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特開2024-60853媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060853
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/12 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B65H7/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168403
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】堺 雅晃
【テーマコード(参考)】
3F048
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048AA08
3F048AB01
3F048AB02
3F048BA06
3F048BA13
3F048BB10
3F048CA02
3F048DA06
3F048DB01
3F048DB06
3F048DC00
3F048DC20
3F048EB22
3F048EB23
(57)【要約】
【課題】装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能な媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】媒体搬送装置は、所定のタイミングで駆動信号を出力する駆動信号出力部と、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第1音波発信器と、受信した音波に応じた第1音波信号を出力する第1音波受信器と、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第2音波発信器と、受信した音波に応じた第2音波信号を出力する第2音波受信器と、第1音波信号及び第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する判定部と、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで判定部に出力する出力部と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って媒体を搬送する搬送部と、
所定のタイミングで駆動信号を出力する駆動信号出力部と、
前記所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第1音波発信器と、
搬送路を挟んで前記第1音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第1音波信号を出力する第1音波受信器と、
前記所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第2音波発信器と、
搬送路を挟んで前記第2音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第2音波信号を出力する第2音波受信器と、
前記第1音波信号及び前記第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する判定部と、
前記第1音波信号及び前記第2音波信号を相互に異なるタイミングで前記判定部に出力する出力部と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第1音波発信器と前記第1音波受信器の間の距離が、前記第2音波発信器と前記第2音波受信器の間の距離と異なることにより、前記出力部は、前記第1音波信号及び前記第2音波信号を相互に異なるタイミングで前記判定部に出力する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記駆動信号出力部と前記第1音波発信器もしくは前記第2音波発信器との間、又は、前記第1音波受信器もしくは前記第2音波受信器と前記出力部との間に信号遅延回路が設けられることにより、前記出力部は、前記第1音波信号及び前記第2音波信号を相互に異なるタイミングで前記判定部に出力する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記駆動信号出力部から出力された前記駆動信号を増幅して、前記第1音波発信器及び前記第2音波発信器に出力する一の増幅器をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記駆動信号出力部から出力された前記駆動信号を増幅して、前記第1音波発信器に出力する第1増幅器と、
前記駆動信号出力部から出力された前記駆動信号を増幅して、前記第2音波発信器に出力する第2増幅器と、をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記出力部から出力された前記第1音波信号及び前記第2音波信号を増幅して、前記判定部に出力する一の増幅器をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記第1音波受信器から出力された前記第1音波信号を増幅して、前記出力部に出力する第1増幅器と、
前記第2音波受信器から出力された前記第2音波信号を増幅して、前記出力部に出力する第2増幅器と、をさらに有する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
搬送部により、搬送路に沿って媒体を搬送し、
駆動信号出力部により、所定のタイミングで駆動信号を出力し、
第1音波発信器により、前記所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力し、
搬送路を挟んで前記第1音波発信器と対向して配置された第1音波受信器により、受信した音波に応じた第1音波信号を出力し、
第2音波発信器により、前記所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力し、
搬送路を挟んで前記第2音波発信器と対向して配置された第2音波受信器により、受信した音波に応じた第2音波信号を出力し、
出力部により、前記第1音波信号及び前記第2音波信号を相互に異なるタイミングで出力し、
前記出力部により出力された第1音波信号及び第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する、
ことを特徴とする判定方法。
【請求項9】
搬送路に沿って媒体を搬送する搬送部と、所定のタイミングで駆動信号を出力する駆動信号出力部と、前記所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第1音波発信器と、搬送路を挟んで前記第1音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第1音波信号を出力する第1音波受信器と、前記所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第2音波発信器と、搬送路を挟んで前記第2音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第2音波信号を出力する第2音波受信器と、前記第1音波信号及び前記第2音波信号を相互に異なるタイミングで出力する出力部と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
前記出力部により出力された第1音波信号及び第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する、
ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
媒体を搬送しながら撮像するスキャナ等の媒体搬送装置では、媒体の先端から後端までを適切に撮像できるように、媒体の位置を適切に判定する必要がある。また、一般に、媒体搬送装置は、複数の媒体が重なって搬送される重送が発生したか否かを検出し、重送が発生した際には媒体の搬送を自動的に停止する機能を有している。
【0003】
原稿搬送システムにおける複数の原稿の検出のための装置が開示されている(特許文献1を参照)。この装置は、第1インターバルの間に第1信号を放射する第1トランスミッタと、第1信号を検出するための第1センサと、第2インターバルの間に第2信号を放射するための第2トランスミッタと、第2信号を検出するための第2センサとから構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-175570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能な媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、搬送路に沿って媒体を搬送する搬送部と、所定のタイミングで駆動信号を出力する駆動信号出力部と、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第1音波発信器と、搬送路を挟んで第1音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第1音波信号を出力する第1音波受信器と、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第2音波発信器と、搬送路を挟んで第2音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第2音波信号を出力する第2音波受信器と、第1音波信号及び第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する判定部と、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで判定部に出力する出力部と、を有する。
【0008】
また、本発明の一側面に係る判定方法は、搬送部により、搬送路に沿って媒体を搬送し、駆動信号出力部により、所定のタイミングで駆動信号を出力し、第1音波発信器により、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力し、搬送路を挟んで第1音波発信器と対向して配置された第1音波受信器により、受信した音波に応じた第1音波信号を出力し、第2音波発信器により、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力し、搬送路を挟んで第2音波発信器と対向して配置された第2音波受信器により、受信した音波に応じた第2音波信号を出力し、出力部により、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで出力し、出力部により出力された第1音波信号及び第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する。
【0009】
また、本発明の一側面に係る制御プログラムは、搬送路に沿って媒体を搬送する搬送部と、所定のタイミングで駆動信号を出力する駆動信号出力部と、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第1音波発信器と、搬送路を挟んで第1音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第1音波信号を出力する第1音波受信器と、所定のタイミングに出力された駆動信号に基づいて少なくとも可聴音又は超音波を含む音波を出力する第2音波発信器と、搬送路を挟んで第2音波発信器と対向して配置され且つ受信した音波に応じた第2音波信号を出力する第2音波受信器と、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで出力する出力部と、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、出力部により出力された第1音波信号及び第2音波信号に基づいて、媒体の状態を判定することを媒体搬送装置に実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラムは、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3】第1音波センサ115等について説明するための模式図である。
図4】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図5】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
図6】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図7】(A)、(B)は、音波の大きさの特性を示すグラフである。
図8】音波信号受信処理の動作の例を示すフローチャートである。
図9】複数の駆動信号増幅器について説明するための模式図である。
図10】複数の音波信号増幅器について説明するための模式図である。
図11】駆動信号遅延回路426について説明するための模式図である。
図12】音波信号遅延回路526について説明するための模式図である。
図13】他の媒体搬送装置における処理回路650の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置、判定方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙等である。また、媒体は、ラベル(シール)又は小型紙片(写真、切り抜き、切手、印紙等)等の貼付物が貼付された媒体を含む。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0014】
媒体搬送装置100は、第1筐体101、第2筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0015】
第2筐体102は、媒体搬送装置100の上側に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより第1筐体101に係合している。
【0016】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に第1筐体101に係合している。載置台103は、第1筐体101の媒体供給側の側面に、不図示のモータによって略鉛直方向(高さ方向)A1に移動可能に設けられる。載置台103は、媒体を搬送していないときは媒体が容易に載置されるように下端の位置に配置され、媒体を搬送するときは最も上側に載置された媒体が後述するピックローラと接触する位置まで上昇する。排出台104は、排出された媒体を保持可能に第2筐体102上に形成され、排出された媒体を積載する。
【0017】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0018】
図1において矢印A2は媒体搬送方向を示し、矢印A3は媒体排出方向を示し、矢印A4は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の下流のことをいう。
【0019】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0020】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、ピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114、第1音波センサ115、第2音波センサ116、第1~第8搬送ローラ117a~h、第1~第8従動ローラ118a~h及び撮像装置119等を有している。
【0021】
ピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114、第1~第8搬送ローラ117a~h及び第1~第8従動ローラ118a~hは、搬送部の一例であり、媒体の搬送路に沿って配置され、搬送路に沿って媒体を搬送する。なお、ピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114、第1~第8搬送ローラ117a~h及び/又は第1~第8従動ローラ118a~hのそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数のピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114、第1~第8搬送ローラ117a~h及び/又は第1~第8従動ローラ118a~hは、それぞれ幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。
【0022】
媒体搬送装置100は、いわゆるUターンパスを有する。第1筐体101の、第2筐体102と対向する面は媒体の搬送路の第1ガイド101aを形成し、第2筐体102の、第1筐体101と対向する面は媒体の搬送路の第2ガイド102aを形成する。
【0023】
媒体センサ111は、載置台103に、即ち給送ローラ113及び分離ローラ114より上流側に配置され、載置台103における媒体の載置状態を検出する。媒体センサ111は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台103に媒体が載置されているか否かを判別する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第1媒体信号を生成して出力する。なお、媒体センサ111は接触検知センサに限定されず、媒体センサ111として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。
【0024】
ピックローラ112は、第2筐体102に設けられ、媒体搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台103に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。
【0025】
給送ローラ113は、第2筐体102内に、ピックローラ112より下流側に設けられ、載置台103に載置されてピックローラ112により給送された媒体をさらに下流側に向けて給送する。分離ローラ114は、第1筐体101内に、給送ローラ113と対向して配置される。給送ローラ113及び分離ローラ114は、媒体の分離動作を行い、媒体を分離して一枚ずつ給送する。給送ローラ113は、分離ローラ114に対して上側に配置されており、媒体搬送装置100は、いわゆる上取り方式により媒体を給送する。
【0026】
第1音波センサ115及び第2音波センサ116は、給送ローラ113及び分離ローラ114より下流側且つ第1搬送ローラ117a及び第1従動ローラ118aより上流側に配置される。第1音波センサ115及び第2音波センサ116は、幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。なお、第1音波センサ115及び第2音波センサ116は、給送ローラ113及び分離ローラ114より下流側且つ第8搬送ローラ117h及び第8従動ローラ118hより上流側の任意の位置に配置されてもよい。また、第1音波センサ115及び第2音波センサ116は、媒体搬送方向A2に間隔を空けて並べて配置されてもよい。第1音波センサ115及び第2音波センサ116は、任意の位置関係を有するように配置されてもよい。
【0027】
第1音波センサ115は、第1音波発信器115a及び第1音波受信器115bを含む。第1音波発信器115a及び第1音波受信器115bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。第2音波センサ116は、第2音波発信器116a及び第2音波受信器116bを含む。第2音波発信器116a及び第2音波受信器116bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。第1音波センサ115及び第2音波センサ116の詳細については後述する。
【0028】
第1~第8搬送ローラ117a~h及び第1~第8従動ローラ118a~hは、給送ローラ113及び分離ローラ114より下流側に設けられ、給送ローラ113及び分離ローラ114により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。第1~第8搬送ローラ117a~h及び第1~第8従動ローラ118a~hは、それぞれ媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置される。
【0029】
撮像装置119は、第2搬送ローラ117b及び第2従動ローラ118bより下流側且つ第3搬送ローラ117c及び第3従動ローラ118cより上流側に配置される。なお、撮像装置119は、給送ローラ113及び分離ローラ114より下流側且つ第8搬送ローラ117h及び第8従動ローラ118hより上流側の任意の位置に配置されてもよい。撮像装置119は、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを含む。第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。
【0030】
第1撮像装置119aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置119aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置119aは、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0031】
同様に、第2撮像装置119bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置119bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置119bは、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0032】
媒体搬送装置100は、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0033】
載置台103に載置された媒体は、ピックローラ112、給送ローラ113がそれぞれ媒体給送方向A5、A6に回転することによって、第1ガイド101aと第2ガイド102aの間を媒体搬送方向A2に向かって搬送される。一方、分離ローラ114が媒体給送方向の反対方向A7に回転することによって、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ113と接触している媒体のみが分離される。
【0034】
媒体は、第1ガイド101aと第2ガイド102aによりガイドされながら、第1~第2搬送ローラ117a~bが矢印A8~A9の方向に回転することによって、撮像装置119の撮像位置に送り込まれ、撮像装置119によって撮像される。さらに、媒体は、第3~第8搬送ローラ117c~hがそれぞれ矢印A10~A15の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0035】
図3は、第1音波センサ115及び第2音波センサ116について説明するための模式図である。
【0036】
図3に示すように、媒体搬送装置100は、駆動信号発生器121、駆動信号増幅器122、出力器123、音波信号増幅器124及びA/D変換器125等をさらに有する。
【0037】
駆動信号発生器121は、駆動信号出力部の一例であり、所定のタイミングで駆動信号を出力する。駆動信号発生器121は、後述する所定回路からの制御に従って、駆動信号を駆動信号増幅器122に出力する。駆動信号は、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aを駆動するための信号であり、一定間隔毎にON/OFFが変化するクロック信号である。
【0038】
駆動信号増幅器122は、一の増幅器の一例であり、駆動信号発生器121から出力された駆動信号を増幅して、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aに出力する。
【0039】
第1音波発信器115aは、駆動信号増幅器122から出力された駆動信号に基づいて、即ち所定のタイミングに駆動信号発生器121から出力された駆動信号に基づいて、音波を出力する。音波は、少なくとも可聴音又は超音波を含む。可聴音の周波数は、20Hz以上且つ20kHz以下であり、超音波の周波数は、20kHzより大きく且つ300MHz以下である。なお、音波は、20Hz未満の音波、及び/又は、300MHzより大きい音波をさらに含んでもよい。一方、第1音波受信器115bは、第1音波発信器115aにより出力され、媒体を通過した音波を受信し、受信した音波に応じた電気信号である第1音波信号を生成して出力する。第1音波信号は、第1音波受信器115bが受信した音波の大きさ、即ち搬送部により搬送される媒体を透過する音波の大きさを示す。なお、第1音波信号は、第1音波受信器115bが受信した音波の大きさに加えて又は代えて、第1音波発信器115aが発信した音波の位相に対する、第1音波受信器115bが受信した音波の位相のずれの大きさを示してもよい。
【0040】
第2音波発信器116aは、駆動信号増幅器122から出力された駆動信号に基づいて、即ち所定のタイミングに駆動信号発生器121から出力された駆動信号に基づいて、音波を出力する。音波は、可聴音又は超音波を含む。可聴音の周波数は、20Hz以上且つ20kHz以下であり、超音波の周波数は、20kHzより大きく且つ300MHz以下である。一方、第2音波受信器116bは、第2音波発信器116aにより出力され、媒体を通過した音波を受信し、受信した音波に応じた電気信号である第2音波信号を生成して出力する。第2音波信号は、第2音波受信器116bが受信した音波の大きさ、即ち搬送部により搬送される媒体を透過する音波の大きさを示す。なお、第2音波信号は、第2音波受信器116bが受信した音波の大きさに加えて又は代えて、第2音波発信器116aが発信した音波の位相に対する、第2音波受信器116bが受信した音波の位相のずれの大きさを示してもよい。
【0041】
第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aは、駆動信号発生器121から出力された共通の(同一の)駆動信号に基づいて、音波を出力する。図3に示すように、第1音波発信器115aと第1音波受信器115bの間の距離D1は、第2音波発信器116aと第2音波受信器116bの間の距離D2と異なる。そのため、同一の駆動信号に基づいて第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aから同時に出力された音波が、第1音波受信器115b及び第2音波受信器116bのそれぞれに到達するタイミングは相互に異なる。したがって、第1音波受信器115bが第1音波信号を出力するタイミングと、第2音波受信器116bが第2音波信号を出力するタイミングとは相互に異なる。
【0042】
例えば、各音波センサは、第1音波発信器115aと第1音波受信器115bの間の距離D1と、第2音波発信器116aと第2音波受信器116bの間の距離D2との差が5mm以上となるように配置される。各音波発信器から出力された音波が各音波受信器に到達するタイミングは、距離D1と距離D2の差を音速で除算した値だけずれるため、各音波発信器が音波を出力してから各音波受信器がその音波を受信するまでの時間の差は10μsec以上となる。即ち、第1音波受信器115bが、所定タイミングに出力された駆動信号に基づく第1音波信号を出力するタイミングと、第2音波受信器116bがその駆動信号に基づく第2音波信号を出力するタイミングとの時間差は10μsec以上となる。したがって、媒体搬送装置100は、複数の音波受信器が出力する複数の音波信号のそれぞれを利用して、複数の音波センサのそれぞれの位置における媒体の状態を十分に判定することが可能となる。
【0043】
出力器123は、出力部の一例である。出力器123には、第1音波受信器115bから出力された第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力された第2音波信号が入力される。出力器123は、出力する信号を切り換え、第1音波受信器115bから出力された第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力された第2音波信号のうちの何れか一方を出力する。上記したように、第1音波受信器115bが第1音波信号を出力するタイミングと、第2音波受信器116bが第2音波信号を出力するタイミングとは相互に異なるため、出力器123には、第1音波信号と第2音波信号とが異なるタイミングで入力される。出力器123は、第1音波信号が入力された時に第1音波信号を出力し、第2音波信号が入力された時に第2音波信号を出力するように設けられる。上記した例では、出力器123に第1音波信号が入力されるタイミングと第2音波信号が入力されるタイミングとの時間差は10μsec以上あるため、出力器123は、第1音波信号及び第2音波信号を確実に区別して出力することができる。
【0044】
なお、出力器123に第1音波信号及び第2音波信号が入力されるタイミングが相互に異なるため、出力器123は、出力する信号を切り換えるのでなく、入力された第1音波信号及び第2音波信号を合成して出力してもよい。但し、出力器123は、出力する信号を切り換えることにより、第1音波信号及び第2音波信号の一部が重なって入力された場合でも、第1音波信号と第2音波信号を相互に干渉させることなく出力することができる。
【0045】
このように、第1音波発信器115aと第1音波受信器115bの間の距離D1が、第2音波発信器116aと第2音波受信器116bの間の距離D2と異なることにより、出力器123は、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで出力する。これにより、処理回路は、第1音波信号及び第2音波信号のそれぞれを利用して媒体の状態を適切に判定することができる。
【0046】
音波信号増幅器124は、一の増幅器の一例であり、出力器123から出力された第1音波信号及び第2音波信号を増幅して、A/D変換器125に出力する。
【0047】
A/D変換器125は、音波信号増幅器124から出力されたアナログの第1音波信号及び第2音波信号を一定間隔ごとにサンプリングしてデジタル変換したデジタルの第1音波信号及び第2音波信号を生成し、処理回路に出力する。即ち、出力器123は、音波信号増幅器124及びA/D変換器125を介して第1音波信号及び第2音波信号を処理回路に出力する。音波信号増幅器124は、A/D変換器125を介して第1音波信号及び第2音波信号を処理回路に出力する。
【0048】
このように、媒体搬送装置100では、複数の音波センサに入力される駆動信号を発生させる駆動信号発生器121が共通化されるとともに、複数の音波センサから出力される音波信号を処理するA/D変換器125及び処理回路が共通化される。これにより、媒体搬送装置100は、複数の音波センサを有しつつ、装置コスト及び装置重量の低減を図ることができる。
【0049】
一般に、音波発信器を長時間駆動させると、音波発信器が熱を発し、その熱の影響によって、音波発信器から出力される音波の波形が歪む。そのため、音波発信器に駆動信号(パルス)が入力される期間は、音波発信器から出力された音波を音波受信器が適切に検出でき、且つ、音波受信器から出力された音波信号を処理回路が適切に処理できる範囲内で、可能な限り短い時間に設定されることが望ましい。即ち、音波受信器から出力される音波信号の長さは、処理回路が処理可能な最小の長さであることが好ましい。その場合、仮に第1音波信号及び第2音波信号が同時に出力器に入力されると、出力器は、第1音波信号及び第2音波信号を、相互に干渉させることなく、且つ、処理回路が処理可能な長さを有する状態で出力させることができない。
【0050】
媒体搬送装置100では、第1音波信号及び第2音波信号が相互に異なるタイミングで出力器123に入力される。そのため、出力器123は、第1音波信号及び第2音波信号を、相互に干渉させることなく、且つ、処理回路が処理可能な長さを有する状態で処理回路に出力することができる。したがって、処理回路は、第1音波信号及び第2音波信号のそれぞれに基づいて媒体の状態を判定することができる。
【0051】
図4は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0052】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、モータ131、インタフェース装置132、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0053】
モータ131は、一又は複数のモータを含み、処理回路150からの制御信号によって、ピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114及び第1~第8搬送ローラ117a~hを回転させて媒体を給送及び搬送させる。なお、第1~第8従動ローラ118a~hは、各搬送ローラの回転に従って従動回転するのでなく、モータからの駆動力によって回転するように設けられてもよい。
【0054】
インタフェース装置132は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して入力画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置132の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0055】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0056】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路150は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0057】
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、媒体センサ111、撮像装置119、駆動信号発生器121、A/D変換器125、モータ131、インタフェース装置132及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、モータ131を制御して媒体を搬送し、撮像装置119を制御して入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信する。また、処理回路150は、駆動信号発生器121を制御して第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aに音波を出力させ、A/D変換器125から受信する第1音波信号及び第2音波信号に基づいて媒体の状態を判定する。
【0058】
図5は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0059】
図5に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141及び判定プログラム142が記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部151及び判定部152として機能する。
【0060】
図6は、媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0061】
以下、図6に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0062】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105又はインタフェース装置132から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0063】
次に、制御部151は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、処理をステップS101へ戻し、操作装置105又はインタフェース装置132から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0064】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、載置台103を移動させるためのモータを駆動し、媒体を給送可能な位置に載置台103を移動させる。制御部151は、モータ131を駆動し、ピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114、第1~第8搬送ローラ117a~h及び/又は第1~第8従動ローラ118a~hを回転させる。これにより、制御部151は、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる(ステップS103)。
【0065】
次に、処理回路150は、音波信号受信処理を実行する(ステップS104)。音波信号受信処理において、判定部152は、第1音波受信器115bから出力される第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力される第2音波信号をA/D変換器125から受信する。音波信号受信処理については後述する。
【0066】
次に、判定部152は、媒体の状態として、媒体の重送が発生したか否かを判定する(ステップS105)。判定部152は、第1音波受信器115bから出力される第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力される第2音波信号に基づいて、媒体の重送が発生したか否かを判定する。判定部152は、第1音波信号に示される音波の大きさが第1音波閾値未満である場合、第1音波センサ115の位置で媒体の重なりが発生していると判定する。一方、判定部152は、第1音波信号に示される音波の大きさが第1音波閾値以上である場合、第1音波センサ115の位置で媒体の重なりが発生していないと判定する。また、判定部152は、第2音波信号に示される音波の大きさが第2音波閾値未満である場合、第2音波センサ116の位置で媒体の重なりが発生していると判定する。一方、判定部152は、第2音波信号に示される音波の大きさが第2音波閾値以上である場合、第2音波センサ116の位置で媒体の重なりが発生していないと判定する。
【0067】
図7(A)、図7(B)は、第1音波信号に示される音波の大きさの特性を示すグラフ700、710である。なお、第2音波信号の特性は、第1音波信号の特性と同様であるため、以下では、代表して第1音波信号の特性についてのみ説明する。
【0068】
グラフ700、710の横軸は時間を示し、縦軸は第1音波信号に示される音波の大きさを示す。グラフ700は一枚のPPC用紙が搬送された時の音波の大きさを示し、グラフ710は二枚のPPC用紙が重なって搬送された時の音波の大きさを示す。グラフ700、710において、時刻T1に用紙の先端が第1音波センサ115の位置に到達しており、時刻T2に用紙の後端が第1音波センサ115の位置を通過している。第1音波センサ115の位置に用紙が存在する場合、第1音波発信器115aから出力された音波は、その用紙により減衰する。そのため、グラフ700に示すように、第1音波センサ115の位置に用紙が存在する場合、第1音波センサ115の位置に媒体が存在しない場合より、音波の大きさが低減する。また、第1音波センサ115の位置に二枚の用紙が存在する場合、第1音波発信器115aから出力された音波は、二枚の用紙の間の空気層によって、さらに減衰する。そのため、グラフ710に示すように、第1音波センサ115の位置に二枚の用紙が存在する場合、第1音波センサ115の位置に一枚の用紙が存在する場合より、音波の大きさが低減する。
【0069】
第1音波閾値S1は、第1音波センサ115の位置に一枚の用紙が存在する場合の第1音波信号に示される音波の大きさと、第1音波センサ115の位置に二枚の用紙が存在する場合の第1音波信号に示される音波の大きさとの間の値に設定される。同様に、第2音波閾値S2は、第2音波センサ116の位置に一枚の用紙が存在する場合の第2音波信号に示される音波の大きさと、第2音波センサ116の位置に二枚の用紙が存在する場合の第2音波信号に示される音波の大きさとの間の値に設定される。判定部152は、各音波信号に示される音波の大きさを各音波閾値と比較することにより、各音波センサの位置で媒体の重なりが発生しているか否かを適切に判定できる。
【0070】
なお、各音波センサの位置に用紙が存在する場合、各音波発信器から出力された音波の位相は、その用紙によりずれる。そのため、各音波センサの位置に用紙が存在する場合、各音波センサの位置に媒体が存在しない場合より、音波の位相ずれが増大する。また、各音波センサの位置に二枚の用紙が存在する場合、各音波発信器から出力された音波の位相は、二枚の用紙の間の空気層によりさらに大きくずれる。そのため、各音波センサの位置に二枚の用紙が存在する場合、各音波センサの位置に一枚の用紙が存在する場合より、音波の位相ずれが増大する。
【0071】
したがって、判定部152は、第1音波信号及び第2音波信号に示される音波の位相ずれの大きさに基づいて媒体の重なりが発生しているか否かを判定してもよい。その場合、判定部152は、第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第1位相閾値より大きい場合、第1音波センサ115の位置で媒体の重なりが発生していると判定する。一方、判定部152は、第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第1位相閾値以下である場合、第1音波センサ115の位置で媒体の重なりが発生していないと判定する。また、判定部152は、第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第2位相閾値より大きい場合、第2音波センサ116の位置で媒体の重なりが発生していると判定する。一方、判定部152は、第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第2位相閾値以下である場合、第2音波センサ116の位置で媒体の重なりが発生していないと判定する。
【0072】
第1位相閾値は、第1音波センサ115の位置に一枚の用紙が存在する場合の第1音波信号に示される位相ずれの大きさと、第1音波センサ115の位置に二枚の用紙が存在する場合の第1音波信号に示される位相ずれの大きさとの間の値に設定される。第2位相閾値は、第2音波センサ116の位置に一枚の用紙が存在する場合の第2音波信号に示される位相ずれの大きさと、第2音波センサ116の位置に二枚の用紙が存在する場合の第2音波信号に示される位相ずれの大きさとの間の値に設定される。この場合も、判定部152は、媒体の重なりが発生しているか否かを適切に判定できる。
【0073】
また、判定部152は、音波の大きさ及び音波の位相ずれの大きさの両方に基づいて媒体の重なりが発生しているか否かを判定してもよい。例えば、判定部152は、音波の大きさと音波の位相ずれの両方が媒体の重なりが発生していることを示す場合、媒体の重なりが発生している判定し、何れかが媒体の重なりが発生していないことを示す場合、媒体の重なりが発生していないと判定する。その場合、判定部152は、第1音波信号に示される音波の大きさが第1音波閾値未満であり且つ位相ずれの大きさが第1位相閾値より大きい場合、第1音波センサ115の位置で媒体の重なりが発生していると判定する。一方、判定部152は、第1音波信号に示される音波の大きさが第1音波閾値以上である場合、又は、位相ずれの大きさが第1位相閾値以下である場合、第1音波センサ115の位置で媒体の重なりが発生していないと判定する。また、判定部152は、第2音波信号に示される音波の大きさが第2音波閾値未満であり且つ位相ずれの大きさが第2位相閾値より大きい場合、第2音波センサ116の位置で媒体の重なりが発生していると判定する。一方、判定部152は、第2音波信号に示される音波の大きさが第2音波閾値以上である場合、又は、位相ずれの大きさが第2位相閾値以下である場合、第2音波センサ116の位置で媒体の重なりが発生していないと判定する。この場合、判定部152は、媒体の重なりが発生しているか否かをより精度良く判定することができる。
【0074】
また、判定部152は、第1音波信号に示される位相ずれの大きさ及び第2音波信号に示される位相ずれの大きさのそれぞれに基づいて、第1音波閾値及び第2音波閾値を変更してもよい。例えば、判定部152は、第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第1位相閾値より大きい場合の第1音波閾値を、その大きさが第1位相閾値以下である場合の第1音波閾値より大きくする。また、判定部152は、第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第2位相閾値より大きい場合の第2音波閾値を、その大きさが第2位相閾値以下である場合の第2音波閾値より大きくする。この場合も、判定部152は、媒体の重なりが発生しているか否かをより精度良く判定することができる。
【0075】
判定部152は、第1音波センサ115の位置及び第2音波センサ116の位置のうちの少なくとも一方で媒体の重なりが発生している場合、媒体の重送が発生していると判定する。一方、判定部152は、第1音波センサ115の位置及び第2音波センサ116の位置の両方で媒体の重なりが発生していない場合、媒体の重送が発生していないと判定する。なお、判定部152は、第1音波センサ115の位置及び第2音波センサ116の位置のうちの一方で媒体の重なりが発生し且つ他方で媒体の重なりが発生していない場合、貼付物が貼付された媒体が搬送されており、媒体の重送が発生していないと判定してもよい。
【0076】
判定部152により媒体の重送が発生したと判定された場合、制御部151は、異常処理を実行し(ステップS106)、一連のステップを終了する。制御部151は、異常処理として、モータ131を停止して、搬送部による媒体の給送及び搬送を停止する。また、制御部151は、異常処理として、媒体の重送が発生したことを示す情報を表示装置106に表示し又はインタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより利用者に通知する。なお、制御部151は、異常処理として、現在搬送中の媒体を排出してから媒体読取処理を停止させてもよい。また、制御部151は、異常処理として、モータ131を駆動し、媒体を逆送させて載置台103に一旦戻してから再給送するように搬送部を制御してもよい。これにより、利用者は、媒体を載置台103に再載置して再給送する必要がなくなり、制御部151は、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0077】
一方、ステップS105で、媒体の重送が発生していないと判定した場合、判定部152は、媒体の状態として、媒体の先端が撮像開始位置に到達したか否かを判定する(ステップS107)。判定部152は、第1音波受信器115bから出力される第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力される第2音波信号に基づいて、媒体の先端が撮像開始位置に到達したか否かを判定する。
【0078】
判定部152は、前回受信した第1音波信号に示される音波の大きさが第3音波閾値より大きく且つ今回受信した第1音波信号に示される音波の大きさが第3音波閾値以下である場合、媒体の先端が第1音波センサ115の位置に到達したと判定する。判定部152は、前回受信した第2音波信号に示される音波の大きさが第4音波閾値より大きく且つ今回受信した第2音波信号に示される音波の大きさが第4音波閾値以下である場合、媒体の先端が第2音波センサ116の位置に到達したと判定する。
【0079】
図7(A)及び図7(B)に示すように、第3音波閾値S3及び第4閾値音波S4は、それぞれ第1音波閾値S1及び第2音波閾値S2より大きい値に設定される。第3音波閾値S3は、第1音波センサ115の位置に用紙が存在しない場合の第1音波信号に示される音波の大きさと、第1音波センサ115の位置に一枚の用紙が存在する場合の第1音波信号に示される音波の大きさとの間の値に設定される。第4音波閾値S4は、第2音波センサ116の位置に用紙が存在しない場合の第2音波信号に示される音波の大きさと、第2音波センサ116の位置に一枚の用紙が存在する場合の第2音波信号に示される音波の大きさとの間の値に設定される。
【0080】
なお、判定部152は、第1音波信号及び第2音波信号に示される音波の位相ずれの大きさに基づいて、媒体の先端が第1音波センサ115の位置に到達したか否かと、媒体の先端が第2音波センサ116の位置に到達したか否かと、を判定してもよい。その場合、判定部152は、前回受信した第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第3位相閾値未満であり且つ今回受信した第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第3位相閾値以上である場合、媒体の先端が第1音波センサ115の位置に到達したと判定する。また、判定部152は、前回受信した第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第4位相閾値未満であり且つ今回受信した第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第4位相閾値以上である場合、媒体の先端が第2音波センサ116の位置に到達したと判定する。
【0081】
第3位相閾値及び第4位相閾値は、それぞれ第1位相閾値及び第2位相閾値より小さい値に設定される。第3位相閾値は、第1音波センサ115の位置に用紙が存在しない場合の第1音波信号に示される位相ずれの大きさと、第1音波センサ115の位置に一枚の用紙が存在する場合の第1音波信号に示される位相ずれの大きさとの間の値に設定される。第4位相閾値は、第2音波センサ116の位置に用紙が存在しない場合の第2音波信号に示される位相ずれの大きさと、第2音波センサ116の位置に一枚の用紙が存在する場合の第2音波信号に示される位相ずれの大きさとの間の値に設定される。
【0082】
また、判定部152は、音波の大きさ及び音波の位相ずれの大きさの両方に基づいて媒体の先端が各音波センサの位置に到達したか否かを判定してもよい。例えば、判定部152は、音波の大きさと音波の位相ずれの何れかが媒体が存在することを示す場合、媒体が音波センサの位置に到達したと判定し、両方が媒体が存在しないことを示す場合、媒体が音波センサの位置に到達していないと判定する。この場合、判定部152は、媒体の先端が各音波センサの位置に到達したか否かをより精度良く判定することができる。
【0083】
判定部152は、第1音波信号に示される位相ずれの大きさ及び第2音波信号に示される位相ずれの大きさのそれぞれに基づいて、第3音波閾値及び第4音波閾値を変更してもよい。例えば、判定部152は、第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第3位相閾値より大きい場合の第3音波閾値を、その大きさが第3位相閾値以下である場合の第3音波閾値より大きくする。また、判定部152は、第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第4位相閾値より大きい場合の第4音波閾値を、その大きさが第4位相閾値以下である場合の第4音波閾値より大きくする。この場合も、判定部152は、媒体の先端が各音波センサの位置に到達したか否かをより精度良く判定することができる。
【0084】
判定部152は、媒体の先端が第1音波センサ115の位置又は第2音波センサ116の位置の少なくとも一方に到達した時、又は、その後、第1所定時間が経過した時に、媒体の先端が撮像開始位置に到達したと判定する。第1所定時間は、媒体が第1音波センサ115の位置又は第2音波センサ116の位置から撮像装置119より上流側の所定位置まで移動するのに要する時間に設定される。
【0085】
また、判定部152は、第1音波センサ115及び第2音波センサ116と異なる第2媒体センサ(不図示)を用いて、媒体の先端が撮像開始位置に到達したか否かを判定してもよい。その場合、第2媒体センサは、給送ローラ113及び分離ローラ114より下流側且つ撮像装置119より上流側の任意の位置に配置される。例えば、第2媒体センサは、媒体搬送路に対して一方の側に設けられた発光器及び受光器と、媒体搬送路を挟んで発光器及び受光器と対向する位置に設けられた導光管とを含む。発光器は、LED(Light Emitting Diode)等であり、媒体搬送路に向けて光を照射する。一方、受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射され、導光管により導かれた光を受光する。第2媒体センサは、受光器が受光する光の強度に基づいて、媒体センサの位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで信号値が変化する第2媒体信号を生成して出力する。
【0086】
判定部152は、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在しない状態を示す値から媒体が存在する状態に変化した時に、媒体の先端が第2媒体センサの位置に到達したと判定する。判定部152は、媒体の先端が第2媒体センサの位置に到達した時、又は、その後、第2所定時間が経過した時に、媒体の先端が撮像開始位置に到達したと判定する。第2所定時間は、媒体が第2媒体センサの位置から撮像装置119より上流側の所定位置まで移動するのに要する時間に設定される。または、判定部152は、媒体の給送を開始してから予め定められた時間が経過した時に、媒体の先端が撮像開始位置に到達したと判定してもよい。
【0087】
まだ媒体の先端が撮像開始位置に到達していない場合、制御部151は、特に処理を実行せずに、ステップS109へ処理を移行させる。
【0088】
一方、媒体の先端が撮像開始位置に到達した場合、制御部151は、撮像装置119に媒体の撮像を開始させる(ステップS108)。
【0089】
次に、判定部152は、媒体の状態として、媒体の後端が撮像位置を通過したか否かを判定する(ステップS109)。判定部152は、第1音波受信器115bから出力される第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力される第2音波信号に基づいて、媒体の後端が撮像位置を通過したか否かを判定する。
【0090】
判定部152は、前回受信した第1音波信号に示される音波の大きさが第3音波閾値以下であり且つ今回受信した第1音波信号に示される音波の大きさが第3音波閾値より大きい場合、媒体の後端が第1音波センサ115の位置を通過したと判定する。また、判定部152は、前回受信した第2音波信号に示される音波の大きさが第4音波閾値以下であり且つ今回受信した第2音波信号に示される音波の大きさが第4音波閾値より大きい場合、媒体の後端が第2音波センサ116の位置を通過したと判定する。
【0091】
なお、判定部152は、第1音波信号及び第2音波信号に示される音波の位相ずれの大きさに基づいて、媒体の後端が第1音波センサ115の位置を通過したか否かと、媒体の後端が第2音波センサ116の位置を通過したか否かと、を判定してもよい。その場合、判定部152は、前回受信した第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第3位相閾値以上であり且つ今回受信した第1音波信号に示される位相ずれの大きさが第3音波閾値未満である場合、媒体の先端が第1音波センサ115の位置に到達したと判定する。また、判定部152は、前回受信した第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第4位相閾値以上であり且つ今回受信した第2音波信号に示される位相ずれの大きさが第4音波閾値未満である場合、媒体の先端が第2音波センサ116の位置に到達したと判定する。
【0092】
また、判定部152は、音波の大きさ及び音波の位相ずれの大きさの両方に基づいて媒体の後端が各音波センサの位置を通過したか否かを判定してもよい。例えば、判定部152は、音波の大きさと音波の位相ずれの両方が媒体が存在しないことを示す場合、媒体が音波センサの位置を通過したと判定し、何れかが媒体が存在することを示す場合、媒体が音波センサの位置を通過していないと判定する。この場合、判定部152は、媒体の後端が各音波センサを通過したか否かをより精度良く判定することができる。
【0093】
判定部152は、媒体の後端が第1音波センサ115の位置及び第2音波センサ116の位置の両方を通過してから第3所定時間が経過した時に、媒体の後端が撮像位置を通過したと判定する。第3所定時間は、媒体が第1音波センサ115の位置又は第2音波センサ116の位置から撮像装置119の撮像位置まで移動するのに要する時間に設定される。
【0094】
また、判定部152は、第2媒体センサを用いて、媒体の後端が撮像位置を通過したか否かを判定してもよい。その場合、判定部152は、第2媒体信号の信号値が、媒体が存在する状態を示す値から媒体が存在しない状態に変化した時に、媒体の後端が第2媒体センサの位置を通過したと判定する。判定部152は、媒体の後端が第2媒体センサの位置を通過してから第4所定時間が経過した時に、媒体の後端が撮像位置を通過したと判定する。第4所定時間は、媒体が第2媒体センサの位置から撮像装置119の撮像位置まで移動するのに要する時間に設定される。または、判定部152は、媒体の給送を開始してから予め定められた時間が経過した時に、媒体の後端が撮像位置を通過したと判定してもよい。
【0095】
まだ媒体の後端が撮像位置を通過していない場合、制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104以降の処理を繰り返す。
【0096】
一方、媒体の後端が撮像位置を通過した場合、制御部151は、媒体全体が撮像されたと判定する。制御部151は、撮像装置119から入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより出力する(ステップS110)。
【0097】
次に、制御部151は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS111)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104以降の処理を繰り返す。
【0098】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、モータ131を停止する。これにより、制御部151は、ピックローラ112、給送ローラ113、分離ローラ114、第1~第8搬送ローラ117a~h及び/又は第1~第8従動ローラ118a~hを停止させる(ステップS112)。以上により、制御部151は、一連のステップを終了する。
【0099】
なお、ステップS105~S106の処理は省略され、判定部152は、媒体の状態として、媒体の重送が発生したか否かを判定しなくてもよい。
【0100】
また、判定部152は、媒体の状態として、媒体のジャムが発生したか否かを判定してもよい。判定部152は、第1音波受信器115bから出力される第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力される第2音波信号に基づいて、媒体のジャムが発生したか否かを判定する。判定部152は、媒体の給送を開始してから予め定められた時間内に、媒体の先端が第1音波センサ115の位置及び第2音波センサ116の位置の何れにも到達しなかった場合、媒体のジャムが発生したと判定する。判定部152により媒体のジャムが発生したと判定された場合、制御部151は、異常処理として、モータ131を停止して、搬送部による媒体の給送及び搬送を停止する。また、制御部151は、異常処理として、媒体のジャムが発生したことを示す情報を表示装置106に表示し又はインタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより利用者に通知する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体のジャムが発生した場合に、媒体に負荷を付与し続けて媒体の損傷が発生することを抑制できる。
【0101】
また、判定部152は、媒体の状態として、媒体のスキューが発生したか否かを判定してもよい。判定部152は、第1音波受信器115bから出力される第1音波信号及び第2音波受信器116bから出力される第2音波信号に基づいて、媒体のスキューが発生したか否かを判定する。判定部152は、媒体の先端が第1音波センサ115の位置及び第2音波センサ116の位置のうちの一方に到達してから、予め定められた時間内に、他方に到達しなかった場合、媒体のスキューが発生したと判定する。判定部152により媒体のスキューが発生したと判定された場合、制御部151は、異常処理として、モータ131を停止して、搬送部による媒体の給送及び搬送を停止する。また、制御部151は、異常処理として、媒体のスキューが発生したことを示す情報を表示装置106に表示し又はインタフェース装置132を介して情報処理装置に送信することにより利用者に通知する。これにより、媒体搬送装置100は、媒体のスキューが発生した場合に、媒体が搬送路の側壁に衝突して媒体の損傷が発生することを抑制できる。
【0102】
図8は、音波信号受信処理の動作の例を示すフローチャートである。図8に示す動作のフローは、図6に示すフローチャートのステップS104において実行される。
【0103】
最初に、制御部151は、所定期間、駆動信号を出力するように駆動信号発生器121を制御する。これにより、制御部151は、所定期間、第1音波センサ115及び第2音波センサ116を駆動して、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aに音波を出力させる(ステップS201)。所定期間は、出力器123が、所定タイミングに出力された駆動信号に基づいて生成された第1音波信号を受信するタイミングと、その駆動信号に基づいて生成された第2音波信号を受信するタイミングとの時間差より短い期間に設定されてもよい。所定期間は、例えば10μsec未満の時間に設定される。
【0104】
次に、判定部152は、制御部151が駆動信号発生器121に駆動信号を出力させてから第1時間が経過するまで待機する(ステップS202)。第1時間は、制御部151が駆動信号発生器121に駆動信号を出力させてから、その駆動信号に基づいて生成された第1音波信号をA/D変換器125が出力するまでの時間に予め設定される。
【0105】
次に、判定部152は、A/D変換器125から出力された信号を受信する。これにより、判定部152は、ステップS201で駆動信号発生器121から出力された駆動信号に基づいて生成された第1音波信号を受信する(ステップS203)。
【0106】
次に、判定部152は、制御部151が駆動信号発生器121に駆動信号を出力させてから第2時間が経過するまで待機する(ステップS204)。第2時間は、制御部151が駆動信号発生器121に駆動信号を出力させてから、その駆動信号に基づいて生成された第2音波信号をA/D変換器125が出力するまでの時間に予め設定される。
【0107】
次に、判定部152は、A/D変換器125から出力された信号を受信する。これにより、判定部152は、ステップS201で駆動信号発生器121から出力された駆動信号に基づいて生成された第2音波信号を受信し(ステップS205)、一連のステップを終了する。
【0108】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、共通の駆動信号を用いる複数の音波センサから音波信号が出力されるタイミングを相互に異ならせることにより、各音波センサの駆動系及び各音波センサから出力される各音波信号の信号処理系を共通化する。これにより、媒体搬送装置100は、複数の音波センサに対して、共通の駆動信号発生器121及びA/D変換器125を利用でき、部品コストの増大を抑制できる。また、媒体搬送装置100は、一つの駆動信号発生器121を制御することにより複数の音波センサをまとめて駆動でき、且つ、複数の音波センサから出力される複数の音波信号を一つのA/D変換器125からまとめて取得できる。そのため、媒体搬送装置100は、各音波センサの駆動処理及び各音波センサから出力される各音波信号の信号処理を単純化し、各処理に関する開発コストの増大を抑制することができる。したがって、媒体搬送装置100は、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となった。
【0109】
特に、媒体搬送装置100は、第1音波発信器115aと第1音波受信器115bの間の距離D1が、第2音波発信器116aと第2音波受信器116bの間の距離D2と異なることにより、各音波信号を相互に異なるタイミングで出力する。これにより、媒体搬送装置100は、各音波信号の出力タイミングを異ならせるための特別な部品を有することなく、各音波信号を用いて媒体の状態を判定することができ、装置コストの増大をより抑制することが可能となった。
【0110】
図9は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における第1駆動信号増幅器222a及び第2駆動信号増幅器222bについて説明するための模式図である。
【0111】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図9に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、駆動信号増幅器122の代わりに、第1駆動信号増幅器222a及び第2駆動信号増幅器222bを有する。駆動信号発生器121は、駆動信号を第1駆動信号増幅器222a及び第2駆動信号増幅器222bのそれぞれに出力する。
【0112】
第1駆動信号増幅器222aは、第1増幅器の一例であり、駆動信号発生器121から出力された駆動信号を増幅して、第1音波発信器115aに出力する。第2駆動信号増幅器222bは、第2増幅器の一例であり、駆動信号発生器121から出力された駆動信号を増幅して、第2音波発信器116aに出力する。
【0113】
媒体搬送装置100は、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aに入力される駆動信号を一つの駆動信号増幅器122を用いて増幅することにより、媒体搬送装置100における部品数を低減させ、装置重量及び装置コストを低減させることができる。但し、媒体搬送装置100は、駆動信号増幅器122から出力された駆動信号を、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aの両方に入力させるために分配する。駆動信号は分配される際に減衰するため、駆動信号増幅器122は、減衰する分を考慮して、駆動信号を大きく増幅させる必要がある。駆動信号を大きく増幅させると、駆動信号の波形が歪む可能性があり、且つ、駆動信号についてのEMI(Electromagnetic Interference、電波障害/電磁妨害)の発生量が増大する可能性がある。
【0114】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aに入力される駆動信号を別個の駆動信号増幅器を用いて増幅することにより、各駆動信号増幅器を用いて増幅させた駆動信号を分配する必要がない。そのため、各駆動信号増幅器は、駆動信号を適切な大きさに増幅させることができ、駆動信号の波形の品質を向上させ、且つ、駆動信号についてのEMIの発生量を低減させることができる。
【0115】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第1音波発信器115a及び第2音波発信器116aに入力される駆動信号を別個の駆動信号増幅器を用いて増幅する場合も、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となった。
【0116】
図10は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における第1音波信号増幅器324a及び第2音波信号増幅器324bについて説明するための模式図である。
【0117】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図10に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、音波信号増幅器124の代わりに、第1音波信号増幅器324a及び第2音波信号増幅器324bを有する。第1音波受信器115bは、第1音波信号を第1音波信号増幅器324aに出力し、第2音波受信器116bは、第2音波信号を第2音波信号増幅器324bに出力する。
【0118】
第1音波信号増幅器324aは、第1増幅器の一例であり、第1音波受信器115bから出力された第1音波信号を増幅して、出力器123に出力する。第2音波信号増幅器324bは、第2増幅器の一例であり、第2音波受信器116bから出力された第2音波信号を増幅して、出力器123に出力する。出力器123には、第1音波信号増幅器324aから出力された第1音波信号及び第2音波信号増幅器324bから出力された第2音波信号が入力される。出力器123は、出力する信号を切り換え、第1音波信号増幅器324aから出力された第1音波信号及び第2音波信号増幅器324bから出力された第2音波信号のうちの何れか一方をA/D変換器125に出力する。または、出力器123は、入力された第1音波信号及び第2音波信号を合成してA/D変換器125に出力する。
【0119】
媒体搬送装置100は、A/D変換器125に入力される第1音波信号及び第2音波信号を一つの音波信号増幅器124を用いて増幅することにより、媒体搬送装置100における部品数を低減させ、装置重量及び装置コストを低減させることができる。但し、音波信号増幅器124は、出力器123により所定のタイミングで切り替えて出力された第1音波信号及び第2音波信号を増幅するため、出力器123による信号の切り替え時に発生する雑音(ノイズ)も増幅する可能性がある。一方、本実施形態に係る媒体搬送装置では、第1音波信号増幅器324a及び第2音波信号増幅器324bは、第1音波信号及び第2音波信号を、出力器123に入力する前に増幅するため、出力器123による信号の切り替え時に発生するノイズを増幅させない。そのため、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第1音波信号及び第2音波信号の品質を向上させることができる。
【0120】
また、本実施形態に係る媒体搬送装置では、各音波信号増幅器が各音波信号受信器と出力器123との間に配置されることにより、各音波信号受信器と各音波信号増幅器の間の信号線上の距離が短くなる。そのため、各音波信号受信器と各音波信号増幅器の間の信号線で発生し、各音波信号増幅器に入力されるノイズは小さくなる。したがって、本実施形態に係る媒体搬送装置は、ノイズの増幅を抑制し、第1音波信号及び第2音波信号の品質を向上させることができる。
【0121】
なお、本実施形態においても、駆動信号増幅器122の代わりに、第1駆動信号増幅器222a及び第2駆動信号増幅器222bが用いられてもよい。
【0122】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第1音波信号及び第2音波信号を別個の音波信号増幅器を用いて増幅する場合も、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となった。
【0123】
図11は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における駆動信号遅延回路426について説明するための模式図である。
【0124】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図11に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第2音波センサ116の代わりに第2音波センサ416を有し、さらに駆動信号遅延回路426を有する。第2音波センサ416は、第2音波発信器416a及び第2音波受信器416bを含む。駆動信号増幅器122は、増幅した駆動信号を第1音波発信器115a及び駆動信号遅延回路426に出力する。
【0125】
駆動信号遅延回路426は、信号遅延回路の一例である。駆動信号遅延回路426は、コンデンサ及び抵抗等を含む遅延回路であり、駆動信号増幅器122(第1音波発信器115a及び第2音波発信器416aへの信号分配部)と第2音波発信器416aとの間に配置される。駆動信号遅延回路426は、駆動信号増幅器122から入力された駆動信号を所定時間だけ遅延させて第2音波発信器416aに出力する。所定時間は、例えば10μsecに設定される。
【0126】
第2音波発信器416a及び第2音波受信器416bは、第2音波発信器116a及び第2音波受信器116bと同様の構成及び機能を有する。但し、第2音波センサ416は、第2音波発信器416aと第2音波受信器416bの間の距離が、第1音波発信器115aと第1音波受信器115bの間の距離D1と同じになるように配置される。
【0127】
なお、駆動信号遅延回路は、駆動信号増幅器122(信号分配部)と第1音波発信器115aの間に配置され、駆動信号増幅器122から入力された駆動信号を遅延させて第1音波発信器115aに出力してもよい。図9に示したように、第1駆動信号増幅器222a及び第2駆動信号増幅器222bが設けられる場合、駆動信号遅延回路は、駆動信号発生器121(信号分配部)と第2駆動信号増幅器222bの間に配置され、駆動信号発生器121から入力された駆動信号を遅延させて第2駆動信号増幅器222bに出力してもよい。または、駆動信号遅延回路は、第2駆動信号増幅器222bと第2音波発信器416aの間に配置され、第2駆動信号増幅器222bから入力された駆動信号を遅延させて第2音波発信器416aに出力してもよい。または、駆動信号遅延回路は、駆動信号発生器121(信号分配部)と第1駆動信号増幅器222aの間に配置され、駆動信号発生器121から入力された駆動信号を遅延させて第1駆動信号増幅器222aに出力してもよい。または、駆動信号遅延回路は、第1駆動信号増幅器222aと第1音波発信器115aの間に配置され、第1駆動信号増幅器222aから入力された駆動信号を遅延させて第1音波発信器115aに出力してもよい。
【0128】
本実施形態に係る媒体搬送装置では、駆動信号発生器121と第1音波発信器又は第2音波発信器との間に駆動信号遅延回路が設けられることにより、出力器123は、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで処理回路150に出力する。これにより、媒体搬送装置は、音波センサの配置位置の製造誤差の影響等を低減し、第1音波信号と第2音波信号の時間差を確実且つ高精度に設定できる。また、媒体搬送装置では、各音波センサにおける音波発信器と音波受信器の間の距離が同一であることにより、設計及び実装を容易にすることが可能となる。
【0129】
なお、本実施形態においても、音波信号増幅器124の代わりに、第1音波信号増幅器324a及び第2音波信号増幅器324bが用いられてもよい。
【0130】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、駆動信号遅延回路により駆動信号を遅延させる場合も、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となった。
【0131】
図12は、さらに他の実施形態に係る媒体搬送装置における音波信号遅延回路526について説明するための模式図である。
【0132】
本実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置100が有する各部を有する。但し、図12に示すように、本実施形態に係る媒体搬送装置は、第2音波センサ116の代わりに第2音波センサ416を有し、さらに音波信号遅延回路526を有する。
【0133】
音波信号遅延回路526は、信号遅延回路の一例である。音波信号遅延回路526は、コンデンサ及び抵抗等を含む遅延回路であり、第2音波受信器416bと出力器123との間に配置される。第2音波受信器416bは、第2音波信号を音波信号遅延回路526に出力する。音波信号遅延回路526は、第2音波受信器416bから入力された音波信号を所定時間だけ遅延させて出力器123に出力する。所定時間は、例えば10μsecに設定される。
【0134】
なお、音波信号遅延回路は、第1音波受信器115bと出力器123の間に配置され、第1音波受信器115bから入力された駆動信号を遅延させて出力器123に出力してもよい。図10に示したように、第1音波信号増幅器324a及び第2音波信号増幅器324bが設けられる場合、音波信号遅延回路は、第2音波受信器416bと第2音波信号増幅器324bの間に配置され、第2音波受信器416bから入力された音波信号を遅延させて第2音波信号増幅器324bに出力してもよい。または、音波信号遅延回路は、第2音波信号増幅器324bと出力器123の間に配置され、第2音波信号増幅器324bから入力された音波信号を遅延させて出力器123に出力してもよい。または、音波信号遅延回路は、第1音波受信器115bと第1音波信号増幅器324aの間に配置され、第1音波受信器115bから入力された音波信号を遅延させて第1音波信号増幅器324aに出力してもよい。または、音波信号遅延回路は、第1音波信号増幅器324aと出力器123の間に配置され、第1音波信号増幅器324aから入力された音波信号を遅延させて出力器123に出力してもよい。
【0135】
このように、本実施形態に係る媒体搬送装置では、第1音波受信器又は第2音波受信器と出力器との間に音波信号遅延回路が設けられることにより、出力器123は、第1音波信号及び第2音波信号を相互に異なるタイミングで処理回路150に出力する。これにより、媒体搬送装置は、音波センサの配置位置の製造誤差の影響等を低減し、第1音波信号と第2音波信号の時間差を確実且つ高精度に設定できる。また、媒体搬送装置では、各音波センサにおける音波発信器と音波受信器の間の距離が同一であることにより、設計及び実装を容易にすることが可能となる。
【0136】
なお、本実施形態においても、駆動信号増幅器122の代わりに、第1駆動信号増幅器222a及び第2駆動信号増幅器222bが用いられてもよい。
【0137】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、音波信号遅延回路により音波信号を遅延させる場合も、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となった。
【0138】
図13は、他の実施形態に係る媒体搬送装置の処理回路650の概略構成を示す図である。
【0139】
処理回路650は、処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路650は、制御回路651及び判定回路652等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0140】
制御回路651は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路651は、操作装置105又はインタフェース装置132から操作信号を、媒体センサ111から媒体信号を、判定回路652から媒体の状態の判定結果を受信し、受信した各情報に基づいて、モータ131を制御して媒体を搬送する。制御回路651は、撮像装置119から入力画像を取得し、インタフェース装置132に出力する。また、制御回路651は、駆動信号を出力するように駆動信号発生器121を制御する。
【0141】
判定回路652は、判定部の一例であり、判定部152と同様の機能を有する。判定回路652は、A/D変換器125から第1音波信号及び第2音波信号を受信し、受信した第1音波信号及び第2音波信号に基づいて媒体の状態を判定し、判定結果を制御回路651に出力する。
【0142】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路650を用いる場合も、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することが可能となった。
【0143】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、各音波センサの数は、二つに限定されず、三つ以上の任意の数でもよい。その場合、各音波センサは、相互に異なる任意の位置に配置される。各音波センサは、各音波センサが有する音波発信器と音波受信器の間の距離が相互に異なるように配置される。または、駆動信号発生器121と各音波発信器の間、又は、各音波受信器と出力器123の間に信号遅延回路が設けられる。これにより、出力器123は、各音波センサが有する音波受信器から出力される音波信号を相互に異なるタイミングで出力するように設けられる。判定部152は、各音波センサから出力された各音波信号に基づいて、媒体の状態を判定する。
【0144】
また、媒体搬送装置は、いわゆるストレートパスを有し、載置台に載置された媒体を下側から順に給送及び搬送し、排出台に排出してもよい。その場合、分離ローラは、給送ローラの上方に、給送ローラに対向して配置される。この場合も、媒体搬送装置は、装置コストの増大を抑制しつつ媒体の状態を適切に判定することができる。
【符号の説明】
【0145】
100 媒体搬送装置、112 ピックローラ、113 給送ローラ、114 分離ローラ、117a~h 第1~第8搬送ローラ、118a~h 第1~第8従動ローラ、115a 第1音波発信器、115b 第1音波受信器、116a、416a 第2音波発信器、116b、416b 第2音波受信器、121 駆動信号発生器、122 駆動信号増幅器、123 出力器、124 音波信号増幅器、152 判定部、222a 第1駆動信号増幅器、222b 第2駆動信号増幅器、324a 第1音波信号増幅器、324b 第2音波信号増幅器、426 駆動信号遅延回路、526 音波信号遅延回路
図1
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図13