ104、及びタイムチャート105を含む。
【0062】
タイムチャート101は、過去のオフィスワークの日であるMM/DDの各時間帯におけるユーザの行動を示している。タイムチャート101の横軸はMM/DDにおける4時から翌日4時までの時間である。A1~A7はユーザの行動を示している。詳しくは、A1は睡眠に対応し、A2は食事に対応し、A3は移動に対応し、A4は会議に対応し、A5は単独作業に対応し、A6はテレビ視聴に対応し、A7は入浴に対応する。
【0063】
グラフ102は、MM/DDに取得された体動履歴を示している。グラフ102の縦軸は歩数であり、横軸はMM/DDにおける4時から翌日4時までの時間である。グラフ102を参照すると、7時~9時、及び17時~20時に通勤に伴う歩数の増大が発生している。また、日中の1時間単位の会議又は単独作業の合間に、わずかな歩数の増大が発生している。
【0064】
グラフ103は、MM/DDに取得された応答遅延履歴を示している。グラフ103の縦軸は応答遅延であり、横軸はMM/DDにおける4時から翌日4時までの時間である。グラフ103を参照すると、会議A4の終わりに対応する時間帯D1及びD2、並びに食事A2又は移動A3に対応する時間帯D4において短い応答遅延が取得され、会議A4に重複する時間帯D3において長い応答遅延が取得されている。
【0065】
グラフ104は、過去3か月間のうちオフィスワークの日に取得された、歩数履歴と応答遅延履歴とを集計したものに基づいて推定された、オフィスワークの日である対象日における応答可能性の第1の時系列推移を示している。グラフ104の縦軸は応答可能性であり、横軸は対象日における4時から翌日4時までの時間である。グラフ104を参照すると、高い応答可能性を有する波形として、出勤時の時間帯に対応する波形R1、昼食時の時間帯に対応する波形R5、並びに退勤時及び退勤後のリラックスした時間帯に対応する波形R9が、発生している。他方、比較的低い応答可能性を有する波形として、日中の1時間単位の会議又は単独作業の合間に対応する時間帯に、波形R2~R4、及びR6~R8が発生している。
【0066】
タイムチャート105は、グラフ104に示した応答可能性の第1の時系列推移に基づいて決定された、オフィスワークの日である対象日における通知時間帯を示している。タイムチャート105に示すように、グラフ104の波形R1~R9に対応する時間帯N1~N9が、通知時間帯として決定されている。そして、これらの時間帯において、ユーザにメッセージが通知される。
【0067】
以上説明したように、対象日がオフィスワークの日である場合、会議と次の会議との合間、出勤時、昼食時、退勤時、及び退勤後のリラックスした時間帯といった、応答可能性が高いと考えられる時間帯N1~N9が、通知時間帯として決定される。これにより、まとまった長さの休憩時間、及び会議間の隙間時間といった、ユーザの生活習慣の中で応答しやすい時間帯にメッセージを通知することができる。そのため、ユーザが通知されたメッセージを見逃してしまうことを効果的に防止することが可能となる。
【0068】
-在宅ワークの日
図3は、在宅ワークの日においてユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する処理の具体例を説明するための図である。図3は、タイムチャート201、グラフ202、グラフ203、グラフ204、及びタイムチャート205を含む。本図における横軸、縦軸、及び記号の意味は、図2における横軸、縦軸、及び記号の意味と同様である。
【0069】
タイムチャート201は、過去の在宅ワークの日であるMM/DDの各時間帯におけるユーザの行動を示している。タイムチャート201を参照すると、在宅ワークの日には通勤に伴う移動A3の代わりに、単独作業A5が行われている。
【0070】
グラフ202は、MM/DDに取得された体動履歴を示している。グラフ202を参照すると、食事A2の前後に対応する時間帯で、昼食のための外出に伴う歩数の増大が発生している。また、日中の1時間単位の会議又は単独作業の合間に、わずかな歩数の増大が発生している。
【0071】
グラフ203は、MM/DDに取得された応答遅延履歴を示している。グラフ203を参照すると、会議A4の終わりに対応する時間帯D1及びD2において短い応答遅延が取得され、会議A4に重複する時間帯D3、及び単独作業A5に重複する時間帯D4において長い応答遅延が取得されている。
【0072】
グラフ204は、過去3か月間のうち在宅ワークの日に取得された、歩数履歴と応答遅延履歴とを集計したものに基づいて推定された、在宅ワークの日である対象日における応答可能性の第1の時系列推移を示している。グラフ204を参照すると、高い応答可能性を有する波形として、勤務開始前の時間帯に対応する波形R1、昼食時の時間帯に対応する波形R5、及び勤務終了後のリラックスした時間帯に対応する波形R11が、発生している。他方、比較的低い応答可能性を有する波形として、日中の1時間単位の会議又は単独作業の合間に対応する時間帯に、波形R2~R4、及びR6~R10が発生している。
【0073】
タイムチャート205は、グラフ204に示した応答可能性の第1の時系列推移に基づいて決定された、在宅ワークの日である対象日における通知時間帯を示している。タイムチャート205に示すように、グラフ204の波形R1~R11に対応する時間帯N1~N11が、通知時間帯として決定されている。そして、これらの時間帯において、ユーザにメッセージが通知される。
【0074】
以上説明したように、対象日が在宅ワークの日である場合も、対象日がオフィスワークの日である場合と同様に、応答可能性が高いと考えられる時間帯N1~N11が、通知時間帯として決定される。これにより、まとまった長さの休憩時間、及び会議間の隙間時間といった、ユーザの生活習慣の中で応答しやすい時間帯にメッセージを通知することができる。そのため、ユーザが通知されたメッセージを見逃してしまうことを防止することが可能となる。
【0075】
また、対象日が在宅ワークの日である場合とオフィスワークの日である場合とで、異なる時間帯が通知時間帯として決定される。これにより、対象日の過ごし方に応じた適切なタイミングで、メッセージを通知することができる。そのため、ユーザが通知されたメッセージを見逃してしまうことをより効果的に防止することが可能となる。
【0076】
(5)通知時間帯を決定する処理の詳細
以下では、図2に示した例において通知時間帯を決定する処理の詳細を説明する。
【0077】
-応答可能性の推定
応答可能性推定部331は、4時から24時間分のユーザの歩数を5分ごとの値に整形する。記憶部32は、整形後の1日単位の歩数のデータを、体動履歴として蓄積する。また、応答可能性推定部331は、4時から24時間分のユーザの応答遅延を5分ごとの値に整形する。記憶部32は、整形後の1日単位の応答遅延のデータを、応答遅延履歴として蓄積する。
【0078】
次いで、応答可能性推定部331は、対象日と同じ働き方mの日に取得された体動履歴について時刻tごとに集計して平均値をとることで、働き方mの日における時系列の平均歩数s(m,t)を計算する。また、応答可能性推定部331は、対象日と同じ働き方mの日に取得された応答遅延履歴について時刻tごとに集計して平均値をとることで、働き方mの日における時系列の平均応答遅延r(m,t)を計算する。なお、時刻tは、5~10分単位の時刻であってよい。
【0079】
次に、応答可能性推定部331は、働き方mの日における時系列の応答可能性IA(m,t)を、次式に基づいて計算する。
【0080】
【数1】
【0081】
R0は、ユーザが応答しやすい時間帯であると判定可能な応答遅延の境界値であり、例えば10分とする。Wsは、歩数に対する重み係数であり、正の定数である。Wrは、応答遅延に対する重み係数であり、正の定数である。Ws及びWrの値は、実験的に決定されてもよい。ただし、応答遅延が取得されていない時刻については、Wr=0とされてよい。
【0082】
上記数式(1)に示すように、応答可能性推定部331は、ユーザの体動が高いほど高い応答可能性を計算し、ユーザの体動が小さいほど低い応答可能性を計算してもよい。より具体的には、応答可能性推定部331は、歩数が多いほど高い応答可能性を計算し、歩数が少ないほど低い応答可能性を計算してもよい。例えば、自席で作業中の時間帯等の歩数が少ない時間帯においては、ユーザが端末装置20に触れる機会が無く、応答可能性は低いと考えられる。他方、自席から会議室へ移動中の時間帯等の歩数が多い時間帯においては、ユーザが端末装置20に触れる機会があり、応答可能性は高いと考えられる。この点、かかる構成によれば、応答可能性を精度よく推定することが可能となる。
【0083】
上記数式(1)に示すように、応答可能性推定部331は、ユーザの応答遅延が短いほど高い応答可能性を計算し、ユーザの応答遅延が長いほど低い応答可能性を計算してもよい。応答遅延が短いほど、ユーザが応答しやすいと考えられる。この点、かかる構成によれば、応答可能性を精度よく推定することが可能となる。
【0084】
-通知時間帯の決定
通知時間帯決定部332は、応答可能性の第1の時系列推移において応答可能性が所定の閾値よりも高い1つ以上の第1の時間帯を通知時間帯として決定する。図2に示した例においては、グラフ104に示した波形R1~R9において、応答可能性が閾値TH1よりも高い時間帯N1、N5及びN9が、第1の時間帯に相当する。かかる構成によれば、応答可能性が高い、まとまった長さの時間帯で、ユーザにメッセージを通知することが可能となる。
【0085】
さらに、通知時間帯決定部332は、応答可能性の前記第1の時系列推移において、応答可能性が周期的に高まる複数の第2の時間帯を通知時間帯として決定する。図2に示した例においては、グラフ104における波形R1~R9において、第1の時間帯には相当しないものの応答可能性が周期的に高まっている波形R2~R4、及びR6~R8に対応する時間帯N2~N4、N6~N8が、第2の時間帯に相当する。かかる構成によれば、日中の1時間単位の会議又は単独作業の合間等、応答可能性が一時的に高まる時間帯で、ユーザにメッセージを通知することが可能となる。
【0086】
以下、第2の時間帯の決定方法について、図4図6を参照しながら詳しく説明する。図4図6は、第2の時間帯の決定方法の一例を説明するための図である。
【0087】
まず、通知時間帯決定部332は、応答可能性の前記第1の時系列推移から第1の時間帯に対応する部分を除いた応答可能性の第2の時系列推移を生成する。詳しくは、図4に示すように、通知時間帯決定部332は、図2に示したグラフ104における波形R1~R9のうち、第1の時間帯に対応する波形R1、R5及びR9を除くことで、グラフ106に示す応答可能性の第2の時系列推移を生成する。
【0088】
次いで、通知時間帯決定部332は、応答可能性の第2の時系列推移の自己相関関数が極大値をとる最小のラグに基づく周期で応答可能性の第2の時系列推移を分割することで、複数の応答可能性の第3の時系列推移を生成する。ラグとは、自己相関をとるために元データからシフトさせた量(即ち、時間)を指す。また、ここでの最小のラグとは、0を除く最小のラグであるものとする。図5のグラフ107は、図4のグラフ106に示した応答性の第2の時系列推移の自己相関関数を示している。グラフ107において、縦軸は自己相関であり、横軸はラグに対応する時間(単位は1時間(60分))である。グラフ107によれば、応答可能性の第2の時系列推移の自己相関関数が極大値をとる最小のラグTは1時間である。そこで、通知時間帯決定部332は、図4のグラフ106に示した応答性の第2の時系列推移を1時間単位で分割することで、複数の応答可能性の第3の時系列推移を生成する。図6のグラフ108は、生成された複数の応答可能性の第3の時系列推移のうち、11時から12時までの応答可能性の第3の時系列推移を示している。グラフ108において、縦軸は応答可能性であり、横軸は分割された時間区間を示す時間である。なお、最小のラグTが1時間であることは、会議又は単独作業等の行動の切り替わりが1時間単位で発生しやすいことに対応する。グラフ108を参照すると、行動の切り替わりの時間帯である9時50分前後に、高い応答可能性を有する波形R4が発生している。
【0089】
そして、通知時間帯決定部332は、複数の応答可能性の第3の時系列推移の各々において相対的に応答可能性が高い時間帯を、第2の時間帯として決定する。例えば、通知時間帯決定部332は、図6のグラフ108において、閾値TH2よりも高い時間帯N4を、第2の時間帯として決定する。閾値TH2は、第3の時系列推移において相対的に応答可能性が高い時間帯を抽出可能な値であれば任意に設定可能である。例えば、通知時間帯決定部332は、グラフ108における応答可能性の中間値又は平均値を、閾値TH2として設定してもよい。
【0090】
(6)通知内容の制御
通知制御部333は、通知時間帯における応答可能性に基づいて、当該通知時間帯において通知するメッセージの内容を制御してもよい。例えば、通知制御部333は、通知時間帯における通知可能性の最大値、平均値、又は波形の少なくともいずれか1つに基づいて、当該通知時間帯において通知するメッセージ内容を制御してもよい。かかる構成によれば、通知時間帯における応答可能性に基づいて、メッセージの内容を最適化することが可能となる。
【0091】
通知制御部333は、通知時間帯の長さに基づいて、通知時間帯において通知するメッセージの内容を制御してもよい。一例として、通知制御部333は、通知時間帯が短い場合、短文のメッセージを通知してもよい。他の一例として、通知制御部333は、通知時間帯が長い場合、長文のメッセージを通知してもよい。かかる構成によれば、通知時間帯の長さとメッセージの内容を受け取るために要する時間の長さとのバランスをとることが可能となる。
【0092】
通知制御部333は、通知時間帯において通知するメッセージとして、当該通知時間帯において実行するべき行動を提案するメッセージを生成してもよい。一例として、通知制御部333は、通知時間帯が短い場合には、当該通知時間帯において簡単なストレッチを行うよう提案するメッセージを通知してもよい。他の一例として、通知制御部333は、通知時間帯が長い場合には、当該通知時間帯において長時間ウォーキングするよう提案するメッセージを通知してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、通知されたメッセージにおいて提案された行動を無理なく実行することが可能となる。
【0093】
通知制御部333は、通知時間帯において通知するメッセージとして、当該通知時間帯よりも後の時間帯において実行するべき行動を提案するメッセージを生成してもよい。一例として、通知制御部333は、会議と次の会議との合間に、退勤後に長時間ウォーキングするよう提案するメッセージを通知してもよい。かかる構成によれば、ユーザは、通知されたメッセージに基づいて、後の予定を組むことが可能となる。
【0094】
(7)処理の流れ
図7は、本実施形態に係るシステム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、端末装置20及びサーバ30が関与する。
【0095】
図7に示すように、まず、端末装置20は、対象日の過ごし方の入力を受け付ける(ステップS102)。一例として、端末装置20は、毎日所定の時間帯(例えば7:00~8:00)において、その日の過ごし方を入力するようユーザに促す。ここでは、ユーザはオフィスワーカーであるものとし、その日の過ごし方として、オフィスワーク、在宅ワーク、又は休暇の3つの選択肢から回答を選択するものとする。
【0096】
端末装置20は、ユーザからの回答の入力を受け付けると、入力された対象日の過ごし方を示す情報をサーバ30へ送信する(ステップS104)。ここでは、一例として、オフィスワークが選択されたものとする。
【0097】
次いで、サーバ30は、対象日の過ごし方と現在時刻とに基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミング、及びメッセージの内容を決定する(ステップS106)。例えば、通知制御部333は、後述する図8のステップS218において決定された1日の過ごし方ごとの通知時間帯のうち、対象日の過ごし方に対応する通知時間帯(即ちオフィスワークの日の通知時間帯)を参照する。そして、通知制御部333は、直近の通知時間帯の中からメッセージを通知するタイミングを決定し、通知するメッセージの内容を決定する。
【0098】
次に、サーバ30は、現在時刻がステップS106において決定したタイミングに達すると、ステップS106において決定した内容のメッセージを通知する(ステップS108)。
【0099】
次に、端末装置20は、ユーザ操作に基づいてメッセージを表示する(ステップS110)。例えば、端末装置20は、サーバ30からメッセージを受信すると、メッセージを受信したことを示す情報を表示する。そして、端末装置20は、メッセージを開くボタンがユーザにより押下された場合に、受信したメッセージを表示する。これにより、ユーザはメッセージを閲覧することができる。
【0100】
次いで、端末装置20は、応答遅延履歴を記憶する(ステップS112)。例えば、端末装置20は、サーバ30からメッセージを受信してから、メッセージを表示するまでの時間長を、応答遅延として取得する。そして、端末装置20は、応答遅延とメッセージを受信した時刻とを対応付けた情報を、応答遅延履歴として記憶する。なお、ユーザが所定の時間を経過してもメッセージを閲覧しない場合、端末装置20は、応答遅延として所定の値(例えば、6時間)を記憶してもよい。
【0101】
次に、サーバ30は、現在時刻が4時に達したか否かを判定する(ステップS114)。現在時刻が4時に達していないと判定された場合(ステップS114:NO)、処理はステップS106に戻る。他方、現在時刻が4時に達したと判定された場合(ステップS114:YES)、処理は終了する。
【0102】
システム1は、上記説明した処理を、外部からの終了指示があるまで繰り返し実行する。
【0103】
システム1は、図7を参照しながら説明した処理を実行しながら、体動履歴、及び応答遅延履歴を取得する処理を、並行して実行する。以下、かかる処理の流れの一例を、図8を参照しながら説明する。
【0104】
図8は、本実施形態に係るシステム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、ウェアラブルセンサ10、端末装置20及びサーバ30が関与する。
【0105】
図8に示すように、まず、端末装置20は、対象日の過ごし方の入力を受け付ける(ステップS202)。次いで、端末装置20は、対象日の過ごし方を示す情報をサーバ30へ送信する(ステップS204)。ステップS202及びS204は、図7のステップS102及びS104の再掲である。
【0106】
次に、ウェアラブルセンサ10は、体動履歴を、定期的に端末装置20へ送信する(ステップS206)。例えば、ウェアラブルセンサ10は、ユーザの歩数を検出して、検出した歩数と歩数の検出時刻とを対応付けた情報を、体動履歴として記憶する。そして、ウェアラブルセンサ10は、記憶した体動履歴を、定期的に端末装置20へ送信する。
【0107】
次いで、端末装置20は、ウェアラブルセンサ10から受信した体動履歴をサーバ30へ送信する(ステップS208)。
【0108】
次に、サーバ30は、対象日の過ごし方に対応付けて、体動履歴を記憶する(ステップS210)。
【0109】
次いで、端末装置20は、応答遅延履歴を、サーバ30へ送信する(ステップS212)。例えば、端末装置20は、図7のステップS112において記憶した応答遅延履歴を、サーバ30へ送信する。
【0110】
次に、サーバ30は、対象日の過ごし方に対応付けて、応答遅延履歴を記憶する(ステップS214)。
【0111】
次いで、サーバ30は、現在時刻が4時に達したか否かを判定する(ステップS216)。現在時刻が4時に達していないと判定された場合(ステップS216:NO)、処理はステップS206に戻る。
【0112】
他方、現在時刻が4時に達したと判定された場合(ステップS216:YES)、サーバ30は、1日の過ごし方ごとの通知時間帯を決定する(ステップS218)。例えば、応答可能性推定部331は、過去3か月間のうちオフィスワークの日に取得された、歩数履歴と応答遅延履歴とに基づいて、オフィスワークの日の応答遅延の第1の時系列推移を推定する。そして、通知時間帯決定部332は、推定されたオフィスワークの日の応答遅延の第1の時系列推移に基づいて、オフィスワークの日の通知時間帯を決定する。同様の処理が、在宅ワークの日、及び休暇の日についても実行される。
【0113】
システム1は、上記説明した処理を、外部からの終了指示があるまで繰り返し実行する。
【0114】
<3.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0115】
上実施形態では、オフィスワーク又は在宅ワークといった、座位で働くことが多い働き方を行うユーザに本発明が適用される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。店舗での接客業務、又は工場作業等の、立位で働くことが多い働き方を行うユーザにも、本発明は適用可能である。接客業務又は工場作業などの仕事中の体動(例えば、立位での小さな体動)と休憩中の体動(例えば、休憩室又はトイレへの移動)とでは、単位時間当たりの歩数に差異が生じる。詳しくは、応答可能性が高い時間帯に入ったときに、歩数の時間変化量が大きくなりやすいと想定される。そのため、サーバ30は、歩数の時間変化量の履歴を、歩数の代わりに体動履歴として使用することで、応答可能性を適切に推定することができる。
【0116】
上記実施形態では、ウェアラブルセンサ10がユーザの体動を示す情報として歩数を検出する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。ウェアラブルセンサ10は、ユーザの体動を示す情報として、加速度、又は加速度の時間変化量を検出してもよい。
他にも、ユーザの体動を示す情報として、ユーザの目の瞬き、視線の動き、キーボードのタイピング、又はマウスのクリック等が、検出されてもよい。また、ユーザの体動を示す情報として、心拍数若しくは血圧等の生体情報、又は生体情報の時間変化量が検出されてもよい。体動を示す情報は、ウェアラブルセンサ10以外にも、端末装置20又は監視カメラ等の他の装置により検出されてもよい。
【0117】
上記実施形態では、対象の時間帯が1日である例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。対象の時間帯は、半日等の任意の長さをとり得る。これにより、例えば午前中は外出して午後はオフィスで働く、といった1日の中で働き方が変化するユーザに関しても、適切なタイミングでメッセージを通知することが可能となる。
【0118】
上記実施形態では、応答可能性推定部331が、体動履歴と応答遅延履歴の両方に基づいて応答可能性を推定する例を説明したが、本開示はかかる例に限定されない。応答可能性推定部331は、体動履歴又は応答遅延履歴の一方のみに基づいて、応答可能性を推定してもよい。
【0119】
上記実施形態では、通知時間帯決定部332が、自己相関関数を用いて応答可能性が高まる周期を推定する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。通知時間帯決定部332は、自己相関関数の代わりに、スペクトル解析、離散コサイン変換、又は統計処理等の公知の手法を用いて、応答可能性が高まる周期を推定してもよい。
【0120】
上記実施形態では、通知時間帯決定部332が、閾値TH2を用いて第2の時間帯を決定する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。通知時間帯決定部332は、応答可能性の第3の時系列推移に関するヒストグラムを求め、Pタイル法又は判別分析法などの公知の二値化の手法を用いて、第2の時間帯を決定してもよい。
【0121】
上記実施形態では、ユーザの対象日の過ごし方が端末装置20に入力される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、サーバ30は、ユーザの体動、端末装置20への操作、又は対象日の日時(例えば、曜日)の少なくともいずれか1つに基づいて、ユーザの対象日の過ごし方を推定してもよい。具体的には、対象日の7時~9時までの時間帯の歩数が所定の値よりも多い場合にはオフィスワークであり、少ない場合であって対象日が平日である場合は在宅ワークであり、それ以外は休暇である、と推定されてもよい。また、平日はオフィスワークを行い週末は休暇である等、曜日ごとに働き方が固定されたユーザに関しては、対象日の曜日が対象日の過ごし方として利用されてもよい。かかる構成によれば、ユーザの手間を軽減することが可能となる。
【0122】
上記実施形態では、応答可能性の推定、及び通知時間帯の決定が毎日実行される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。応答可能性の推定、及び通知時間帯の決定は、数日ごとに実行されてもよい。また、通知時間帯が経時的に変化しない又は経時的な変化が少ない場合には、通知時間帯決定部332は、通知時間帯を固定値としてもよい。例えば、通知時間帯決定部332は、平日9時~18時の毎時50~59分を、固定的な通知時間帯として決定してもよい。これにより、システム1の稼働負荷を抑制することが可能となる。
【0123】
上記実施形態では、ユーザごとに応答可能性の推定及び通知時間帯の決定が実行される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。生活習慣が共通する複数のユーザがグループ化され、グループごとに応答可能性の推定及び通知時間帯の決定が実行されてもよい。生活習慣が共通するとは、1日の過ごし方が同一である場合に、類似する体動履歴及び応答遅延履歴が取得されることを指す。生活習慣が共通する複数のユーザとして、例えば、同じ職場又は同じ学校に所属する複数のユーザ、シフト勤務で同一の勤務時間グループに属する複数のユーザが挙げられる。複数のユーザがグループ化として取り扱われる場合、応答可能性推定部331は、同一グループに属する複数のユーザの体動履歴及び応答遅延履歴を集計して、グループ全体の応答可能性を推定すればよい。
【0124】
上記実施形態では、サーバ30が、過去に取得された体動履歴及び応答遅延履歴に基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御する例を説明した。かかる構成によれば、サーバ30は、対象日にリアルタイムに取得された情報を参照せずとも、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御することができる。そのため、例えばウェアラブルセンサ10による体動履歴の取得を停止したとしても、ユーザに適切なタイミングでメッセージを通知することができる。その場合、ウェアラブルセンサ10の消費電力を抑制することが可能となる。もちろん、サーバ30は、対象日にリアルタイムに取得された情報を参照して、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。より具体的には、サーバ30は、通知時間帯においてリアルタイムに取得された体動履歴にさらに基づいて、ユーザにメッセージを通知するタイミングを制御してもよい。例えば、サーバ30は、通知時間帯においてリアルタイムに取得された体動履歴に基づいて、当該通知時間帯において最も応答可能性が高いタイミングで、ユーザにメッセージを通知してもよい。かかる構成によれば、より適切なタイミングでユーザにメッセージを通知することができる。他に、サーバ30は、対象日において取得された体動履歴に基づいて、ユーザに通知するメッセージの内容を制御してもよい。例えば、サーバ30は、対象日において検出されたユーザの歩数が少ない場合には、より強度の高い運動を行うよう提案するメッセージを通知してもよい。
【0125】
上記実施形態では、ウェアラブルセンサ10、端末装置20、及びサーバ30が協働してユーザにメッセージを通知する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。一例として、応答可能性推定部331、通知時間帯決定部332、及び通知制御部333が端末装置20に搭載され、サーバ30が省略されてもよい。他の一例として、加速度センサが端末装置20に搭載され、ウェアラブルセンサ10が省略されてもよい。
【0126】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(詳しくは、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどの処理回路により実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記のコンピュータは、ASICのような特定用途向け集積回路、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサ、又はクラウドコンピューティングに使用されるサーバ上のコンピュータ等であってよい。また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、複数のコンピュータにより分散して処理されてもよい。
【0127】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【符号の説明】
【0128】
1 システム
10 ウェアラブルセンサ
20 端末装置
21 入力部
22 出力部
23 通信部
24 記憶部
25 制御部
30 サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 応答可能性推定部
332 通知時間帯決定部
333 通知制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8