(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060838
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352N
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168383
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】加藤 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB43
2C088BC31
2C088CA02
2C088CA08
(57)【要約】
【課題】周期的に異常検知処理を行う場合に、重複した異常検知が行われることを抑制可能とする。
【解決手段】遊技場用システム1は、対象期間における検知遊技処理の数が基準値に達することで異常検知するための異常検知処理を、対象期間が一部重複するように周期的に行う場合に、新たな検知遊技処理のないことが示された場合は、検知遊技処理の数が基準値に達していても異常検知の対象から除外する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に会員登録された会員を識別するための会員ID、及び遊技場の従業員を識別するための従業員IDの内、少なくとも何れかを受付けることで行われる遊技処理を対象とした遊技情報を管理する管理手段と、
対象期間における前記管理手段により管理される遊技情報により、所定の条件が満たされた前記遊技処理である検知遊技処理の数が基準値に達することで異常検知するための異常検知処理を、対象期間が一部重複するように周期的に行う異常検知処理手段と、
前回の異常検知と比較して新たな前記検知遊技処理の有無を判定する判定手段と、
新たな検知遊技処理のないことが前記判定手段により示された場合は、前記検知遊技処理の数が前記基準値に達していても前記異常検知の対象から除外する除外手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
前記管理手段により管理される遊技処理を対象とした遊技情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された遊技情報を遊技場内に設けられる管理装置以外の情報端末へ送信する送信手段と、を備え、
前記判定手段は、前記遊技情報に含まれる最新の前記検知遊技処理を特定するための特定情報に基づいて新たな検知遊技処理の有無を判定する請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記異常検知処理は、前記会員IDを対象とした遊技処理と、前記従業員IDを対象とした遊技処理との双方を異常検知の対象に含む請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記異常検知の対象として、会員が遊技場に預け入れた貯遊技価値、或いは会員が獲得したポイントを増加させるための遊技処理による増加分が、増加基準値に達することで前記所定条件が満たされる検知価値増加を含み、
前記除外手段は、前記検知価値増加を対象とした異常検知処理を行う場合、対象期間内に会員記録媒体が再発行された会員を前記異常検知の対象から除外する請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では日々様々な不正の被害を受けており、例えば従業員が所謂貯玉のような獲得遊技価値をPOSにおける異常操作により増加させる不正を企てる場合、一度に大量の獲得遊技価値を増加させると目立つため、複数回に分けて異常操作を行う場合がある。このような不正を考慮して例えば特許文献1の段落[0164]に示されるように、任意期間において所定回数以上の異常行為があった場合に異常検知するための異常検知処理を採用する遊技場もあり、このような異常検知処理をセキュリティの見地から例えば営業日毎といったように周期的に行う場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した公知例では例えば10日間を対象期間として5回の異常行為があった場合に異常検知する異常検知処理にて5日間連続で異常行為があった場合、5日目に異常検知されるが、更にその翌6日目にも異常行為があれば、異常行為の回数が5日目では5回である一方、6日目では6回であり、回数が異なることから再度異常検知する必要がある。一方で、7日目に異常行為がなければ、異常行為の回数が6回のままであるが5回以上なので異常検知の対象になり得るが、6日目に異常検知した際の6回と変わらないため、この場合は、重複検知を防止していた。
【0005】
しかしながら、11日目には1日目が対象期間外となるので、2日目から6日目までの5回の異常行為の回数が、最終の6日目に異常検知した際の6回とは異なるため、上記の6日目の検知を有効とすべく上記の重複検知の防止機能が作用せず、新たな異常行為がないにも関わらず新たな異常検知の対象となっていた。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、周期的に異常検知処理を行う場合に、重複した異常検知が行われることを抑制可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明は、遊技場に会員登録された会員を識別するための会員ID、及び遊技場の従業員を識別するための従業員IDの内、少なくとも何れかを受付けることで行われる遊技処理を対象とした遊技情報を管理する管理手段(例えば管理装置5)と、対象期間における前記管理手段により管理される遊技情報により、所定の条件が満たされた前記遊技処理である検知遊技処理(例えばPOS手入力操作)の数が基準値(例えば5回)に達することで異常検知するための異常検知処理を、対象期間(例えば10日間)が一部重複するように周期的(例えば各営業日の閉店後)に行う異常検知処理手段(例えばサーバ27)と、前回の異常検知と比較して新たな前記検知遊技処理の有無を判定する判定手段(例えばサーバ27)と、新たな検知遊技処理のないことが前記判定手段により示された場合は、前記検知遊技処理の数が前記基準値に達していても前記異常検知の対象から除外する除外手段(例えばサーバ27)と、を備える。
【0008】
このような構成によれば、対象期間における検知遊技処理の数が基準値に達することで異常検知するための異常検知処理を、対象期間が一部重複するように周期的に行う場合に、新たな検知遊技処理のないことが示された場合は、検知遊技処理の数が基準値に達していても異常検知の対象から除外するので、周期的に異常検知処理を行う場合に、重複した異常検知が行われることを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は中継装置3及びLAN4を介して管理装置5(管理手段に相当する)と接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から送信される遊技信号を受信することにより遊技機1毎の遊技データを管理する共に、会員登録された会員毎の個人データも管理する。
【0011】
遊技場には景品交換装置(以下、POSと称する)6及び残高精算機7も設置されており、POS6及び残高精算機7もLAN4を介して管理装置5と接続されている。POS6は、タッチパネル式のモニタを備えており、付属するカードリーダライタにより読取ったICカード8、或いはバーコードリーダにより読取ったレシートに対応する遊技価値に基づいて特定される景品交換価値に基づいて景品交換処理を行う。尚、POS6においてICカード8、或いはレシートに対応する遊技価値の大きさを取扱うときは、管理装置5により管理されるICカード8、或いはレシートに対応する遊技価値の大きさと照合し、真であると判定したことを条件として遊技価値の取扱いを有効とする。残高精算機7は、ICカード8がカード挿入口9に挿入されたときは、当該ICカード8に対応する残高(残有価価値)を返却口10から返却する。
【0012】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード11、モニタ12、図示しないプリンタ等が接続されている。管理装置5は、遊技場内に設置された遊技機1、遊技装置2等の稼動状況を管理すると共に、遊技機側からの信号に基づいて遊技者毎の遊技価値の大きさ(持玉数や貯玉数)を記憶管理する。尚、持玉とは当日貯玉であり、前日以前に預入れた玉やメダルのような前日貯玉(以下、便宜的に貯玉と称する)ではなく、当日獲得した玉やメダルを意味する。貯玉と持玉は管理が異なるため、例えば持玉を貯玉に含めて管理する一方、両者を区別すべく別途持玉を管理し、営業終了後に持玉を消去することで両者を統合(区別なき管理と)している。
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。
【0013】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面13に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル14、上部受皿15、下部受皿16を有すると共に、盤面13に、液晶表示部17、始動口18、大入賞口19を有する。
【0014】
遊技機1は以下に示すように動作する。
(1)操作ハンドル14が操作されたことにより盤面13に発射された玉が始動口18に入賞(始動入賞)することに応じて大当り抽選を行い、抽選結果に基づいて所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部17にて実行し、その結果に応じて大当りを発生させる。尚、所謂保留玉の上限は各4個ずつであり、保留中に始動入賞した場合は上限まで保留し、図柄変動終了後に順次保留した図柄変動を実行する。
【0015】
(2)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/300であり、大当りのうち大当り後に確変状態(確変)となる大当りの割合は66.6%(2/3)である。大当りが発生すると対応するラウンド数(R)に応じた分だけ大入賞口19を開放する。尚、1Rの上限入賞数(上限数)は8個、上限開放時間は30秒であり、上限数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(3)大当りに対応するラウンド数は5Rと16Rとがあり、その振分割合は5Rが25%であり、16Rが75%である。
【0016】
(4)確変中は大当り確率が1/30に向上する。確変は次回大当りまで継続するため、大当り後に通常状態(通常)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、通常大当りが発生した場合は通常状態へと戻る。
【0017】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや始動口18への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を出力する。
アウト信号=使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用媒体数(アウト)を特定可能な信号を示す。回収玉(使用玉、打込玉)10個に対して1パルスが出力されるので、アウト信号数×10をアウトとして特定する。尚、遊技機1から直接出力される信号であっても良い。アウト信号により特定されるアウトは、遊技に使用された遊技価値の量に相当する。
【0018】
セーフ信号=遊技機1から出力される払出遊技価値(払出媒体数、セーフ)を特定可能な信号を示す。払出玉10個に対して1パルスが出力されるので、セーフ信号数×10をセーフとして特定する。尚、補給装置(図示せす)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。セーフ信号により特定されるセーフは、入賞により付与された遊技価値の量に相当する。
【0019】
始動入賞信号=遊技機1から出力される始動口18への入賞(始動入賞)を特定可能な信号を示す。始動口18への入賞1回につき1パルスが出力されるので、始動入賞信号の受信に応じて始動入賞を特定する。
【0020】
図柄変動信号(スタート信号)=遊技機1から出力される始動口18への始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動)を特定可能な信号を示す。図柄変動の確定時(終了時)に出力されるので、図柄変動信号の受信に応じて図柄変動(スタート)を特定し、スタート信号数×1を図柄変動回数(スタート回数)として特定する。尚、図柄変動の開始時に出力される信号であっても良く、更に始動入賞信号をスタート信号として採用しても良い。
【0021】
大当り信号=遊技機1から出力される大当り状態である期間を特定可能な信号を示す。大当り状態中にレベル出力されるので、大当り信号受信中を大当り状態中として特定する。
確率変動信号=遊技機1から出力される大当りの当選確率が高い確変状態中である期間を特定可能な信号を示す。確変状態中にレベル出力されるので、確率変動信号受信中を確変状態中として特定する。尚、大当り信号、及び確率変動信号の何れも受信していない期間は通常状態として特定する。
【0022】
遊技装置2は、紙幣(貨幣、遊技有価価値)が投入される紙幣投入口20、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データや後述する残高、持玉数等を表示するタッチパネル式の液晶表示部21、貯玉を払出すための払出釦22、払出された玉が通過する払出ノズル23、ICカード8が挿入されるカード挿入口24、ICカード8を発行するための発行釦25、遊技機1の下部受皿16の下方に位置する着脱可能な計数受皿26等を備えている。
【0023】
遊技装置2は所謂各台計数機能付の貸出機であり、受付(価値受付処理)けた貨幣の内、貸出(対価付与処理)の対価を減じた残高(残有価価値)、及び計数(価値受付処理)した持玉の内、再プレイ(対価付与処理)により払戻した残りの持玉(残有価価値)を特定可能なICカード8を発行(発行処理)可能な装置である。残高とは遊技者が入金した貨幣額から貸出処理を行った対価額を除いた遊技者の利用可能額を示している。持玉とは上述した通り当日貯玉であり、遊技者が獲得した遊技価値を示し、計数した獲得遊技価値から再プレイ処理により付与した遊技価値や交換した景品の対価となった遊技価値を除いた遊技価値を示している。
【0024】
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)紙幣投入口20に投入された紙幣の金額をICカード8に記録すると共に、投入金額(残高)を液晶表示部21に表示する。
(2)遊技機1に設けられた図示しない貸出釦の操作に応じて残高の範囲内で1度数に相当する数の玉(遊技価値に相当する)を遊技機1内部の払出機構から払出すCR機能を備えている。このとき、遊技機1から遊技装置2に1度数分の125玉を払出したことを示す信号が出力されるので、液晶表示部21に表示されている残高から1度数に相当する単位金額である500円を減額すると共に売上信号を出力する。売上信号は1度数の玉の払出し毎に1パルスが出力されるので、1パルスに相当する単位金額を売上額として特定する。
【0025】
(3)遊技機1の下部受皿16から落下して計数受皿26で受けられた玉数を計数して液晶表示部21に表示する。
(4)払出釦22の操作に応じて計数玉数(持玉数)又は貯玉数(会員の場合)の範囲内で1度数ずつ払出す。
【0026】
(5)遊技機1に設けられた図示しない返却釦が操作されたときは、一般カードが挿入されている場合は、残高及び持玉数等の情報を一般カード8に記録して発行し、会員カードが挿入されている場合は、残高を会員カードに記録して持玉数を管理装置5に送信してから会員カードを発行する。ICカード8を発行する場合は、カードIDを含む発行情報を管理装置5へ送信し、管理装置5側にも記憶する。尚、ICカードが挿入されていない場合は、図示しないカードストック部にストックしている一般カードをカード挿入口24に繰出して残高及び持玉数を記録して発行する。
【0027】
(6)一般カードがカード挿入口24に挿入された場合は、一般カードに記録されている残高及び持玉数を読出して液晶表示部21に表示する。会員カードがカード挿入口24に挿入された場合は、会員カードに記録されている残高を読出して液晶表示部21に表示すると共に暗証番号の入力を条件として管理装置5の会員口座に会員IDに対応して記憶されている貯玉数(持玉数や貯玉数)も表示する。上述した通り、営業終了後に持玉数は貯玉数に統合される。遊技者による払出操作に応じて貯玉数或いは持玉数の範囲内で玉を払出ノズル23から払出す。尚、貯玉と持玉との管理方法として、営業終了後の処理負荷は高まるが、貯玉に持玉を含めず別々の管理としても良く、この場合、営業終了後に持玉を貯玉に合算するといった処理を行うことで統合することになる。
【0028】
(7)液晶表示部21に対する操作入力に応じて対応する遊技機1或いは指定された他の遊技機1の遊技データを表示したり、遊技場からのメッセージを表示したり、遊技者が会員であることが特定された場合は遊技機1の遊技データを表示する。
【0029】
管理装置5は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービス、及び遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日或いは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行可能となっている。これらのサービスを実行するために、遊技機1や遊技装置2等から入出力部に入力される遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技情報を管理するようになっている。
【0030】
又、管理装置5は、遊技場外に設置されているサーバ27(異常検知処理手段、判定手段、除外手段、抽出手段、送信手段に相当する)とインターネットを含む公衆回線28を介して通信可能に接続されており、サーバ27は、公衆回線28を介して遊技場外のスマートフォン29及びタブレット端末30と通信可能に接続されている。又、遊技場内では、後述するように従業員が会員カードを再発行する際に操作するタブレット端末31が用意されている。
図1では図示を省略したが、複数の遊技場に設置されている複数の管理装置5がサーバ27の管理対象となっている。
【0031】
本実施形態では、ICカード8に記録する情報として残高については一般カードと会員カードの双方に直接記録するのに対して、持玉については一般カードのみに記録し、会員カードには貯玉も含み直接記録せず、記録されるカードIDに基づき管理装置5に問合わせて特定可能となるようになっているが、残高及び持玉等、後述される会員DBにより管理される情報も含み会員に関する情報は会員カードに直接記録しても良いし、何れかのみを記録するようにしても良い。即ち、残高や持玉や貯玉等の会員情報を特定可能な情報を会員カードに記録し、或いは残高や持玉等を対応付け可能であれば、直接的に残高や持玉等を記録しても、カードIDを記録するだけであっても、どのように情報を記録しても良い。尚、上記では会員カードを例示したが一般カードも同様である。
【0032】
管理装置5は、遊技場に会員登録した会員について
図2及び
図3に示す会員DBを管理している。会員IDに対応付けて会員の電話番号、生年月日、最終利用日、暗証番号の他に、会員カードに対応付けられた残高、貯玉、持玉が管理されている。尚、図示しないが会員のメールアドレスが管理されても良い。最終利用日は会員カードが受付けられたことに応じて更新される。貯玉及び持玉は、それぞれレート及び遊技媒体(遊技価値)の玉(パチンコ)やメダル(パチスロ)といった種類により区分され、後述する
図6に示すサーバ27にて管理される異常検知条件に対応し、パチンコについては4円、2.5円、2円、1.25円、1円、0.5円の区分で管理され、パチスロについては20円、10円、5円、2円の区分で管理される。尚、
図3では、パチンコについては4円、2.5円、2円を図示し、パチスロについては20円、10円、5円を図示している。尚、
図2に示す再発行会員一覧の電話番号の「*」は任意の数字を示す。
【0033】
ICカード8に記録されている残高は残高精算機7にて現金の精算が可能である一方、持玉や貯玉はPOS6にて景品交換することで精算可能であることから、管理装置5は、精算される価値情報を照合可能とするために、遊技者による処理に対応した残高や持玉等の最新の値をカード利用履歴として管理している。
【0034】
図4は、カードの利用履歴を示しており、処理時刻設定部32aに対象となる期間、端末設定部32bに端末の種類及び端末の号番、カードID/会員番号設定部32cに全ID/番号又は指定ID/番号、履歴設定部32dに「プリペイド利用履歴」、持玉に関わる「持玉利用履歴」、カードの内、持玉が精算済みでない「持玉未精算履歴」、貯玉(貯玉処理や再プレイ処理)を利用した「貯玉履歴」、エラー等が発生した処理に対応する「システム履歴」の内、何れを対象とするか(全てを対象とすることも可)を入力すると、対象となる利用履歴を抽出して利用履歴欄32eに表示する。
【0035】
利用履歴欄32eには、処理時刻(降順)(図面では2行目以降省略)、端末名称、(端末の)号機、(パチンコやパチスロの貸単価や交換単価により区別される)種別(Pは貸単価4円のパチンコ)、カードID/会員番号、処理内容、残金(残高)、持玉/メダルが対応付けて表示されており、残高と持玉/メダルについては、処理前の値と処理対象となった値と処理後の値が表示されている。
【0036】
処理内容は、利用履歴を作成する条件に対応しており、持玉を計数する等して増加させる「預入」、持玉を貯玉処理する「会員貯玉」、入金や残高による貸出処理を行う「返却」、持玉による再プレイ処理である「持玉遊技」、カードの残高等を合算する「合算」等があり、この条件は残高や持玉が更新されたことを特定可能な内容が予め設定されている。
図4では、カードID/会員番号として全ID/番号を選択した表示を例示している。
【0037】
図5は、
図4においてカードID/会員番号にて指定ID/番号を選択してカードのIDを入力した上で絞り込み設定部32fをチェックして抽出した場合の利用履歴の表示例であり、入力されたIDに対応する抽出されたカードの利用履歴が処理時刻順(降順)に表示されている。
【0038】
図5では、
図4におけるカードID「80000020」のICカード8の利用履歴を抽出した場合を例示している。尚、備考欄に「明細」が記載されたレコードは
図4に記載されていないレコードを示し、ICカード8の挿入、貸玉等の
図4では特定されない他の処理を特定するものである。又、「明細」が記載されたレコードの数値は括弧内に表示される。
図5では、残金の記憶される最上位のレコードの残金が現在の残金となり、残玉(持玉)の記憶される最上位のレコードの残玉が現在の持玉となり、最上位のレコードがカード照会した際の最後に利用した日時に対応したレコードとなる。
図5では、現在の残高2700円全てが精算されて0円であり、現在の残玉が710玉であることを示している。
【0039】
又、管理装置5は、会員カードの再発行について、
図6に示す再発行会員一覧にて再発行先となった新会員カードと再発行元となった旧会員カードとを対応付けて管理する(両者は同一の会員で破線での仕切り)。「区分」は「再発行」が再発行元となった旧会員カードに対応し、「最新」が再発行先となった新会員カードに対応する。「発行従業員」は会員カードを発行した従業員のIDを示し、リモコンや電子キー等により会員カードを発行した従業員が特定可能であれば、当該特定した従業員のIDが記録され、会員カードを発行した従業員が特定不能であれば、「-」が記録される。
【0040】
管理装置5は、
図2から
図4、
図6のように管理する遊技処理を対象とした遊技情報の内
図7のような送信項目に対応する情報を抽出してサーバ27へ送信する。サーバ27は、管理装置5から受信した当該情報と、
図8から
図10に示す以下の不正条件とに基づいて、異常検知するか否かを判定する異常検知処理を行う。
図7の送信項目に示すNo8の会員カード再発行、No9の最終来店日(再発行前)、No3の再プレイ操作、No7のPOS交換操作は、
図8に示す設定情報1の設定項目に対応する。
図7の送信項目に示すNo10のPOS手入力回数は、
図9に示す設定情報2の設定項目に対応する。
図7の送信項目に示すNo4の貯玉増減(期間)、No6の貯玉操作は、
図10に示す設定情報3の設定項目に対応する。
【0041】
No8の会員カード再発行、No9の最終来店日(再発行前)、No3の再プレイ操作、No7のPOS交換操作(例えば景品交換)は、会員カード(会員番号)を対象とし(会員IDを対象とした遊技処理であり)、第1対象期間内(例えば14日以内に)に再発行され、再発行元の会員カードの最終利用が第2対象期間内(例えば365日以内)にないことを抽出条件とし、再プレイ操作又はPOS交換操作があった場合に異常検知する。
図6に例示される再発行会員一覧について、
図2に例示した会員DBを参照すると、例えば会員ID「01234333」の会員の最終利用日(2021年08月30日)と、会員ID「01234555」の会員の最終利用日(2021年06月08日)が該当し、新会員カードを対象として対象期間内(例えば14日以内)に
図8の設定値に見合う再プレイ操作やPOS交換操作があった場合に異常検知する。尚、基準値を設定して設定回数分の再プレイがないことを例示したが、再プレイ玉数が基準値分ないこと、或いは再プレイ処理自体がないこと等を異常検知条件の対象としても良い。
【0042】
No10のPOS手入力回数は、従業員(担当者)を対象とし(従業員IDを対象とした遊技処理であり)、10日以内に5回以上のPOS手入力操作(実際に遊技価値を得ていなくともPOS上の操作で景品交換対象となる遊技価値を増やす操作であり、主にカード盗難時やカード不良時に補填する目的で使用する操作)があった場合に異常検知する。
【0043】
No4の貯玉増減(期間)、No6の貯玉操作は、現在において有効な会員カードを対象とし(会員IDを対象とした遊技処理であり)、5日以内の貯玉(貯遊技価値)増減(増加分)が種別単位の各設定値(増加基準値)の何れかに達し、更に貯玉操作(獲得した遊技価値を貯玉する操作)が種別単位の各設定値の何れかに達した場合に異常検知するが、5日以内に再発行された会員カードは異常検知の対象から除外している。再発行された会員カードを除外するのは、再発行時に貯玉を移行するが、その移行した貯玉が貯玉増減の対象に含まれ、無用な異常検知になる虞があり、その虞を軽減するためである。
【0044】
上記した異常検知は単なる例示であり、例示した以外にも
図7の送信項目の情報を適宜組み合せて利用することで様々は異常検知が可能である。又、
図7の送信項目の情報も単なる例示であり、例示した以外にも送信対象となる情報が含まれる。
【0045】
サーバ27は、異常検知処理を周期的に行い、例えば各営業日の閉店後に管理装置5から
図7の送信項目を受信したことを契機として行う。例えばPOS手入力回数の異常検知処理について
図11を参照して説明する。
図11では従業員単位で各営業日にてPOS手入力回数が「1」に達した場合に「検知」を「○」、達しない場合に「検知」を「×」とし、該当日の異常検知処理にて異常検知した場合に「異常検知」を「○」、異常検知しない場合に「異常検知」を「×」としている。「検知対象期間」は該当日の異常検知処理において対象となる営業日を示している。即ち、
図9の設定情報2より対象期間(対象日数)は「10日以内」なので、該当日が10月10日であれば10月1日から10月10日までが、10月11日であれば10月2日から10月11日までが検知対象期間となる。
【0046】
例えば10月10日の場合、検知対象期間の10月1日から10月10日までの10日間において10月6日から10月10日までの5日にて「検知」が「○」となっており、
図9の設定情報2の設定値の条件(所定の条件、POS手入力操作を行うこと)が満たされた遊技処理(検知遊技処理)が、同じく設定情報の基準値(5回)に達することから「異常検知」が「○」となる。翌10月11日は、検知対象期間の10月2日から10月11日までの10日間において10月6日から10月11日までの6日にて「検知」が「○」となっており、同様に「異常検知」が「○」となる。この場合、前日の10月10日の検知数が5回であるのに対して、10月11日の検知数は6回であることから異常検知を行い、重複検知が防止される。一方、翌10月12日は、検知対象期間の10月3日から10月12日までの10日間において10月11日と同様に検知数が6回となるが、最新の異常検知処理における10月11日の検知数である6回と変更されていないことから、重複検知を避けるために異常検知は行わない。尚、本実施形態では説明上の都合上、POS手入力操作を行うだけで所定の条件が満たされることを例示したが、例えば所定数以上の玉数を増加させるといった条件を、所定条件として採用しても良い。
【0047】
このような異常検知処理を営業日単位で繰り返し行い、10月16日の異常検知処理では検知対象期間が10月7日から10月16日までとなるが、この場合、10月6日分が検知対象期間外となり検知数が5回となり、最新の異常検知処理である10月15日の6回とは異なるので、上記した重複検知を避けるための条件は満たさない。
【0048】
本実施形態では、最新の「検知」を参照すると、10月12日以降、新たな検知が行われていない(新たな検知遊技処理のないことが示された)ことから異常検知の対象外とする(検知遊技処理の数が基準値に達していても異常検知の対象から除外する)。新たな異常検知を行う必要のある10月11日の異常検知処理においても、最新の検知が前日の10月10日から10月11日に更新されるので、異常検知を行うことになり、重複防止を行う必要もなくなる。
【0049】
上記では
図9に示す設定情報2のPOS手入力回数の異常検知処理を対象として例示したが、
図8に示す設定情報1や
図10に示す設定情報3、或いは他の異常検知処理について適用しても勿論良い。例えば
図10に示す設定情報3の場合、5日以内にパチンコ4円であれば10000玉以上の貯玉が増加した上で250玉以上の(所定条件が満たされた)「貯玉操作(検知遊技処理)」が3回(基準値)に達した場合に異常検知する異常検知処理を対象として適用することもできる。又、例えば
図8に示す設定情報1の場合、会員カードの再発行や最終来店日、再プレイ操作といった
図8に示される条件を満たした上でパチンコ4円であれば1250玉以上の(所定条件が満たされた)「POS交換操作(検知遊技処理)」を対象として、
図8の例示では「1回以上の操作」であるが「5回以上の操作」といった基準値を複数回数に設定すれば上記同様に適用可能である。
【0050】
上記では1営業日に1回を上限として例示したが、このような上限なく1営業日に2回以上の検知があった場合に、2回以上分を基準値との比較対象としても良い。最新の検知は
図10のような営業日単位の履歴情報を管理することで特定しても良いし、
図7に示す送信項目の最新日時を利用して特定しても良い。又、新たな検知があるか否かを判定する例示として最新の日付を比較することを例示したが、時刻のような他の時間情報を比較対象としても良い。
【0051】
例えば
図10に示す設定情報3のような会員を対象とした異常検知処理として、貯玉に代えてポイントの増減を対象とした異常検知処理を採用し、当該ポイントの異常検知処理について、
図10のような貯玉の異常検知処理と同様に設定値に示される条件を満たす会員を異常報知の対象としても良い。
【0052】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す作用効果を得ることができる。
遊技場用システム1において、対象期間における検知遊技処理の数が基準値に達することで異常検知するための異常検知処理を、対象期間が一部重複するように周期的に行う場合に、新たな検知遊技処理のないことが示された場合は、検知遊技処理の数が基準値に達していても異常検知の対象から除外するので、周期的に異常検知処理を行う場合に、重複した異常検知が行われることを抑制可能となる。
【0053】
遊技情報に含まれる最新の検知遊技処理を特定するための特定情報に基づいて新たな検知遊技処理の有無を判定するので、前回分を管理すれば、例えば
図11のような履歴情報を管理するか否かに関わらず重複した異常検知を抑制可能となる。
【0054】
会員IDを対象とした遊技処理と、従業員IDを対象とした遊技処理との双方を異常検知の対象に含むので、会員による不正、従業員による不正及び会員を装った従業員による不正に対応可能となる。
【0055】
異常検知の対象として、貯玉の増減を対象とした異常検知処理やポイントの増減を対象とした異常検知処理を行う場合、5日以内に再発行された会員カードは異常検知の対象から除外するので、再発行時に移行された貯玉が貯玉増加の対象に含まれ、無用な異常検知を行う虞を軽減可能となる。
【0056】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合わせたり各変形例を組み合わせたりしてどのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
記録媒体として残高や持玉を記録するICカード8や会員カードを例示したが、コイン等、どのような記録媒体を対象としても良い。
例示した条件等の設定情報は、予め設定されていれば遊技場の管理者が任意に設定しても、予め管理装置5の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。
【0057】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0058】
対象となる遊技機としては遊技価値をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機や、スロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式やクレジット式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0059】
サーバ27が行う処理の一部、或いは全部を管理装置5、中継装置3、或いは遊技装置2等にて行っても良いし、管理装置5が行う処理の一部を、或いは全部をサーバ27、中継装置3、或いは遊技装置2にて行っても良く、例示した処理をどのような端末で行っても良い。
【符号の説明】
【0060】
図面中、1は遊技場用システム、5は管理装置(管理手段)、27はサーバ(異常検知処理手段、判定手段、除外手段、抽出手段、送信手段)である。