(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060732
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】自動二輪車用車輪リフタ
(51)【国際特許分類】
B66F 3/16 20060101AFI20240425BHJP
B62H 3/00 20060101ALI20240425BHJP
B62H 1/06 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B66F3/16
B62H3/00
B62H1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168197
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】592016485
【氏名又は名称】株式会社デイトナ
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
(74)【代理人】
【識別番号】100217168
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】大澤 英世
(72)【発明者】
【氏名】新井 金龍
(57)【要約】
【課題】 充分な剛性を確保しながら操作性に優れた自動二輪車用車輪リフタを開発することを技術課題とした。
【解決手段】 ボディ要素は、その内側に設けられたシフトスクリュ―45の回転により互いに拡縮シフトされるものであり、一方のボディ要素には、シフトスクリュ―45を回転駆動するベベルギヤ機構42を具えた駆動部4が設けられると共に、他方のボディ要素にはシフトスクリュ―45の作用範囲が螺合するものであり、ベベルギヤ機構42におけるピニオンギヤ42Aは、その回転操作端44を伸縮ボディユニット2の長手方向に対し、直交する側面方向に張り出すように構成され、回転操作端44を回転させることにより、シフトスクリュ―45を回転させ、基部ボディ3と昇降ボディ6とを具えた伸縮ボディユニット2の伸縮を図り、支持片7による車体のリフトアップ支持乃至はその解除を行うようにしたことを特徴とする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体直近位置に接地させる接地片と、車体の一部に当てがう支持片と、これらを拡縮自在に設定する伸縮ボディユニットとを具え、接地片と支持片との間隔を適宜設定することにより、車輪を浮き上がり状態に支持する自動二輪車用の車輪リフタであって、
このものにおける前記伸縮ボディユニットは、下端に接地片を接続させた基部ボディと、この基部ボディに非回転状態で入れ子状態に嵌まり合い、上下方向に可動状態に組み合わされ、且つ、その上端に支持片を接続させた昇降ボディとの二つのボディ要素を具え、
これらボディ要素は、その内側に設けられたシフトスクリュ―の回転により互いに拡縮シフトされるものであり、
且つ一方のボディ要素には、前記シフトスクリュ―を回転駆動するベベルギヤ機構を具えた駆動部が設けられると共に、他方のボディ要素にはシフトスクリュ―の作用範囲が螺合するものであり、
前記ベベルギヤ機構におけるピニオンギヤは、その回転操作端を伸縮ボディユニットの長手方向に対し、直交する側面方向に張り出すように構成され、
回転操作端を回転させることにより、シフトスクリュ―を回転させ、基部ボディと昇降ボディとを具えた伸縮ボディユニットの伸縮を図り、支持片による車体のリフトアップ支持乃至はその解除を行うようにしたことを特徴とする自動二輪車用車輪リフタ。
【請求項2】
前記駆動部は基部ボディ側に設けられ、且つシフトスクリューは、その下方において基部ボディ側にスラストベアリングを介して回転自在に支持され、その下端でベベルギヤ機構におけるドリブンギヤに接続されることにより、シフトスクリューによる荷重は、ドリブンギヤには伝達されない構成であることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用車輪リフタ。
【請求項3】
前記シフトスクリューのスクリュー径/ピッチはM10~13/P2.5~3.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の自動二輪車用車輪リフタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動二輪車の車輪周りを整備する際に用いることが適切な、自動二輪車用車輪リフタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のうち、スポーツ指向のものや、オフロード車等は、センタースタンドを具えず、サイドスタンドのみが装着されているものが多い。
このような停車時に前後車輪を接地状態のまま、車体をサイドスタンドで傾斜支持するタイプの自動二輪車を整備するにあたって、車輪、特に後車輪周りを整備する際には、これを浮き上がらせて、車輪が自由回転する状態にしなければならない。このような整備を行う場合、専門のバイクショップレベルでは、専用のスタンド等を用いて行っているが、一般的なユーザーレベルでの整備環境では、より簡便なリフタ装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。
そのリフタ装置の一例として、後車輪を支持するスイングアーム後端近くに当てがってその部位を持ち上げ、サイドスタンドと、前車輪とを接地させた状態で後車輪を浮き上がらせるようなものが市販されている。
【0003】
このものは、いわばターンバックルが奏するユニオンネジ状の作動を基本としたものであって、接地片から上方に延びるボルト状の基部ロッドと、車体側に当てがわれる支持片から下方に延びるボルト状の支持ロッドと、これら両者に螺合するユニオンブロックとから構成されている。そして各ロッド(ボルト)のリード角方向を反対方向として、ユニオンブロックを回転させることにより、接地片と支持片との間が伸縮するものである。
【0004】
このような構成に因み、ねじ合わされているユニオンブロックと基部ロッド、支持ロッドとの間には、座屈応力や、曲げモーメントがかかり、ユニオンブロックの回転操作もそれなりに負荷が高い。加えて、この回転操作を助けるため、ユニオンブロックの中央に形成された孔に操作ロッドを差し入れて、これをハンドルレバーとして回転操作を行うものであるが、リフタ装置の至近位置には後車輪や排気マフラー等が位置しており、突出するハンドルレバーは、これと干渉することを余儀なくされ、連続して回転操作をすることができない。即ちハンドルが後車輪に当たる都度、作業者はこれを抜き出して90度ずらして差し替えなければならず、作業性を充分に上げることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような背景を考慮してなされたものであって、充分な剛性を確保しながら操作性に優れた自動二輪車用車輪リフタを開発することを技術課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
まず請求項1記載の自動二輪車用車輪リフタは、車体直近位置に接地させる接地片と、車体の一部に当てがう支持片と、これらを拡縮自在に設定する伸縮ボディユニットとを具え、接地片と支持片との間隔を適宜設定することにより、車輪を浮き上がり状態に支持する自動二輪車用の車輪リフタであって、このものにおける前記伸縮ボディユニットは、下端に接地片を接続させた基部ボディと、この基部ボディに非回転状態で入れ子状態に嵌まり合い、上下方向に可動状態に組み合わされ、且つ、その上端に支持片を接続させた昇降ボディとの二つのボディ要素を具え、これらボディ要素は、その内側に設けられたシフトスクリュ―の回転により互いに拡縮シフトされるものであり、且つ一方のボディ要素には、前記シフトスクリュ―を回転駆動するベベルギヤ機構を具えた駆動部が設けられると共に、他方のボディ要素にはシフトスクリュ―の作用範囲が螺合するものであり、前記ベベルギヤ機構におけるピニオンギヤは、その回転操作端を伸縮ボディユニットの長手方向に対し、直交する側面方向に張り出すように構成され、回転操作端を回転させることにより、シフトスクリュ―を回転させ、基部ボディと昇降ボディとを具えた伸縮ボディユニットの伸縮を図り、支持片による車体のリフトアップ支持乃至はその解除を行うようにしたことを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項2記載の自動二輪車用車輪リフタは、前記要件に加え、前記駆動部は基部ボディ側に設けられ、且つシフトスクリューは、その下方において基部ボディ側にスラストベアリングを介して回転自在に支持され、その下端でベベルギヤ機構におけるドリブンギヤに接続されることにより、シフトスクリューによる荷重は、ドリブンギヤには伝達されない構成であることを特徴として成るものである。
【0009】
また請求項3記載の自動二輪車用車輪リフタは、前記要件に加え、前記シフトスクリューのスクリュー径/ピッチはM10~13/P2.5~3.5であることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0010】
まず請求項1記載の発明によれば、操作ハンドルが後車輪と干渉しないため、連続して回転操作をすることができ、接地片と支持片との間隔を設定する作業を円滑に行うことができる。また操作ハンドルの回転軸に対して正対した自然な姿勢で、ハンドル操作を行うことができる。
【0011】
また請求項2記載の発明によれば、シフトスクリューによる荷重は、ドリブンギヤには伝達されないため、操作者は操作ハンドルの操作を楽に行うことができる。
【0012】
また請求項3記載の発明によれば、接地片と支持片との間隔の設定を、シビアすぎず、ルーズすぎない丁度いい具合で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の車輪リフタ及びレバーロック装置が自動二輪車に組み付けられた様子を示す側面図及び一部拡大して示す側面図である。
【
図2】本発明の車輪リフタを示す側面図(a)及び正面図(b)である。
【
図3】本発明の車輪リフタを示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の車輪リフタを破断して示す側面断面図(a)及び正面断面図(b)である。
【
図5】レバーロック装置を示す側面図(a)、(b)及び平面図(c)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであると共に、この技術思想に基づく種々の改良した実施例も含むものである。
【実施例0015】
以下、本発明の自動二輪車用車輪リフタ1(以下車輪リフタ1と略記する)を具体的に説明する。まず、この車輪リフタ1が適用される自動二輪車10について簡単に基本構成を説明する。このものは前後二輪の車輪11を具えるものであり、車体に対しては、サイドスタンド12が設けられ、前後の車輪11と、このサイドスタンド12とによって駐車姿勢を維持する。なお車輪11については前後区別して説明する場合には、後車輪11A、前車輪11Bとする。この後車輪11Aは、エンジンEの後方から伸びるスイングアーム13の端部に支持されている。そして前記車輪リフタ1はサイドスタンド12を掛けた状態でスイングアーム13の後端近くにこれをあてがい、車輪リフタ1を伸長させることによりスイングアーム13の後方を持ち上げ、そこに支持されている後車輪11Aを接地状態からリフトアップして浮かすように図るものである。
【0016】
以下、車輪リフタ1について
図2~4を参照しながら具体的に説明する。なお
図4(a)は
図2(b)のA-A断面図を示したものであり、
図4(b)は
図2(a)のB-B断面図を示したものである。
車輪リフタ1は伸縮ボディユニット2を具えるものであり、この伸縮ボディユニット2はボディ要素として基部ボディ3と昇降ボディ6とを具える。まず基部ボディ3について説明する。このものは丸パイプ状のパイプ本体部30を具え、その下方に駆動部4を設けている。基部ボディ3のパイプ本体部30はその内側にトルク止め突起31が突出する状態で設けられている。
【0017】
一方、駆動部4は側面視角箱状のギヤケーシング41を具えるものであり、この中にベベルギヤ機構42を支持する。ギヤケーシング41は前記パイプ本体部30の下端部と溶接固定される上面板41Aと、そこから両下方に延びる側面板41Bと、更にこれらとは別体に側面板41Bに取り付けられる底面板41Cを具える。これらは適宜の機械的負荷を受けられるような強度を具える。また側面部にはカバー41Dを設けて、ベベルギヤ機構42をほぼシールド状態に収めることができるように構成されている。
【0018】
次にベベルギヤ機構42について説明すると、このものは軸方向を横配置したピニオンギヤ42Aと、軸配置を縦方向としたドリブンギヤ42Bとの組み合わせであり、ピニオンギヤ42Aは、前記ギヤケーシング41の両側面板41Bを貫くように設けられるピニオンギヤシャフト43によって支持されている。ピニオンギヤシャフト43とピニオンギヤ42Aとは適宜キー等により回転方向に固定関係が保持されている。そしてピニオンギヤシャフト43の回転操作端44は、伸縮ボディユニット2の長手方向に対し直行する側面方向に張り出すように構成されている。その端部形状は、例えば呼び径10ミリのナット頭部の端部形状を具え、更にここに抜き差し自在の操作ハンドル44Aが取り付けられる。
【0019】
一方、ドリブンギヤ42Bは、伸縮ボディユニット2の伸縮作用を直接担うシフトスクリュー45を回転駆動する。即ちシフトスクリュー45の下端部は、パイプ本体部30の下端部におけるギヤケーシング41の上面板41Aに支持されるスラストベアリング46に対し支持されると共に、その入力端は前記ベベルギヤ機構42におけるドリブンギヤ42Bに非回転状態に接続されている。
【0020】
更に基部ボディ3はその下端部に接地片5が接続される。接地片5はオネジを形成した調整軸51を前記底面板41Cに固定した高ナット52に対し螺合させ、適宜のねじ込み高さを設定した後、ロックナット53によってその高さを維持するように構成する。なお符号54は前記調整軸51に固定された操作ナット54である。そして実質的に接地する接地片5における接地パッド55は、調整軸51の下端においてボールジョイント状に設置され、鈍頭円錐状の形状をとる。
【0021】
そしてこのような基部ボディ3に対し昇降ボディ6が内嵌め状態に組み合わされる。即ち、昇降ボディ6のインナーパイプ部60はこの実施例の場合、パイプ本体部30の内径に近い外径を有する丸パイプ状のものであり、このインナーパイプ部60に対し、その下端から一定範囲にわたり受動メネジ61を内側に形成している。一方、インナーパイプ部60の上端近くには、内側に調整メネジ62を具えると共に、更にインナーパイプ部60の外周には前記基部ボディ3におけるトルク止め突起31を受け入れるキー溝63を形成している。
【0022】
次に昇降ボディ6の上端に設けられる支持片7について説明する。支持片7は下方に延びる上部調整軸71を具えるものであり、この上部調整軸71に対し上部ロックナット72が外嵌状にネジ嵌めされている。上部調整軸71自体は昇降ボディ6における調整メネジ62に対しネジ嵌めされるものであって、上部調整軸71の調整メネジ62に対するねじ込み加減により、支持片7の高さを適宜に設定することができる。
【0023】
この上部調整軸71の上端には支持片7の主要部材である当接板73が設けられるものであり、このものは、中央部にフラット部73Aを具えると共に、その一端にフラット部73Aからほぼ直角に立ち上がるように曲成されたフック受け部73Bを具え、更にフック受け部73Bと反対側はフラット部73Aを延長させて幾分か上反り状に形成した外れ止め部73Cを有する。そして当接板73は、当然ながら強度維持の関係から金属素材により構成されるが、自動二輪車のスイングアーム13に当てがわれることを考慮し、緩衝的に当てがわれるように当接板73全体をラバーキャップ74で覆うように構成されている。
【0024】
本発明の車輪リフタ1は以上述べたような具体的な構成を有するものであり、これを用いるには次のように行う。
まず準備設定としては使用者が前車輪11Bの固定を図るものであり、一例として本出願人が特許権(特許第7113636号)を有するレバーロック装置100を用いて、レバーLをグリップGに引き寄せた状態で固定し、前車輪11Bのブレーキが掛った状態を維持する。
【0025】
なお前記レバーロック装置100は
図5に示すように、一対のロック要素片111、112を具え、各ロック要素片111、112はその一端を共にピン接続される基端とすると共に、他端側を開閉自在の自由端部とした一対のロック要素片111、112による挟み構造を構成するものである。そして各ロック要素片111、112を閉鎖状態とした状態において、全体としてグリップ保持孔120とレバー保持孔130とが形成され、更に前記各ロック要素片111、112の自由端部は、互いにスナップ係合による閉鎖維持がされるものである。
【0026】
次いでメンテナンス対象とする自動二輪車10のスイングアーム13の形状、高さ等に応じて基部ボディ3側の接地片5及び昇降ボディ6側の支持片7のいずれか一方または双方の高さを適宜に調整する。なお支持片7に関しては、これを当てがうスイングアーム13の部位の形状に応じて、適切な方向に設定することが必要である。一方、基部ボディ3側の接地片5については、適宜基部ボディ3の傾斜状態等に応じて、ボールジョイント状にその姿勢を変え得ることからそのような調整は必要としない
【0027】
このような調整によってスイングアーム13の直近に支持片7をあてがうことができるようにしたのち、基部ボディ3における駆動部4の回転操作端44に対し、回転操作端44に嵌まる操作ハンドル44Aや別途用意されるラチェットハンドル、ソケットレンチにおける該当サイズの駒を適用して回転操作を行う。回転操作の方向は、一般的な使用感覚としては右回転が持ち上げ作用方向となることが整備習慣から好ましいものであり、その回転方向を考慮すると、この実施例の場合にはシフトスクリュ―45のリード角は、いわゆる逆ネジ状とすることが好ましい。もちろんこのような方向とはせずに、左回転で伸縮ボディユニット2が延びるように拡張するような方向であってももとより差し支えない。
因みにこの操作はスイングアーム13に半ば当てがった車輪リフタ1の側方、即ち自動二輪車10の側方手前側に張り出した回転操作端44を回転させるものであり、後車輪11Aや排気マフラー等の周辺部材への干渉がなく円滑に行われる。更に回転操作端44に対して正対した自然な姿勢で、無理のない操作感の下に操作ハンドル44Aの操作を行うことができる。
【0028】
このような操作によりピニオンギヤ42Aの回転に従いドリブンギヤ42Bが回転駆動され、これによりシフトスクリュー45を回転させる。このシフトスクリュー45の回転により、シフトスクリュー45とねじ合わされている昇降ボディ6における受動メネジ61はこれ自体は回転しないから、シフトスクリュー45のリード角に応動して上昇するよう移動し、結果的に昇降ボディ6を基部ボディ3から上方に移動させてゆく。これにより支持片7はスイングアーム13の後端部を上方に押上げ、適宜に押し上げたところで後車輪11Aが浮き上がり状態となる。このような状態で回転操作端44の回転操作を止めれば、シフトスクリュー45のリード角の関係で逆転は阻止されてその状態を維持する。
なお
図1においては、視認し易いように、後車輪11Aのリフトアップ高を、高めに設定した状態を示しているが、実際のメンテナンス作業では、10数mmリフトアップするだけで、後車輪11Aが自由回転する状態とすることができるものであり、安全面からも必要最低限のリフトアップ高に止めることが好ましい。
【0029】
このときドリブンギヤ42Bの回転時及びこのような停止時、いずれの場合も本発明ではシフトスクリュ―45の入力端45A側は、スラストベアリング46によってパイプ本体部30側に支持されているから、後車輪11Aを押し上げることによる昇降ボディ6からシフトスクリュ―45に伝えられている下方への加重は、直接はドリブンギヤ42Bに懸らず円滑な回転が維持されるのである。
【0030】
本発明は上述したような実施例を基本的な実施例とするものであり、基部ボディ3側に駆動部4を設けているが、前記実施例の位置を全く逆に配置して昇降ボディ6側に駆動部4を設けるような形としてももとより差し支えない。即ち特許請求の範囲1において「…一方のボディ要素には前記シフトスクリューを回転駆動するベベルギヤ機構を具えた駆動部が設けられると共に、他方のボディ要素にはシフトスクリューの作用範囲が螺合するものであり…」と記載する意味はまさに既に述べた図示の実施例を逆転させたような形態も包含していることを明確化しているものである。