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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060862
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 304D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168418
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正範
(72)【発明者】
【氏名】大島 健志
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 淳
(72)【発明者】
【氏名】奥薗 孝太
(72)【発明者】
【氏名】八木 岳史
(72)【発明者】
【氏名】種田 希望
(72)【発明者】
【氏名】加古 剛生
(72)【発明者】
【氏名】奥田 康人
(72)【発明者】
【氏名】逵井 真嘉
(72)【発明者】
【氏名】小澤 航
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088BC07
2C088BC58
2C333AA11
2C333CA13
2C333CA22
2C333CA49
2C333CA56
2C333CA58
2C333GA04
(57)【要約】
【課題】遊技者の遊技への意欲の低下を抑制することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】副制御CPUは、楽曲演出を制限する制限モードを設定する制御が可能である。制限モードの非設定中は通常出力情報に定められた態様で楽曲演出が実行される一方で、制限モードの設定中は制限出力情報に定められた態様で楽曲演出が実行される。そして、副制御CPUは、制限モードの設定中にパチンコ遊技機が電断された場合、その後に復電したときには、復電されてから特定期間にわたって楽曲演出を制限する一方で、特定期間の経過後には楽曲演出を制限しないように制御する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、
演出に関する情報を記憶する記憶手段と、を備え、
前記演出実行手段が実行する演出には、特定演出があり、
前記記憶手段には、前記特定演出の態様を定めた情報として、第1情報と、第2情報と、が記憶されており、
前記演出制御手段は、前記特定演出を制限する制限モードを設定する制御が可能であり、
前記制限モードの設定中に遊技機への電力供給が遮断された場合、その後に遊技機への電力供給が再開されたときには、遊技機への電力供給が再開されてから特定期間にわたって前記特定演出が制限される一方で、前記特定期間の経過後には前記特定演出が制限されないようになっており、
前記制限モードの非設定中は、前記第1情報に定められた態様で前記特定演出が実行される一方で、
前記制限モードの設定中は、前記第2情報に定められた態様で前記特定演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、各種の演出が実行されている。例えば、特許文献1の遊技機では、特定の楽曲を出力するとともに、当該楽曲の歌詞を表示する演出が実行されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-057736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技機の演出において使用される画像や楽曲は、二次利用が制限される場合がある。このことは、遊技機を遊技する様子を動画に撮影し、当該動画を公開しようとする遊技者にとって、撮影した動画を加工する必要が生じるため、動画の撮影意欲が低下し、ひいては遊技者の遊技への意欲を低下させてしまう虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、演出に関する情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記演出実行手段が実行する演出には、特定演出があり、前記記憶手段には、前記特定演出の態様を定めた情報として、第1情報と、第2情報と、が記憶されており、前記演出制御手段は、前記特定演出を制限する制限モードを設定する制御が可能であり、前記制限モードの設定中に遊技機への電力供給が遮断された場合、その後に遊技機への電力供給が再開されたときには、遊技機への電力供給が再開されてから特定期間にわたって前記特定演出が制限される一方で、前記特定期間の経過後には前記特定演出が制限されないようになっており、前記制限モードの非設定中は、前記第1情報に定められた態様で前記特定演出が実行される一方で、前記制限モードの設定中は、前記第2情報に定められた態様で前記特定演出が実行されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技者の遊技への意欲の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パチンコ遊技機を示す斜視図である。
図2】遊技盤を示す正面図である。
図3】楽曲演出の種類と演出の実行態様を示す説明図である。
図4】(a)~(h)は、楽曲演出の演出態様を示す説明図である。
図5】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図6】制限モードの解除条件を示す説明図である。
図7】楽曲演出実行処理を示すフローチャートである。
図8】楽曲演出が実行される場合の遊技の流れの具体的な一例を示すタイミングチャートである。
図9】楽曲演出が実行される場合の遊技の流れの具体的な一例を示すタイミングチャートである。
図10】楽曲演出が実行される場合の遊技の流れの具体的な一例を示すタイミングチャートである。
図11】第2実施形態において楽曲演出が実行される場合の遊技の流れの具体的な一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機の第1実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
【0009】
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、パチンコ遊技機10を遊技店などの島設備に固定するための設置枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、を含んで構成される。搭載枠11bは、設置枠11aに対して開閉可能となるように、設置枠11aの開口部の一側縁部に対して軸支されている。パチンコ遊技機10は、搭載枠11bが開放されないように施錠する施錠装置11cを備える。施錠装置11cは、該施錠装置11cに適合する鍵を差し込んで所定方向へ回動させることにより解錠され、搭載枠11bの開放を許容するように構成されている。
【0010】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBは、搭載枠11bに搭載されている。遊技盤YBの前面側には、遊技媒体としての遊技球が流下する遊技領域YBaが形成されている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDを備える。発射ハンドルHDは、遊技球を遊技領域YBaへ打ち出すときに操作される手段である。発射ハンドルHDは、搭載枠11bの前面側に設けられている。パチンコ遊技機10は、発射ハンドルHDの回動操作量を調整することによって、遊技球の発射強度を調整できるように構成される。
【0011】
パチンコ遊技機10は、所定の操作が可能な操作手段として操作ボタンBTを備える。本実施形態において、操作ボタンBTは、パチンコ遊技機10の前面側に配設されている。本実施形態において、操作ボタンBTは、押下操作を可能に構成されたボタン式の手段である。操作ボタンBTは、ボタン式であることに限らず、タッチセンサ式であってもよく、所定の表示装置をタッチパネル式の手段として機能させる構成であってもよい。
【0012】
パチンコ遊技機10は、発光手段としての装飾ランプLaを備える。装飾ランプLaは、発光体の発光により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、発光体の発光による演出を「発光演出」と示す。即ち、装飾ランプLaは、発光体を発光させて行う発光演出を実行可能である。本実施形態において、装飾ランプLaは、演出を実行する演出実行手段に相当する。なお、本明細書における「発光」には、点灯、点滅、及び消灯を含む。以下の説明では、装飾ランプLaの発光体が発光することを、単に「装飾ランプLaが発光する」と示す場合がある。
【0013】
パチンコ遊技機10は、音声出力手段としてのスピーカSpを備える。スピーカSpは、音声の出力により各種の報知及び各種の演出を実行可能である。以下の説明では、音声の出力による演出を「音声演出」と示す。本実施形態において、スピーカSpは、演出を実行する演出実行手段に相当する。なお、本明細書における「音声」には、人や動物の声、効果音、及び楽曲などを含む。スピーカSpは、例えば、枠体11に設けられる。
【0014】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、情報表示装置12を備えている。例えば、情報表示装置12は、遊技盤YBにおいて、遊技者から視認可能な位置に配設されている。情報表示装置12では、パチンコ遊技機10の制御状態を示す各種の情報が報知される。
【0015】
情報表示装置12は、図柄を変動させて行う変動ゲームとしての特別ゲームを表示可能な表示部として、第1特別図柄表示部12a及び第2特別図柄表示部12bを備える。特別ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に特別図柄が確定停止表示される。特別図柄は、内部抽選(後述する当り抽選)の結果を報知するための図柄である。第1特別図柄表示部12aは、第1特別ゲームを表示する。第2特別図柄表示部12bは、第2特別ゲームを表示する。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味する。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味する。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。パチンコ遊技機10において、第2特別ゲームは、第1特別ゲームに対して優先的に実行される。第1特別ゲーム及び第2特別ゲームは、同時に並行して実行されない。特別図柄には、当り表示結果としての当り図柄と、はずれ表示結果としてのはずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、当り抽選にて当りに当選すると、特別ゲームにて当り図柄が導出され、該当りの特別ゲームの終了後、当り遊技が付与される。本実施形態における当りは全て大当りであり、当り図柄は全て大当り図柄である。このため、本実施形態では、当りの特別ゲームの終了後には大当り遊技が付与される。
【0016】
情報表示装置12は、特別ゲームの保留数を特定可能な情報を表示する表示部として、第1特別保留表示部12c及び第2特別保留表示部12dを備える。第1特別保留表示部12cは、第1特別ゲームの保留数(以下、第1特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2特別保留表示部12dは、第2特別ゲームの保留数(以下、第2特別保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。例えば、第1特別保留数及び第2特別保留数の上限値は、4である。
【0017】
情報表示装置12は、普通図柄表示部12eを備える。普通図柄表示部12eは、普通ゲームを表示する。普通ゲームでは、所定の図柄が変動表示され、最終的に普通図柄が確定停止表示される。普通図柄は、内部抽選(後述する普通抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り表示結果としての普通当り図柄と、普通はずれ表示結果としての普通はずれ図柄とがある。パチンコ遊技機10では、普通抽選にて普通当りに当選すると、普通ゲームにて普通当り図柄が導出され、該普通当りの普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。情報表示装置12は、普通保留表示部12fを備える。普通保留表示部12fは、普通ゲームの保留数(以下、普通保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0018】
パチンコ遊技機10は、情報を表示する情報表示手段としての演出表示装置EHを備えている。演出表示装置EHは、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置である。なお、演出表示装置EHは、有機ELディスプレイ型の表示装置であってもよく、プロジェクタとスクリーンとを含んで構成された表示装置であってもよい。演出表示装置EHは、情報としての画像が表示される画像表示部GHを備えている。演出表示装置EHは、演出の1つとして、所定のキャラクタや文字を模した画像(絵柄)を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置EHは、演出を実行する演出実行手段に相当する。
【0019】
演出表示装置EHでは、表示演出の1つとして、変動ゲームとしての演出ゲームが表示される。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の図柄組合せが導出される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、本実施形態の演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0020】
演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで導出される特別図柄に応じた演出図柄の図柄組合せが導出される。演出図柄の図柄組合せには、はずれ表示結果としてのはずれの図柄組合せと、大当り表示結果としての大当りの図柄組合せと、がある。特別ゲームにおいて大当り図柄が導出されるとき、演出ゲームでは大当りの図柄組合せが導出される。大当りの図柄組合せは、「777」などのように全列の演出図柄が同一の演出図柄となる図柄組合せである。また、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出されるとき、演出ゲームでははずれの図柄組合せが導出される。はずれの図柄組合せは、一例として、「778」や「787」などのように少なくとも一部列の演出図柄が他列の演出図柄とは異なる図柄組合せである。本明細書において、「一旦停止表示」とは、ゆれ変動表示などのように、演出図柄が確定停止表示される前の仮停止状態である。なお、以下の説明では、特別ゲームと演出ゲームとをまとめて「変動ゲーム」と示す場合がある。
【0021】
遊技盤YBには、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第1始動口13が形成されている。第1始動口13は、遊技球を入球させることができるように、常に開口している。パチンコ遊技機10は、第1始動口13へ入球した遊技球を検知する第1始動センサSE1を備える(図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第1始動センサSE1によって検知されると、第1特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。
【0022】
遊技盤YBには、遊技領域YBaに開口する入賞口としての第2始動口14が形成されている。パチンコ遊技機10は、第2始動口14へ入球した遊技球を検知する第2始動センサSE2を備える(図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球が第2始動センサSE2によって検知されると、第2特別ゲームの保留条件が成立し得るとともに、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が第2始動口14へ入球可能な開状態と、遊技球が第2始動口14へ入球不能な閉状態と、に動作可能な普通可変部材15を備える。閉状態は、遊技球が第2始動口14へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、普通可変部材15を動作させる第1アクチュエータA1を備える(図5に示す)。普通可変部材15は、普通当り遊技において、開状態に動作される。
【0023】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaに開口する入賞口としての大入賞口16が形成されている。パチンコ遊技機10は、大入賞口16へ入球した遊技球を検知するカウントセンサSE3を備える(図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球がカウントセンサSE3によって検知されると、予め定めた個数の賞球の払出条件が成立する。パチンコ遊技機10は、遊技球が大入賞口16へ入球可能な開状態と、遊技球が大入賞口16へ入球不能な閉状態と、に動作可能な特別可変部材17を備える。閉状態は、遊技球が大入賞口16へ入球し得るが、開状態に比して入球し難い状態であってもよい。パチンコ遊技機10は、特別可変部材17を動作させる第2アクチュエータA2を備える(図5に示す)。特別可変部材17は、大当り遊技において、開状態に動作される。
【0024】
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaを流下する遊技球が通過(入球)可能なゲート25を備える。パチンコ遊技機10は、ゲート25を通過する遊技球を検知するゲートセンサSE4を備える(図5に示す)。パチンコ遊技機10では、遊技球がゲートセンサSE4によって検知されると、普通ゲームの保留条件が成立し得る一方、賞球の払出条件が成立しないように構成されている。
【0025】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2始動口14への遊技球の入球を補助する入球補助機能を搭載している。
【0026】
入球補助機能は、普通電動役物としての第2始動口14への入賞をサポートする機能であり、所謂「電サポ機能」である。パチンコ遊技機10は、第2始動口14への遊技球の入球率が異なる状態として、複数の入球率状態を備える。複数の入球率状態には、低入球率状態と、該低入球率状態に比して、入球率が高い高入球率状態と、がある。入球補助機能が作動すると、入球率状態が低入球率状態から高入球率状態に移行し、第2特別ゲームの始動条件を成立させ易くなる。このため、高入球率状態は、遊技者にとって有利な状態となる。
【0027】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの補助制御のうち任意に選択できる1つの制御を実行することによって、又は複数の制御を組み合わせて実行することによって実現できる。第1補助制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする制御である。第2補助制御は、普通抽選における普通当り確率を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる制御である。第2補助制御は、低入球率状態では、普通抽選そのものを行わないが、高入球率状態では、所定の当選確率にて普通抽選を行う制御であってもよい。第3補助制御は、1回の普通当り遊技における普通可変部材15の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御である。なお、第3補助制御としては、1回の普通当り遊技における普通可変部材15の開放回数を、低入球率状態のときよりも多くする制御、及び、普通当り遊技における普通可変部材15の1回の開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を行うとよい。
【0028】
次に、パチンコ遊技機10における大当りについて説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の大当り図柄として、複数種類の大当り図柄を備える。大当り図柄の種類は、大当りの種類でもある。大当り図柄は、1又は複数の種類に分類される。パチンコ遊技機10では、大当り図柄の種類(大当りの種類)に応じて大当り遊技が付与される。
【0029】
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を特定可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口16を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球するか、又は、予め定めた上限時間が経過すると終了される。ラウンド遊技において、大入賞口16は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を特定可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0030】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技の終了後、予め定めた作動回数(本実施形態では100回)の特別ゲームが終了する迄、又は、次回の大当り遊技が付与される迄の間にわたって、高入球率状態に制御することが定められている。
【0031】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出の一例について説明する。
図3に示すように、本実施形態において実行可能な演出には、所定の楽曲を出力する楽曲演出がある。本実施形態の楽曲演出には、出力する楽曲がそれぞれ異なる複数種類の楽曲演出がある。具体的に、本実施形態の楽曲演出には、第1楽曲を出力する第1楽曲演出と、第2楽曲を出力する第2楽曲演出と、第3楽曲を出力する第3楽曲演出と、第4楽曲を出力する第4楽曲演出と、を含む。
【0032】
複数種類の楽曲演出は、実行可能なタイミングがそれぞれ定められている。第1楽曲演出及び第2楽曲演出は、変動ゲームの実行中及び待機状態中に実行可能である。具体的に、第1楽曲演出及び第2楽曲演出は、変動ゲームが開始される開始条件の成立を契機として開始される。また、第1楽曲演出及び第2楽曲演出は、別の楽曲演出が開始される第1終了条件、又は、待機状態に移行してから規定時間が経過する第2終了条件の成立を契機として終了される。第3楽曲演出及び第4楽曲演出は、大当り遊技中に実行可能である。具体的に、第3楽曲演出及び第4楽曲演出は、大当り遊技が開始される開始条件の成立を契機として開始される。また、第3楽曲演出及び第4楽曲演出は、大当り遊技が終了する終了条件の成立を契機として終了される。
【0033】
本実施形態の楽曲演出では、出力される楽曲に対応したキャラクタ画像が演出表示装置EHに表示される。また、本実施形態の楽曲演出では、出力される楽曲に関する楽曲情報が演出表示装置EHに表示される。楽曲情報には、出力される楽曲の曲名を示す曲名情報と、出力される楽曲の歌詞を示す歌詞情報と、がある。具体的に、第1楽曲演出及び第2楽曲演出では、楽曲情報のうち曲名情報を表示可能である。また、第3楽曲演出及び第4楽曲演出では、楽曲情報のうち曲名情報と歌詞情報とを表示可能である。即ち、本実施形態では、変動ゲームの実行中及び待機状態中は、楽曲演出において楽曲情報のうち曲名情報が表示される場合がある。また、本実施形態では、大当り遊技中は、楽曲情報のうち曲名情報と歌詞情報とが表示される場合がある。
【0034】
本実施形態の楽曲演出において、キャラクタ画像及び歌詞情報は、楽曲演出が開始されてから経過した時間に応じて表示態様が変化する。言い換えれば、本実施形態の楽曲演出において、キャラクタ画像及び歌詞情報は、出力される楽曲に同期して表示態様が変化する。
【0035】
本実施形態において、第1楽曲演出、第2楽曲演出、第3楽曲演出、及び第4楽曲演出の各楽曲演出は、何れも演出表示装置EH及びスピーカSpにより実行される演出である。即ち、本実施形態において、第1楽曲演出、第2楽曲演出、第3楽曲演出、及び第4楽曲演出の各楽曲演出は、同一種類の演出実行手段により実行される演出であるといえる。
【0036】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、楽曲演出を制限する制限モードを設定可能に構成されている。本実施形態の制限モードでは、一部の楽曲演出について、制限モードの非設定中とは異なる実行態様で楽曲演出が実行されることにより、楽曲演出が制限される。
【0037】
ここで、各楽曲演出の実行態様について詳しく説明する。
まず、制限モードの非設定中における各楽曲演出の実行態様について説明する。
図4(a)に示すように、制限モードの非設定中である場合、第1楽曲演出では、スピーカSpから第1楽曲が出力される。また、制限モードの非設定中である場合、第1楽曲演出では、演出表示装置EHにおいて、キャラAを模したキャラクタ画像CGが表示されるとともに、楽曲情報MJとして、第1楽曲の曲名を示す曲名情報TJが表示される。
【0038】
図4(b)に示すように、制限モードの非設定中である場合、第2楽曲演出では、スピーカSpから第2楽曲が出力される。また、制限モードの非設定中である場合、第2楽曲演出では、演出表示装置EHにおいて、キャラBを模したキャラクタ画像CGが表示されるとともに、楽曲情報MJとして、第2楽曲の曲名を示す曲名情報TJが表示される。
【0039】
図4(c)に示すように、制限モードの非設定中である場合、第3楽曲演出では、スピーカSpから第3楽曲が出力される。また、制限モードの非設定中である場合、第3楽曲演出では、演出表示装置EHにおいて、キャラCを模したキャラクタ画像CGが表示されるとともに、楽曲情報MJとして、第3楽曲の曲名を示す曲名情報TJと、第3楽曲の歌詞を示す歌詞情報LJが表示される。
【0040】
図4(d)に示すように、制限モードの非設定中である場合、第4楽曲演出では、スピーカSpから第4楽曲が出力される。また、制限モードの非設定中である場合、第4楽曲演出では、演出表示装置EHにおいて、キャラDを模したキャラクタ画像CGが表示されるとともに、楽曲情報MJとして、第4楽曲の曲名を示す曲名情報TJと、第4楽曲の歌詞を示す歌詞情報LJが表示される。
【0041】
このように、制限モードの非設定中である場合、各楽曲演出では、楽曲演出の種類に応じた楽曲が出力されるとともに、キャラクタ画像CG及び楽曲情報MJが表示される。
次に、制限モードの設定中である場合の各楽曲演出の実行態様について説明する。制限モードの設定中である場合には、演出表示装置EHにおいて、制限モードの設定中であることを示す制限中情報SJが表示される。本実施形態において、制限中情報SJは、「楽曲制限中」の文字列を模した画像である。
【0042】
図4(e),(g)に示すように、第1楽曲演出及び第3楽曲演出は、制限モードの設定中であっても、制限モードの非設定中であるときと同様の実行態様で実行される。具体的に、第1楽曲演出では、制限モードの設定中であっても、スピーカSpから第1楽曲が出力されるとともに、演出表示装置EHにおいて、キャラAを模したキャラクタ画像CG、及び第1楽曲の曲名を示す曲名情報TJが表示される。また、第3楽曲演出では、制限モードの設定中であっても、スピーカSpから第3楽曲が出力されるとともに、演出表示装置EHにおいて、キャラCを模したキャラクタ画像CG、第3楽曲の曲名を示す曲名情報TJ、及び第3楽曲の歌詞を示す歌詞情報LJが表示される。
【0043】
一方、図4(f),(h)に示すように、第2楽曲演出及び第4楽曲演出は、制限モードの設定中である場合、制限モードの非設定中であるときとは異なる実行態様で実行される。具体的に、第2楽曲演出では、制限モードの設定中である場合、スピーカSpから第2楽曲が出力されず、演出表示装置EHにおいて、第2楽曲の曲名を示す曲名情報TJが表示されない。一方で、第2楽曲演出では、制限モードの設定中である場合であっても、演出表示装置EHにおいて、キャラBを模したキャラクタ画像CGが表示される。また、第4楽曲演出では、制限モードの設定中である場合、スピーカSpから第4楽曲が出力されず、演出表示装置EHにおいて、第4楽曲の曲名を示す曲名情報TJ及び第4楽曲の歌詞を示す歌詞情報LJが表示されない。一方で、第4楽曲演出では、制限モードの設定中である場合であっても、演出表示装置EHにおいて、キャラDを模したキャラクタ画像CGが表示される。
【0044】
このように、第2楽曲演出及び第4楽曲演出では、制限モードの設定中である場合、キャラクタ画像CGが表示される一方で、楽曲演出の種類に応じた楽曲が出力されず、楽曲情報MJが表示されない。一方、第1楽曲演出及び第3楽曲演出では、制限モードの設定中である場合であっても、制限モードの非設定中であるときと同様に、楽曲演出の種類に応じた楽曲が出力されるとともに、キャラクタ画像CG及び楽曲情報MJが表示される。即ち、本実施形態では、制限モードの設定中である場合、楽曲演出のうち第2楽曲演出及び第4楽曲演出が制限される一方で、第1楽曲演出及び第3楽曲演出が制限されない。言い換えれば、本実施形態において、第2楽曲演出及び第4楽曲演出は制限モードによる制限の対象となる楽曲演出であり、第1楽曲演出及び第3楽曲演出は制限モードによる制限の対象とならない楽曲演出である。
【0045】
なお、以下の説明では、各楽曲演出について、楽曲演出に対応する楽曲が出力されるとともに、出力される楽曲に対応する楽曲情報及びキャラクタ画像が表示される態様を「通常態様」と示す場合がある。また、各楽曲演出について、楽曲演出に対応する楽曲が出力されず、キャラクタ画像が表示される一方で出力される楽曲に対応する楽曲情報が表示されない態様を「制限態様」と示す場合がある。本実施形態において、第1楽曲演出及び第3楽曲演出は、制限モードの設定中であるか否かによらず通常態様で実行される。また、第2楽曲演出及び第4楽曲演出は、制限モードの非設定中は通常態様で実行される一方で、制限モードの設定中は制限態様で実行される。
【0046】
本実施形態において、第2楽曲演出及び第4楽曲演出は、制限モードの設定中に制限される特定演出に相当し、第1楽曲演出及び第3楽曲演出は、制限モードの設定中であっても制限されない特別演出に相当する。また、本実施形態において、第2楽曲及び第4楽曲は、特定楽曲に相当し、第2楽曲に関する楽曲情報及び第4楽曲に関する楽曲情報は、特定情報に相当する。即ち、本実施形態の制限モードでは、第2楽曲演出及び第4楽曲演出の各楽曲演出について、楽曲演出における楽曲の出力と、演出表示装置EHによる楽曲情報の表示とが制限される。
【0047】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成を説明する。
図5に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板30を備える。主制御基板30は、所定の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板31を備える。主制御基板30と、副制御基板31とは、主制御基板30から副制御基板31へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板31は、主制御基板30から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0048】
まず、主制御基板30について詳しく説明する。
主制御基板30は、主制御CPU30aと、主制御ROM30bと、主制御RAM30cと、を備えている。主制御CPU30aは、主制御プログラムを実行することにより、各種の処理を行う。
【0049】
主制御ROM30bは、主制御プログラムや、所定の抽選に用いられる判定値などを記憶している。また、主制御ROM30bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始されてから、特別ゲームが終了される迄の変動時間を特定可能な情報である。また、本実施形態の変動パターンは、演出ゲームの演出内容を特定可能な情報である。即ち、本実施形態の変動パターンは、変動ゲームの変動内容を特定可能な情報である。本実施形態の変動パターンには、大当り判定においてはずれと判定されたときに決定可能なはずれ変動パターンと、大当り判定において大当りと判定されたときに決定可能な大当り変動パターンとがある。
【0050】
主制御RAM30cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。主制御RAM30cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、主制御基板30は、乱数を生成可能に構成されている。例えば、乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0051】
主制御CPU30aと、第1始動センサSE1、第2始動センサSE2、カウントセンサSE3、及びゲートセンサSE4とは、接続されている。主制御CPU30aは、各センサが遊技球を検知した際に出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU30aと、情報表示装置12(第1特別図柄表示部12a、第2特別図柄表示部12b、第1特別保留表示部12c、第2特別保留表示部12d、普通図柄表示部12e、普通保留表示部12f)とは、接続されている。主制御CPU30aは、情報表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。主制御CPU30aと、第1アクチュエータA1及び第2アクチュエータA2とは、接続されている。主制御CPU30aは、各アクチュエータの動作を制御可能に構成されている。
【0052】
次に、副制御基板31について説明する。
副制御基板31と、主制御基板30とは、接続されている。パチンコ遊技機10では、主制御基板30から副制御基板31への一方向に制御信号を出力可能に構成されている。
【0053】
副制御基板31は、副制御CPU31aと、副制御ROM31bと、副制御RAM31cと、を備えている。副制御CPU31aは、副制御プログラムを実行することにより、各種の処理(例えば、演出に関する処理)を行う。
【0054】
副制御ROM31bは、副制御プログラムや、抽選に用いられる判定値などを記憶している。副制御ROM31bは、表示演出に関する表示演出データ、発光演出に関する発光演出データ、及び音声演出に関する音声演出データを記憶している。
【0055】
具体的に、副制御ROM31bは、楽曲演出に用いる音声演出データとして、各楽曲演出に対応する複数の出力情報を記憶している。例えば、副制御ROM31bは、楽曲演出に対応する出力情報として、通常出力情報を記憶している。通常出力情報は、制限モードの非設定中に参照される音声演出データである。本実施形態の通常出力情報には、第1通常出力情報と、第2通常出力情報と、第3通常出力情報と、第4通常出力情報と、がある。第1通常出力情報は、第1楽曲演出に対応する音声演出データであって、第1楽曲の情報が記憶された音声演出データである。第2通常出力情報は、第2楽曲演出に対応する音声演出データであって、第2楽曲の情報が記憶された音声演出データである。第3通常出力情報は、第3楽曲演出に対応する音声演出データであって、第3楽曲の情報が記憶された音声演出データである。第4通常出力情報は、第4楽曲演出に対応する音声演出データであって、第4楽曲の情報が記憶された音声演出データである。
【0056】
また、副制御ROM31bは、楽曲演出に対応する出力情報として、制限出力情報を記憶している。制限出力情報は、制限モードの設定中に参照される音声演出データである。本実施形態の制限出力情報には、第2制限出力情報と、第4制限出力情報と、がある。第2制限出力情報は、第2楽曲演出に対応する音声演出データであって、第2楽曲と同じ時間尺の無音の音声演出データである。第4制限出力情報は、第4楽曲演出に対応する音声演出データであって、第4楽曲と同じ時間尺の無音の音声演出データである。なお、本実施形態において、副制御ROM31bは、第1楽曲演出及び第3楽曲演出に対応する制限出力情報を記憶しておらず、制限モードの設定中であるときであっても、第1楽曲演出及び第3楽曲演出においては通常出力情報が参照される。
【0057】
本実施形態において、副制御ROM31bは、演出に関する情報を記憶する記憶手段に相当する。また、本実施形態において、通常出力情報は、楽曲演出の態様を定めた情報のうち第1情報に相当し、制限出力情報は、楽曲演出の態様を定めた情報のうち第2情報に相当する。
【0058】
副制御RAM31cは、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる様々な情報を記憶可能に構成されている。副制御RAM31cが記憶する情報は、例えばフラグ、カウンタ、及びタイマなどである。また、副制御基板31は、乱数を生成可能に構成されている。乱数は、ハードウェア乱数として生成されてもよく、ソフトウェア乱数として生成されてもよい。
【0059】
副制御CPU31aと、演出表示装置EHとは、接続されている。副制御CPU31aは、演出表示装置EHの表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、装飾ランプLaとは、接続されている。副制御CPU31aは、装飾ランプLaの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU31aと、スピーカSpとは、接続されている。副制御CPU31aは、スピーカSpの出力態様を制御可能に構成されている。即ち、本実施形態において、副制御CPU31aは、演出実行手段を制御する演出制御手段として機能する。副制御CPU31aは、操作ボタンBTと接続されている。副制御CPU31aは、操作ボタンBTが操作されたときに出力する操作信号(オン信号)を入力可能に構成されている。
【0060】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、機外部からパチンコ遊技機10への電力供給が遮断された後に主制御基板30及び副制御基板31に電力を供給可能な図示しないバックアップ電源を備えている。バックアップ電源は、例えばキャパシタや二次電池である。主制御基板30は、機外部からパチンコ遊技機10に電力が供給されているときには、パチンコ遊技機10から電力が供給されることにより、主制御RAM30cにおいて各種の情報を記憶保持可能である。一方で、主制御基板30は、機外部からパチンコ遊技機10への電力供給が遮断された後には、バックアップ電源から電力が供給されることにより、主制御RAM30cにおいて、各種の情報のうち一部又は全部の情報を記憶保持(バックアップ)可能である。同様に、副制御基板31は、機外部からパチンコ遊技機10に電力が供給されているときには、パチンコ遊技機10から電力が供給されることにより、副制御RAM31cにおいて各種の情報を記憶保持可能である。一方で、副制御基板31は、機外部からパチンコ遊技機10への電力供給が遮断された後には、バックアップ電源から電力が供給されることにより、副制御RAM31cにおいて、各種の情報のうち一部又は全部の情報を記憶保持(バックアップ)可能である。本実施形態において、バックアップ電源から電力が供給されることにより記憶保持される情報には、後述する楽曲制限フラグの値が含まれる。
【0061】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御RAM30c及び副制御RAM31cの記憶内容を初期化する操作が可能なRAMクリアスイッチSWを備えている。主制御CPU30aは、図示しないRAMクリアスイッチ回路を介してRAMクリアスイッチSWと接続されている。主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSWが操作(押下)されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。
【0062】
本実施形態において、RAMクリアスイッチSWは、遊技機の背面側に配設されている。このため、本実施形態において、RAMクリアスイッチSWは、施錠装置11cを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない。したがって、原則として、RAMクリアスイッチSWは、施錠装置11cの鍵を保有する管理者のみが操作可能な手段といえる。なお、RAMクリアスイッチSWは、主制御基板30とは別に備えられていてもよいし、主制御基板30に備えられていてもよい。
【0063】
次に、パチンコ遊技機10において実行される各種の処理(制御)について説明する。
まず、電源投入時に主制御CPU30aが実行する電源投入処理について説明する。
電源投入処理において、主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSWから操作信号を受信しているか否かに基づいて、RAMクリアスイッチSWがオン状態に操作されているか否かを判定する。
【0064】
RAMクリアスイッチSWがオン状態に操作されている場合、主制御CPU30aは、主制御RAMクリア処理を行う。主制御RAMクリア処理において、主制御CPU30aは、主制御RAM30cの記憶内容を消去(初期化)する。即ち、主制御CPU30aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として主制御RAM30cの記憶内容を消去する消去制御を実行可能である。続いて、主制御CPU30aは、主制御RAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU30aは、主制御RAMクリア処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0065】
一方、RAMクリアスイッチSWがオン状態に操作されていない場合、主制御CPU30aは、バックアップ異常であるか否か、つまり、主制御RAM30cの記憶内容に異常があるか否かを確認する。バックアップ異常である場合、主制御CPU30aは、RAMクリアスイッチSWがオン状態に操作されているときと同様に主制御RAMクリア処理を行う。
【0066】
バックアップ異常ではない場合、主制御CPU30aは、主制御復帰処理を行う。主制御復帰処理において、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU30aは、主制御復帰処理を終了するとともに、電源投入処理を終了する。
【0067】
また、主制御CPU30aは、主制御RAMクリア処理の開始に伴ってRAMクリア処理開始コマンドを生成して副制御基板31へ出力する。さらに、主制御CPU30aは、主制御復帰処理の開始に伴って復帰処理開始コマンドを生成して副制御基板31へ出力する。
【0068】
次に、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、主制御CPU30aが行う各種処理について説明する。主制御CPU30aは、主制御プログラムに基づいて、タイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
【0069】
まず、特別図柄入力処理について説明する。
特別図柄入力処理において、主制御CPU30aは、第1始動口13に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU30aは、第1始動センサSE1から検知信号を入力することによって、第1始動口13に遊技球が入球したと判定する。第1始動口13に遊技球が入球している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を表示するように、情報表示装置12を制御する。このように、本実施形態では、第1特別保留数が上限数未満である場合に、第1始動口13に遊技球が入球し、入球した遊技球が第1始動センサSE1により検知されることで、第1特別ゲームの保留条件が成立する。
【0070】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。例えば、乱数は、当り乱数、大当り図柄乱数、変動パターン乱数などである。このとき、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態では、第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU30aが第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させることにより、第1特別ゲームの保留条件の成立を契機として第1特別ゲームの実行を保留可能である。また、このとき、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第1特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされたコマンドは、所定の出力処理において副制御基板31へと出力される。
【0071】
また、第1始動口13に遊技球が入球していない場合、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、及び、先読みコマンドを生成した場合、主制御CPU30aは、第2始動口14に遊技球が入球したかを判定する。このとき、主制御CPU30aは、第2始動センサSE2から検知信号を入力することによって、第2始動口14に遊技球が入球したと判定する。第2始動口14に遊技球が入球していない場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2始動口14に遊技球が入球している場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるかを判定する。第2特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、第2特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を1加算して更新する。このとき、主制御CPU30aは、更新後の第2特別保留数を表示するように、情報表示装置12を制御する。このように、本実施形態では、第2特別保留数が上限数未満である場合に、第2始動口14に遊技球が入球し、入球した遊技球が第2始動センサSE2により検知されることで、第2特別ゲームの保留条件が成立する。
【0072】
次に、主制御CPU30aは、主制御基板30内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM30cに記憶させる。このとき、主制御CPU30aは、第2特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。本実施形態では、第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させておくことで、該第2特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。即ち、本実施形態では、主制御CPU30aが第2特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM30cに記憶させることにより、第2特別ゲームの保留条件の成立を契機として第2特別ゲームの実行を保留可能である。また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに記憶されている第2特別保留数を特定可能な保留数コマンドを生成し、出力バッファにセットする。その後、主制御CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0073】
次に、特別図柄開始処理について説明する。
特別図柄開始処理において、主制御CPU30aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU30aは、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU30aは、第2特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2特別保留数が零である場合、主制御CPU30aは、第1特別保留数が零よりも大きいか否かを判定する。
【0074】
第1特別保留数が零である場合、主制御CPU30aは、主制御RAM30c内の所定の記憶領域に出力済フラグが設定されているか否かを判定する。出力済フラグは、待機状態であることを特定可能な待機状態コマンドが出力済であることを特定可能な情報である。待機状態とは、特別ゲームが実行されておらず、大当り遊技が付与されておらず、且つ特別ゲームが保留されていないときの状態である。出力済フラグが設定されていない場合、主制御CPU30aは、待機状態コマンドを生成して副制御基板31へ出力するとともに、主制御RAM30cに出力済フラグを設定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、出力済フラグが設定されている場合、主制御CPU30aは、新たに待機状態コマンドを生成することなく、特別図柄開始処理を終了する。なお、以下の説明では、待機状態中ではない期間を「遊技期間」と示す。言い換えれば、本実施形態において、遊技期間とは、特別ゲームの実行中、大当り遊技の実行中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中(以下、変動待機中と示す)である期間である。
【0075】
第1特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU30aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主制御CPU30aは、第1特別保留数を1減算して更新する。主制御CPU30aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部12cを制御する。またこのとき、主制御CPU30aは、主制御RAM30cに出力済フラグが設定されている場合、該出力済フラグを消去する。
【0076】
次に、主制御CPU30aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM30cから取得する。続けて、主制御CPU30aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、当りに当選とするか否かの当り抽選(当り判定)を行う。上述したように、本実施形態における当りは全て大当りである。このため、本実施形態において、当り抽選は、大当りに当選とするか否かの大当り抽選として把握できる。
【0077】
大当りに当選した場合、主制御CPU30aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な大当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームで導出させる大当り図柄を決定する。また、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、大当り変動パターンを決定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0078】
大当りに当選しなかった場合、主制御CPU30aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主制御CPU30aは、第1特別ゲームにて導出させるはずれ図柄を決定する。また、主制御CPU30aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、はずれ変動パターンを決定する。このとき、主制御CPU30aは、現在の第1特別保留数に応じて異なる決定割合ではずれ変動パターンを決定する。その後、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0079】
第2特別保留数が零よりも大きい場合、主制御CPU30aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1特別保留数」を「第2特別保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主制御CPU30aは、第2特別保留数の減算、大当り抽選、及び、大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0080】
主制御CPU30aは、大当り変動処理、及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを副制御基板31へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲーム(演出ゲーム)の開始とを特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0081】
特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU30aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件の成立を契機として、主制御CPU30aが以下の処理を行うことにより、保留中の特別ゲームを開始させる。
【0082】
具体的に、主制御CPU30aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部12aを制御する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第1特別図柄表示部12aを制御する。また、主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲーム(演出ゲーム)の終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を副制御基板31に出力する。
【0083】
一方、主制御CPU30aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部12bを制御する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を導出するように、第2特別図柄表示部12bを制御する。また、主制御CPU30aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを副制御基板31に出力する。
【0084】
次に、大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主制御CPU30aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を導出させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主制御CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主制御CPU30aは、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0085】
最初に、主制御CPU30aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を副制御基板31に出力する。主制御CPU30aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主制御CPU30aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて第2アクチュエータA2を制御し、大入賞口16を開状態とする。主制御CPU30aは、カウントセンサSE3による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は、上述の上限時間が経過すると、大入賞口16を閉状態とするように第2アクチュエータA2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU30aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主制御CPU30aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を副制御基板31に出力する。主制御CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディングコマンドと示す)を副制御基板31に出力する。主制御CPU30aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主制御CPU30aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を副制御基板31に出力する構成であってもよい。
【0086】
次に、遊技状態を移行させる処理について説明する。
主制御CPU30aは、大当り遊技が終了すると、主制御RAM30cに作動フラグを設定することにより、高入球率状態に制御する。主制御CPU30aは、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主制御RAM30cに記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主制御CPU30aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主制御RAM30cに記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、通常図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。主制御CPU30aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグが設定されているとき、該作動フラグを消去する。即ち、主制御CPU30aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。なお、主制御CPU30aは、高入球率状態に制御するときに短変動時間状態に制御し、低入球率状態に制御するときに長変動時間状態に制御する。
【0087】
また、主制御CPU30aは、主制御RAM30cのRAMクリア処理において、作動フラグを消去することにより、現在の遊技状態を通常状態に制御する。
そして、主制御CPU30aは、遊技状態を移行させた場合、現在の遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドを生成して副制御CPU31aへ出力する。
【0088】
また、主制御CPU30aは、前述した処理の他にも以下に説明する処理を行う。例えば、主制御CPU30aは、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理なども行う。普通図柄に関する処理では、主制御CPU30aは、ゲートセンサSE4からの検知信号を入力する処理、普通当りか否かの普通抽選を実行する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。
【0089】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU31aは、主制御CPU30aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0090】
まず、RAMクリア処理開始コマンドの入力を契機として副制御CPU31aが実行する副制御RAMクリア処理について説明する。
副制御RAMクリア処理において、副制御CPU31aは、副制御RAM31cの記憶内容を消去(初期化)する。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として副制御RAM31cの記憶内容を消去する消去制御を実行可能である。続いて、副制御CPU31aは、副制御RAMクリア処理によって初期化された情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。その後、副制御CPU31aは、副制御RAMクリア処理を終了する。
【0091】
次に、復帰処理開始コマンドの入力を契機として副制御CPU31aが実行する副制御復帰処理について説明する。
副制御復帰処理において、副制御CPU31aは、副制御RAM31cに記憶保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、各種の演出を実行可能な状態に制御する。その後、副制御CPU31aは、副制御復帰処理を終了し、主制御CPU30aから所定のコマンドが入力されるまで待機する。本実施形態において、所定のコマンドとは、例えば、変動開始コマンド、オープニングコマンド、ラウンドコマンド、エンディングコマンド、待機状態コマンドなどである。
【0092】
次に、演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
演出図柄変動処理において、副制御CPU31aは、特別図柄コマンドを入力すると、特別図柄コマンドから特定した特別図柄に基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。副制御CPU31aは、特別図柄の大当り図柄を特定した場合、演出図柄による大当りの図柄組み合わせを決定する。また、副制御CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄を特定した場合、変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0093】
また、副制御CPU31aは、変動開始コマンドを入力すると、入力した変動開始コマンドから特定した変動パターンに基づき、特別ゲームの実行中に実行させる演出を決定する。本実施形態において、特別ゲームの実行中に実行させる演出の決定割合は、変動開始コマンドから特定した変動パターンに応じて異ならされている。そして、副制御CPU31aは、決定した演出を実行させるように演出表示装置EH、スピーカSp、及び装飾ランプLaを制御する。以下の説明では、演出表示装置EH、スピーカSp、及び装飾ランプLaをまとめて「演出装置群」と示す場合がある。なお、変動ゲームの開始に伴って楽曲演出を実行させるための制御については、詳しくは後述する。
【0094】
その後、副制御CPU31aは、変動終了コマンドの入力を契機として、演出ゲームを終了させ、演出図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置EHを制御する。なお、副制御CPU31aは、変動開始コマンドを入力したことを契機として変動時間の計測を開始し、変動開始コマンドから特定した変動パターンに定められた変動時間が経過したことを契機に演出ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から変動終了コマンドを出力せずに、演出ゲームの終了を制御してもよい。
【0095】
次に、大当り遊技に関する制御について説明する。
副制御CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちオープニング演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちラウンド演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、大当り遊技中の演出のうちエンディング演出を行わせるように演出装置群を制御する。なお、大当り遊技の開始に伴って楽曲演出を実行させるための制御については、詳しくは後述する。
【0096】
次に、待機状態に関する制御について説明する。
副制御CPU31aは、待機状態コマンドを入力すると、待機状態中の演出を実行させるように演出装置群を制御する。また、副制御CPU31aは、待機状態コマンドを入力してから規定時間が経過したことを契機として、楽曲演出を終了させるように制御する。具体的に、副制御CPU31aは、待機状態コマンドを入力してから規定時間が経過すると、楽曲の出力を停止させるようにスピーカSpを制御するとともに、楽曲情報及びキャラクタ画像を非表示とするように演出表示装置EHを制御する。
【0097】
次に、制限モードに関する制御について説明する。
副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の楽曲制限フラグに所定の値を記憶させることにより制限モードに設定する。また、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグから所定の値を消去することにより制限モードを解除する。以下の説明では、楽曲制限フラグに所定の値を記憶させることを「楽曲制限フラグをON状態にする」と示す場合がある。また、以下の説明では、楽曲制限フラグから所定の値を消去することを「楽曲制限フラグをOFF状態にする」と示す場合がある。なお、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグに所定の値とは異なる値を記憶させることにより、楽曲制限フラグから所定の値を消去するようにしてもよい。
【0098】
制限モードを設定する制御について説明する。本実施形態において、副制御CPU31aは、以下のような制御を実行することにより、楽曲演出を制限する制限モードを設定する制御が可能である。
【0099】
副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがOFF状態である場合において、予め定めた設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたことを契機として、楽曲制限フラグをON状態にする。即ち、副制御CPU31aは、設定可能期間内に操作ボタンBTが操作されたことを契機として制限モードを設定する制御が可能である。言い換えれば、本実施形態における制限モードの設定条件には、操作ボタンBTの操作を契機として成立する操作設定条件がある。具体的に、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがOFF状態である場合において、変動ゲームの実行中又は待機状態中に操作ボタンBTが予め定めた時間(例えば、2秒)にわたって連続して操作されたと判定したことを契機として楽曲制限フラグをON状態にする。即ち、本実施形態において、設定可能期間は、変動ゲームの実行中及び待機状態中である。また、本実施形態において、特定の操作態様とは、予め定めた時間(例えば、2秒)にわたって操作ボタンBTを長押しする操作態様である。本実施形態において、操作ボタンBTは、制限モードを設定するための操作が可能な操作手段に相当する。
【0100】
一方で、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがOFF状態である場合に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作された場合であっても、設定可能期間内ではないときには、楽曲制限フラグをON状態にしない。即ち、副制御CPU31aは、設定可能期間外に操作ボタンBTが操作されたことを契機としては制限モードを設定不能である。なお、本実施形態において、副制御CPU31aは、特定の操作態様で操作ボタンBTが操作される場合に、操作ボタンBTの操作が開始されてから予め定めた時間が経過するまでの期間の全体が設定可能期間内であることを条件として、設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたと判定する。言い換えれば、副制御CPU31aは、操作ボタンBTの操作が開始されてから予め定めた時間が経過するまでの期間の少なくとも一部が設定可能期間外であるときには、設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたと判定しない。
【0101】
次に、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときの制限モードに関する制御について説明する。なお、以下の説明では、パチンコ遊技機10への電力供給が遮断されることを単に「電断」と示すとともに、パチンコ遊技機10への電力供給が再開されることを単に「復電」と示す。
【0102】
副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の電断時に楽曲制限フラグがON状態であった場合であって、パチンコ遊技機10の復電に伴って副制御復帰処理を実行するときには、復電後も楽曲制限フラグをON状態にする。言い換えれば、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電断時に制限モードに設定されていた場合であって、副制御復帰処理が実行されたときには、パチンコ遊技機10の復電後も制限モードに設定される。またこのとき、副制御CPU31aは、副制御RAM31c内の復帰後制限フラグに所定の値を記憶させる。以下の説明では、復帰後制限フラグに所定の値を記憶させることを「復帰後制限フラグをON状態にする」と示す場合がある。また、以下の説明では、復帰後制限フラグから所定の値を消去することを「復帰後制限フラグをOFF状態にする」と示す場合がある。なお、副制御CPU31aは、復帰後制限フラグに所定の値とは異なる値を記憶させることにより、復帰後制限フラグから所定の値を消去するようにしてもよい。
【0103】
一方で、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の電断時に楽曲制限フラグがON状態であった場合であっても、パチンコ遊技機10の復電に伴って副制御RAMクリア処理を実行するときには、復電後に楽曲制限フラグをOFF状態にする。言い換えれば、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電断時に制限モードに設定されていた場合であっても、副制御RAMクリア処理が実行されたときには、パチンコ遊技機10の復電に伴って制限モードが解除される。さらに、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の電断時に楽曲制限フラグがOFF状態であった場合、パチンコ遊技機10の復電に伴って副制御復帰処理及び副制御RAMクリア処理の何れを実行するときであっても、復電後も楽曲制限フラグをOFF状態にする。言い換えれば、本実施形態では、パチンコ遊技機10の電断時に制限モードに設定されていなかった場合には、パチンコ遊技機10の復電後も制限モードに設定しない。
【0104】
次に、制限モードを解除する制御について説明する。
図6に示すように、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがOFF状態である場合において、予め定めた設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたことを契機として、楽曲制限フラグをOFF状態にする。言い換えれば、本実施形態における制限モードの解除条件には、操作ボタンBTの操作を契機として成立する操作解除条件がある。具体的に、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがOFF状態である場合において、変動ゲームの実行中又は待機状態中に操作ボタンBTが予め定めた時間(例えば、2秒)にわたって連続して操作されたと判定したことを契機として楽曲制限フラグをOFF状態にする。一方で、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがON状態である場合、予め定めた設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたことを契機としては、楽曲制限フラグをOFF状態にしない。即ち、本実施形態において、操作解除条件は、復帰後制限フラグがOFF状態である場合に成立し得る解除条件であって、復帰後制限フラグがON状態である場合には成立しない解除条件である。
【0105】
また、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがOFF状態である場合において、待機状態に移行してから規定時間が経過したことを契機として楽曲制限フラグをOFF状態にする。これにより、本実施形態において、制限モードは、待機状態に制御されてから規定時間が経過したことを契機として終了される。言い換えれば、本実施形態における制限モードの解除条件には、待機状態に移行してから規定時間が経過したことを契機として成立する時間解除条件がある。本実施形態において、待機状態に移行してから時間解除条件が成立するまでの規定時間は、待機状態に移行してから楽曲演出が終了されるまでの規定時間と同一の時間である。このため、本実施形態では、待機状態に移行してから規定時間が経過したことを契機として、実行中の楽曲演出が終了されるとともに、制限モードが解除される場合がある。一方で、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがON状態である場合、待機状態に移行してから規定時間が経過したことを契機としては、楽曲制限フラグをOFF状態にしない。即ち、本実施形態において、時間解除条件は、復帰後制限フラグがOFF状態である場合に成立し得る解除条件であって、復帰後制限フラグがON状態である場合には成立しない解除条件である。
【0106】
さらに、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがON状態である場合において、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機として、楽曲制限フラグ及び復帰後制限フラグをOFF状態にする。言い換えれば、本実施形態における制限モードの解除条件には、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機として成立する復帰後解除条件がある。即ち、本実施形態では、制限モードの設定中にパチンコ遊技機10が電断された場合であって、その後にパチンコ遊技機10が復電されたときには、パチンコ遊技機10が復電されてから特定期間にわたって制限モードに設定される。本実施形態において、特定期間は、パチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときから、副制御復帰処理の終了後特定時間が経過するまでの期間である。
【0107】
一方で、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがOFF状態である場合、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機としては、楽曲制限フラグをOFF状態にしない。即ち、本実施形態において、復帰後解除条件は、復帰後制限フラグがON状態である場合に成立し得る解除条件であって、復帰後制限フラグがOFF状態である場合には成立しない解除条件である。
【0108】
また、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグがON状態であってかつ復帰後制限フラグがON状態である場合において、予め定めた設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたときには、楽曲制限フラグをOFF状態とすることなく、復帰後制限フラグをOFF状態にする。即ち、本実施形態では、復帰後制限フラグがON状態になった場合であっても、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過するよりも前に、予め定めた設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたときには、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機としては制限モードが解除されない。
【0109】
次に、楽曲演出を実行させるための制御について説明する。副制御CPU31aは、変動開始コマンドの入力を契機として、変動ゲーム中に実行させる楽曲演出の種類を決定する。また、副制御CPU31aは、オープニングコマンドの入力を契機として、大当り遊技中に実行させる楽曲演出の種類を決定する。そして、副制御CPU31aは、実行させる楽曲演出の種類を決定すると、楽曲演出実行処理を実行することにより楽曲演出を実行させるように制御する。なお、楽曲演出実行処理の開始時点で別の楽曲演出の実行中である場合、副制御CPU31aは、実行中の楽曲演出を終了させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、別の楽曲演出の開始を契機として実行中の楽曲演出を終了させる。本実施形態において、楽曲演出実行処理は、楽曲演出を実行させる特定演出制御に相当する。
【0110】
図7に示すように、楽曲演出実行処理において、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れかであるかを判定する(ステップSa1)。実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れかである場合(ステップSa1:YES)、副制御CPU31aは、制限モードの設定中であるか否かを判定する(ステップSa2)。制限モードの非設定中である場合(ステップSa2:NO)、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出に対応する通常出力情報を取得する(ステップSa3)。また、実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れでもない場合も同様に(ステップSa1:NO)、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出に対応する通常出力情報を取得する(ステップSa3)。そして、副制御CPU31aは、取得した通常出力情報に基づいて楽曲を出力させるための楽曲出力制御を開始させるようにスピーカSpを制御する(ステップSa4)。
【0111】
続いて、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出に対応する楽曲情報を表示させるように演出表示装置EHを制御する(ステップSa5)。さらに、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出に対応するキャラクタ画像を表示させるように演出表示装置EHを制御する(ステップSa6)。その後、副制御CPU31aは、楽曲演出実行処理を終了する。
【0112】
一方、実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れかである場合であって(ステップSa1:YES)、制限モードの設定中である場合(ステップSa2:YES)、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出に対応する制限出力情報を取得する(ステップSa7)。そして、副制御CPU31aは、取得した制限出力情報に基づいて楽曲を出力させるための楽曲出力制御を開始させるようにスピーカSpを制御する(ステップSa8)。なお、ステップSa8の処理において、副制御CPU31aは、ステップSa4の処理と同様にして楽曲出力制御を行う。即ち、副制御CPU31aは、ステップSa4とステップSa8とで、異なる出力情報を参照して同一の制御を行う。ここで、本実施形態において、制限出力情報は無音の情報が記憶された音声演出データであることから、制限モードの設定中に第2楽曲演出又は第4楽曲演出が実行される場合、該楽曲演出において楽曲が出力されない。言い換えれば、本実施形態において、制限モードの設定中に第2楽曲演出又は第4楽曲演出が実行される場合、該楽曲演出に対応する楽曲が消音された態様で実行される。
【0113】
続いて、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出に対応するキャラクタ画像を表示させるように演出表示装置EHを制御する(ステップSa6)。その後、副制御CPU31aは、楽曲演出実行処理を終了する。
【0114】
このような制御により、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れかであって制限モードの非設定中である場合、又は、実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れでもない場合には、通常態様で楽曲演出を実行させる。また、副制御CPU31aは、実行を決定した楽曲演出が第2楽曲演出及び第4楽曲演出の何れかであって制限モードの設定中である場合には、制限態様で楽曲演出を実行させる。
【0115】
特に、副制御CPU31aは、副制御ROM31bに記憶されている出力情報を参照することにより、該出力情報に定められた態様で楽曲演出を実行可能である。具体的に、副制御CPU31aは、制限モードの非設定中は通常出力情報に基づいて第2楽曲演出及び第4楽曲演出を実行させる制御が可能である。言い換えれば、本実施形態では、制限モードの非設定中は、通常出力情報に定められた態様で第2楽曲演出及び第4楽曲演出が実行されるといえる。即ち、制限モードの非設定中である場合には、楽曲演出実行処理において通常出力情報が参照されることによって楽曲演出が実行される。
【0116】
また、このような楽曲演出実行処理により、副制御CPU31aは、制限モードの設定中は制限出力情報に基づいて第2楽曲演出及び第4楽曲演出を実行させる制御が可能である。言い換えれば、本実施形態では、制限モードの設定中は、制限出力情報に定められた態様で第2楽曲演出及び第4楽曲演出が実行されるといえる。即ち、制限モードの設定中である場合には、楽曲演出実行処理において制限出力情報が参照されることによって楽曲演出が制限される。
【0117】
そして、副制御CPU31aは、楽曲演出実行処理とは別の処理において、楽曲演出を開始させてから経過した時間を計測することにより、現在の楽曲の再生位置を特定可能となるように制御する。また、副制御CPU31aは、現在の楽曲の再生位置に応じてキャラクタ画像及び貸情報の表示態様を変化させるように制御する。
【0118】
また、副制御CPU31aは、楽曲演出の実行中に楽曲制限フラグの値が更新された場合、更新後の楽曲制限フラグの値に基づいて実行中の楽曲演出の態様を変化させる制御が可能である。具体的に、副制御CPU31aは、第2楽曲演出又は第4楽曲演出の実行中に楽曲制限フラグがOFF状態からON状態に更新されたときには、楽曲制限フラグの更新後は制限出力情報を参照して楽曲演出を実行させるように制御するとともに、楽曲情報を非表示とするように制御する。この場合、制限モードが設定されたことに伴って出力中の楽曲が消音されるとともに、楽曲情報が非表示となる。これにより、副制御CPU31aは、楽曲演出の実行中に制限モードに設定された場合、制限モードが設定されたことに伴って楽曲演出の態様を通常態様から制限態様に変化させることができる。言い換えれば、副制御CPU31aは、制限モードを設定した時点で制限モードによる制限の対象となる楽曲演出が実行中である場合、実行中の楽曲演出の終了を待つことなく、該実行中の楽曲演出を制限することができる。
【0119】
さらに、副制御CPU31aは、第2楽曲演出又は第4楽曲演出の実行中に楽曲制限フラグがON状態からOFF状態に更新されたときには、楽曲制限フラグの更新後は通常出力情報を参照して楽曲演出を実行させるように制御するとともに、楽曲情報を表示させるように制御する。この場合、制限モードが解除されたことに伴って、実行中の楽曲演出に対応する楽曲の出力が開始されるとともに、実行中の楽曲演出に対応する楽曲情報が表示される。これにより、副制御CPU31aは、楽曲演出の実行中に制限モードが解除された場合、制限モードが解除されたことに伴って楽曲演出の態様を制限態様から通常態様に変化させることができる。言い換えれば、副制御CPU31aは、制限モードを解除した時点で制限モードによる制限の対象となる楽曲演出が実行中である場合、実行中の楽曲演出の終了を待つことなく、該実行中の楽曲演出の制限を解除することができる。このとき、副制御CPU31aは、楽曲演出が開始されてから経過した時間に基づいて現在の楽曲の再生位置を特定し、特定した再生位置から楽曲の出力を開始するとともに、特定した再生位置に対応する表示態様で歌詞情報を表示させるように制御する。これにより、制限モードの設定中に楽曲演出が開始されてから所定時間が経過した後に制限モードが解除された場合、制限モードの非設定中に楽曲演出が開始されてから所定時間が経過したときと同じ再生位置から楽曲が出力される。
【0120】
以下、楽曲演出が実行されるときの演出の流れの具体的な一例について、副制御CPU31aによる制御とともに説明する。
図8に示す例では、制限モードの非設定中に副制御CPU31aが変動開始コマンドを入力したことを契機として、第1楽曲演出を実行させるように制御する(時点t0)。この場合、副制御CPU31aは、第1楽曲演出において、スピーカSpから第1楽曲を出力させるとともに、演出表示装置EHにおいて楽曲情報及びキャラクタ画像を表示させるように制御する。
【0121】
またこの例では、時点t1~t2において特別ゲームの実行中に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたものとする。上述したように、特別ゲームの実行中は、設定可能期間である。したがってこの場合、副制御CPU31aは、設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたことから、楽曲制限フラグをON状態とする(時点t2)。即ち、副制御CPU31aは、操作設定条件の成立を契機として制限モードを設定する。なお、この時点では、第1楽曲演出の実行中であることから、副制御CPU31aは、制限モードに設定された前後で楽曲演出の態様を変化させない。具体的には、制限モードに設定された後も、通常出力情報に基づいて第1楽曲の出力が継続されるとともに、楽曲情報の表示が継続される。
【0122】
続いて、この例において、副制御CPU31aは、新たな特別ゲームの開始に伴って変動開始コマンドを入力したことを契機として、第2楽曲演出を開始させるように制御する(時点t3)。この場合、制限モードの設定中であることから、副制御CPU31aは、制限態様で第2楽曲演出を開始させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、第2楽曲演出において、スピーカSpから第2楽曲を出力させないとともに、演出表示装置EHにおいてキャラクタ画像を表示させるように制御する一方で楽曲情報を表示させない。
【0123】
その後、副制御CPU31aは、待機状態を入力した後も第2楽曲演出を継続して実行する一方で(時点t4)、待機状態コマンドを入力してから規定時間が経過したことを契機として楽曲演出を終了させるように制御する(時点t5)。またこのとき、副制御CPU31aは、待機状態コマンドを入力してから規定時間が経過したことを契機として楽曲制限フラグをOFF状態とする。即ち、副制御CPU31aは、時間解除条件の成立を契機として制限モードを解除する。
【0124】
続いて、この例において、副制御CPU31aは、新たな特別ゲームの開始に伴って変動開始コマンドを入力したことを契機として、第2楽曲演出を実行させるように制御する(時点t6)。この場合、制限モードの非設定中であることから、副制御CPU31aは、通常態様で第2楽曲演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、第2楽曲演出において、スピーカSpから第2楽曲を出力させるとともに、演出表示装置EHにおいて楽曲情報及びキャラクタ画像を表示させるように制御する。
【0125】
また、この例では、時点t7~t8において特別ゲームの実行中に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたものとする。この場合、副制御CPU31aは、設定可能期間内に特定の操作態様で操作ボタンBTが操作されたことから、楽曲制限フラグをON状態とする(時点t8)。即ち、副制御CPU31aは、操作設定条件の成立を契機として制限モードを設定する。そして、この時点で、第2楽曲演出の実行中であることから、副制御CPU31aは、制限モードに設定されたことを契機として楽曲演出の態様を通常態様から制限態様に変化させる。具体的に、副制御CPU31aは、制限モードの設定後は制限出力情報を参照して楽曲演出を実行させることにより、出力中の第2楽曲を消音させるようにスピーカSpを制御するとともに、楽曲情報を非表示とするように演出表示装置EHを制御する。
【0126】
その後、この例において、副制御CPU31aは、大当り遊技の開始に伴ってオープニングコマンドを入力したことを契機として、第4楽曲演出を実行させるように制御する(時点t9)。この場合、制限モードの設定中であることから、副制御CPU31aは、制限態様で第4楽曲演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、第4楽曲演出において、スピーカSpから第4楽曲を出力させないとともに、演出表示装置EHにおいてキャラクタ画像を表示させるように制御する一方で楽曲情報を表示させない。
【0127】
このような制御により、副制御CPU31aは、楽曲演出を制限する制御が可能である。特に、副制御CPU31aは、楽曲演出の実行中に制限モードが設定された場合、制限モードの設定に伴って実行中の楽曲演出を制限する制御が可能である。
【0128】
また、副制御CPU31aは、制限モードの設定中である場合、設定可能期間外である大当り遊技中であっても、楽曲演出を制限する制御が可能である。即ち、本実施形態では、制限モードの設定中は、設定可能期間外であっても楽曲演出が制限される。
【0129】
図9に示す例では、制限モードの設定中に副制御CPU31aが変動開始コマンドを入力したことを契機として、第2楽曲演出を実行させるように制御する(時点t10)。この場合、制限モードの設定中であることから、副制御CPU31aは、制限態様で第2楽曲演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、第2楽曲演出において、スピーカSpから第2楽曲を出力させないとともに、演出表示装置EHにおいてキャラクタ画像を表示させるように制御する一方で楽曲情報を表示させない。
【0130】
そしてこの例では、特別ゲームの実行中にパチンコ遊技機10が電断されたものとする(時点t11)。この場合、その後にパチンコ遊技機10が復電されると、主制御CPU30aは電源投入処理を行う(時点t12)。この例では、パチンコ遊技機10の復電時点でRAMクリアスイッチSWが操作されておらず、バックアップ異常も発生していないものとする。この場合、主制御CPU30aは、主制御復帰処理を実行する。また、副制御CPU31aは、主制御復帰処理の開始に伴って主制御CPU30aから出力される復帰処理開始コマンドを入力したことを契機として、副制御復帰処理を実行する。副制御CPU31aは、副制御復帰処理において、副制御RAM31cに記憶保持されている各種の情報に基づいて各種の演出を実行可能な状態に制御すると、副制御復帰処理を終了し、主制御CPU30aから所定のコマンドが入力されるまで待機する。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10が復電されたときから、主制御CPU30aが出力する所定のコマンドを入力するまでの間、楽曲演出を実行させない。
【0131】
さらにこの場合、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の電断時に楽曲制限フラグがON状態であったことから、副制御復帰処理において、楽曲制限フラグをON状態にするとともに、復帰後制限フラグをON状態にする。
【0132】
続いて、この例において、副制御CPU31aは、新たな特別ゲームの開始に伴って変動開始コマンドを入力したことを契機として、第2楽曲演出を開始させるように制御する(時点t13)。この場合、制限モードの設定中であることから、副制御CPU31aは、制限態様で第2楽曲演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、第2楽曲演出において、スピーカSpから第2楽曲を出力させないとともに、演出表示装置EHにおいてキャラクタ画像を表示させるように制御する一方で楽曲情報を表示させない。
【0133】
その後、副制御CPU31aは、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機として、楽曲制限フラグ及び復帰後制限フラグをOFF状態にする(時点t14)。即ち、副制御CPU31aは、復帰後解除条件の成立を契機として制限モードを解除する。
【0134】
そして、この時点で、第2楽曲演出の実行中であることから、副制御CPU31aは、制限モードが解除されたことを契機として楽曲演出の態様を制限態様から通常態様に変化させる。具体的に、副制御CPU31aは、制限モードの解除後は通常出力情報を参照して楽曲演出を実行させることにより、第2楽曲を出力させるようにスピーカSpを制御するとともに、楽曲情報を表示させるように演出表示装置EHを制御する。このとき、副制御CPU31aは、第2楽曲演出が開始されてから経過した時間に基づいて現在の第2楽曲の再生位置を特定し、特定した再生位置から第2楽曲の出力を開始するとともに、特定した再生位置に対応する表示態様で歌詞情報を表示させるように制御する。
【0135】
このような制御により、副制御CPU31aは、制限モードの設定中にパチンコ遊技機10が電断された場合であって、その後にパチンコ遊技機10が復電されたときには、復電後も制限モードに設定する一方で、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機として制限モードを解除する。即ち、本実施形態では、制限モードの設定中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときには、パチンコ遊技機10への電力供給が再開されてから特定期間にわたって楽曲演出が制限される一方で、特定期間の経過後には楽曲演出が制限されないようになっている。
【0136】
図10に示す例では、図9に示す例と同様に、制限モードの設定中にパチンコ遊技機10が電断され、その後にパチンコ遊技機10が復電されて主制御復帰処理及び副制御復帰処理が実行されたものとする(時点t20~t23)。
【0137】
そして、この例では、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過するよりも前の時点t24~t25において操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたものとする。この場合、副制御CPU31aは、楽曲制限フラグをOFF状態とすることなく、復帰後制限フラグをOFF状態にする(時点t25)。この場合、復帰後制限フラグがOFF状態であることから、副制御CPU31aは、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機としては楽曲制限フラグをOFF状態にしない(時点t26)。即ち、副制御CPU31aは、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過した後も制限モードに設定する。
【0138】
このような制御により、副制御CPU31aは、制限モードの設定中にパチンコ遊技機10が電断され、その後にパチンコ遊技機10が復電されたときであっても、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過するよりも前に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたときには、特定時間の経過後も制限モードに設定する。即ち、本実施形態では、制限モードの設定中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断され、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときであっても、電力供給が再開されてから特定期間が経過するよりも前に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたときには、特定期間の経過後も楽曲演出が制限される。
【0139】
本実施形態の効果について説明する。
(1-1)制限モードの設定中は一部の楽曲演出が制限されるため、撮影した動画を加工する手間が発生することを抑制できる。これによれば、動画の撮影意欲の低下を抑制できるため、遊技者の遊技への意欲の低下を抑制できる。
【0140】
(1-2)特に、制限モードの設定中は、一部の楽曲の出力と、一部の楽曲に関する情報の表示とが制限されるため、撮影した動画を加工する手間が発生することを好適に抑制でき、動画の撮影意欲の低下を抑制できる。
【0141】
(1-3)設定可能期間内に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたことを契機として制限モードに設定可能である一方で、設定可能期間外に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたことを契機としては制限モードに設定されない。これによれば、設定可能期間外において誤って操作ボタンBTが操作されてしまうことにより、意図せず制限モードに設定されてしまうことを抑制できる。
【0142】
(1-4)制限モードの設定中は、設定可能期間外であっても一部の楽曲演出が制限されるため、撮影した動画を加工する手間が発生することをより好適に抑制できる。
(1-5)制限モードの設定中にパチンコ遊技機10が電断された場合であっても、パチンコ遊技機10が復電してから特定期間内は制限モードに設定される。これによれば、制限モードの設定中に意図せずパチンコ遊技機10が電断された場合であっても、復電してから特定期間内は一部の楽曲演出が制限されるため、この間に撮影した動画を加工する手間が発生することを抑制できる。これによれば、動画の撮影意欲の低下をさらに抑制できる。
【0143】
(1-6)パチンコ遊技機10が電断されてその後に復電される場合、電断中に遊技者が入れ替わることも想定できるところ、復電してから特定期間が経過したことを契機として制限モードが解除される場合があるため、電断中に遊技者が入れ替わったときであっても、一部の楽曲演出が制限されたまま遊技が行われてしまうことを抑制できる。
【0144】
(1-7)パチンコ遊技機10が電断されてその後に復電された場合であっても、フクデンしてから特定期間が経過するまでの間に操作ボタンBTが特定の操作態様で操作されたときには、復電してから特定期間が経過したことを契機としては制限モードが解除されない。このため、復電してから特定期間が経過した後も継続して制限モードに設定されることを望む遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまうことを抑制できる。
【0145】
(1-8)待機状態中には遊技者が入れ替わることも想定できるところ、待機状態に制御されてから規定時間が経過したことを契機として制限モードが解除されるため、待機状態中に遊技者が入れ替わった場合に、一部の楽曲演出が制限されたまま遊技が行われてしまうことを抑制できる。
【0146】
(1-9)楽曲演出実行処理において、副制御CPU31aは、制限モードの設定中と非設定中とで、異なる出力情報を参照して同一の楽曲出力制御を実行することにより、一部の楽曲演出の態様を異ならせることができる。これによれば、制限モードの設定中と非設定中とで異なる制御を実行する場合と比較して、一部の楽曲演出の態様を異ならせる際の副制御CPU31aの制御負担を低減できる。
【0147】
(1-10)特に、制限モードの設定中に一部の楽曲演出を実行する場合、実行する楽曲演出に対応する楽曲と同じ時間尺の無音の音声演出データである制限出力情報を参照して楽曲を出力させるための楽曲出力制御が実行される。これによれば、制限モードの設定中と非設定中とで、異なる出力情報を参照して同一の楽曲出力制御を実行することにより、一部の楽曲演出について、制限モードの設定中は楽曲を出力させることなく、制限モードの非設定中は楽曲を出力させるように制御することができる。
【0148】
(1-11)楽曲演出のうち第1楽曲演出及び第3楽曲演出は制限モードの設定中でも制限されないため、制限モードが設定されているか否かによらず、第1楽曲演出及び第3楽曲演出の実行によって遊技者の興趣を向上できる。
【0149】
(1-12)楽曲演出の実行中に制限モードが設定された場合、実行中の楽曲演出が終了して次の楽曲演出が開始されるのを待つことなく、制限モードの設定に伴って実行中の楽曲演出の態様を通常態様から制限態様に変化可能である。これによれば、例えば、楽曲演出の実行中に制限モードが設定された場合に、実行中の楽曲演出が終了するまでは通常態様で実行させ、制限モードを設定した以降に開始される楽曲演出から制限態様で実行させるように制御する遊技機と比較して、速やかに楽曲演出を制限することができる。
【0150】
(1-13)楽曲演出の実行中に制限モードが解除された場合、実行中の楽曲演出が終了して次の楽曲演出が開始されるのを待つことなく、制限モードの解除に伴って実行中の楽曲演出の態様を制限態様から通常態様に変化である。これによれば、例えば、楽曲演出の実行中に制限モードが解除された場合であっても、実行中の楽曲演出が終了するまでは制限態様で実行させ、制限モードを設定した以降に開始される楽曲演出から通常態様で実行させるように制御する遊技機と比較して、速やかに楽曲演出の制限を解除することができる。
【0151】
(1-14)特に、楽曲演出の実行中に制限モードが解除された場合には、楽曲演出が開始された時点から経過した時間に基づいて現在の再生位置を特定し、特定した再生位置から楽曲の出力が開始されるとともに、特定した再生位置に対応する表示態様で歌詞情報が表示される。これによれば、楽曲演出の実行中に制限モードが解除された場合であっても、違和感なく楽曲演出を実行させることができる。
【0152】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同一の構成、及び同一の制御については同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略する。
【0153】
第2実施形態において、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10が電断され、その後にパチンコ遊技機10が復電された場合、電断時に楽曲制限フラグがON状態であったか否か、及び、復電時に副制御復帰処理と副制御RAMクリア処理の何れが行われたかによらず、復電後に楽曲制限フラグをON状態にする。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の電断時に楽曲制限フラグがON状態であった場合、パチンコ遊技機10の復電に伴って副制御RAMクリア処理を実行するときであっても、復電後には楽曲制限フラグをON状態にする。また、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の電断時に楽曲制限フラグがOFF状態であった場合に、復電時に副制御復帰処理が実行されたときと、復電時に副制御RAMクリア処理が実行されたときと、の何れであっても、復電後には楽曲制限フラグをON状態にする。即ち、第2実施形態では、パチンコ遊技機10が電断され、その後にパチンコ遊技機10が復電された場合、復電後には制限モードに設定する。
【0154】
以下、第2実施形態において楽曲演出が実行されるときの演出の流れの具体的な一例について、副制御CPU31aによる制御とともに説明する。
図11に示す例では、制限モードの非設定中に副制御CPU31aが変動開始コマンドを入力したことを契機として、第2楽曲演出を実行させるように制御する(時点t30)。この場合、制限モードの非設定中であることから、副制御CPU31aは、通常態様で第2楽曲演出を実行させるように制御する。即ち、副制御CPU31aは、第2楽曲演出において、スピーカSpから第2楽曲を出力させるとともに、演出表示装置EHにおいて楽曲情報及びキャラクタ画像を表示させるように制御する。
【0155】
そしてこの例では、特別ゲームの実行中にパチンコ遊技機10が電断されたものとする(時点t31)。この場合、その後にパチンコ遊技機10が復電されると、主制御CPU30aは電源投入処理を行う(時点t32)。この例では、パチンコ遊技機10の復電時点でRAMクリアスイッチSWが操作されておらず、バックアップ異常も発生していないものとする。この場合、主制御CPU30aは、主制御復帰処理を実行する。また、副制御CPU31aは、主制御復帰処理の開始に伴って主制御CPU30aから出力される復帰処理開始コマンドを入力したことを契機として、副制御復帰処理を実行する。副制御CPU31aは、副制御復帰処理において、副制御RAM31cに記憶保持されている各種の情報に基づいて各種の演出を実行可能な状態に制御すると、副制御復帰処理を終了し、主制御CPU30aから所定のコマンドが入力されるまで待機する。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10が復電されたときから、主制御CPU30aが出力する所定のコマンドを入力するまでの間、楽曲演出を実行させない。さらにこのとき、副制御CPU31aは、副制御復帰処理において、楽曲制限フラグをON状態にするとともに、復帰後制限フラグをON状態にする。
【0156】
その後、この例では、第1実施形態の図9に示す例と同様に、新たな特別ゲームの開始に伴って変動開始コマンドを入力したことを契機として第2楽曲演出を開始させる(時点t33)。また、副制御CPU31aは、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機として、楽曲制限フラグ及び復帰後制限フラグをOFF状態にする(時点t34)。即ち、副制御CPU31aは、復帰後解除条件の成立を契機として制限モードを解除する。
【0157】
このような制御により、副制御CPU31aは、制限モードの非設定中にパチンコ遊技機10が電断された場合であっても、その後にパチンコ遊技機10が復電されたときには、復電後も制限モードに設定する一方で、副制御復帰処理が終了してから特定時間が経過したことを契機として制限モードを解除する。即ち、本実施形態では、制限モードの非設定中にパチンコ遊技機10への電力供給が遮断された場合であっても、その後にパチンコ遊技機10への電力供給が再開されたときには、パチンコ遊技機10への電力供給が再開されてから特定期間にわたって楽曲演出が制限される一方で、特定期間の経過後には楽曲演出が制限されないようになっている。
【0158】
本実施形態の効果について説明する。
(2-1)制限モードを設定する前にパチンコ遊技機10が電断された場合であっても、パチンコ遊技機10が復電してから特定期間内は制限モードに設定されるため、この間に撮影した動画を加工する手間が発生することを抑制できる。これによれば、動画の撮影意欲の低下をさらに抑制できる。
【0159】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0160】
・第2実施形態において、制限モードの非設定中にパチンコ遊技機10が電断され、その後に復電された場合、復電時に副制御復帰処理が実行されるときと副制御RAMクリア処理が実行されるときとで、楽曲制限フラグをON状態にするか否かを異ならせてもよい。例えば、副制御CPU31aは、制限モードの非設定中にパチンコ遊技機10が電断され、その後に復電された場合、復電時に副制御復帰処理が実行されるときには楽曲背威厳フラグをOFF状態にする一方で、副制御RAMクリア処理が実行されるときには楽曲制限フラグをON状態にするようにしてもよい。
【0161】
・各実施形態において、設定可能期間は適宜変更してもよい。例えば、特別ゲーム中は設定可能期間に含まないようにしてもよいし、大当り遊技中を設定可能期間に含むようにしてもよい。また、制限モードの非設定中である場合に操作ボタンBTの操作により制限モードを設定可能な期間と、制限モードの設定中である場合に操作ボタンBTの操作により制限モードを解除可能な期間とは、異なっていてもよい。
【0162】
・各実施形態において、制限モードの設定中である場合に楽曲演出が制限される期間と、制限モードの設定が可能な設定可能期間とは、同一の期間であってもよい。即ち、制限モードに設定することにより楽曲演出を制限可能である期間中は、操作ボタンBTを操作することにより設定モードに設定可能であるようにしてもよい。
【0163】
・各実施形態において、制限モードを設定するための操作ボタンBTの操作態様は適宜変更してもよい。同様に、各実施形態において、制限モードを解除するための操作ボタンBTの操作態様は適宜変更してもよい。また、各実施形態において、制限モードを設定するための操作ボタンBTの操作態様と、制限モードを解除するための操作ボタンBTの操作態様とは、異なっていてもよい。
【0164】
・各実施形態において、制限モードに設定する設定条件は適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10が電断され、その後に復電されたことを条件として制限モードに設定する一方で、操作ボタンBTが操作されたことを契機としては制限モードに設定しないように制御してもよい。即ち、制限モードは、パチンコ遊技機10が復電されてから特定期間にわたって設定される一方で、パチンコ遊技機10が復電されてから特定期間が経過した後には設定されないようにしてもよい。特に、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10が電断され、その後に復電された場合に、復電時に副制御RAMクリア処理が実行されることを条件として制限モードに設定するようにしてもよい。
【0165】
・各実施形態において、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10が電断され、その後に復電された場合に、副制御復帰処理及び副制御RAMクリア処理の何れが実行されるかによらず制限モードに設定しないようにしてもよい。
【0166】
・各実施形態において、制限モードを解除する解除条件は適宜変更してもよい。
・各実施形態において、待機状態に制御されてから時間解除条件が成立するまでの規定時間は、適宜変更してもよい。また、待機状態に制御されてから時間解除条件が成立するまでの規定時間は、待機状態に制御されてから楽曲演出における楽曲の出力が停止されるまでの時間と同一でなくてもよい。また、時間解除条件は、待機状態に制御されたことを契機として成立するようにしてもよい。即ち、待機状態中は制限モードに設定されないようにしてもよい。
【0167】
・各実施形態において、制限モードを解除する解除条件には、時間解除条件が含まれていなくてもよい。この場合、副制御CPU31aは、待機状態に制御されてから規定時間が経過したことを契機としては制限モードを解除しないようにしてもよい。即ち、待機状態に制御されてから待機状態が終了するまでに経過した時間にかかわらず、継続して制限モードに設定されうるようにしてもよい。
【0168】
・各実施形態において、制限モードを解除する解除条件には、操作解除条件が含まれていなくてもよい。即ち、副制御CPU31aは、操作ボタンBTが操作されたことを契機としては制限モードを解除しないように制御してもよい。
【0169】
・各実施形態において、制限モードを解除する解除条件には、復帰後解除条件が含まれていなくてもよい。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の復電時に制限モードに設定した場合、操作解除条件又は時間解除条件が成立しない限り、制限モードを解除しないように制御してもよい。
【0170】
・各実施形態において、パチンコ遊技機10が復電してから復帰後解除条件が成立するまでの特定期間は、適宜変更してもよい。このとき、特定期間は、副制御復帰処理が終了してから一定の時間である所定時間が経過するまでの期間でなくてもよい。例えば、特定期間は、副制御復帰処理が終了してから所定回数の特別ゲームが終了するまでの期間であってもよい。また、復帰後解除条件は、副制御復帰処理が終了したことを契機として成立するようにしてもよい。
【0171】
・各実施形態において、副制御CPU31aは、復帰後制限フラグがON状態である場合に操作ボタンBTが操作されたことを契機としては、復帰後制限フラグをOFF状態にしないようにしてもよい。即ち、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10の復電時に制限モードに設定した場合、パチンコ遊技機10が復電されてから特定期間が経過するまでの間に操作ボタンBTが操作されたときであっても、パチンコ遊技機10が復電されてから特定期間が経過したことを契機として制限モードを解除するように制御してもよい。
【0172】
・各実施形態において、制限出力情報の内容は適宜変更してもよい。例えば、制限出力情報は、対応する楽曲演出における楽曲とは異なる時間尺の無音の音声演出データであってもよい。
【0173】
・各実施形態において、楽曲演出を制限するときの具体的な制御は、適宜変更してもよい。例えば、副制御CPU31aは、制限モードによる制限の対象となる楽曲演出の実行を決定した場合であっても、制限モードの設定中であるときには、決定した楽曲演出を実行させないようにしてもよい。また、副制御CPU31aは、制限モードの設定中である場合、制限モードによる制限の対象となる楽曲演出の実行を決定しないようにしてもよい。これらの場合、副制御CPU31aは、制限モードの対象となる楽曲演出に代えて、制限モードの対象とならない楽曲演出を実行させるように制御してもよいし、楽曲演出自体を実行させないように制御してもよい。この場合、副制御ROM31bは、制限モードの設定中に楽曲演出を実行する場合に参照する制限出力情報を記憶していなくてもよい。
【0174】
・各実施形態において、楽曲演出が制限態様で実行されるときの具体的な演出内容は、適宜変更してもよい。例えば、楽曲演出の制限態様は、楽曲が出力されない一方で楽曲情報が表示される態様であってもよい。これによれば、遊技機を遊技する様子を動画に撮影して当該動画を公開しようとする際に音声を加工する必要がないため、動画の撮影意欲を低下させてしまうことを抑制できる。また例えば、楽曲演出の制限態様は、楽曲が出力される一方で楽曲情報が表示されない態様であってもよい。これによれば、遊技機を遊技する様子を動画に撮影して当該動画を公開しようとする際に映像を加工する必要がないため、動画の撮影意欲を低下させてしまうことを抑制できる。また、楽曲演出の制限態様は、楽曲情報の一部が表示されない態様であってもよい。例えば、楽曲演出の制限態様は、楽曲情報のうち曲名情報が表示される一方で歌詞情報が表示されない態様であってもよい。このように、制限モードの設定中は、所定の楽曲演出について、楽曲の出力と、楽曲情報の表示と、のうち少なくとも一方が制限されていればよい。
【0175】
・各実施形態において、楽曲演出の制限態様は、通常態様とは異なる態様で楽曲の出力や楽曲情報の表示が行われる態様であってもよい。例えば、楽曲演出の制限態様は、通常態様よりも小さい音量で楽曲が出力される態様であってもよいし、楽曲の一部が出力されない態様であってもよい。ここで、楽曲の一部とは、楽曲全体の再生時間における一部分であってもよいし、楽曲を複数の要素(例えば、人物等による歌唱部分と楽器による演奏部分など)に分けたときの一部分であってもよい。また、楽曲演出の制限態様は、通常態様とは異なる表示領域に楽曲情報が表示される態様であってもよいし、通常態様とは異なる大きさで楽曲情報が表示される態様であってもよい。
【0176】
・各実施形態において、制限モードは、任意の楽曲を選択することにより、選択した楽曲以外の出力を制限する態様で楽曲演出を制限するように構成されてもよい。この場合、副制御CPU31aは、特定の条件が成立したことを契機として、選択した楽曲に代えて別の楽曲を出力させる制御が可能であってもよい。このとき、特定の条件は、例えば大当り遊技が生起されることであってもよいし、大当り遊技を経て次の特別ゲームが開始されることであってもよい。またこのとき、選択した楽曲に代えて出力される別の楽曲は、制限モードの設定中に出力可能な楽曲の中から決定されるとよい。例えば、副制御CPU31aは、制限モードの設定中に出力可能な楽曲A~楽曲Cのうち楽曲Aが選択されている場合に、大当り遊技が生起されたことを契機として、楽曲Aに代えて楽曲B又は楽曲Cを出力させる制御が可能であってもよい。
【0177】
・各実施形態において、制限モードによる制限の対象となる楽曲演出の種類は、適宜変更してもよい。例えば、大当り遊技中に実行可能な全ての楽曲演出を制限モードによる制限の対象としてもよい。
【0178】
・各実施形態において、制限モードによる制限の対象となる楽曲演出は、所定の情報を示唆又は報知する演出であってもよい。例えば、楽曲演出は、特別ゲームにおいて大当り図柄が表示される期待度を示唆する期待度示唆演出であってもよい。
【0179】
・各実施形態において、制限モードに設定されていない期間であっても、楽曲演出が制限される場合があってもよい。この場合、制限する対象及び制限する内容は、制限モードに設定されているときと同一であってもよいし異なっていてもよい。例えば、副制御CPU31aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されてから所定期間は、制限モードが設定されていない場合であっても、一部又は全部の楽曲演出を制限するようにしてもよい。
【0180】
・各実施形態において、所定のエラーが検出されているときには、制限モードが設定されていない場合であっても、一部又は全部の楽曲演出が制限されるようにしてもよい。この場合、副制御CPU31aは、検出されているエラーの種類に応じて、制限する対象及び制限する内容を異ならせてもよい。また、パチンコ遊技機10において検出可能なエラーには、楽曲演出を制限しないエラーを含んでいてもよい。この場合、楽曲演出を制限しないエラーが検出されているときには、制限モードの設定中であれば制限モードによる楽曲演出の制限が行われる一方で、制限モードの非設定中であれば楽曲演出が制限されないようにするとよい。
【0181】
・各実施形態において、楽曲演出の実行態様は、適宜変更してもよい。例えば、楽曲演出では、キャラクタ画像が表示されないようにしてもよいし、楽曲情報が表示されないようにしてもよい。即ち、楽曲演出では、少なくとも楽曲が出力されるようになっていればよい。
【0182】
・各実施形態において、楽曲演出で表示される楽曲情報の種類は、適宜変更してもよい。例えば、楽曲情報として、歌詞情報及び曲名情報の一方又は両方を表示しないようにしてもよい。また例えば、楽曲情報として、楽曲を歌唱するアーティスト名や作詞者名、作曲者名などを表示してもよい。
【0183】
・各実施形態において、楽曲演出において楽曲が出力される期間と、楽曲情報が表示される期間と、キャラクタ画像が表示される期間とは、それぞれ異なっていてもよい。例えば、楽曲情報のうち曲名情報は、楽曲演出が開始されてから所定時間が経過した時点で非表示となるようにしてもよい。また、楽曲情報のうち歌詞情報は、楽曲演出が開始されてから所定時間が経過した以降に表示されるようにしてもよい。この場合、楽曲演出が開始されてから曲名情報が非表示となるまでの時間と、楽曲演出が開始されてから歌詞情報が表示されるまでの時間とは、同一の時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
【0184】
・各実施形態において、楽曲演出は、複数回の特別ゲームにまたがって実行される演出であってもよい。また、楽曲演出は、特別ゲームと大当り遊技とにまたがって実行される演出であってもよい。
【0185】
・音量の調整が可能なパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、副制御CPU31aは、制限モードの設定中であっても音量の調整が可能あってもよい。また、音量を調整可能な調整期間と、制限モードを設定可能な設定可能期間とは、同一の期間であってもよいし、異なる期間であってもよい。また、音量を調整するに際して操作される操作手段と、制限モードを設定するに際して操作される操作手段とは、同一の操作手段であってもよいし、異なる操作手段であってもよい。また、音質の調整が可能なパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、副制御CPU31aは、制限モードの設定中であっても音質の調整が可能あってもよい。また、音量を調整可能な調整期間と、音質を調整可能な調整期間と、制限モードを設定可能な設定可能期間とは、同一の期間であってもよいし、異なる期間であってもよい。また、音量を調整するに際して操作される操作手段と、音質を調整するに際して操作される操作手段と、制限モードを設定するに際して操作される操作手段とは、同一の操作手段であってもよいし、異なる操作手段であってもよい。
【0186】
・光量の調整が可能なパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、副制御CPU31aは、制限モードの設定中であっても光量の調整が可能あってもよい。また、光量を調整可能な調整期間と、制限モードを設定可能な設定可能期間とは、同一の期間であってもよいし、異なる期間であってもよい。また、光量を調整するに際して操作される操作手段と、制限モードを設定するに際して操作される操作手段とは、同一の操作手段であってもよいし、異なる操作手段であってもよい。
【0187】
・演出のカスタマイズが可能なパチンコ遊技機10に具体化してもよい。演出のカスタマイズとしては、各種の演出の実行頻度の調整や、各種の演出が実行された場合の大当り期待度の調整などを採用してもよい。この場合、演出のカスタマイズが可能なカスタマイズ期間と、制限モードを設定可能な設定可能期間とは、同一の期間であってもよいし、異なる期間であってもよい。また、演出のカスタマイズを行うに際して操作される操作手段と、制限モードを設定するに際して操作される操作手段とは、同一の操作手段であってもよいし、異なる操作手段であってもよい。
【0188】
・大当り抽選に当選する確率を定めた確率状態として、2種類以上の確率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。即ち、確率変動機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0189】
・パチンコ遊技機10のベース状態として、3種類以上の入球率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10の入球率状態として、1種類の入球率状態を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。即ち、入球補助機能を備えていないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。
【0190】
・遊技に用いた遊技球の数と、賞球として獲得した遊技球の数と、の差が所定数に達したことを契機として遊技を停止する機能を備えたパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、遊技に用いた遊技球の数と、賞球として獲得した遊技球の数と、の差が所定数に達した場合には、所定の音声の出力を含む所定の報知が行われるようにしてもよい。このとき、所定の音声は、制限モードに設定されているか否かにかかわらず同一の態様で出力されるようにしてもよい。
【0191】
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に、演出表示装置EHを専門に制御する表示制御基板と、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLaを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部または全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU31aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0192】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板30の機能と副制御基板31の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板30の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU30aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0193】
・第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、各始動口13,14への遊技球の入球順序に従って実行されてもよく、同時に並行して実行されてもよい。また、第2特別ゲームを省略してもよい。
【0194】
・特別保留数の最大値は、適宜変更してもよい。また、第1特別保留数の最大値と、第2特別保留数の最大値とは、異なる値であってもよい。また、主制御CPU30aは、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、のうち何れか一方または両方について、実行を保留しないように制御してもよい。
【0195】
・演出ゲームを実行しないパチンコ遊技機10に具体化してもよい。この場合、演出表示装置EHに特別図柄を表示するとよい。
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
【0196】
(付記1)演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、演出に関する情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記演出実行手段が実行する演出には、特定演出があり、前記記憶手段には、前記特定演出の態様を定めた情報として、第1情報と、第2情報と、が記憶されており、前記演出制御手段は、前記特定演出を制限する制限モードを設定する制御が可能であり、前記制限モードの設定中に遊技機への電力供給が遮断された場合、その後に遊技機への電力供給が再開されたときには、遊技機への電力供給が再開されてから特定期間にわたって前記特定演出が制限される一方で、前記特定期間の経過後には前記特定演出が制限されないようになっており、前記制限モードの非設定中は、前記第1情報に定められた態様で前記特定演出が実行される一方で、前記制限モードの設定中は、前記第2情報に定められた態様で前記特定演出が実行されることを特徴とする遊技機。
【0197】
(付記2)前記制限モードを設定するための操作が可能な操作手段を備え、前記演出制御手段は、設定可能期間内に前記操作手段が操作されたことを契機として前記制限モードを設定する制御が可能である一方で、前記設定可能期間外に前記操作手段が操作されたことを契機としては前記制限モードを設定不能である付記1に記載の遊技機。
【0198】
(付記3)前記制限モードの設定中は、前記設定可能期間外であっても前記特定演出が制限される付記2に記載の遊技機。
(付記4)前記制限モードの非設定中に遊技機への電力供給が遮断された場合であっても、その後に遊技機への電力供給が再開されたときには、遊技機への電力供給が再開されてから前記特定期間にわたって前記特定演出が制限される一方で、前記特定期間の経過後には前記特定演出が制限されない付記1~付記3のうち何れか一つに記載の遊技機。
【符号の説明】
【0199】
A1…第1アクチュエータ A2…第2アクチュエータ BT…操作ボタン(操作手段) CG…キャラクタ画像 EH…演出表示装置(演出実行手段、情報表示手段) GH…画像表示部 HD…発射ハンドル La…装飾ランプ(演出実行手段) LJ…歌詞情報 MJ…楽曲情報 SE1…第1始動センサ SE2…第2始動センサ SE3…カウントセンサ SE4…ゲートセンサ Sp…スピーカ(演出実行手段、音声出力手段) SW…RAMクリアスイッチ TJ…曲名情報 YB…遊技盤 YBa…遊技領域 10…パチンコ遊技機 11…枠体 11a…設置枠 11b…搭載枠 11c…施錠装置 12…情報表示装置 12a…第1特別図柄表示部 12b…第2特別図柄表示部 12c…第1特別保留表示部 12d…第2特別保留表示部 12e…普通図柄表示部 12f…普通保留表示部 13…第1始動口 14…第2始動口 15…普通可変部材 16…大入賞口 17…特別可変部材 25…ゲート 30…主制御基板 30a…主制御CPU 30b…主制御ROM 30c…主制御RAM 31…副制御基板 31a…副制御CPU(演出制御手段) 31b…副制御ROM 31c…副制御RAM(記憶手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、
演出に関する情報を記憶する記憶手段と、を備え、
前記演出実行手段が実行する演出には、特定演出があり、
前記記憶手段には、前記特定演出の態様を定めた情報として、第1情報と、第2情報と、が記憶されており、
前記演出制御手段は、前記特定演出を制限する制限モードを設定する制御が可能であり、
記制限モードの非設定中は、前記第1情報に定められた態様で前記特定演出が実行され、
前記制限モードの設定中は、前記第2情報に定められた態様で前記特定演出が実行されるようになっており、
前記制限モードの設定中に遊技機への電力供給が遮断された場合、その後に遊技機への電力供給が再開されたときには、遊技機への電力供給が再開されてから特定期間にわたって前記特定演出が実行されず、前記特定期間の経過後には前記特定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、演出に関する情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記演出実行手段が実行する演出には、特定演出があり、前記記憶手段には、前記特定演出の態様を定めた情報として、第1情報と、第2情報と、が記憶されており、前記演出制御手段は、前記特定演出を制限する制限モードを設定する制御が可能であり、前記制限モードの非設定中は、前記第1情報に定められた態様で前記特定演出が実行され、前記制限モードの設定中は、前記第2情報に定められた態様で前記特定演出が実行されるようになっており、前記制限モードの設定中に遊技機への電力供給が遮断された場合、その後に遊技機への電力供給が再開されたときには、遊技機への電力供給が再開されてから特定期間にわたって前記特定演出が実行されず、前記特定期間の経過後には前記特定演出を実行可能であることを要旨とする。