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特開2024-60722ゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060722
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/573 20140101AFI20240425BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20240425BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240425BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20240425BHJP
   A63F 13/44 20140101ALI20240425BHJP
   A63F 13/5372 20140101ALI20240425BHJP
【FI】
A63F13/573
A63F13/812 A
A63F13/69
A63F13/58
A63F13/44
A63F13/5372
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168173
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】小林 伊織
(72)【発明者】
【氏名】村上 武
(72)【発明者】
【氏名】三浦 陵介
(72)【発明者】
【氏名】村上 真吾
(72)【発明者】
【氏名】萩原 千香子
(72)【発明者】
【氏名】上西 隆仁
(72)【発明者】
【氏名】安達 庸佑
(72)【発明者】
【氏名】金子 絵里
(57)【要約】
【課題】移動体を移動させて的となる領域を狙うゲームの興趣性を高める。
【解決手段】特定領域設定手段は、移動体が移動可能な3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域を設定する。移動体移動手段は、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる。特定手段は、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する。
【選択図】図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元ゲーム空間内を移動体が移動するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域を設定する特定領域設定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動手段と、
前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定手段と、
を含むゲームシステム。
【請求項2】
前記特定領域設定手段は、複数の前記小領域が集まった一塊の前記特定領域を設定し、
前記特定手段は、前記移動体が移動する前記軌道に存在する、隣接する前記小領域を連続的に特定し得る
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記特定領域設定手段は、複数の前記小領域に対応する複数の小オブジェクトを配置する
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記特定手段によって特定された前記小領域に対応する前記小オブジェクトに作用を及ぼす作用手段をさらに含む、
請求項3に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記特定領域の全体、又は前記特定領域を構成する複数の前記小領域の一部を移動させる領域移動手段をさらに含む
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記領域移動手段は、前記移動体移動手段による前記移動体の移動が所定回数行われる毎に進行するゲームステージが進むほど、又は前記移動体移動手段による前記移動体の移動の回数が多くなるほど、前記特定領域の全体の移動、又は前記特定領域を構成する複数の前記小領域の一部の移動を複雑化する
請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記ユーザ操作には、複数の軌道に関する選択肢の中から1つを選択する選択操作が含まれ、
前記複数の軌道に関する選択肢のそれぞれについて、ユーザにより選択された選択肢の選択回数が所定回数以内の場合に、所定の特典を付与する特典付与手段をさらに含む
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記ユーザ操作には、複数の軌道に関する選択肢の中から1つを選択する選択操作が含まれ、
前記複数の軌道に関する選択肢は、前記移動体を移動させる操作対象に関連付けられているパラメータの1つであり、
前記操作対象は、前記ゲームとは異なる第2のゲームにおいて前記パラメータの変更又は設定が行われたものである
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記移動体の移動開始前に、前記移動体の移動後の軌道を予測するための予測軌道を表示する予測軌道表示手段をさらに備える
請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記ユーザ操作には、前記移動体の移動開始タイミングを指定するタイミング操作が含まれ、
前記移動体移動手段は、前記タイミング操作のタイミングに基づいて、前記移動体が移動する軌道を前記予測軌道から変更する
請求項9に記載のゲームシステム。
【請求項11】
3次元ゲーム空間内を移動体が移動するゲームを提供するゲーム制御装置であって、
前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域を設定する特定領域設定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動手段と、
前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定手段と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項12】
請求項1ないし10の何れか1項に記載のゲームシステムまたは請求項11に記載のゲーム制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームシステム、ゲーム制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザがキャラクタを操作してボール等の移動体を移動させ、当該移動体を平面の的であるパネルに当てるゲームが知られている。そして、ゲームの興趣性を高める工夫として、複数のパネルを右方向または左方向に移動させて移動体を当たり難くしたゲームもある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-176421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のゲームでは、的となる各パネルは平面であり、ユーザはパネルの正面に移動体を当てることを考えればよく、ゲームが単調になり易い。そこで、ゲームの興趣性をより高める工夫が望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的の一つは、移動体を移動させて的となる領域を狙うゲームの興趣性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によるゲームシステムは、3次元ゲーム空間内を移動体が移動するゲームを提供するゲームシステムであって、前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域を設定する特定領域設定手段と、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動手段と、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定手段と、を含む。
【0007】
本発明の他の一態様によるゲーム制御装置は、3次元ゲーム空間内を移動体が移動するゲームを提供するゲーム制御装置であって、前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域を設定する特定領域設定手段と、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動手段と、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
図2】イベントデッキの設定画面の一例を示す図である。
図3】育成選手の能力一覧画面の一例を示す図である。
図4】基本のゲーム画面の一例を示す図である。
図5】ブロック群を構成する複数のブロックを説明するための図である。
図6】ブロック群の移動を説明するための図である。
図7】球種選択後のゲーム画面の一例を示す図である。
図8】目標投球位置の調整の一例を示す図である。
図9】ボールが移動中のゲーム画面の一例を示す図である。
図10】投球されたボールの軌道とブロック群との位置関係の一例を示す3面図である。
図11】消去されるブロックの一例を示す図である。
図12】投球後(次の投球前)の基本のゲーム画面の一例を示す図である。
図13】ターゲット確認画面の一例を示す図である。
図14】ターゲット確認画面の一例を示す図である。
図15】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図16】ゲーム管理データのデータ構成の一例を示す図である。
図17】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図18】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
図19】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
図20】ゲームシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
【0010】
[1.ゲームシステムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末10-n(nは正の整数。10-1、10-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末10-nは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、単に「ゲーム端末10」と記載して説明する。
【0011】
本実施の形態のネットワークNは、インターネットに限定されるものではなく、ゲームシステム1内のゲーム端末10-n及びサーバ30を通信可能に相互に接続できるものであれば、例えば、専用回線、公衆回線(電話回線、移動体通信回線等)、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等であってもよく、或いはインターネットとこれらを組み合わせたものであってもよい。
【0012】
ユーザが操作するゲーム端末10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0013】
サーバ30は、例えば、サーバコンピュータである。サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースDBに記憶して管理する。データベースDBはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
【0014】
ゲームシステム1では、コンピュータ対戦(またはCPU対戦とも称される)や通信対戦が可能である。通信対戦では、例えば、ゲーム端末10-1を操作するユーザAと、ゲーム端末10-2を操作するユーザBとが、ネットワークNを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、サーバ30によってマッチングされたゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間のデータのやり取りを、サーバ30を経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
【0015】
ゲーム端末10-nとサーバ30との間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0016】
一方、P2P等で接続されるゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側のゲーム端末に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム端末10-1とゲーム端末10-2との間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0017】
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム端末10-nでは、複数台のゲーム端末10-n間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
【0018】
(ゲーム端末のハード構成)
ゲーム端末10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、補助記憶装置14、通信部15、操作部16、表示部17、および音声出力部18を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路、画像処理部、またはサウンド処理部等が介在しているが、ここでは図示を省略している。
【0019】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム端末10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム端末10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0020】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0021】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム端末10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0022】
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム端末10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
【0023】
表示部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて駆動され、ゲーム画面等を表示する。表示部17には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部17を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部17をタッチパネルとして構成した場合、ゲーム端末10は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部17の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。表示部17は、ゲーム端末10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム端末10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。このように、表示部17が外部接続されるテレビジョンモニタ等の場合、当該表示部17はゲーム端末10の構成には含まれない。
音声出力部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成してスピーカーより音声等を出力する。
【0024】
また、ゲーム端末10は、記録媒体ドライブを具備していてもよい。記録媒体ドライブとしては、例えば、DVD-ROMドライブ、CD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体としては、DVD-ROM、CD-ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブは、記録媒体から画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダを介してRAM13等に供給する。
【0025】
(サーバのハード構成)
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34、および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。なお、バスラインと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。
【0026】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM33は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0027】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末10-nとの間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。例えば、サーバ30をソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に組み込んだシステム構成とした場合、サーバ30の通信部35は、SNSサーバとの間の通信を制御する。また、例えば、サーバ30は、ユーザがプレイしたゲーム動画を、観戦者に配信する動画配信サーバとの間の通信を制御する。なお、サーバ30に動画配信機能を持たせることもできる。
【0028】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0029】
プログラムやデータは、ネットワークNを介して遠隔地からゲーム端末10又はサーバ30に供給されて、RAM13、補助記憶装置14、RAM33又は補助記憶装置34に記憶される。なお、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラムやデータを読み取るための構成要素(例えば光ディスクドライブ又はメモリーカードスロット等)がゲーム端末10又はサーバ30に備えられてもよい。そして、プログラムやデータが、前記情報記憶媒体を介してゲーム端末10又はサーバ30に供給されてもよい。
【0030】
なお、以下では、ゲーム端末10がタッチパネルを備えたスマートフォン又はタブレット型コンピュータである場合を想定する。画面へのタッチ、スライド、タッチオフ等の各種操作は、指やペン等の指示体によって行われるが、以下の説明では、指を用いた操作として説明する。
【0031】
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲームシステム1では、例えば、野球、サッカー、テニス、バレーボール等を題材としたスポーツゲーム等、各種ゲームを実行できる。なお、ゲームは、ゲーム端末10がサーバ30又は他のゲーム端末10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、ゲーム端末10単体で実行されてもよい。以下では、ゲームシステム1で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0032】
本実施形態の野球ゲームには、育成モード、チーム育成モード、抽選入手モード、強化モード、CPU対戦モード、リアルタイム対戦モード、サブゲームモード、大会モード等の様々なゲームモードが搭載されている。
【0033】
育成モードは、ユーザが育成対象キャラクタを育成して、自分だけのオリジナルのゲームキャラクタを作成するキャラクタ育成モードである。本実施形態では、育成モードにおいて、投手または野手(捕手も含む)のキャラクタを育成することができる。以下、ユーザが育成モードで作成したゲームキャラクタを「育成選手」と称する。育成選手は、チーム育成モード、CPU対戦モード、リアルタイム対戦モード、サブゲームモード、大会モード等の他のゲームモードで使用できる。チーム育成モードは、複数の選手キャラクタから構成されるチームの育成等を行うゲームモードである。
【0034】
抽選入手モードは、育成モードで育成対象キャラクタを育成するときに補助のオブジェクトとして利用できる、後述の「イベントキャラクタ」を抽選により入手可能なゲームモードである。この抽選入手モードでは、例えば、ゲーム内の全てのイベントキャラクタの中からユーザに付与するイベントキャラクタの抽選(いわゆるガチャ)が行われる。ユーザが抽選入手モードを実行するためには、例えば、所定量のゲーム内ポイント、課金アイテム等を必要としてもよい。
強化モードは、抽選入手モード等で入手したイベントキャラクタ同士を合成などすることでイベントキャラクタのレベルを向上させて強化できるモードである。
【0035】
CPU対戦モードは、コンピュータ対戦モードとも称される。例えば、CPU対戦モードに「スタジアム」等の名称を付けてもよい。このCPU対戦モードでは、ユーザが育成モードで育成した育成選手で編成した自チームの選手キャラクタの打撃操作、投球操作または守備操作等を行い、CPUが自動制御する対戦相手のチームと対戦する。例えば、CPUが自動制御する対戦相手チームは、他のユーザが育成モードで育成した育成選手で編成したチームである。
リアルタイム対戦モードは、ネットワークNを介して、ユーザが遠隔地の他のユーザとオンラインで通信対戦できるモードである。
【0036】
サブゲームモードは、ユーザが育成モードで育成した育成選手、または育成モードでも補助のオブジェクトとして使用されるイベントキャラクタ等を使用して実行できる様々なゲームを含む。
大会モードは、大会に参加した各ユーザが、前記育成モードの結果および/またはサブゲームモードの結果に基づいて順位を競うモードである。
【0037】
以下には、先ず育成モードのゲームについて説明し、その後、ユーザが育成モードで育成した育成選手を使用することができるゲームの一例について説明する。
育成モードでは、育成対象となる主人公キャラクタが、高校で野球の練習をし、様々なイベントを経て投手または野手として育成される。なお、本実施形態の育成モードでは複数のシナリオが用意されており、ユーザがその中の1つのシナリオを選択することができる。
シナリオが選択されると、まず、ユーザは主人公キャラクタの基本情報を決定する。基本情報としては、名前、ポジション、利き腕、打撃フォーム、投手の場合は投球フォームを決定する。ポジションについては、投手、捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、外野手から選択する。
【0038】
主人公キャラクタの基本情報が決定されると、次にイベントデッキの設定が行われる。ここでイベントデッキとは、主人公キャラクタが進学する高校において一緒に練習等を行うチームメイトとなるイベントキャラクタを設定するためのデッキである。また、イベントキャラクタとは、主人公キャラクタの育成過程においてイベントが発生することにより主人公キャラクタの育成に影響を及ぼす(ユーザにとって有利な効果を及ぼす)キャラクタである。各イベントキャラクタには、シナリオ進行中に発生可能な特定のイベントが関連付けられている。また、各イベントキャラクタには、育成選手と同様の能力パラメータ(投手の場合は図3参照)が設定されている。
【0039】
イベントキャラクタは、CPU対戦モードやリアルタイム対戦モードでの勝利報酬で獲得したり、前述の抽選入手モードにおける抽選によって獲得したりすることができる。ユーザがゲーム内で獲得したイベントキャラクタは、ユーザの所持キャラクタとしてユーザIDに関連付けられて記憶装置(データベースDB、補助記憶装置14、補助記憶装置34等)に記憶されて、ゲームシステム1において管理される。
【0040】
ユーザは所持するイベントキャラクタの中からイベントデッキに設定するイベントキャラクタを選択する。イベントデッキにイベントキャラクタが設定されることにより、当該イベントキャラクタに関連づけられているイベントがシナリオ進行中に発生し得る。
また、育成モードでのシナリオを開始する前に、ユーザは強化モードでイベントキャラクタのレベルを予め上げておくことにより、主人公キャラクタの育成を有利に進めることができる。
【0041】
図2には、イベントデッキの設定画面G100の例を示す。表示領域A112には、ユーザにより選択されたイベントキャラクタが表示される。イベントデッキには、例えば、最大で6人のイベントキャラクタを設定することができる。なお、イベントキャラクタはユーザが所持するイベントキャラクタから選択されるが、その一部を他のユーザ(例えば、ユーザに関連付けられた他のユーザ)が所持するイベントキャラクタから選択できる。
表示領域A111には、それぞれのイベントキャラクタのレアリティが表示される。レアリティとは、入手し難さを表すものであり、レアリティが高いほどイベントが発生した場合など主人公キャラクタを育成する際の恩恵が大きくなる。また、表示領域A113には、そのイベントキャラクタのレベルが表示される。
【0042】
また、イベントキャラクタには、それぞれ得意練習が関連付けられている場合があり、そのイベントキャラクタの得意練習で主人公キャラクタとともに練習を行うと、主人公キャラクタはそのイベントキャラクタから能力のコツを教わったり、特別な練習を行うイベントが発生したりする。表示領域A114には、イベントキャラクタの得意練習の一覧が表示される。
【0043】
イベントデッキへのイベントキャラクタの設定が完了すると、シナリオが開始される。ここで、シナリオの内容を説明する前に、育成モードで育成される育成選手の各種パラメータについて説明する。図3には、主人公キャラクタを投手として育成した場合の育成選手の能力一覧画面G200の一例を示す。表示領域A210には、育成選手の画像が表示される。表示領域A211には、育成選手の名前が表示される。表示領域A212には、育成選手のポジションの番号が表示される。表示領域A213には、育成選手の投球フォームおよび利き腕が表示される。ユーザは育成する主人公キャラクタの投球フォームを、複数の投球フォーム(例えば、オーバースロー、スリークォーター、サイドスロー、アンダースロー等)の中から選択できる。投球フォームまたは利き腕が異なれば、同じ球種の変化球を投げてもボールの軌道が異なる。また、表示領域A214には、育成選手のポジションが表示される。
【0044】
表示領域A215には、「球速」に関する基本能力が表示され、直球を投げた場合の最高球速が表示される。また、表示領域A216、A217に表示される基本能力は、能力の高い順にS、A、B、C、D、E、F、Gの8段階の評価ランクで表示され、能力値が90以上の場合はS、80~89の場合はA、70~79の場合はB、60~69の場合はC、50~59の場合はD、40~49の場合はE、20~39の場合はF、19以下の場合はGとなる。
【0045】
表示領域A216には、「コントロール」に関する基本能力が表示され、「コントロール」の能力が高いほど失投が発生しにくく、狙ったコースへ投球しやすくなる。例えば、「コントロール」の能力が高いほど、後述するナイスピッチゾーンが広くなる。表示領域A217には、「スタミナ」に関する基本能力が表示され、「スタミナ」の能力が高いほど疲れにくくなり、試合後半で能力が下がりにくくなる。
【0046】
表示領域A218には、ストレート(直球)以外に、主人公キャラクタが会得した変化球の種類および変化量を示している。表示領域A218に表示されている5本の矢印は、打者側から投手に向かって見た右腕投手の変化球の軌道変化の方向を示している。変化球は、ボールの軌道が変化する方向によって、約45度ずつ角度が異なる、ストレート系、右方向(水平方向右向き)に変化するスライダー系、右下方向に変化するカーブ系、下方向(鉛直方向)に変化するフォーク系、左下方向に変化するシンカー系、左方向(水平方向左向き)に変化するシュート系の6つに分類される。
【0047】
ストレート系変化球としては、ツーシーム、ムービングファスト、超スローボール等がある。スライダー系変化球としては、スライダー、Hスライダー(高速スライダー)、カットボール等がある。カーブ系変化球としては、カーブ、スローカーブ、ドロップ、ドロップカーブ、スラーブ、ナックルカーブ等がある。フォーク系変化球としては、フォーク、パーム、チェンジアップ、V(Vertical)スライダー、ナックル、SFF(Split Finger Fastball)等がある。シンカー系変化球としては、シンカー、スクリュー、Hシンカー(高速シンカー)、サークルチェンジ等がある。シュート系変化球としては、シュート、Hシュート(高速シュート)、シンキングツーシーム等がある。その他にも、ゲーム内で独自に軌道を規定したオリジナル球種を設けてもよい。
【0048】
育成選手は、変化の方向が同一の分類に属する変化球については、1つしか会得できないようにしてもよい。例えば、右方向に変化する変化球として「スライダー」を会得した場合、右方向に変化する他の変化球である「Hスライダー」や「カットボール」は会得できないようにしてもよい。但し、これは一例であり、同一方向の変化球であっても、2つ以上の変化球を会得できるようにしてもよい。
【0049】
図3に示す例では、育成選手は、ストレート(直球)以外に、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、「シンカー」および「シュート」の変化球を会得していることを示している。つまり、ユーザは、育成選手を他のゲームで使用する場合、持ち球である「ストレート」、「スライダー」、「カーブ」、「フォーク」、「シンカー」および「シュート」の選択肢の中から任意に選択した球種を投球できる。
【0050】
表示領域A218に表示されている5本の矢印は、各変化球の変化量を示すゲージとしての機能も有する。ここで、変化球の変化量とは、育成選手の能力パラメータの一つであり、変化球の曲がりの大きさを示すものである。換言すれば、育成選手が変化球を投げた場合のボールの軌道の変化の大きさを示すものである。変化量は、「1」~「7」の7段階で示され、「1」が最も変化量が小さく、「7」が最も変化量が大きい。
図3に示す例では、育成選手は、「スライダー」の変化量が「5」、「カーブ」の変化量が「3」、「フォーク」の変化量が「4」、シンカーの変化量が「7」、「シュート」の変化量が「6」の能力を有することを示している。
【0051】
表示領域A219には、育成選手が保持する投手に関する特殊能力の一覧が表示される。図3に示す例では、育成選手は、「重い球」および「奪三振」の特殊能力を保持している。つまり、育成選手は、球質の重いボールを投げ、バッターから三振を奪い易いことを示している。
表示領域A220には、育成選手に関連づけられた拡張能力が表示される。拡張能力には、「格」および「集客力」の能力を含む。「格」および「集客力」の能力は、それぞれ0~100の能力値で示される。
【0052】
なお、図3に示す例は、主人公キャラクタが投手である場合を示しているため、投手に関する基本能力や変化球に関するパラメータが表示されている。主人公キャラクタが野手である場合には、野手に関する基本能力(例えば、弾道、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、捕球等)や特殊能力が表示される。
【0053】
本実施の形態の育成モードでは、ユーザが1ターンごとに練習内容を選択したり主人公キャラクタを休ませたりしながら、所定のターン数からなるシナリオを進める。また、シナリオの進行中には様々なイベントが発生する。ユーザが選択した練習内容や発生したイベントの結果等に基づいて、主人公キャラクタの育成に必要な経験値を獲得できる。ユーザは、獲得した経験値を消費して、主人公キャラクタの基本能力を高めたり、変化球を会得したり、変化球の変化量を大きくしたり、特殊能力を取得したりできる。ユーザは、獲得した経験値の範囲で、どの基本能力を高めるのか、どの変化球を会得するのか、会得した変化球の変化量をどの程度まで大きくするのかを検討する。
【0054】
なお、経験値を介さずに、ユーザが選択した練習内容およびイベントの結果に応じて、主人公キャラクタの基本能力や変化量が向上したり、変化球を会得したり、特殊能力が取得できたりしてもよい。
【0055】
基本的に、1つのシナリオの終了により主人公キャラクタの育成が完了して「育成選手」となる。育成モードで育成が完了した育成選手は、育成モード以外のゲームモードにおいてユーザが使用可能なキャラクタとして、ユーザIDに関連付けられて登録される。そして、シナリオの終了後は、再度、最初からシナリオを開始して主人公キャラクタを育成することにより、別の育成選手を作成できる。すなわち、育成モードにおける育成を繰り返せば、ユーザは様々な能力を有する複数の育成選手を作成できる。例えば、ユーザは、育成モードを繰り返し遊戯すれば、持ち球である球種の種類、球種の数、球種毎の変化量等が異なる様々な投手キャラクタを、育成選手として作成できる。
【0056】
次に、前記育成モードで育成された投手キャラクタである育成選手を使用することができるゲーム(例えば、前述のサブゲームモードのゲーム)の一例について説明する。例えば、本ゲームでは、育成選手だけでなく、ユーザが所有する(ユーザIDに関連付けられている)イベントキャラクタ、または予め定められた投手キャラクタ(例えば、ゲーム運営側が用意した所定のキャラクタ)を使用できるようにしてもよい。
【0057】
本ゲームでは、基本的に、仮想3次元ゲーム空間内に、複数のブロックに分割されたオブジェクトである「ブロック群」が配置される。そして、本ゲームは、ユーザが投球操作をしながら、的(ターゲット)である前記ブロック群にボールを当ててブロックを消去することでスコアを獲得するゲームである。本ゲームでは、仮想3次元ゲーム空間内に配置されたブロック群、および当該ブロック群を構成する複数のブロックのそれぞれが、3次元の立体オブジェクトという特徴的なゲーム性を有する。
【0058】
図4は、投手キャラクタを使用した本ゲームの基本のゲーム画面G300の一例を示す図である。ゲーム画面G300に表示される仮想3次元ゲーム空間は、野球のグラウンドを表現したものである。仮想3次元ゲーム空間には、投手キャラクタPC、捕手キャラクタCC、ブロック群BG等が配置される。ここで、3次元ゲーム空間は、互いに垂直に交わる、水平方向のx軸、垂直方向のy軸、投球されたボールが移動する方向(投手キャラクタPCと捕手キャラクタCCとを結ぶ方向)のz軸の座標軸により表される。本実施の形態では、ゲーム画面G300の奥行方向がz軸の方向である。ゲーム画面G300(及びその他のゲーム画面)に表示される画像は、仮想3次元空間データに基づく仮想3次元空間内における所定の基準位置からの所定範囲の仮想3次元空間データから生成される視界画像である。ここで、所定の基準位置とは、仮想3次元空間内に配置された仮想カメラの位置であり、仮想3次元空間内における仮想視点の位置に相当する。また、所定範囲とは、仮想カメラ(仮想視点)から見える視界に相当する。例えば、視界画像は、仮想3次元空間の空間座標系(3次元座標系)で示される各オブジェクトを構成する点の座標を、仮想カメラの位置を基準として透視投影変換を行うことによりスクリーン座標系(2次元の座標系)に変換して生成することができる。
【0059】
投手キャラクタPCは、操作対象のキャラクタである。ゲーム開始時に、ユーザが育成した少なくとも1人の投手の育成選手の中から任意に選択した育成選手を操作対象の投手キャラクタPCとすることができる。
あるいは、ユーザが所有する少なくとも1人の投手のイベントキャラクタの中から任意に選択したイベントキャラクタを操作対象としてもよい。あるいは、予め定められた複数の投手キャラクタ(例えば、ゲーム運営側が用意したもの)の中から、ユーザが任意に選択した投手キャラクタを操作対象としてもよい。あるいは、育成選手、イベントキャラクタ、予め定められた複数の投手キャラクタの中から、ユーザが任意に選択したものを操作対象としてもよい。
【0060】
捕手キャラクタCCは、投手キャラクタPCが投球したボールを捕球するノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)である。
本実施の形態のゲームでは、投手キャラクタPCが打者と対戦しないため、打者キャラクタは3次元ゲーム空間には配置されない(表示されない)が、打者キャラクタを配置するようにしてもよい。また、捕手キャラクタCC以外の守備を行うNPCも3次元ゲーム空間には配置されないが、各ポジションで守備を行う野手キャラクタを配置するようにしてもよい。
【0061】
ブロック群BGは、的となる半透明のオブジェクトであり、3次元ゲーム空間における投手キャラクタPCと捕手キャラクタCCとの間に配置される。ブロック群BGは、「x軸方向の長さ:y軸方向の長さ:z軸方向の長さ=1:1:4」の直方体である(図10の三面図を参照)。すなわち、ボールが移動する奥行の方向に長い直方体である。よって、xy平面に存在するブロック群BGの正面側よりも奥行側の面(xz平面およびyz平面にそれぞれ存在するブロック群BGの面)の面積の方が大きくなっている。これにより、ボールをブロック群BGに接触させる際には、ブロック群BGの正面側だけでなく、奥行側にボールを接触させることの重要性が増す。
【0062】
ブロック群BGは投手キャラクタPCと捕手キャラクタCCとの間であればどこに配置してもよい。なお、投手キャラクタPCが投球したボールが変化球の場合、投手キャラクタPCからボールがリリースされてからしばらくの期間は直進し(軌道が変化せず)、その後、ボールの回転方向および回転数等に応じた方向に軌道が変化する。そこで、少なくとも「ボールの軌道の変化が生じ得る領域(ボールの軌道の変化が開始された後の領域)」を含むように、ブロック群BGを配置することが望ましい。なお、球種や球速によってボールの軌道の変化が生じるタイミングは異なる。また、投手キャラクタPCの能力(ボールのキレ等)によっても軌道の変化が生じるタイミングは異なる。そこで、例えば、もっとも早くボールの軌道の変化が生じる球種(例えばスローカーブ等)等を基準にして、ブロック群BGを配置する特定領域を設ければよい。例えば、投手キャラクタPCと捕手キャラクタCCとの中点よりも捕手キャラクタCC側の領域に、ブロック群BGを配置する。本実施形態では、ブロック群BGのz軸方向の端部(捕手キャラクタCC側の端部)の位置は、捕手キャラクタCCの前方のホームベース(ストライクゾーン)付近に存在する。
【0063】
ブロック群BGは、複数のブロックB(小オブジェクトの一例)に分割されている。本実施の形態では、ブロック群BGは、x軸方向、y軸方向、z軸方向にそれぞれ3分割されてなる合計27個のブロックBを含む。ブロック群BGは均等に27分割されており、27個のブロックBのそれぞれは、同じ形状および体積を有する「x軸方向の長さ:y軸方向の長さ:z軸方向の長さ=1:1:4」の直方体である。
【0064】
図5に例示するように、ブロック群BGを構成する27個のブロックBは、各ブロックを一意に識別するブロックID(=B1~B27)により管理されている。なお、図5では、説明のために、ブロック群BGをy軸方向に3分割して、1列目(B1~B9)、2列目(B10~B18)、3列目(B19~B27)を分離して記載しているが、実際は1列目と2列目との間、および2列目と3列目との間に隙間はない。
換言すれば、3次元ゲーム空間における投手キャラクタPCと捕手キャラクタCCとの間に、複数のブロックB1~B27が隙間なく集まった一塊のブロック群BGが配置されている。
【0065】
なお、ブロック群BG又はブロックBの形状は上記の直方体に限定されるものではなく、任意の形状にすることができる。ブロック群BG又はブロックBの形状(又はブロック群BG又は複数のブロックBにより形成される特定領域の形状)のバリエーションの詳細については後述する。また、ブロック群BGを構成するブロックBの数、分割方法についても上記に限定されるものではなく任意に定めることができ、そのバリエーションの詳細についても後述する。
【0066】
図6に示すように、ブロック群BGは、左右方向(x軸方向)および上下方向(y軸方向)に線形の移動をする。ブロック群BGが左右または上下に往復移動する場合の始点、終点、移動幅、移動速度などは予め定められている。また、ブロック群BGは、z軸方向の中心軸を中心として回転移動(正逆両回転)もする。
【0067】
(ゲームステージ)
本ゲームでは、ユーザは、投手キャラクタPCを操作して、1つのステージで1つのブロック群BGに対して4球投げることができる。投げたボールがブロック群BGを構成するブロックBに接触すれば、当該接触したブロックBが消去される。投球毎に、消去できたブロックBの数に応じたスコア(後述の消去スコア)、およびブロックBの消去により形成された所定のラインの数に応じたスコア(後述のラインスコア)が獲得できる。また、後述の各種ボーナスも加算される。4球投げ終わると次のステージに進む。新たなステージの開始時には、ブロックBが消去されていない初期状態の新たなブロック群BGが配置される。これを3ステージ行うので、1ゲームで合計12球投球できる。
【0068】
ステージが進むごとに、ブロック群BGの動き(線形移動や回転移動)が複雑になり、ユーザの操作の難易度が上がる。
具体例を挙げると、第1ステージでは、ブロック群BGは左右方向の移動(x軸方向に往復移動)だけをする。
そして、第2ステージでは、ブロック群BGは、左右方向の移動(x軸方向に往復移動)に加えて、上下方向の移動(y軸方向に往復移動)もする。すなわち、移動パターンが増加する。例えば、第2ステージの1球目は左右方向または上下方向の移動がランダムに決定される。第2ステージの2球目は1球目とは別の方向というように、投球毎にブロック群の移動方向が変化する。あるいは、所定期間毎(例えば5秒毎)にブロック群BGの移動方向を、左右方向と上下方向とで切り換えてもよい。この場合は1球目からブロック群BGは左右方向に移動したり上下方向に移動したりする。
【0069】
そして、第3ステージでは、ブロック群BGは、左右方向の移動および上下方向の移動に加えて、前述の回転移動もする。例えば、第3ステージでは、ブロック群BGは、左右方向または上下方向に移動しながら同時にz軸方向の中心軸を中心として回転もする。なお、回転移動については、ブロック群BGが左右や上下には移動せずに回転だけするようにしてもよい。
【0070】
(スコア)
ユーザが獲得できるスコアには、「消去スコア」と「ラインスコア」とがある。消去スコアは、投げたボールの接触により消去できたブロックBごとに獲得できるスコアである。1つのブロック群BGは27個のブロックBにより構成されているので、1つのステージでは最大で27個分の消去スコアを獲得可能である。
【0071】
ラインスコアは、ブロック群BGにおいて、縦または横の連続した3ブロックBの消去により形成されるラインごとに獲得できるスコアである。x軸方向のライン、y軸方向のライン、z軸方向のラインがそれぞれ有効である。図5の例では、x軸方向のラインとしては、ブロックB1・B2・B3のライン、ブロックB10・B11・B12のライン、ブロックB19・B20・B22のライン等の9ラインが有効である。y軸方向のラインとしては、ブロックB1・B4・B7のライン、ブロックB10・B13・B16のライン、ブロックB19・B22・B25のライン等の9ラインが有効である。z軸方向のラインとしては、ブロックB1・B10・B19のライン、ブロックB3・B12・B21のライン、ブロックB5・B14・B23のライン等の9ラインが有効である。よって、1つのブロック群BG(1つのステージ)では最大で27ライン分のラインスコアを獲得可能である。
本ゲームでは、斜めのラインは評価しないが、斜めのラインを有効にしてもよい。
【0072】
「消去スコア」および「ラインスコア」には、投手キャラクタPCの少なくとも1つのパラメータが反映される。よって、使用する投手キャラクタPCのパラメータ(ステータス)によって、「消去スコア」および「ラインスコア」は異なり得る。本実施の形態では、操作対象の投手キャラクタPCの「球速」および「格」のパラメータに基づいて、1つのブロックBを消去した場合の「消去スコア」のスコア単価が算出される。また、投手キャラクタPCの「コントロール」および「集客力」のパラメータに基づいて、1つのラインを達成した場合の「ラインスコア」のスコア単価が算出される。各パラメータの値が高いほど、「消去スコア」および「ラインスコア」のそれぞれのスコア単価は大きくなる。ユーザは、育成モードで作成した育成選手を操作対象として使用できるので、育成モードでパラメータの高い投手の育成選手を作成するほど有利となる。
【0073】
(ボーナス)
投球毎に獲得できる「消去スコア」および「ラインスコア」を増加させることができるボーナス(特典)として、「初回選択ボーナス」、「変化球ボーナス」および「ナイスピッチボーナス」がある。
【0074】
前記「初回選択ボーナス」は、ステージ毎に、各球種(投手キャラクタPCの持ち球のそれぞれ)を初めて使用した際に発生するボーナスである。例えば、初回選択ボーナスの対象の球種を選択した投球により獲得できた「消去スコア」および「ラインスコア」を、所定の倍率(例えば100%)で増加させることができる。各ステージは、投手キャラクタPCの持ち球の全ての球種に、初回選択ボーナスが適用できる状態でスタートする。あるステージで一度使用した球種については、同一ステージ内では当該球種の再度の使用時には初回選択ボーナスは発生しない。なお、次のステージに進むと、前のステージで使用した球種に対しても初回選択ボーナスが復活する。
【0075】
この初回選択ボーナスを設けることにより、いろいろな球種をユーザに選択することを動機付けることができる。したがって、ゲームの進行が特定の球種の選択に偏る一辺倒な遊戯になるのを効果的に防止できる。
【0076】
前記「変化球ボーナス」は、ユーザが使用している投手キャラクタPCの変化球の変化量に応じて発生するボーナスである。前述の初回選択ボーナスとは異なり、同じ球種の変化球を何度使っても変化球ボーナスは消滅しない。変化球ボーナスは、ストレート以外の球種に適用される。変化球ボーナスの対象の球種を選択した投球により獲得できた「消去スコア」および「ラインスコア」を、所定の倍率で増加させることができる。変化球の変化量のパラメータの値が大きいほど、変化球ボーナスの倍率は大きくなる。
ユーザは、育成モードで作成した育成選手を操作対象として使用できるので、育成モードで変化量の大きい投手の育成選手を作成するほど有利となる。
【0077】
前記「ナイスピッチボーナス」は、後述のタイミングゲージを使用した操作に基づくボーナスであり、その詳細は後述する。
【0078】
ここで、図4のゲーム画面G300に戻って説明を続ける。ゲーム画面G300には、投手情報表示領域A301、スコア表示領域A302、残り投球数表示領域A303、補助情報表示領域A304、タイムボタンP305、ターゲット確認ボタンP306、球種選択領域A307等が表示される。
【0079】
投手情報表示領域A301には、投手キャラクタPCの選手名および基本能力パラメータ(「球速」、「コントロール」の評価ランク、および「スタミナ」の評価ランク)の情報等が表示される。また、スコア表示領域A302には現在のスコアが表示される。
残り投球数表示領域A303には、ゲーム終了までに投げることができる、ステージ毎の残り投球数が表示される。
補助情報表示領域A304には、現在のステージ、現在のステージで消去したブロック数、および現在のステージで達成したライン数の情報が表示される。
【0080】
また、ユーザがタイムボタンP305をタップすることにより、タイムメニューが表示され、本ゲームの遊び方や操作対象の投手キャラクタPCの詳細情報(能力パラメータ等)を確認できる。
また、ターゲット確認ボタンP306は、現在のブロック群BGの状況を確認するための視点変更を行うためのボタンである。ターゲット確認ボタンP306を押した場合に表示される画面の詳細は後述する。
【0081】
本実施の形態における投球に関する操作には、球種選択操作(ユーザ操作の一例、選択操作の一例)、投球位置指定操作(ユーザ操作の一例)、投球開始タイミング入力操作(ユーザ操作の一例、タイミング操作の一例)が含まれる。これら3つの投球に関する操作を、3回のタッチ操作によって行うこともできるし、連続した1回のタッチ操作(タッチ、スライド及びタッチオフの連続操作)によって行うこともできる。例えば、ゲーム開始時に、前記3回のタッチ操作による投球タイプ(第1投球タイプ)と、前記1回のタッチ操作による投球タイプ(第2投球タイプ)とを、ユーザが選択できるようにしてもよい。
【0082】
先ず、3回のタッチ操作に基づく投球例について説明する。
ゲーム画面G300には、球種選択領域A307が表示される。この球種選択領域A307は、球種選択ボタンP311~P316および各変化球の変化量等を示すパーツP322~P326を含む。
球種選択ボタンP311~P316は、投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種、いわゆる持ち球の中から投球する1つの球種を選択するための選択肢である。ここでは、選択した投手キャラクタPCが右投げである場合について説明する。なお、投手キャラクタPCが左投げである場合には一部球種の称呼、変化球の変化方向に違いが生じる。
【0083】
球種選択ボタンP311は、投手キャラクタPCの持ち球のうち「ストレート」の球種を選択するパーツである。
なお、投手キャラクタPCがストレート系の変化球(ツーシーム等)を持ち球としている場合、球種選択ボタンP311の横側に、ストレート系変化球を選択するための球種選択ボタン及びストレート系変化球の変化量を示すパーツが表示される。
【0084】
球種選択ボタンP312は、投手キャラクタPCの持ち球のうち「スライダー系変化球」を選択するパーツである。図5の例では投手キャラクタPCの持ち球が「スライダー」であるため、球種選択ボタンP312に「スライダー」と表示されているが、その他のスライダー系変化球(例えばHスライダー)を持ち球としている場合はその名称が表示される。
パーツP322は、「スライダー系変化球」の変化方向および変化量を示すパーツである。図4の例では、矢印で左方向へ変化することを示すとともに、その変化量が「5」であることを示している。なお、ここでの変化の方向は、投手側からストライクゾーンに向かって見た右腕投手の変化球の軌道変化の方向を示している(以下、同様である)。
【0085】
球種選択ボタンP313は、投手キャラクタPCの持ち球のうち「カーブ系変化球」を選択するパーツである。図4の例では、球種選択ボタンP313に投手キャラクタPCの持ち球「カーブ」が表示されているが、その他のカーブ系変化球(例えばスローカーブ)を持ち球としている場合はその名称が表示される。
パーツP323は、「カーブ系変化球」の変化方向および変化量を示すパーツである。図4の例では、矢印で左下方向へ変化することを示すとともに、その変化量が「3」であることを示している。
【0086】
球種選択ボタンP314は、投手キャラクタPCの持ち球のうち「フォーク系変化球」を選択するパーツである。図4の例では、球種選択ボタンP314に投手キャラクタPCの持ち球「フォーク」が表示されているが、その他のフォーク系変化球(例えばチェンジアップ)を持ち球としている場合はその名称が表示される。
パーツP324は、「フォーク系変化球」の変化方向および変化量を示すパーツである。図4の例では、矢印で下方向へ変化することを示すとともに、その変化量が「4」であることを示している。
【0087】
球種選択ボタンP315は、投手キャラクタPCの持ち球のうち「シンカー系変化球」を選択するパーツである。図4の例では、球種選択ボタンP315に投手キャラクタPCの持ち球「シンカー」が表示されているが、その他のシンカー系変化球(例えばスクリュー)を持ち球としている場合はその名称が表示される。
パーツP325は、「シンカー系変化球」の変化方向および変化量を示すパーツである。図4の例では、矢印で右下方向へ変化することを示すとともに、その変化量が「7」であることを示している。
【0088】
球種選択ボタンP316は、投手キャラクタPCの持ち球のうち「シュート系変化球」を選択するパーツである。図4の例では、球種選択ボタンP316に投手キャラクタPCの持ち球「シュート」が表示されているが、その他のシュート系変化球(例えばHシュート)を持ち球としている場合はその名称が表示される。
パーツP326は、「シュート系変化球」の変化方向および変化量を示すパーツである。図4の例では、矢印で右方向へ変化することを示すとともに、その変化量が「6」であることを示している。
【0089】
なお、投手キャラクタPCの持ち球に対応していない球種選択ボタンP312~P316およびパーツP322~P326は表示されない。例えば、投手キャラクタPCの変化球の持ち球が「スライダー系変化球」と「カーブ系変化球」の2種類だけの場合、球種選択ボタンP314~P316およびパーツP324~P326はゲーム画面G300に表示されない。あるいは、持ち球に対応していない球種選択ボタンは、画面には表示されるが、選択できないようにしてもよい(例えば、グレーアウト表示する)。
【0090】
投手キャラクタPCの持ち球である球種に前述の「初回選択ボーナス」と「変化球ボーナス」の少なくとも一方が適用される場合、球種選択ボタンP311~P316には、ボーナス報知ラベルP330が表示される。球種毎に表示されるボーナス報知ラベルP330には、その球種に適用される「初回選択ボーナス」の倍率と「変化球ボーナス」の倍率とが加算された倍率が表示される。前述のとおり、初回選択ボーナスは、ステージ毎に、各球種を初めて使用した場合にのみ発生するボーナスである。よって、現在のステージで一度使用した球種に対応するボーナス報知ラベルP330には、初回選択ボーナスの倍率(100%)が減算された倍率が表示される。なお、ストレートの球種には変化球ボーナスは適用されないため、現在のステージでストレートを一度投げれば、当該ステージではその後、ストレートに対応するボーナス報知ラベルP330は消去される。
【0091】
ユーザは、球種選択ボタンP311~P316の何れかをタップする(指を画面に接触させた後に画面から指を離す)ことにより、球種を選択することができる。この球種選択操作が行われた場合、図7のゲーム画面G400に遷移する。なお、図7のゲーム画面G400において、図4のゲーム画面G300と重複する構成については同一の部材番号を付して、その説明を省略する(以降の図面でも同様とする)。
【0092】
図7のゲーム画面G400では、ターゲット確認ボタンP306および球種選択領域A307がなくなる一方、予測軌道PT、表示領域A401、ボタンP402およびタイミングゲージP410が表示される。表示領域A401には、現在選択中の球種が表示される。ボタンP402をタップすれば、図4のゲーム画面G300へ戻って、球種の選択をし直すことができる。
【0093】
予測軌道PTは、投手キャラクタPCが投球する前に画面に表示される、投球後にとり得るボールの軌道の情報であり、ユーザが投球後のボールの軌道を事前に予測するための情報である。予測軌道PTは、現在選択中の球種に応じたものであり、ユーザが選択した球種が異なれば予測軌道PTも異なる。また、同じ球種であっても、変化量のパラメータが異なれば予測軌道PTも異なる。
【0094】
ゲーム画面G400に遷移した直後は、ストライクゾーンの真ん中に目標投球位置が初期設定されている。予測軌道PTの捕手キャラクタCC側の先端部PT1は、目標投球位置を示す。よって、予測軌道PTの先端部PT1は、ストライクゾーンの真ん中の基準位置に初期配置されている。目標投球位置(移動体の目標到達位置の一例)は、ユーザ操作によって調整可能である。
【0095】
目標投球位置の指定操作は、例えば、次に示すスライド操作により行うことができる。すなわち、図7のゲーム画面G400の任意の位置(但し、タイムボタンP305およびボタンP402の存在する位置は除く)に、指を接触させ、画面から指を離さずにスライド操作を行うことにより、予測軌道PTの先端部PT1を移動させることができる。
【0096】
図8は、画面上で指Fをスライドさせることにより、予測軌道PTの先端部PT1が移動した状態を例示している。なお、図8では、説明の都合上、ブロック群BG等を省略して簡略化している。予測軌道PTの先端部PT1は、画面に接触した指Fとの相対的な位置関係を維持したまま、スライド操作に伴なう指Fの変位に連動して移動する。ユーザは、指Fを予測軌道PTの先端部PT1に直接的に接触させることなく、これらとは異なる画面上の位置に指Fを接触させてスライドすることで、先端部PT1である目標投球位置を移動させることができる。前記スライド操作によって予測軌道PTの先端部PT1の目標投球位置が移動したことにより、予測軌道PT自体も変化する。このように、ユーザが目標投球位置を移動させる操作を行うと、当該目標投球位置の移動に連動してリアルタイムで予測軌道PTも変化するので、ユーザは目標投球位置を移動させながら予測軌道PTの変化を認識することができる。よって、予測軌道PTの変化を確認しながら目標投球位置の微調整をすることができ、操作性のよいユーザインターフェースを実現できる。なお、バリエーションとしては、前記スライド操作に代えてボタン操作やジョイスティック等の操作で目標投球位置の調整を行えるようにしてもよい。
【0097】
図8において、スライドさせた指Fを画面から離すことにより、目標投球位置の指定が確定する。これにより、図7に示すタイミングゲージP410のパーツP4106の移動が開始され、投球開始タイミング指定操作に移る。投球開始タイミング指定操作を行うための期間中は、移動していたブロック群BGの動きが一時停止する。すなわち、目標投球位置の指定が確定するまで所定の移動を行っていたブロック群BGは、目標投球位置の指定が確定したタイミングで移動を停止する。その後、以降に説明するユーザによる投球開始タイミング入力操作が行われたタイミング、すなわち投手キャラクタPCが投球動作を開始するタイミングで、一時停止していたブロック群BGの所定の移動が再開する。
【0098】
ここで、タイミングゲージP410を用いた投球開始タイミング入力操作を説明する。タイミングゲージP410は、初期位置P4100から終端位置P4105まで一定の速度で移動するパーツP4106を含む。ユーザが画面をタッチすることによりパーツP4106の移動が停止し、投球開始タイミングの入力ができる。この入力後に投手キャラクタPCによる投球動作が開始される。タイミングゲージP410は、初期位置P4100側から並ぶ4つの領域E4101~E4104に区分(例えば色分け)されている。移動中のパーツP4106をどの領域E4101~E4104で停止させるかによって、ナイスピッチボーナスの有無およびコントロールの乱れの有無等が決定される。
【0099】
領域E4103がナイスピッチゾーンであり、パーツP4106が当該ナイスピッチゾーンE4103を通過する期間に画面をタッチすることにより、獲得ポイントが増加する(例えば50%増になる)前述のナイスピッチボーナスが発生する。また、ナイスピッチゾーンE4103でパーツP4106を停止させることができれば、コントロールの乱れが生じない(またはコントロールの乱れが生じない確率が高い)。つまり、ナイスピッチゾーンE4103でパーツP4106が停止するタイミング入力の操作ができれば、予測軌道PTのとおりにボールを投球できる(または予測軌道PTのとおりにボールを投球できる確率が高い)。
【0100】
ナイスピッチゾーンE4103でパーツP4106を停止できた次の投球では、ナイスピッチゾーンE4103の幅が今回よりも縮小されるようにしてもよい。この場合、ナイスピッチボーナスが発生した次の投球では、ナイスピッチゾーンE4103でパーツP4106を停止できる期間が短くなり、ナイスピッチボーナスが連続して発生し難くなる。この場合、ナイスピッチゾーンE4103の幅の下限を設けることが望ましい。
【0101】
あるいは、ナイスピッチゾーンE4103でパーツP4106を停止できた次の投球では、ナイスピッチゾーンE4103の幅が今回よりも拡大されるようにしてもよい。この場合、ナイスピッチボーナスが発生した次の投球では、ナイスピッチゾーンE4103でパーツP4106を停止できる期間が長くなり、ナイスピッチボーナスが発生し易くなる。この場合、ナイスピッチゾーンE4103の幅の上限を設けることが望ましい。
【0102】
ナイスピッチゾーンE4103以外の領域E4101、E4102又はE4104でパーツP4106を停止させた場合、指定した目標投球位置からのずれ、つまりコントロールの乱れが発生する(またはコントロールの乱れが発生する確率がナイスピッチゾーンE4103で停止させるよりも高い)。指定した目標投球位置からのずれが発生すると、予測軌道PTからずれた軌道で投球されるので、狙ったブロックBにボールが当たり難くなる。ナイスピッチゾーンE4103から遠い領域E4101の方が領域E4102よりも目標投球位置がずれる確率が高い、および/またはずれ量が大きい。
【0103】
ナイスピッチゾーンE4103を過ぎた領域E4104でパーツP4106を停止させた場合、失投となり、例えば、変化球を投球した場合でも軌道変化が殆どないボールがストライクゾーンの真ん中付近に投球されるようにしてもよい。あるいは、領域E4104でパーツP4106を停止させた場合、他の領域で停止するよりも目標投球位置からのずれが大きくなるようにしてもよい。
【0104】
投球開始タイミング入力操作が行われると、選択された球種、指定された目標投球位置、入力されたタイミングに基づいて、既知のアルゴリズムを適用して、投球されたボールの軌道が演算される。また、投球開始タイミング入力操作により投手キャラクタPC投球動作が開始され、投手キャラクタPCからボールがリリースされる。そして、リリースされたボールが3次元ゲーム空間を移動する動画が画面に表示される。
【0105】
また、投球開始タイミング入力操作が行われたタイミング(当該操作がCPU11に認識されたタイミング)で、停止していたブロック群BGの移動が再開する。
【0106】
図9はボールBLが移動中のゲーム画面G500の一例を示す図である。投手キャラクタPCからボールBLがリリースされると、仮想カメラの位置および角度等のパラメータが変更される。例えば、ボールBLの移動に伴って、仮想カメラもボールBLが移動する方向に移動する。そして、ブロック群BGにブロック群BGが衝突する様子をやや斜め上から見下ろして撮像できる位置および角度で仮想カメラが固定される。
【0107】
従来の2次元の的であれば、的の正面にボールがあたったか否かを確認できればよい。これに対し、本ゲームでは3次元のブロック群BGを用いているので、ブロック群BGの奥行方向の面にボールBLが当たったことが分かり易いように、仮想カメラのパラメータを変更している。
【0108】
ボールBLがブロックBに接触した場合、当該ブロックBの色が変化する等の演出が発生した後、接触したブロックBが消去される。
なお、ボールBLがブロックBに接触しても、当該接触に起因してボールBLの移動速度が低下したり軌道が変わったりすることなく、ボールBLはブロックBが存在する小領域をそのまま通り抜ける。
【0109】
図10は、投球されたボールBLの軌道とブロック群BGとの相対的な位置関係の一例を示す3面図である。図10中の矢印が、3次元ゲーム空間を移動したボールBLの軌道を示している。図10の例の場合、図11に示すように、色が変わっている「B8」、「B17」、「B22」、「B25」、「B26」の5つのブロックBにボールBLが接触し、当該5つのブロックBが消去される。この例では、「B25」及び「B26」の2つのブロックBは、ボールBLが正面(xy面)に接触したのではなく、奥行方向の面(xz面、yz面)に接触したことにより消去対象となっている。
【0110】
本ゲームでは、変化量の大きい変化球を持ち球とする投手キャラクタPCを育成して本ゲームで使用することが、本ゲームを有利に進めるための重要な要素の一つである。また、斜め方向に軌道が変化する変化球は、水平または垂直方向に軌道が変化する変化球よりも、選択できるブロックが多くなる傾向にあり有利である。一方、水平または垂直方向に並んでいる複数のブロックを消去するには、水平または垂直方向に軌道が変化する変化球が必要である。よって、様々な方向へ変化する変化球を持ち球とする投手キャラクタPCを育成して本ゲームで使用することも、本ゲームを有利に進めるための重要な要素の一つである。
【0111】
投球後は、消去されたブロックBの数および達成したラインの数に基づいて、また前述の各種ボーナスを適用して、ユーザが獲得したスコアが算出される。
図12は、投球後(次の投球前)の基本のゲーム画面G300の一例を示す図である。このゲーム画面G300には、これまでの投球により消去されずに残ったブロックBを含むブロック群BGが表示される。また、ブロック群BGは前回の投球とは異なる方向に移動することもある。
【0112】
的であるブロック群BGが3次元であるため、基本のゲーム画面G300では消去されずに残ったブロックB(または消去されたブロックBの位置)が見え難い場合もある。そこで、基本のゲーム画面G300にはターゲット確認ボタンP306が設けられている。ユーザがターゲット確認ボタンP306をタップすることにより、図13に例示するターゲット確認画面G700が表示される。このターゲット確認画面G700には、左側面を前方斜め上から撮像した左視点のブロック群BG、左視点切替ボタンP701、右視点切替ボタンP702、戻るボタンG703等が表示される。図13では左視点のブロック群BGが表示されているので、右視点のブロック群BGを確認する場合は、右視点切替ボタンP702をタップする。これにより、図14に例示するターゲット確認画面G700に切り替わり、右側面を前方斜め下から撮像した右視点のブロック群BGが表示される。図13または図14のターゲット確認画面G700において、戻るボタンG703をタップすることにより、図12の基本のゲーム画面G300に戻る。
【0113】
次に、球種選択操作、投球位置指定操作および投球開始タイミング入力操作の3つの操作を、1回のタッチ操作(タッチ、スライド及びタッチオフの連続操作)で行う投球例について説明する。
【0114】
球種選択操作は、図4の基本のゲーム画面G300において、球種選択ボタンP311~P316の何れかに指を接触させることにより行われる。なお、3回のタッチ操作による投球では、球種選択ボタンP311~P316の何れかに指を接触させた後、画面から指を離す必要があるが、1回のタッチ操作による投球では、画面から指を離さない。
【0115】
上記の球種選択操作が行われた場合、画面に指が接触した状態のままで、図7のゲーム画面G400に遷移する。このゲーム画面G400において、ユーザは画面への接触状態を維持したまま指をスライドさせることにより、予測軌道PTの先端部PT1を移動させて目標投球位置を調整する。また、図7のゲーム画面G400に遷移したタイミングで、タイミングゲージP410のパーツP4106の移動が開始される。さらに、図7のゲーム画面G400に遷移したタイミングで、ブロック群BGの移動が一時停止する。すなわち、投球開始タイミングを入力するための期間中は、ブロック群BGの所定の移動を一時停止する。
【0116】
ゲーム画面G400において、ユーザが画面から指を離すタッチオフ操作を行うことにより、予測軌道PTの先端部PT1の位置(=目標投球位置)の指定が確定するとともに、タイミングゲージP410のパーツP4106の移動が停止する。すなわち、前述のスライド操作およびタッチオフ操作が投球位置指定操作となり、タッチオフ操作が投球開始タイミング入力操作となる。
【0117】
前記タッチオフ操作により目標投球位置の指定および投球開始タイミングの入力が同時に行われたタイミングで、投手キャラクタPCが投球動作を開始するとともに、一時停止していたブロック群BGの所定の移動が再開する。以降は3回のタッチ操作の場合と同様である。
【0118】
このように、1回のタッチ操作に基づく投球では、画面に1回タッチしてからタッチオフするまでの一連の操作により、球種選択操作、投球位置指定操作および投球開始タイミング入力操作が全て可能である。1回のタッチ操作に基づく投球の場合は、素早い投球ができる。一方、3回のタッチ操作に基づく投球の場合は、個々の操作を慎重に行うことができる。
【0119】
なお、投球開始タイミング入力操作を省略して、球種選択操作おおび投球位置指定操作が完了すれば、自動的に投手キャラクタPCが投球動作を開始して投球するゲームにしてもよい。この場合は、前述のようにゲームの途中でブロック群BGの移動を一時停止する必要はない(すなわち、投球開始タイミングを入力するための期間中にブロック群BGの移動を一時停止する必要はない)。
【0120】
以上のように、本実施形態のゲームは、仮想3次元ゲーム空間内に配置されたブロック群BG、および当該ブロック群BGを構成する複数のブロックBのそれぞれが、3次元の立体オブジェクトであり、ユーザに3次元ゲーム空間を移動するボールの実際の軌道を意識させるゲーム性を有する。ボールを的であるブロック群BGを構成する複数のブロックBに接触させる際のボールの軌道が、奥行方向も含めると幾通りも考えられるため、ゲームの攻略方法は複雑になり、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0121】
なお、前記のゲームでは、複数のブロックBに分割されたブロック群BGという立体オブジェクトを3次元ゲーム空間に配置したが、ブロック群BGを配置することなく、ブロック群BGが存在していた3次元の「特定領域」自体を的として捉えてもよい。「特定領域」にブロック群BGが配置されない場合であっても、例えば、「特定領域」をその他の領域とは異なる半透明色にする等、表示状態を工夫すれば、「特定領域」自体が3次元の的になり得る。3次元の複数の小領域に分割されている「特定領域」について、ユーザ操作に基づいて投球されたボールが移動する軌道上にある小領域を特定すれば、前記のゲームと同様のゲームを実現できる。
【0122】
[3.ゲームシステムの機能的構成]
図15は、ゲームシステム1の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図15に示すように、ゲームシステム1はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、データベースDB、ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33、及び補助記憶装置34の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
【0123】
例えば、データ記憶部100に記憶されているゲームを実行するための各種データは、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されており、ゲーム端末10がサーバ30にアクセスした場合に、必要なデータがゲーム端末10のRAM13又は補助記憶装置14にダウンロードされるようにすることができる。また、ゲーム端末10で実行されたゲームの結果やデータの変更についての情報は、リアルタイムで又は所定のタイミングでゲーム端末10からサーバ30へ送信され、データベースDB又はサーバ30の補助記憶装置34等に記憶されているデータが適宜更新されるようにすることができる。また、例えば、ゲームの少なくとも一部を、各ユーザのゲーム端末10において、サーバ30にログインせずにオフラインでもゲームが実行できるように、必要なデータをゲーム端末10の補助記憶装置14等に記憶しておくようにしてもよい。
【0124】
データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、ユーザ情報テーブルTBL101およびゲーム管理データDT102等を記憶する。図15では省略されているが、データ記憶部100には、ゲーム内で用いられる全てのキャラクタの情報を記憶したキャラクタテーブル等も格納されている。
【0125】
ユーザ情報テーブルTBL101には、ゲームシステム1に登録されている全てのユーザに関する情報が記憶されている。例えば、ユーザ情報テーブルTBL101には、各ユーザのユーザIDと関連付けて、ユーザ名、ユーザのゲームレベル、育成選手の情報、所持しているイベントキャラクタの情報、所持アイテムの情報、所持ポイントの情報等が記憶される。前記育成選手の情報には、ユーザが育成モードで作成した育成選手のキャラクタID、選手名、能力パラメータの情報(投手キャラクタの場合は、球速、コントロール、スタミナ、投球可能な球種(持ち球)、各持ち球の変化量、特殊能力、拡張能力)等が含まれる。
【0126】
ゲーム管理データDT102は、ゲームの進行管理に必要な各種データを含む。図16は、投球操作によってブロックを消去するゲームにおけるゲーム管理データDT102のデータ構成の一例を示す。
ゲーム管理データDT102は、使用投手データDT1021、スコア単価データDT1022、ボーナスデータDT1023、ブロック管理データDT1024、ブロック群移動パターンデータDT1025、ステージデータDT1026、残り球数データDT1027、スコアデータDT1028等を含む。
【0127】
使用投手データDT1021は、ユーザが選択した、ゲームに使用する投手キャラクタの情報である。スコア単価データDT1022は、1つのブロックBを消去した場合に獲得できる消去スコアの単価の情報、および1つのラインを達成した場合に獲得できるラインスコアの単価の情報である。ボーナスデータDT1023は、「初回選択ボーナス」、「変化球ボーナス」および「ナイスピッチボーナス」の倍率の情報である。
【0128】
ブロック管理データDT1024は、ブロック群BGを構成する複数のブロックBそれぞれの消去の有無を示す情報である。例えば、消去されていないブロックBのブロックIDには「1」、消去されたブロックBのブロックIDには「0」のフラグが対応付けられる。
【0129】
ブロック群移動パターンデータDT1025は、現在ゲーム画面に表示されているブロック群BGが3次元ゲーム空間を移動するパターンを示す情報である。本実施の形態では、例えば、左右移動パターン、上下移動パターン、高速左右移動パターン、高速上下移動パターン、左右移動+正回転パターン、左右移動+逆回転パターン、上下移動+正回転パターン、上下移動+逆回転パターン等のブロック群BGの様々な移動パターンが予め定められている。各移動パターンは、それらを一意に識別する移動パターンIDにより管理されている。
【0130】
ステージデータDT1026は現在のステージを示す情報である。残り球数データDT1027は、現在のステージにおいてユーザが投球可能な残り球数を示す情報である。スコアデータDT1028は、ブロックBの消去およびラインの達成によりユーザが獲得したスコア(ポイント)を示す情報である。
【0131】
本実施の形態のゲームシステム1、サーバ30又はゲーム端末10は、3次元ゲーム空間内を移動体が移動するゲームを提供する。前述の野球ゲームの例では、複数の球種の使い分けにより投球可能なボールを、3次元の的であるブロック群BGに向かって投球することができるゲームを提供する。
【0132】
ここで、「3次元ゲーム空間」とは、キャラクタ等のオブジェクトが配置される仮想的な空間であり、三つの座標軸が関連付けられた3次元の空間である。「3次元ゲーム空間」には、例えば、プレイヤキャラクタ(player character)、NPC、建物等のオブジェクト又は背景オブジェクト等を配置することができる。野球ゲームの例では、選手キャラクタ、ボール、ホームベース、球場のフェンス、その他のゲームで使用されるオブジェクト等が配置された仮想的な空間が、「3次元ゲーム空間」の一例に相当する。
【0133】
また、「移動体」とは、3次元ゲーム空間を移動可能なゲーム要素である。「移動体」は、例えば空中、地上、地下、水上または水中を移動し得る。野球、サッカー、その他の球技ゲームの例では、選手キャラクタが投げたり、蹴ったり、バットやラケット等で打ったりすることにより、空中を移動したり地上を転がりながら移動したりするボールが、「移動体」の一例に相当する。また、アクションゲーム等の各種ゲームで使用される弓矢、砲弾、ミサイル、円盤、モンスターまたは魚雷等のオブジェクトも「移動体」の一例に相当する。
「移動体」は、例えばボールのように、投手キャラクタ等の移動体送出オブジェクトを介して移動するものであってもよいし、例えば円盤やモンスター等のように、前記移動体送出オブジェクトを介すことなく移動するものであってもよい。
【0134】
図15に示すように、ゲームシステム1は制御部110を含む。制御部110は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31が実行することにより実現される。制御部110の機能の一部をゲーム端末10によって実現し、残りの機能をサーバ30によって実現してもよい。または、制御部110の機能の全てをサーバ30によって実現してもよいし、制御部110の機能の全てをゲーム端末10によって実現してもよい。
【0135】
制御部110は、特定領域設定部111(特定領域設定手段の一例)、移動体移動部112(移動体移動手段の一例)、及び特定部113(特定手段の一例)を含む。
【0136】
特定領域設定部111は、前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域を設定する機能を有する。
【0137】
ここで、「特定領域」とは、3次元ゲーム空間内に存在する、3次元の特定の領域である。「特定領域」は、それぞれ3次元の複数の小領域に分割されている。換言すれば、それぞれ3次元の複数の小領域により構成される3次元の領域が「特定領域」である。
「特定領域」は、複数の小領域が隙間なく集まった一塊の3次元の領域であってもよい。あるいは、「特定領域」は一塊の領域ではなく、「特定領域」を構成する複数の小領域のうちの1つ以上が他の小領域と離れていてもよい。例えば、分散した複数の小領域からなる3次元の領域を「特定領域」としてもよい。
【0138】
「特定領域」には、立体的なブロック等のオブジェクトが配置されてもよいし、当該オブジェクトが配置されなくてもよい。
なお、「特定領域」にブロック等のオブジェクトが配置されない場合であっても、ユーザが当該「特定領域」を視認できるようにすることが望ましい。例えば、「特定領域」をその他の領域とは異なる表示状態にする(例えば、領域の色、濃度、透明度、点滅の状態等を異ならせる)ことが望ましい。
【0139】
「特定領域」は、任意の立体形状にすることができる。「特定領域」が一塊の3次元の領域の場合、例えば、直方体、立方体、三角錐、八面体、その他の多面体、球体、円柱、その他様々な立体形状に設定し得る。
また、「特定領域」を構成する複数の「小領域」のそれぞれも、任意の立体形状にすることができる。「特定領域」を構成する複数の「小領域」は、全て同じ形状としてもよいし、複数の「小領域」のうちの1つ以上が他のものと形状が異なっていてもよい。
【0140】
例えば、「特定領域」を複数の「小領域」に分割する場合、全ての「小領域」が同じ形状になるように均等に分割することができる。一例を挙げると、「特定領域」が一塊の直方体の場合、「特定領域」を構成する全ての「小領域」を、同一の体積および形状の直方体に均等に分割する。
また、「特定領域」が一塊の円柱の場合、例えば、円柱の軸を中心として同心円状に分割することにより、各「小領域」の体積および形状が不均一になるように分割してもよい。その他の多面体や球体の一塊の「特定領域」においても、各「小領域」が不均等で様々な形状となるように分割してもよい。
【0141】
また、「特定領域」を構成する複数の「小領域」の形状については少なくとも一部が他のものとは異なるが、当該複数の「小領域」の体積については全て同一としてもよい。
【0142】
また、例えば、1つ以上の「小領域」が離れている「特定領域」の場合(例えば、複数の「小領域」が分散している場合)においても、「特定領域」を構成する複数の「小領域」は、全て同じ形状としてもよいし、複数の「小領域」のうちの1つ以上が他のものと形状が異なっていてもよい。
【0143】
また、「特定領域」は移動しない(すなわち3次元ゲーム空間内で位置が固定されている)ようにしてもよい。あるいは、「特定領域」の全体、又は「特定領域」を構成する複数の「小領域」の少なくとも1つが移動するようにしてもよい(その詳細は後述する)。
【0144】
前述の野球ゲームの例では、特定領域設定部111は、3次元の複数のブロックBに分割されてなるブロック群BGが配置される特定領域を、3次元ゲーム空間における投手キャラクタPCと捕手キャラクタCCとの間に設定する機能を有する。
【0145】
前記移動体移動部112は、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる機能を有する。ここで、「ユーザ操作」とは、移動体を移動させるための、ユーザによって行われる操作である。例えば、移動体の移動パラメータを決定するための操作は、「ユーザ操作」の一例に相当する。このユーザ操作は、複数の選択肢の中から1つを選択する操作であってもよいし、当該選択肢を伴わない操作であってもよい。
【0146】
例えば、野球ゲームにおけるストレート、カーブ、スライダー、フォーク等の球種は、移動体の一例としてのボールの軌道変化を示す移動パラメータに相当し、「複数の球種の中から1つを選択する操作」は、前記ユーザ操作の一例に相当する。なお、選択肢を伴わず、例えばボールの回転方向や回転数を、タッチ操作や数値入力等で直接指定する操作であってもよい。
【0147】
また、移動体の到達位置に関する移動パラメータを決定するための操作を「ユーザ操作」に含めてもよい。野球ゲームの例では、「ストライクゾーンおよびその周辺の領域における投球位置(位置座標)を指定する操作」は、前記ユーザ操作の一例に相当する。
また、移動体の移動速度に関する移動パラメータを決定するための操作を「ユーザ操作」に含めてもよい。野球ゲームの例では、「球速を数値入力等で指定する操作」は、前記ユーザ操作の一例に相当する。また、ストレートやカーブ等の球種によって球速は異なっているので、複数の球種の中から1つを選択すれば、結果的に選択した球種に関連付けられた球速を選択したことになる。よって、「複数の球種の中から1つを選択する操作」は、移動速度に関する移動パラメータを決定するためのユーザ操作の一例に相当する。
また、移動体の移動開始タイミングを指定するタイミング操作を「ユーザ操作」に含めてもよい。タイミング操作の詳細については後述する。
【0148】
また、ユーザ操作は、例えば、物理的なボタン等の操作、タッチインターフェースに対するタッチ入力操作、ポインティングディバイスを用いた操作、または音声入力による操作等であってもよい。
【0149】
前述の野球ゲームの例では、移動体移動部112は、球種選択操作、投球位置指定操作、又は投球開始タイミング入力操作を含むユーザ操作に基づいて、投手キャラクタPCにボールを投球させる機能を有する。
【0150】
また、前記特定部113は、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する機能を有する。ここで、「軌道」とは、移動体が3次元ゲーム空間を移動する経路のことをいう。野球ゲームの例では、ストレート、カーブ、スライダー、フォーク等の球種に応じて変化しながら3次元ゲーム空間を移動するボールの経路が、「軌道」の一例に相当する。また、サッカーゲームの例では、キックの際の回転のかけ方によって変化しながら3次元ゲーム空間を移動するボールの経路が、「軌道」の一例に相当する。
【0151】
また、「小領域を特定する」とは、移動体が移動しながら特定領域の少なくとも一部を通過する場合に、当該特定領域を構成する複数の小領域のうち、移動体が移動する軌道上に存在する小領域を判定することをいう。
例えば、移動体と小領域の外周面との当たり判定により、移動体が移動する軌道上に存在する小領域を判定することが、「小領域を特定する」の一例に相当する。また、特定領域を構成する複数の小領域のそれぞれに、小領域に対応する小オブジェクト(すなわち、小領域と同じ形状の小オブジェクト)が配置されている場合については次のようにしてもよい。すなわち、移動体と小オブジェクトとの当たり判定により、移動体が移動する軌道上に存在する小オブジェクトを特定することにより、小オブジェクトに対応する小領域を特定してもよい。なお、前記の当たり判定は、接触判定、重なり判定、衝突判定等の既知のアルゴリズムを適用できる。
小領域は3次元の立体形状であり、立体形状の外周面のどこかに移動体が接触すれば、移動体が移動する軌道上に存在する小領域として特定される。
【0152】
また、例えば、移動体の軌道線と3次元の小領域との重なり判定により、移動体が移動する軌道上に存在する小領域を判定することが、「小領域を特定する」の一例に相当する。ここで、移動体の軌道線は、例えば移動体の中心点の軌跡の線であってもよいし、移動体の移動方向(z軸方向)と垂直な面(xy面)を断面積とする幅のある線であってもよい。
【0153】
「小領域を特定する」処理は、移動中の移動体が各小領域と実際に接触するタイミングで実行されてもよいし、当該接触するタイミングよりも前に移動体および小領域の移動が内部的に計算できる場合は、当該接触するタイミングより前に実行されてもよい。一例を挙げると、野球ゲームの場合、移動体の一例としてのボールが投手キャラクタPCからリリースされる時点で、例えば、ボールの軌道が内部的に計算されて決定している。さらに、特定領域(例えば前記ブロック群BGにより形成される領域)の移動も予め決まっている(または特定領域が移動しない)場合もある。この場合、ボールが特定領域に到達する前の段階で(例えばボールがリリースされる時点で内部的に計算して)、ボールが移動する軌道上に存在する小領域を特定する処理を実行してもよい。
【0154】
前述の野球ゲームの例では、特定部113は、投球されたボールが移動する軌道上に存在するブロックBを、ボールとブロックBとの当たり判定により特定する(これにより、当該ブロックBに対応する小領域を特定する)機能を有する。
【0155】
前記特定領域設定部111は、複数の前記小領域が集まった一塊の前記特定領域を設定することが好ましい。この場合、前記特定部113は、前記移動体が移動する前記軌道に存在する、隣接する前記小領域を連続的に特定し得る。
【0156】
ここで、「複数の小領域が集まった一塊の特定領域」とは、特定領域を分割する複数の小領域が隙間なく一カ所に集まった一塊の3次元の領域をいう。隣接する小領域同士は隙間なく接しているため、移動体が特定領域を通過する場合、当該移動体の軌道に存在する隣接する小領域を連続的に特定し得るのである。
【0157】
前述の野球ゲームの例では、特定領域設定部111は、複数のブロックBが隙間なく集まった一塊のブロック群BGが配置される特定領域を、3次元ゲーム空間に設定する。これにより、特定部113は、投球されたボールが移動する軌道に存在する、隣接するブロックBを連続的に特定(これにより、当該ブロックBに対応する隣接する小領域を連続的に特定)し得る。
【0158】
上記の構成によれば、ボールがブロック群BGを通過する際の軌道の全体が、隙間なく隣接する複数のブロックBの連続的な特定に使用されるので、ユーザはブロック群BGを通過するボールの軌道の全体を考えて、ボールを投球する必要があり、ゲームの興趣性が高まる。
【0159】
前記特定領域設定部111は、複数の前記小領域に対応する複数の小オブジェクトを配置することが好ましい。ここで、「小オブジェクト」とは、特定領域を構成する複数の小領域にそれぞれ対応し、小領域と同じ形状を有するオブジェクトである。「小オブジェクト」の外周面は小領域の外周面と一致する。また、小領域が移動する場合、当該小領域に対応する「小オブジェクト」も移動する。よって、移動体が移動する軌道上に存在する「小オブジェクト」を特定することは、「小オブジェクト」に対応する小領域を特定することになり得る。
【0160】
「小オブジェクト」は、ユーザが視認可能な、例えば半透明のブロック等のゲーム要素である。「小オブジェクト」は、移動体と接触したり、移動体が通過したりした場合、消去等の作用が及ぼされるようにしてもよいし、作用が及ぼされることなく移動体が通過するようにしてもよい。
【0161】
前述の野球ゲームの例では、ブロック群BGを構成する各ブロックBが「小オブジェクト」に相当する。特定領域設定部111は、複数の小領域に対応する複数のブロックBを3次元ゲーム空間に配置する。この構成によれば、特定領域を構成する複数の小領域には対応する複数のブロックBが配置されるので、ユーザはブロックBを的として狙い易くなる。
【0162】
また、図17に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、作用部114(作用手段の一例)を含む構成とすることができる。この作用部114は、前記特定部113によって特定された前記小領域に対応する前記小オブジェクトに作用を及ぼす機能を有する。
【0163】
ここで、「小オブジェクトに作用を及ぼす」とは、小オブジェクトに何らかの影響を与えることをいう。例えば、小オブジェクトを消去する、破壊する、別の場所へ移動させる、色を変える、透明度を変える、点滅の状態を変える等が、「小オブジェクトに作用を及ぼす」の一例に相当する。」また、作用が及ぼされた1つ以上の小オブジェクトに応じてポイント等の報酬が付与される場合、小オブジェクトを報酬が獲得できる状態にすることが「小オブジェクトに作用を及ぼす」の一例に相当する。
【0164】
前述の野球ゲームの例では、作用部114は、特定部113によって特定されたブロックBを消去する作用を及ぼす。この構成によれば、ブロックBに対する作用付加の有無に応じた、または作用が付加された(または作用が付加されずに残った)ブロックBの配等に応じたゲームを展開できるので、ゲーム性を高めることができる。
【0165】
また、図17に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、領域移動部115(領域移動手段の一例)を含む構成とすることができる。この領域移動部115は、前記特定領域の全体、又は前記特定領域を構成する複数の前記小領域の一部を移動させる機能を有する。
【0166】
ここで、「特定領域の全体を移動させる」とは、複数の小領域が集まった一塊の特定領域の場合は、当該一塊の特定領域を3次元ゲーム空間内で移動させる(すなわち、3次元ゲーム空間内の位置座標を変化させる)ことである。特定領域の移動には、水平移動、垂直移動、斜め方向への移動、回転移動(正回転:時計回り、逆回転:反時計回り、正逆両回転を含む)、往復移動、ランダムな方向へのジグザク移動、あるいはこれらの移動の種類(または移動の方向)を複数組み合わせた移動なども含まれる。回転移動の場合、特定領域の中心軸を中心とした回転移動であってもよいし、当該中心軸からずれた軸を中心とした回転移動であってもよいし、任意の点を中心とした回転移動であってもよい。
【0167】
また、移動体が移動される毎に、特定領域の動き方(移動方向等)を変化させてもよい。一例を挙げると、野球ゲームにおいて、n球目(nは1以上の自然数)のボールの投球の際には、特定領域が例えば水平方向に往復移動し、(n+1)球目のボールの投球の際には、特定領域が前記とは異なる方向、例えば垂直方向に往復移動するようにしてもよい。
【0168】
例えば、5秒毎に、特定領域の移動方向を、左右方向(水平方向の往復移動)と上下方向(垂直方向の往復移動)とで切り換える。なお、前記「所定期間」は一定(固定)である必要はなく、例えば、左右方向の移動は3秒間、上下方向の移動は5秒間というように、「所定期間」の長さが変化してもよい。
【0169】
また、1つ以上の小領域が離れている特定領域の場合(例えば、複数の小領域が分散している特定領域の場合)、特定領域を構成する複数の小領域を全て移動させることが、「特定領域の全体を移動させる」の一例に相当する。この場合、特定領域を構成する複数の小領域が全て同じ移動をするようにしてもよいし、複数の小領域のそれぞれがバラバラの移動をしてもよい。一例を挙げると、特定領域を構成する複数の小領域の一部が例えば水平方向の往復移動をし、他の一部が例えば垂直方向の往復移動をし、さらに他の一部が例えば回転移動をするようにしてもよい。すなわち、特定領域を構成する複数の小領域のうちの少なくとも1つが、他のものとは異なる移動をしてもよい。
【0170】
特定領域の移動速度に関し、移動中は常に移動速度が一定(固定)であってもよいし、移動途中で移動速度を変化させてもよい。また、移動体が何度移動されても特定領域の移動速度は一定(固定)であってもよいし、移動体が移動される毎に、特定領域の移動速度を変化させてもよい。一例を挙げると、野球ゲームにおいて、所定投球回数毎に進行するステージが進むほど、または同じステージでも投球数が多くなるほど、特定領域の移動速度を速くして難易度を変化させるようにしてもよい。
【0171】
特定領域を構成する複数の小領域に対応する複数の小オブジェクト(ブロックB等)が配置されている場合、特定領域の全体、又は特定領域を構成する複数の小領域の一部を移動させることは、対応する小オブジェクトを移動させることでもある。
【0172】
また、「複数の小領域の一部を移動させる」とは、1つ以上の小領域が離れている特定領域の場合(例えば、複数の小領域が分散している特定領域の場合)に、特定領域を構成する複数の小領域のうちの一部(少なくとも1つ)を部分的に移動させることである。移動対象の小領域の移動に関しては、前述の特定領域の移動と同様である。
【0173】
前述の野球ゲームの例では、領域移動部115は、特定領域を形成するブロック群BGを、線形移動または回転移動させる機能を有する。この構成により、ゲームの難易度を変化させることができる。また、ユーザは、ブロック群BGの挙動とボールの軌道とを意識してボールを移動させる必要が生じ、ゲーム性を高めることができる。
【0174】
また、前記領域移動部115は、前記移動体移動部112による前記移動体の移動が所定回数行われる毎に進行するゲームステージが進むほど、又は前記移動体移動部112による前記移動体の移動の回数が多くなるほど、前記特定領域の全体の移動、又は前記特定領域を構成する複数の前記小領域の一部の移動を複雑化してもよい。
【0175】
ここで、移動対象の特定領域の全体、または特定領域を構成する複数の小領域の一部の移動について、移動の種類(または移動の方向)を増やすことが、「移動を複雑化する」の一例に相当する。また、前記移動対象の移動について、移動速度をより速くすることが「移動を複雑化する」の一例に相当する。また、前記移動対象の移動について、移動速度を一定ではなく変化させることが、「移動を複雑化する」の一例に相当する。
【0176】
前述の野球ゲームの例では、領域移動部115は、移動体移動部112によるボールの移動(投球)が所定数(例えば4回)行われる毎に進行するゲームステージが進むほど、特定領域を形成するブロック群BGの移動を複雑化する。なお。同じゲームステージ内でも投球数が多くなるほどブロック群BGの移動を複雑化してもよい。また、ステージが進行するゲームステージ制ではなく、1ゲームで所定数の投球を行うゲームであってもよい。この場合も、投球数が多くなるほどブロック群BGの移動を複雑化することが好ましい。
【0177】
上記の構成によれば、ゲームステージが進むほど、又は投球回数が多くなるほどブロック群BGの移動が複雑化し、ユーザ操作の難易度が高まる。これにより、ゲームの興趣性をより高めることができる。
【0178】
また、前記ユーザ操作には、複数の軌道に関する選択肢の中から1つを選択する選択操作を含めてもよい。ここで、「複数の軌道に関する選択肢」とは、複数の軌道により移動可能な移動体の軌道を決定するための、ユーザ操作により選択可能な選択肢である。
例えば、野球ゲームにおけるストレート、カーブ、スライダー、フォーク等の球種は、移動体の一例としてのボールの軌道変化を示す移動パラメータに相当する。よって、「投手キャラクタPCが投球可能な複数の球種の中から1つを選択する操作」は、「複数の軌道に関する選択肢の中から1つを選択する選択操作(以下、単に「選択操作」と称する)の一例に相当する。また、例えば、球種によってボールの握り方が異なっており、ボールの握り方が変わればボールに加えられる回転が変わり、それによってボールの軌道が変わるので、ボールの握り方は軌道変化を生じさせる要素である。よって、「複数のボールの握り方の中から1つを選択する操作」も、前記「選択操作」の一例に相当する。また、ボールの回転方向または回転数によってボールの軌道が変わるので、ボールの回転方向または回転数は軌道変化を生じさせる要素であり、「複数のボールの回転方向または回転数の中から1つを選択する操作」も、前記「選択操作」の一例に相当する。
【0179】
また、例えばサッカーゲームにおいて、キックの種類によってボールに加えられる回転が変わり、それによってボールの軌道が変わる場合、キックの種類は軌道を変化させる要素であり、「複数のキックの種類の中から1つを選択する操作」は、前記「選択操作」の一例に相当する。
【0180】
そして、図17に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、特典付与部116(特典付与手段の一例)を含む構成とすることができる。この特典付与部116は、前記複数の軌道に関する選択肢のそれぞれについて、ユーザにより選択された選択肢の選択回数が所定回数以内の場合に、所定の特典を付与する機能を有する。
【0181】
ここで、「特典」は、ゲームの提供者またはユーザが価値を有するものと認識できるものであればよい。例えば、ゲームポイント、ゲーム内通貨、ゲームアイテム、ゲームキャラクタまたはゲームに関する権利等が「特典」の一例に相当する。ゲームに関する権利は、例えば、所定のゲームモードをプレイできる権利、ゲーム内で開催される大会等のイベントに参加できる権利等である。また、「特典」は、ゲーム内で用いられるものでなくてもよく、例えば賞金または景品等であってもよい。
【0182】
前記「特典」には、ユーザにより選択された選択肢の選択回数が所定回数以内という特典の付与条件が設定されている。所定回数は、「1」であってもよいし、「2」以上であってもよく、任意の回数を設定できる。例えば、所定回数を「1」とした場合は、それぞれの選択肢の初回の選択時にのみ、特典が付与される。所定回数を超えて選択された選択肢については特典が付与されないので、いろいろな選択肢(例えば球種)をユーザに選択することを動機付けることができる。
前述の野球ゲームの例では、特典付与部116は、投手キャラクタPCが投球可能な複数の「球種」の選択肢のそれぞれについて、ユーザによる選択回数が1の場合のみ(すなわち、初回の選択のみ)、ユーザに「初回選択ボーナス」を付与する機能を有する。
【0183】
前記複数の軌道に関する選択肢は、前記移動体を移動させる操作対象に関連付けられているパラメータの1つとしてもよい。ここで、「操作対象」とは、ゲーム内においてユーザによって操作される対象となるキャラクタ等のオブジェクトである。「操作対象」には、スポーツ選手等の人物、動物等の生物、モンスター等の架空の人物や生物、ロボット等の非生物を示すゲームキャラクタ等が含まれる。野球ゲームの例では、移動体の一例としてのボールを投げる投手キャラクタが、「操作対象」の一例に相当する。また、サッカーゲームの例では、移動体の一例としてのボールをキックして移動させる選手キャラクタが、「操作対象」の一例に相当する。
【0184】
また、前記「パラメータ」とは、操作対象に関連付けられている操作対象の情報である。「パラメータ」には、複数の軌道に関する選択肢が含まれる。野球ゲームの例では、操作対象の投手キャラクタPCに関連付けられている持ち球(投球可能な複数の球種)の情報が、パラメータの1つとしての「複数の軌道に関する選択肢」の一例に相当する。
【0185】
そして、前記操作対象は、前記ゲームとは異なる第2のゲームにおいて前記パラメータの変更又は設定が行われたものとしてもよい。ここで、「前記ゲームとは異なる第2のゲーム」に関し、前記ゲームおよび第2のゲームのそれぞれは、ある1つのゲームの一部分であってもよいし、ゲームとして別体であってもよい。即ち、ある1つのゲームプログラムにより実行されるゲームの一部分が、前記ゲームおよび第2のゲームのそれぞれであってもよいし、第1のゲームプログラムにより実行されるのが前記ゲームであり、第2のゲームプログラムにより実行されるのが第2のゲームであってもよい。
【0186】
また、前記「パラメータを変更する」とは、キャラクタに設定されているパラメータを変化させることである。例えば、キャラクタに設定されているパラメータを向上させること又は低下させることが「パラメータを変更する」の一例に相当する。野球ゲームの投手キャラクタの例では、変化球の変化量の値を向上させることが、「パラメータを変更する」の一例に相当する。
また、前記「パラメータを設定する」とは、例えば、キャラクタにまだ設定されていないパラメータを当該キャラクタに設定することである。例えば、キャラクタが有していなかった能力等を当該キャラクタに追加する(例えば、キャラクタに軌道に関する選択肢を新たに関連付ける)ことが、「パラメータを設定する」の一例に相当する。野球ゲームの投手キャラクタの例では、投手キャラクタが有していない(習得していない)球種を新たに追加することが、「パラメータを設定する」の一例に相当する。
【0187】
前述の野球ゲームの例では、操作対象の投手キャラクタPCは、ブロック群BGを的とするゲームとは異なる育成モードのゲームにおいて持ち球のパラメータの変更又は設定が行われたものである。これによれば、育成モードで作成した操作対象によって、選択できる球種の数および各球種の変化量が異なり得る。ユーザは、選択できる球種の数が多く、また様々な変化量を持つ操作対象の投手キャラクタPCを育成モードで作成することにより、ゲームを有利に進めることができるようになる。これにより、ユーザに育成モードのゲームを遊戯する動機付けを与えることができる。
【0188】
また、図17に例示するように、ゲームシステム1の制御部110は、予測軌道表示部117(予測軌道表示手段の一例)を含む構成とすることができる。この予測軌道表示部117は、前記移動体の移動開始前に、前記移動体の移動後の軌道を予測するための予測軌道を表示する機能を有する。ここで、「予測軌道」とは、移動体の移動開始前に画面に表示される、移動体が移動された後にとり得る軌道の情報であり、ユーザが移動体の移動後の軌道を事前に予測するための情報である。野球ゲームの例では、ユーザにより球種及び/又は目標投球位置が指定された後であって、ボールがリリースされる前に画面に表示される、当該球種及び/又は目標投球位置に応じた軌道の情報が「予測軌道」の一例に相当する。また、サッカーゲームの例では、ユーザによりキックの種類(回転のかけ方の種類)及び/又はシュートの目標位置が指定された後であって、ボールがキックされる前に画面に表示される、当該キックの種類及び/又はシュートの目標位置に応じた軌道の情報が「予測軌道」の一例に相当する。
【0189】
前述の野球ゲームの例では、図7及び図8に示すように、予測軌道表示部117は、投手キャラクタPCが投球動作を開始する前、またはボールが投手キャラクタPCからリリースされる前に、投球後のボールの軌道を予測するための予測軌道PTを画面に表示する機能を有する。予測軌道PTは、ユーザが選択した球種に応じたものである。また、ユーザが目標投球位置を移動させる操作を行うと、当該目標投球位置の移動に連動して予測軌道PTも変化する。
【0190】
上記の構成によれば、ユーザは、ボールが投手キャラクタPCからリリースされる前に表示される予測軌道PTを視認しながら、投球のためのユーザ操作を行うことができるので、ユーザの操作性の向上を図れる。
【0191】
また、前記ユーザ操作には、前記移動体の移動開始タイミングを指定するタイミング操作を含めてもよい。前述の野球ゲームの例では、図7に示すタイミングゲージP410を用いた「投球開始タイミング入力操作」がユーザ操作に含まれる。ここで、「タイミング操作」とは、移動体の移動が開始される前に、ユーザによって行われる操作の1つであり、移動体が移動を開始するタイミングを指定する操作である。但し、タイミング操作が行われたタイミングに基づいて、移動体の移動が開始されない場合があってもよい。例えば、移動開始の制限時間内にタイミング操作が行われなかった場合には、当該制限時間経過後に移動体の移動が開始されてもよい。
【0192】
そして、前記移動体移動部112は、前記タイミング操作のタイミングに基づいて、前記移動体が移動する軌道を前記予測軌道から変更するようにしてもよい。ここで、「移動体が移動する軌道を予測軌道から変更する」とは、ユーザによって行われたタイミング操作のタイミングに基づいて、移動体が移動する軌道を予測軌道から変更して軌道のずれを生じさせることをいう。タイミング操作のタイミングによっては、予測軌道からの変更を行わないことがあってもよい。例えば、特定の期間中にタイミング操作が行われた場合には予測軌道からの変更を行わず、特定の期間以外でタイミング操作が行われた場合にのみ予測軌道からの変更を行ってもよい。この場合、例えば、タイミング操作のタイミングが特定の期間から離れるほど、予測軌道からのずれを大きくするようにしてもよい。
【0193】
前述の野球ゲームの例では、移動体移動部112は、タイミングゲージP410を用いた投球開始タイミング入力操作のタイミングに基づいて、投手キャラクタPCからリリースされたボールが移動する軌道を、投球前に表示された予測軌道PTから変更する。具体的には、パーツP4106がナイスピッチゾーンE4103を通過するタイミング(「ナイスピッチのタイミング」と称する)で投球開始タイミング入力操作が行われない場合は、投球前に表示された予測軌道PTからボールの軌道がずれるようにする。または、ナイスピッチのタイミングで投球開始タイミング入力操作が行われなかった場合、ナイスピッチのタイミングで投球開始タイミング入力操作が行われた場合よりも、予測軌道PTからボールの軌道がずれる確率を高くする。
【0194】
上記の構成によれば、投球開始タイミング入力操作のタイミングによっては、投球前に表示される予測軌道PTからのずれが生じ、ユーザが意図した軌道でボールを移動できないこともあり得る。よって、ユーザはタイミングの入力を的確に行うことが求められ、ゲーム性を高めることができる。
【0195】
[4.処理]
次に、本実施の形態のゲームシステム1で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、前述の野球ゲームを実行する場合のゲームシステム1の処理の一例を説明する。
【0196】
図18ないし図20は、ゲームシステム1の処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14、ROM32、RAM33又は補助記憶装置34等)に記憶されているゲームプログラムを、制御部110(ゲーム端末10のCPU11又はサーバ30のCPU31)が実行することにより実現される。
【0197】
まず、投球によりブロック群BGを消去するゲームがユーザに選択されることによって処理が開始される。ユーザは、ゲーム開始前に予め(またはゲーム開始直後に)、投球タイプを選択することができる。投球タイプには、前述の「3回のタッチ操作による投球タイプ」または「1回のタッチ操作による投球タイプ」がある。ここでは、「3回のタッチ操作による投球タイプ」が選択された場合の処理例について説明する。
【0198】
図18のS100において、制御部110はプレイ選手選択処理を行う。具体的に、制御部110は、ゲームに使用可能な複数の投球キャラクタの選択画面を表示部17に表示する。選択画面には、ユーザが育成モードで育成した複数の投手の育成選手、ユーザが所持している投手のイベントキャラクタ、及び予め定められた投手キャラクタ(例えば、ゲーム運営側が用意した所定のキャラクタ)が表示される。制御部110は、前記選択画面でユーザが選択した投球キャラクタの情報を、図16の使用投手データDT1021として記憶する。
【0199】
S102では、制御部110はスコア単価の算出処理を行う。具体的に、制御部110は、使用する投手キャラクタPCの「球速」および「格」のパラメータに基づいて、「消去スコア」のスコア単価を算出する。また、制御部110は、使用する投手キャラクタPCの「コントロール」および「集客力」のパラメータに基づいて、「ラインスコア」のスコア単価を算出する。制御部110は、算出した各スコア単価の情報を、図16のスコア単価データDT1022として記憶する。
【0200】
S104では、制御部110は、ブロック群の残数、すなわちステージ数を、所定値(本実施の形態では「3」)に設定し、図16のステージデータDT1026として記憶する。S106では、制御部110は、図4に例示するように、どのブロックBも消去されていない初期状態のブロック群BGを、3次元ゲーム空間に表示する。
【0201】
S108では、制御部110はボーナス倍率の設定処理を行う。具体的に、制御部110は、使用する投手キャラクタPCの持ち球の各球種に適用する「変化球ボーナス」の倍率を、各球種の変化量に応じて設定する。また、制御部110は、各球種に適用する「初回選択ボーナス」の倍率も設定する。制御部110は、各ボーナスの倍率の情報を、図16のボーナスデータDT1023として記憶する。
S110では、制御部110は、ブロック群毎(ステージ毎)に投球可能な球数を所定値(本実施の形態では「4」)に設定し、図16の残り球数データDT1027として記憶する。
【0202】
S112では、制御部110は、ブロック群BGの移動パターンを決定する。前述のようにステージ毎に取り得る移動パターンは異なり、ステージが進行するほど移動パターンも複雑化する。移動パターンが複数存在するステージでは、例えばランダムに移動パターンが抽選される。あるいは投球毎に適用する移動パターンを予め定めていてもよい。制御部110は、決定した移動パターンの情報を、図16のブロック群移動パターンデータDT1025として記憶する。
S114では、制御部110は、決定した移動パターンでブロック群BGを移動させる。ブロック群BGの移動は、後述のS126でブロック群BGの移動が一時停止されるまで継続する。
【0203】
S116では、制御部110は、球種選択処理を行う。具体的に、制御部110は、図4に例示するように、ゲーム画面G300の球種選択領域A307に、球種選択ボタンP311~P316および各変化球の変化量等を示すパーツP322~P326を表示する。そして、制御部110は、前記ゲーム画面G300でユーザが選択した球種の情報を、ゲーム管理データDT102に記憶する。
【0204】
その後のS118では、制御部110は、図7に例示するように、選択された球種に応じた予測軌道PTを表示する。予測軌道PTは、例えばストライクゾーンの真ん中に目標投球位置がくるように初期設定される。なお、目標投球位置の初期設定の位置はストライクゾーンの真ん中である必要はなく、任意の位置を初期位置とすることができる。予測軌道PTは、選択された球種、当該球種の変化量、目標投球位置(初期設定の位置)等に基づいて、既知のアルゴリズムを適用して算出される。制御部110は、予測軌道PTの情報をゲーム管理データDT102に記憶する。
【0205】
なお、フローチャートでは省略しているが、ユーザが球種の選択をし直す操作をした場合は、S116へ戻る。すなわち、ユーザは画面に表示された予測軌道PTを見て、球種を変えるか否かを判断できる。
【0206】
図19のS120では、制御部110は、目標投球位置を移動する操作が行われたか否かを判断する。本実施の形態では、制御部110は、図8に示すように、ユーザが画面にタッチした指Fをスライドさせたか否かを判断する。前記スライド操作が行われた場合(S120でYES)、制御部110は、スライドに伴なう指Fの変位に連動して、目標投球位置(すなわち予測軌道PTの捕手キャラクタCC側の端部PT1)を移動させることによって、予測軌道PTを変更する(S122)。ユーザは、目標投球位置を移動させながらリアルタイムで予測軌道PTの変化を確認し、目標投球位置の微調整をすることができる。S120およびS122の処理は、目標投球位置が確定する(S124でYES)まで繰り返される。
【0207】
S124では、制御部110は、目標投球位置を確定する操作が行われたか否かを判断する。本実施の形態では、制御部110は、ユーザが指を画面から離すタッチオフ操作を行ったか否かを判断する。ユーザがタッチオフ操作を行った場合(S124でYES)、制御部110は、タッチオフ時の予測軌道PTの端部PT1の位置を、ユーザが指定した目標投球位置の情報としてゲーム管理データDT102に記憶する(S126)。また、制御部110は、目標投球位置の移動により変更された予測軌道PTの情報を、ゲーム管理データDT102に記憶する(S126)。
【0208】
また、制御部110は、目標投球位置を確定する操作(前記タッチオフ操作)が行われたタイミングで、ブロック群BGの移動を一時停止する(S128)。さらに、制御部110は、図7に例示するタイミングゲージP410のパーツP4106を一定の速度で移動させる(S130)。これにより、ユーザは投球開始タイミング入力操作が可能となる。そして、投球開始タイミング入力操作が可能な期間中は、ブロック群BGの移動が一時停止状態となる。ユーザによって投球開始タイミング入力操作が行われた場合(S132でYES)、制御部110は、タイミングに基づく次の処理を実行する。すなわち、制御部110は、パーツP4106がナイスピッチゾーンE4103を通過中のタイミングで投球開始タイミング入力操作が行われたか否かを判断し(S134)、YESの場合はS136に進み、NOの場合はS138に進む。
【0209】
S136では、制御部110は、ナイスピッチボーナスを発生させ、ボーナス倍率の情報を、図16のボーナスデータDT1023として記憶する。また、ナイスピッチのタイミングで入力された場合には、コントロールの乱れ(目標投球位置からのずれ)が生じることなく、実際の投球の軌道が予測軌道PTからずれないようにすることができる。
なお、確率により目標投球位置からのずれが生じるようにしてもよいが、ナイスピッチのタイミングで入力された場合、当該タイミングで入力されなかった場合よりも、前記ずれが生じる確率は低く、また、ずれる範囲も小さくする。
【0210】
一方、S138では、制御部110は、コントロールの乱れ(前記目標投球位置からのずれ)による予測軌道PTからのずれを発生させる。例えば、制御部110は、図7の領域E4101のタイミングで入力された方が、領域E4102のタイミングで入力された場合よりも、前記目標投球位置からのずれをより大きくする(又はずれる範囲をより大きくする)。また、例えば、領域E4104のタイミングで入力が行われた場合、前記目標投球位置からのずれを最も大きくする(又はずれる範囲を最も大きくしたり、目標投球位置に依らずストライクゾーンの真ん中付近に投球されるようにしたりする)。制御部110は、前記投球位置ずれの発生により、S126で記憶したユーザが指定した目標投球位置から実際の投球位置に変更し、ゲーム管理データDT102に記憶する。これに伴い、制御部110は、実際に投球するボールの軌道も予測軌道PTから変更して更新(上書き)し、更新後の情報をゲーム管理データDT102に記憶する。
【0211】
また、投球開始タイミングの入力が行われた(S132でYES)ことを契機として、制御部110は、投手キャラクタPCに投球動作を開始させる(S140)とともに、一時停止していたブロック群BGの移動を再開させる(S142)。
【0212】
その後、図20のS144では、制御部110は、ゲーム管理データDT102に記憶されている予測軌道PTの情報(更新された場合は更新後の情報)に基づいて、投手キャラクタPCからリリースされたボールを3次元ゲーム空間上で移動させる。
【0213】
S146では、制御部110は、3次元ゲーム空間上を移動するボールの軌道上のブロックBを特定する。例えば、制御部110は、ボールと接触するブロックBを判定する処理を実行する。S148では、制御部110は、特定した接触ブロックBを消去する。そして、制御部110は、図16のブロック管理データDT1024を更新する。
【0214】
S150では、制御部110は、消去したブロックBの数および達成したラインの数に基づいて、また対象となるボーナスの倍率を適用して、ユーザが獲得したスコアを算出し、ゲーム画面に反映する。また、制御部110は、図16のスコアデータDT1028を更新する。
【0215】
S152では、制御部110は、今回使用された球種の初回ボーナスを消滅させ、ボーナスデータDT1023を更新する。
S154では、制御部110は、ブロック群毎の球数を一つ減らし、残り球数データDT1027を更新する。S156では、制御部110は、ブロック群毎の球数が0より大きいか否かを判断する。ブロック群毎の球数が0より大きい場合(S156でYES)、図18のS112に戻り、制御部110は、次の投球に対してブロック群BGの移動パターンを決定し、以降は前述の各処理を実行する。
【0216】
一方、ブロック群毎の球数が0の場合(S156でNO)、現在のステージが終了となり、制御部110は、ブロック群の残数が0より大きいか否かを判断する(S158)。ブロック群の残数が0より大きい場合(S158でYES)、制御部110は、ステージ毎の結果を画面に表示する(S160)。そして、制御部110は、現在画面に表示されているブロック群BGを消去する(S162)。また、制御部110は、ブロック群毎の球数を一つ減らし、ステージデータDT1026を更新する(S164)。その後、図18のS106に戻り、制御部110は、次のステージのために、どのブロックBも消去されていない初期状態のブロック群BGを表示し、以降は前述の各処理を実行する。
また、ブロック群の残数が0の場合(S158でNO)、制御部110は、例えば、トータルスコアを表示したり、スコアに応じた報酬をユーザに付与する等の終了処理を実行し(S166)、ゲームを終了する。
【0217】
[5.まとめ]
従来であれば、的が平面(2次元)であり、的の正面以外においてボールが接触したか否かは考慮されないので、ユーザは的の正面にボールを当てることを考えるだけでよい。これに対し、以上に説明した実施形態に係るゲームシステム1では、3次元の複数の小領域(ブロックB)に分割されてなる3次元のブロック群BGにより形成される特定領域が的となる。的が立体(3次元)になることで、ユーザはボールの実際の軌道を意識することになり、これまでにない興趣を得られる。すなわち、3次元のブロック群BGにボールを接触(または通過)させる場合のボールの軌道は、奥行も含めると幾通りも考えられ、ユーザの攻略方法は複雑になり、従来よりもゲームの興趣性を向上させることができる。
【0218】
[6.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
[6-1]以上では、ゲームに使用する投手キャラクタPCを、育成選手、イベントキャラクタ、予め定められた投手キャラクタの中からユーザが選択する例を示したが、これに限定されない。例えば、ゲームで使用する投手キャラクタは予め定められている(例えば、どのユーザもゲーム運営側が用意した特定のキャラクタを必ず使用する)仕様であってもよい。
【0219】
[6-2]以上では、「投球によりブロックBを消去するゲーム」を、ゲームシステム1やゲーム端末10で実行可能な複数のゲームの一つとして説明したが、当該ゲームを他のゲームを含まない単独のゲームとしてもよい。
【0220】
[6-3]以上では、1つのステージあたり4球投球できるゲームステージを3ステージ設ける仕様としているが、ステージあたりの投球数やステージ数は任意に設定できる。また、ゲーム終了条件を投球数で判断するのではなく、制限時間としてもよい。例えば、制限時間内であれば何球でも投球できるようにしてもよい。また、ゲーム終了条件として、制限時間と投球の上限回数とを両方とも設定し、何れかの条件を満たせばゲーム終了としてもよい。また、ブロック群BGを構成する複数のブロックBを全て消去するまでに要する時間を競うゲーム仕様としてもよい。あるいは、ブロック群BGを構成する複数のブロックBを全て消去するまでに要した球数を競うゲーム仕様としてもよい。あるいは、制限時間内で消去できたブロックBの数を競うゲーム仕様としてもよい。また、複数の種類のブロックBを設け、ブロックBによって得られるスコアを変える仕様としてもよい。また、投球されたボールの軌道上に存在するブロックBを特定しても、当該特定したブロックBに消去等の作用を及ぼさず、例えば、特定したブロックBに応じたスコアを付与するようなゲーム仕様であってもよい。このように、3次元ゲーム空間を移動するボール等の移動体の軌道上に存在する「3次元の小領域」を特定するゲームについては、様々なゲーム仕様を適用できる。
【0221】
[6-4]以上では、主に、球種選択操作、投球位置指定操作、及び投球開始タイミング入力操作を含むユーザ操作に基づいて、投手キャラクタPCにボールを投球させる仕様について説明したが、これに限定されない。前述のように、投球開始タイミング入力操作を省略することができる。この場合、図19のフローチャートのS128~S138、S142を省略できる。
また、投球位置指定操作も省略して球種選択操作だけで投球できるようにしてもよい。この場合、目標投球位置は所定位置(例えばストライクゾーンの真ん中等)としてもよいし、使用する投手キャラクタPCのパラメータ(コントロール能力)により所定位置からずれるようにしてもよい。
あるいは、球種選択操作および投球開始タイミング入力操作の2つの操作で投球できる仕様にしてもよい。この場合、目標投球位置は所定位置(例えばストライクゾーンの真ん中等)であるが、前述のとおり投球開始タイミング入力操作のタイミングによって目標投球位置がずれることもある仕様とすることができる。
あるいは、球種選択操作を省略し、例えば球種については投手キャラクタPCの持ち球の中からランダムに抽選されるようにしてもよい。
これらは一例であり、野球ゲームの場合は、球種選択操作、投球位置指定操作、投球開始タイミング入力操作の少なくとも1つをユーザ操作に含める仕様とすることができる。
【0222】
また、前述の球種選択操作の代わりに、例えばボールをスワイプする操作(具体的には画面を指(指示体の一例)でなぞってボールの軌道を指定する操作)を適用してもよい。また、ボールを指でスワイプする操作でボールの軌道を指定しながら、指を画面から離した位置で目標投球位置を指定するようにしてもよい。このボールをスワイプする操作により、ボールの軌道の指定および目標投球位置の指定が、1回の画面への接触操作により略同時に可能である。
また、例えばサッカーゲームにおいても、同様に、移動体としてのボールをスワイプする操作(具体的には画面を指でなぞってボールの軌道を指定しながら指を画面から離すことによってシュートコース(目標到達位置)を指定する操作)により、軌道の選択とシュートコースの指定を行うことができるようにしてもよい。
【0223】
[6-5]以上では、投球開始タイミング入力操作をユーザ操作に含める場合、投球開始タイミングを入力するための期間中は、ブロック群BGの移動を一時停止する例について説明した。この場合、投球開始タイミング入力操作が可能となるタイミング(例えば「3回のタッチ操作による投球タイプ」の場合は投球位置指定操作のタイミング、「1回のタッチ操作による投球タイプ」の場合は球種選択操作のタイミング)でブロック群BGの移動が停止することを見計らって、ユーザが操作を行うことを要求される。但し、その後の投球開始タイミング入力操作においては、ブロック群BGの移動が一時停止しているので、ナイスピッチのタイミングで操作することに集中できる。
【0224】
上記に限定されることなく、投球開始タイミング入力操作をユーザ操作に含める場合であっても、ブロック群BGを一時停止させることなく移動を継続するようにしてもよい。この場合、ブロック群BGの挙動を考えて投球開始タイミングの入力を行う必要があるだけでなく、ナイスピッチのタイミングも合わせる必要が生じ、ゲームの難易度は大幅に高くなる。
【0225】
なお、投球開始タイミング入力操作をユーザ操作に含める場合であっても、前述のナイスピッチのタイミングを狙う必要がなく、入力タイミングによって予測軌道が変更されない仕様とするのであれば、ブロック群BGを一時停止させる必要性は少なくなる。
【0226】
[6-6]軌道の変化方向が定まっていない球種(例えばナックル等)を選択できるようにしてもよい。当該球種の場合、例えば投球時に複数の変化方向からランダムに変化方向が決定される。
【0227】
[6-7]以上では、野球ゲームの例について主に説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(サッカー、テニス、アメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー、バレーボール、ラグビー等を題材としたゲーム)、戦闘ゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、「3次元ゲーム空間内を移動体が移動するゲーム」なら様々なゲームに適用できる。
【0228】
[6-8]ゲーム端末10とサーバ30は、互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明した各種機能の一部をゲーム端末10のCPU11によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。又は、以上に説明した各種機能のすべてをゲーム端末10のCPU11によって実現してもよい。あるいは、以上に説明した各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。
【0229】
[6-9]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲームシステム1内の記憶装置(例えば、RAM13、補助記憶装置14、RAM33、補助記憶装置34、データベースDB等)、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0230】
[6-10]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲームシステム1又はゲーム制御装置を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
【0231】
[7.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0232】
1)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、3次元ゲーム空間内を移動体(例えばボール)が移動するゲームを提供するものであって、前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域(例えばブロックの存在する領域)に分割されてなる特定領域(例えばブロック群の存在する領域)を設定する特定領域設定手段(111)と、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動手段(112)と、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定手段(113)と、を含む。
【0233】
11)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10又は30)は、3次元ゲーム空間内を移動体(例えばボール)が移動するゲームを提供するものであって、前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域(例えばブロックの存在する領域)に分割されてなる特定領域(例えばブロック群の存在する領域)を設定する特定領域設定手段(111)と、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動手段(112)と、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定手段(113)と、を含む。
【0234】
12)本発明の一態様に係るプログラムは、1)~10)のいずれかに記載のゲームシステム(1)、又は、11)に記載のゲーム制御装置(10又は30)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0235】
13)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、12)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0236】
14)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)の制御方法は、3次元ゲーム空間内を移動体(例えばボール)が移動するゲームを提供するゲームシステム(1)又はゲーム制御装置(10又は30)を制御する方法であって、前記3次元ゲーム空間内に、それぞれ3次元の複数の小領域(例えばブロックの存在する領域)に分割されてなる特定領域(例えばブロック群の存在する領域)を設定する特定領域設定ステップ(S106)と、ユーザ操作に基づいて、前記移動体を移動させる移動体移動ステップ(S144)と、前記移動体が移動する軌道上に存在する前記小領域を特定する特定ステップ(S146)と、を含む。
【0237】
従来であれば、的が平面(2次元)であり、的の正面以外において移動体が接触したか否かは考慮されないので、ユーザは的の正面に移動体を当てることを考えるだけでよい。これに対し、上記1)、11)~14)に記載の態様によれば、「3次元の複数の小領域」に分割されてなる「3次元の特定領域」が的となる。そして、ユーザ操作に基づいて移動された移動体が、的としての「3次元の特定領域」の少なくとも一部に接触(または通過)すれば、当該移動体の軌道上に存在する「3次元の小領域」が特定される。つまり、特定領域を構成する複数の小領域のそれぞれが立体(3次元)の的になり得る。このように、的が立体(3次元)になることで、ユーザは移動体の移動中の実際の軌道を意識することになり、これまでにない興趣を得られる。すなわち、「3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域」に移動体を接触させる(または通過させる)場合の当該移動体の軌道は、小領域および特定領域の3次元の奥行も含めると幾通りも考えられる。よって、移動体が「3次元の複数の小領域に分割されてなる特定領域」に接触(または通過)するように移動体を移動させるユーザの攻略方法は複雑になり、従来よりもゲームの興趣性を向上させることができる。
【0238】
2)本発明の一態様では、上記1)または11)に記載の態様において、前記特定領域設定手段(111)は、複数の前記小領域が集まった一塊の前記特定領域(例えばブロック群の存在する領域)を設定し、前記特定手段(113)は、前記移動体が移動する前記軌道に存在する、隣接する前記小領域を連続的に特定し得るようにしてもよい。
【0239】
上記2)に記載の態様によれば、特定領域は、複数の小領域が分離されることなく集まって一塊になるように設定される。すなわち、隣接する小領域間には隙間はなく、ユーザ操作によって移動された移動体の軌道上に存在する、隣接する小領域を連続的に特定することができる。これにより、移動体が特定領域を通過する際の軌道の全体が、隙間なく隣接する複数の小領域の連続的な特定に使用されるので、ユーザは特定領域を通過する移動体の軌道の全体を考えて、移動体を移動させる必要があり、ゲームの興趣性が高まる。
【0240】
3)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記特定領域設定手段(111)は、複数の前記小領域に対応する複数の小オブジェクト(例えばブロック)を配置するようにしてもよい。
【0241】
上記3)に記載の態様によれば、特定領域を構成する複数の小領域には、各小領域に対応する複数の小オブジェクトが配置されるので、ユーザは小オブジェクトを的として狙い易くなる。
【0242】
4)本発明の一態様では、上記3)に記載の態様において、前記特定手段によって特定された前記小領域に対応する前記小オブジェクトに作用を及ぼす(例えばブロックを消去する)作用手段(114)をさらに含むようにしてもよい。
【0243】
上記4)に記載の態様によれば、ユーザ操作に基づいて移動された移動体の軌道により特定された小領域に対応する小オブジェクトに、例えば消去等の作用が及ぼされる。これにより、小オブジェクトに対する作用付加の有無に応じた、または作用が付加された(または作用が付加されずに残った)小オブジェクトの配置に応じたゲームを展開できるので、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0244】
5)本発明の一態様では、上記1)ないし4)の何れかに記載の態様において、前記特定領域の全体、又は前記特定領域を構成する複数の前記小領域の一部を移動させる領域移動手段(115)をさらに含むようにしてもよい。
【0245】
上記5)に記載の態様によれば、的となる特定領域の全体、又は特定領域を構成する複数の小領域の一部を移動させることにより、ゲームの難易度を変化させることができる。また、ユーザは、特定領域又は小領域の挙動と、移動体の軌道とを意識して、移動体を移動させる必要が生じ、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0246】
6)本発明の一態様では、上記5)に記載の態様において、前記領域移動手段(115)は、前記移動体移動手段(112)による前記移動体の移動が所定回数行われる毎に進行するゲームステージが進むほど、又は前記移動体移動手段(112)による前記移動体の移動の回数が多くなるほど、前記特定領域の全体の移動、又は前記特定領域を構成する複数の前記小領域の一部の移動を複雑化するようにしてもよい。
【0247】
上記6)に記載の態様によれば、ゲームステージが進むほど、又は移動体の移動の回数が多くなるほど、特定領域全体又は小領域の一部の移動が複雑化し、ユーザ操作の難易度が高まる。これにより、ゲームの興趣性をより高めることができる。
【0248】
7)本発明の一態様では、上記1)ないし6)の何れかに記載の態様において、前記ユーザ操作には、複数の軌道に関する選択肢(例えば複数の球種)の中から1つを選択する選択操作が含まれ、前記複数の軌道に関する選択肢のそれぞれについて、ユーザにより選択された選択肢の選択回数が所定回数以内の場合に、所定の特典(例えば初回選択ボーナス)を付与する特典付与手段(116)をさらに含むようにしてもよい。
【0249】
上記7)に記載の態様によれば、ユーザは複数の軌道に関する選択肢を選択して移動体を移動させる。ここで、ユーザにより選択された「軌道に関する選択肢」の選択回数が所定回数以内という特典の付与条件が設定されている。よって、所定回数を超えて選択された「軌道に関する選択肢」に基づいて移動体を移動させても特典が付与されない。これにより、いろいろな軌道に関する選択肢をユーザに選択することを動機付けることができる。
【0250】
8)本発明の一態様では、上記1)ないし7)の何れかに記載の態様において、前記ユーザ操作には、複数の軌道に関する選択肢(例えば複数の球種)の中から1つを選択する選択操作が含まれ、前記複数の軌道に関する選択肢は、前記移動体を移動させる操作対象(例えば投手キャラクタ)に関連付けられているパラメータの1つであり、前記操作対象は、前記ゲームとは異なる第2のゲーム(例えば育成モードのゲーム)において前記パラメータの変更又は設定が行われたものとしてもよい。
【0251】
上記8)に記載の態様によれば、第2のゲームにおいてパラメータの変更又は設定が行われた操作対象によって、選択できる「軌道に関する選択肢」の数が異なり得る。ユーザは、選択できる「軌道に関する選択肢」の数が多い操作対象を第2のゲームで作成する(そのような操作対象になるようにパラメータの変更又は設定する)ことによりゲームを有利に進めることができるようになる。これにより、ユーザに第2ゲームを遊戯する動機付けを与えることができる。
【0252】
9)本発明の一態様では、上記1)ないし8)の何れかに記載の態様において、前記移動体の移動開始前に、前記移動体の移動後の軌道を予測するための予測軌道(PT)を表示する予測軌道表示手段(117)をさらに備えるようにしてもよい。
【0253】
上記9)に記載の態様によれば、ユーザは、移動体の移動開始前に表示される予測軌道を視認しながら移動体を移動させるユーザ操作を行うことができるので、ユーザの操作性の向上を図れる。
【0254】
10)本発明の一態様では、上記9)に記載の態様において、前記ユーザ操作には、前記移動体の移動開始タイミングを指定するタイミング操作が含まれ、前記移動体移動手段(112)は、前記タイミング操作のタイミングに基づいて、前記移動体が移動する軌道を前記予測軌道(PT)から変更するようにしてもよい。
【0255】
上記10)に記載の態様によれば、移動体の移動開始タイミングを指定するタイミング操作によっては、移動体の移動開始前に表示される予測軌道からのずれが生じ、ユーザが意図した軌道で移動体を移動できないこともあり得る。よって、ユーザはタイミング操作を的確に行うことが求められ、ゲーム性をさらに高めることができる。
【0256】
なお、発明を実施するための形態においてなされた具体的な実施態様又は実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の技術思想と特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
【符号の説明】
【0257】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、DB…データベース、10…ゲーム端末、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、17…表示部、30…サーバ、31…CPU、33…RAM、34…補助記憶装置、100…データ記憶部、110…制御部、111…特定領域設定部、112…移動体移動部、113…特定部、114…作用部、115…領域移動部、116…特典付与部、117…予測軌道表示部、TBL101…ユーザ情報テーブル、DT102…ゲーム管理データ、B…ブロック、BG…ブロック群、PT…予測軌道、PC…投手キャラクタ、CC…捕手キャラクタ、P410…タイミングゲージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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