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特開2024-60782情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060782
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240425BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/02 380
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168288
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公治
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】広告を効果的に提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、特定部と、決定部とを備える。特定部は、ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する。決定部は、特定した人流経路と、流れ方向とに応じて、所定の領域における広告の提供態様を決定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、前記人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する特定部と、
特定した前記人流経路と、前記流れ方向とに応じて、前記所定の領域における広告の提供態様を決定する決定部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記流れ方向に基づいて、前記人流経路に配置される前記広告の表示向きを決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、
前記人流経路において、複数の流れ方向が集合する地点に配置される広告については、前記複数の流れ方向毎に前記流れ方向に応じた表示向きを決定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記所定の領域の入口および出口が同じである場合、入場するユーザと、退場するユーザとが視認可能な前記表示向きを決定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記人流経路を区間に区分けし、各区間を通過するユーザの目的を特定し、
前記決定部は、
前記区間毎に、前記目的に応じた広告の内容を決定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、
入場する目的のユーザと、退場する目的のユーザとで前記広告の内容を異ならせる
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、
前記区間を通過する前記目的が前記区間に対応した対象に関する目的である場合、当該対象に関する前記広告の内容を決定する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、前記人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する特定工程と、
特定した前記人流経路と、前記流れ方向とに応じて、前記所定の領域における広告の提供態様を決定する決定工程と
を含む情報処理方法。
【請求項9】
ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、前記人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する特定手順と、
特定した前記人流経路と、前記流れ方向とに応じて、前記所定の領域における広告の提供態様を決定する決定手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、ネットワークを介して各種商品の広告を配信する技術がある(例えば、特許文献1参照)。この種の技術には、例えば、ユーザの状況を推定し、状況に応じた広告を提供する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6134457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、ユーザの現在の状況で必要な商品の広告を提供しているに過ぎず、広告をより効果的に提供する点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告を効果的に提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、特定部と、決定部とを備える。前記特定部は、ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、前記人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する。前記決定部は、特定した前記人流経路と、前記流れ方向とに応じて、前記所定の領域における広告の提供態様を決定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、広告を効果的に提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図5図5は、人流情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ログサーバ50と、ユーザ端末100と、管理者端末200とを含む。
【0012】
実施形態に係る情報処理システムSでは、所定の領域における人流経路と、人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定し、特定した人流経路と、流れ方向とに応じて、所定の領域における広告の提供態様を決定する。なお、ここでいう所定の領域とは、例えば、スパーマーケット等の店舗や、店舗が複数集まった複合商業施設である。つまり、所定の領域は、上記した広告に関する商品を販売している店舗である。なお、所定の領域は、店舗に限らず、所定の地域(例えば、駅周辺等)であってもよい。
【0013】
図1に示すように、情報処理システムSでは、ログサーバ50は、ユーザ端末100を介してユーザの位置に関するログである位置ログを収集する(ステップS1)。ここいう位置は、例えば、所定の領域内における位置であり、例えば、ビーコン等によって取得される位置である。
【0014】
つづいて、情報処理装置1は、ログサーバ50が収集した位置ログの履歴である位置履歴を取得する(ステップS2)。位置履歴は、ログサーバ50が収集した全期間の位置ログであってもよく、管理者等によって指定された期間の位置ログや、所定のイベントに関連する期間の位置ログであってもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、取得した位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と人流経路における流れ方向とを特定する(ステップS3)。具体的には、まず、情報処理装置1は、各ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における各ユーザの移動経路を特定する。また、情報処理装置1は、所定の領域がスーパーマーケット等である場合、所定の領域に存在する通路の配置情報を取得し、配置情報から移動経路がどの通路を通ったかを特定する。そして、情報処理装置1は、各通路について、通過したユーザの数を計測し、ユーザの数が所定数以上の通路を人流経路を構成する通路として特定する。また、情報処理装置1は、人流経路の構成として特定した複数の通路について、各ユーザの移動経路における通路の通過順に基づいて、人流経路における各通路の通過順を特定する。そして、情報処理装置1は、各通路を通過順に繋げた経路を人流経路として特定する。
【0016】
また、情報処理装置1は、各ユーザの移動経路における流れ方向(通過する方向)とに基づいて、特定した人流経路におけるユーザの流れ方向を特定する。例えば、情報処理装置1は、1本の通路があった場合に、各ユーザの移動経路における流れ方向から、かかる通路を第1の方向に通過するユーザの数と、第2の方向に通過するユーザの数とを計測し、第1の方向および第2の方向のうちユーザの数が多い方向を流れ方向として特定する。
【0017】
また、情報処理装置1は、特定した人流経路を区間に区分け(例えば、通路単位で区分け)し、各区間を通過するユーザの目的(商品を探す目的、レジへ向かう目的、出口へ向かう目的等)を特定するが、かかる点の詳細については後述する。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、特定した人流経路と、流れ方向とに応じて、所定の領域における広告の提供態様を決定する(ステップS4)。例えば、情報処理装置1は、特定した人流経路および流れ方向に基づいて、広告(広告媒体)の配置および広告の表示向きを決定する。例えば、情報処理装置1は、人流経路の近傍に広告を配置するとともに、流れ方向にユーザが通過する場合にユーザが視認可能な表示向きを決定する。具体的には、情報処理装置1は、人流経路を流れ方向に向かって通過するユーザと向かい合う表示向きを決定する。
【0019】
また、情報処理装置1は、各区間を通過するユーザの目的に応じた広告の内容を決定することができるが、かかる点の詳細については後述する。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、決定した提供態様の情報を所定の領域の管理者へ管理者端末200を介して提供する(ステップS5)。具体的には、情報処理装置1は、決定した広告の設置位置や、表示向き、広告の内容の情報を管理者へ提供する。これにより、管理者は、提供された情報を参照して、広告を配置することで、所定の領域を通過するユーザに対して広告を効果的に提供することができる。
【0021】
なお、情報処理装置1は、例えば、広告媒体がデジタルサイネージである場合には、広告媒体を直接制御することで、決定した広告の内容を表示してもよい。また、情報処理装置1は、広告媒体が自律移動可能である場合には、広告媒体を直接制御することで、決定した広告の設置位置に移動させてもよい。また、情報処理装置1は、広告媒体が自動で表示向きを変更可能である場合には、広告媒体を直接制御することで、決定した広告の表示向きに変更させてもよい。
【0022】
このように、実施形態に係る情報処理装置1では、人流経路および流れ方向に応じて広告の提供態様を決定することで、人流経路を通るユーザが広告を視認しやすくなるため、広告の内容の認知度を高めることができる。つまり、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザに対して広告を効果的に提供することができる。
【0023】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ログサーバ50と、複数のユーザ端末100と、複数の管理者端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0024】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、所定の領域における人流経路と、人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定し、特定した人流経路と、流れ方向とに応じて、所定の領域における広告の提供態様を決定する。
【0025】
また、情報処理装置1は、ログサーバ50、複数のユーザ端末100および管理者端末200と連携し、ログサーバ50、複数のユーザ端末100および管理者端末200に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0026】
また、情報処理装置1は、ログサーバ50、複数のユーザ端末100および管理者端末200に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0027】
ログサーバ50は、ユーザの位置に関するログ(位置ログ)を収集し、位置履歴として情報処理装置1へ提供するサーバ装置である。ログサーバ50は、各ユーザのユーザ端末100から位置ログを収集する。
【0028】
ユーザ端末100は、ユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1やログサーバ50等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0029】
管理者端末200は、所定の領域を管理する管理者であり、所定の領域に配置される広告媒体を管理する管理者が扱う端末装置である。管理者端末200は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。管理者端末200は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0030】
次に、図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0031】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、特定部32と、決定部33と、提供部34とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、人流情報42とを記憶する。
【0032】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0033】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0034】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0035】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「ユーザ情報」、「位置履歴」等の項目を含む。
【0036】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「ユーザ情報」は、ユーザに関する情報であり、例えば、属性情報等を含む。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「位置履歴」は、ユーザの位置に関する履歴情報である。
【0037】
人流情報42は、所定の領域における人流に関する情報である。図5は、人流情報42の一例を示す図である。図5に示すように、人流情報42は、「領域ID」、「人流経路」、「流れ方向」および「目的」といった情報を含む。
【0038】
「領域ID」は、所定の領域を識別する識別情報である。「人流経路」は、所定の領域における人流経路の情報である。「流れ方向」は、人流経路における流れ方向の情報である。「目的」は、人流経路を通過するユーザの目的である。なお、「目的」は、人流経路を複数の区間に分けた区間毎に特定される。なお、「人流経路」、「流れ方向」および「目的」は、後述する特定部32に特定される情報であり、詳細な特定方法については後述する。
【0039】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、特定部32、決定部33および提供部34)について説明する。
【0040】
取得部31は、各種情報を取得する。例えば、取得部31は、ユーザの位置に関する位置履歴を取得する。具体的には、取得部31は、ログサーバ50から位置履歴を取得する。また、取得部31は、ユーザ端末100から直接位置ログを取得することで、位置履歴を取得してもよい。
【0041】
特定部32は、取得部31が取得したユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する。具体的には、まず、特定部32は、各ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における各ユーザの移動経路を特定する。また、特定部32は、所定の領域がスーパーマーケット等である場合、所定の領域に存在する通路の配置情報を取得し、配置情報から移動経路がどの通路を通ったかを特定する。そして、特定部32は、各通路について、通過したユーザの数を計測し、ユーザの数が所定数以上の通路を人流経路を構成する通路として特定する。また、特定部32は、人流経路の構成として特定した複数の通路について、各ユーザの移動経路における通路の通過順に基づいて、人流経路における各通路の通過順を特定する。そして、特定部32は、各通路を通過順に繋げた経路を人流経路として特定する。
【0042】
また、特定部32は、各ユーザの移動経路における流れ方向(通過する方向)とに基づいて、特定した人流経路におけるユーザの流れ方向を特定する。例えば、特定部32は、1本の通路があった場合に、各ユーザの移動経路における流れ方向から、かかる通路を第1の方向に通過するユーザの数と、第2の方向に通過するユーザの数とを計測し、第1の方向および第2の方向のうちユーザの数が多い方向を流れ方向として特定する。
【0043】
また、特定部32は、特定した人流経路を区間に区分け(例えば、通路単位で区分け)し、各区間を通過するユーザの目的(商品を探す目的、レジへ向かう目的、出口へ向かう目的等)を特定する。例えば、特定部32は、所定の領域における出入口近傍の区間であって、所定の領域内に向かう流れ方向の区間である場合には、所定の領域に入場する目的(スーパーマーケットの場合、商品を探す目的)であると特定する。また、特定部32は、所定の領域における出入口近傍の区間であって、所定の領域から出入口に向かう流れ方向の区間である場合には、所定の領域から退場する目的であると特定する。
【0044】
また、特定部32は、人流経路における区間が生鮮コーナーである場合には、区間を通過する目的が生鮮品を探す目的であると特定する。つまり、特定部32は、各区間に配置された対象の情報を取得し、区間を通過する目的が区間に対応した対象に関する目的であると特定する。
【0045】
なお、特定部32は、ユーザの属性毎や時間帯毎に、人流経路や、流れ方向、目的を特定してもよい。
【0046】
決定部33は、特定部32による特定結果に基づいて、所定の領域における広告の提供態様を決定する。具体的には、決定部33は、特定した人流経路と、流れ方向と、目的とに基づいて、広告の提供態様を決定する。
【0047】
例えば、決定部33は、特定した人流経路および流れ方向に基づいて、広告(広告媒体)の配置および広告の表示向きを決定する。例えば、決定部33は、人流経路の近傍に広告を配置するとともに、流れ方向に通過するユーザが視認可能な表示向きを決定する。具体的には、決定部33は、人流経路を流れ方向に向かって通過するユーザと向かい合う表示向きを決定する。
【0048】
また、決定部33は、人流経路において、複数の流れ方向が集合する地点に配置される広告については、流れ方向に応じた表示向きを決定する。つまり、決定部33は、複数の通路が合流する合流地点において、各通路に対応する位置に広告を配置する場合、複数の通路それぞれの流れ方向に通過するユーザが視認可能な表示向きを決定する。
【0049】
また、決定部33は、所定の領域の入口および出口が同じである場合、入場するユーザと、退場するユーザとが視認可能な表示向きを決定する。
【0050】
また、決定部33は、人流経路における各区間を通過するユーザの目的に応じた広告の内容を決定する。例えば、決定部33は、入場する目的のユーザと、退場する目的のユーザとで広告の内容を異ならせる。
【0051】
例えば、決定部33は、入場する目的のユーザに対しては、所定の領域内に配置された商品の現在のセール情報を表示し、退場する目的のユーザに対しては、所定の領域内に配置された商品の次回以降のセール情報を表示する。
【0052】
また、決定部33は、区間を通過する目的が区間に対応した対象に関する目的である場合、かかる対象に関する広告の内容を決定する。
【0053】
また、決定部33は、人流経路に対応するユーザの属性に応じた広告の内容を決定してもよい。また、決定部33は、人流経路における時間帯毎に広告の内容を異ならせてもよい。例えば、決定部33は、昼食前の時間帯については、総菜コーナーに関する内容の広告を決定し、夕食前の時間帯については、夕食メニューに関する内容の広告を決定する。
【0054】
提供部34は、決定した提供態様の情報を所定の領域の管理者へ管理者端末200を介して提供する。具体的には、提供部34は、決定した広告の設置位置や、表示向き、広告の内容の情報を管理者へ提供する。これにより、管理者は、提供された情報を参照して、広告を配置することで、所定の領域を通過するユーザに対して広告を効果的に提供することができる。
【0055】
なお、提供部34は、例えば、広告媒体がデジタルサイネージである場合には、広告媒体を直接制御することで、決定した広告の内容を表示してもよい。また、提供部34は、広告媒体が自律移動可能である場合には、広告媒体を直接制御することで、決定した広告の設置位置に移動させてもよい。また、提供部34は、広告媒体が自動で表示向きを変更可能である場合には、広告媒体を直接制御することで、決定した広告の表示向きに変更させてもよい。
【0056】
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
図6に示すように、制御部3は、まず、ログサーバ50からユーザの位置に関する位置履歴を取得する(ステップS101)。
【0058】
つづいて、制御部3は、取得した位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する(ステップS102)。
【0059】
つづいて、制御部3は、特定した人流経路および流れ方向に応じて、所定の領域における広告の提供態様を決定する(ステップS103)。
【0060】
つづいて、制御部3は、決定した提供態様の情報を管理者端末200を介して管理者へ提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0061】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0062】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0063】
例えば、図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0064】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0065】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0066】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0067】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0068】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0069】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0070】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0071】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、特定部32と、決定部33とを備える。特定部32は、ユーザの位置履歴に基づいて、所定の領域における人流経路と、人流経路におけるユーザの流れ方向とを特定する。決定部33は、特定した人流経路と、流れ方向とに応じて、所定の領域における広告の提供態様を決定する。
【0072】
上述した各実施形態に係る情報処理装置1によれば、広告を効果的に提供することができる。
【0073】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0074】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0075】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0076】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0077】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 特定部
33 決定部
34 提供部
41 ユーザ情報
42 人流情報
50 ログサーバ
100 ユーザ端末
200 管理者端末
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7