IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三富の特許一覧

<>
  • 特開-取引管理システム 図1
  • 特開-取引管理システム 図2
  • 特開-取引管理システム 図3
  • 特開-取引管理システム 図4
  • 特開-取引管理システム 図5
  • 特開-取引管理システム 図6
  • 特開-取引管理システム 図7
  • 特開-取引管理システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060890
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】取引管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240425BHJP
   G06Q 50/08 20120101ALI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168455
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】505136505
【氏名又は名称】株式会社三富
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】荒川 貴浩
(72)【発明者】
【氏名】宮前 香織
(72)【発明者】
【氏名】北川 武
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 美名
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB23
5L049BB23
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】販売者と顧客との間での取引内容の情報共有をスムーズに図りながら商品の取引を行うことのできる取引管理システムを提供する。
【解決手段】取引管理システム10は、データベース16A,16Bを記憶する記憶部14を有する。データベース16A,16Bは、顧客毎に定められた識別情報に関するデータと同識別情報に対応する顧客の取引情報に関するデータとを関連付けた状態で蓄積したデータである。取引管理システム10は、通信ネットワーク12を介して接続される外部端末13の操作を通じて識別情報が入力されることで、外部端末13によるデータベース16A,16Bの利用を許可する利用許可部18を有する。データ処理部19は、データベース16A,16Bの利用が許可されているときには、入力された識別情報に関連付けられている取引情報を含む取引情報ページに関するデータを通信ネットワーク12を介して外部端末13に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エクステリアに関する商品の取引内容を管理する取引管理システムであって、
顧客毎に定められた識別情報に関するデータと、同識別情報に対応する前記顧客の取引情報に関するデータと、を関連付けた状態で蓄積するデータベースと、
前記データベースを記憶する記憶部と、
通信ネットワークを介して接続される外部端末の操作を通じて前記識別情報が入力されることで、前記外部端末による前記データベースの利用を許可する利用許可部と、
前記利用許可部によって前記データベースの利用が許可されているときに、前記入力された前記識別情報に関連付けられている前記取引情報に関するデータを前記データベースから取得するとともに、当該データが示す前記取引情報を含む取引情報ページを前記外部端末に表示させるべく、同取引情報ページに関するデータを前記通信ネットワークを介して前記外部端末に送信するデータ処理部と、
を有する取引管理システム。
【請求項2】
前記取引情報に関するデータは、前記顧客の価格設定変数に関するデータを含む
請求項1に記載の取引管理システム。
【請求項3】
前記取引情報に関するデータは、前記顧客が購入した商品の納入場所に関するデータを含み、
前記取引情報ページは、その表示欄として、前記納入場所に関する情報を表示する納入場所欄を有する
請求項1に記載の取引管理システム。
【請求項4】
前記取引情報に関するデータは、前記顧客が購入した商品についての希望納期に関するデータと、同商品についての実際の納期に関するデータと、を含み、
前記取引情報ページは、その表示欄として、前記実際の納期に関する情報を表示する納期欄を有し、
前記納期欄は、その表示色として、前記実際の納期が前記希望納期を満足するときと満足しないときとで異なる色が定められている
請求項1に記載の取引管理システム。
【請求項5】
前記取引情報ページは、その表示欄として、前記顧客が購入した商品を利用する作業についての工程表を表示する工程表欄を有する
請求項1に記載の取引管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅などの建物のエクステリアに関する商品の取引内容を管理する取引管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建物のエクステリアに関する商品について、販売者(販売商社など)と顧客(工務店など)との間における取引は次のように行われる。先ず、販売者が顧客からオファーを受けると、取引予定内容(購入予定の商品、購入数、納期など)についての打ち合わせが行われる。そして販売者は、この打ち合わせでの合意事項をもとに書類(打ち合わせ内容確認書や見積もり書)を作成するとともに、この書類を顧客に提示する。販売者は、書類に記載の取引内容で顧客の了解がとれれば、商品の正式発注を行う。その後、顧客に指定された場所(工事現場や工務店)に商品を納入することで、取引は完了する。
【0003】
近年、電子商取引サイトが実用されている(例えば特許文献1)。電子商取引サイトには、販売者が選んだ商品がその価格とともに表示されている。購入者は、電子商取引サイトにおいて、それら商品の中から欲しい物を選んで購入する。こうして購入した商品は、電子商取引サイトにおいて購入者が選択した場所(主に、自宅)に届くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-21300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エクステリアに関する工事では、工務店などの顧客は、商品の納入予定をもとに同商品を用いる工事の日程を定める。そのため、顧客は、購入する商品の実際の取引内容を出来るだけ早く把握したいと考えている。この点、上述した一般的な商品取引では、打ち合わせにおける口頭での情報伝達やメールやファックスでの情報伝達がなされるため、販売者と顧客との間での取引内容の伝達に時間がかかってしまうといった問題がある。
【0006】
ここで、エクステリアに関する商品の取引の全般を電子商取引サイトを利用して行うことも考えられる。電子商取引サイトでは取引内容の履歴が記憶されているため、顧客は電子商取引サイトの履歴欄を通じて取引内容を確認することができる。ただし、企業間(いわゆるBtoB)における商品取引では、商品の納入量や納入時期、過去の取引実績などの種々の条件が考慮されるため、顧客によって商品販売価格が異なる。そのため、単に電子商取引システムを利用するようにしても、そうした販売価格の設定ができず、非常に使い勝手の悪いシステムになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための取引管理システムの各態様を記載する。
[態様1]エクステリアに関する商品の取引内容を管理する取引管理システムであって、顧客毎に定められた識別情報に関するデータと、同識別情報に対応する前記顧客の取引情報に関するデータと、を関連付けた状態で蓄積するデータベースと、前記データベースを記憶する記憶部と、通信ネットワークを介して接続される外部端末の操作を通じて前記識別情報が入力されることで、前記外部端末による前記データベースの利用を許可する利用許可部と、前記利用許可部によって前記データベースの利用が許可されているときに、前記入力された前記識別情報に関連付けられている前記取引情報に関するデータを前記データベースから取得するとともに、当該データが示す前記取引情報を含む取引情報ページを前記外部端末に表示させるべく、同取引情報ページに関するデータを前記通信ネットワークを介して前記外部端末に送信するデータ処理部と、を有する取引管理システム。
【0008】
上記構成によれば、識別情報が予め定められている顧客は、その識別情報を利用することで、販売者が管理するデータベースにアクセスして、同データベースに記憶されている顧客自身の取引情報(現況)を把握することができる。これにより、顧客が自身の取引情報の把握のために、販売者との間で直接の打ち合わせを行ったり、電話やFAXでのコミュニケーションを取ったりすることが不要になる。そのため、顧客は、自身の取引情報を任意のタイミングで速やかに把握することができる。したがって上記構成によれば、販売者と顧客との間での取引内容の情報共有をスムーズに図りながら商品の取引を行うことができる。
【0009】
[態様2]前記取引情報に関するデータは、前記顧客の価格設定変数に関するデータを含む[態様1]に記載の取引管理システム。
上記構成によれば、種々の条件(過去の取引実績など)をもとに販売者が定めた顧客毎の価格設定変数(例えば、割引率に相当する値)を反映させた状態で、外部端末に商品を表示させることができる。したがって、顧客毎に商品販売価格が異なるとはいえ、販売者は、外部端末を利用して、顧客に対応する商品販売価格を同顧客に容易に提示することができる。
【0010】
[態様3]前記取引情報に関するデータは、前記顧客が購入した商品の納入場所に関するデータを含み、前記取引情報ページは、その表示欄として、前記納入場所に関する情報を表示する納入場所欄を有する[態様1]または[態様2]に記載の取引管理システム。
【0011】
エクステリアにかかる業界では、お客様の所有地である施工現場に、施工に用いる商品(エクステリアに関する商材)を長期間にわたって置いておくことが難しい。そのため、顧客による商品購入時には、例えば施工現場へのジャストインタイムでの商品納入や、顧客(工務店など)への商品納入、販売者からの顧客の引き取りによる商品納入など、商品の納入場所に対して多岐にわたる要求がなされる。
【0012】
上記構成によれば、顧客は、外部端末の操作を通じて、自身が購入した商品の納入場所を任意のタイミングで把握することができる。そのため、顧客は、購入した商品の納入場所を確認しつつ、同商品を利用する施工現場における作業をスムーズに行うことができる。
【0013】
[態様4]前記取引情報に関するデータは、前記顧客が購入した商品についての希望納期に関するデータと、同商品についての実際の納期に関するデータと、を含み、前記取引情報ページは、その表示欄として、前記実際の納期に関する情報を表示する納期欄を有し、前記納期欄は、その表示色として、前記実際の納期が前記希望納期を満足するときと満足しないときとで異なる色が定められている[態様1]~[態様3]のいずれか一つに記載の取引管理システム。
【0014】
購入した商品を利用する施工作業の計画(作業工程)は、同商品の納期をもとに定められる。そのため、購入した商品の実際の納期が発注時に想定していた希望納期を満足するか否かは、購入者や施工業者にとって重要なファクターであると云える。
【0015】
上記構成では、外部端末の表示画面の納期欄の表示色として、実際の納期が希望納期を満足するときと満足しないときとで異なる色が定められている。そのため、表示画面の納期欄を一目するだけで、その表示色をもとに、商品の実際の納期が希望納期を満足する良好な状態であること、あるいは、実際の納期が希望納期を満足しない不適切な状態であることを把握することができるようになる。これにより、取引管理システムの利便性の向上を図ることができる。
【0016】
[態様5]前記取引情報ページは、その表示欄として、前記顧客が購入した商品を利用する作業についての工程表を表示する工程表欄を有する[態様1]~[態様4]のいずれか一つに記載の取引管理システム。
【0017】
上記構成によれば、購入した商品についての取引内容(納期や納入場所など)を、同商品を用いる工程と付き合わせつつ確認することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、販売者と顧客との間での取引内容の情報共有をスムーズに図りながら商品の取引を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】取引管理システムの一実施形態の概略構成図。
図2】データベースに記憶されているデータの構造を概念的に示す略図。
図3】ホーム画面におけるログイン用の画面の表示内容を示す図。
図4】価格情報を表示する表示状態の物件管理ページの表示内容を示す図。
図5】価格情報を表示しない非表示状態の物件管理ページの表示内容を示す図。
図6】追加発注ページの表示内容を示す図。
図7】配送予定時間確認ページの表示内容を示す図。
図8】工程表ページの表示内容を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、取引管理システムの一実施形態について説明する。本実施形態の取引管理システムは、建物のエクステリアに関する商品を販売する販売者である販売商社によって導入され、顧客である購入者との間での商品取引に関する各種情報を管理するためのシステムである。
【0021】
(取引管理システムの概要)
図1に示すように、本実施形態の取引管理システム10は、ウェブサーバーの機能とアプリケーションサーバーの機能とを有する管理サーバ11を備えている。管理サーバ11は、携帯電話網やインターネット網などの通信ネットワーク12を介して、外部端末13(具体的には、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどのユーザー端末)に接続可能になっている。管理サーバ11は、外部端末13との間での情報の送受信が可能になっている。外部端末13と管理サーバ11との間においては、公知の通信プロトコルに従って各種データが送受信される。
【0022】
(管理サーバ)
管理サーバ11は、記憶部14と処理部15とを有している。記憶部14には、商品の取引内容に関する各種のデータが格納されたデータベース16Aが記憶されている。また記憶部14には、顧客毎に定められた識別情報(顧客ID)に関するデータや、販売担当者毎に定められた識別情報(販売担当者ID)に関するデータが格納されたデータベース16Bが記憶されている。記憶部14においてデータベース16Aを記憶する部分やデータベース16Bを記憶する部分としては、例えばデータベースサーバが用いられる。また記憶部14には、商品の取引内容の管理に用いるアプリケーションや各種ソフトウェアが記憶されている。その他、記憶部14には各種カタログについての情報なども記憶されている。記憶部14において、アプリケーションや各種ソフトウェア、各種カタログなどを記憶する部分としては、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージが用いられる。
【0023】
管理サーバ11の処理部15としては、例えば中央演算処理装置(いわゆるCPU)などが用いられる。この処理部15は、上記記憶部14に記憶されているアプリケーションや各種ソフトウェアをもとに、商品の取引内容の管理に関する各種処理を実行する。この処理部15は、データ受信部17、利用許可部18、データ処理部19、および表示切替部19Aを有している。
【0024】
データ受信部17は、外部端末13の操作を通じて同外部端末13から送信されるデータを通信ネットワーク12を介して受信する機能を有している。
利用許可部18は、通信ネットワーク12を介して接続される外部端末13の操作を通じて上記識別情報(顧客IDまたは販売担当者ID)が入力されることで、外部端末13によるデータベース16A,16Bの利用を許可する機能を有している。
【0025】
データ処理部19は、データベース16A,16Bの利用が許可された場合に、このとき入力された識別情報(顧客IDまたは販売担当者ID)に関連付けられている商品の取引情報に関するデータをデータベース16A,16Bから取得する機能を有している。またデータ処理部19は、データベース16A,16Bから取得したデータが示す取引情報を含む取引情報ページを外部端末13に表示させるべく、同取引情報ページに関するデータを通信ネットワーク12を介して外部端末13に送信する機能を有している。なお、表示切替部19Aの機能については後述する。
【0026】
(データ管理装置)
取引管理システム10は、データベース16A,16Bを更新するためのデータ管理装置20を有している。データ管理装置20は、入力操作を行うための入力装置21(例えばマウスやキーボード)を有するコンピュータによって構成されている。データ管理装置20は管理サーバ11に接続されている。データ管理装置20は、取引管理システム10の管理者(例えば販売商社の社員)の利用を想定している。
【0027】
このデータ管理装置20が適宜のタイミングで操作されることにより、データベース16A,16Bに記憶されているデータが逐次更新される。詳しくは、取引管理システム10の管理者による上記データ管理装置20の操作を通じて、既存の取引情報に関するデータの更新や、新規の取引情報に関するデータの追加、新たな顧客、販売担当者に対応する識別情報に関するデータの追加などが実行される。
【0028】
(データベース)
以下、データベース16A,16Bに記憶されているデータについて詳細に説明する。
図2に概念的に示すように、データベース16A,16Bには、購入商品データ、顧客ID、価格設定変数、納入場所、納入方法、希望納期、実納期、販売担当者ID、物件名、受注伝票番号、配送予定時間、発送元、納期連絡等が関連付けられた状態で格納される。以下、これらデータについて、さらに詳しく説明する。
【0029】
[購入商品データ]購入商品データ(A1,A2・・・)は、顧客が購入した商品に関するデータ(商品の型番、メーカー名、商品名称、商品カラーなど)である。
[顧客ID]顧客ID(B1,B2・・・)は、顧客毎に定められる識別情報に関するデータ(得意先コード、ログインIDおよびログイン用のパスワード)である。この顧客IDは、商品取引がある顧客に対して、販売商社によって設定される。
【0030】
[価格設定変数]価格設定変数(C1,C2・・・)は、商品価格の設定(例えば、3割引など)にかかる変数に関するデータである。この価格設定変数は、過去の取引実績(例えば取引期間、取引量)などを考慮して、顧客毎に販売商社によって設定される。
【0031】
[納入場所]納入場所(D1,D2・・・)は、顧客が購入した商品を納入する場所に関するデータである。納入場所として記憶されるデータとしては、「貴社」や「土場」、「現場」、「-(その他)」などが定められている。「貴社」は顧客(例えば工務店)に商品を直接納入することを示す。「土場」は顧客の資材置場を納入場所にすることを示す。「現場」は顧客が商品を施工する現場を納入場所にすることを示す。「-」はその他の場所を納入場所にすることを示す。
【0032】
「納入方法」納入方法(E1,E2・・・)は、顧客が購入した商品を納入する方法に関するデータである。納入方法として記憶されるデータとしては、「通常」、「メーカー引取」、「店頭渡し」、「工事引取」、「メーカー直送」などが定められている。「通常」は、販売商社が商品の配送を行うことを示す。「メーカー引取」は商品のメーカーから同商品を顧客が直接引き取ることを示す。「店頭渡し」は販売担当者が所属する販売商社(詳しくは、同販売商社の事務所や倉庫、物流センター)において商品の引き渡しを行うことを示す。「工事引取」は、販売商社が商品の手配と施工とを行うこと、詳しくは、商品の施工タイミングに合わせて販売商社の抱える施工士によって商品の組み立てを行ったうえで商品の引き取りを行うことを示す。「メーカー直送」は、メーカーから顧客に商品が直接配送されることを示す。
【0033】
[希望納期]希望納期(F1,F2・・・)は、顧客による商品発注時に指定した商品の希望納期(年月日)に関するデータである。
[実納期]実納期(G1,G2・・・)は、顧客による発注内容をもとに、販売者がメーカー(あるいは販売会社)に確認することで確定した商品の実際の納期(年月日)に関するデータである。
【0034】
[販売担当者ID]販売担当者ID(H1,H2・・・)は、販売商社の販売担当者毎に定められる識別情報に関するデータ(担当者コード、ログインIDおよびログイン用のパスワード)である。この販売担当者IDは、商品を販売する販売担当者に対して、販売商社によって設定される。
【0035】
[物件名]物件名(J1,J2・・・)は、顧客が購入した商品に対応する物件名(例えば、岐南町A様邸)に関するデータである。
[受注伝票番号]受注伝票番号(K1,K2・・・)は、顧客が購入した商品に対応する受注伝票番号に関するデータである。
【0036】
[配送予定時間]配送予定時間(L1,L2・・・)は、顧客が購入した商品の配送予定時間に関するデータである。
[発送元]発送元(M1,M2・・・)は、顧客が購入した商品の発送元に関するデータである。
【0037】
[納期連絡]納期連絡(N1,N2・・・)は、顧客が購入した商品についての納期連絡の状態を示すデータである。
(取引管理システム10の操作)
本実施形態の取引管理システム10では、顧客や販売担当者による外部端末13の操作を通じて、外部端末13に表示される取引情報ページにより、商品の取引情報を確認することが可能になっている。
【0038】
以下、本実施形態の取引管理システム10を利用して顧客や販売担当者が商品の取引情報を確認する作業について説明する。
先ず、顧客や販売担当者が外部端末13を操作して、取引管理システム10(詳しくは、管理サーバ11)にアクセスすると、同外部端末13の表示画面にはホーム画面が表示される。
【0039】
図3に示すように、ホーム画面30には、顧客や販売担当者が取引管理システム10にログインしていない状況であれば、ログイン用の画面が表示される。
顧客が取引管理システム10の利用を開始する際には、このホーム画面30において「顧客ID」が入力される。詳しくは、ホーム画面30におけるID入力欄31にログインIDが入力されるとともに、パスワード欄32にログイン用のパスワードが入力された後、ログインボタン33が操作される。この顧客IDが管理サーバ11の利用許可部18によって認証されると、外部端末13によるデータベース16A,16Bの利用が許可される。これにより、以後において、このとき入力された顧客IDに紐付けられた商品取引に関する各種情報(詳しくは、同情報を含む取引情報ページ)を外部端末13に表示することが許可される。
【0040】
一方、販売担当者が取引管理システム10を利用する際には、ホーム画面30において販売担当者IDが入力される。詳しくは、ホーム画面30におけるID入力欄31にログインIDが入力されるとともに、パスワード欄32にログイン用のパスワードが入力された後、ログインボタン33が操作される。そして、この販売担当者IDが管理サーバ11の利用許可部18によって認証されると、外部端末13によるデータベース16A,16Bの利用が許可される。これにより、以後において、このとき入力された販売担当者IDに紐付けられた商品取引に関する各種情報(詳しくは、同情報を含む取引情報ページ)を外部端末13に表示することが許可される。
【0041】
本実施形態の取引管理システム10では、外部端末13に表示される取引情報ページ(ホーム画面30を含む)にメニュー欄40が設定されている。メニュー欄40には「ホーム」ボタン41、「顧客台帳」ボタン42、「発注履歴」ボタン43、「物件管理」ボタン44、「工程表」ボタン45、「カタログ」ボタン46、「お問い合わせ」ボタン47など、各種の操作ボタンが表示されている。顧客や販売担当者は、取引管理システム10にログインすることによって、これら操作ボタン41~47の操作が可能になる。
【0042】
メニュー欄40の「ホーム」ボタン41が操作されると、外部端末13には、上記ホーム画面30が表示される。
メニュー欄40の「物件管理」ボタン44が操作されると、外部端末13には、取引情報ページの一つである物件管理ページが表示される。
【0043】
図4に示すように、物件管理ページ50には、商品の取引内容に関する各種情報が、顧客が施工する物件毎にまとめられた状態で表示される。物件管理ページ50には、商品の取引内容に関する情報を表示する表示欄として、購入商品情報欄60や、物件名欄61、受注伝票番号欄62、納入場所欄63、発送元欄64、希望納期欄65、実納期欄66、納入方法欄67などが設定されている。以下に、各表示欄に表示される商品の取引内容に関する情報を記載する。
【0044】
(購入商品情報欄60)顧客が購入した商品に関する情報(具体的には、商品コード、商品名、受注残数、定価、売上単価、売上金額)が表示される。
(物件名欄61)商品に対応する物件名が表示される。
【0045】
(受注伝票番号欄62)商品に対応する受注伝票番号が表示される。
(納入場所欄63)商品の納入場所が表示される。
(発送元欄64)商品の発送元が表示される。
【0046】
(希望納期欄65)顧客による商品発注時に指定した商品の希望納期が表示される。
(実納期欄66)販売者がメーカー(あるいは販売会社)に確認することで確定した商品の実際の納期が表示される。本実施形態の取引管理システム10では、商品の実際の納期が確定していない未確定状態である場合には、実納期欄66には「納期未確定」と表示される。また、商品の実際の納期が確定している確定状態である場合において、実際の納期が希望納期を満足するときには、実納期欄66に実際の納期が「黒字」で表示される。一方、上記確定状態である場合において、実際の納期が希望納期を満足しないときには、実納期欄66に実際の納期が赤字で表示される。
【0047】
(納入方法欄67)商品の納入方法が表示される。
物件管理ページ50には、商品の価格表示の有無を切り替えるための切替部68が設定されている。この切替部68は、顧客(あるいは販売担当者)による操作を通じて、「金額表示」および「金額非表示」のいずれかを選択可能なプルダウンメニューによって構成されている。
【0048】
そして、切替部68において「金額表示」が選択されているときには、物件管理ページ50は、購入商品情報欄60に商品の価格情報(詳しくは、定価、売上単価、売上金額)を表示する表示状態(図4に示す状態)になる。一方、図5に示すように、切替部68において「金額非表示」が選択されているときには、物件管理ページ50は、購入商品情報欄60に、商品の価格情報を表示しない非表示状態になる。このように本実施形態の取引管理システム10では、外部端末13の操作を通じて、商品の価格情報を表示する価格欄を外部端末13の表示画面に表示する表示状態と表示しない非表示状態とを切り替えることが可能になっている。本実施形態では、このようにして表示状態と非表示状態とを切り替える処理は、管理サーバ11(図1参照)の処理部15における表示切替部19Aによって実行される。
【0049】
物件管理ページ50には、商品の追加発注を行うための追加発注ボタン70が設定されている。追加発注ボタン70は、同一のタイミングで発注した一連の商品群(具体的には、受注伝票番号が同一の商品)毎に設定されている。本実施形態の取引管理システム10では、追加発注ボタン70を操作することで、同追加発注ボタン70に対応する一連の商品群に含まれる商品の追加注文を容易に行うことができるようになっている。本実施形態の取引管理システム10では、販売担当者IDによってログインした場合と顧客IDによってログインした場合とで、追加発注ボタン70の操作時における画面表示内容が異なる仕様になっている。以下、そうした追加注文の実行手順について説明する。
【0050】
販売担当者IDによって取引管理システム10にログインした場合には、販売担当者によって上記追加発注ボタン70(図5参照)が操作されると、外部端末13に追加発注ページ51が表示されるようになる。
【0051】
図6に示すように、追加発注ページ51には、このとき操作された追加発注ボタン70に対応する商品の追加発注を行うための入力欄71が表示される。入力欄71には、以前に顧客が購入した商品に関する情報(具体的には、商品コード、商品名、定価、売上単価、割引率、仕入単価、原価率、仕入れ先)を表示する表示欄とともに、追加発注のための以下の入力部72~75が設定されている。具体的には、追加発注ページ51には、追加注文する商品についての希望納期を入力する希望納期入力部72や、追加注文する商品の納品先を入力する納品先入力部73が設定されている。また、追加発注ページ51には、追加注文する商品についての納期連絡の状態を入力する納期連絡入力部74や、追加注文する商品の数量を入力する数量入力部75なども設定されている。本実施形態の取引管理システム10では、入力欄71に表示される「割引率」としては前記「価格設定変数」に対応する値が用いられるとともに、「売上単価」としては「定価」に「価格設定変数」を反映した価格が用いられる。
【0052】
そして、希望納期入力部72、納品先入力部73、納期連絡入力部74、および数量入力部75への販売担当者による入力作業がなされた後に、追加発注ページ51に設定されている確認ボタン76が操作される。これにより、外部端末13の画面表示が、追加注文の内容を確認する確認ページ(図示略)に切り替わる。そして、この確認ページにおいて追加注文の内容を確認した後に、同確認ページに表示されている発注ボタンが操作されることで追加注文が確定される。
【0053】
一方、顧客IDによって取引管理システム10にログインした場合において、顧客によって上記追加発注ボタン70(図5参照)が操作されると、外部端末13には追加発注ページ51が表示される。
【0054】
本実施形態の取引管理システム10では、顧客IDによってログインした場合と販売担当者IDによってログインした場合とで、追加発注ページ51の表示態様としては、入力欄71の表示欄の表示項目のみが異なる。具体的には、顧客IDによってログインした場合には、入力欄71の表示欄に、以前に顧客が購入した商品に関する情報として「仕入単価、原価率、仕入れ先(図6参照)」は表示されず、「商品コード、商品名、定価、売上単価、割引率」のみが表示される。そして、この場合においても、希望納期入力部72、納品先入力部73、納期連絡入力部74、および数量入力部75への顧客による入力作業がなされた後に、追加発注ページ51に設定されている確認ボタン76が操作される。これにより、外部端末13の画面表示が、追加注文の内容を確認する確認ページ(図示略)に切り替わる。そして、この確認ページにおいて追加注文の内容を確認した後に、同確認ページに表示されている発注ボタンが操作されることで追加注文が確定される。
【0055】
このように本実施形態の取引管理システム10では、以前に購入した商品についての追加注文を、同商品の取引内容に関する情報を表示する取引情報ページ(詳しくは、物件管理ページ50)から容易に行うことができる。これにより、様々なシチュエーション(施工した商品の増設や補修など)において、以前に購入した商品を再購入する際に、その発注作業を少ない手間で行うことができる。
【0056】
図4および図5に示すように、物件管理ページ50には、配送予定時間ボタン80が設定されている。そして、顧客(あるいは販売担当者)によって配送予定時間ボタン80が操作されると、外部端末13には配送予定時間確認ページが表示されるようになる。
【0057】
図7に示すように、配送予定時間確認ページ53には、商品の取引内容に関する情報を表示する表示欄として、購入商品情報欄60や物件名欄61、受注伝票番号欄62、納入場所欄63、発送元欄64、実納期欄66、配送予定時間欄69などが設定されている。図7に示す例は、配送が完了している商品についての配送予定時間確認ページ53の表示内容を示している。図7に示すように、本実施形態の取引管理システム10では、商品の配送が完了している場合には、配送予定時間欄69に「お届け済」と表示されるようになっている。
【0058】
このように本実施形態の取引管理システム10では、物件管理ページ50において配送予定時間ボタン80を操作することで、配送予定についての詳細(商品の配送予定時間を含む)を外部端末13に表示させて確認することができるようになっている。
【0059】
取引情報ページ(例えば物件管理ページ50)においてメニュー欄40(図3参照)の「発注履歴」ボタン43が操作されると、外部端末13には取引情報ページの一つである発注履歴ページ(図示略)が表示されるようになる。発注履歴ページには、顧客が発注した商品に関する各種情報が表にまとめられた状態で表示される。発注履歴ページに表示される表示項目としては、商品の「注文番号」、「注文日」、「注文者」、「得意先」、「物件名」、「希望納期」、「納品先」、「商品名」、および「数量」が採用されている。
【0060】
取引情報ページにおいてメニュー欄40(図3参照)の「工程表」ボタン45が操作されると、外部端末13には工程表ページが表示されるようになる。本実施形態の取引管理システム10は、顧客が商品を購入した場合に、同商品を利用する施工作業についての工程表を表示する機能を有している。
【0061】
図8に示すように、工程表ページ54には、検索欄90と工程表欄91とが表示される。
検索欄90は、「検索開始日」や「得意先」、「営業担当者」、「施工士」といった検索情報を入力する入力欄を有している。なお「得意先」は商品の販売先である。「営業担当者」は、商品の販売を担当した販売商社の担当者である。「施工士」は、商品の施工を行う者である。また検索欄90には、検索ボタン92が配置されている。本実施形態では、検索欄90の入力欄への入力を行うとともに検索ボタン92を操作することで、入力欄に入力した条件に合致する商品についての工程表が、工程表欄91に表示される。検索欄90は、工程表欄91に表示される工程表についてのソート条件を入力する入力欄なども有している。
【0062】
図8に示す例は、取引管理システム10に販売担当者IDでログインした場合における上記工程表ページ54の表示態様を示している。取引管理システム10に顧客IDでログインした場合には、検索欄90には、検索情報を入力する入力欄として、「検索開始日」を入力する入力欄のみが表示されるようになっている。
【0063】
工程表ページ54の工程表欄91は、「得意先」、「物件名」、「工事内容」、「工事カレンダー」といった商品の施工に関する情報を表示する表示欄を有している。「工事カレンダー」においては、工事日に該当する「日にち」の欄が着色されることで、同工事日が分かるようになっている。工程表欄91において「工事内容」を表示する表示欄には、詳細ボタン93が配置されている。この詳細ボタン93を操作することにより、施工する商品の明細、納期が表示されるようになっている。
【0064】
工程表欄91に表示される内容は、次のように入力されて記憶される。商品が購入されると、関係者における調整を経て、同商品の施工日が決定される。その後、データ管理装置20の操作を通じて、取引管理システム10に、商品の施工に関する情報(工事日を含む)が入力される。工程表ページ54の工程表欄91には、こうして入力された情報をもとに、当該商品についての情報が表示されるようになる。
【0065】
本実施形態では、商品の実際の納期が確定したこと、具体的にはデータ管理装置20の操作を通じてデータベース16A,16Bの実納期に実際の納期を示すデータが格納されたことを条件に、「工事カレンダー」欄に工事日が表示されるようになっている。すなわち、顧客が購入した商品の実際の納期が確定していない未確定状態のときには、「工事カレンダー」欄に工事日は表示されない。この場合には、図8中に矢印Pで示すように、工程表欄91において「工事内容」を表示する表示欄に「工事日調整中」と表示される。そして、顧客が購入した商品の実際の納期が確定した確定状態になると、図8中に矢印Qで示すように、「工事カレンダー」欄に工事日が表示されるようになる。
【0066】
取引情報ページにおいてメニュー欄40(図3参照)の「顧客台帳」ボタン42が操作されると、外部端末13には顧客台帳ページ(図示略)が表示されるようになる。顧客台帳ページには、お客様についての情報が表示される。顧客台帳ページに表示される表示内容としては、具体的には、物件の工事担当先である「得意先」や、物件名である「顧客名称」、「管理番号」、物件の「住所」、「納品可能車種(3tショート、4tショート、4tロングなど)」、「工期」が採用されている。その他、上記表示内容としては、得意先の「営業担当者、連絡先」や、「現場担当者、連絡先」、「現場地図」、現場での施工に関する「図面」なども採用されている。顧客台帳ページの各表示欄は、外部端末13の操作を通じて、対応する情報を入力および登録することが可能になっている。また顧客台帳ページには、「現場地図」を登録するための現場地図登録欄や、「図面」を登録するための図面登録欄、「得意先」や「住所」をもとに顧客情報を検索するための検索欄なども定められている。本実施形態の取引管理システム10では、顧客台帳ページにおいて、お客様の情報を登録したり、表示させたりすることが可能になっている。
【0067】
取引情報ページにおいてメニュー欄40(図3参照)の「カタログ」ボタン46が操作されると、外部端末13にはカタログページ(図示略)が表示されるようになる。カタログページは、記憶部14に記憶されている各種カタログを検索して閲覧することが可能になっている。このカタログページを利用することで、顧客は、気になる商品の情報をいつでも手軽にチェックすることができるようになる。また、カタログページを利用することにより、販売担当者は、様々なシチュエーションで商品情報を速やかに取得して顧客に提示することができるようになる。
【0068】
取引情報ページにおいてメニュー欄40(図3参照)の「お問い合わせ」ボタン47が操作されると、外部端末13にはお問い合わせページ(図示略)が表示されるようになる。本実施形態の取引管理システム10では、お問い合わせページを利用して、顧客から販売者への問い合わせを行うことが可能になっている。
【0069】
(作用効果)
本実施形態によれば、以下に記載する作用効果が得られる。
(1)取引管理システム10の記憶部14には、顧客毎に定められた顧客IDと同顧客IDに対応する顧客の取引情報に関するデータとを関連付けた状態で蓄積されたデータベース16A,16Bが記憶されている。取引管理システム10では、通信ネットワーク12を介して接続される外部端末13の操作を通じて顧客IDが入力されることで、利用許可部18により、外部端末13によるデータベース16A,16Bの利用が許可される。利用許可部18によってデータベース16A,16Bの利用が許可されているときには、データ処理部19により、上記顧客IDに関連付けられている取引情報に関するデータがデータベース16A,16Bから取得される。このデータ処理部19は、取得したデータが示す取引情報を含む取引情報ページを外部端末13に表示させるべく、同取引情報ページに関するデータを通信ネットワーク12を介して外部端末13に送信する。
【0070】
こうした取引管理システム10によれば、顧客IDが予め定められている顧客は、その顧客IDを利用することで、販売者が管理する管理サーバ11にアクセスして、同管理サーバ11に記憶されている顧客自身の取引情報(現況)を把握することができる。これにより、顧客が自身の取引情報の把握のために、販売者との間で直接の打ち合わせを行ったり、電話やFAXでのコミュニケーションを取ったりすることが不要になる。そのため、顧客は、自身の取引情報を任意のタイミングで速やかに把握することができる。したがって、販売者と顧客との間での取引内容の情報共有をスムーズに図りながら商品の取引を行うことができる。
【0071】
(2)データベース16A,16Bに記憶されるデータは、顧客の価格設定変数に関するデータを含んでいる。そして、本実施形態の取引管理システム10では、追加発注ページ51の入力欄71に表示される「割引率」としては上記「価格設定変数」に対応する値が用いられるとともに、「売上単価」としては「定価」に「価格設定変数」を反映した価格が用いられる。
【0072】
ここで、商品の取引に際しては、過去の取引実績などを考慮して、商品の価格設定を顧客毎に行うことが多用されている。取引管理システム10によれば、追加発注ページ51において、そうした顧客毎の価格設定変数(例えば、割引率)を反映させた状態で、商品に関する情報を表示させることができる。そのため、顧客毎に商品販売価格が異なるとはいえ、販売者は、外部端末13を利用して、顧客に対応する商品販売価格を同顧客に容易に提示することができるようになる。
【0073】
(3)データベース16A,16Bに記憶されるデータは、顧客が購入した商品の納入場所に関するデータを含んでいる。外部端末13に表示される取引情報ページ(具体的には、物件管理ページ50や配送予定時間確認ページ53)は、その表示欄として、納入場所に関する情報を表示する納入場所欄63を有している。
【0074】
エクステリアにかかる業界では、お客様の所有地である施工現場に、施工に用いる商品(エクステリアに関する商材)を長期間にわたって置いておくことが難しい。そのため、顧客による商品購入時には、例えば施工現場へのジャストインタイムでの商品納入や、顧客(工務店など)への商品納入、販売者からの顧客の引き取りによる商品納入など、商品の納入場所に対して多岐にわたる要求がなされる。本実施形態の取引管理システム10によれば、顧客は、外部端末13の操作を通じて、自身が購入した商品の納入場所を任意のタイミングで把握することができる。そのため、顧客は、購入した商品の納入場所を確認しつつ、同商品を利用する施工現場における作業をスムーズに行うことができるようになる。
【0075】
(4)データベース16A,16Bに記憶されるデータは、顧客が購入した商品についての希望納期に関するデータと同商品についての実際の納期に関するデータとを含んでいる。外部端末13に表示される取引情報ページは、その表示欄として、実際の納期に関する情報を表示する実納期欄66を有している。実納期欄66には、実際の納期が希望納期を満足するときには実際の納期が「黒字」で表示される一方、実際の納期が希望納期を満足しないときには実際の納期が「赤字」で表示されるようになっている。
【0076】
通常、購入した商品を利用する施工作業の計画(作業工程)は、同商品の納期をもとに定められる。そのため、購入した商品の実際の納期が発注時に想定していた希望納期を満足するか否かは、購入者や施工業者にとって重要なファクターであると云える。
【0077】
本実施形態の取引管理システム10では、取引情報ページの実納期欄66の表示文字の色として、実際の納期が希望納期を満足するときと満足しないときとで異なる色が定められている。そのため、実納期欄66を一目するだけで、その文字色をもとに、商品の実際の納期が希望納期を満足する良好な状態であること、あるいは、実際の納期が希望納期を満足しない不適切な状態であることを把握することができるようになる。これにより、取引管理システム10の利便性の向上を図ることができる。
【0078】
(5)工程表ページ54には、顧客が購入した商品を利用する作業についての工程表が表示される。これにより、購入した商品についての取引内容(例えば、納期や納入場所など)を、同商品を用いる工程と付き合わせつつ確認することができるようになる。
【0079】
(6)工程表ページ54の「工事カレンダー」には、顧客が購入した商品の実際の納期が確定していない未確定状態のときには、同商品を利用する作業についての工事日が表示されない。そして、顧客が購入した商品の実際の納期が確定した確定状態になると、同商品を利用する作業についての工事日が工程表ページ54の「工事カレンダー」に表示される。
【0080】
商品の納期が未確定の状態で同商品を利用する作業を含む工程表を作成すると、想定した期日よりも商品の納期が遅くなった場合に、その工程表をもとに作業を進めている施工現場において混乱を招くおそれがある。
【0081】
本実施形態の取引管理システム10によれば、商品の注文から納期確定までの期間、言い換えれば商品が手元に届く期日が確定していない状況においては、同商品を利用する作業についての工事日が外部端末13の工程表ページ54に表示されない。これにより、上述した態様で施工現場において混乱が生じることが抑えられるようになる。そして、商品の納期が確定した状況、すなわち商品が手元に届く期日が確定した状況においてのみ、同商品を利用する作業についての工事日が外部端末13に表示されるため、その工事日を正確に把握することができる。
【0082】
(7)取引情報ページは、その表示欄として、商品の価格情報(詳しくは、定価、売上単価、売上金額)を表示する購入商品情報欄60を有している。取引管理システム10では、顧客(あるいは販売担当者)による切替部68の操作を通じて、購入商品情報欄60に商品の価格情報を表示する表示状態と、商品の価格情報を表示しない非表示状態とを切り替え可能になっている。これにより、外部端末13によって商品の価格を確認するときや、商品価格を表示させた状態で外部端末13を人に見せるときには、外部端末13を、商品の価格情報が表示される表示状態にすることができる。また、商品の価格を見せる必要のない特定の人(建物の工事を発注した施主や、施工現場の監督など)に取引情報ページが表示された外部端末13を見せる際には、外部端末13を、商品の価格情報を表示しない非表示状態にすることができる。本実施形態の取引管理システム10によれば、外部端末13に表示される取引情報ページを使い勝手のよいものにすることができる。
【0083】
(8)データベース16A,16Bは、商品を販売する担当者毎に定められた販売担当者IDと同販売担当者IDに対応する顧客の取引情報に関するデータとを関連付けた状態のデータを含んでいる。これにより、商品を購入する顧客に加えて、商品を販売する販売店の担当者についても、商品取引に際して取引管理システム10を便利に利用することができるようになる。
【0084】
(9)データベース16A,16Bは、顧客が購入した商品に関するデータと同商品に対応する物件名に関するデータとを関連付けた状態のデータを含んでいる。そして、取引情報ページは、その表示欄として、物件名を表示する物件名欄61を有している。これにより、顧客や販売担当者は、物件毎に、商品の取引情報を容易に把握することができる。
【0085】
本実施形態の取引管理システム10では、物件管理ページ50に表示される商品の取引内容に関する情報が、物件名に関するデータをもとにソートされる等して、顧客が施工する物件毎にまとめられている。そのため、この物件管理ページ50を見ることによって顧客や販売担当者は、物件毎に、商品の取引情報の全容を容易に把握することができるようになる。これにより、販売商社によって発行される請求書によることなく、同一の物件について購入した商品の総額を任意のタイミングで容易に把握することができる。そして、こうして把握した商品の総額を、販売担当者は問い合わせに応えるかたちで顧客に伝えることができ、顧客は施工にかかる金額や支払額の把握に役立てることができる。また、同一物件での施工に用いる商品の納期を一括表示された状態で確認することができるため、それら商品の納期管理を、同物件における作業工程をイメージしつつ容易に行うことができる。
【0086】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0087】
・実納期が希望納期を満足するときと満足しないときとで、取引情報ページの実納期欄66の文字色を異なる色にすることに代えて、実納期欄66の背景色を異なる色にしてもよい。要は、実納期欄66の表示色を、実納期が希望納期を満足するときと満足しないときとで異なる色にすることができればよい。
【0088】
・取引情報ページの実納期欄66の表示色として、実納期が希望納期を満足するときと満足しないときとで同一の色を定めることができる。
・配送予定時間確認ページ53に設けられる表示欄は、受注伝票番号欄62を省略したり発送元欄64を省略したりするなど、任意に変更することができる。
【0089】
・工程表ページ54の工程表欄91の「工事カレンダー」に、商品の実際の納期の確定の有無にかかわらず、同商品についての工事日を表示するようにしてもよい。
・工程表ページ54の工程表欄91に表示する「商品の施工に関する情報」として、データ管理装置20の操作を通じて入力された情報を用いることに代えて、顧客によって入力される情報を用いるようにしてもよい。顧客による情報の入力方法としては、外部端末13に表示されるページとして工程情報入力ページを新たに設定するとともに、同ページにおいて顧客に「商品の施工に関する情報」を入力していただく方法を採用することができる。その他、アップロード用のページを新たに設定するとともに同ページを利用して顧客が工程表をアップロードする方法などを採用することができる。
【0090】
・工程表ページ54に表示される情報は任意に変更することができる。
・「工程表」ボタン45および工程表ページ54を省略してもよい。
・「顧客台帳」ボタン42および顧客台帳ページを省略することができる。
【0091】
・「カタログ」ボタン46およびカタログページを省略したり、「お問い合わせ」ボタン47およびお問い合わせページを省略したりすることができる。
・発注履歴ボタン43および「発注履歴」ページを省略することができる。
【0092】
・取引管理システム10に販売担当者IDによってログインした場合と顧客IDによってログインした場合とで、メニュー欄40に表示される操作ボタンを同一にすることの他、メニュー欄40に表示される操作ボタンを非同一にしてもよい。
【0093】
・販売担当者IDを設定する構成を省略することができる。
・表示切替部19Aを省略して、取引情報ページの購入商品情報欄60に商品の価格情報を常に表示するようにしてもよい。
【0094】
・取引情報ページの納入場所欄63や、発送元欄64、納入方法欄67などを省略してもよい。
・データベース16A,16Bに記憶されるデータのうちの価格設定変数を省略することができる。
【0095】
・管理サーバ11を、自前のシステムで構築することの他、ASP(Application Service Provider)サービスなどの外部のサービスを利用して構築することができる。
【符号の説明】
【0096】
10…取引管理システム
11…管理サーバ
12…通信ネットワーク
13…外部端末
14…記憶部
15…処理部
16A,16B…データベース
17…データ受信部
18…利用許可部
19…データ処理部
19A…表示切替部
50…物件管理ページ
51…追加発注ページ
53…配送予定時間確認ページ
54…工程表ページ
60…購入商品情報欄
61…物件名欄
63…納入場所欄
65…希望納期欄
66…実納期欄
67…納入方法欄
68…切替部
69…配送予定時間欄
91…工程表欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8