(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060728
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】光源ユニット
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240425BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20240425BHJP
【FI】
F21S2/00 483
H01L33/60
F21S2/00 482
F21S2/00 481
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168188
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌平
(72)【発明者】
【氏名】久世 康典
【テーマコード(参考)】
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244AA04
3K244AA05
3K244BA07
3K244BA08
3K244BA18
3K244BA26
3K244BA31
3K244BA42
3K244BA48
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA25
3K244GA02
5F142AA02
5F142AA13
5F142CE04
5F142CE06
5F142CE16
(57)【要約】
【課題】本発明は、高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減できる光源ユニットを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも一方の表面に反射層を有する基板、前記反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子、及び前記反射層と平行に位置する光拡散フィルムをこの順に備え、かつ下記(1)~(3)を満足することを特徴とする、光源ユニット。
(1)前記反射層側から前記基板に可視光線を入射させた際の反射率が85%以上である。
(2)前記反射層と前記光拡散フィルムの距離Dが3.0mm以下である。
(3)前記光拡散フィルムに前記基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率が30%以上95%以下である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の表面に反射層を有する基板、前記反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子、及び前記反射層と平行に位置する光拡散フィルムをこの順に備え、かつ下記(1)~(3)を満足することを特徴とする、光源ユニット。
(1)前記反射層側から前記基板に可視光線を入射させた際の反射率が85%以上である。
(2)前記反射層と前記光拡散フィルムの距離Dが3.0mm以下である。
(3)前記光拡散フィルムに前記基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率が30%以上95%以下である。
【請求項2】
前記光拡散フィルムが基材層を有し、かつ表面に色材含有樹脂組成物(樹脂組成物A)からなる突起構造又は層を有する、請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前記面Bを10μm角のマスに分割し、最も明度の高いマスの明度を100%、最も明度の低いマスの明度を0%としてコントラスト補正した際に、全マス数に占める明度が50%未満であるマスの比率が10%以上70%以下である、請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項4】
前記突起構造の高さが2μm以上30μm以下である、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項5】
前記面BのStr値が0.5以上1.0以下である、請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項6】
前記面BのSsk値が0未満である、請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項7】
前記LED発光素子が封止樹脂で覆われている、請求項1または2に記載の光源ユニット。
【請求項8】
前記基材層がポリエステル樹脂を主成分とする、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項9】
前記基材層の、波長440~460nmの光の平均透過率が70%未満であり、かつ波長500~700nmの光の平均透過率が80%以上である、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項10】
前記基材層の、波長440~460nmの光の平均透過率が80%以上、かつ波長500~700nmの光の平均透過率が70%未満である、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項11】
前記基材層のヘイズが20%以下である、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項12】
前記樹脂組成物Aに含まれる色材の少なくとも一つが白色顔料である、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項13】
前記樹脂組成物Aがシリコーン系化合物を0.01~5質量%含有する、請求項2に記載の光源ユニット。
【請求項14】
請求項1または2に記載の光源ユニットを備える、ディスプレイ。
【請求項15】
請求項1または2に記載の光源ユニットを備える、照明機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減できる光源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、照明機器などにおいて、光源から発せられる光の観察される明度、すなわち輝度を高めることは、視認性を高めるために好ましい。また、同じ出力電力の光源において、光源ユニットの構成の違いによって観察される輝度が高まることは、省エネルギーに繋がるため好ましい。
【0003】
他方、複数の発光素子を備える光源ユニットにおいては、個々の発光素子の周縁部に形成される輝度勾配の重なりによって生じるムラ、すなわち輝度ムラが生じる場合がある。この輝度ムラは、ディスプレイを高精細化したり、照明機器で自然な光を表現したりする上で、低減することが好ましい。
【0004】
近年では、ディスプレイの更なる高輝度化、高精細化の要求により、画面直下の基板の面内へ微小サイズのLED発光素子を複数配置してなる方式(ミニLED方式)が盛んに検討されている。ミニLED方式のディスプレイでは、発光素子の単位面積当たりの数を増やすなどして輝度を高めることができるが、一方で輝度の高まりに伴って輝度ムラが強調されやすくなる。そのため、輝度を高く保ちつつ輝度ムラを低減できる技術が求められている。輝度ムラを低減する方法としては、光を拡散させる機能を有する拡散板を光源の上部へ載置した構成(例えば特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成をミニLED方式のディスプレイへ適用した場合、輝度ムラを低減することができるものの、それに伴って輝度が低下する場合があった。また、ミニLED方式はLED発光素子のサイズが微小であるため、LED発光素子が載置された基板と拡散板との距離を小さくして光源ユニットを薄型化することが可能だが、その場合に拡散板の光拡散効果が弱まり、輝度ムラ低減の効果が損なわれる場合もあった。そこで本発明は、高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減できる光源ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために本発明は以下の構成をとる。すなわち、少なくとも一方の表面に反射層を有する基板、前記反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子、及び前記反射層と平行に位置する光拡散フィルムをこの順に備え、かつ下記(1)~(3)を満足することを特徴とする、光源ユニットである。
(1)前記反射層側から前記基板に可視光線を入射させた際の反射率が85%以上である。
(2)前記反射層と前記光拡散フィルムの距離Dが3.0mm以下である。
(3)前記光拡散フィルムに前記基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率が30%以上95%以下である。
【0008】
また、本発明の光源ユニットは以下の構成とすることもでき、本発明の光源ユニットを搭載したディスプレイや照明機器とすることもできる。
[1] 少なくとも一方の表面に反射層を有する基板、前記反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子、及び前記反射層と平行に位置する光拡散フィルムをこの順に備え、かつ下記(1)~(3)を満足することを特徴とする、光源ユニット。
(1)前記反射層側から前記基板に可視光線を入射させた際の反射率が85%以上である。
(2)前記反射層と前記光拡散フィルムの距離Dが3.0mm以下である。
(3)前記光拡散フィルムに前記基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率が30%以上95%以下である。
[2] 前記光拡散フィルムが基材層を有し、かつ表面に色材含有樹脂組成物(樹脂組成物A)からなる突起構造又は層を有する、[1]に記載の光源ユニット。
[3] 前記面Bを10μm角のマスに分割し、最も明度の高いマスの明度を100%、最も明度の低いマスの明度を0%としてコントラスト補正した際に、全マス数に占める明度が50%未満であるマスの比率が10%以上70%以下である、[1]または[2]に記載の光源ユニット。
[4] 前記突起構造の高さが2μm以上30μm以下である、[2]または[3]のいずれかに記載の光源ユニット。
[5] 前記面BのStr値が0.5以上1.0以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の光源ユニット。
[6] 前記面BのSsk値が0未満である、[1]~[5]のいずれかに記載の光源ユニット。
[7] 前記LED発光素子が封止樹脂で覆われている、[1]~[6]のいずれかに記載の光源ユニット。
[8] 前記基材層がポリエステル樹脂を主成分とする、[2]~[7]のいずれかに記載の光源ユニット。
[9] 前記基材層の、波長440~460nmの光の平均透過率が70%未満であり、かつ波長500~700nmの光の平均透過率が80%以上である、[2]~[8]のいずれかに記載の光源ユニット。
[10] 前記基材層の、波長440~460nmの光の平均透過率が80%以上、かつ波長500~700nmの光の平均透過率が70%未満である、[2]~[9]のいずれかに記載の光源ユニット。
[11] 前記基材層のヘイズが20%以下である、[2]~[10]のいずれかに記載の光源ユニット。
[12] 前記樹脂組成物Aに含まれる色材の少なくとも一つが白色顔料である、[2]~[11]のいずれかに記載の光源ユニット。
[13] 前記樹脂組成物Aがシリコーン系化合物を0.01~5質量%含有する、[2]~[12]のいずれかに記載の光源ユニット。
[14] [1]~[13]のいずれかに記載の光源ユニットを備える、ディスプレイ。
[15] [1]~[13]のいずれかに記載の光源ユニットを備える、照明機器。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減できる光源ユニットを得ることができる。当該光源ユニットは、特にミニLED方式のディスプレイや照明機器へ好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の光源ユニットは、少なくとも一方の表面に反射層を有する基板、前記反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子、及び前記反射層と平行に位置する光拡散フィルムをこの順に備え、かつ下記(1)~(3)を満足することを特徴とする。以下、本発明の光源ユニットについて具体的に説明する。
(1)前記反射層側から前記基板に可視光線を入射させた際の反射率が85%以上である。
(2)前記反射層と前記光拡散フィルムの距離Dが3.0mm以下である。
(3)前記光拡散フィルムに前記基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率が30%以上95%以下である。
【0011】
<基板>
本発明の光源ユニットを構成する基板は、少なくとも一方の面に反射層を有する。本発明において基板とは、配線及び端子を有する導体パターン等を支持するものいう。基板には、導体パターン同士を絶縁するために絶縁性を有する素材が好ましく用いられ、このような素材としては例えば、ガラス、セラミック、紙、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、表面を絶縁処理された金属などが挙げられる。これらの素材は、例えばガラス布にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂のように複数成分からなる複合材料としてもよい。また、反射層とは入射した光を反射する性質を有する層である。
【0012】
本発明の光源ユニットは、反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子を有する。LED発光素子が1つのみの場合、本発明の光源ユニットが解決する課題の一つである、複数のLED発光素子から発出された光が互いに干渉して生じる輝度ムラが発生しない。すなわち、課題である輝度ムラが生じない以上、高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減するという本発明の光源ユニットの効果も得られない。LED発光素子は、可視光線の波長帯域である400~750nmに発光を示すものであれば特に限定されず、その種類も1種類であっても複数種類であってもよい。
【0013】
本発明の光源ユニットは、反射層側から基板に可視光線を入射させた際の反射率が85%以上であることが必要である。当該反射率を85%以上とすることで、LED発光素子から出光した後に光拡散フィルムから反射して戻ってきた光が、基板面に吸収されたり基板の反対側へ透過したりするのを軽減することができ、ディスプレイの輝度を高めることができる。上記観点から、当該反射率はより好ましくは90%以上、さらに好ましくは92%以上である。反射率の上限は100%が実用範囲である。基板の反射率を85%以上とする方法としては、基板上に反射性の白レジスト層を設けたり、延伸によりボイドを形成してボイド界面の反射により反射性を高めた二軸延伸白フィルムを基板上に載置したりする方法が挙げられる。
【0014】
反射層側から基板に可視光線を入射させた際の反射率とは、入射角度12°で反射層に入射した波長400~750nmの範囲の光の反射率をいい、公知の分光光度計で測定することができる。なお、詳細な測定条件は後述する。
【0015】
本発明の光源ユニットにおいては、LED発光素子が封止樹脂で覆われていることが好ましい。封止樹脂は、LED発光素子を被覆するように設けられ、主にLED発光素子の劣化を抑制する役割を担う。封止樹脂としては、光硬化樹脂または熱硬化樹脂等の硬化樹脂が用いられる場合が多い。封止樹脂の樹脂種は特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂の各樹脂などが挙げられる。中でも、透明性や耐熱性を両立できる観点からシリコーン樹脂が特に好ましい。封止方式には基板上に載置された複数のLED発光素子を一括で封止する全面封止の方式や、LED発光素子を個別に封止する部分封止の方式がある。
【0016】
<光拡散フィルム>
本発明の光源ユニットは、反射層と平行に位置する光拡散フィルムを有する。光拡散フィルムとは、入射した光を散乱させて、少なくともその一部透過させるシート状の部材である。本発明の光源ユニットは光拡散フィルムを有することで、LED発光素子から出光した光の一部が光拡散フィルムと基板の反射層の間で反射を繰り返しながら透過することとなり、その結果、輝度ムラを低減させることができる。ここで「反射層と平行」とは、反射層とのなす角が0°以上5°以下であることをいう。
【0017】
本発明の光源ユニットにおいては、反射層と光拡散フィルムの距離Dが3.0mm以下である。Dが3.0mmを超えると、LED発光素子から出光した光の一部が光拡散フィルムと基板の反射層の間で反射を繰り返しながら透過することで発現する本発明の輝度ムラ低減効果が弱まる場合がある。上記観点から、Dはより好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。Dの下限としては、0.05mm程度が実用範囲である。反射層と光拡散フィルムの距離Dは、反射層の最表層とこれに対向する光拡散フィルムの最表層との距離であり、光源ユニットを反射層や光反射フィルムの面と垂直な面で切断したときの断面を電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。その詳細な測定方法は後述する。また、調整は両者の間の封止樹脂の厚みや、スペーサーの設置等により可能である。
【0018】
本発明の光源ユニットにおいては、光拡散フィルムが、基材層を有し、かつ表面に色材含有樹脂組成物(樹脂組成物A)からなる突起構造又は層を有することが好ましい。色材とは、物体を着色するための成分の総称であり、具体例としては顔料や染料などが挙げられる。なお、突起構造又は層を有するとは、いずれか一方を有する場合だけでなく、樹脂組成物Aからなる層の表面に樹脂組成物Aからなる突起構造が存在する態様も含むものとする。
【0019】
本発明の光源ユニットを構成する光拡散フィルムにおいては、光の散乱性を高めて輝度ムラを低減する観点から、樹脂組成物Aに含まれる色材の少なくとも一つが白色顔料であることが好ましい。白色顔料とは、外観が白く光の隠蔽性を有する顔料の総称であり、酸化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。これらは単独であるいは適宜組み合わせて用いることができるが、中でも特に屈折率が大きく可視光領域に特定の光吸収を持たない二酸化チタンや酸化亜鉛が好ましい。
【0020】
前記樹脂組成物Aは、樹脂組成物Aからなる突起構造の高さ又は層の厚みを大きくしやすくする観点から、シリコーン系化合物を0.01~5質量%含有することが好ましい。シリコーン系化合物とは、より好ましくはシリコーンオイルであり、ポリシロキサン成分のことを指す。より具体的には、末端ジメチルポリジメチルシロキサン、環状ポリジメチルシロキサン、末端ジメチル-ポリジメチル-ポリメチルフェニルシロキサンコポリマー、末端ジメチル-ポリジメチル-ポリジフェニルシロキサンコポリマーなどのジメチルシリコーンオイル類、またアルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル、カルバナ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイルなどの分子中のメチル基の一部に各種有機基を導入した変性シリコーンオイル類が挙げられる。なお、これらの成分は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
【0021】
光拡散フィルムの基材層は、ポリエステル樹脂を主成分とすることが加工性や耐久性の観点から好ましい。ここでポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸とジオールとを脱水縮合してエステル結合を形成させることによって合成された重縮合体をいう。「ポリエステル樹脂を主成分とする」とは、基材層の熱可塑性樹脂全体中に、合計で50質量%を超えて100質量%以下のポリエステル樹脂が含まれることをいう。以下、主成分については同様に解釈することができる。
【0022】
光拡散フィルムの基材層は、波長440~460nmの光の平均透過率が70%未満であり、かつ波長500~700nmの光の平均透過率が80%以上であることが好ましい。このような基材層とすることで、LED発光素子から光拡散フィルムに入射する光をより強く散乱させながらLED発光素子側に反射することが可能となり、輝度ムラの抑制効果を一段と高めることができる。なお、これらの平均透過率や平均反射率は公知の分光光度計により測定することができ、その詳細は後述する。
【0023】
このような基材層を得るための方法としては、例えば異なる熱可塑性樹脂を交互に積層し、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させることにより、干渉反射を発現させる方法などが挙げられる。ここでいう熱可塑性樹脂が異なるとは、フィルムの面内で任意に選択される直交する2方向および該面に垂直な方向のいずれかにおいて各樹脂層の屈折率が0.01以上異なること、未配向状態での各樹脂の屈折率が0.01以上異なること、若しくは各樹脂が示差走査熱量測定(DSC)において異なる熱特性を示すことをいう。異なる熱特性を示すとは、具体的には、融点やガラス転移点温度が1℃以上異なっていることをいう(このとき、一方の熱可塑性樹脂が融点やガラス転移点温度を示すが、他方の熱可塑性樹脂がいずれかを示さない場合は、融点やガラス転移点温度の差としては算出できないものの両者は異なるものと見なすことができる。)。上記要件のうち少なくとも一つを満たせば樹脂が異なると判断することができる。なお、示差走査熱量測定(DSC)はJIS-K7122(1987年)に基づいて行うことができる。
【0024】
前述の干渉反射は、交互に積層する層数が増えるほどより広い波長帯域の光に対して高い反射率を達成できるようになり、所望する帯域の光を反射する基材層が得られるようになる。上記観点から、交互に積層する層数は、好ましくは101層以上であり、より好ましくは201層以上である。また、層数に上限はないものの、層数が増えるに従い製造装置の大型化に伴う製造コストの増加や、フィルム厚みが厚くなることでのハンドリング性の悪化が生じるために、現実的には10001層程度が実用範囲となる。
【0025】
光拡散フィルムの基材層は、波長440~460nmの光の平均透過率が80%以上、かつ波長500~700nmの光の平均透過率が70%未満であることも好ましい。このような基材層とすることで、LED発光素子から光拡散フィルムに入射する光を集光させながら反射することが可能となり、輝度を一段と高めることが可能となる。このような基材層を得るための達成方法としては、例えば異なる樹脂を交互に積層し、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させることにより、干渉反射を発現させる方法などが挙げられる。
【0026】
光拡散フィルムの基材層は、ヘイズが20%以下であることが好ましい。このような基材層とすることで、輝度の低下を抑制しつつ、輝度ムラを低減することができる。ヘイズの下限は0.1%が実用範囲である。このような基材層を得るための達成方法としては、例えば異なる熱可塑性樹脂を交互に積層し、各層の屈折率の差と層厚みとの関係より設計した波長の光を反射させることにより、干渉反射を発現させる方法などが挙げられる。なお、ヘイズは公知のヘイズメーターにより測定することができ、その詳細は後述する。
【0027】
本発明の光源ユニットを構成する光拡散フィルムは、基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率が30%以上95%以下である。当該平均反射率が30%未満であると、LED発光素子から出光した光の一部が光拡散フィルムと基板の反射層の間で反射を繰り返しながら拡散する効果が弱まり、輝度ムラの低減が不十分となる場合がある。一方、当該平均反射率が95%を超えると、光拡散フィルムを通過する光が少なすぎるために、輝度が低下する場合がある。上記観点から当該平均反射率は、より好ましくは50%以上85%以下である。当該平均反射率を前記範囲とするための方法としては、例えば印刷する描画パターンや、オフセット印刷の転写に用いるブランケットの表面粗さを適切な範囲にする方法などが挙げられ、これらは適宜組み合わせることもできる。
【0028】
基板側の面(面B)から可視光線を入射させた際の平均反射率とは、面B側から入射角度12°で光拡散フィルムに入射した波長400~750nmの範囲の光の反射率をいい、公知の分光光度計で測定することができる。なお、詳細な測定条件は後述する。
【0029】
本発明の光源ユニットは、面Bを10μm角のマスに分割し、最も明度の高いマスの明度を100%、最も明度の低いマスの明度を0%としてコントラスト補正した際に、全マス数に占める明度が50%未満であるマスの比率が10%以上70%以下であることが好ましい。当該比率が10%以上であると、光の通過の阻害が軽減され、輝度ムラの低減に伴う輝度の低下が抑えられる。一方、当該比率が70%以下であることにより、光の通過が適度に抑えられるため輝度ムラ低減の効果が十分となる。上記観点から、当該比率はより好ましくは15%以上65%以下、さらに好ましくは20%以上60%以下である。当該比率を好ましい範囲とするための達成方法は、例えばインキの粘度を好ましい範囲とする方法や、印刷する描画パターンやオフセット印刷の転写に用いるブランケットの表面粗さを適切な範囲にしたりする方法などが挙げられ、これらは適宜組み合わせることもできる。なお、10μm角のマスの明度は、公知のデジタルマイクロスコープを用いて測定することができ、その詳細は後述する。
【0030】
本発明の光源ユニットにおいて、光拡散フィルムが樹脂組成物Aからなる突起構造を有する場合、輝度ムラ低減効果を高める観点から、当該突起構造の高さが2μm以上30μm以下であることが好ましい。上記観点から、当該突起構造の高さはより好ましくは5μm以上15μm以下である。当該突起構造の高さを2μm以上30μm以下又は上記の好ましい範囲とするための達成方法としては、例えばインキの粘度を調整する方法や、シリコーン系化合物をインキに含有させる方法や、繰り返しの積層印刷を実施したりする方法などが挙げられ、これらは適宜組み合わせることもできる。
【0031】
樹脂組成物Aからなる突起構造の高さは、公知の触針法の高精細微細形状測定器によりJIS-B0601(1994年)に準拠して、SRzとして測定することができる。詳細な測定方法は後述する。
【0032】
本発明の光源ユニットが封止樹脂を有する場合、封止加工時の硬化収縮や封止後の周囲環境の影響による歪の影響でLED素子が破壊・損傷するのを防ぐことが求められる。そのため、封止樹脂に柔軟性を持たせたものが用いられ、その結果としてゴム様のタック性を有する場合が多い。その場合、封止樹脂に接触する部材が封止樹脂に密着しやすくなり、光源ユニットの組み立て工程や、使用中の封止樹脂と部材の熱膨張係数の差などで部材にシワが入る場合がある。本発明では、突起構造の高さを前記範囲とすることで封止樹脂と光拡散フィルムの密着を抑制する効果も得ることができる。
【0033】
本発明の光源ユニットにおいて、面BのStr値が0.5以上1.0以下であることが輝度ムラ低減効果を高めるために好ましい。面BのStr値が0.5以上であると、光散乱の異方性の発現が抑えられることで光拡散フィルムの輝度ムラ低減の効果が向上する。
【0034】
Str値とは、表面性状のアスペクト比を示す空間パラメータであり、表面性状の均一性を表す尺度となる。自己相関関数が最も速く特定の値s(デフォルトでは0.2)へ減衰する方向の水平距離をa、最も遅くsへ減衰する方向の水平距離をbとした場合に、aをbで割った値である。自己相関関数とは、画像処理において座標をずらした画像と元画像とがどれだけ良く整合するかを測る尺度である。なお、Str値は、定義上0~1.0の範囲の値となるため、上限は1.0である。なお、Str値は公知の触針法の高精細微細形状測定器によりJIS-B0601(1994年)に準拠して測定することができ、その測定方法の詳細は後述する。面BのStr値を前記の好ましい範囲とするための達成方法としては、例えば印刷する描画パターンが面内で等方的となる模様にする方法などが挙げられる。
【0035】
本発明の光源ユニットにおいて、面BのSsk値が0未満であることが輝度ムラ低減効果を高めるために好ましい。上記観点から、より好ましくは-0.4以下である。Ssk値の下限は-0.8が実用範囲である。Ssk値とは、平均面を中心とした時の高さ分布の偏り度を表すパラメータであり、下記(式1)で定義される。なお、Ssk値は公知の触針法の高精細微細形状測定器によりJIS-B0601(1994年)に準拠して測定することができ、その測定方法の詳細は後述する。
【0036】
【0037】
式1中のSqは、統計学での標準偏差を表すパラメータであり、平均面をxy面、縦方向をZ軸とし、測定された表面形状曲線をZ(x,y)とし、測定面積をAとするとき、下記(式2)で定義される。
【0038】
【0039】
面BのSskを前記の好ましい範囲とするための達成方法としては、例えばインキの粘度を調整する方法や、オフセット印刷の転写に用いるブランケットの表面粗さを調整したりする方法などが挙げられる。
【0040】
光拡散フィルムの表面へ樹脂組成物Aからなる突起構造又は層を形成する方法としては、例えば、ワイヤーバーコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターなどの塗布装置を使用して塗布する方法や、凸版印刷や凹版印刷、平版印刷、孔版印刷といった有版式の印刷方式を使用する方法、レーザーやインクジェットのような無版式の印刷方式を使用する方法などが挙げられる。中でも、突起構造を形成しやすく、なおかつ加工速度も速く大量生産の適性が高いことから、平版印刷が好ましい。平版印刷版を用いた印刷法としては、印刷時に版表面に予め水の薄層を形成することでインキを反発する水あり印刷と、この水に代わりシリコーンゴムでインキを反発する水なし印刷があるが、印刷後のインキの裏移りを防ぎ、より高精細な印刷が可能であることから水なし印刷がより好ましい。また、光拡散フィルムは、フィルム表面への塗液の塗布性や接着性を改良するため、塗布前に塗布面に対して化学処理や放電処理を施してもよい。
【0041】
平版印刷を用いて前記光拡散フィルムの表面へ樹脂組成物Aからなる突起構造を形成する場合、インキ付着性の差異を利用して画線部のみにインキを着肉させた後に、被印刷体にインキを転写して印刷する。インキの転写は印刷版から直接被印刷体に行う方法や、ブランケットと呼ばれるゴム製ロールを介して行う方法があるが、光の透過性と散乱性を両立するパターンを形成しやすいため、ブランケットを介する方法が好ましい。当該方法を採用する場合、ブランケットの表面は、SRaが0.5~5μm、SRzが3~25μmの表面形状を有することが光の透過性と散乱性を両立するパターンを形成しやすいために好ましい。上記観点から、より好ましくはSRaが1~3μm、SRzが5~20μmである。使用するインキの粘度は、E型粘度計で測定される粘度が50~200Pa・sであることが光の透過性と散乱性を両立する突起構造を形成しやすいために好ましい。より好ましくは80~150Pa・sである。
【0042】
本発明の光源ユニットは、少なくとも一方の表面に反射層を有する基板、前記反射層と同一面側に位置する複数のLED発光素子、及び前記反射層と平行に位置する光拡散フィルムをこの順に備える。このような態様とすることで、LED発光素子から出光した光の一部が光拡散フィルムと基板の反射層の間で反射を繰り返しながら透過するために、光拡散フィルムの挿入による輝度の低下を抑制することができる。
【0043】
本発明の光源ユニットは、ディスプレイ向けに好適に用いることができる。すなわち、本発明のディスプレイは、本発明の光源ユニットを備える。本発明のディスプレイの構成の例としては、例えば本発明の光源ユニットと、色変換部材、プリズムシート、液晶パネルなどを組み合わせた構成などが挙げられる。ここで、色変換部材とは、部材に入射した光をより長波長の光に変換して発光する部材である。本発明の光源ユニットを用いることで、ディスプレイとして高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減することができ、高輝度で高精細な表示が可能となる。特に、LED発光素子として微小サイズのLED発光素子を複数配置してなるミニLED方式のディスプレイは、より高輝度で高精細な表示が可能となるため特に好ましい。
【0044】
本発明の光源ユニットは、照明機器向けにも好適に用いることができる。すなわち、本発明の照明装置は、本発明の光源ユニットを備える。照明装置は、本発明の光源ユニットを用いることでより明るく、かつ個々のLED発光素子の輪郭が視認されにくいものとなる。
【0045】
以下、本発明の光源ユニットの製造方法について、具体例を挙げてより詳細に説明する。但し、本発明の光源ユニットはこれに限定されない。
【0046】
まず、光拡散フィルムの製造方法について一例を説明する。光拡散フィルムはポリエステル樹脂を主成分とする原料を用いることが加工性や耐久性の観点から好ましい。また、フィルムとして加工する観点から、熱可塑性のポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。
【0047】
まず、熱可塑性のポリエステルを主成分とする原料をペレットなどの形態で用意する。当該ペレットを必要に応じて熱風中あるいは真空下で乾燥した後、押出機に供給する。複数の原料を用いて積層フィルムとする場合には、各層を形成する原料を別々の押出機に供給する。その後、押出機内においてペレットを融点以上の温度で加熱することにより溶融させ、溶融した樹脂をギアポンプ等で押出量を均一化して押し出し、フィルタ等を介して異物や変性した樹脂などを取り除く。積層フィルムとする場合には、その後異なる流路から送り出された樹脂を積層装置にて合流させ、目的とする積層構成に積層する。
【0048】
溶融された樹脂(積層フィルムの場合はその積層体)をダイでシート状に成形して吐出させ、これをキャスティングドラム等の冷却体上に押し出し、冷却固化することによりキャスティングフィルムを得る。この際、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させることが好ましい。また、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させ急冷固化させたり、ニップロールにて冷却体に密着させ急冷固化させたりする方法も好ましい。なお、上記方法は適宜併用することもでき、冷却体の表面温度は10℃以上40℃以下が好ましい。
【0049】
このようにして得られたキャスティングフィルムは、二軸延伸することが好ましい。ここで、二軸延伸とは長手方向および幅方向に延伸することをいう。延伸は、逐次に二方向に延伸する方法を用いても、同時に二方向に延伸する方法を用いてもよい。また、必要に応じてさらに長手方向および/または幅方向に再延伸を行ってもよい。長手方向とはフィルムが走行する方向であり、幅方向とはフィルム面内で長手方向に直交する方向である。延伸の倍率としては樹脂の種類により異なるが、長手方向、幅方向ともに通常、2.0倍以上15倍未満が好ましい。延伸温度としてはフィルムを構成する樹脂のガラス転移温度~ガラス転移温度+100℃が好ましい
こうして二軸延伸されたフィルムは、平面性、寸法安定性を付与するために、テンター内で延伸温度以上融点以下(複数種の樹脂を用いた積層フィルムの場合は、最も融点の低い樹脂の融点以下)の熱処理を行うのが好ましい。熱処理を行うことにより、フィルムの寸法安定性が向上する。このようにして熱処理された後、均一に徐冷後、室温まで冷やして巻き取られる。また、必要に応じて、熱処理から徐冷の際に弛緩処理などを併用してもよい。
【0050】
次に、得られた基材のフィルムの表面に印刷加工を施すことが好ましい。印刷方式は突起構造を形成しやすく、なおかつ加工速度も速く大量生産の適性が高いことから、平版印刷が好ましい。平版印刷版を用いた印刷法としては、印刷時に版表面に予め水の薄層を形成することでインキを反発する水あり印刷と、この水に代わりシリコーンゴムでインキを反発する水なし印刷があるが、印刷後のインキの裏移りを防ぎ、より高精細な印刷が可能であることから水なし印刷がより好ましい。また、光拡散フィルムは、フィルム表面への塗液の塗布性や接着性を改良するため、必要に応じて塗布前に塗布面に対して化学処理や放電処理を施してもよい。
【0051】
平版印刷を用いてフィルムの表面へ突起構造を形成する場合、インキ付着性の差異を利用して画線部のみにインキを着肉させた後に、被印刷体にインキを転写して印刷する。インキの転写は印刷版から直接被印刷体に行う方法や、ブランケットと呼ばれるゴム製ロールを介して行う方法があるが、光の透過性と散乱性を両立するパターンを形成しやすいため、ブランケットを介する方法が好ましい。当該方法を採用する場合、ブランケットの表面は、SRaが0.5~5μm、SRzが3~25μmの表面形状を有することが光の透過性と散乱性を両立するパターンを形成しやすいために好ましい。上記観点から、より好ましくはSRaが1~3μm、SRzが5~20μmである。使用するインキの粘度は、E型粘度計で測定される粘度が50~200Pa・sであることが光の透過性と散乱性を両立する突起構造を形成しやすいために好ましい。上記観点から、より好ましくは80~150Pa・sである。
【0052】
インキは、白色顔料を含むことが光の散乱性を高めるために好ましい。白色顔料としては、酸化亜鉛、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられるが、中でも特に屈折率が大きく可視光領域に特定の光吸収を持たない二酸化チタンや酸化亜鉛が好ましい。
【0053】
次に、反射層を有し、反射層と同一面側に複数のLED発光素子が実装された基板の製造方法について一例を説明する。基板のベースとなる素材は、導体パターン同士を絶縁するために絶縁性を有する素材が好ましく用いられ、例えば、ガラス、セラミック、紙、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、LCP、PPS、表面を絶縁処理された金属などが挙げられる。これらの素材は、例えばガラス布にエポキシ樹脂を含浸させたガラスエポキシ樹脂のように、複数成分からなる複合材料としてもよい。
【0054】
LED発光素子は、1種類の発光ピークを持つものでもよく、2種類以上の発光ピークを持つものでもよいが、色純度を高めるためには1種類の発光ピークを持つものがより好ましい。また、発光ピークの種類の異なる複数のLED発光素子を任意に組み合わせて使用することも可能である。
【0055】
LED発光素子は基板の面上へ一定のピッチで並列に配置することが好ましい。ピッチとは、設計図面において均等間隔に物体を配置する際の配置間隔を表す言葉であり、本発明においては基板を面直上から見た場合の、各発光素子の中心位置同士の間隔を示す。なお、ピッチは縦横ともに同一であることが輝度ムラを低減するために好ましく、LED発光素子は基板面内を余すことなく敷き詰める形で設置することが好ましい。
【0056】
反射層は、白色顔料を含むことが好ましい。例えば、酸化チタン等の白色顔料を含有する熱硬化性樹脂を基材上にコーティングして形成したものや、酸化チタン等の白色顔料および気泡を含有する白色樹脂フィルムなどが挙げられる。白色顔料を含むことにより反射層の反射率が向上できる。特に輝度を高めるために、白色樹脂フィルムが好ましく用いられる。白色樹脂フィルムを基板上へ設置する場合、基板上に実装されたLED発光素子の位置に対応する位置に、LED発光素子よりもひと回り大きいサイズの貫通孔を形成し、LED発光素子がその貫通孔の中へ納まるよう白色樹脂フィルムを基板上へ載置することが好ましい。白色樹脂フィルムへ貫通孔を形成する方法は、ドリルやレーザーを用いる方法の他、トムソン刃、プレス金型、エンボスロール等を用いた打ち抜き等、公知の手法を用いることができる。
【0057】
次に、基板上のLED発光素子を封止樹脂によって被覆する。封止方式は基板上に載置された複数のLED発光素子を一括で封止する全面封止が好ましい。封止樹脂としては、光硬化樹脂または熱硬化樹脂といった硬化樹脂を用いることが好ましい。封止樹脂の樹脂種は特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーン樹脂系、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂系の各樹脂などが挙げられる。中でも、透明性や耐熱性を両立できる観点からシリコーン樹脂系が特に好ましい。
【0058】
最後に、全面封止された封止樹脂の上へ、光拡散フィルムを印刷面が封止樹脂に対面する向きとなるように設置し、光源ユニットを得る。封止樹脂と光拡散フィルムの間の離間距離は、適宜スペーサー等によって調整してもよい。
【実施例0059】
以下、本発明の光源ユニットについて実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明の光源ユニットはこれらの例に限定されない。
【0060】
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
【0061】
A.透過率、反射率(平均透過率、平均反射率)
5cm×5cmサイズの測定試料を用意し、日立製作所製分光光度計(U-4100 Spectrophotomater)に付属の12°正反射付属装置P/N134-0104を取り付け、入射角度φ=12°における波長250~800nmの透過率及び反射率を測定した。測定条件として、スリットを2nm(可視)/自動制御(赤外)、ゲインを2、走査速度を600nm/分とし、出力データを、1nmステップ毎に採取した。次に、得られた透過率あるいは反射率のデータから、任意の波長範囲について平均値を算出し、該波長範囲における平均透過率あるいは平均反射率とした。なお、可視光透過率は波長400~750nmの範囲における平均透過率と定めた。同様に可視光反射率は、波長400~750nmの範囲における平均反射率と定めた。
【0062】
B.基板の反射層と光拡散フィルムの距離D
光源ユニットに組み込まれた基板の反射層と光拡散フィルムの相対的な位置関係が変化しないよう固定し、ダイヤモンドカッターによって基板面と垂直に切断して断面を作製した後、イオンミリング装置を用いて当該断面を仕上げ切断した。次に、仕上げ切断で得られた断面を電子顕微鏡にて観察した。断面画像は5mm角以上の視野範囲となるよう、場合によってはマッピングして画像解析ソフトに取り込んだ。次に、画像解析ソフトを用いて基板表面にある反射層の最表層と、これに対向する光拡散フィルムの最表層を示すラインをそれぞれ定義し、それらラインの平行線距離あるいは平行曲線距離を求めて基板の反射層と光拡散フィルムの距離Dとした。なお、基板の反射層や光拡散フィルムの互いに対面する断面が視野範囲で凹凸を有する場合には、距離Dが最も近くなるようにそれぞれの最表層を示すラインを定義した。
【0063】
C.10μm角のマスの明度
光拡散フィルムの表面について、(株)キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX-5000を用いて倍率500倍、ミックス照明、反射モードにて観察して視野範囲500μm×300μmの画像を取得した。次に得られた画像を画像解析ソフトにより256階調のグレースケール画像へ変換した後、10μm角のマスで50マス×30マスへ分割して各マスの明度をそれぞれ算出した。次に、得られた1500マス分のデータのうち、最も明度の高いマスの明度を100%、最も明度の低いマスの明度を0%として各マスの明度にコントラスト補正を実施した。得られたデータをもとに表計算ソフト“Excel”(登録商標)2010(マイクロソフト社製)を用いて全マス数に占める明度が50%未満であるマスの比率を算出した。
【0064】
D.SRa、SRz、Str、Ssk
触針法の高精細微細形状測定器(3次元表面粗さ計)を用いてJIS-B0601(1994年)に準拠して、下記装置、条件にて面Bの表面形態を測定し、SRa、SRz、Str、およびSskを測定した。SRzを該表面の突起構造の高さとした。
<測定装置及び条件>
測定装置 :3次元微細形状測定器(型式ET-4000A)(株)小坂研究所製
解析機器 :3次元表面粗さ解析システム(型式TDA-31)
触針 :先端半径0.5μmR、径2μm、ダイヤモンド製
針圧 :100μN
X測定長さ:1.0mm
X送り速さ:0.1mm/s(測定速度)
Y送りピッチ:5μm(測定間隔)
Yライン数:81本(測定本数)
Z倍率 :20倍(縦倍率)
低域カットオフ:0.20mm(うねりカットオフ値)
高域カットオフ:R+Wmm(粗さカットオフ値)
(R+Wとはカットオフしないことを意味する。)
フィルタ方式:ガウシアン空間型
レベリング:あり(傾斜補正)
基準面積 :1mm2
なお、3次元微細形状測定器については、同等の規格に準拠したものであれば代替品を用いてもよい。また、他部材に貼合されて組み込まれた光拡散フィルムの表面形状を測定する場合には、粘着層のみ抽出除去可能な溶剤に浸漬して光拡散フィルムを他部材から引き離した後に測定を実施した。
【0065】
E.ヘイズ
温度23℃、相対湿度65%において、日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH-5000を用いて行った。3回測定した平均値をヘイズ値とした。
【0066】
F.相対輝度
後述の実施例にて作成した光源ユニットのLED発光素子を全て発光させ、同光源ユニットから90cm直上の地点よりCCDカメラ(SONY製DXC-390)で撮影し、画像解析装置(コニカミノルタ製CA-2000)で20mm×20mmの範囲の画像を取り込み、その輝度レベルを3万ステップに制御し自動検出させて輝度を算出した。また、光拡散フィルムのみを除いた光源ユニットを作製し、同様にして輝度を測定した。光拡散フィルムを有する場合の輝度を、光拡散フィルムの無い場合の輝度で割り返し、100を乗じて相対輝度(%)とした。同様の測定を、それぞれ中心位置が20mm以上離れた光源ユニット面内の任意の箇所5か所について実施し、得られた5つの相対輝度の値の平均値を該サンプルの相対輝度とした。
【0067】
G.相対輝度ムラ
前記相対輝度の測定において任意の5箇所で測定した5つの相対輝度の値について、下記式にて相対輝度ムラ(%)を算出した。
輝度ムラ(%)={(5つの相対輝度の値のうちの最大値)-(5つの相対輝度の値のうちの最小値)/(5つの相対輝度の値の平均値)}×100 。
【0068】
H.光源ユニット特性の総合評価
前記相対輝度の値を、前記相対輝度ムラの値で割り返し、得られた値Xについて以下の基準で光源ユニットの特性の総合評価を行った。値Xは、値が大きいほど高輝度と輝度ムラ抑制が両立されることを意味しており、A、B、Cが合格レベルである。
<評価基準>
A:Xが4.0以上であった。
B:Xが2.5以上4.0未満であった。
C:Xが1.5以上2.5未満であった。
D:Xが1.5未満であった。
【0069】
[光拡散フィルム、樹脂組成物Aに用いた樹脂等]
光拡散フィルム、樹脂組成物Aに用いた樹脂等は以下のとおりである。なお、屈折率はアッベ屈折率計により測定した波長589nmにおける屈折率をいい、ガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)はJIS-K7122(1987年)に基づいて示差走査熱量測定(DSC)により測定した値をいう。
樹脂1:固有粘度0.65のポリエチレンテレフタート、未配向状態での屈折率:1.58、Tg:78℃、Tm:254℃。
樹脂2:IV=0.72のポリエチレンテレフタレートの共重合体(シクロヘキサンジカルボン酸成分を酸成分全体に対して20mol%、スピログリコール成分をジオール成分全体に対して20mol%共重合したポリエチレンテレフタレート)、屈折率1.55、Tg:76℃、Tm無し。
樹脂3:市販の1,4-シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル(イーストマン・ケミカル社製 GN001)を使用した。
樹脂4:市販のPBT(ポリブチレンテレフタレート)・PAG(ポリアルキレングリコール)ブロック共重合体(東レ・デュポン社製“ハイトレル”(登録商標)7247)を用いた。本樹脂におけるPAGは主としてポリテトラメチレングリコールからなる。
樹脂5:市販のポリメチルペンテン樹脂(三井化学社製、“TPX”(登録商標)DX820)を用いた。MFR法(荷重5kg、260℃)で測定された溶融粘度は180g/10minであった。
樹脂組成物1:二酸化チタン粒子(数平均粒径0.25μm、ルチル型)50質量部に対し、シランカップリング剤(東レダウ・コーニング社製「11-100Additive」)を0.25質量部添加し、常法により表面処理したのち、50質量部の樹脂1と二軸押出機にて混練し、樹脂組成物1のペレットを得た。
樹脂組成物2:二酸化チタン粒子(数平均粒径0.25μm、ルチル型)50質量部に対し、シランカップリング剤(東レダウ・コーニング社製「11-100Additive」)を0.25質量部添加し、常法により表面処理したのち、50質量部の樹脂5と二軸押出機にて混練し、樹脂組成物2のペレットを得た。
インキ材1:UV171白H((株)T&K TOKA製)
インキ材2:UV171専用レジューサー(株式会社T&K TOKA製)
添加剤:シリコーンオイルKF-96-50cs(重量平均分子量:3,780、沸点:>150℃、信越化学工業(株)製)。
【0070】
[光拡散フィルム]
(フィルム1)
樹脂1を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に、押出機に原料として供給し、280℃の温度で溶融押出後、30μmカットフィルターにより濾過を行った。引き続いて、これらの溶融ポリマーをTダイ金からシート状に押出して溶融シートとし、当該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたキャストドラム上に静電印加法で密着させ冷却固化させてキャストシートとした。引き続いて、当該キャストシートを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、88℃に加熱した周速差のあるロール間で長手方向に3.3倍に延伸し、30℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムとした。その後、得られた一軸延伸フィルムの幅方向両端部をクリップで把持しながらテンター内の90℃の予熱ゾーンに導き予熱した後、延伸ゾーンで延伸温度95℃のもと幅方向に3.6倍に延伸を行い、テンター内の熱処理ゾーンにおいて210℃の温度で10秒間の熱処理を施した。さらに、熱処理後のフィルムを均一に30℃まで徐冷後、ロールに巻き取り、厚み100μmの二軸延伸フィルム(フィルム1)を得た。フィルムの光学特性を表1に示す。なお、フィルム厚みの測定はダイヤルゲージ厚さ計を用いて行った(以下同様)。
【0071】
(フィルム2)
2台の単軸押出機(押出機A、押出機B)を用意し、樹脂1を押出機A、樹脂2を押出機Bへそれぞれに投入し、280℃で溶融させた。次いで、それぞれFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて計量しながら、スリット数301個で最表層厚みがフィルム厚みの5%となるように設計された積層装置にて合流させて、厚み方向に交互に301層積層された溶融積層体とした。溶融積層体とする方法は、特開2007-307893号公報〔0053〕~〔0056〕段に記載を用いた。ここでは、スリット長さ、間隔は全て一定とした。得られた溶融積層体は、樹脂1からなる層が151層、樹脂2からなる層が150層であり、表層が樹脂1となるよう厚み方向に交互に積層された積層構造を有していた。口金内部での拡幅比である口金リップのフィルム幅方向長さを口金の流入口部でのフィルム幅方向の長さで割った値を2.5となるようにした。次に、口金から溶融積層体をシート状に吐出し、これを表面温度25℃に保たれたキャストドラム上に静電印加法で密着させることにより冷却固化させてキャストシートとした。得られたキャストシートを95℃に設定したロール群で加熱した後、その両面からラジエーションヒーターにより急速加熱しながら延伸速度180%/秒にて長手方向に3.5倍延伸し、その後一旦冷却した。次に、こうして得られた一軸延伸フィルムをテンターに導き、90℃の熱風で予熱後、110℃の温度で延伸速度30%/秒にて幅方向に3.5倍延伸した。延伸したフィルムは、そのまま、テンター内で220℃の熱風にて熱処理を行い、続いて同温度にて幅方向に3%の弛緩処理を施した後、室温まで徐冷して巻き取った。こうして得られた二軸延伸フィルム(フィルム2)の厚みは49μmであった。フィルムの光学特性を表1に示す。
【0072】
(フィルム3)
口金からの溶融積層体の吐出量とキャストシートドラムの回転速度を調整してフィルムの厚みが70μmとなるようにした以外はフィルム2と同様にして厚み70μmの二軸延伸フィルム(フィルム3)を得た。フィルムの光学特性を表1に示す。
【0073】
(フィルム4)
75質量部の樹脂1、5質量部の樹脂3、5質量部の樹脂4、15質量部の樹脂組成物2を含む原料を180℃の温度で6時間真空乾燥した後に、主押出機に後述するB層の原料として供給し、280℃の温度で溶融押出後、30μmカットフィルターにより濾過を行った。また、180℃の温度で6時間真空乾燥した樹脂1を副押出機に後述するA層の原料として供給し、280℃の温度で溶融押出後、30μmカットフィルターにより濾過を行った。引き続いて、これらの溶融ポリマーをTダイ複合口金内で、A層がB層の両表層に積層(A/B/A)されるよう合流させた。積層比は1:7:1とした。引き続いて、合流した溶融ポリマーをシート状に押出して溶融シートとし、当該溶融シートを、表面温度25℃に保たれたキャストドラム上に静電印加法で密着させ冷却固化させてキャストシートとした。なお、キャストシートの融点Tmは250℃であった。その後、当該未延伸フィルムを80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、赤外線ヒーターで両面から照射しながら、88℃に加熱したロールの周速差で長手方向に3.3倍に延伸を行い、30℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムとした。さらに、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の90℃の予熱ゾーンに導き予熱した後、延伸ゾーンで延伸温度95℃のもと幅方向に3.5倍に延伸を行い、30℃の冷却ゾーンに導いて徐冷し、二軸延伸フィルムとした。次いで、テンター内の熱処理ゾーンで200℃の温度で10秒間の熱処理を施し、均一に30℃まで徐冷後、ロールに巻き取った。こうして得られた二軸延伸フィルム(フィルム4)の厚みは60μmであった。フィルムの光学特性を表1に示す。
【0074】
(フィルム5)
主押出機に供給するB層の原料を、50質量部の樹脂1、5質量部の樹脂3、5質量部の樹脂4、20質量部の樹脂組成物1、20質量部の樹脂組成物2からなる原料に変更した以外は、フィルム4と同様にして厚み60μmの二軸延伸フィルム(フィルム5)を得た。フィルムの光学特性を表1に示す。
【0075】
【0076】
(参考例1)
水なし平版印刷版(TAN-E、東レ(株)社製)をオフセット印刷機(オリバー266EPZ、桜井グラフィックシステム(株)製)に装着し、表2に示すインキ設計、印刷条件にてフィルムにオフセット印刷を行い、樹脂組成物Aからなる突起構造を形成した。版は全面が印刷領域となるベタ塗のものを用いた。UV照射は速度可変式コンベアを内蔵したUV照射装置(流れ方向の有効照射幅:100mm、光源:出力120W/cm2のメタルハライドランプ)を使用し、焦点距離を150mmに固定した上でコンベア速度を変えることでUV照射時間を変更した。積層印刷は上記の印刷操作を同じ被印刷体の同じ位置に対して繰り返すことで実施した。
【0077】
(参考例2~18)
インキ設計、印刷条件を表2、3のとおりとした以外は参考例1と同様にして光拡散フィルムを得た。
【0078】
(参考例19)
表3に示すように、フィルム2に印刷加工を実施せず、そのまま光拡散フィルムとして使用した。
【0079】
【0080】
【0081】
(実施例1)
厚み400μm、長辺(横方向)140mm、短辺(縦方向)76mmのガラスエポキシ樹脂(FR4)上に、発光部高さ100μm、縦横長さがいずれも300μmの直方体形の青色LED発光素子(発光ピーク波長:450nm)をピッチ2.5mmで並列に配置し、複数のLED発光素子が実装された基板を作製した。ピッチは縦横ともに同一であり、LED発光素子は面内を余すことなく敷き詰める形で設置した。なお、LED発光素子を実装する前の段階で、基材の表面に反射層として熱硬化型の白色レジストであるS-500 LEW51(太陽インキ製造(株)製)を、スクリーン印刷法を用いて厚み30μmとなるように印刷し、反射層1を形成した。印刷はLED発光素子が実装される部分を避ける形で円形の未塗工孔を開けて行った。このとき、孔サイズはLED光源1つあたり0.4mm2とし、基板を面直上から観察した場合に孔の中心とLED発光素子の中心が重なるようにした。次に、前記の通り反射層が印刷された後にLED発光素子が実装された基板を、信越化学工業(株)製の熱硬化性シリコーン樹脂LPS-3419によって発光素子群を一括で封止するように全面封止した。封止は、反射層の最表層を基準とした封止高さは一律0.9mmとなるように調整した上で、封止表面が平坦になるように行った。次に、参考例1の光拡散フィルムを前記基板と同じ長辺140mm、短辺76mmのサイズに切り出し、樹脂組成物Aが印刷された面が前記封止樹脂に接する向きとなるように設置して光源ユニットを得た。評価結果を表4に示す。
【0082】
(実施例2)
厚み400μm、長辺(横方向)140mm、短辺(縦方向)76mmのガラスエポキシ樹脂(FR4)上に、発光部高さ100μm、縦横長さがいずれも300μmの直方体形の青色LED発光素子(発光ピーク波長:450nm)をピッチ2.5mmで並列に配置し、複数のLED発光素子が実装された基板を作製した。ピッチは縦横ともに同一であり、LED発光素子は面内を余すことなく敷き詰める形で設置した。次にフィルム4をLED基板と同じ長辺140mm、短辺76mmのサイズに切り出し、トムソン刃を用いた打ち抜き穿孔加工によって、前記の全てのLED発光素子の並びと同じ位置がくり抜かれるようにφ500μmの円形の貫通孔を開けた。穿孔されたフィルム4を、全ての孔にLED発光素子が入るようにして基板上に被せて設置し、反射層2とした。なお、設置する際には孔の中心とLED発光素子の中心が重なるようにした。前記の通り反射層2を印刷した後に、LED発光素子が実装された基板を、信越化学工業(株)製の熱硬化性シリコーン樹脂LPS-3419によって発光素子群を一括するように全面封止した。封止は、反射層2の最表層を基準とした封止高さが一律0.9mmとなるように調整した上で、封止表面が平坦になるように行った。次に、参考例1の光拡散フィルムを前記基板と同じ長辺140mm、短辺76mmのサイズに切り出し、樹脂組成物Aが印刷された面が前記封止樹脂に接する向きとなるように設置して光源ユニットを得た。評価結果を表4に示す。
【0083】
(実施例3)
孔開けするフィルムをフィルム5に変え、基板上に被せて反射層3とした以外は実施例2と同様にして光源ユニットを得た。評価結果を表4に示す。
【0084】
(実施例4、5、比較例2)
封止高さを表4、5のとおりとした以外は実施例2と同様に光源ユニットを得た。評価結果を4、5に示す。なお、表3における反射層と光拡散フィルムの距離Dは、実質的に前記封止高さと同義である。
【0085】
(実施例6~21、比較例3、4)
光拡散フィルムを表4、5の通りとした以外は実施例2と同様に光源ユニットを得た。評価結果を表4、5に示す。
【0086】
(比較例1)
光拡散フィルムを設置しなかった以外は実施例2と同様にして光源ユニットを得た。評価結果を表5に示す。
【0087】
(比較例5)
ガラスエポキシ樹脂基材の表面に熱硬化型の白色レジストを印刷しなかった以外は実施例1と同様にして光源ユニットを得た。評価結果を表5に示す。
【0088】
【0089】
本発明により、高い輝度を維持しつつ、輝度ムラを低減できる光源ユニットを提供することができる。本発明の光源ユニットは、主にディスプレイや照明機器へ好適に用いることができる。