(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060786
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】カードリーダ
(51)【国際特許分類】
G06K 13/06 20060101AFI20240425BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20240425BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240425BHJP
G06K 7/08 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G06K13/06 C
G06K7/00 013
G06K7/10 264
G06K7/08 040
G06K7/00 004
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168293
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】原 崚太
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023GA06
(57)【要約】
【課題】非接触読取モジュールに設けた開口部から水が内部に侵入することを防止或いは抑制できるカードリーダを提供すること。
【解決手段】カードリーダ1は、カード挿入口11を備えるカードリーダ本体5と、カードリーダ本体5に取り付けられてカード挿入口11を覆う非接触読取モジュール6と、を有する。カードリーダ本体5は、カード2に接触する接触型読取部と接触型読取部を駆動してカード情報を読み取って暗号化する本体側制御部25を備える。非接触読取モジュール6は、非接触通信用のアンテナ30を備える非接触通信基板31、アンテナ30を介した非接触通信によりカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御基板33、開口部8を備えるケース34、ケース34内に開口部8とカード挿入口11とを連通させる連通路35、および連通路35を開閉するシャッタ機構36を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを挿入可能な開口部と、
前記開口部から直線状に延びる前記カードの搬送経路と、
前記搬送経路を開閉するシャッタ機構と、を有し、
前記搬送経路は、前記開口部から挿入された前記カードに接触する接触型読取部の情報読取位置を経由して延び、
前記シャッタ機構は、前記開口部と前記読取位置との間に配置されたシャッタと、前記搬送経路を閉じる閉位置と前記搬送経路を開く開位置との間で前記シャッタを移動可能に支持するシャッタ支持機構と、前記シャッタを前記閉位置に付勢する付勢部材と、を備え、
前記搬送経路が延設された方向を前後方向、上下方向および前記前後方向と直交する方向を幅方向とし、前記前後方向において開口部が位置する側を前方、その反対側を後方とした場合に、
前記シャッタは、前記閉位置に位置する状態を前記前後方向から見た場合に前記開口部と重なる封鎖板部と、前記封鎖板部から上方に延びる上側板部と、前記幅方向における前記封鎖板部の両側に設けられたカード当接部と、を備え、
前記上側板部は、前記封鎖板部から前記上方に延設された延設板部分と、前記延設板部分の上端縁から前記前方に突出する突出板部分と、を備え、
前記カードが前記開口部から前記搬送経路に挿入されると、前記カードが前記カード当接部に当接して前記閉位置にある前記シャッタを前記付勢部材の付勢力に抗して押し上げて前記開位置に移動させることを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
カード挿入口を備えるカードリーダ本体と、
前記カードリーダ本体の前記前方に取り付けられて前記カード挿入口を覆う非接触読取モジュールと、を有し、
前記カードリーダ本体は、前記接触型読取部と、前記接触型読取部の情報読取位置を経由するカード搬送路と、前記接触型読取部により前記カードのカード情報を読み取って暗号化する本体側制御部と、を備え、
前記非接触読取モジュールは、非接触通信用のアンテナを備える非接触通信基板と、前記アンテナを介した非接触通信により前記カードからカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御部を備えるモジュール側制御基板と、前記開口部を備え前記非接触通信基板および前記モジュール側制御部を収容するケースと、前記ケース内において前記開口部と前記カード挿入口とを連通させる連通路と、前記シャッタ機構と、を備え、
前記搬送経路は、前記連通路および前記カード搬送路を備え、
前記シャッタ機構は、前記連通路を開閉することを特徴とする請求項1に記載のカードリーダ。
【請求項3】
前記非接触読取モジュールは、前記連通路を下方から規定する下側連通路規定部分を有する下側連通路区画部材を備え、
前記下側連通路区画部材は、前記シャッタ支持機構を兼ねており、
前記シャッタが前記閉位置にあるときに、前記封鎖板部は前記連通路規定部分に接触し、
前記連通路規定部分は、前記封鎖板部が接触する接触部分および当該接触部分よりも前記前方が櫛歯状であり、
前記ケースにおいて、前記上下方向から見た場合に前記連通路規定部分の櫛歯状の部位の下方に位置するケース部分には、前記上下方向に貫通するケース貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のカードリーダ。
【請求項4】
前記非接触読取モジュールは、前記下側連通路規定部分の前記上方で当該下側連通路規
定部分と対向する上側連通路規定部分を備える上側連通路区画部材を備え、
前記上側連通路規定部分は、その下面に、前記閉位置に配置された前記シャッタの前記上側板部を収容するとともに前記開位置に配置されたシャッタの前記封鎖板部および前記上側板部を収容するシャッタ収容凹部を備え、
前記モジュール側制御基板は、前記上側連通路区画部材に支持されて、前記上側連通路規定部分の前記シャッタとは反対側に位置することを特徴とする請求項3に記載のカードリーダ。
【請求項5】
前記非接触通信基板は、その厚み方向を前記前後方向に向けて前記下側連通路区画部材および前記下側連通路区画部材よりも前記前方に配置され、前記前後方向から見た場合に前記開口部と重なる基板貫通孔を備え、
前記連通路は、前記基板貫通孔を経由して延びており、
前記アンテナは、前記基板貫通孔を囲むことを特徴とする請求項4に記載のカードリーダ。
【請求項6】
前記接触型読取部は、前記カードのICチップに接触する接点ブロックであることを特徴とする請求項1に記載のカードリーダ。
【請求項7】
前記接触型読取部は、前記カードの磁気ストライプに接触する磁気ヘッドであることを特徴とする請求項1に記載のカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触通信によりカード情報を読み取るカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ストライプやICチップを備えるカードのカード情報を読み取るカードリーダは、特許文献1に記載されている。同文献のカードリーダは、カード挿入口を備えるカードリーダ本体を備える。カードリーダ本体は、磁気ストライプからカード情報を読み取るための磁気ヘッドと、ICチップからカード情報を読み取るためのIC接点ブロックと、を備える。また、カードリーダ本体は、カード挿入口から磁気ヘッドおよびIC接点ブロックを経由して延びるカード搬送路と、カード搬送路に沿ってカードを搬送するカード搬送機構と、を備える。カードリーダ本体は、カード挿入口にカードが挿入されると、カードをカード搬送路に沿って搬送し、磁気ストライプまたはICチップからカード情報を読み取る。また、カードリーダは、カードから読み取ったカード情報を上位機器に送信する。
【0003】
近年、非接触通信が可能な非接触式ICチップを備えるカードが登場している。磁気ストライプおよびICチップからのカード情報の読み取りに加えて非接触式ICチップからカード情報を読み取るカードリーダは、特許文献2に記載されている。同文献のカードリーダは、カード挿入口を備えるカードリーダ本体に、非接触式ICチップとの間で非接触通信を行うためのアンテナを備える。アンテナは、カード挿入口が形成されたベゼル部に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-41051号公報
【特許文献2】特開2021-57725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、カードリーダは、例えば、ガソリンスタンドの給油装置の一部として屋外に設置される場合がある。この場合には、給油装置を洗浄する際の水や雨水などが、カードを挿入する開口部から内部に侵入する可能性がある。
【0006】
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、カードを受け入れる開口部から水が内部に侵入することを防止或いは抑制できるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のカードリーダは、カードを挿入可能な開口部と、前記開口部から直線状に延びる前記カードの搬送経路と、前記搬送経路を開閉するシャッタ機構と、を有し、前記搬送経路は、前記開口部から挿入された前記カードに接触する接触型読取部の情報読取位置を経由して延び、前記シャッタ機構は、前記開口部と前記読取位置との間に配置されたシャッタと、前記搬送経路を閉じる閉位置と前記搬送経路を開く開位置との間で前記シャッタを移動可能に支持するシャッタ支持機構と、前記シャッタを前記閉位置に付勢する付勢部材と、を備え、前記搬送経路が延設された方向を前後方向、上下方向および前記前後方向と直交する方向を幅方向とし、前記前後方向において開口部が位置する側を前方、その反対側を後方とした場合に、前記シャッタは、前記閉位置に位置する状態を前記前後方向から見た場合に前記開口部と重なる封鎖板部と、前記封鎖板部から上方に延びる上側板部と、前記幅方向における前記封鎖板部の両側に設けら
れたカード当接部と、を備え、前記上側板部は、前記封鎖板部から前記上方に延設された延設板部分と、前記延設板部分の上端縁から前記前方に突出する突出板部分と、を備え、前記カードが前記開口部から前記搬送経路に挿入されると、前記カードが前記カード当接部に当接して前記閉位置にある前記シャッタを前記付勢部材の付勢力に抗して押し上げて前記開位置に移動させることを特徴とする。
【0008】
本態様のカードリーダは、カードを挿入可能な開口部の後側に、カードの搬送経路を開閉するシャッタ機構を備える。シャッタ機構は、封鎖板部と、封鎖板部から上方に延びる上側板部と、を備える。ここで、封鎖板部は、シャッタが閉位置に位置する状態を前後方向から見た場合に開口部と重なる。従って、水が、開口部からカードの搬送経路に侵入して、接触型読取部に付着することを防止或いは抑制できる。また、上側板部は、封鎖板部から上方に延設された延設板部分と、前記延設板部分の上端縁から前方に突出する突出板部分と、を備える。従って、水が、開口部からシャッタの上方を介してカードの搬送経路に侵入して、接触型読取部に付着することを防止或いは抑制できる。
【0009】
本形態において、カード挿入口を備えるカードリーダ本体と、前記カードリーダ本体の前記前方に取り付けられて前記カード挿入口を覆う非接触読取モジュールと、を有し、前記カードリーダ本体は、前記接触型読取部と、前記接触型読取部の情報読取位置を経由するカード搬送路と、前記接触型読取部により前記カードのカード情報を読み取って暗号化する本体側制御部と、を備え、前記非接触読取モジュールは、非接触通信用のアンテナを備える非接触通信基板と、前記アンテナを介した非接触通信により前記カードからカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御部を備えるモジュール側制御基板と、前記開口部を備え前記非接触通信基板および前記モジュール側制御部を収容するケースと、前記ケース内において前記開口部と前記カード挿入口とを連通させる連通路と、前記シャッタ機構と、を備え、前記搬送経路は、前記連通路および前記カード搬送路を備え、前記シャッタ機構は、前記連通路を開閉するものとすることができる。
【0010】
本態様は、アンテナを備える非接触通信基板と、アンテナを介した非接触通信によりカードからカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御部とをケースに収容した非接触読取モジュールを有する。従って、接触型読取部と、接触型読取部によりカードのカード情報を読み取って暗号化する本体側制御部とを備えるカードリーダ本体に非接触読取モジュールを取り付けることにより、非接触通信によりカード情報を読み取る機能を追加することができる。また、非接触読取モジュールはカードリーダ本体に取り付けられてカード挿入口を覆うが、非接触読取モジュールのケースはカードを挿入可能な開口部を備えており、ケース内には開口部とカード挿入口とを連通させる連通路を備える。従って、非接触読取モジュールをカード挿入口を覆う状態でカードリーダ本体に取りけた場合でも、カードリーダ本体のカード挿入口にカードを挿入することができる。また、非接触読取モジュールはカードリーダ本体において、カード挿入口の前側に取り付けられることになるので、カードを非接触読取モジュールにかざしてカードリーダにカード情報を読み取らせることが容易である。
【0011】
さらに、本態様は、非接触読取モジュールは、非接触読取モジュールとカードリーダ本体のカード挿入口とを連通させる連通路にシャッタ機構を備える。従って、非接触読取モジュールの開口部を介して水が非接触読取モジュールの内部に侵入することを防止或いは抑制できる。また、非接触読取モジュールの開口部および連通路を介して水がカードリーダ本体の内部に侵入することを防止或いは抑制できる。
【0012】
本態様において、前記非接触読取モジュールは、前記連通路を下方から規定する下側連通路規定部分を有する下側連通路区画部材を備え、前記下側連通路区画部材は、前記シャッタ支持機構を兼ねており、前記シャッタが前記閉位置にあるときに、前記封鎖板部は前
記連通路規定部分に接触し、前記連通路規定部分は、前記封鎖板部が接触する接触部分および当該接触部分よりも前記前方が櫛歯状であり、前記ケースにおいて、前記上下方向から見た場合に前記連通路規定部分の櫛歯状の部位の下方に位置するケース部分には、前記上下方向に貫通するケース貫通孔が設けられているものとすることができる。このようにすれば、開口部から連通路に侵入して封鎖板部に付着した水は、封鎖板部から下側連通路区画部材の連通路規定部分における櫛歯状の部分を伝わり、ケース貫通孔からケースの外側に排出される。
【0013】
本態様において、前記非接触読取モジュールは、前記下側連通路規定部分の前記上方で当該下側連通路規定部分と対向する上側連通路規定部分を備える上側連通路区画部材を備え、前記上側連通路規定部分は、その下面に、前記閉位置に配置された前記シャッタの前記上側板部を収容するとともに前記開位置に配置されたシャッタの前記封鎖板部および前記上側板部を収容するシャッタ収容凹部を備え、前記モジュール側制御基板は、前記上側連通路区画部材に支持されて、前記上側連通路規定部分の前記シャッタとは反対側に位置するものとすることができる。このようにすれば、開口部から搬送路に侵入した水が、モジュール側制御基板に付着することを防止或いは抑制しやすい。
【0014】
本態様において、前記非接触通信基板は、その厚み方向を前記前後方向に向けて前記下側連通路区画部材および前記下側連通路区画部材よりも前記前方に配置され、前記前後方向から見た場合に前記開口部と重なる基板貫通孔を備え、前記連通路は、前記基板貫通孔を経由して延びており、前記アンテナは、前記基板貫通孔を囲むものとすることができる。このようにすれば、シャッタの封鎖板部に付着した水が、連通路区画部材を介して非接触通信基板に伝わることを防止或いは抑制できる。また、このようにすれば、アンテナを比較的広い範囲に敷設できる。
【0015】
本態様において、前記接触型読取部は、前記カードのICチップに接触する接点ブロックであるものとすることができる。
【0016】
本態様において、前記接触型読取部は、前記カードの磁気ストライプに接触する磁気ヘッドであるものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、カードリーダは、カードを挿入可能な開口部の後側に、カードの搬送経路を開閉するシャッタ機構を備える。シャッタ機構は、封鎖板部と、封鎖板部から上方に延びる上側板部と、を備える。ここで、封鎖板部は、シャッタが閉位置に位置する状態を前後方向から見た場合に開口部と重なる。従って、水が、開口部からカードの搬送経路に侵入して、接触型読取部に付着することを防止或いは抑制できる。また、上側板部は、封鎖板部から上方に延設された延設板部分と、前記延設板部分の上端縁から前方に突出する突出板部分と、を備える。従って、水が、開口部からシャッタの上方を介してカードの搬送経路に侵入して、接触型読取部に付着することを防止或いは抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】カードリーダの読取対象となるカードの説明図である。
【
図5】カードリーダ本体から非接触通信読取モジュールを分離させた状態を前側から見た場合のカードリーダに斜視図である。
【
図6】カードリーダ本体から非接触通信読取モジュールを分離させた状態を後側から見た場合のカードリーダに斜視図である。
【
図7】カードリーダの制御系の概略ブロック図である。
【
図8】非接触読取モジュールを下方から見た場合の斜視図である。
【
図9】ケースを取り外した非接触読取モジュールの分解斜視図である。
【
図10】非接触通信基板、モジュール側制御基板、下側連通路区画部材および上側連通路区画部材の分解斜視図である。
【
図11】モジュール側制御基板、下側連通路区画部材、上側連通路区画部材、およびシャッタを上側から見た場合の分解斜視図である。
【
図12】モジュール側制御基板、下側連通路区画部材、上側連通路区画部材、およびシャッタの分解斜視図である。
【
図13】下側連通路区画部材およびシャッタの分解斜視図である。
【
図14】シャッタを下側から見た場合の斜視図である。
【
図15】カードがシャッタのカード当接部に当接した状態の説明図である。
【
図16】シャッタが開位置に配置された状態のカードリーダの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(全体構成)
以下に、図面を参照しながら、本発明を適用したカードリーダの実施形態を説明する。
図1は、カードリーダの斜視図である。
図2は、カードリーダの読取対象となるカードの説明図である。
図3は、カードリーダの正面図である。
図4は、カードリーダの縦断面図である。
図5は、カードリーダ本体から非接触通信読取モジュールを分離させた状態を前側から見た場合のカードリーダに斜視図である。
図6は、カードリーダ本体から非接触通信読取モジュールを分離させた状態を後側から見た場合のカードリーダに斜視図である。
【0020】
図1に示すカードリーダ1は、磁気ストライプ2aを備えるカード2から磁気ストライプ2aに記録されたカード情報を読み取って上位機器3に送信する。また、カードリーダ1は、ICチップ2bを備えるカード2から、ICチップ2bに記録されたカード情報を読み取って、上位機器3に送信する。さらに、カードリーダ1は、非接触通信が可能なICチップ2bを備えるカード2から、非接触通信によりICチップ2bに記録されたカード情報を読み取って、上位機器3に送信する。また、カードリーダ1は、上位機器3から書込情報を受信した場合には、磁気ストライプ2a、ICチップ2b、非接触通信が可能なICチップ2bに、書込情報を書き込む。
【0021】
図2に示しように、カードリーダ1の読取対象となるカード2は、厚さ寸法が0.7~0.8mm程度の略長方形形状のものである。カード2は、塩化ビニール製であり、カード2の裏面には、磁気ストライプ2aが形成されている。また、カード2には、ICチップ2bが内蔵されている。カード2の表面にはICチップ2bの外部接続端子2cが形成されている。本例では、ICチップ2bは、NFC(Near Field Communication)などの無線による非接触通信が可能である。なお、カード2には、非接触通信が可能なICチップ2bが、外部接続端子2cが形成されるICチップ2bとは別に、内蔵されている場合がある。
【0022】
図1に示すように、カードリーダ1は、カードリーダ本体5と、カードリーダ本体5の前側に取り付けられた非接触読取モジュール6と、カードリーダ本体5と非接触読取モジュール6とを接続する配線7と、を備える。
図3に示すように、カードリーダ1の前面、すなわち、非接触読取モジュール6の前面には、前側からカード2を挿入可能な開口部8が設けられている。以下の説明では、互いに直交する3方向をカードリーダ1の前後方向X、幅方向Y、上下方向Zとする。前後方向Xは、非接触読取モジュール6とカードリーダ本体5とが配列された配列方向である。また、前後方向Xにおいて、非接触読取モジュール6が位置する側をカードリーダ1の前方X1とし、カードリーダ本体5が位置する側を後方X2とする。
【0023】
(カードリーダ本体)
図5に示すように、カードリーダ本体5は、その前面に、カード挿入口11を備える。また、カードリーダ本体5は、その前面におけるカード挿入口11の下方Z1に隣合う位置に、下側連結部12を備える。下側連結部12は、幅方向Yに配列された複数の突出部12aを備える。各突出部12aは、前方X1に向かって先細りとなる形状を備える。さらに、カードリーダ本体5は、その前面におけるカード挿入口11の上方Z2に隣り合う位置に、上側連結部13を備える。上側連結部13は、幅方向Yに配列された複数の突出部13aを備える。各突出部13aは、前方X1に向かって先細りとなる形状を備える。
【0024】
また、カードリーダ本体5は、その前面の下端部分に、非接触読取モジュール6を前側から固定するための、固定部14を備える。固定部14は、厚み方向を前後方向Xに向けた板金からなる。固定部14は、幅方向Yで離間する2つのねじ穴14aを備える。
【0025】
さらに、カードリーダ本体5は、
図4に示すように、内部に、磁気ストライプ2aからカード情報を読み取るための磁気ヘッド16(接触型読取部)と、ICチップ2bからカード情報を読み取るためのIC接点ブロック17(接触型読取部)と、を備える。また、カードリーダ本体5は、カード挿入口11から後方X2に直線状に延びるカード搬送路18を備える。カード搬送路18は、磁気ヘッド16による第1情報読取位置R1と、IC接点ブロック17による第2情報読取位置R2を経由して前後方向Xに延びる。磁気ヘッド16は、カード搬送路18に下方Z1から対向し、IC接点ブロック17は、カード搬送路18に上方Z2から対向する。
【0026】
さらに、カードリーダ本体5は、カード搬送路18の前端部分にカード挿入センサ19を備える。また、カードリーダ本体5は、カード挿入口11から挿入されたカード2をカード搬送路18に沿ってカード2を搬送するカード搬送機構21を備える。カード挿入センサ19は、光学的或いは機械的に、カード挿入口11へのカード2の挿入を検出する。カード搬送機構21は、駆動源として、モータ22を備える。カード搬送機構21は、カード搬送路18に挿入されたカード2を、カード搬送路18に沿って、前方X1および後方X2に搬送する。また、カードリーダ本体5は、カード搬送路18の下方Z1に、制御基板23を備える。
図1に示すように、制御基板23には、コネクタ24が設けられている。
【0027】
(カードリーダ本体の制御系)
図7は、カードリーダ1の制御系の概略ブロック図である。
図7に示すように、カードリーダ本体5の制御系は、制御基板23上に構成された本体側制御部25を中心に構成される。本体側制御部25は、CPUおよびメモリを備える。本体側制御部25の入力側には、カード挿入センサ19が接続されている。本体側制御部25の出力側には、モータ22が接続されている。また、本体側制御部25には、磁気ヘッド16およびIC接点ブロック17が通信可能に接続されている。さらに、本体側制御部25には、通信部26が通信可能に接続されている。
【0028】
本体側制御部25は、情報読取制御部27と、暗号化制御部28と、を備える。情報読取制御部27は、カード挿入センサ19がカード搬送路18へのカード2の挿入を検出すると、モータ22を駆動して、カード2をカード搬送路18に沿って後方X2に搬送する。また、情報読取制御部27は、磁気ヘッド16を駆動して、第1読取位置を経由するカード2からカード情報を読み取る。さらに、情報読取制御部27は、IC接点ブロック17を駆動して、第2情報読取位置R2に到達したカード2からカード情報を読み取る。また、情報読取制御部27は、カード2からのカード情報の読取が完了すると、モータ22を逆方向に駆動し、カード2を前方X1に搬送して、カード挿入口11から排出する。
【0029】
暗号化制御部28は、情報読取制御部27がカード情報を読み取ると、カード情報を暗号化した暗号化情報を生成する。また、暗号化制御部28は、暗号化情報を通信部26に入力する。
【0030】
通信部26は、カードリーダ1と上位機器3とを通信可能に接続する。通信部26は、本体側制御部25から暗号化情報が入力されると、通信回線などを介して、暗号化情報を上位機器3に送信する。
【0031】
なお、カード2に対する書込情報が上位機器3から通信部26を介して本体側制御部25に入力されると、情報読取制御部27は、モータ22を駆動してカード2を第2情報読取位置R2に搬送し、接点ブロックを駆動してICチップ2bに書込情報を書き込む。また、情報読取制御部27は、モータ22を駆動してカード2を第1読取位置を経由するように搬送し、磁気ヘッド16を駆動して磁気ストライプ2aに書込情報を書き込む。
【0032】
(非接触読取モジュール)
図8は、非接触読取モジュール6を下方Z1から見た場合の斜視図である。
図9は、ケースを取り外した非接触読取モジュール6の分解斜視図である。
図10は、非接触通信基板、モジュール側制御基板33、下側連通路区画部材および上側連通路区画部材の分解斜視図である。
図11は、モジュール側制御基板33、下側連通路区画部材、上側連通路区画部材、およびシャッタを上側から見た場合の分解斜視図である。
図12は、モジュール側制御基板33、下側連通路区画部材、上側連通路区画部材、およびシャッタの分解斜視図である。
図13は、下側連通路区画部材およびシャッタの分解斜視図である。
図14は、シャッタを下側から見た場合の斜視図である。
【0033】
図1、
図3、
図8に示すように、非接触読取モジュール6は、全体として、前後方向Xに扁平な直方体形状をしている。非接触読取モジュール6の前後方向Xの寸法は、カード2の長手方向の寸法よりも短い。
図1に示すように、非接触読取モジュール6は、カードリーダ本体5の前方X1に取り付けられて、カードリーダ本体5のカード挿入口11を覆う。
【0034】
図9に示すように、非接触読取モジュール6は、非接触通信用のアンテナ30を備える非接触通信基板31と、アンテナ30を介した非接触通信によりカード2からカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御部32を備えるモジュール側制御基板33と、非接触通信基板31およびモジュール側制御部32を収容するケース34と、を備える。開口部8は、ケース34に設けられている。また、非接触読取モジュール6は、
図4に示すように、ケース34内において開口部8とカードリーダ本体5のカード挿入口11とを連通させる連通路35と、連通路35を開閉するシャッタ機構36と、を備える。
【0035】
ケース34は樹脂製である。
図8、
図9に示すように、ケース34は、前後方向Xに延びる矩形の枠部37と、枠部37の前方X1の開口を封鎖する矩形の前板部38と、を備える。枠部37は、上下方向Zで対向する底板部39および天井板部40と、幅方向Yで対向する一対の側板部41とを備える。
図8に示すように、底板部39の後端部分は、幅方向Yの全域に渡って後方X2から切り欠かれた切欠き部42を備える。切欠き部42は、中央に、その両側と比較して切欠き幅の大きい幅広切欠き部分42aを備える。また、底板部39は、幅広切欠き部分42aの両側に、下方Z1に突出するモジュール側固定部43を備える。各モジュール側固定部43には、前後方向Xに貫通する第1固定ねじ用貫通孔43aが設けられている。さらに、底板部39は、各モジュール側固定部43の前側に、それぞれ上下方向Zに貫通する第1開口39a(ケース貫通孔)を備える。また、一方の側板部41は、幅方向Yに貫通する第2開口41aを備える。
【0036】
図9に示すように、開口部8は、前板部38に設けられている。連通路35は、連通路35を下側から区画する下側連通路区画部材45と、下側連通路区画部材45に上方Z2から重ねられて連通路35を上側から区画する上側連通路区画部材46と、によって区画される。
【0037】
ここで、連通路35を開閉するシャッタ機構36は、
図11から
図14に示すように、シャッタ48と、シャッタ48を、連通路35を閉じる閉位置48Aと、連通路35を開く開位置48Bとの間を移動可能に支持するシャッタ支持機構49と、シャッタ48を閉位置48Aに付勢する付勢部材と、を備える。付勢部材は、コイルバネ50である(
図12参照)。
【0038】
図13、
図14に示すように、シャッタ48は、幅方向Yに延びる長方形形状の封鎖板部51と、封鎖板部51の幅方向Yの中央部分から上方Z2に延びる上側板部52と、封鎖板部51から後方X2に延びるフレーム部53と、封鎖板部51の幅方向Yの両側に設けられたカード当接部54と、を備える。上側板部52は、封鎖板部51から連続して上方Z2に延びる延設板部分52aと、延設板部分52aの上端部分から前方X1に突出する突出板部分52bと、を備える。また、シャッタ48は、封鎖板部51の幅方向Yの両側から前方X1に突出して各カード当接部54の前方X1に位置する腕部55と、フレーム部53の後端部分から幅方向Yの両側に突出する一対の回転軸56と、を備える。回転軸56は、各回転軸56は、幅方向Yに延びる。各回転軸56は、幅方向Yにおいて、一対のカード当接部54および腕部55の外側に位置する。各回転軸56は、円形の断面形状を備える。各回転軸56の軸線L0は、幅方向Yに延びる。
【0039】
図11に示すように、シャッタ48は、下側連通路区画部材45に載置される。下側連通路区画部材45は、シャッタ支持機構49を兼ねる。
図4、
図12に示すように、コイルバネ50は、コイルバネ50は、上下方向Zで下側連通路区画部材45とシャッタ48のフレーム部53との間に配置される。
【0040】
図13に示すように、下側連通路区画部材45は、上下方向Zおよび幅方向Yに広がる第1板部58と、板部の上端部分から前方X1に延びる第1前側延設部59と、第1板部58の上端部分から後方X2の突出する第1連結部60と、を備える。
図12に示すように、第1板部58において、第1前側延設部59および第1連結部60よりも下方Z1に突出する突出部分には、幅方向Yで離間する2か所に、前後方向Xに貫通する第2固定ねじ用貫通孔58aが設けられている。
【0041】
図13に示すように、下側連通路区画部材45(第1板部58、第1前側延設部59、第1連結部60)の上面の幅方向Yの中央部分は、連通路35を下側から規定する下側連通路規定部分61である。下側連通路規定部分61の上面は、連通路35の底面となる。下側連通路区画部材45における下側連通路規定部分61の両側は、上側連通路区画部材46を支持する支持部分62である。支持部分62の上面は、下側連通路規定部分61の上面よりも所定寸法だけ上方Z2に位置する。所定寸法は、カード2の厚さ寸法よりも大きい。
【0042】
第1前側延設部59における下側連通路規定部分61(幅方向Yの中央部分)は、櫛歯状である。すなわち、第1前側延設部59における下側連通路規定部分61は、下側連通路区画部材45の前端から後方X2に向かって第1板部58まで延びて上下方向Zに貫通する複数のスリット63を備える。第1前側延設部59における下側連通路規定部分61の幅方向Yの両端部には、シャッタ48の幅方向Yの両側に設けられたカード当接部54の下端部分を収容可能な凹部64がそれぞれ設けられている。
【0043】
第1連結部60における下側連通路規定部分61は、第1板部58から後方X2に突出する複数の突出部60aを備える。複数の突出部60aは幅方向Yに配列されている。各突出部60aは、後方X2に向かって先細りとなる形状を備える。各突出部60aの上面は、後方X2に向かって僅かに下方Z1に傾斜する。
【0044】
下側連通路区画部材45において下側連通路規定部分61の幅方向Yの両側に位置する各支持部分62は、その上面において幅方向Yから見た場合に第1板部58および第1連結部60と重なる位置に、それぞれ、シャッタ48の回転軸56を回転可能に支持する回転軸支持用凹部65を備える。回転軸支持用凹部65は、内壁面に、シャッタ48の回転軸56の外周面に沿って下方Z1に窪む湾曲形状の内壁面部分を備える。ここで、
図1に示すように、シャッタ48は、幅方向Yの両側に設けられた回転軸56が回転軸支持用凹部65に挿入されることにより、閉位置48Aと開位置48Bとの間を移動可能な状態で、下側連通路区画部材45に支持される。シャッタ48が閉位置48Aと開位置48Bとの間を移動する際に、シャッタ48は、各回転軸56の軸線L0回りに回転する。
【0045】
図12に示すように、上側連通路区画部材46は、上下方向Zおよび幅方向Yに広がる第2板部71と、第2板部71の下端部分から前方X1に延びる第2前側延設部72と、第2板部71の下端部分から後方X2の突出する第2連結部73と、を備える。従って、第2板部71は、第2前側延設部72および第2連結部73よりも上方Z2に延びる。上側連通路区画部材46(第2板部71、第2前側延設部72、第2連結部73)の下面の幅方向Yの中央部分は、連通路35を上側から規定する上側連通路規定部分74である。上側連通路区画部材46における上側連通路規定部分74の両側は、下側連通路区画部材45の支持部分62に載置される載置部分75である。
【0046】
第2前側延設部72における上側連通路規定部分74(幅方向Yの中央部分)は、上下方向Zで下側連通路区画部材45の第2板部71および第2前側延設部72に対向する。第2前側延設部72は、その下面に、シャッタ収容凹部76を備える。
図4に示すように、シャッタ収容凹部76は、下側連通路区画部材45に上側連通路区画部材46が載置されて連通路35が区画されたときに、シャッタ48の上側部分を収容する。また、シャッタ収容凹部76には、シャッタ48を閉位置48Aに付勢するシャッタ機構36のコイルバネ50が収容されている。コイルバネ50は、下側連通路区画部材45に上側連通路区画部材46が載置されて連通路35が区画されたときに、上端がシャッタ収容凹部76の天井壁に当接し、下端がシャッタ48のフレーム部53に当接して、圧縮された状態となる。これにより、コイルバネ50は、シャッタ48を、封鎖板部51の下面が下側連通路区画部材45の下側連通路規定部分61に当接する閉位置48Aに付勢する。
【0047】
第2連結部73における上側連通路規定部分74は、第2板部71から後方X2に突出する複数の突出部73aを備える。複数の突出部73aは幅方向Yに配列されている。
【0048】
上側連通路区画部材46において上側連通路規定部分74の幅方向Yの両側に位置する各載置部分75は、上下方向Zで下側連通路区画部材45の回転軸支持用凹部65と対向する位置に封鎖部75aを備える。封鎖部75aは、シャッタ48に設けられた回転軸56の外周面に沿って上方Z2に窪む凹形状の下面を備える。封鎖部75aは、下側連通路区画部材45に上側連通路区画部材46が載置されて連通路35が区画されたときに、下側連通路区画部材45の回転軸支持用凹部65を上方Z2から塞ぐ。これにより、回転軸支持用凹部65に回転可能に支持されたシャッタ48の回転軸56が回転軸支持用凹部65から上方に抜け出すことを防止する。封鎖部75aは、回転軸支持用凹部65とともに、シャッタ支持機構49を構成する。
【0049】
次に、非接触通信基板31は、
図9に示すように、矩形であり、その厚み方向を前後方向Xに向けて、ケース34の前板部38と対向して配置される。非接触通信基板31は、前後方向Xから見た場合に、ケース34の開口部8と重なる基板貫通孔77を備える。アンテナ30は、非接触通信基板31の外周縁に沿って矩形に敷設されている。従って、アンテナ30は、基板貫通孔77を囲む。非接触通信基板31は、その外周縁が、ケース34の枠部37に溶着される。
【0050】
モジュール側制御基板33は、
図10に示すように、矩形であり、その中央部分には、CPUおよびメモリを備えるモジュール側制御部32が構成されている。また、モジュール側制御基板33には、配線7を接続するためのコネクタ79が設けられている。モジュール側制御基板33は、その厚み方向を前後方向Xに向けた姿勢で、上側連通路区画部材46に支持される。上側連通路区画部材46に支持されたときに、モジュール側制御基板33は、第2前側延設部72の上方Z2で、第2板部71の前方X1に位置する。
図9に示すように、モジュール側制御基板33と、非接触通信基板31とは、フレキシブルプリント基板80により通信可能に接続されている。
【0051】
非接触読取モジュール6を構成する際には、まず、非接触通信基板31をケース34に収容し、ケース34の前端部分に溶着する。次に、
図10に示すように、シャッタ48を支持する下側連通路区画部材45と、モジュール側制御基板33を支持する上側連通路区画部材46とを上下方向Zで重ね、これらを後方X2からケース34に挿入する。ここで、下側連通路区画部材45の第1板部58の下端部分は、ケース34の底板部39の切欠き部42に後方X2から嵌め込まれる。従って、
図8に示すように、底板部の幅広切欠き部分42aと第1板部58の下端部分とによって、ケース34の底板部39の幅方向Yの中央部分には、第3開口39b(ケース貫通孔)が区画される。
【0052】
シャッタ48を支持する下側連通路区画部材45と、モジュール側制御基板33を支持する上側連通路区画部材46とが後方X2からケース34に挿入されると、
図4に示すように、モジュール側制御基板33はケース34に収容され、非接触通信基板31は、ケース34内において、下側連通路区画部材45および上側連通路区画部材46の前方X1に位置する。また、ケース34の内部には、開口部8から、非接触通信基板31の基板貫通孔77を経由して後方X2に延びる連通路35が区画される。さらに、
図6に示すように、ケース34の枠部37の後方X2の開口は、連通路35の後端の連通口35aを除き、下側連通路区画部材45の第1板部58および上側連通路区画部材46の第2板部71により封鎖される。
【0053】
また、
図3から判るように、下側連通路区画部材45の第1板部58の下端部分に設けられた2つの第2固定ねじ用貫通孔58aは、それぞれケース34のモジュール側固定部43に設けられた2つの第1固定ねじ用貫通孔43aと重なる。さらに、
図5に示すように、ケース34の側板部41の第2開口41aは、モジュール側制御基板33のコネクタ79と重なる。
【0054】
ここで、
図3、
図4に示すように、カード2がカードリーダ1に挿入されていない状態を前方X1から見た場合に、ケース34の開口部8と、閉位置48Aにあるシャッタ48の封鎖板部51とは重なる。また、
図4、
図11、
図12から判るように、下側連通路規定部分61は、閉位置48Aに位置するシャッタ48の封鎖板部51が接触する接触部分および当該接触部分よりも前方X1が櫛歯状となっている。言い換えれば、第1前側延設部59の下側連通路規定部分61は、櫛歯状となっている。さらに、
図8に示すように、非接触読取モジュール6を下方Z1から見た場合には、ケース34の底板部39の幅方向Yの中央部分に区画された第3開口39bは、下側連通路区画部材45の第1前側延設部59における櫛歯状の下側連通路規定部分61と重なる。同様に、ケース34の底板部3
9から突出する2つのモジュール側固定部43の前方X1に位置する各第1開口39aも、下側連通路区画部材45の第1前側延設部59における櫛歯状の下側連通路規定部分61と重なる。
【0055】
(非接触読取モジュールのカードリーダ本体への取付け)
非接触読取モジュール6をカードリーダ本体5に取り付ける際には、ケース34の側板部41の第2開口41aを介して、モジュール側制御基板33のコネクタ79に配線7を接続する。また、非接触読取モジュール6の第1連結部60の各突出部60aおよび第2連結部73の各突出部73aを、カードリーダ本体5の下側連結部12の各突出部12aの間および上側連結部13の各突出部13aの間に挿入する。そして、
図5に示すように、2本の有頭の固定ねじ81を、前方X1から、ケース34の第1固定ねじ用貫通孔43aおよび下側連通路区画部材45の第2固定ねじ用貫通孔58aを介して、カードリーダ本体5の固定部14の各ねじ穴14aにねじ込む。これにより、非接触読取モジュール6は、カードリーダ本体5の前側に取り付けらる。ここで、非接触読取モジュール6がカードリーダ本体5に取り付けられると、非接触読取モジュール6のケース34の前板部38に設けられた開口部8は、ケース34内部の連通路35を介して、カードリーダ本体5のカード挿入口11に連通する。これにより、開口部8の後方X2には、連通路35とカード搬送路18とからなるカード2の搬送経路20が構成される。搬送経路20は、開口部8から後方X2に直線状に延びる。その後、配線7の他方の端部を、カードリーダ本体5の制御基板23のコネクタ24に接続する。これにより、モジュール側制御部32と、カードリーダ本体5の通信部26とは、通信可能に接続される。
【0056】
(非接触読取モジュールの制御系)
非接触読取モジュール6の制御系は、モジュール側制御部32を中心に構成される。
図7に示すように、モジュール側制御部32は、アンテナ30を介した非接触通信によりカード2からカード情報を読み取る非接触読取制御部82と、読み取ったカード情報を暗号化するモジュール側暗号化制御部83をと、を備える。モジュール側暗号化制御部83は、カード情報を暗号化した暗号化情報を、配線7を介して、カードリーダ本体5の通信部26に入力する。ここで、通信部26は、モジュール側制御部32から暗号化情報が入力されると、通信回線などを介して、暗号化情報を上位機器3に送信する。
【0057】
なお、カード2に対する書込情報が上位機器3から通信部26を介して本体側制御部25に入力されると、モジュール側制御部32の非接触読取制御部82は、カード2との間でアンテナ30を介した非接触通信を行い、ICチップ2bに書込情報を書き込む。
【0058】
(カードリーダの動作)
図15は、開口部8に挿入されたカード2がシャッタ48のカード当接部54に当接した状態の説明図である。
図16は、シャッタ48が開位置48Bに配置された状態のカードリーダ1の部分断面図である。
【0059】
利用者が、カード2を、非接触読取モジュール6の前板部38にかざした場合、或いは、カード2を非接触読取モジュール6の前板部38にタッチした場合には、非接触読取モジュール6のモジュール側制御部32は、アンテナ30を介した非接触通信によりカード2からカード情報を取得する。また、モジュール側制御部32は、取得したカード情報を暗号化した暗号化情報を生成し、カードリーダ本体5の通信部26に入力する。通信部26は、モジュール側制御部32からの暗号化情報を、上位機器3に送信する。
【0060】
利用者がカード2を非接触読取モジュール6の開口部8に挿入した場合には、カード2の先端がカードリーダ本体5のカード挿入口11に到達したときに、カード挿入センサ19がカード2の挿入を検出する。これにより、カードリーダ本体5の本体側制御部25は
、モータ22を駆動してカード2をカード搬送路18沿って後方X2に搬送する。また、本体側制御部25は、磁気ヘッド16および接点ブロックの少なくとも一方を駆動して、磁気ストライプ2aまたはICチップ2bからカード情報を読み取る。さらに、本体側制御部25は、読み取ったカード情報を暗号化した暗号化情報を生成し、通信部26に入力する。通信部26は、本体側制御部25からの暗号化情報を、上位機器3に送信する。
【0061】
ここで、カード2が開口部8に挿入される前の状態では、
図4、
図11などに示すように、シャッタ48は、閉位置48Aに位置する。閉位置48Aでは、シャッタ48の封鎖板部51は下側連通路区画部材45の下側連通路規定部分61に接触する。シャッタ48の上側板部52は、上側連通路区画部材46のシャッタ収容凹部76に収容されている。
【0062】
カード2が非接触読取モジュール6の開口部8から挿入されると、
図14に示すように、カード2の挿入方向の前端の幅方向Yの両端部分が閉位置48Aにあるシャッタ48の腕部55の下方Z1を通過してカード当接部54に下方Z1から接触する。その後、さらにカード2が挿入されると、カード2の幅方向Yの両端部分は、カード当接部54を介してシャッタ48を上方Z2に押し上げる。これにより、シャッタ48は、回転軸56の軸線L0回りを上方Z2に回転して
図16に示す開位置48Bに移動する。シャッタ48が開位置48Bに移動したときに、シャッタ48の封鎖板部51は、カード2よりも上側に位置する。従って、利用者は、カード2を、カード2本体のカード挿入口11に到達させることができる。開位置48Bでは、シャッタ48の封鎖板部51および上側板部52は、上側連通路区画部材46のシャッタ収容凹部76に収容される。
【0063】
ここで、カードリーダ本体5のカード搬送機構21がカード2をカード搬送路18に引き込んで、カード2がシャッタ48のカード当接部54よりも後方X2に移動すると、コイルバネ50の付勢力により、シャッタ48は閉位置48Aに戻る。その後、カード搬送機構21によってカード2がカードリーダ本体5のカード挿入口11から前方X1に排出される際には、カード2の排出方向の先端の幅方向Yの両端部分が閉位置48Aにあるシャッタ48のカード当接部54に後方X2の下方Z1から接触する。その後、さらにカード2が前方X1に搬送されると、カード2の幅方向Yの両端部分は、カード当接部54を介してシャッタ48を上方Z2に押し上げる。これにより、シャッタ48は、回転軸56回りを上方Z2に回転して開位置48Bに移動する。従って、カード2は、排出方向の先端部分を、非接触読取モジュール6の開口部8から前方X1に突出させることができる。
【0064】
(作用効果)
本例のカードリーダ1は、カード挿入口11を備えるカードリーダ本体5と、カードリーダ本体5に取り付けられてカード挿入口11を覆う非接触読取モジュール6と、を有する。カードリーダ本体5は、カード挿入口11に挿入されたカード2に接触する接触型読取部と、接触型読取部によりカード2のカード情報を読み取って暗号化する本体側制御部25と、を備える。非接触読取モジュール6は、非接触通信用のアンテナ30を備える非接触通信基板31と、アンテナ30を介した非接触通信によりカード2からカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御部32を備えるモジュール側制御基板33と、カード2を挿入可能な開口部8を備え非接触通信基板31およびモジュール側制御部32を収容するケース34と、ケース34内に開口部8とカード挿入口11とを連通させる連通路35と、連通路35を開閉するシャッタ機構36と、を備える。また、シャッタ機構36は、シャッタ48と、連通路35を閉じる閉位置48Aと連通路35を開く開位置48Bとの間でシャッタ48を移動可能に支持するシャッタ支持機構49と、シャッタ48を開位置48Bの側から閉位置48Aに付勢するコイルバネ50と、を備える。シャッタ48は、閉位置48Aに位置する状態を前後方向Xから見た場合に開口部8と重なる封鎖板部51と、幅方向Yにおける封鎖板部51の両側に設けられたカード当接部54と、を備える。カード2が開口部8から連通路35に挿入されると、カード2がカード当接部54
に当接して閉位置48Aにあるシャッタ48をコイルバネ50の付勢力に抗して押し上げて開位置48Bに移動させる。接触型読取部は、カード2のICチップ2bに接触する接点ブロックである。また、接触型読取部は、カード2の磁気ストライプ2aに接触する磁気ヘッド16である。
【0065】
本例によれば、アンテナ30を備える非接触通信基板31と、アンテナ30を介した非接触通信によりカード2からカード情報を読み取って暗号化するモジュール側制御部32とをケース34に収容した非接触読取モジュール6を有する。従って、接触型読取部と、接触型読取部によりカード2のカード情報を読み取って暗号化する本体側制御部25とを備えるカードリーダ本体5に非接触読取モジュール6を取り付けることにより、非接触通信によりカード情報を読み取る機能を追加することができる。
【0066】
また、非接触読取モジュール6はカードリーダ本体5に取り付けられてカード挿入口11を覆うが、非接触読取モジュール6のケース34はカード2を挿入可能な開口部8を備えており、ケース34内には開口部8とカード挿入口11とを連通させる連通路35を備える。従って、非接触読取モジュール6をカード挿入口11を覆う状態でカードリーダ本体5に取りけた場合でも、カードリーダ本体5のカード挿入口11にカード2を挿入することができる。また、非接触読取モジュール6はカードリーダ本体5において、カード挿入口11の前側に取り付けられることになるので、カード2を非接触読取モジュール6にかざしてカードリーダ1にカード情報を読み取らせることが容易である。
【0067】
さらに、本例は、非接触読取モジュール6は、非接触読取モジュール6とカードリーダ本体5のカード挿入口11とを連通させる連通路35にシャッタ機構36を備える。シャッタ機構36は、封鎖板部51を備えるシャッタ48を有し、シャッタ48が閉位置48Aに位置する状態を前後方向Xから見た場合に封鎖板部51は開口部8と重なる。従って、非接触読取モジュール6の開口部8を介して水が非接触読取モジュール6の内部に侵入することを防止或いは抑制できる。また、非接触読取モジュール6の開口部8および連通路35を介して水がカードリーダ本体5の内部に侵入することを防止或いは抑制できる。
【0068】
本例において、シャッタ48は、封鎖板部51から上方Z2に延びる上側板部52を備える。上側板部52は、封鎖板部51から上方Z2に延設された延設板部分52aと、延設板部分52aの上端縁から前方X1に突出する突出板部分52bと、を備える。従って、開口部8から侵入した水が、シャッタ48の上方Z2から、カードリーダ1の内部に侵入することを抑制できる。
【0069】
本例において、非接触読取モジュール6は、連通路35を下方Z1から規定する下側連通路規定部分61を有する下側連通路区画部材45を備える。下側連通路区画部材45は、シャッタ支持機構49を兼ねている。シャッタ48が閉位置48Aにあるときに、封鎖板部51分の下端は下側連通路規定部分61に接触し、下側連通路規定部分61は、封鎖板部51の下端が当接する当接部分および当該当接部分よりも前方X1が櫛歯状である。ケース34において、上下方向Zから見た場合に下側連通路規定部分61の櫛歯状の部位の下方Z1に位置する底板部39(ケース部分)には、上下方向Zに貫通する第1開口39a、第3開口39bが設けられている。従って、開口部8から連通路35に侵入して封鎖板部51に付着した水は、封鎖板部51から下側連通路区画部材45の下側連通路規定部分61における櫛歯状の部分を伝わり、ケース34貫通孔からケース34の外側に排出される。
【0070】
本例において、非接触読取モジュール6は、下側連通路規定部分61の上方Z2で当該下側連通路規定部分61と対向する上側連通路規定部分74を備える上側連通路区画部材46を備える。上側連通路規定部分74は、その下面に、閉位置48Aに配置されたシャ
ッタ48の上側板部52を収容するとともに開位置48Bに配置されたシャッタ48の封鎖板部51および上側板部52を収容するシャッタ収容凹部76を備える。モジュール側制御基板33は、上側連通路区画部材46に支持されて、上側連通路規定部分74のシャッタ48とは反対側に位置する。従って、開口部8から搬送路に侵入した水が、モジュール側制御基板33に付着することを防止或いは抑制しやすい。
【0071】
本例において、非接触通信基板31は、その厚み方向を前後方向Xに向けて下側連通路区画部材45および下側連通路区画部材45よりも前方X1に配置され、前後方向Xから見た場合に開口部8と重なる基板貫通孔77を備える。連通路35は、基板貫通孔77を経由して延びている。アンテナ30は、基板貫通孔77を囲む。従って、シャッタ48の封鎖板部51に付着した水が、連通路35区画部材を介して非接触通信基板31に伝わることを防止或いは抑制できる。また、このようにすれば、アンテナ30を比較的広い範囲に敷設できる。
【0072】
なお、非接触読取モジュール6は、スマートフォンや無線機能付きのICタグ(RFIDタグ:Radio Frequency Identifier Tag)などから、無線通信により決済情報などを読み取るものとしてもよい。
【0073】
(その他の実施の形態)
ここで、カードリーダ1が、非接触読取モジュール6を有さず、カードリーダ本体5のみがカードリーダとして使用される場合には、カードリーダ本体5にシャッタ機構36を備えればよい。
【0074】
この場合には、カードリーダ本体5のカード挿入口11は、カード2を挿入可能な開口部となる。また、カード2の搬送経路20は、カード搬送路18のみから構成される。シャッタ機構36は、カード挿入口11と、磁気ヘッド16による第1情報読取位置R1およびIC接点ブロック17による第2情報読取位置R2との間において、カード搬送路18を開閉する。
【0075】
すなわち、シャッタ機構36は、カード挿入口11(開口部)と第1情報読取位置R1および第2情報読取位置R2との間に配置されたシャッタ48と、搬送経路20を閉じる閉位置と搬送経路20を開く開位置との間でシャッタ48を移動可能に支持するシャッタ支持機構49と、シャッタ48を閉位置に付勢するコイルバネ50(付勢部材)と、を備える。シャッタ48は、閉位置に位置する状態を前後方向Xから見た場合にカード挿入口11(開口部)と重なる封鎖板部51と、封鎖板部51から上方Z2に延びる上側板部52と、幅方向Yにおける封鎖板部51の両側に設けられたカード当接部54と、を備える。上側板部52は、封鎖板部51から上方に延設された延設板部分52aと、延設板部分52aの上端縁から前方に突出する突出板部分52bと、を備える。カード2がカード挿入口11(開口部)からカード搬送路18(搬送経路)に挿入されると、カード2がカード当接部54に当接して閉位置にあるシャッタ48をコイルバネ50の付勢力に抗して押し上げて開位置に移動させる。
【0076】
本例においても、カードリーダは、カード2を挿入可能なカード挿入口11(開口部)の後側に、カード搬送路18(搬送経路)を開閉するシャッタ36機構を備える。シャッタ機構36は、封鎖板部51と、封鎖板部51から上方に延びる上側板部52を備える。ここで、封鎖板部51は、シャッタ48が閉位置に位置する状態を前後方向Xから見た場合にカード挿入口11(開口部)と重なる。従って、水が、カード挿入口11からカード搬送路18(搬送経路)に侵入して、磁気ヘッド(接触型読取部)やIC接点ブロック(接触型読取部)に付着することを防止或いは抑制できる。また、上側板部52は、封鎖板部51から上方に延設された延設板部分52aと、延設板部分52aの上端縁から前方に
突出する突出板部分52bと、を備える。従って、水が、カード挿入口11からシャッタ48の上方を介してカード搬送路18(搬送経路)に侵入して、磁気ヘッド(接触型読取部)やIC接点ブロック(接触型読取部)に付着することを防止或いは抑制できる。
【符号の説明】
【0077】
1…カードリーダ、2…カード、2a…磁気ストライプ、2b…ICチップ、2c…外部接続端子、3…上位機器(外部の機器)、5…カードリーダ本体、6…非接触読取モジュール、7…配線、8…開口部、11…カード挿入口、12…下側連結部、12a…突出部、12a…複数の突出部、13…上側連結部、13a…突出部、14…固定部、14a…ねじ穴、16…磁気ヘッド(接触型読取部)、17…IC接点ブロック(接触型読取部)、18…カード搬送路、19…カード挿入センサ、21…カード搬送機構、22…モータ、23…制御基板、24…コネクタ、25…本体側制御部、26…通信部、27…情報読取制御部、28…暗号化制御部、30…アンテナ、31…非接触通信基板、32…モジュール側制御部、33…モジュール側制御基板、34…ケース、35…連通路、36…シャッタ機構、37…枠部、38…前板部、39…底板部、39a…第1開口、39b…第3開口、40…天井板部、41…側板部、41a…第2開口、42…切欠き部、42a…幅広切欠き部分、43…モジュール側固定部、43a…第1固定ねじ用貫通孔、45…下側連通路区画部材、46…上側連通路区画部材、48…シャッタ、48A…閉位置、48B…開位置、49…シャッタ支持機構、50…コイルバネ、51…封鎖板部、52…上側板部、52a…延設板部分、52b…突出板部分、53…フレーム部、54…カード当接部、55…腕部、56…回転軸、58…第1板部、58a…第2固定ねじ用貫通孔、59…第1前側延設部、60…第1連結部、60a…突出部、61…下側連通路規定部分、62…支持部分、63…スリット、64…凹部、65…回転軸支持用凹部、71…第2板部、72…第2前側延設部、73…第2連結部、73a…突出部、74…上側連通路規定部分、75…載置部分、75a…封鎖部、76…シャッタ収容凹部、77…基板貫通孔、79…コネクタ、80…フレキシブルプリント基板、81…固定ねじ、82…非接触読取制御部、83…モジュール側暗号化制御部、R1…第1情報読取位置、R2…第2情報読取位置、X…前後方向、Y…幅方向、Z…上下方向