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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060794
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】姿勢修正装置および結束ユニット
(51)【国際特許分類】
   B65B 27/12 20060101AFI20240425BHJP
   D06F 95/00 20060101ALI20240425BHJP
   B65G 47/29 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
B65B27/12 A
D06F95/00
B65G47/29 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168303
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】502407130
【氏名又は名称】株式会社プレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 眞徳
(72)【発明者】
【氏名】内海 武彦
(72)【発明者】
【氏名】大原 博
【テーマコード(参考)】
3E052
3F081
【Fターム(参考)】
3E052AA17
3E052BA01
3E052BA16
3E052CA01
3E052CB03
3E052CB05
3E052CB07
3E052DA05
3E052DA07
3E052DB04
3E052EA01
3E052FA18
3E052LA01
3E052LA14
3F081AA29
3F081BC05
3F081CC08
3F081CE14
3F081DA02
3F081DA10
3F081EA09
3F081EA10
(57)【要約】
【課題】処理効率が高い姿勢修正装置を提供する。
【解決手段】姿勢修正装置1は、布類積層物Cを搬送するコンベア31と、コンベア31の搬送方向に沿った基準線Rを挟んで両側に配置された第1押板40Aおよび第2押板40Bと、第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方を基準線Rに対して接近、離隔させる駆動部50とを有する。第1押板40Aと第2押板40Bとで布類積層物Cを挟むことで、布類積層物Cの姿勢を修正する。第1押板40A、第2押板40Bそれぞれの移動距離が短く、1つの布類積層物Cの姿勢を修正するのに要する時間が短いため、処理効率が高い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布類積層物を搬送するコンベアと、
前記コンベアの搬送方向に沿った基準線を挟んで両側に配置された第1押板および第2押板と、
前記第1押板および前記第2押板の両方を前記基準線に対して接近、離隔させる駆動部と、を備え、
前記第1押板と前記第2押板とで前記布類積層物を挟むことで、前記布類積層物の姿勢を修正する
ことを特徴とする姿勢修正装置。
【請求項2】
前記布類積層物の搬送方向中央が前記第1押板および前記第2押板の搬送方向中央に達したときに、前記第1押板および前記第2押板が接近動作を開始する
ことを特徴とする請求項1記載の姿勢修正装置。
【請求項3】
前記第1押板の搬送方向中央に設けられた第1側面検知センサと、
前記第2押板の搬送方向中央に設けられた第2側面検知センサと、を備え、
前記第1側面検知センサおよび前記第2側面検知センサの両方が前記布類積層物の側面を検知したとき、または検知から所定時間経過後もしくは所定距離接近動作後に、前記第1押板および前記第2押板が離隔動作を開始する
ことを特徴とする請求項2記載の姿勢修正装置。
【請求項4】
前記第1押板および前記第2押板は、前記第1側面検知センサおよび前記第2側面検知センサの両方が前記布類積層物の側面を検知するまでは高速で接近動作し、前記第1側面検知センサおよび前記第2側面検知センサの両方が前記布類積層物の側面を検知した後は低速で接近動作する
ことを特徴とする請求項3記載の姿勢修正装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載された姿勢修正装置と、
前記姿勢修正装置の下流に接続され、前記布類積層物を結束する結束機と、を備える
ことを特徴とする結束ユニット。
【請求項6】
前記結束機は、
結束位置の上流に設けられ、前記布類積層物を上から押さえる第1押圧板と、
前記結束位置の下流に設けられ、前記布類積層物を上から押さえる第2押圧板と、を備える
ことを特徴とする請求項5記載の結束ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、姿勢修正装置および結束ユニットに関する。さらに詳しくは、本発明は、折り畳んだ布類を複数枚積み重ねた布類積層物の姿勢を修正する姿勢修正装置、および、布類積層物を結束する結束ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル、病院などでは大量にシーツ、タオルなどの布類が使用される。使用済みの布類はランドリー工場で洗濯され、再度ホテル、病院などで使用される。ランドリー工場には複数の布類処理装置が接続したリネン設備が設置されている。リネン設備は、例えば、布類展開装置、ロールアイロナー、および布類折畳装置を有する。洗濯済みの布類は、布類展開装置で展開され、ロールアイロナーでアイロン掛けされ、布類折畳装置で折り畳まれる。
【0003】
布類折畳装置は折り畳んだ布類を所定枚数積み重ねてから排出する。布類を積み重ねた布類積層物は集合コンベアで搬送された後、結束機で結束される。ここで、集合コンベアに載せられた布類積層物は、搬送方向に対して斜めであったり、左右に位置がずれたりした姿勢となることがある。そのため、結束機で布類積層物を結束する前に、布類積層物の姿勢を搬送方向に沿うように修正する必要がある。特許文献1には布類積層物の姿勢を修正する装置として布類群整列装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-82128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の布類群整列装置は、コンベアを挟んで一方に押圧板を配置し、他方に受け板を固定した構成である。押圧板を受け板に向かって動作させ、押圧板と受け板とで布類積層物を挟むことにより、その姿勢を修正する。このように、布類群整列装置は、布類積層物をコンベアの片側に寄せることから、押圧板の移動距離が長く、1つの布類積層物の姿勢を修正するのに長い時間がかかり、処理効率に劣る。
【0006】
また、特許文献1の布類群整列装置は、受け板に設けられた第2センサが布類積層物の押圧力を検知すると、布類積層物を押圧していた押圧板が元の位置に戻る構成である。第2センサが受け板の上流側端部に設けられていることから、布類積層物が搬送方向に対して斜めになっていると、布類積層物の角部のみが先に第2センサに接触することがある。そうすると、布類積層物の姿勢が搬送方向に沿うように修正される前に、押圧板が元の位置に戻り、姿勢の修正が不十分になる恐れがある。また、斜めになっていた布類積層物の姿勢が修正される過程で布類積層物が第2センサから外れ、第2センサが布類積層物を検知しなくなることがある。そうすると、布類積層物が押圧板と受け板との間に挟まれていても押圧板が元の位置に戻らず、布類積層物が必要以上に強く挟まれて荷崩れする恐れがある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、処理効率が高い姿勢修正装置および結束ユニットを提供することを目的とする。
または、本発明は、布類積層物の姿勢を確実に修正できる姿勢修正装置および結束ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1態様の姿勢修正装置は、布類積層物を搬送するコンベアと、前記コンベアの搬送方向に沿った基準線を挟んで両側に配置された第1押板および第2押板と、前記第1押板および前記第2押板の両方を前記基準線に対して接近、離隔させる駆動部と、を備え、前記第1押板と前記第2押板とで前記布類積層物を挟むことで、前記布類積層物の姿勢を修正することを特徴とする。
第2態様の姿勢修正装置は、第1態様において、前記布類積層物の搬送方向中央が前記第1押板および前記第2押板の搬送方向中央に達したときに、前記第1押板および前記第2押板が接近動作を開始することを特徴とする。
第3態様の姿勢修正装置は、第2態様において、前記第1押板の搬送方向中央に設けられた第1側面検知センサと、前記第2押板の搬送方向中央に設けられた第2側面検知センサと、を備え、前記第1側面検知センサおよび前記第2側面検知センサの両方が前記布類積層物の側面を検知したとき、または検知から所定時間経過後もしくは所定距離接近動作後に、前記第1押板および前記第2押板が離隔動作を開始することを特徴とする。
第4態様の姿勢修正装置は、第3態様において、前記第1押板および前記第2押板は、前記第1側面検知センサおよび前記第2側面検知センサの両方が前記布類積層物の側面を検知するまでは高速で接近動作し、前記第1側面検知センサおよび前記第2側面検知センサの両方が前記布類積層物の側面を検知した後は低速で接近動作することを特徴とする。
第5態様の結束ユニットは、第1~第4態様のいずれかの姿勢修正装置と、前記姿勢修正装置の下流に接続され、前記布類積層物を結束する結束機と、を備えることを特徴とする。
第6態様の結束ユニットは、第5態様において、前記結束機は、結束位置の上流に設けられ、前記布類積層物を上から押さえる第1押圧板と、前記結束位置の下流に設けられ、前記布類積層物を上から押さえる第2押圧板と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1態様によれば、第1押板および第2押板の両方が動作して布類積層物を挟むので、第1押板、第2押板それぞれの移動距離が短く、1つの布類積層物の姿勢を修正するのに要する時間が短い。そのため、処理効率が高い。
第2態様によれば、第1押板および第2押板の中央で布類積層物の中央を挟むので、布類積層物の姿勢を確実に修正できる。
第3態様によれば、第1側面検知センサおよび第2側面検知センサのそれぞれが第1押板および第2押板の中央に設けられているので、布類積層物が斜めになっていても誤検知を低減でき、布類積層物の姿勢を確実に修正できる。
第4態様によれば、第1押板および第2押板の接近動作の前半が高速であるので、1つの布類積層物の姿勢を修正するのに要する時間をさらに短くでき、処理効率をより高くできる。
第5態様によれば、布類積層物の姿勢を修正した後に結束するので、結束ミスを防止できる。
第6態様によれば、結束位置の上流および下流の両方において布類積層物を上から押さえた状態で結束するので、結束後の布類積層物の形状を綺麗にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係るリネン設備の平面図である。
図2】布類積層物の斜視図である。
図3】一実施形態に係る結束ユニットの側面図である。
図4】一実施形態に係る結束ユニットの平面図である。
図5】一実施形態に係る姿勢修正装置の正面図である。
図6】一実施形態に係る結束機の正面図である。
図7】一実施形態に係る姿勢修正装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔リネン設備〕
まず、一実施形態に係るリネン設備Xを説明する。
図1に示すように、リネン設備Xは、布類搬送装置11、布類展開装置12、ロールアイロナー13、布類検査装置14、および布類折畳装置15を有する。これらの装置はこの順に直列に接続され、1本の仕上ラインを構成している。
【0012】
洗濯済みの布類は布類搬送装置11により搬送されて布類展開装置12に投入される。布類展開装置12に投入された布類は整姿状態に展開され、ロールアイロナー13でアイロン掛けされる。アイロン掛け済みの布類は布類検査装置14で検査された後、布類折畳装置15で折り畳まれる。
【0013】
布類搬送装置11は布類を供給部から排出部まで搬送する装置である。布類搬送装置11は、供給部および排出部を経由して循環する搬送レールと、搬送レールを走行する複数の走行体とを有する。供給部に配置された作業員が洗濯済みの布類を走行体に取り付けると、布類を保持した走行体は搬送レールを排出部に向かって走行する。排出部に到着した走行体は保持していた布類を布類展開装置12に受け渡す。布類を受け渡した後の空の走行体は、搬送レールを走行して供給部に戻る。
【0014】
布類展開装置12は布類を整姿状態に展開する装置である。布類展開装置12は、布類を把持するチャック、布類を搬送するコンベアなどを有する。方形状の布類の一辺の両角部を一対のチャックで把持して、布類を左右に広げて吊り下げることで、たるみの無い整姿状態に展開する。展開された布類はロールアイロナー13に送り込まれる。
【0015】
ロールアイロナー13は布類をアイロン掛けする装置である。ロールアイロナー13は加熱ロールを有する。布類を加熱ロールに接触させながら搬送することで、連続的に布類をアイロン掛けできる。アイロン掛け済みの布類は布類検査装置14に送り込まれる。
【0016】
布類検査装置14は布類の品質を検査する装置である。布類検査装置14は、布類を搬送するコンベアと、コンベアで搬送される布類を撮影するカメラと、カメラで撮影された画像を解析する画像解析装置とを有する。布類検査装置14は、布類を撮影した画像を解析して、汚れ、破れなどの欠陥の有無を判断する。検査済みの布類は布類折畳装置15に送り込まれる。
【0017】
布類折畳装置15は布類を折り畳む装置である。布類折畳装置15は、布類を搬送する複数のコンベアと、コンベアで搬送されている布類を所定の折位置で折り畳む複数の折装置とを有する。折装置は、折板と、折板を駆動させるアクチュエータとからなる。折板で布類の折位置を2つコンベアの接続部に向かって突き込み、布類を接続部に進入させることで、布類を2つ折りする。このような折動作を複数回繰り返すことで、布類を所定の形状に折り畳む。
【0018】
また、布類折畳装置15は折り畳んだ布類を所定枚数積み重ねてから排出する。以下、折り畳んだ布類を複数枚積み重ねた物を「布類積層物」と称する。布類折畳装置15は折り畳んだ布類を積み重ねて布類積層物Cを形成し、排出する。図1に示す例では、布類折畳装置15は布類積層物Cを排出する排出コンベアを4つ有する。
【0019】
布類折畳装置15の後部には集合コンベア21が設けられてる。布類折畳装置15から排出された布類積層物Cは集合コンベア21に載せられ、搬送される。
【0020】
仕上ラインは、布類搬送装置11、布類展開装置12、ロールアイロナー13、布類検査装置14、および布類折畳装置15の組み合わせに限定されない。必要に応じて他の装置を追加してもよいし、一部の装置を省略してもよい。また、仕上げラインの数は1本でもよいし、複数本でもよい。複数本の仕上ラインの後部を共通の集合コンベア21に接続してもよい。
【0021】
集合コンベア21の下流端には姿勢修正装置1が接続されている。集合コンベア21に載せられた布類積層物Cは、搬送方向に対して斜めであったり、左右に位置がずれたりした姿勢となることがある。姿勢修正装置1は布類積層物Cの姿勢を搬送方向に沿うように修正する装置である。姿勢修正装置1については後に詳説する。
【0022】
姿勢修正装置1の下流端には結束機2が接続されている。結束機2は布類積層物Cを結束する装置である。結束機2については後に詳説する。姿勢修正装置1および結束機2は結束ユニットAAを構成する。
【0023】
結束機2の下流端には回収コンベア22が接続されている。結束後の布類積層物Cは回収コンベア22で搬送され、作業員により回収される。
【0024】
リネン設備Xで処理される布類として、シーツ、包布、デュベカバー、枕カバー、タオル、テーブルクロスなどの方形状布類が挙げられる。布類は布類折畳装置15により平面視長方形に折り畳まれる。布類の折り方は特に限定されない。図2に示すように、布類積層物Cは同一種類の布類を同一の折り方で折り畳んで複数枚積層した物であり、その形状は概略直方体である。したがって、布類積層物Cは互いに平行な一対の側面C1、C1を有する。また、布類は種類によって寸法が異なるから、布類積層物Cの幅および長さも布類の種類によって異なる。布類の積層枚数は特に限定されず、10枚、15枚、20枚など、所望の枚数に設定される。
【0025】
〔結束ユニット〕
つぎに、本発明の一実施形態に係る結束ユニットAAを説明する。
図3および図4に示すように、結束ユニットAAは、姿勢修正装置1および結束機2を有する。結束機2は姿勢修正装置1の下流に接続されている。
【0026】
前述のごとく、集合コンベア21に載せられた布類積層物Cは、搬送方向に対して斜めであったり、左右に位置がずれたりした姿勢となることがある。姿勢修正装置1は布類積層物Cの姿勢を搬送方向に沿うように修正する装置である。結束機2は布類積層物Cを結束する装置である。
【0027】
〔姿勢修正装置〕
つぎに、姿勢修正装置1の構成を説明する。
図3図4および図5に示すように、姿勢修正装置1は、布類積層物Cを搬送する第1コンベア31を有する。第1コンベア31は略水平に設けられている。第1コンベア31の上流端は集合コンベア21の下流端に接続される。したがって、集合コンベア21により搬送された布類積層物Cは第1コンベア31に受け渡される。なお、第1コンベア31は特許請求の範囲に記載の「コンベア」に相当する。
【0028】
姿勢修正装置1は、第1押板40Aおよび第2押板40Bを有する。第1押板40Aおよび第2押板40Bは、それぞれ、略矩形の板状の部材であり、第1コンベア31の搬送方向に沿って略鉛直に設けられている。したがって、第1押板40Aおよび第2押板40Bは互いに平行である。第1押板40Aおよび第2押板40Bの下縁は第1コンベア31の搬送面から若干離れている。第1押板40Aおよび第2押板40Bの下縁にブラシ41を取り付け、ブラシ41の毛の先端が第1コンベア31の搬送面に接するよう構成することが好ましい。
【0029】
第1押板40Aおよび第2押板40Bは、第1コンベア31の搬送方向に沿った基準線Rを挟んで左右両側に配置されている。基準線Rは、通常、第1コンベア31の左右中心線とすればよいが、左右中心線から多少左右にずれていてもよい。
【0030】
姿勢修正装置1は、第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方を基準線Rに対して接近、離隔させる駆動部50を有する。第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方を基準線Rに接近させると、両部材は平行な状態を維持したまま互いに接近する。第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方を基準線Rから離隔させると、両部材は平行な状態を維持したまま互いに離隔する。
【0031】
駆動部50は、特に限定されないが、つぎの構成を採用できる。すなわち、駆動部50はモータ51を有する。モータ51の回転軸は直接または減速機などを介してシャフト52に連結されている。シャフト52は姿勢修正装置1の一方の側部に配置されている。シャフト52には2つの駆動プーリ53が固定されている。姿勢修正装置1の他方の側部には、駆動プーリ53に対応する位置に従動プーリ54が設けられている。対となる駆動プーリ53および従動プーリ54の間には無端ベルト55が掛け回されている。無端ベルト55は基準線Rに対して垂直に配置されている。第1押板40Aは無端ベルト55の上段に連結されており、第2押板40Bは無端ベルト55の下段に連結されている。モータ51を正転させると第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方が基準線Rに接近する。モータ51を反転させると第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方が基準線Rから離隔する。
【0032】
第1コンベア31の上流端には第1進入検知センサ61が設けられている。第1進入検知センサ61は第1コンベア31への布類積層物Cの進入を検知するセンサである。第1進入検知センサ61として光電センサ、超音波センサなどの非接触式センサが好適に用いられる。例えば、第1コンベア31の左右に光電センサの投光器および受光器を配置すればよい。光電センサの仕様によっては、第1コンベア31の一方の側部に投光部および受光部を有するセンサを配置し、他方の側部に反射板を配置してもよい。拡散反射形の光電センサを用いる場合には、第1コンベア31の一方の側部に光電センサを配置すればよい。
【0033】
第1押板40Aには第1側面検知センサ62Aが設けられている。第1側面検知センサ62Aは、第1コンベア31の搬送方向を基準として、第1押板40Aの中央(図3における左右中央)に設けられる。また、第1側面検知センサ62Aは第1押板40Aの下縁近傍に設けられることが好ましい。
【0034】
同様に、第2押板40Bには第2側面検知センサ62Bが設けられている。第2側面検知センサ62Bは、第1コンベア31の搬送方向を基準として、第2押板40Bの中央(図3における左右中央)に設けられる。また、第2側面検知センサ62Bは第2押板40Bの下縁近傍に設けられることが好ましい。
【0035】
第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bは布類積層物Cの側面C1を検知するセンサである。より詳細には、第1側面検知センサ62Aは布類積層物Cの一方の側面C1の全体が第1押板40Aに接触したことを検知する。第2側面検知センサ62Bは布類積層物Cの他方の側面C1の全体が第2押板40Bに接触したことを検知する。
【0036】
第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bとして、光電センサ、超音波センサなどの非接触式センサのほか、リミットスイッチなどの接触式センサを用いることができる。光電センサを選択する場合には、拡散反射形の光電センサを用い、検出物体までの設定距離を布類積層物Cの側面C1の全体が押板40A、40Bに接触したときに検知する距離に設定すればよい。
【0037】
姿勢修正装置1は、図示しない制御部を有する。制御部として、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータを用いることができる。制御部は、各種のセンサ61、62A、62Bの検知結果に基づき、第1コンベア31、第1押板40Aおよび第2押板40Bの動作を制御する。
【0038】
つぎに、図7に基づき、姿勢修正装置1の動作を説明する。
なお、図7中の(1)~(4)は、以下の説明における(1)~(4)に対応する。
【0039】
(1)集合コンベア21により搬送されてきた布類積層物Cが姿勢修正装置1に進入すると、第1進入検知センサ61が布類積層物Cの存在を検知する。布類積層物Cは姿勢修正装置1の第1コンベア31により引き続き搬送される。
【0040】
第1進入検知センサ61は布類積層物Cが検知軸を通り過ぎるまで布類積層物Cを検知し続ける。第1進入検知センサ61が布類積層物Cを検知している時間の長さと、第1コンベア31の搬送速度とから、布類積層物Cの測長が行われる。測長結果から布類積層物Cの搬送方向中央(図7における左右中央)の位置を特定できる。
【0041】
(2)布類積層物Cの搬送方向中央が第1押板40Aおよび第2押板40Bの搬送方向中央に達したときに、第1コンベア31が搬送を停止する。したがって、搬送方向を基準として布類積層物Cは第1押板40Aおよび第2押板40Bの中央に配置される。また、同じタイミングで、第1押板40Aおよび第2押板40Bが接近動作を開始する。
【0042】
(3)布類積層物Cは、第1押板40Aと第2押板40Bとで左右から挟まれて、その姿勢が修正される。すなわち、布類積層物Cは搬送方向に対して斜めになった状態から搬送方向に沿った状態に修正される。また、布類積層物Cは左右に位置がずれた状態から、布類積層物Cの左右中心線が基準線Rに一致するように位置決めされる。
【0043】
第1押板40Aおよび第2押板40Bの両方が動作して布類積層物Cを挟む。そのため、一方の押板を動作させて布類積層物Cを第1コンベア31の片側に寄せる場合に比べて、第1押板40Aおよび第2押板40Bそれぞれの移動距離が短く、1つの布類積層物Cの姿勢を修正するのに要する時間が短い。そのため、本実施形態の姿勢修正装置1は処理効率が高い。
【0044】
また、第1押板40Aおよび第2押板40Bの中央で布類積層物Cの中央を挟むので、布類積層物Cの姿勢を確実に修正できる。
【0045】
第1押板40Aおよび第2押板40Bの接近動作は、第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの両方が布類積層物Cの側面C1を検知するまで継続する。または、第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの両方が布類積層物Cの側面C1を検知してから所定時間経過後もしくは所定距離接近動作後まで接近動作を継続してもよい。第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bが布類積層物Cを検知した後も接近動作を継続すれば、第1押板40Aおよび第2押板40Bで布類積層物Cをしっかりと挟むことができ、布類積層物Cの姿勢を確実に修正できる。
【0046】
第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bが布類積層物Cを検知した後も接近動作を継続する場合、接近動作の速度を検知の前後で不変としてもよいし、変更してもよい。例えば、第1押板40Aおよび第2押板40Bは、第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの両方が布類積層物Cの側面C1を検知するまでは高速で接近動作し、第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの両方が布類積層物Cの側面C1を検知した後は低速で接近動作してもよい。第1押板40Aおよび第2押板40Bの接近動作の前半が高速であるので、1つの布類積層物Cの姿勢を修正するのに要する時間をさらに短くでき、処理効率をより高くできる。
【0047】
(4)第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの両方が布類積層物Cの側面C1を検知したときに、第1押板40Aおよび第2押板40Bが離隔動作を開始する。または、第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの両方が布類積層物Cの側面C1を検知してから所定時間経過後もしくは所定距離接近動作後に、第1押板40Aおよび第2押板40Bが離隔動作を開始する。第1押板40Aおよび第2押板40Bは離隔動作により元の位置に戻る。
【0048】
第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bのそれぞれが第1押板40Aおよび第2押板40Bの中央に設けられているので、布類積層物Cが斜めになっていても角部のみが先に検知されるなどの誤検知を低減できる。すなわち、布類積層物Cが搬送方向に沿った姿勢となり側面C1の全体が第1押板40Aまたは第2押板40Bに接触しないと、第1側面検知センサ62Aまたは第2側面検知センサ62Bが布類積層物Cを検知しない。誤検知を低減でき、第1押板40Aおよび第2押板40Bの離隔動作を正しいタイミングで開始できることから、布類積層物Cの姿勢を確実に修正できる。
【0049】
第1押板40Aおよび第2押板40Bが離隔動作を開始してから所定時間経過後に、第1コンベア31が搬送を再開する。または、第1押板40Aおよび第2押板40Bが離隔動作を開始した後、第1側面検知センサ62Aおよび第2側面検知センサ62Bの一方または両方が布類積層物Cを検知しなくなったときに、第1コンベア31が搬送を再開してもよい。
【0050】
第1コンベア31の搬送により、姿勢が修正された布類積層物Cが結束機2に供給される。
【0051】
なお、上記では第1コンベア31が搬送を一時停止する形態としたが、第1コンベア31は一時停止しなくてもよい。すなわち、第1コンベア31による布類積層物Cの搬送を継続しながら、第1押板40Aおよび第2押板40Bが接近、離隔し、布類積層物Cの姿勢を修正してもよい。
【0052】
〔結束機〕
つぎに、結束機2の構成を説明する。
図3図4および図6に示すように、結束機2は、布類積層物Cを搬送する第2コンベア32を有する。第2コンベア32は略水平に設けられている。第2コンベア32の上流端は姿勢修正装置1の第1コンベア31の下流端に接続される。したがって、第1コンベア31により搬送された布類積層物Cは第2コンベア32に受け渡される。
【0053】
第2コンベア32の上流端には第2進入検知センサ63が設けられている。第2進入検知センサ63は第2コンベア32への布類積層物Cの進入を検知するセンサである。第2進入検知センサ63として光電センサ、超音波センサなどの非接触式センサが好適に用いられる。
【0054】
第2コンベア32の途中に結束位置Pが設定されている。結束機2は結束位置Pにおいて布類積層物Cを結束する結束機構を有する。結束機構として公知の機構を採用できる。結束は、PP(ポリプロピレン)バンドなどのバンドによる結束でもよいし、紐による結束でもよい。布類積層物Cにバンドまたは紐を縦に少なくとも1周掛け回すことで結束が行われる。
【0055】
結束位置Pの上流には第1押圧板70Aが設けられている。第1押圧板70Aは、横長の板状部材であり、第2コンベア32の上方において略水平に配置されている。結束機2のフレームにはシリンダ71Aのシリンダチューブが鉛直に固定されており、ロッドの先端部が第1押圧板70Aに固定されている。シリンダ71Aの伸縮により第1押圧板70Aが上下動する。
【0056】
同様に、結束位置Pの下流には第2押圧板70Bが設けられている。第2押圧板70Bは、横長の板状部材であり、第2コンベア32の上方において略水平に配置されている。結束機2のフレームにはシリンダ71Bのシリンダチューブが鉛直に固定されており、ロッドの先端部が第2押圧板70Bに固定されている。シリンダ71Bの伸縮により第2押圧板70Bが上下動する。
【0057】
結束機2は、図示しない制御部を有する。制御部として、CPU、メモリなどで構成されたコンピュータを用いることができる。制御部は、センサ63の検知結果に基づき、第2コンベア32、第1押圧板70Aおよび第2押圧板70Bの動作を制御する。
【0058】
つぎに、結束機2の動作を説明する。
姿勢修正装置1から受け渡された布類積層物Cは第2コンベア32により搬送される。第2進入検知センサ63が布類積層物Cを検知している時間の長さと、第2コンベア32の搬送速度とから、布類積層物Cの指定箇所が結束位置Pに達したことが検知される。布類積層物Cの指定箇所が結束位置Pに達すると、第2コンベア32が搬送を停止する。そして、第1押圧板70Aおよび第2押圧板70Bが下降し、布類積層物Cを上から押さえる(図6における一点鎖線)。
【0059】
布類積層物Cは柔軟性を有することから、そのまま結束すると、結束部分が絞られ、その前後が膨らみ、形状が崩れる。これに対して、本実施形態では、結束位置Pの上流および下流の両方において布類積層物Cを上から押さえた状態で結束するので、結束後の布類積層物Cの形状を綺麗にできる。
【0060】
布類積層物Cは、第1押圧板70Aおよび第2押圧板70Bにより押さえられた状態で、バンドまたは紐により結束される。姿勢修正装置1により布類積層物Cの姿勢を修正した後に結束するので、結束ミスを防止できる。
【0061】
結束後、第1押圧板70Aおよび第2押圧板70Bが上昇し、第2コンベア32の搬送が再開する。布類積層物Cが長尺である場合には、以上の動作を繰り返して、複数箇所を結束してもよい。結束後の布類積層物Cは第2コンベア32から回収コンベア22に受け渡される。
【0062】
なお、姿勢修正装置1が姿勢修正後の布類積層物Cを供給する装置は結束機2に限定されない。例えば、布類積層物Cを包装する包装機、布類積層物Cにシールを貼り付ける貼付機の前段装置として姿勢修正装置1を用いてもよい。
【符号の説明】
【0063】
X リネン設備
AA 結束ユニット
1 姿勢修正装置
2 結束機
31、32 コンベア
40A、40B 押板
50 駆動部
61、63 進入検知センサ
62A、62B 側面検知センサ
70A、70B 押圧板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7