IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シャープディスプレイテクノロジー株式会社の特許一覧

特開2024-60879表示パネル、表示パネルの欠陥修正方法および表示パネルの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060879
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】表示パネル、表示パネルの欠陥修正方法および表示パネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240425BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 338
G09F9/00 338
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168440
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】中川 英俊
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 佳久
(72)【発明者】
【氏名】松田 成裕
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA42
5C094BA27
5C094BA43
5C094DA09
5C094DA15
5C094DB01
5C094HA08
5G435AA17
5G435BB05
5G435CC04
5G435KK05
5G435LL04
(57)【要約】
【課題】製造歩留まりの低下が抑制された表示パネル、そのような表示パネルの欠陥修正方法、および欠陥修正方法を用いた表示パネルの製造方法を提供する。
【解決手段】
表示パネル1000aは、複数の画素Pによって画定される表示領域AAと、表示領域以外の周辺領域NAとを有する。表示パネルは、周辺領域に、シフトレジスタ110を含むゲート駆動回路と、ダミー容量部CAとを有する。ダミー容量部は、ダミー段に接続された、並列に接続された複数の容量素子40を含む。複数の容量素子のそれぞれは、第1容量電極CE1sと、第2容量電極CE2gと、第1容量電極と第2容量電極との間に位置する誘電体層とを含む。ダミー容量部は、それぞれの両端が、複数の容量素子のうちのいずれか1つの第1容量電極と、複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの第1容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第1接続部をさらに有する。
【選択図】図4B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素行および複数の画素列を有するマトリクス状に配列された複数の画素を有し、
前記複数の画素によって画定される表示領域と、前記表示領域以外の周辺領域とを有し、
前記周辺領域に設けられたゲート駆動回路であって、前記複数の画素行のそれぞれに対応付けられた複数の段と、ダミー段とを有するシフトレジスタを含むゲート駆動回路と、
前記周辺領域に設けられたダミー容量部と
を有し、
前記ダミー容量部は、前記ダミー段に接続された、並列に接続された複数の容量素子を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれは、第1容量電極と、第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に位置する誘電体層とを含み、
前記ダミー容量部は、それぞれの両端が、前記複数の容量素子のうちのいずれか1つの前記第1容量電極と、前記複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの前記第1容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第1接続部をさらに有する、表示パネル。
【請求項2】
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第1容量電極のそれぞれについて、前記第1容量電極に電位を与える信号を入力する入力端から、前記複数の容量素子の前記第1容量電極のそれぞれに至る電気的に導通された経路を2つ以上有する、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1接続部は、複数の第1接続部を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれの前記第1容量電極が、前記複数の第1接続部のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、前記複数の第1接続部の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ前記複数の容量素子のうちの異なる容量素子の前記第1容量電極と接続されており、
前記複数の容量素子は、前記複数の容量素子のいずれかの前記第1容量電極を介さずに、前記第1容量電極に電位を与える信号を入力する入力端と接続された前記第1容量電極を有する容量素子を2つ以上含む、請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第2容量電極は、前記複数の容量素子に共通して設けられており、前記少なくとも1つの第1接続部と重なる少なくとも1つの第1開口部を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記ダミー容量部は、それぞれの両端が、前記複数の容量素子のうちのいずれか1つの前記第2容量電極と、前記複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの前記第2容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第2接続部をさらに有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの第2接続部は、前記少なくとも1つの第1接続部と重ならないように設けられている、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第2容量電極のそれぞれについて、前記第2容量電極に電位を与える信号を入力する入力端から、前記複数の容量素子の前記第2容量電極のそれぞれに至る電気的に導通された経路を2つ以上有する、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2接続部は、複数の第2接続部を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれの前記第2容量電極が、前記複数の第2接続部のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、前記複数の第2接続部の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ前記複数の容量素子のうちの異なる容量素子の前記第2容量電極と接続されており、
前記複数の容量素子は、前記複数の容量素子のいずれかの前記第2容量電極を介さずに、前記第2容量電極に電位を与える信号を入力する入力端と接続された前記第2容量電極を有する容量素子を2つ以上含む、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第1容量電極に絶縁層を介して対向するように形成された導電層であって、前記第1容量電極の前記第2容量電極と反対側に位置し、前記第1容量電極と電気的に接続された導電層をさらに有し、
前記導電層は、前記少なくとも1つの第1接続部および前記少なくとも1つの第2接続部と重なる少なくとも1つの第2開口部を有する、請求項5に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記導電層は、透明導電材料から形成されている、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記導電層は、前記複数の画素のそれぞれに設けられた画素電極と同じ導電膜から形成されている、請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第1容量電極には、ローレベル電位を与える信号および前記複数の画素行のいずれかを選択する走査信号のうちの一方の信号が供給され、
前記第2容量電極には、ローレベル電位を与える信号および前記複数の画素行のいずれかを選択する走査信号のうちの他方の信号が供給される、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項13】
基板と、前記基板に支持されたゲートメタル層と、前記ゲートメタル層を覆う前記誘電体層と、前記誘電体層上に形成されたソースメタル層とを有し、
前記第1容量電極は、前記ゲートメタル層および前記ソースメタル層の一方の層に含まれ、
前記第2容量電極は、前記ゲートメタル層および前記ソースメタル層の他方の層に含まれる、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、欠陥修正方法。
【請求項15】
請求項4に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部のうち、前記第1開口部と重なる部分を切断する、欠陥修正方法。
【請求項16】
請求項5に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、または、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第2容量電極に接続された前記第2接続部を切断する、欠陥修正方法。
【請求項17】
請求項5に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか2つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の一方の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断し、
一端が、前記絶縁破壊が生じた2つの容量素子の他方の前記第2容量電極に接続された前記第2接続部を切断する、欠陥修正方法。
【請求項18】
請求項9に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、欠陥修正方法。
【請求項19】
請求項14に記載の欠陥修正方法によって、前記表示パネルの欠陥を修正する工程を包含する、表示パネルの製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネル、表示パネルの欠陥修正方法および表示パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を備えるアクティブマトリクス型の表示パネルは、モバイル端末用や、テレビ用途等、種々の用途の表示装置に用いられている。
【0003】
アクティブマトリクス型の表示パネルの狭額縁化が、製造コストを削減する観点や、デザイン性および機能性の観点から求められている。TFT基板上にゲート駆動回路(「ゲートドライバ」ということもある。)を一体的に形成するゲートドライバモノリシック(GDM)技術を用いることによって、ゲート駆動回路をCOF(チップオンフィルム)またはCOG(チップオングラス)等を用いてTFT基板に実装する場合に比べて、ドライバ実装に係るコストを削減するとともに、狭額縁化を図ることができる。GDM技術は、GOA(Gate on Array)と呼ばれることもある。例えば、特許文献1に、GDM技術が適用された表示装置が開示されている。
【0004】
ゲート駆動回路は、表示装置が有する複数の画素行に対応する複数の段を有するシフトレジスタを含む。シフトレジスタの各段の出力は、画素行のそれぞれに関連付けられたゲートバスライン(走査配線)に接続され、走査信号がゲートバスラインに供給される。シフトレジスタの動作安定性を向上させるために、表示に寄与しないダミー段がさらに設けられ、ゲートバスラインと同様の配線抵抗を有するダミー走査ラインがダミー段に接続される場合がある(例えば特許文献2および3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2011/104945号
【特許文献2】特開2002-214643号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/001987号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
GDM技術が適用された表示装置の製造歩留まりを向上させることが求められている。本発明は、製造歩留まりの低下を抑制することができる表示パネル、そのような表示パネルの欠陥修正方法、および欠陥修正方法を用いた表示パネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によると、以下の項目に記載の解決手段が提供される。
【0008】
[項目1]
複数の画素行および複数の画素列を有するマトリクス状に配列された複数の画素を有し、
前記複数の画素によって画定される表示領域と、前記表示領域以外の周辺領域とを有し、
前記周辺領域に設けられたゲート駆動回路であって、前記複数の画素行のそれぞれに対応付けられた複数の段と、ダミー段とを有するシフトレジスタを含むゲート駆動回路と、
前記周辺領域に設けられたダミー容量部と
を有し、
前記ダミー容量部は、前記ダミー段に接続された、並列に接続された複数の容量素子を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれは、第1容量電極と、第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に位置する誘電体層とを含み、
前記ダミー容量部は、それぞれの両端が、前記複数の容量素子のうちのいずれか1つの前記第1容量電極と、前記複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの前記第1容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第1接続部をさらに有する、表示パネル。
[項目2]
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第1容量電極のそれぞれについて、前記第1容量電極に電位を与える信号を入力する入力端から、前記複数の容量素子の前記第1容量電極のそれぞれに至る電気的に導通された経路を2つ以上有する、項目1に記載の表示パネル。
[項目3]
前記少なくとも1つの第1接続部は、複数の第1接続部を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれの前記第1容量電極が、前記複数の第1接続部のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、前記複数の第1接続部の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ前記複数の容量素子のうちの異なる容量素子の前記第1容量電極と接続されており、
前記複数の容量素子は、前記複数の容量素子のいずれかの前記第1容量電極を介さずに、前記第1容量電極に電位を与える信号を入力する入力端と接続された前記第1容量電極を有する容量素子を2つ以上含む、項目1または2に記載の表示パネル。
[項目4]
前記第2容量電極は、前記複数の容量素子に共通して設けられており、前記少なくとも1つの第1接続部と重なる少なくとも1つの第1開口部を有する、項目1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目5]
前記ダミー容量部は、それぞれの両端が、前記複数の容量素子のうちのいずれか1つの前記第2容量電極と、前記複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの前記第2容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第2接続部をさらに有する、項目1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目6]
前記少なくとも1つの第2接続部は、前記少なくとも1つの第1接続部と重ならないように設けられている、項目5に記載の表示パネル。
[項目7]
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第2容量電極のそれぞれについて、前記第2容量電極に電位を与える信号を入力する入力端から、前記複数の容量素子の前記第2容量電極のそれぞれに至る電気的に導通された経路を2つ以上有する、項目5または6に記載の表示パネル。
[項目8]
前記少なくとも1つの第2接続部は、複数の第2接続部を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれの前記第2容量電極が、前記複数の第2接続部のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、前記複数の第2接続部の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ前記複数の容量素子のうちの異なる容量素子の前記第2容量電極と接続されており、
前記複数の容量素子は、前記複数の容量素子のいずれかの前記第2容量電極を介さずに、前記第2容量電極に電位を与える信号を入力する入力端と接続された前記第2容量電極を有する容量素子を2つ以上含む、項目5から7のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目9]
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第1容量電極に絶縁層を介して対向するように形成された導電層であって、前記第1容量電極の前記第2容量電極と反対側に位置し、前記第1容量電極と電気的に接続された導電層をさらに有し、
前記導電層は、前記少なくとも1つの第1接続部および前記少なくとも1つの第2接続部と重なる少なくとも1つの第2開口部を有する、項目5から8のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目10]
前記導電層は、透明導電材料から形成されている、項目9に記載の表示パネル。
[項目11]
前記導電層は、前記複数の画素のそれぞれに設けられた画素電極と同じ導電膜から形成されている、項目9または10に記載の表示パネル。
[項目12]
前記第1容量電極には、ローレベル電位を与える信号および前記複数の画素行のいずれかを選択する走査信号のうちの一方の信号が供給され、
前記第2容量電極には、ローレベル電位を与える信号および前記複数の画素行のいずれかを選択する走査信号のうちの他方の信号が供給される、項目1から11のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目13]
基板と、前記基板に支持されたゲートメタル層と、前記ゲートメタル層を覆う前記誘電体層と、前記誘電体層上に形成されたソースメタル層とを有し、
前記第1容量電極は、前記ゲートメタル層および前記ソースメタル層の一方の層に含まれ、
前記第2容量電極は、前記ゲートメタル層および前記ソースメタル層の他方の層に含まれる、項目1から12のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目14]
項目1から13のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目15]
項目4に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部のうち、前記第1開口部と重なる部分を切断する、欠陥修正方法。
[項目16]
項目5に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、または、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第2容量電極に接続された前記第2接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目17]
項目5から8のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか2つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の一方の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断し、
一端が、前記絶縁破壊が生じた2つの容量素子の他方の前記第2容量電極に接続された前記第2接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目18]
項目9から11のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目19]
項目14から18のいずれか1項に記載の欠陥修正方法によって、前記表示パネルの欠陥を修正する工程を包含する、表示パネルの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によると、製造歩留まりの低下が抑制された表示パネル、そのような表示パネルの欠陥修正方法、および欠陥修正方法を用いた表示パネルの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1による表示パネル1000aを有する表示装置1100aの構成を示す模式的な図である。
図2】表示装置1100aの模式的な平面図である。
図3】表示パネル1000aの模式的な平面図であり、表示パネル1000aの周辺領域NAを模式的に示す平面図である。
図4A】表示パネル1000aの模式的な平面図であり、表示パネル1000aの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図4B】表示パネル1000aの欠陥修正方法の一例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000aの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図5A】本発明の実施形態2による表示パネル1000bの模式的な平面図であり、表示パネル1000bの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図5B】表示パネル1000bの欠陥修正方法の一例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000bの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図5C】表示パネル1000bの欠陥修正方法の他の例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000bの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図5D】表示パネル1000bの欠陥修正方法のさらに他の例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000bの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図6A】本発明の実施形態2の変形例による表示パネル1000b1の模式的な平面図であり、表示パネル1000b1の周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図6B】表示パネル1000b1の欠陥修正方法の一例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000b1の周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図7A】本発明の実施形態3による表示パネル1000cの模式的な平面図であり、表示パネル1000cの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図7B】表示パネル1000cのダミー容量部CAを説明するための模式的な断面図である。
図7C】表示パネル1000cの欠陥修正方法の一例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000cの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。
図7D】表示パネル1000cの欠陥修正方法の一例を説明するための表示パネル1000cのダミー容量部CAの模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、以下では、本発明の実施形態による表示パネルの例として液晶表示パネルを示すが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、例えば有機EL表示装置などのアクティブマトリクス型の表示パネルに適用され得る。以下の図面において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、その説明を省略することがある。
【0012】
(実施形態1)
図1図2図3および図4Aを参照して、本実施形態による液晶表示パネル1000aおよび液晶表示パネル1000aを有する液晶表示装置1100a(以下、「表示パネル1000a」および「表示装置1100a」ということがある。)を説明する。図1は、表示装置1100aの構成を示す模式的な図である。図2は、表示装置1100aの模式的な平面図である。図3は、表示パネル1000aの一部を示す模式的な平面図である。図4Aは、表示パネル1000aの周辺領域NAの一部を示す模式的な平面図である。
【0013】
図1および図2に示すように、表示パネル1000aは、複数の画素行および複数の画素列を有するマトリクス状に配列された複数の画素Pを有する。各画素Pには、TFT(薄膜トランジスタ)1およびTFT1に電気的に接続された画素電極5が設けられている。画素行は、行方向(図2のX方向)に配列された複数の画素Pであり、画素列は、列方向(図2のY方向)に配列された複数の画素Pである。表示パネル1000aは、互いに対向するTFT基板101および対向基板201と、これらの基板の間に設けられた液晶層とを有する。表示パネル1000aは、複数の画素Pによって画定される表示領域AAと、表示領域AA以外の周辺領域NAとを有する。周辺領域NAは、行方向において表示領域AAよりも外側の第1周辺領域NA1と、列方向において表示領域AAよりも外側の第2周辺領域NA2とを含む。表示装置1100aは、表示パネル1000aと、表示パネル1000aに接続された回路基板510とを有する。
【0014】
この例では、複数の画素行のそれぞれにはゲートバスラインGLが関連付けられ、複数の画素列のそれぞれにソースバスラインSLが関連付けられている。各画素PのTFT1は、対応するゲートバスラインGLからゲート信号を供給され、対応するソースバスラインSLからソース信号を供給される。画素行を上から順に第1行、第2行、・・・、第rx行とし、第r行(1≦r≦rx)の画素行に関連付けられたゲートバスラインをゲートバスラインGL(r)と表すことがある(図1参照)。ここで、rxは表示パネル1000aが有する画素行の数である。第r行の画素行の画素は、ゲートバスラインGL(r)に供給された走査信号電圧によって選択される。第r行の画素行に関連付けられたゲートバスラインGL(r)は、第r行の画素行に含まれる画素に接続されたTFTのゲート電極に接続されている。画素列について、左から順に第1列、第2列、・・・、第qy列とし、第q列の画素列に関連付けられたソースバスラインSLをソースバスラインSL(q)と表すことがある。ここで、qyは表示パネル1000aが有する画素列の数である。第q列(1≦q≦qy)の画素列の画素には、ソースバスラインSL(q)から表示信号電圧が供給される。第q列の画素列に関連付けられたソースバスラインSL(q)は、第q列の画素列に含まれる画素に接続されたTFTのソース電極に接続されている。
【0015】
表示パネル1000aは、ゲート駆動回路GDを有する。ここでは、ゲート駆動回路GDは、TFT基板101上に一体的に形成されている(ゲートドライバモノリシック)。ゲート駆動回路GDは、表示パネル1000aの第1周辺領域NA1に設けられ、複数の画素行のそれぞれに対応付けられた複数の段(「駆動段」ということがある。)を有するシフトレジスタ110を含む。シフトレジスタ110の各駆動段の出力は、複数の画素行のそれぞれに関連付けられたゲートバスラインGLに接続されている。典型的には、シフトレジスタ110はrx個の駆動段を有し、上から順に第1段、第2段、・・・、第rx段とすると、第r段(1≦r≦rx)の出力は、ゲートバスラインGL(r)に接続されている。シフトレジスタ110は、rx個の駆動段に加えて、rx個の駆動段に列方向に隣接する、表示に寄与しない1または複数のダミー段をさらに有する。この例では、rx個の駆動段の上下両側のそれぞれに複数のダミー段が設けられている。駆動段の上側(すなわち、駆動段の最初の段の前段)に設けられたダミー段を上から順に第u1段、第u2段とし、駆動段の下側(すなわち、駆動段の最終段の次段)に設けられたダミー段を上から順に第d1段、第d2段とする。シフトレジスタ110は、複数の単位回路QCが縦続接続(カスケード接続)されることによって構成されている。シフトレジスタ110の各段(駆動段およびダミー段のそれぞれ)は各単位回路QCによって構成されている。シフトレジスタ110の各段を構成する単位回路QCは、少なくとも1つのTFTを有している。第r段(1≦r≦rx)の駆動段は、単位回路QC(r)によって構成されており、第u1段、第u2段、第d1段、第d2段のダミー段は、それぞれ、単位回路QC(u1)、QC(u2)、QC(d1)、QC(d2)によって構成されている。シフトレジスタ110が有するダミー段の個数は、図示する例に限られず、駆動段の上側(駆動段の最初の段の前段)および/または下側(駆動段の最終段の次段)に少なくとも1つのダミー段が設けられている形態に適宜変更され得る。
【0016】
シフトレジスタ1100のダミー段のうち、駆動段の上側に設けられたダミー段のそれぞれには、周辺領域NAに設けられたダミー容量部CAが有する並列に接続された複数の容量素子40が接続されている。また、ここでは、シフトレジスタ1100のダミー段のうち、駆動段の下側に設けられたダミー段のそれぞれには、ダミーバスラインdLが接続されている。ダミーバスラインdLは、例えば、ゲートバスラインGLと同等の配線抵抗を有する。ダミー容量部CAまたはダミーバスラインdLをダミー段のそれぞれに接続することによって、ダミー段のそれぞれに、ゲートバスラインGLが形成する寄生容量と同等の容量が接続される。ダミー段の単位回路QCの負荷が、駆動段の単位回路QCの負荷と同程度になるように設計される。シフトレジスタ110の各段の単位回路QCの負荷は、単位回路QCに接続された配線の容量や抵抗によって決まる。
【0017】
図4Aに示すように、ダミー容量部CAは、並列に接続された4つの容量素子40a、40b、40cおよび40d(総称して「容量素子40」ということがある。)を有する。ここでは、4つの容量素子40a~40dのそれぞれは、第1容量電極CE1sと、第2容量電極CE2gと、第1容量電極CE1sと第2容量電極CE2gとの間に位置する誘電体層とを含む。4つの容量素子40の第1容量電極CE1sには、互いに同じ電位が供給され、4つの容量素子40の第2容量電極CE2gには、互いに同じ電位が供給される。第1容量電極CE1sと第2容量電極CE2gには互いに異なる電位が供給される。第1容量電極CE1sには、例えば、ローレベル電位VSSを与える信号が供給される。第2容量電極CE2gには、例えば、ゲートバスラインGLに供給される走査信号Goutが供給される。
【0018】
ダミー容量部CAは、複数の第1接続部46(ここでは4つの第1接続部46)をさらに有する。各第1接続部46の両端は、4つの容量素子40のうちのいずれか1つの第1容量電極CE1sと、4つの容量素子40のうちの他のいずれか1つの第1容量電極CE1sとに接続されている。ここでは、各第1接続部46の両端は、隣接する2つの容量素子40の第1容量電極CE1sに接続されている。第1容量電極CE1sおよび第1接続部46は、例えば、ソースバスラインSLと同じ導電膜から形成されている(すなわち、ソースメタル層に含まれる)。第2容量電極CE2gは、複数の容量素子40に共通して設けられている。例えば、第2容量電極CE2gは、複数の容量素子40の第1容量電極CE1sのそれぞれと少なくとも部分的に重なるように設けられている。第2容量電極CE2gは、表示パネル1000aの法線方向から見たとき(図4A)、それぞれが、4つの第1接続部46のいずれかと重なる複数の開口部CHa(ここでは3つの開口部CHa)を有する。4つの第1接続部46のうち、両端が、容量素子40aの第1容量電極CE1sと、容量素子40dの第1容量電極CE1sとに接続されている第1接続部46は、第2容量電極CE2gと重なっていない部分を有するので、第2容量電極CE2gと重なる部分に開口部を設ける必要がない。第2容量電極CE2gは、例えば、ゲートバスラインGLと同じ導電膜から形成されている(すなわち、ゲートメタル層に含まれる)。第1接続部46は、例えばレーザを照射することによって切断することが容易な形状を有していることが好ましい。それぞれの容量素子40の第1容量電極CE1sと第2容量電極CE2gとは少なくとも部分的に重なっていることが好ましい。表示パネル1000a(またはTFT基板101)を法線方向から見たとき、第1接続部46は、例えば、第2容量電極CE2gとの間で容量を形成するために設けられた第1容量電極CE1sよりも、小さい面積を有する。第1接続部46は、例えば略矩形状の第1容量電極CE1sから延設されている部分であり、略矩形状の第1容量電極CE1sの外縁から突出して設けられている部分ということもできる。第1接続部46は、例えば配線状に設けられており、言い換えると、2つの第1容量電極CE1sの間を結ぶ細い線であり、線の長さに対して小さい幅を有する形状である。第1接続部46の両端は、例えば、2つの第1容量電極CE1sの外縁上にある。
【0019】
図4Bを参照しながら、表示パネル1000aの欠陥修正方法を説明する。並列接続された複数の(ここでは4つの)容量素子40のうちの1つの容量素子40bに絶縁破壊Lxが生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sに接続された第1接続部46を切断する。典型的には、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sに接続されている第1接続部46をすべて切断する。具体的には、例えば、図4Bに示すように、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sと、他の容量素子40aの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断し(切断箇所CPa)、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sと、他の容量素子40cの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPb)。第1接続部46を、例えばレーザ光で照射することによって、切断箇所CPaおよびCPbで切断する。このとき、第1接続部46のうち、第2容量電極CE2gの開口部CHaと重なる部分を切断するので、第2容量電極CE2gへの影響が抑制される。このようにして、表示パネル1000aの製造工程において、容量素子40のいずれかに絶縁破壊が生じたとき、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sを他の容量素子40a、40cおよび40dの第1容量電極CE1sから電気的に独立させることによって、表示パネル1000aの欠陥を修正することができる。表示パネル1000aおよび表示パネル1000aの欠陥修正方法を用いると、表示パネル1000aの製造歩留まりの低下が抑制される。容量素子40の絶縁破壊は、例えば、異物の混入や絶縁膜(誘電体層)の形成不良に起因して、第1容量電極CE1sと第2容量電極CE2gとの間で短絡(リーク)が生じた場合や、外部からの静電気等による静電放電(Electro-Static Discharge:ESD)による静電破壊、等を含む。
【0020】
表示パネル1000aは、シフトレジスタ110のダミー段の少なくとも一部に接続するためのダミーバスラインを周辺領域に設ける必要がないので、狭額縁化に貢献し得る。
【0021】
ここでは、ソースメタル層は、ゲートメタル層の上に配置されている。すなわち、表示パネル1000aのTFT基板101は、基板と、基板に支持されたゲートメタル層と、ゲートメタル層を覆う誘電体層(ゲート絶縁層)と、誘電体層上に形成されたソースメタル層とを有する。ここでは、第1容量電極CE1sおよび第1接続部46がソースメタル層に含まれ、第2容量電極CE2gがゲートメタル層に含まれる例を説明したが、本発明の実施形態はこの例に限られない。第1容量電極CE1sおよび第1接続部46がゲートメタル層に含まれており、第2容量電極CE2gがソースメタル層に含まれていてもよい。この場合、第1容量電極CE1sには、例えば、ゲートバスラインGLに供給される走査信号Goutが供給され、第2容量電極CE2gには、例えば、ローレベル電位VSSを与える信号が供給される。また、このような表示パネルの欠陥修正方法においては、第1接続部46(ゲートメタル層)のうち、第2容量電極CE2g(ソースメタル層)の開口部CHaと重なる部分を、ゲート絶縁層の上から切断することができる。製造コストの削減の観点から、第1容量電極CE1sがゲートメタル層およびソースメタル層の一方に含まれており、第2容量電極CE2gがゲートメタル層およびソースメタル層の他方に含まれていることが好ましい。
【0022】
表示パネル1000aおよび表示装置1100aの構造をさらに詳細に説明する。
【0023】
図2に示すように、回路基板510は、ゲート駆動回路GDに制御信号を供給する制御回路CNTLを有する。例えば、制御回路CNTLは、回路基板510に実装されている。回路基板510は、ソース基板520を介して、表示パネル1000aの第2周辺領域NA2に形成された端子部TPに接続されている。回路基板510は、フレキシブル回路基板(FPC:Flexible printed circuits)512を介してソース基板520に接続されている。端子部TPには、ゲート駆動回路GDに信号を供給するための幹線のそれぞれに電気的に接続された端子が設けられている。回路基板510は、ソース基板520を介して、表示パネル1000aの端子部TPから、ゲート駆動回路GDに信号を供給するための幹線のそれぞれに信号を供給する。回路基板510は、この例では、複数のソース基板520を介して表示パネル1000aと接続されている。ソース基板520(プリント配線基板)のそれぞれは、複数のフレキシブル回路基板522を介して表示パネル1000aと接続されており、ソースバスラインSLに表示信号電圧を供給するソース駆動回路SDがフレキシブル回路基板522に実装されている。なお、図2では見やすさのためにソースバスラインSLの図示を省略している。制御回路CNTLは、例えば、ソース駆動回路SDにも制御信号を供給する。制御回路CNTLがゲート駆動回路GDに供給する制御信号は、例えば、ゲートスタートパルス信号GSP、ゲートクロック信号GCK、ゲートエンドパルス信号GEPを含む。制御回路CNTLがソース駆動回路SDに供給する制御信号は、例えば、ソーススタートパルス信号SSP、ソースクロック信号SCKを含む。なお、ソース駆動回路SDおよび制御回路CNTLの配置や接続方法は、図示するものに限られない。また、図2では表示領域AAの左右両側にゲート駆動回路GDおよびゲート駆動回路GDに信号を供給するための配線が設けられているが、表示領域AAの左右どちらか一方にのみ、ゲート駆動回路GDおよびゲート駆動回路GDに信号を供給するための配線を設けてもよい。
【0024】
図3に、シフトレジスタ110に信号を入力するための配線をより詳細に示している。表示パネル1000aは、ゲート駆動回路GDに信号を供給するために第1周辺領域NA1に設けられた以下の配線をさらに有する。具体的には、表示パネル1000aは、それぞれが列方向に延び、シフトレジスタ110の複数の段に互いに位相の異なるn種類(nは2以上の整数)のクロック信号を供給するn本のクロック幹線CKL1~CKLnと、それぞれが列方向に延び、シフトレジスタ110の複数の段に共通の信号を供給する外側幹線122および内側幹線124と、それぞれが外側幹線122と内側幹線124とを電気的に接続する複数の枝配線140とを有する。表示パネル1000aの第2周辺領域NA2の端子部TPには、n本のクロック幹線CKL1~CKLnおよび外側幹線122のそれぞれに電気的に接続された端子(n個のクロック幹線用端子および外側幹線用端子)が設けられている。n本のクロック幹線CKL1~CKLnを総称してクロック幹線CKLということがある。
【0025】
n本のクロック幹線CKL1~CKLnとして、図3の例では、8本のクロック幹線CKL1~CKL8が設けられている(n=8)。クロック幹線CKL1~CKL8から供給されるゲートクロック信号GCKをGCK1~GCK8とすると、ゲートクロック信号GCK1~GCK8は、例えば周期が8H(1Hは1水平走査期間)、デューティ比が1:1(1周期の8Hのうち4Hがハイレベル、4Hがローレベルにある)の振動電圧であり、位相が1Hずつ異なる。例えば、ローレベル電位Vgl=-7V、ハイレベル電位Vgh=35Vである。表示パネル1000aの第2周辺領域NA2の端子部TPには、クロック幹線CKL1~CKL8のそれぞれに電気的に接続された端子(8個のクロック幹線用端子)が設けられており、制御回路CNTLからクロック幹線用端子を介して接続されたクロック幹線CKL1~CKL8にゲートクロック信号GCK1~GCK8がそれぞれ供給される。各クロック幹線CKL1~CKL8とシフトレジスタ110の各段の入力(入力端子)とは、行方向に延びる配線154を介して電気的に接続されているので、シフトレジスタ110の各段の入力に、ゲートクロック信号GCK1~GCK8が供給される。シフトレジスタ110の各段の入力と、n本のクロック幹線CKL1~CKLnとの接続関係の例は以下の通りである。例えば、第1段~第8段の入力には、クロック幹線CKL1~CKL8からゲートクロック信号GCK1~GCK8がそれぞれ供給され、第9段~第16段の入力には、クロック幹線CKL1~CKL8からゲートクロック信号GCK1~GCK8がそれぞれ供給され、第17段~第24段の入力には、クロック幹線CKL1~CKL8からゲートクロック信号GCK1~GCK8がそれぞれ供給され、・・・と同様に繰り返される。すなわち、シフトレジスタ110の第{(a×n)+k}段の入力には、クロック幹線CKLkからゲートクロック信号GCKkが供給される(ここで、aは0以上の整数、kは0以上n-1以下の整数)。
【0026】
外側幹線122および内側幹線124は、例えば、シフトレジスタ110の複数の段にローレベル電位(例えばVSS=-7V)を与える信号を供給するためのものである。制御回路CNTLから外側幹線用端子を介して接続された外側幹線122に、固定電位を与える信号(例えばローレベル電位VSSを与える信号)が供給される。外側幹線122と内側幹線124とは枝配線140を介して電気的に接続されており、内側幹線124とシフトレジスタ110の各段の入力(入力端子)とは配線152を介して電気的に接続されているので、シフトレジスタ110の各段の入力に、ローレベル電位VSSを与える信号が供給される。
【0027】
表示パネル1001aは、第1周辺領域NA1に設けられ、列方向に延び、シフトレジスタ110の複数の段に共通の他の信号を供給するさらなる幹線121をさらに有してもよい。この場合、制御回路CNTLから2種類のローレベル電位(例えばVSS1=-12V、VSS2=-7V)を与える信号が供給される。外側幹線122および内側幹線124は、ローレベル電位VSS2を与える信号をシフトレジスタ110の複数の段に供給し、幹線131は、ローレベル電位VSS1を与える信号をシフトレジスタ110の複数の段に供給する。
【0028】
なお、外側幹線122および内側幹線124は、例えば、シフトレジスタ110の複数の段にハイレベル電位(Vghと異なってよい)を与える信号VDを供給するためのものであってもよい。制御回路CNTLから外側幹線用端子を介して接続された外側幹線122に、ハイレベル電位を与える信号VDが供給されてもよい。
【0029】
この例では、内側幹線124は、シフトレジスタ110よりも表示領域AAから遠く配置されており、外側幹線122は、内側幹線124よりも表示領域AAから遠く配置されている。8本のクロック幹線CKL1~CKL8は、外側幹線122と内側幹線124との間に設けられている。外側幹線122の行方向の幅は、典型的には、内側幹線124の行方向の幅よりも大きい。
【0030】
表示パネル1000aは、シフトレジスタ110の複数の段のそれぞれに信号を供給するための第1幹線132および第2幹線134をさらに有する。第1幹線132および第2幹線134は、例えばシフトレジスタ110の各段にクリア信号(リセット信号)を供給するために用いられる。クリア信号として、ゲートスタートパルス信号GSPおよび/またはゲートエンドパルス信号GEPを用いてもよい。第1幹線132は、第1周辺領域NA1に設けられ、複数の段に含まれる1または複数の第1種の段に共通の信号を供給する。第2幹線134は、第1幹線132と表示領域AAとの間に設けられ、複数の段に含まれる1または複数の第2種の段に共通の他の信号を供給する。第1幹線132および第2幹線134は列方向に延びている。第1幹線132および第2幹線134は、電気的に独立なので、第1種の段と第2種の段に互いに異なる信号を供給することができる。
【0031】
(実施形態2)
図5A図5B図5Cおよび図5Dを参照しながら、本実施形態による表示パネル1000bおよびその欠陥修正方法を説明する。図5Aは、表示パネル1000bの模式的な平面図であり、周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。図5B図5Cおよび図5Dは、表示パネル1000bの欠陥修正方法を説明するための模式的な平面図である。以下では、先の実施形態と異なる点を主に説明する。
【0032】
表示パネル1000aにおいては、第2容量電極CE2gは、複数の容量素子40に共通して設けられていたが、表示パネル1000bにおいては、4つの容量素子40のそれぞれに対応するように、4つの第2容量電極CE2gが設けられている。表示パネル1000bにおいて、ダミー容量部CAは、複数の第2接続部42(ここでは4つの第2接続部42)をさらに有する。各第2接続部42の両端は、4つの容量素子40のうちのいずれか1つの第2容量電極CE2gと、4つの容量素子40のうちの他のいずれか1つの第2容量電極CE2gとに接続されている。ここでは、各第2接続部42の両端は、隣接する2つの容量素子40の第2容量電極CE2gに接続されている。各第2接続部42は、表示パネル1000bの法線方向から見たとき(図5A)、第1接続部46のいずれとも重ならないように設けられている。第2接続部42の形状や、第2接続部42と第2容量電極CE2gとの関係については、第1接続部46および第1容量電極CE1sと同様のことが言える。
【0033】
図5Bおよび図5Cを参照しながら、表示パネル1000bの欠陥修正方法の一例を説明する。並列接続された複数の容量素子40のうちの1つの容量素子40dに絶縁破壊Lxが生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第1容量電極CE1sに接続された第1接続部46を切断する、または、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第2容量電極CE2gに接続された第2接続部42を切断することによって、欠陥を修正することができる。典型的には、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第1容量電極CE1sに接続されている第1接続部46をすべて切断する、または、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第2容量電極CE2gに接続されている第2接続部42をすべて切断する。具体的には、例えば、図5Bに示すように、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第1容量電極CE1sと、他の容量素子40cの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断し(切断箇所CPa)、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第1容量電極CE1sと、他の容量素子40aの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPb)。または、図5Cに示すように、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第2容量電極CE2gと、他の容量素子40cの第2容量電極CE2gとに接続された第2接続部42を切断し(切断箇所CPa)、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40dの第2容量電極CE2gと、他の容量素子40aの第2容量電極CE2gとに接続された第2接続部42を切断する(切断箇所CPb)。図5Bまたは図5Cの欠陥修正方法のいずれかによって、表示パネル1000bの欠陥を修正することができる。表示パネル1000bは、製造歩留まりの低下を抑制することができる。また、表示パネル1000bは、図5Bの欠陥修正方法のように、第1接続部46を切断するか、図5Cの欠陥修正方法のように、第2接続部42を切断するかを選択することができる。表示パネル1000bは、表示パネル1000aよりもさらに、製造歩留まりの低下を抑制することができる。
【0034】
図5Dを参照しながら、表示パネル1000bの欠陥修正方法の他の例を説明する。表示パネル1000bは、複数の容量素子40のうちの2つの容量素子40に絶縁破壊が生じた場合も、欠陥を修正することができるので、表示パネル1000aよりも効果的に製造歩留まりの低下を抑制することができる。並列接続された複数の容量素子40のいずれか2つ(ここでは容量素子40dおよび40b)に絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の一方の第1容量電極CE1sに接続された第1接続部46を(典型的にはすべて)切断し、一端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の他方の第2容量電極CE2gに接続された第2接続部42を(典型的にはすべて)切断する。具体的には、例えば、以下の4箇所を切断する。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の一方の容量素子40dの第1容量電極CE1sと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか1つの容量素子40cの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPa)。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の一方の容量素子40dの第1容量電極CE1sと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか他の1つの容量素子40aの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPb)。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の他方の容量素子40bの第2容量電極CE2gと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか1つの容量素子40aの第2容量電極CE2gとに接続された第2接続部42を切断する(切断箇所CPc)。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の他方の容量素子40bの第2容量電極CE2gと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか他の1つの容量素子40cの第2容量電極CE2gとに接続された第2接続部42を切断する(切断箇所CPd)。
【0035】
表示パネル1000bは、以下の(1)および(2)を満たすので、複数の(ここでは4つの)容量素子40のうちの任意の2つの容量素子40に絶縁破壊が生じた場合、欠陥を修正することができる。
(1)4つの第1容量電極CE1sのそれぞれについて、第1容量電極CE1sに電位を与える信号を入力する入力端(図の「VSS」の矢印の先)から、4つの第1容量電極CE1sのそれぞれに至る電気的に導通された経路が2つ以上ある。ここで「経路」は、1または複数の第1接続部46に加えて、他の第1容量電極CE1sも含み得る。
(2)4つの第2容量電極CE2gのそれぞれについて、第2容量電極CE2gに電位を与える信号を入力する入力端(図の「Gout」の矢印の先)から、4つの第2容量電極CE2gのそれぞれに至る電気的に導通された経路が2つ以上ある。ここで「経路」は、1または複数の第2接続部42に加えて、他の第2容量電極CE2gも含み得る。
【0036】
上記(1)および(2)の両方を満たすことが好ましいが、いずれか一方のみを満たしていてもよい。上記(1)を満たすためには、以下の(3a)および(3b)を満たすことが好ましく、上記(2)を満たすためには、以下の(4a)および(4b)を満たすことが好ましい。
(3a)4つの容量素子40のそれぞれの第1容量電極CE1sが、4つの第1接続部46のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、4つの第1接続部46の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ4つの容量素子40のうちの異なる容量素子の第1容量電極CE1sと接続されている。言い換えると、4つの容量素子40のそれぞれの第1容量電極CE1sが、2つ以上の第1接続部46の一端と接続されており、当該2つ以上の第1接続部46の他端は、互いに異なる容量素子40の第1容量電極CE1sに接続されている。
(3b)4つの容量素子40は、第1容量電極CE1sに電位を与える信号を入力する入力端(図の「VSS」の矢印の先)と、他の容量素子の第1容量電極CE1sを介さずに接続された第1容量電極CE1sを有する容量素子を2つ以上含む。図5Aから図5Dの例では、容量素子40aおよび40dが、第1容量電極CE1sに電位を与える信号を入力する入力端と、他の容量素子を介さずに接続されている。
(4a)4つの容量素子40のそれぞれの第2容量電極CE2gが、4つの第2接続部42のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、4つの第2接続部42の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ4つの容量素子40のうちの異なる容量素子の第2容量電極CE2gと接続されている。言い換えると、4つの容量素子40のそれぞれの第2容量電極CE2gが、2つ以上の第2接続部42の一端と接続されており、当該2つ以上の第2接続部42の他端は、互いに異なる容量素子40の第2容量電極CE2gに接続されている。
(4b)4つの容量素子40は、第2容量電極CE2gに電位を与える信号を入力する入力端(図の「Gout」の矢印の先)と、他の容量素子の第2容量電極CE2gを介さずに接続された第2容量電極CE2gを有する容量素子を2つ以上含む。図5Aから図5Dの例では、容量素子40cおよび40dが、第2容量電極CE2gに電位を与える信号を入力する入力端と、他の容量素子を介さずに接続されている。
【0037】
(変形例)
図6Aおよび図6Bを参照しながら、本実施形態の変形例による表示パネル1000b1およびその欠陥修正方法を説明する。図6Aは、表示パネル1000b1の模式的な平面図であり、周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。図6Bは、表示パネル1000b1の欠陥修正方法を説明するための模式的な平面図である。
【0038】
表示パネル1000b1は、ダミー容量部CAに、並列接続された6つの容量素子40を有する点において、表示パネル1000bと異なる。表示パネル1000b1は、上記の(1)および(2)の両方を満たすので、6つの容量素子40のうちの任意の2つの容量素子40に絶縁破壊が生じた場合、図5Aおよび図5Bを参照しながら説明した欠陥修正方法と同様の方法で、欠陥を修正することができる。ダミー容量部CAが有する並列接続された容量素子40の個数が5または7以上であっても同様のことが言える。具体的には、例えば、図6Bに示すように、以下の4箇所を切断する。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子40cおよび40fの一方の容量素子40cの第1容量電極CE1sと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか1つの容量素子40bの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPc)。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子40cおよび40fの一方の容量素子40cの第1容量電極CE1sと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか他の1つの容量素子40dの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPd)。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子40cおよび40fの他方の容量素子40fの第2容量電極CE2gと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか1つの容量素子40eの第2容量電極CE2gとに接続された第2接続部42を切断する(切断箇所CPa)。
・両端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子40cおよび40fの他方の容量素子40fの第2容量電極CE2gと、4つの容量素子40のうちの絶縁破壊が生じた2つの容量素子以外のいずれか他の1つの容量素子40aの第2容量電極CE2gとに接続された第2接続部42を切断する(切断箇所CPb)。
【0039】
(実施形態3)
図7A図7B図7Cおよび図7Dを参照しながら、本実施形態による表示パネル1000cおよびその欠陥修正方法を説明する。図7Aは、表示パネル1000cの模式的な平面図であり、周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。図7Bは、表示パネル1000cのダミー容量部CAを説明するための模式的な断面図である。図7Cは、表示パネル1000cの欠陥修正方法の一例を説明するための模式的な平面図であり、表示パネル1000cの周辺領域NAの一部を模式的に示す平面図である。図7Dは、表示パネル1000cの欠陥修正方法の一例を説明するための表示パネル1000cのダミー容量部CAの模式的な断面図である。以下では、先の実施形態と異なる点を主に説明する。
【0040】
表示パネル1000cは、ダミー容量部CAが、複数の容量素子40を覆う層間絶縁層15と、層間絶縁層15上に形成された透明導電層16をさらに有する点において、表示パネル1000bと異なる。透明導電層16は、コンタクト部CHcにおいて、第1容量電極CE1sと電気的に接続されている。透明導電層16は、表示パネル1000cの法線方向から見たとき(図7A)、第1接続部46および第2接続部42と重なる開口部CHbを有する。透明導電層16は、例えばITO層であり、例えば各画素Pに設けられた画素電極5と同じ透明導電膜から形成されている。透明導電層16は、透明導電材料から形成されている導電層に限られず、他の導電層であってもよい。図7Bに示すように、透明導電層16は、層間絶縁層15を介して、第2容量電極CE2gを含むゲートメタル層12、第1容量電極CE1sを含むソースメタル層14、およびこれらの間の誘電体層13(例えばゲート絶縁層)の上に設けられている。
【0041】
図7Cおよび図7Dを参照しながら、表示パネル1000cの欠陥修正方法の一例を説明する。並列接続された複数の容量素子40のうちの1つの容量素子40bに絶縁破壊Lxが生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sに接続された第1接続部46を切断する。典型的には、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sに接続されている第1接続部46をすべて切断する。具体的には、例えば、図7Cに示すように、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sと、他の容量素子40aの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断し(切断箇所CPa)、両端が、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sと、他の容量素子40cの第1容量電極CE1sとに接続された第1接続部46を切断する(切断箇所CPb)。表示パネル1000cは、製造歩留まりの低下を抑制することができる。このとき、絶縁破壊が生じた容量素子40bにおいては、第1容量電極CE1sは第2容量電極CE2gと導通されるので、第1接続部46が切断された後、容量素子40bの第1容量電極CE1sの電位は、第2容量電極CE2gの電位(例えばGout)と等しくなる。一方で、透明導電層16は、第1容量電極CE1sと電気的に接続されているので、透明導電層16の電位は、第1容量電極CE1sの電位(例えばVSS)と等しい。したがって、絶縁破壊が生じた容量素子40bの第1容量電極CE1sと、透明導電層16と、これらの間の層間絶縁層15とによって、容量50が形成される。容量50が形成されることによって、絶縁破壊が生じた容量素子40bが切り離された影響を低減することができる。
【0042】
ここでは、第1容量電極CE1sおよび第1接続部46がソースメタル層に含まれ、第2容量電極CE2gがゲートメタル層に含まれる例、すなわち第1容量電極CE1sが第2容量電極CE2gの上に配置される例を説明したが、第2容量電極CE2gが第1容量電極CE1sの上に配置されてもよい。この場合、第1容量電極CE1sと電気的に接続された導電層は、第1容量電極CE1sに絶縁層を介して対向し、第1容量電極CE1sの第2容量電極CE2gと反対側に位置する。すなわち、導電層は、第1容量電極CE1sの下に絶縁層を介して位置する。このような場合であっても、表示パネル1000cと同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の実施形態による表示パネルは、液晶表示パネルおよび有機EL表示パネル等のアクティブマトリクス型表示パネルに広く適用される。本発明の実施形態による表示パネルを適用すると、アクティブマトリクス型表示パネルの製造歩留まりを向上させることができる。本発明の実施形態による表示パネルの欠陥修正方法は、表示パネルの製造方法に用いることができる。
【符号の説明】
【0044】
40、40a、40b、40c、40d:容量素子、42:第2接続部、46:第1接続部、CE1s:第1容量電極、CE2g:第2容量電極、101:TFT基板、110:シフトレジスタ、201:対向基板、510:回路基板、1000a、1000b、1000b1、1000c:表示パネル、1100a:表示装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
【手続補正書】
【提出日】2023-09-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
[項目1]
複数の画素行および複数の画素列を有するマトリクス状に配列された複数の画素を有し、
前記複数の画素によって画定される表示領域と、前記表示領域以外の周辺領域とを有し、
前記周辺領域に設けられたゲート駆動回路であって、前記複数の画素行のそれぞれに対応付けられた複数の段と、ダミー段とを有するシフトレジスタを含むゲート駆動回路と、
前記周辺領域に設けられたダミー容量部と
を有し、
前記ダミー容量部は、前記ダミー段に接続された、並列に接続された複数の容量素子を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれは、第1容量電極と、第2容量電極と、前記第1容量電極と前記第2容量電極との間に位置する誘電体層とを含み、
前記ダミー容量部は、それぞれの両端が、前記複数の容量素子のうちのいずれか1つの前記第1容量電極と、前記複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの前記第1容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第1接続部をさらに有する、表示パネル。
[項目2]
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第1容量電極のそれぞれについて、前記第1容量電極に電位を与える信号を入力する入力端から、前記複数の容量素子の前記第1容量電極のそれぞれに至る電気的に導通された経路を2つ以上有する、項目1に記載の表示パネル。
[項目3]
前記少なくとも1つの第1接続部は、複数の第1接続部を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれの前記第1容量電極が、前記複数の第1接続部のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、前記複数の第1接続部の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ前記複数の容量素子のうちの異なる容量素子の前記第1容量電極と接続されており、
前記複数の容量素子は、前記複数の容量素子のいずれかの前記第1容量電極を介さずに、前記第1容量電極に電位を与える信号を入力する入力端と接続された前記第1容量電極を有する容量素子を2つ以上含む、項目1または2に記載の表示パネル。
[項目4]
前記第2容量電極は、前記複数の容量素子に共通して設けられており、前記少なくとも1つの第1接続部と重なる少なくとも1つの第1開口部を有する、項目1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目5]
前記ダミー容量部は、それぞれの両端が、前記複数の容量素子のうちのいずれか1つの前記第2容量電極と、前記複数の容量素子のうちの他のいずれか1つの前記第2容量電極とに接続されている、少なくとも1つの第2接続部をさらに有する、項目1から3のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目6]
前記少なくとも1つの第2接続部は、前記少なくとも1つの第1接続部と重ならないように設けられている、項目5に記載の表示パネル。
[項目7]
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第2容量電極のそれぞれについて、前記第2容量電極に電位を与える信号を入力する入力端から、前記複数の容量素子の前記第2容量電極のそれぞれに至る電気的に導通された経路を2つ以上有する、項目5または6に記載の表示パネル。
[項目8]
前記少なくとも1つの第2接続部は、複数の第2接続部を含み、
前記複数の容量素子のそれぞれの前記第2容量電極が、前記複数の第2接続部のいずれか2つ以上のそれぞれの一端と接続されており、前記複数の第2接続部の前記いずれか2つ以上の他端は、それぞれ前記複数の容量素子のうちの異なる容量素子の前記第2容量電極と接続されており、
前記複数の容量素子は、前記複数の容量素子のいずれかの前記第2容量電極を介さずに、前記第2容量電極に電位を与える信号を入力する入力端と接続された前記第2容量電極を有する容量素子を2つ以上含む、項目5から7のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目9]
前記ダミー容量部は、前記複数の容量素子の前記第1容量電極に絶縁層を介して対向するように形成された導電層であって、前記第1容量電極の前記第2容量電極と反対側に位置し、前記第1容量電極と電気的に接続された導電層をさらに有し、
前記導電層は、前記少なくとも1つの第1接続部および前記少なくとも1つの第2接続部と重なる少なくとも1つの第2開口部を有する、項目5から8のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目10]
前記導電層は、透明導電材料から形成されている、項目9に記載の表示パネル。
[項目11]
前記導電層は、前記複数の画素のそれぞれに設けられた画素電極と同じ導電膜から形成されている、項目9または10に記載の表示パネル。
[項目12]
前記第1容量電極には、ローレベル電位を与える信号および前記複数の画素行のいずれかを選択する走査信号のうちの一方の信号が供給され、
前記第2容量電極には、ローレベル電位を与える信号および前記複数の画素行のいずれかを選択する走査信号のうちの他方の信号が供給される、項目1から11のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目13]
基板と、前記基板に支持されたゲートメタル層と、前記ゲートメタル層を覆う前記誘電体層と、前記誘電体層上に形成されたソースメタル層とを有し、
前記第1容量電極は、前記ゲートメタル層および前記ソースメタル層の一方の層に含まれ、
前記第2容量電極は、前記ゲートメタル層および前記ソースメタル層の他方の層に含まれる、項目1から12のいずれか1項に記載の表示パネル。
[項目14]
項目1から13のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目15]
項目4に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部のうち、前記第1開口部と重なる部分を切断する、欠陥修正方法。
[項目16]
項目5から8のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、または、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第2容量電極に接続された前記第2接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目17]
項目5から8のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか2つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた2つの容量素子の一方の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断し、
一端が、前記絶縁破壊が生じた2つの容量素子の他方の前記第2容量電極に接続された前記第2接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目18]
項目9から11のいずれか1項に記載の表示パネルの欠陥修正方法であって、
前記複数の容量素子のいずれか1つに絶縁破壊が生じたとき、
一端が、絶縁破壊が生じた容量素子の前記第1容量電極に接続された前記第1接続部を切断する、欠陥修正方法。
[項目19]
項目14から18のいずれか1項に記載の欠陥修正方法によって、前記表示パネルの欠陥を修正する工程を包含する、表示パネルの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
シフトレジスタ11のダミー段のうち、駆動段の上側に設けられたダミー段のそれぞれには、周辺領域NAに設けられたダミー容量部CAが有する並列に接続された複数の容量素子40が接続されている。また、ここでは、シフトレジスタ11のダミー段のうち、駆動段の下側に設けられたダミー段のそれぞれには、ダミーバスラインdLが接続されている。ダミーバスラインdLは、例えば、ゲートバスラインGLと同等の配線抵抗を有する。ダミー容量部CAまたはダミーバスラインdLをダミー段のそれぞれに接続することによって、ダミー段のそれぞれに、ゲートバスラインGLが形成する寄生容量と同等の容量が接続される。ダミー段の単位回路QCの負荷が、駆動段の単位回路QCの負荷と同程度になるように設計される。シフトレジスタ110の各段の単位回路QCの負荷は、単位回路QCに接続された配線の容量や抵抗によって決まる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
表示パネル100aは、第1周辺領域NA1に設けられ、列方向に延び、シフトレジスタ110の複数の段に共通の他の信号を供給するさらなる幹線121をさらに有してもよい。この場合、制御回路CNTLから2種類のローレベル電位(例えばVSS1=-12V、VSS2=-7V)を与える信号が供給される。外側幹線122および内側幹線124は、ローレベル電位VSS2を与える信号をシフトレジスタ110の複数の段に供給し、幹線11は、ローレベル電位VSS1を与える信号をシフトレジスタ110の複数の段に供給する。