(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060781
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168287
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公治
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】恒久対象である商品に対して継続して興味を抱かせることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、特定部と、抽出部と、提案部とを備える。特定部は、ユーザの行動に関する履歴情報に基づいて、ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する。抽出部は、特定した恒久対象の中から、所定の条件を満たす恒久対象を抽出する。提案部は、抽出した恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの行動に関する履歴情報に基づいて、前記ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する特定部と、
特定した前記恒久対象の中から、所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する抽出部と、
抽出した前記恒久対象の販売者に対し、当該恒久対象に関する広告の出稿を提案する提案部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記提案部は、
恒久的な態様で提供される広告の出稿を提案する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記恒久的な態様で提供される広告は、
スタティックな広告であり、所定の設置物に対して配置される広告である
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記履歴情報から抽出される特徴情報を説明変数として、前記対象に対する興味の度合いに関するスコアを目的変数として学習したモデルを用いて興味の有無を期間毎に推定し、所定の期間以上興味を有すると推定された対象を恒久対象として特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記恒久対象の特定処理に用いる前記所定の期間の長さを、前記対象の種別に応じて変える
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽出部は、
地域毎に、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記抽出部は、
前記地域に関連するユーザの前記恒久対象の中から、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記抽出部は、
前記地域に関連するユーザのうち、同じ前記恒久対象を有するユーザの割合が所定値以上となる前記恒久対象を、前記所定の条件を満たす前記恒久対象として抽出する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記抽出部は、
前記地域の属性に基づいて選択したユーザの前記恒久対象の中から、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記抽出部は、
前記地域の属性が観光地である場合、当該地域を訪問予定のユーザを選択し、選択したユーザの前記恒久対象の中から、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記抽出部は、
前記地域の属性が住宅地である場合、当該地域に居住するユーザを選択し、選択したユーザの前記恒久対象の中から、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記抽出部は、
前記地域に関連した共通目的を有するユーザを選択し、選択したユーザの前記恒久対象の中から、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記抽出部は、
前記地域における前記恒久対象と、当該恒久対象の競合品との市場割合に基づいて、前記所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記提案部は、
前記地域に存在する広告媒体のうち、特定の場所に存在する前記広告媒体への前記広告の掲出を提案する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記提案部は、
前記地域で行うイベントが関わる場所に存在する前記広告媒体への前記広告の掲出を提案する
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの行動に関する履歴情報に基づいて、前記ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する特定工程と、
特定した前記恒久対象の中から、所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する抽出工程と、
抽出した前記恒久対象の販売者に対し、当該恒久対象に関する広告の出稿を提案する提案工程と
を含む情報処理方法。
【請求項17】
ユーザの行動に関する履歴情報に基づいて、前記ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する特定手順と、
特定した前記恒久対象の中から、所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する抽出手順と、
抽出した前記恒久対象の販売者に対し、当該恒久対象に関する広告の出稿を提案する提案手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、ネットワークを介して各種商品の広告を配信する技術がある(例えば、特許文献1参照)。この種の技術には、例えば、ユーザの状況を推定し、状況に応じた広告を提案する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、ユーザの現在の状況で必要な商品の広告を提案するものであり、ユーザが同じ商品に対して継続して興味を抱かせるような広告を提案するものではない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、商品に対して継続して興味を抱かせることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、特定部と、抽出部と、提案部とを備える。前記特定部は、ユーザの行動に関する履歴情報に基づいて、前記ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する。前記抽出部は、特定した前記恒久対象の中から、所定の条件を満たす前記恒久対象を抽出する。前記提案部は、抽出した前記恒久対象の販売者に対し、当該恒久対象に関する広告の出稿を提案する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、商品に対して継続して興味を抱かせることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、恒久対象情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、
図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ログサーバ50と、ユーザ端末100と、販売者端末200とを含む。
【0012】
実施形態に係る情報処理システムSでは、ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定し、所定の条件を満たす恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案する。なお、ここでいう、対象とは、例えば、販売者が販売する商品や、サービスである。
【0013】
図1に示すように、情報処理システムSでは、ログサーバ50は、ユーザ端末100を介してユーザの行動に関するログである行動ログを収集する(ステップS1)。ここいう行動は、例えば、ユーザの購買行動や、検索行動等といったインターネット上における各種行動を含む。また、行動は、例えば、旅行等といった実空間での移動行動や、実店舗に足を運んで商品を購入する購買行動を含んでもよい。
【0014】
つづいて、情報処理装置1は、ログサーバ50が収集した行動ログの履歴である履歴情報を取得する(ステップS2)。つまり、情報処理装置1は、ユーザの行動に関する履歴情報を取得する。履歴情報は、ログサーバ50が収集した全期間の行動ログであってもよく、販売者等によって指定された期間の行動ログや、所定のイベントに関連する期間の行動ログであってもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、取得した履歴情報に基づいて、ユーザの対象に対する興味を推定する(ステップS3)。例えば、情報処理装置1は、履歴情報から抽出される特徴情報(対象を購入した回数(あるいは頻度)や、対象を検索した回数(あるいは頻度))を説明変数として、興味の度合いに関するスコアを目的変数として学習したモデルを用いて興味を推定する。つまり、情報処理装置1は、かかるモデルに特徴情報を入力し、モデルから出力されるスコアに基づいて興味(の度合い)を推定する。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する(ステップS4)。具体的には、情報処理装置1は、上記した興味推定を所定間隔で継続して行い、推定した興味の度合い(モデルから出力されるスコア)が所定値以上である期間が所定の期間以上である対象を恒久対象として特定する。なお、情報処理装置1は、興味の度合い(モデルから出力されるスコア)が所定値以上である期間が所定の期間以上であっても、現在の時点で興味の度合いが所定値未満である場合には、恒久対象として特定しない。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、特定した恒久対象の中から、所定の条件を満たす恒久対象を抽出する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、地域(例えば、都道府県や地区町村等)毎に代表する恒久対象を抽出する。具体的には、情報処理装置1は、地域に関連するユーザ(地域に居住しているユーザや、地域を訪問予定のユーザ等)の恒久対象の中から、代表となる恒久対象を抽出する。例えば、情報処理装置1は、地域に関連するユーザ数に対する恒久対象の数の割合が所定値以上の恒久対象を、地域を代表する恒久対象として抽出する。言い換えれば、情報処理装置1は、地域に関連するユーザのうち、同じ恒久対象のユーザの割合が所定値以上の恒久対象を、地域を代表する恒久対象として抽出する。
【0018】
また、情報処理装置1は、地域の属性に基づいて選択したユーザの恒久対象の中から、地域を代表する恒久対象を抽出してもよい。例えば、情報処理装置1は、地域の属性が観光地である場合、地域を訪問予定のユーザを選択する。また、情報処理装置1は、地域の属性が住宅地である場合、地域に居住しているユーザを選択する。
【0019】
また、情報処理装置1は、地域に関連するユーザのうち、共通目的を有するユーザを選択してもよい。例えば、情報処理装置1は、地域で行うイベントに参加することを目的としたユーザを選択してもよい。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、抽出した恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案する(ステップS6)。例えば、情報処理装置1は、恒久的な態様で提供される広告の出稿を提案する。恒久的な態様で提供される広告は、例えば、スタティックな広告であり、所定の設置物に配置される広告である。このような広告の例として、看板や、電柱に掲出される紙等の広告である。つまり、恒久的な態様で提供される広告とは、デジタルサイネージのような表示(内容)を適宜変更な広告ではなく、広告の内容が変わることなく恒久的に掲出される広告である。
【0021】
また、情報処理装置1は、地域に存在する看板のうち、特定の位置(あるいは領域)に存在する看板への掲出を提案する等といったピンポイントでの広告掲出を提案可能であるが、かかる点の詳細については後述する。
【0022】
このように、実施形態に係る情報処理装置1では、ユーザが長期的に興味を有している(購入している)恒久対象に関する広告の出稿を提案することで、継続して恒久対象に興味を持たせる(継続して購入させる)ことができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、商品(サービス含む)に対して継続して興味を抱かせることができる。この結果、恒久対象の商品が風化(忘れられる)して売り上げが低下することを防ぐことができ、恒久対象の商品を継続して売り上げを上げることができる。
【0023】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ログサーバ50と、複数のユーザ端末100と、複数の販売者端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0024】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定し、所定の条件を満たす恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案する。
【0025】
また、情報処理装置1は、ログサーバ50、複数のユーザ端末100および販売者端末200と連携し、ログサーバ50、複数のユーザ端末100および販売者端末200に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0026】
また、情報処理装置1は、ログサーバ50、複数のユーザ端末100および販売者端末200に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0027】
ログサーバ50は、ユーザの行動に関するログ(行動ログ)を収集し、履歴情報として情報処理装置1へ提供するサーバ装置である。ログサーバ50は、各ユーザのユーザ端末100から行動ログを収集する。
【0028】
ユーザ端末100は、ユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1やログサーバ50等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0029】
販売者端末200は、恒久対象等の商品を販売する販売者が扱う端末装置である。販売者端末200は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。販売者端末200は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0030】
次に、
図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0031】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、特定部32と、抽出部33と、提案部34とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、恒久対象情報42とを記憶する。
【0032】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0033】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0034】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0035】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「ユーザ情報」、「履歴情報」等の項目を含む。
【0036】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「ユーザ情報」は、ユーザに関する情報であり、例えば、属性情報等を含む。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「履歴情報」は、ユーザの行動に関する履歴情報である。
【0037】
恒久対象情報42は、恒久対象に関する情報である。
図5は、恒久対象情報42の一例を示す図である。
図5に示すように、恒久対象情報42は、「地域ID」、「地域属性」および「恒久対象」といった情報を含む。
【0038】
「地域ID」は、地域を識別する識別情報である。「地域属性」は、地域の属性を示す情報である。「恒久対象」は、後述する特定部32によって特定された恒久対象に関する情報であり、例えば、恒久対象である商品の名称や、カテゴリ等といった情報を含む。
【0039】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、特定部32、抽出部33および提案部34)について説明する。
【0040】
取得部31は、各種情報を取得する。例えば、取得部31は、ユーザの行動に関する履歴情報を取得する。具体的には、取得部31は、ログサーバ50から履歴情報を取得する。また、取得部31は、ユーザ端末100から直接行動ログを取得することで、履歴情報を取得してもよい。
【0041】
特定部32は、取得部31が取得した履歴情報に基づいて、ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する。まず、特定部32は、対象に対するユーザの興味の有無を推定する。具体的には、特定部32は、履歴情報から抽出される特徴情報(対象を購入した回数(あるいは頻度)や、対象を検索した回数(あるいは頻度))を説明変数として、興味の度合いに関するスコアを目的変数として学習したモデルを用いて興味の有無を推定する。つまり、特定部32は、かかるモデルに特徴情報を入力し、モデルから出力されるスコアに基づいて興味(の度合い)を推定し、推定した興味の度合いが所定値以上である場合に、対象に興味があると推定する。
【0042】
特定部32は、対象に対する興味の有無を期間毎に推定し、所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する。恒久対象の特定処理に用いる所定の期間は、対象の種別に応じて変えてもよい。例えば、家電製品等の所持期間が比較的長い対象については、所定の期間を長くし、食品等の所持期間(食されるまでの期間)が比較的短い対象については、所定の期間を短くしてもよい。なお、特定部32は、ユーザ毎に1つ以上の恒久対象を特定してもよい。
【0043】
抽出部33は、特定部32が特定した恒久対象の中から、所定の条件を満たす恒久対象を抽出する。具体的には、抽出部33は、地域(例えば、都道府県や地区町村等)毎に代表する恒久対象を抽出する。例えば、抽出部33は、地域に関連するユーザ(地域に居住しているユーザや、地域を訪問予定のユーザ等)の恒久対象の中から、代表となる恒久対象を抽出する。例えば、抽出部33は、地域に関連するユーザ数に対する恒久対象の数の割合が所定値以上の恒久対象を、地域を代表する恒久対象として抽出する。言い換えれば、抽出部33は、地域に関連するユーザのうち、同じ恒久対象を有するユーザの割合が所定値以上となる恒久対象を、地域を代表する恒久対象として抽出する。
【0044】
また、抽出部33は、地域の属性に基づいて選択したユーザの恒久対象の中から、地域を代表する恒久対象を抽出してもよい。例えば、抽出部33は、地域の属性が観光地である場合、地域を訪問予定のユーザを選択し、選択したユーザの恒久対象の中から、代表となる恒久対象を抽出する。また、抽出部33は、地域の属性が住宅地である場合、地域に居住しているユーザを選択し、選択したユーザの恒久対象の中から、代表となる恒久対象を抽出する。
【0045】
また、抽出部33は、地域に関連するユーザのうち、地域に関連した共通目的を有するユーザを選択してもよい。例えば、抽出部331は、地域で行うイベントに参加することを目的としたユーザを選択し、選択したユーザの恒久対象の中から、代表となる恒久対象を抽出する。
【0046】
また、抽出部33は、地域における恒久対象と、恒久対象の競合品との市場割合(いわるシェア)に基づいて、恒久対象を抽出してもよい。例えば、抽出部33は、恒久対象が競合品よりも市場割合が低く、かつ、恒久対象および競合品の市場割合の差が所定値未満である場合には、かかる恒久対象を、地域を代表する恒久対象として抽出する。
【0047】
また、抽出部33は、恒久対象が競合品よりも市場割合が低く、かつ、恒久対象および競合品の市場割合の差が所定値以上であっても、恒久対象の市場割合が増加傾向である場合には、かかる恒久対象を、地域を代表する恒久対象として抽出してもよい。
【0048】
提案部34は、抽出した恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案する。例えば、提案部34は、恒久的な態様で提供される広告の出稿を提案する。恒久的な態様で提供される広告は、例えば、スタティックな広告であり、所定の設置物に配置される広告である。このような広告の例として、看板や、電柱に掲出される紙等の広告である。つまり、恒久的な態様で提供される広告とは、デジタルサイネージのような表示(内容)を適宜変更な広告ではなく、広告の内容が変わることなく恒久的に掲出される広告である。
【0049】
また、提案部34は、地域に存在する看板のうち、特定の場所(位置あるいは領域)に存在する看板への掲出を提案する等といったピンポイントでの広告掲出を提案する。例えば、提案部34は、上記した地域で行うイベントが関わる場所に存在する広告媒体への掲出を提案する。
【0050】
例えば、提案部34は、四国八十八か所霊場巡り(通称、お遍路)において、参加者であるユーザが通る経路を特定し、特定した経路に存在する広告媒体(看板や電柱等)への掲出を提案する。
【0051】
また、提案部34は、車両に搭載されたナビゲーション装置によって案内経路として設定される頻度が高い経路や、目的地として設定される頻度が高い場所に存在する広告媒体への掲出を提案してもよい。
【0052】
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0053】
図6に示すように、制御部3は、まず、ログサーバ50からユーザの行動に関する履歴情報を取得する(ステップS101)。
【0054】
つづいて、制御部3は、取得した履歴情報に基づいて、ユーザが所定の期間以上興味を有する恒久対象を特定する(ステップS102)。
【0055】
つづいて、制御部3は、特定した恒久対象の中から、所定の条件を満たす恒久対象を抽出する(ステップS103)。
【0056】
つづいて、制御部3は、抽出した恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案し(ステップS104)、処理を終了する。
【0057】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0058】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0059】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0060】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0061】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0062】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0063】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0064】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0065】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0066】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0067】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、特定部32と、抽出部33と、提案部34とを備える。特定部32は、ユーザの行動に関する履歴情報に基づいて、ユーザが所定の期間以上興味を有する対象を恒久対象として特定する。抽出部33は、特定した恒久対象の中から、所定の条件を満たす恒久対象を抽出する。提案部34は、抽出した恒久対象の販売者に対し、恒久対象に関する広告の出稿を提案する。
【0068】
上述した各実施形態に係る情報処理装置1によれば、恒久対象である商品に対して継続して興味を抱かせることができる。
【0069】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0070】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0071】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0072】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0073】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 特定部
33 抽出部
34 提案部
41 ユーザ情報
42 恒久対象情報
50 ログサーバ
100 ユーザ端末
200 販売者端末
S 情報処理システム