(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060882
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】線材カバー
(51)【国際特許分類】
B65H 75/42 20060101AFI20240425BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20240425BHJP
【FI】
B65H75/42 E
A44B99/00 611N
A44B99/00 601Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168446
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】518031882
【氏名又は名称】吉田 淳子
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 淳子
【テーマコード(参考)】
3F068
【Fターム(参考)】
3F068AA14
3F068CA02
3F068DA02
3F068FA03
3F068GA04
3F068JB03
3F068JB06
(57)【要約】
【課題】線材の長さ調整作業を容易且つ適切に行うことができ、長さ調整後の安定性も良好な線材カバーを提供する。
【解決手段】線材カバー101は、互いに合体分離可能な下部カバー30と上部カバー10とを備え、下部カバー30は、上部カバー10との合体面31から下部カバー30の内部に向かって凹状を成すように形成された収容部32と、収容部32を包囲する周壁部33に開設された複数の線材挿通溝34と、収容部32の底面32aから上部カバー10との合体方向U及び分離方向Vに沿って突設された線材巻回可能な連結部材35及び連結部材35の先端側に設けられた雄ネジ部36と、を有し、上部カバー10は、下部カバー30との合体面11から上部カバー10の内部に向かって、下部カバー30の連結部材35の雄ネジ部36が螺着可能な状態に開設された雌ネジ部12を有している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに合体分離可能な下部カバーと上部カバーとを備え、
前記下部カバーは、前記上部カバーとの合体面から前記下部カバーの内部に向かって凹状を成すように形成された収容部と、前記収容部を包囲する周壁部に開設された線材挿通溝と、前記収容部の底面から前記上部カバーとの合体離脱方向に沿って突設された線材巻回可能な連結部材及び前記連結部材の先端側に設けられた雄ネジ部と、を有し、
前記上部カバーは、前記下部カバーとの合体面から前記上部カバーの内部に向かって前記雄ネジ部が螺着可能な状態に開設された雌ネジ部を有する線材カバー。
【請求項2】
前記上部カバーの前記雌ネジ部の周囲に、前記上部カバーの内部に向かって凹状をなす副収容部を備えた請求項1記載の線材カバー。
【請求項3】
前記下部カバーの前記雄ネジ部を前記上部カバーの前記雌ネジ部に螺着させて前記下部カバーと前記上部カバーとを合体させたとき、前記下部カバーの前記線材挿通溝に係脱可能に嵌入する係合突起部を、前記上部カバーの前記下部カバーとの合体面に設けた請求項1または2記載の線材カバー。
【請求項4】
前記下部カバーの前記連結部材が、前記下部カバーに着脱可能である請求項1または2記載の線材カバー。
【請求項5】
前記下部カバーの前記連結部材の少なくとも一部が多角柱形状である請求項1または2記載の線材カバー。
【請求項6】
前記下部カバーの前記連結部材が前記下部カバーの外周寄りの位置に突設され、前記上部カバーの前記雌ネジ部が前記上部カバーの外周寄りの位置に開設された請求項1または2記載の線材カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛沫の飛散防止や細菌などの侵入阻止のために使用されるマスクの耳掛け紐の途中に装着して紐の長さを調整したり、その他の紐、縄、ロープあるいは針金などの各種線材の途中部分、交差部分、端部あるいは連結部分などを被覆するように取り付けたりして使用する線材カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、流行しているウイルス性感染症対策のためにマスクを装着している人が増えているが、マスクの耳掛け用の紐が長過ぎてマスク本体が顔面にフィットせず、不具合が生じることがある。このような問題に対処するため、マスクの耳掛け用の紐(丸紐)の長さ調整機構を備えたマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された「印刷可能マスク」は、口及び鼻を被覆する被覆体と、耳掛け部とからなり、耳掛け部に綿素材を用いた丸紐を用い、被覆体の耳側後方の両側部に設けられる紐通し部に丸紐を通し、上下から出た丸紐の下側一箇所のみを引き解け結びすることで長さを自由に調整可能とする耳掛け部長さ調整機構を備えたものである。
【0004】
特許文献1に記載された「印刷マスク」は、耳掛け部長さ調整機構を備えているので、この調整機構を使用することにより、顔の形状に応じて耳掛け紐の長さを適切に調整することができるので便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「印刷マスク」の耳掛け部長さ調整機構を使用する場合、紐通し部の下部から出てきた丸紐の先端部付近において、先ずは丸紐をクロスさせて輪を作り、先端を折り返し、折り返した部分を輪の中に通し、輪に通して折り返したループ部分と丸紐のもと側を引っ張れば、引き解け結びとなり、この引き解け結びによってできるループ部分に紐通し部の上部から出てきたもう一方の丸紐を通すことによって耳掛け部の長さを調整可能とすることによって、紐通し部を伸縮させ、顔の形状にフィットさせるとともに、被覆体と耳との間での張力を調整する必要があるため、長さ調整作業が面倒であり、適切な長さにセットすることも困難である。
【0007】
また、引き解け結び部分が緩んだり、引き解け結びで形成されたループ部分に通されたもう一方の丸紐がその長手方向に移動したりする可能性があるため、長さ調整後の安定性に欠ける面がある。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、線材の長さ調整作業を容易且つ適切に行うことができ、長さ調整後の安定性も良好な線材カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る線材カバーは、互いに合体分離可能な下部カバーと上部カバーとを備え、
前記下部カバーは、前記上部カバーとの合体面から前記下部カバーの内部に向かって凹状を成すように形成された収容部と、前記収容部を包囲する周壁部に開設された線材挿通溝と、前記収容部の底面から前記上部カバーとの合体離脱方向に沿って突設された線材巻回可能な連結部材及び前記連結部材の先端側に設けられた雄ネジ部と、を有し、
前記上部カバーは、前記下部カバーとの合体面から前記上部カバーの内部に向かって前記雄ネジ部が螺着可能な状態に開設された雌ネジ部を有することを特徴とする。
ここで、前記合体面とは、前記上部カバーと前記下部カバーとが合体したとき、前記下部カバーにおいて前記上部カバーに当接している面、または、前記上部カバーにおいて前記下部カバーに当接している面をいう。
【0010】
前記線材カバーにおいては、前記上部カバーの前記雌ネジ部の周囲に、前記上部カバーの内部に向かって凹状をなす副収容部を設けることができる。
【0011】
前記線材カバーにおいては、前記下部カバーの前記雄ネジ部を前記上部カバーの前記雌ネジ部に螺着させて前記下部カバーと前記上部カバーとを合体させたとき、前記下部カバーの前記線材挿通溝に係脱可能に嵌入する係合突起部を、前記上部カバーの前記下部カバーとの合体面に設けることができる。
【0012】
前記線材カバーにおいては、前記下部カバーの前記連結部材が、前記下部カバーに着脱可能であっても良い。
【0013】
前記線材カバーにおいては、前記下部カバーの前記連結部材の少なくとも一部が多角柱形状であっても良い。
【0014】
前記線材カバーにおいては、前記下部カバーの前記連結部材が前記下部カバーの外周寄りの位置に突設され、前記上部カバーの前記雌ネジ部が前記上部カバーの外周寄りの位置に開設された構造とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、線材の長さ調整作業を容易且つ適切に行うことができ、長さ調整後の安定性も良好な線材カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態である線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図3】
図1に示す線材カバーの一部省略分解正面図である。
【
図4】
図3中の矢線A方向から見た上部カバーの一部省略底面図である。
【
図5】
図3中の矢線B方向から見た下部カバーの一部省略平面図である。
【
図6】
図4中のC-C線における一部省略断面図である。
【
図7】
図5中のD-D線における一部省略断面図である。
【
図8】
図1に示す線材カバーの使用例を示す図である。
【
図9】その他の実施形態である線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図10】
図9に示す線材カバーを構成する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図11】
図10に示す上部カバーに合体分離可能な下部カバーの一部省略平面図である。
【
図14】その他の実施形態である線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図15】
図14に示す線材カバーを構成する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図16】
図14に示す上部カバーに合体分離可能な下部カバーの一部省略平面図である。
【
図19】その他の実施形態である線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図20】
図19に示す線材カバーを示す一部省略分解断面図である。
【
図21】その他の実施形態である線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図22】
図22に示す線材カバーの一部省略分解正面図である。
【
図24】その他の実施形態である線材カバーを示す一部省略斜視図である。
【
図25】
図24に示す線材カバーを構成する上部カバーの一部省略底面図である。
【
図26】
図25に示す上部カバーに合体分離可能な下部カバーの一部省略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、
図1~
図28に基づいて、本発明の実施形態である線材カバー101,102,103,104,105,106について説明する。
【0018】
初めに、
図1~
図8に基づいて、線材カバー101の構造、機能並びに使い方(用途)などについて説明する。
図1に示すように、線材カバー101は、互いに合体分離可能な下部カバー30と上部カバー10とを備えている。
図1,
図2に示すように、線材カバー101の外観は、短円柱形状を成しているが、これは一例であり、外観形状を限定するものではない。
【0019】
図3,
図5,
図7に示すように、下部カバー30は、上部カバー10との合体面31から下部カバー30の内部に向かって凹状を成すように形成された収容部32と、収容部32を包囲する周壁部33に開設された複数の線材挿通溝34と、収容部32の底面32aから上部カバー10との合体方向U及び分離方向Vに沿って突設された線材巻回可能な連結部材35及び連結部材35の先端側に設けられた雄ネジ部36と、を有している。二つの線材挿通溝34は連結部材35を挟んで対称を成すように配置されているが、これに限定しないので、一つ若しくは三つ以上の線材挿通溝34を設けることもできる。
【0020】
図3,
図4,
図6に示すように、上部カバー10は、下部カバー30との合体面11から上部カバー10の内部に向かって、下部カバー30の連結部材35の雄ネジ部36が螺着可能な状態に開設された雌ネジ部12を有している。
【0021】
図1に示す線材カバー101は、上部カバー10と下部カバー30とが合体した状態にあるが、下部カバー30を保持した状態で上部カバー10を矢線R2方向に回転させると、下部カバー30の雄ネジ部36(
図5参照)から上部カバー10の雌ネジ部12(
図4参照)が離脱し、
図3に示すように、上部カバー10と下部カバー30とが分離した状態となる。
【0022】
一方、
図3に示すように、下部カバー30の雄ネジ部36と、上部カバー10の雌ネジ部12とを同軸上で対向させ、雄ネジ部36の先端部を雌ネジ部12の開口端に当接させた後、下部カバー30を保持したまま、上部カバー10を、
図1中の矢線R1方向に回転させると雄ネジ部36が雌ネジ部12に螺着され、
図1に示すように、下部カバー30と上部カバー10とが合体した状態となった線材カバー101が形成される。
【0023】
このように、上部カバー10と下部カバー30との合体分離は、雄ネジ部36と雌ネジ部12とからなるネジ機構を介して行うので、合体分離作業は容易であり、合体後の安定性も良好である。
【0024】
次に、
図8に基づいて、
図1に示す線材カバー101の使い方(用途)について説明しる。
図8は、マスクMの被覆部材M1の側縁部M2にU字状をなすように係止された耳掛け紐M3の長さ調整手段として線材カバー101を使用した状態を示している。
【0025】
図8に示すように、線材カバー101は耳掛け紐M3の途中に着脱可能に装着して使用する。具体的には、
図8中の線材カバー101の拡大分解図に示すように、上部カバー10を下部カバー30から取り外して、下部カバー30の上面を露出させ、耳掛け紐M3の一部を、下部カバー30の外側から一方の線材挿通溝34を経由して収容部32内へ導入し、収容部32内において耳掛け紐M3の途中を連結部材35に巻き付けた後、他方の線材挿通溝34を経由して下部カバー30の外側へ耳掛け紐M3を導出する。
【0026】
この後、下部カバー30の上面を覆うように上部カバー10を取り付け、下部カバー30を保持した状態で上部カバー10を時計方向(
図1中の矢線R1方向)に回転させ、
図3に示す下部カバー30の雄ネジ部36と上部カバー10の雌ネジ部12とを螺着すると、
図8に示すように、線材カバー101が耳掛け紐M3の途中に係止された状態となり、装着が完了する。
【0027】
図8に示すように、耳掛け紐M3の途中に線材カバー101を装着すると、下部カバー30の収容部32内において、耳掛け紐M3の途中が連結部材35の周囲に少なくとも1回巻き付けられているので、耳掛け紐M3の全長が短くなった状態となる。従って、下部カバー30の収容部32内における連結部材35に対する耳掛け紐M3の巻き付け回数を増減することにより、耳掛け紐M3の長さを調整することができる。
【0028】
耳掛け紐M3に対する線材カバー101の着脱作業は、下部カバー30の雄ネジ部36と上部カバー10の雌ネジ部12とからなるネジ機構を介して行うので、合体分離作業は容易であり、合体後の安定性も良好である。従って、耳掛け紐M3(線材)の長さ調整作業を容易且つ適切に行うことができ、耳掛け紐M3の長さ調整を行った後の安定性も良好である。
【0029】
次に、
図9~
図12に基づいて、その他の実施形態である線材カバー102について説明する。なお、線材カバー102を構成する部分において前述した線材カバー101と共通する部分については、
図1~
図8中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0030】
図9に示すように、線材カバー102は、互いに合体分離可能な下部カバー30aと上部カバー20とを備えている。線材カバー102においては、上部カバー20の構造が
図1に示す上部カバー10の構造と異なっている。下部カバー30aと、
図1に示す線材カバー101の下部カバー30とは、後述する連結部材35a及び雄ネジ部36a(
図13参照)の部分が異なっているが、その他の部分は同一である。
【0031】
図10,
図12に示すように、線材カバー102においては、上部カバー20の雌ネジ部22の周囲に、上部カバー20の内部に向かって凹状をなす副収容部23が設けられている。副収容部23を設けたことにより、雌ネジ部22の軸方向の長さは、
図6に示す上部カバー10の雌ネジ部12の軸方向の長さより短くなっている。これに合わせて、
図13に示す雄ネジ部36aの軸方向の長さは、
図7に示す下部カバー30の雄ネジ部36の軸方向の長さより短くなり、
図13に示す連結部材35aの軸方向の長さは、
図7に示す連結部材35の軸方向の長さより長くなっている。
【0032】
図9に示すように、下部カバー30aと上部カバー20とを合体させて線材カバー102を形成すると、上部カバー20の合体面21と下部カバー30aの合体面31とが密着した状態となり、その内部には、収容部32と副収容部23とが合体した収容空間(図示せず)が形成される。この収容空間の容積は収容部32の容積より大であるため、
図1に示す線材カバー101より広い線材収容スペースを確保することができる。その他の部分の構造、機能並び使い方(用途)などは
図1に示す線材カバー101と同様である。
【0033】
次に、
図14~
図18に基づいて、その他の実施形態である線材カバー103について説明する。なお、線材カバー103を構成する部分において前述した線材カバー101,102と共通する部分については、
図1~
図13中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0034】
図14に示すように、線材カバー103は、互いに合体分離可能な下部カバー30aと上部カバー40とを備えている。下部カバー30aの構造は、
図9に示す線材カバー102の下部カバー30aと同一であるが、上部カバー40の構造が
図9に示す上部カバー20と異なっている。
【0035】
図15,
図17に示すように、線材カバー103においては、上部カバー40の中心に立設された円形周壁43の内部に雌ネジ部42が形成され、円形周壁43の周囲に、上部カバー40の内部に向かって凹状をなす副収容部44が設けられている。また、
図16,18に示す下部カバー30aの雄ネジ部36aを、
図15,
図17に示す上部カバー40の雌ネジ部42に螺着させ、下部カバー30aと上部カバー40とを合体させたとき、下部カバー30aの線材挿通溝34に係脱可能に嵌入する係合突起部45が、上部カバー40における下部カバー30aとの合体面41に設けられている。
【0036】
図12に示す副収容部23と、
図17に示す副収容部44とを対比すると、円形周壁43の周りの副収容部44は副収容部23より深くなっているので、
図14に示す線材カバー103は、
図9に示す線材カバー102より広い線材収容スペースを確保することができる。
【0037】
図14に示す線材カバー103においては、下部カバー30aと上部カバー40とを合体させたとき、上部カバー40の係合突起部45が、下部カバー30aの線材挿通溝34に係脱可能に嵌入するので、合体後における連結部材35a周りの下部カバー30aと上部カバー40との相対位置を一定に保つことができる。従って、下部カバー30aと上部カバー40とを合体させたとき、下部カバー30aと上部カバー40とが互いに同じ位置で合体して、同じ外観形状の線材カバー103を形成する必要があるときに有効である。また、上部カバー40の係合突起部45が下部カバー30aの線材挿通溝34に嵌入することにより、合体後の雄ネジ部36aと雌ネジ部42との螺着部分の緩みを防止することができる。
【0038】
なお、
図1に示す線材カバー101及び
図9に示す線材カバー102は、線材カバー103における係合突起部45を備えていないが、上部カバー10,20及び下部カバー30,30aの外部形状がそれぞれ連結部材35,35aを中心とする回転体形状を成しているので、合体状態における、連結部材35,35aを中心とする下部カバー30,30aに対する上部カバー10,20の合体位置が多少変動しても外観形状が大きく変動することはない。その他の部分の構造、機能並び使い方(用途)などは、
図1,
図9に示す線材カバー101,102と同様である。
【0039】
次に、
図19,
図20に基づいて、その他の実施形態である線材カバー104について説明する。なお、線材カバー104を構成する部分において前述した線材カバー101,102,103と共通する部分については、
図1~
図18中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0040】
図19,
図20に示すように、線材カバー104は、連結部材47を介して互いに合体分離可能な上部カバー40と下部カバー40aとを備えている。
図20に示すように、上部カバー40の構造は、
図15,
図17に示す上部カバー40と同一である。下部カバー40aは、上部カバー40における係合突起部45を無くし、係合突起部45があった位置に線材収容溝46を設けた構造となっている。
【0041】
図20に示すように、連結部材47は円柱状の本体部47aと、本体部47aの両端に設けられた雄ネジ部47b,47bとを備えている。連結部材47の雄ネジ部47b,47bはそれぞれ上部カバー40の雌ネジ部42、下部カバー40aの雌ネジ部42に螺着可能である。
【0042】
図20に示すように、線材カバー104においては、連結部材47が独立した部材であり、上部カバー40並びに下部カバー40aに着脱可能であるため、連結部材47の本体部47aに対する線材の巻き付けや取り外しが容易である。その他の部分の構造、機能並び使い方(用途)などは、
図1,
図9,
図14に示す線材カバー101,102,103と同様である。
【0043】
次に、
図21~
図23に基づいて、その他の実施形態である線材カバー105について説明する。なお、線材カバー105を構成する部分において前述した線材カバー101,102,103,104と共通する部分については、
図1~
図20中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0044】
図21,
図22に示すように、線材カバー105は、連結部材55を介して互いに合体分離可能な上部カバー40と下部カバー50とを備えている。
図22に示すように、上部カバー40の構造は、
図15,
図17に示す上部カバー40と同一である。下部カバー50は、
図5に示す下部カバー30と類似した構造であるが、
図23に示すように、連結部材55が四角柱形状をなしている点において異なっている。連結部材55の先端側には上部カバー40の雌ネジ部42に螺着可能な雄ネジ部55aが設けられている。
【0045】
線材カバー105においては、連結部材55が四角柱形状であるため、連結部材55に紐などの線材(図示せず)を巻き付けたときに線材が空回りし難いという長所がある。なお、連結部材55は四角柱形状に限定するものではないので、三角柱形状や五角柱形状などの多角柱形状とすることもできる。その他の部分の構造、機能並び使い方(用途)などは、
図1,
図9,
図14,
図19に示す線材カバー101,102,103,104と同様である。
【0046】
次に、
図24~
図28に基づいて、その他の実施形態である線材カバー106について説明する。なお、線材カバー106を構成する部分において前述した線材カバー101,102,103,104,105と共通する部分については、
図1~
図23中の符号と同符号を付して説明を省略する。
【0047】
図24に示すように、線材カバー106は、互いに合体分離可能な上部カバー60と下部カバー70とを備えている。
図25,
図27に示すように、上部カバー60の構造は、
図15,
図17に示す上部カバー40と類似しているが、内周面に雌ネジ部42を有する円形周壁43が上部カバー60の外周(周壁部63)寄りの位置に設けられている。円形周壁43の外周と周壁部63の内周との間には、上部カバー60の内部に向かって凹んだ副収容部61が設けられている。
【0048】
また、
図26,
図28に示すように、下部カバー70は、
図16,
図18に示す下部カバー30aと類似しているが、先端部に雄ネジ部36aを有する連結部材35aが下部カバー70の外周(周壁部73)寄りの位置に設けられている。連結部材35aの外周と周壁部73の内周との間には、下部カバー70の内部に向かって凹んだ収容部71が形成されている。
【0049】
線材カバー106においては、
図25~
図28に示すように、雌ネジ部42を有する円形周壁43は周壁部63の中心から外周側に偏心した位置に設けられ、雄ネジ部36aを有する連結部材35aは周壁部73の中心から外周側に偏心した位置に設けられているため、副収容部61,収容部71の一部は、
図15~
図18中に示す副収容部44,収容部32より広くなっている。従って、副収容部61,収容部71は、線材(図示せず)の結び目、連結部分、折り曲げ部分、結束部分などの嵩張る部分を収容する際に有利である。
その他の部分の構造、機能並び使い方(用途)などは、
図1,
図9,
図14,
図19,
図21に示す線材カバー101,102,103,104,105と同様である。
【0050】
なお、
図1~
図28に基づいて説明した線材カバー101,102,103,104,105,106は、本発明に係る線材カバーを例示するものであり、本発明に係る線材カバーは、前述した線材カバー101,102,103,104,105,106に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る線材カバーは、飛沫の飛散防止や細菌などの侵入阻止のために使用されるマスクの耳掛け紐の途中に装着して紐の長さを調整したり、その他の紐、縄、ロープあるいは針金などの各種線材の途中部分、交差部分、端部あるいは連結部分などを被覆するように取り付けたりして、様々な産業分野において広く使用することができる。
【符号の説明】
【0052】
10,20,40,60 上部カバー
11,21,31,41 合体面
12,22,42 雌ネジ部
23,44,61 副収容部
32,71 収容部
32a 底面
33,73,63 周壁部
34,46 線材挿通溝
35,35a,47,55 連結部材
36,36a,47b,55a 雄ネジ部
30,30a,40a,50,70 下部カバー
43 円形周壁
45 係合突起部
47a 本体部
101,102,103,104,105,106 線材カバー
M マスク
M1 被覆部材
M2 側縁部
M3 耳掛け紐
U 合体方向
V 分離方向