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  • 特開-ワイヤーハーネスの組付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060731
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ワイヤーハーネスの組付構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20240425BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20240425BHJP
   F16L 3/13 20060101ALI20240425BHJP
   F16L 3/127 20060101ALI20240425BHJP
   F16B 5/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H02G3/30
B60R16/02 623D
F16L3/13
F16L3/127
F16B5/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168192
(22)【出願日】2022-10-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年11月1日に大阪ダイハツ販売株式会社と兵庫ダイハツ販売株式会社と大阪トヨタ自動車株式会社とで販売、その他あり
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(72)【発明者】
【氏名】小島 信也
(72)【発明者】
【氏名】野田 幸平
【テーマコード(参考)】
3H023
3J001
5G363
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AB01
3H023AC02
3H023AD02
3H023AE07
3J001FA19
3J001GB01
3J001GC04
3J001HA02
3J001JC02
3J001JC06
3J001KA19
3J001KB02
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA13
5G363DA17
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】クランプに対するワイヤーハーネスの組付作業性に優れるワイヤーハーネスの組付構造を提供する。
【解決手段】車体に固定されたクランプと、ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスの外周を部分的に覆う被覆部材と、を備え、前記ワイヤーハーネスは、前記被覆部材で覆われて前記クランプに把持されている第一部分と、前記被覆部材に覆われて前記クランプの外部に配置されている第二部分と、前記被覆部材に覆われることなく前記クランプの内部に配置されている第三部分と、を有する、ワイヤーハーネスの組付構造。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定されたクランプと、
ワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスの外周を部分的に覆っている被覆部材と、を備え、
前記ワイヤーハーネスは、
前記被覆部材で覆われて前記クランプに把持されている第一部分と、
前記被覆部材に覆われて前記クランプの外部に配置されている第二部分と、
前記被覆部材に覆われることなく前記クランプの内部に配置されている第三部分と、を有する、
ワイヤーハーネスの組付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプに対するワイヤーハーネスの組付作業性に優れるワイヤーハーネスの組付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワイヤーハーネスと、ワイヤーハーネスの一部を収納するプロテクタとを備えるワイヤーハーネスの組付構造が開示されている。プロテクタは、プロテクタ自体を車体に固定しているクランプを有する。特許文献1のワイヤーハーネスの組付構造は次のようにして製造される。ワイヤーハーネスの一部をプロテクタの内部に収納することでワイヤーハーネスとプロテクタとのアセンブリを作製する。アセンブリのうちプロテクタのクランプを車体の所定の位置に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-80036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車体に固定されたクランプに対するワイヤーハーネスの組付作業性を向上することが望まれている。
【0005】
本発明の目的の一つは、クランプに対するワイヤーハーネスの組付作業性に優れるワイヤーハーネスの組付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、同一の車種であっても車両のグレードが異なることで手動式のパーキングブレーキを備える車両と電動式のパーキングブレーキを備える車両の2種類の車両があり得る。手動式のパーキングブレーキは、後輪のブレーキ機構と乗員が操作するレバーとがワイヤーによって接続されている。ワイヤーは、機械的な力を伝達するものであって通電されない線材である。電動式のパーキングブレーキは、後輪のブレーキ機構と乗員が操作するスイッチとがワイヤーハーネスによって接続されている。ワイヤーハーネスは、通電される導体と絶縁被覆とを有する線材である。2種類の車両がある場合、ワイヤーを車体に固定するクランプとワイヤーハーネスを車体に固定するクランプとに共通のクランプが用いられる場合がある。通常、ワイヤーの外径はワイヤーハーネスの外径よりも大きい。クランプの把持部の内径は、ワイヤーハーネスの外径よりも大きく、ワイヤーの外径と同等である。この状態では、ワイヤーを把持部に把持させることができるが、ワイヤーハーネスを把持部に把持させることができない。
【0007】
通常、ワイヤーハーネスを把持部に把持させることができるように、ワイヤーハーネスにテープ材を巻回することでワイヤーハーネスの外周を部分的に覆う被覆部材が形成されている。被覆部材の外径は把持部の内径と同等であり、被覆部材の長さは把持部の長さと同等である。
【0008】
作業スペースの制約によって、作業者が被覆部材を掴んだ状態で被覆部材を把持部の内部にはめ込むことができない場合があり、更には作業者が両手を使えない場合がある。その場合、作業者は、片手で例えばワイヤーハーネスのうち被覆部材よりも車両の後方の被覆されていない部分を掴んだ状態で被覆部材を把持部の内部にはめ込む必要がある。ワイヤーハーネスのうち被覆部材に被覆されていない部分の剛性は被覆部材よりも低い。そのため、片手では被覆部材を把持部の内部にはめ込むだけの荷重を被覆部材に作用させることができない。
【0009】
本発明者らは、片手であっても被覆部材を把持部にはめ込むことができる構成を鋭意検討した。その結果、本発明者らは本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明の一態様に係るワイヤーハーネスの組付構造は、
車体に固定されたクランプと、
ワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスの外周を部分的に覆う被覆部材と、を備え、
前記ワイヤーハーネスは、
前記被覆部材で覆われて前記クランプに把持されている第一部分と、
前記被覆部材に覆われて前記クランプの外部に配置されている第二部分と、
前記被覆部材に覆われることなく前記クランプの内部に配置されている第三部分と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
被覆部材の剛性はワイヤーハーネスのうち被覆部材が設けられていない箇所の剛性よりも高い。上記ワイヤーハーネスの組付構造が第二部分を有することで、製造過程において第一部分をクランプの内部にはめ込む際、作業者が片手で第二部材を被覆部材の外側から掴むまたは荷重を作用させることができる。そのため、片手であっても第一部分がクランプの内部にはめ込まれ易い。第三部分をクランプの内部に配置させた後に第一部分をクランプの内部にはめ込むと、第一部分がクランプの内部に特にはめ込まれ易い。このように、上記ワイヤーハーネスの組付構造は、作業者が片手で第二部材を被覆部材の外側から掴むまたは荷重を作用させて第一部分をクランプの内部にはめ込むことで製造される。片手であっても被覆部材をクランプにはめ込むことができる上記ワイヤーハーネスの組付構造は、クランプに対するワイヤーハーネスの組付作業性に優れる。また、片手であっても被覆部材をクランプにはめ込むことができる上記ワイヤーハーネスの組付構造は、上述した特許文献1のようなプロテクタを別途用いなくてもよいため、軽量かつ低コストである。上記ワイヤーハーネスの組付構造は、第一部分がクランプに把持されているものの第三部分が把持されていない。即ち、上記ワイヤーハーネスの組付構造は、クランプの長さの全長にわたって被覆部材が把持される場合に比較して、クランプに把持されている長さが短いものの、第一部分はクランプから外れ難い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態のワイヤーハーネスの組付構造を示す概略側面図である。
図2図2は、実施形態のワイヤーハーネスの組付構造を示す断面図である。
図3図3は、図1のIII-III断面図である。
図4図4は、図1のIV-IV断面図である。
図5図5は、クランプに対するワイヤーハーネスの組付手順を説明する概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のワイヤーハーネスの組付構造の実施形態を図1から図4を参照しつつ以下に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。図中の「FR」は車両の前方、「RR」は後方、「UP」は上方、「LWR」は下方、「LH」は左方、「RH」は右方を示す。
【0014】
《実施形態》
〔ワイヤーハーネスの組付構造〕
実施形態のワイヤーハーネスの組付構造1は、図1に示されるように、クランプ2とワイヤーハーネス3と被覆部材4とを備える。クランプ2は車体100に固定されている。ワイヤーハーネス3は、クランプ2によって車体100に固定されている。被覆部材4は、ワイヤーハーネス3の外周を部分的に覆っている。実施形態のワイヤーハーネスの組付構造1の特徴の一つは、ワイヤーハーネス3が特定の第一部分31、第二部分32、および第三部分33を有する点にある。本実施形態のワイヤーハーネスの組付構造1は、電動式のパーキングブレーキのワイヤーハーネス3がクランプ2に組み付けられている場合を例に説明する。クランプ2は、手動式のパーキングブレーキのワイヤーの組付けにも共用されている。ワイヤーは、ワイヤーハーネス3とは異なり、上述したように機械的な力を伝達するものであって通電されない線材である。
【0015】
[クランプ]
クランプ2は、本実施形態ではフロアパネル110に設けられた突出部130の下面に固定されている。突出部130は、フロアパネル110の一部がフロアパネル110のトンネル部120から下方に張り出すように構成されている。クランプ2は、基部20と第一把持部25と図示が省略された第二把持部とを有する。
【0016】
基部20は突出部130の下面に固定される部分である。本実施形態の基部20の形状は板状である。基部20は図示が省略された貫通孔を有する。この貫通孔にはボルト21が挿通されている。ボルト21によって基部20が突出部130に固定されることで、クランプ2は車体100に固定されている。上記貫通孔は本実施形態では基部20における前方部分に設けられている。
【0017】
第一把持部25および第二把持部はそれぞれワイヤーハーネス3を車体100に固定する。具体的には、第一把持部25は、左後輪のブレーキ機構を動作させるためのワイヤーハーネス3を把持する。第二把持部は、右後輪のブレーキ機構を動作させるためのワイヤーハーネスを把持する。第一把持部25および第二把持部は基部20を挟んで対称な形状である。第一把持部25および第二把持部は、車両の前後方向に沿った仮想線に対して線対称に設けられている。ここでは第一把持部25のみを説明する。
【0018】
第一把持部25は、基部20から下方に向かって伸びている。第一把持部25の断面形状はJ字状である。第一把持部25の断面とは、車両の前後方向に直交する切断面で第一把持部25を切断した断面である。第一把持部25は、図3および図4に示されるように、上方に開口している開口部26を有する。開口部26の幅は、図4に示されるようにワイヤーハーネス3の外径よりも大きく、図3に示されるように後述する被覆部材4の外径よりも小さい。第一把持部25の内径は、手動式のパーキングブレーキのワイヤーの外径とほぼ同じである。そのため、ワイヤーは後述する被覆部材4がなくても第一把持部25に把持させることができる。第一把持部25の内径は、図4に示されるようにワイヤーハーネス3の外径よりも大きく、被覆部材4の外径とほぼ同じである。
【0019】
[ワイヤーハーネス]
図1に示されるワイヤーハーネス3は、図示が省略された電子機器に電力を供給または電気信号を伝送する。ワイヤーハーネスは、通電される導体と絶縁被覆とを有する線材である。ワイヤーハーネス3は、本実施形態では図示が省略された後輪の電動パーキングブレーキを駆動する電力を供給する。詳しくは後述するものの、ワイヤーハーネス3の途中がクランプ2に把持されている。図示は省略されているものの、ワイヤーハーネス3のクランプ2よりも後方部分は、クランプ2から後輪の電動パーキングブレーキに向かって延びている。図示は省略されているものの、ワイヤーハーネス3のクランプ2よりも前方部分は、クランプ2から電動パーキングブレーキをオン・オフするスイッチに向かって延びている。この前方部分の途中の部分はフロアパネル110に設けられた貫通孔に通されている。フロアパネル110に設けられた貫通孔の図示は省略されている。ワイヤーハーネス3は、第一部分31、第二部分32、および第三部分33を有する。
【0020】
第一部分31は、図1の破線および図3の実線で示されるように、後述する被覆部材4で覆われてクランプ2の第一把持部25に把持されている。第二部分32は、図1の破線で示されるように、被覆部材4に覆われてクランプ2の外部に配置されている。第二部分32は、第一部分31とは異なり、第一把持部25に把持されていない。第二部分32は、後述する組付手順で説明するものの、第一部分31を第一把持部25の内部にはめ込む際、作業者によって把持または荷重が作用される部分である。第三部分33は、図1の破線および図4の実線で示されるように、被覆部材4に覆われることなくクランプ2の内部に配置されている。第三部分33は、第一部分31とは異なり、クランプ2の内面との間に隙間をもって配置されている。つまり、第三部分33は、第一把持部25に把持されていない。車両の前方から後方に向かって順に第三部分33、第一部分31、および第二部分32が並んでいる。第一部分31を第一把持部25の内部にはめ込む際、第二部分32が作業者の近位に位置し、第三部分33が遠位に位置する。本実施形態のようにワイヤーハーネス3が電動パーキングブレーキ用である場合、第二部分32が車両の後方、第三部分33が車両の前方に位置している。
【0021】
図2に示されるように、第一部分31の長さL1と第二部分32の長さL2の合計長さは、後述する被覆部材4の長さである。第一部分31と第二部分32の上記合計長さは、例えば第一把持部25の長さL4の90%以上110%以下、95%以上105%以下でもよい。第一部分31と第二部分32の上記合計長さは、例えば第一把持部25の長さL4と同じ長さでもよい。
【0022】
第一部分31の長さL1は、例えば第一把持部25の長さL4の30%以上70%以下である。第一把持部25の長さL4の30%以上の長さL1を有する第一部分31は第一把持部25から外れ難い。第一部分31の長さL1が第一把持部25の長さL4の70%以下であれば、第二部分32の長さL2が長くなり易い。長さL2の長い第二部分32は、第一部分31を第一把持部25の内部にはめ込む際、作業者によって把持され易い、または荷重を作用させ易い。そのため、第一部分31を第一把持部25の内部にはめ込む動作が行い易い。よって、クランプ2に対するワイヤーハーネス3の組付作業性が優れる。第一部分31の長さL1は、第一把持部25の長さL4の40%以上60%以下、第一把持部25の長さL4の45%以上55%以下でもよい。
【0023】
第二部分32の長さL2は、例えば第一把持部25の長さL4の30%以上70%以下である。第二部分32の長さL2が第一把持部25の長さL4の30%以上であれば、第二部分32の長さL2が長くなり易いため、第一部分31を第一把持部25の内部にはめ込む動作が行い易い。第二部分32の長さL2が第一把持部25の長さL4の70%以下であれば、第一部分31の長さL1が長くなり易いため、第一部分31が第一把持部25から外れ難い。第二部分32の長さL2は、第一把持部25の長さL4の40%以上60%以下、第一把持部25の長さL4の45%以上55%以下でもよい。
【0024】
第三部分33の長さL3は、例えば第一把持部25の長さL4の30%以上70%以下である。第一部分31を第一把持部25の内部にはめ込む際、予め第三部分33を第一把持部25の内部に配置させておくことで、第一部分31が第一把持部25の内部にはめ込まれ易い。第三部分33の長さL3が第一把持部25の長さL4の30%以上であれば、第一部分31が第一把持部25の内部にはめ込まれ易い。第三部分33の長さL3が第一把持部25の長さL4の70%以下であれば、第一部分31の長さL1が長くなり易いため、第一部分31が第一把持部25から外れ難い。第三部分33の長さL3は、第一把持部25の長さL4の40%以上60%以下、第一把持部25の長さL4の45%以上55%以下でもよい。
【0025】
図2に示される例では、第一部分31の長さL1、第二部分32の長さL2、および第三部分33の長さL3はいずれも第一把持部25の長さL4の50%である。即ち、図2に示される例では、第一部分31の長さL1と第二部分32の長さL2と第三部分33の長さL3とは互いに等しい。
【0026】
[被覆部材]
被覆部材4は、図1に示されるように、ワイヤーハーネス3の長さに沿った方向の一部をワイヤーハーネス3の外周面の全周にわたって覆っている。被覆部材4は、例えばテープ材である。被覆部材4の外径は、ワイヤーハーネス3の外径よりも大きい。被覆部材4は、第一部分31を覆う第一被覆部41および第二部分32を覆う第二被覆部42を有する。第一被覆部41および第二被覆部42の外径は、互いに同一である。第一被覆部41の長さは、上述した第一部分31の長さL1である。第二被覆部42の長さは、上述した第二部分32の長さL2である。
【0027】
[組付手順]
主に図5を参照してクランプ2に対するワイヤーハーネス3の組付手順の一例を説明する。予めボルト21によってクランプ2は突出部130に固定されている。突出部130に固定されたクランプ2の第一把持部25にワイヤーハーネス3の第一部分31を把持させる手順の一例を説明する。
【0028】
ワイヤーハーネス3の所定の位置にテープ材を巻回して、ワイヤーハーネス3とワイヤーハーネス3の外周を部分的に覆っている被覆部材4とを備えるアセンブリを作製する。作業者が片手で第二被覆部42を把持する。第二被覆部42を把持した状態で、第三部分33を第一把持部25の内部に配置する。作業者は片手で、第一被覆部41の前端が図3に示す第一把持部25の開口部26に接触し、第二被覆部42が第一把持部25の後端から後方にはみ出るように、上記アセンブリを配置する。作業者が片手で第二被覆部42に対して黒塗り矢印で示されるように下方への荷重を作用させる。荷重が作用することによって、図1に示されるように第一部分31が第一把持部25の内部にはめ込まれる。このはめ込みよって、図1に示されるようなワイヤーハーネスの組付構造1が製造される。
【0029】
このように片手であっても第一被覆部41を第一把持部25の内部にはめ込むことができるワイヤーハーネスの組付構造1は、クランプ2に対するワイヤーハーネス3の組付作業性に優れる。また、片手であっても第一被覆部41を第一把持部25の内部にはめ込むことができるワイヤーハーネスの組付構造1は、上述した特許文献1のようなプロテクタを別途用いなくてもよいため、軽量かつ低コストである。ワイヤーハーネスの組付構造1は、第一部分31が第一把持部25に把持されているものの第三部分33が第一把持部25に把持されていない。ワイヤーハーネスの組付構造1は、第一把持部25の長さL4の全長にわたって被覆部材4が把持される場合に比較して、第一把持部25に把持されている長さが短いものの、第一把持部25に把持されている第一部分31の長さL1が十分に長いため第一部分31が第一把持部25から外れ難い。
【0030】
本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0031】
1 ワイヤーハーネスの組付構造
2 クランプ
20 基部
21 ボルト
25 第一把持部
26 開口部
3 ワイヤーハーネス
31 第一部分
32 第二部分
33 第三部分
4 被覆部材
41 第一被覆部
42 第二被覆部
100 車体
110 フロアパネル
120 トンネル部
130 突出部
L1、L2、L3、L4 長さ
図1
図2
図3
図4
図5