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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060896
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】インダクタ部品
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/32 20060101AFI20240425BHJP
   H01F 17/00 20060101ALI20240425BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H01F27/32 130
H01F17/00 D
H01F27/28 K
H01F27/28 104
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168462
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】佐野 力也
(72)【発明者】
【氏名】三宅 敢
(72)【発明者】
【氏名】近藤 健太
【テーマコード(参考)】
5E043
5E044
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AA08
5E043BA04
5E044CA06
5E070AA01
5E070AB03
5E070BA01
5E070CB03
5E070CB13
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】層間絶縁層の厚みのばらつきが、フィラーの平均粒径由来で大きくなることを防止する。
【解決手段】インダクタ部品10は、素体と、インダクタ配線30と、を備えている。素体は、平面状の第1主面を有している。インダクタ配線30は、素体の内部で延びている。インダクタ配線30は、第1主面に垂直な方向に並ぶ複数の配線部を有している。素体は、第1主面に垂直な方向に隣り合う配線部の間を埋める複数の層間絶縁層NLを有している。層間絶縁層NLは、絶縁性の母材と、母材内に分散された複数のフィラーと、を有している。複数の層間絶縁層NLのうちの1つである第1層間絶縁層NL1において、フィラーの平均粒径は、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差以下となっている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に平面状の主面を有する素体と、
前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、
を備え、
前記インダクタ配線は、前記主面に垂直な第1方向に並ぶ複数の配線部と、前記第1方向に隣り合う前記配線部を繋ぐビアと、を有しており、
前記素体は、前記第1方向に隣り合う前記配線部の間を埋める複数の層間絶縁層を有しており、
前記層間絶縁層は、絶縁性の母材と、前記母材内に分散された複数のフィラーと、を有しており、
複数の前記層間絶縁層のうちの1つである第1層間絶縁層において、前記フィラーの平均粒径は、前記第1層間絶縁層の厚みの標準偏差以下となっている
インダクタ部品。
【請求項2】
前記フィラーの平均粒径は、0.4μm以上1.4μm以下である
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項3】
前記第1層間絶縁層の厚みの標準偏差は、1.0μmより小さくなっている
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項4】
前記第1層間絶縁層の厚みの平均値は、前記第1層間絶縁層の厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項5】
前記第1層間絶縁層の厚みの平均値は、前記フィラーの平均粒径の5倍よりも大きくなっている
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項6】
複数の前記層間絶縁層全体での前記フィラーの平均粒径は、複数の前記層間絶縁層全体での厚みの標準偏差以下となっている
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項7】
前記インダクタ配線は、金属からなる結晶子を含む焼結体であり、
前記第1方向での前記配線部の寸法を配線厚みとしたとき、
複数の前記配線部のうちの1つである第1配線部において、前記結晶子の平均粒径は、前記配線厚みの標準偏差より大きくなっている
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項8】
前記結晶子の平均粒径は、2.5μm以上4.1μm以下である
請求項7に記載のインダクタ部品。
【請求項9】
前記第1配線部の前記配線厚みの標準偏差は、1.0μmよりも小さくなっている
請求項7に記載のインダクタ部品。
【請求項10】
前記第1配線部の前記配線厚みの平均値は、前記第1配線部の前記配線厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている
請求項7に記載のインダクタ部品。
【請求項11】
前記第1配線部の前記配線厚みの平均値は、前記第1配線部の前記結晶子の平均粒径の5倍よりも大きくなっている
請求項7に記載のインダクタ部品。
【請求項12】
複数の前記配線部全体での前記結晶子の平均粒径は、複数の前記配線部全体での前記配線厚みの標準偏差よりも大きくなっている
請求項7に記載のインダクタ部品。
【請求項13】
前記母材は焼結体である
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項14】
前記フィラーは、結晶性材料であり、材質が酸化アルミニウムの第1フィラーと材質が二酸化ケイ素の第2フィラーとを含んでいる
請求項1に記載のインダクタ部品。
【請求項15】
前記配線部の材質は、銀を含んでおり、
前記母材の材質は、ホウ珪酸ガラスを含んでいる
請求項1に記載のインダクタ部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のインダクタ部品は、素体と、インダクタ配線と、を備えている。素体は、6つの外面を有する直方体状である。インダクタ配線は、素体の内部で延びている。インダクタ配線は、複数の配線部を有している。素体の外面のうちの1つを主面としたとき、各配線部は、主面と平行に延びている。また、複数の配線部は、主面に垂直な方向に並んでいる。主面に垂直な方向において隣り合う配線部は、ビアで繋がっている。また、素体は、層間絶縁層を有している。層間絶縁層は、主面に垂直な方向において、配線部と配線部との間を埋めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6519561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたようなインダクタ部品において、層間絶縁層の厚みは、製造上の誤差等によりばらつく。ここで、発明者らは、層間絶縁層の厚みのばらつきが大きいと、インダクタ配線に電流が流れたときの損失が大きいことを発見した。そして、素体は、絶縁性の母材に加えて、母材に分散された複数のフィラーを有することがある。この場合、フィラーの平均粒径が過度に大きいと、層間絶縁層のばらつきがより大きくなりやすくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、外面に平面状の主面を有する素体と、前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、を備え、前記インダクタ配線は、前記主面に垂直な第1方向に並ぶ複数の配線部と、前記第1方向に隣り合う前記配線部を繋ぐビアと、を有しており、前記素体は、前記第1方向に隣り合う前記配線部の間を埋める複数の層間絶縁層を有しており、前記層間絶縁層は、絶縁性の母材と、前記母材内に分散された複数のフィラーと、を有しており、複数の前記層間絶縁層のうちの1つである第1層間絶縁層において、前記フィラーの平均粒径は、前記第1層間絶縁層の厚みの標準偏差以下となっているインダクタ部品である。
【0006】
上記構成によれば、第1層間絶縁層の厚みの標準偏差に対してフィラーの平均粒径は小さい。そのため、フィラーの平均粒径の大きさが、第1層間絶縁層の厚みの標準偏差に対して、大きな影響を与えにくくなる。よって、第1層間絶縁層の厚みのばらつきが、フィラーの平均粒径由来で大きくなることを防止できる。
【発明の効果】
【0007】
層間絶縁層の厚みのばらつきが、フィラーの平均粒径由来で大きくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態のインダクタ部品の斜視図である。
図2図2は、同実施形態のインダクタ部品の分解斜視図である。
図3図3は、同実施形態のインダクタ部品の透過平面図である。
図4図4は、図3における4-4線に沿う断面図である。
図5図5は、図4の配線部の拡大断面図である。
図6図6は、図3における6-6線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<一実施形態>
以下、インダクタ部品の一実施形態について説明する。なお、図面は理解を容易にするために、構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、又は別の図中のものと異なる場合がある。また、断面図ではハッチングを付しているが、理解を容易にするために一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
【0010】
(全体構成について)
図1に示すように、インダクタ部品10は、直方体状の素体11を備えている。また、図3に示すように、インダクタ部品10は、素体11の内部で延びているインダクタ配線30と、インダクタ配線30の第1端に接続している第1電極40と、インダクタ配線30の第2端に接続している第2電極50と、を備えている。
【0011】
図2に示すように、素体11は、全体として、複数の板状の層が積層されたような構造になっている。また、各層は、平面視で長方形状になっている。そして、素体11は直方体状であることから平面状の6つの外面を有している。図1に示すように、これら6つの外面のうち、各層の主面と平行な特定の1つの面を第1主面11Aとする。また、第1主面11Aと平行な面を第2主面11Bとする。そして、第1主面11Aに垂直な特定の1つの面を第1端面11Cとする。また、第1端面11Cに平行な面を第2端面11Dとする。さらに、第1主面11A及び第1端面11Cのいずれにも垂直な特定の1つの面を底面11Eとする。また、底面11Eと平行な面を天面11Fとする。
【0012】
なお、以下の説明では、複数の層が積層する方向に沿う軸、すなわち第1主面11Aに垂直な軸を第1軸Xとする。また、第1端面11Cに垂直な軸を第2軸Yとする。さらに、底面11Eに垂直な軸を第3軸Zとする。そして、第1軸Xに沿う方向のうちの第1主面11Aが向く方向を第1正方向X1とし、第1正方向X1と反対方向を第1負方向X2とする。また、第2軸Yに沿う方向のうちの第1端面11Cが向く方向を第2正方向Y1とし、第2正方向Y1と反対方向を第2負方向Y2とする。さらに、第3軸Zに沿う方向のうちの天面11Fが向く方向を第3正方向Z1とし、第3正方向Z1と反対方向を第3負方向Z2とする。
【0013】
図2に示すように、素体11は、第1層L1~第9層L9を有している。第1層L1~第9層L9は、この順で第1負方向X2に並んでいる。第1層L1~第9層L9の厚み、すなわちX軸に沿う方向の寸法は、すべて略同一である。図3に示すように、第1層L1は、第1電極部41と、第2電極部51と、第1配線部31と、第1絶縁部21と、によって構成されている。
【0014】
第1電極部41は、銀などの導電性材料からなっている。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1電極部41は、全体としてL字状になっている。第1電極部41は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1層L1の中心よりも第2正方向Y1側且つ第3負方向Z2側に位置している。つまり、第1電極部41は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1層L1の中心よりも第2正方向Y1側且つ第3負方向Z2側の角を含む箇所に位置している。
【0015】
第2電極部51は、銀などの導電性材料からなっている。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第2電極部51は、全体としてL字状になっている。第2電極部51は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1層L1の中心よりも第2負方向Y2側且つ第3負方向Z2側に位置している。つまり、第2電極部51は、第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1層L1の中心よりも第2負方向Y2側且つ第3負方向Z2側の角を含む箇所に位置している。
【0016】
第1配線部31は、銀などの導電性材料からなっている。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第1配線部31は、全体として、第1層L1の中心を中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第1配線部31の第1端部31Aは、第1電極部41の第3軸Zに沿う方向における第3正方向Z1側の端部に接続している。すなわち、第1端部31Aは、インダクタ配線30の第1端である。第1配線部31の配線幅は、第2端部31Bを除いて略一定となっている。第1配線部31の第2端部31Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における中央より第3正方向Z1側である。また、第1配線部31の第2端部31Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における中央より第2正方向Y1側である。そして、第1負方向X2を向いて第1配線部31を視たときに、第1配線部31は、第1端部31Aから第2端部31Bに向かって時計回りに延びている。
【0017】
第1配線部31の第2端部31Bは、後述するビア32と接続するためのパッドとして機能している。第1負方向X2を向いて第1層L1を視たときに、第2端部31Bは、略円形状になっている。また、第1配線部31の第2端部31Bは、第1配線部31の他の部分よりも配線幅が大きくなっている。
【0018】
第1層L1において、第1電極部41と、第2電極部51と、第1配線部31と、を除く部分は、第1絶縁部21である。第1絶縁部21は、ガラス、樹脂、アルミナなど非磁性の絶縁体からなっている。
【0019】
図2に示すように、第2層L2は、第1層L1の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第2層L2は、第1層L1と同じ長方形状である。第2層L2は、第3電極部42と、第4電極部52と、ビア32と、第2絶縁部22と、によって構成されている。
【0020】
第3電極部42は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第3電極部42は、第1電極部41と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第3電極部42は、第1電極部41と同じ箇所に位置している。そのため、第3電極部42は、第1電極部41の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0021】
第4電極部52は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第4電極部52は、第2電極部51と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第2層L2を視たときに、第4電極部52は、第2電極部51と同じ箇所に位置している。そのため、第4電極部52は、第2電極部51の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0022】
ビア32は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア32は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア32は、第1配線部31の第2端部31Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア32は、第1配線部31の第2端部31Bと電気的に接続している。そして、ビア32は、第1配線部31の第2端部31Bから第1負方向X2に延びている。
【0023】
第2層L2において、第3電極部42と、第4電極部52と、ビア32と、を除く部分は、第2絶縁部22である。第2絶縁部22は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0024】
第3層L3は、第2層L2の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第3層L3は、第1層L1と同じ長方形状である。第3層L3は、第5電極部43と、第6電極部53と、第2配線部33と、第3絶縁部23と、によって構成されている。
【0025】
第5電極部43は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第5電極部43は、第3電極部42と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第5電極部43は、第3電極部42と同じ箇所に位置している。そのため、第5電極部43は、第3電極部42の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0026】
第6電極部53は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第6電極部53は、第4電極部52と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第6電極部53は、第4電極部52と同じ箇所に位置している。そのため、第6電極部53は、第4電極部52の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0027】
第2配線部33は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第3層L3を視たときに、第2配線部33は、全体として、第3層L3の中心を中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第2配線部33の第1端部33Aの位置は、ビア32の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第2配線部33の第1端部33Aは、ビア32に接続している。第2配線部33の配線幅は、第1端部33A及び第2端部33Bを除いて略一定となっている。第2配線部33の第2端部33Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における中央より第3負方向Z2側である。また、第2配線部33の第2端部33Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における中央より第2正方向Y1側であって、第1配線部31の第2端部31Bの第2軸Yに沿う方向における位置よりも第2軸Yに沿う方向における中央側である。そして、第1負方向X2を向いて第2配線部33を視たときに、第2配線部33は、第1端部33Aから第2端部33Bに向かって時計回りに延びている。
【0028】
第3層L3において、第5電極部43と、第6電極部53と、第2配線部33と、を除く部分は、第3絶縁部23である。第3絶縁部23は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0029】
第4層L4は、第3層L3の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第4層L4は、第1層L1と同じ長方形状である。第4層L4は、第7電極部44と、第8電極部54と、ビア34と、第4絶縁部24と、によって構成されている。
【0030】
第7電極部44は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第7電極部44は、第5電極部43と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第7電極部44は、第5電極部43と同じ箇所に位置している。そのため、第7電極部44は、第5電極部43の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0031】
第8電極部54は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第8電極部54は、第6電極部53と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第4層L4を視たときに、第8電極部54は、第6電極部53と同じ箇所に位置している。そのため、第8電極部54は、第6電極部53の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0032】
ビア34は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア34は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア34は、第2配線部33の第2端部33Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア34は、第2配線部33の第2端部33Bと電気的に接続している。そして、ビア34は、第2配線部33の第2端部33Bから第1負方向X2に延びている。
【0033】
第4層L4において、第7電極部44と、第8電極部54と、ビア34と、を除く部分は、第4絶縁部24である。第4絶縁部24は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0034】
第5層L5は、第4層L4の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第5層L5は、第1層L1と同じ長方形状である。第5層L5は、第9電極部45と、第10電極部55と、第3配線部35と、第5絶縁部25と、によって構成されている。
【0035】
第9電極部45は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第9電極部45は、第7電極部44と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第9電極部45は、第7電極部44と同じ箇所に位置している。そのため、第9電極部45は、第7電極部44の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0036】
第10電極部55は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第10電極部55は、第8電極部54と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第10電極部55は、第2電極部51と同じ箇所に位置している。そのため、第10電極部55は、第8電極部54の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0037】
第3配線部35は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第5層L5を視たときに、第3配線部35は、全体として、第5層L5の中心を中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第3配線部35の第1端部35Aの位置は、ビア34の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第3配線部35の第1端部35Aは、ビア34に接続している。第3配線部35の配線幅は、第1端部35A及び第2端部35Bを除いて略一定となっている。第3配線部35の第2端部35Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における中央より第3負方向Z2側である。また、第3配線部35の第2端部35Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における中央より第2負方向Y2側である。そして、第1負方向X2を向いて第3配線部35を視たときに、第3配線部35は、第1端部35Aから第2端部35Bに向かって時計回りに延びている。
【0038】
第5層L5において、第9電極部45と、第10電極部55と、第3配線部35と、を除く部分は、第5絶縁部25である。第5絶縁部25は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0039】
第6層L6は、第5層L5の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第6層L6は、第1層L1と同じ長方形状である。第6層L6は、第11電極部46と、第12電極部56と、ビア36と、第6絶縁部26と、によって構成されている。
【0040】
第11電極部46は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第11電極部46は、第9電極部45と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第11電極部46は、第9電極部45と同じ箇所に位置している。そのため、第11電極部46は、第9電極部45の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0041】
第12電極部56は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第12電極部56は、第10電極部55と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第6層L6を視たときに、第12電極部56は、第10電極部55と同じ箇所に位置している。そのため、第12電極部56は、第10電極部55の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0042】
ビア36は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア36は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア36は、第3配線部35の第2端部35Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア36は、第3配線部35の第2端部35Bと電気的に接続している。そして、ビア36は、第3配線部35の第2端部35Bから第1負方向X2に延びている。
【0043】
第6層L6において、第11電極部46と、第12電極部56と、ビア36と、を除く部分は、第6絶縁部26である。第6絶縁部26は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0044】
第7層L7は、第6層L6の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第7層L7は、第1層L1と同じ長方形状である。第7層L7は、第13電極部47と、第14電極部57と、第4配線部37と、第7絶縁部27と、によって構成されている。
【0045】
第13電極部47は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第13電極部47は、第11電極部46と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第13電極部47は、第11電極部46と同じ箇所に位置している。そのため、第13電極部47は、第11電極部46の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0046】
第14電極部57は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第14電極部57は、第12電極部56と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第14電極部57は、第12電極部56と同じ箇所に位置している。そのため、第14電極部57は、第12電極部56の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0047】
第4配線部37は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第7層L7を視たときに、第4配線部37は、全体として、第7層L7の中心を中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第4配線部37の第1端部37Aの位置は、ビア36の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第4配線部37の第1端部37Aは、ビア36に接続している。第4配線部37の配線幅は、第1端部37A及び第2端部37Bを除いて略一定となっている。第4配線部37の第2端部37Bの第3軸Zに沿う方向における位置は、第3軸Zに沿う方向における中央より第3正方向Z1側である。また、第4配線部37の第2端部37Bの第2軸Yに沿う方向における位置は、第2軸Yに沿う方向における中央より第2負方向Y2側であって、第1端部37Aの第2軸Yに沿う方向における位置よりも第2負方向Y2側である。そして、第1負方向X2を向いて第4配線部37を視たときに、第4配線部37は、第1端部37Aから第2端部37Bに向かって時計回りに延びている。また、第4配線部37は、インダクタ配線30の延び方向における中央を通る第3軸Zに沿う方向の軸を回転軸として、第2配線部33と回転対称となっている。
【0048】
第7層L7において、第13電極部47と、第14電極部57と、第4配線部37と、を除く部分は、第7絶縁部27である。第7絶縁部27は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0049】
第8層L8は、第7層L7の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第8層L8は、第1層L1と同じ長方形状である。第8層L8は、第15電極部48と、第16電極部58と、ビア38と、第8絶縁部28と、によって構成されている。
【0050】
第15電極部48は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第15電極部48は、第13電極部47と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第15電極部48は、第13電極部47と同じ箇所に位置している。そのため、第15電極部48は、第13電極部47の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0051】
第16電極部58は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第16電極部58は、第14電極部57と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第8層L8を視たときに、第16電極部58は、第14電極部57と同じ箇所に位置している。そのため、第16電極部58は、第14電極部57の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0052】
ビア38は、第1配線部31と同じ材料からなっている。ビア38は、第1軸Xに沿う方向に延びる円柱状である。ビア38は、第4配線部37の第2端部37Bにおける第1負方向X2を向く面に積層されている。そのため、ビア38は、第4配線部37の第2端部37Bと電気的に接続している。そして、ビア38は、第4配線部37の第2端部37Bから第1負方向X2に延びている。
【0053】
第8層L8において、第15電極部48と、第16電極部58と、ビア38と、を除く部分は、第8絶縁部28である。第8絶縁部28は、第1絶縁部21と同じ材料の非磁性の絶縁体からなっている。
【0054】
第9層L9は、第8層L8の第1負方向X2を向く主面に積層されている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第9層L9は、第1層L1と同じ長方形状である。第9層L9は、第17電極部49と、第18電極部59と、第5配線部39と、第9絶縁部29と、によって構成されている。
【0055】
第17電極部49は、第1電極部41と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第17電極部49は、第15電極部48と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第17電極部49は、第15電極部48と同じ箇所に位置している。そのため、第17電極部49は、第15電極部48の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0056】
第18電極部59は、第2電極部51と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第18電極部59は、第16電極部58と同じ寸法のL字状である。また、第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第18電極部59は、第16電極部58と同じ箇所に位置している。そのため、第18電極部59は、第16電極部58の第1負方向X2を向く面に積層されている。
【0057】
第5配線部39は、第1配線部31と同じ材料からなっている。第1負方向X2を向いて第9層L9を視たときに、第5配線部39は、全体として、第9層L9の中心を中心とした渦巻状に延びている。具体的には、第5配線部39の第1端部39Aの位置は、ビア38の第1負方向X2を向く面上である。そのため、第5配線部39の第1端部39Aは、ビア38に接続している。第5配線部39の配線幅は、第1端部39Aを除いて略一定となっている。第5配線部39の第2端部39Bは、第18電極部59の第3軸Zに沿う方向における第3正方向Z1側の端部に接続している。そして、第1負方向X2を向いて第5配線部39を視たときに、第5配線部39は、第1端部39Aから第2端部39Bに向かって時計回りに延びている。なお、第5配線部39の第2端部39Bは、インダクタ配線30の第2端である。また、第5配線部39は、インダクタ配線30の延び方向における中央を通る第3軸Zに沿う方向の軸を回転軸として、第1配線部31と回転対称となっている。
【0058】
第9層L9において、第17電極部49と、第18電極部59と、第5配線部39と、を除く部分は、第9絶縁部29である。第9絶縁部29は、第1絶縁部21と同じ材料の絶縁体からなっている。
【0059】
素体11は、第1被覆絶縁層61と、第2被覆絶縁層62と、を有している。第1負方向X2を向いて第1被覆絶縁層61を視たとき、第1被覆絶縁層61は、第1層L1と同じ長方形状である。第1被覆絶縁層61は、第1層L1の第1正方向X1を向く主面に積層されている。第1正方向X1を向いて第2被覆絶縁層62を視たとき、第2被覆絶縁層62は、第1層L1と同じ長方形状である。第2被覆絶縁層62は、第9層L9の第1負方向X2を向く主面に積層されている。
【0060】
上述した第1絶縁部21~第9絶縁部29と、第1被覆絶縁層61と、第2被覆絶縁層62と、は一体化されている。以下では、これらを区別する必要がない場合には、絶縁部20と総称する。
【0061】
また、第1配線部31と、第2配線部33と、第3配線部35と、第4配線部37と、第5配線部39と、ビア32と、ビア34と、ビア36と、ビア38と、は一体化されている。以下では、これらを区別する必要がない場合には、インダクタ配線30と総称する。そして、インダクタ配線30は、全体として、螺旋状に巻き回されている。そして、インダクタ配線30が巻き回される際の中心軸は、第1軸Xに沿って延びる軸になっている。
【0062】
さらに、上述した第1電極部41と、第3電極部42と、第5電極部43と、第7電極部44と、第9電極部45と、第11電極部46と、第13電極部47と、第15電極部48と、第17電極部49と、は一体化している。そして、これらが合わさって、第1電極40になっている。
【0063】
同様に、上述した第2電極部51と、第4電極部52と、第6電極部53と、第8電極部54と、第10電極部55と、第12電極部56と、第14電極部57と、第16電極部58と、第18電極部59と、は一体化している。そして、これらが合わさって、第2電極50になっている。
【0064】
そして、本実施形態においては、絶縁部20と、第1電極40と、第2電極50と、によって、インダクタ部品10の素体11が構成されている。そして、インダクタ配線30は、素体11の内部で延びている。なお、インダクタ配線30と、第1電極40と、第2電極50とは、一体化していてもよい。つまり、インダクタ配線30と第1電極40との間に、物理的な境界はなくてもよい。
【0065】
第1層L1~第9層L9、第1被覆絶縁層61、および第2被覆絶縁層62が積層された結果、図1に示すように、素体11は、全体として直方体状になっている。図3に示すように、第1電極40は、第1端面11Cから底面11Eにかけての領域で素体11の外部に露出している。また、第2電極50は、第2端面11Dから底面11Eにかけての領域で素体11の外部に露出している。
【0066】
図1に示すように、インダクタ部品10は、第1被覆電極71と、第2被覆電極72と、を備えている。第1被覆電極71は、第1電極40のうちの素体11から外部に露出している面を覆っている。第1被覆電極71は、図示は省略するが、ニッケルめっき、錫めっきの2層構造になっている。
【0067】
第2被覆電極72は、第2電極50のうちの素体11から外部に露出している面を覆っている。第2被覆電極72は、図示は省略するが、ニッケルめっき、錫めっきの2層構造になっている。なお、図2及び図3においては、第1被覆電極71と第2被覆電極72との図示を省略している。
【0068】
(層間絶縁層の厚み及びフィラーの平均粒径について)
図4に示すように、インダクタ配線30における第1配線部31、第2配線部33、第3配線部35、第4配線部37、及び第5配線部39は、第1軸Xに沿う方向に並んでいる。なお、本実施形態において、第1負方向X2が第1方向となっている。
【0069】
そして、絶縁部20の一部は、層間絶縁層NLとなっている。層間絶縁層NLは、第1軸Xに沿って並ぶ配線部間の間を埋めている。具体的には、絶縁部20は、4つの層間絶縁層NLを有している。4つの層間絶縁層NLを区別するとき、第1層間絶縁層NL1~第4層間絶縁層NL4と称呼する。第2層L2における第2絶縁部22のうち、第1配線部31と第2配線部33との間を埋めている部分は、第1配線部31と第2配線部33との間の第1層間絶縁層NL1である。第4層L4における第4絶縁部24のうち、第2配線部33と第3配線部35との間を埋めている部分は、第2配線部33と第3配線部35との間の第2層間絶縁層NL2である。第6層L6における第6絶縁部26のうち、第3配線部35と第4配線部37との間を埋めている部分は、第3配線部35と第4配線部37との間の第3層間絶縁層NL3である。第8層L8における第8絶縁部28のうち、第4配線部37と第5配線部39との間を埋めている部分は、第4配線部37と第5配線部39との間の第4層間絶縁層NL4である。なお、層間絶縁層NLは絶縁部20のうち、隣り合う配線部間に挟まれた部分のみを指す。つまり、層間絶縁層NLは、隣り合う配線部の間に挟まれていない部分は含まない。
【0070】
複数の層間絶縁層NLの第1軸Xに沿う方向の寸法は、材料やプロセス、製造上の誤差等によりばらついている。具体的には、本実施形態では、粉体つまり複数の粒子を焼結させることで層間絶縁層NLを形成するため、層間絶縁層NLの第1軸Xに沿う方向の寸法がばらついて形成される。そして、第1層間絶縁層NL1の厚みの平均値である平均厚みは、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている。第1層間絶縁層NL1の平均厚み及び標準偏差は、以下のように算出する。
【0071】
先ず、第1配線部31、第2配線部33及び第1層間絶縁層NL1が第1軸Xに沿って積層されている断面を特定する。当該断面は、第1軸Xに平行な断面である。また、当該断面は、例えば、第1配線部31及び第2配線部33が直線状に延びている箇所を含み、少なくとも100μm以上の長さに亘って第1層間絶縁層NL1が検出できる断面とする。具体的には、当該断面は、第1層間絶縁層NL1が最も長く存在する断面とする。特に、当該断面は、第1配線部31及び第2配線部33が直線状に延びる箇所の中心部分を削りだした断面とすることが好ましい。
【0072】
次に、特定した断面について、電子顕微鏡で画像を取得する。取得する画像の解像度は、1ピクセルが0.4μm以下とする。次に、取得した画像について、2値化処理を行う。そして、2値化処理したデータをビットマップ形式へと変換する。
【0073】
次に、ビットマップ形式の画像から、第1軸Xに直交する方向を長さとしたとき、第1層間絶縁層NL1の中央部分であって、長さが100μmの範囲において、第1層間絶縁層NL1の厚みの数値を第1軸Xに並ぶピクセルの列ごとに取得する。例えば、1ピクセルが0.4μmである場合、250列において、第1層間絶縁層NL1の厚みの数値を取得する。これら250個の数値を算術平均した値を、平均厚みとして算出する。また、これら250個の数値が正規分布していると仮定して得られる標準偏差を算出する。なお、第2層間絶縁層NL2、第3層間絶縁層NL3及び第4層間絶縁層NL4についても、平均厚み及び標準偏差は同様に算出する。この実施形態では、各層間絶縁層NLの平均厚みは、いずれも5.0μm以上である。また、各層間絶縁層NLの厚みの標準偏差は、いずれも1.0μmより小さくなっている。
【0074】
ところで、図5に示すように、絶縁部20は、母材20Aと、複数のフィラー20Bと、を含んでいる。母材20Aは、絶縁性の材質である。具体的には、母材20Aの材質は、ホウ珪酸ガラスである。
【0075】
フィラー20Bは、母材20A内に分散した結晶性材料の粉末であり、異なる材質の第1フィラーと第2フィラーの2種類を含んでいる。フィラー20Bのうち、第1フィラーの材質は、酸化アルミニウムであり、第2フィラーの材質は、二酸化ケイ素である。そして、第1層間絶縁層NL1において、フィラー20Bの平均粒径は、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差以下となっている。また、第1層間絶縁層NL1において、第1層間絶縁層NL1の平均厚みは、フィラー20Bの平均粒径の5倍よりも大きくなっている。なお、この実施形態では、第2層間絶縁層NL2、第3層間絶縁層NL3及び第4層間絶縁層NL4においても、同様の関係となっている。そのため、複数の層間絶縁層NL全体でのフィラー20Bの平均粒径は、複数の層間絶縁層NL全体での厚みの標準偏差以下となっている。複数の層間絶縁層NL全体でのフィラー20Bの平均粒径は、各層間絶縁層NLにおけるフィラー20Bの平均粒径の平均値として算出される。また、複数の層間絶縁層NL全体での厚みの標準偏差は、各層間絶縁層NLの厚みの標準偏差の平均値として算出される。
【0076】
なお、フィラー20Bの平均粒径は、以下のように算出する。先ず、前述した各層間絶縁層NLの平均厚み及び標準偏差を算出した断面について、電子顕微鏡によって5000倍で拡大した画像を撮影する。次に、撮影した画像において、ランダムに20個以上30個以下の数だけ、フィラー20Bを抽出する。次に、抽出した各フィラー20Bの最大長さを測定する。そして、測定した最大長さの算術平均値を、フィラー20Bの平均粒径とする。なお、フィラー20Bの最大長さとは、フィラー20Bの外縁から外縁までに引ける線分のうち、最大の線分の長さである。
【0077】
(配線部の厚み及び結晶子の平均粒径について)
図4に示すように、第1配線部31の第1軸Xに沿う方向の寸法である配線厚みは、第1層間絶縁層NL1のばらつきに追従してばらついている。そして、第1配線部31の配線厚みの平均値は、第1配線部31の配線厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている。なお、第1配線部31の配線厚みの平均値及び標準偏差は、第1層間絶縁層NL1の平均厚み及び標準偏差と同様に算出する。さらに、第2配線部33、第3配線部35、第4配線部37及び第5配線部39についても、平均厚み及び標準偏差は同様に算出する。この実施形態では、各配線部の配線厚みの平均値は、いずれも5.0μm以上である。また、各配線部における配線厚みの標準偏差は、1.0μmより小さくなっている。
【0078】
ところで、図6に示すように、インダクタ配線30は、金属からなる粉体が焼結した金属の焼結体である。そのため、微視的には、インダクタ配線30は、粉体が焼結して形成された複数の結晶子30Aによって構成されている多結晶体である。そして、第1配線部31において、結晶子30Aの平均粒径は、第1配線部31の配線厚みの標準偏差より大きくなっている。具体的には、結晶子30Aの平均粒径は、2.5μm以上4.1μm以下である。また、第1配線部31の配線厚さの平均値は、結晶子30Aの平均粒径の5倍よりも大きいと好ましい。なお、この実施形態では、第2配線部33、第3配線部35、第4配線部37及び第5配線部39においても、結晶子30Aの平均粒径と各配線部の配線厚みの標準偏差との関係は、同様の関係となっている。そのため、複数の配線部全体での結晶子30Aの平均粒径は、複数の配線部全体での配線厚みの標準偏差以下となっている。複数の配線部全体での結晶子30Aの平均粒径は、各配線部における結晶子30Aの平均粒径の平均値として算出される。また、複数の配線部全体での配線厚みの標準偏差は、各配線部の配線厚みの標準偏差の平均値として算出される。
【0079】
なお、結晶子30Aの平均粒径は、以下のように算出する。先ず、インダクタ配線30のうち配線部の延び方向に垂直な方向に5つの断面を特定する。5つの断面のうち、第1配線部31を含む範囲について、電子顕微鏡で観察する。電子顕微鏡では、当該範囲に電子線を照射するとともに、当該範囲から発生する反射電子を検出する。反射電子は、結晶子30Aの結晶方位毎に異なるコントラストで観察できる。つまり、反射電子を観察することで、結晶子30Aと隣り合う結晶子30Aとの粒界を特定できる。次に、同じ断面において特定した粒界によって、1つの結晶子30Aの面積を算出する。次に、1つの結晶子30Aの面積が仮に円であるとした場合の直径を、結晶子30Aの粒径として算出する。そして、同じ断面におけるすべての結晶子30Aの粒径を算出する。同様に他の断面におけるすべての結晶子30Aの粒径を算出する。次に、5つの断面において測定したすべての結晶子30Aの粒径の平均値を、第1配線部31における結晶子30Aの平均粒径として算出する。本実施形態において、結晶子30Aの平均粒径は、2.5μm以上4.1μm以下である。
【0080】
(実施形態の効果について)
上記実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)上記実施形態によれば、第1層間絶縁層NL1において、フィラー20Bの平均粒径は、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差よりも小さくなっている。そのため、フィラー20Bの平均粒径の大きさが、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差に対して、大きな影響を与えにくくなる。よって、第1層間絶縁層NL1の厚みのばらつきが、フィラー20Bの平均粒径由来で大きくなることを防止できる。
【0081】
また、仮に、フィラー20Bの平均粒径が、第1層間絶縁層NL1の標準偏差より大きいとする。この場合、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差が相応に大きくなる。そして、隣り合う第1配線部31及び第2配線部33に向かって突出する突起が鋭くなる。このように突起が鋭いと、インダクタ配線30に電流を流したときに、突起の先端に電流が集中する。そのため、電流の損失が大きくなる。一方で、上記実施形態によれば、第1層間絶縁層NL1の厚みのばらつきがフィラー20Bの平均粒径由来で大きくなることを防止できることで、このような突起がより滑らかになる。よって、インダクタ配線30に電流を流したときに、突起の先端だけではなく、突起の先端の周囲にも電流が分散する。その結果、突起が鋭い場合と比べて、電流の損失が低減する。
【0082】
(2)上記実施形態によれば、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差は、1.0μmより小さくなっている。この場合、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差が、インダクタ配線30にSub6クラスの高周波の電流を流したとしても、損失を抑制できる程度に小さくなる。
【0083】
(3)上記実施形態によれば、第1層間絶縁層NL1の厚みの平均値である平均厚みは、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている。つまり、第1層間絶縁層NL1の厚みが全体として標準偏差に比して相当に大きい。そのため、層間絶縁層NLの厚みが最も小さい箇所においても、十分な厚みを確保できている。よって、複数の配線部が、層間絶縁層NLの厚みが小さい箇所において短絡してしまうことを回避できる。
【0084】
(4)上記実施形態によれば、第1層間絶縁層NL1の平均厚みは、フィラー20Bの平均粒径の5倍よりも大きくなっている。すなわち、フィラー20Bの平均粒径は、第1層間絶縁層NL1の平均厚みの5分の1の大きさよりも小さくなっている。そのため、第1層間絶縁層NL1内において、第1軸Xに沿う方向に、複数のフィラー20Bが並んだり、フィラー20Bと母材20Aとが交互に並んだりする。このように第1軸Xに沿う方向において第1層間絶縁層NL1中にフィラー20Bが均等に分散しやすいので、第1層間絶縁層NL1における絶縁性等の特性が安定しやすい。
【0085】
(5)上記実施形態によれば、複数の層間絶縁層NL全体でのフィラー20Bの平均粒径は、複数の層間絶縁層NL全体での厚みの標準偏差以下となっている。そのため、層間絶縁層NL全体での厚みのばらつきを抑制できる。
【0086】
(6)上記実施形態によれば、第1配線部31において、第1配線部31の配線厚みの標準偏差に対して、結晶子30Aの平均粒径が大きい。そのため、結晶子30Aの外表面の形状が、第1配線部31の配線厚みのばらつきに対して支配的になりやすい。したがって、結晶子30Aの平均粒径によって配線部の厚みのばらつきを制御できる。
【0087】
(7)上記実施形態によれば、第1配線部31の配線厚みの標準偏差は、1.0μmより小さくなっている。この場合、第1配線部31の配線厚みの標準偏差が、インダクタ配線30にSub6クラスの高周波の電流を流したとしても、損失を抑制できる程度に小さくなる。
【0088】
(8)上記実施形態によれば、第1配線部31の配線厚みの平均値は、第1配線部31の配線厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている。つまり、第1配線部31の配線厚みは、全体として標準偏差に比して相当に大きい。そのため、第1配線部31の配線厚みが最も小さい箇所においても、十分な厚みを確保できる。よって、第1配線部31が断線してしまうことを回避できる。
【0089】
(9)上記実施形態によれば、複数の配線部全体での結晶子30Aの平均粒径は、複数の配線部全体での配線厚みの標準偏差よりも大きくなっている。そのため、複数の配線部全体での配線厚みのばらつきを抑制できる。
【0090】
(10)上記実施形態によれば、フィラー20Bは、結晶性材料であり、材質が酸化アルミニウムの第1フィラーと材質が二酸化ケイ素の第2フィラーとを含んでいる。酸化アルミニウムは、比較的に高い強度を有する。そのため、絶縁部20の強度を担保しやすい。また、酸化アルミニウムは、耐熱性などの化学的安定性が高い。そのため、インダクタ部品10が長期間使用された場合の経年変化にも耐えやすい。ただし、酸化アルミニウムは、誘電率が相応に大きいため、過度に含むと、素体11全体の誘電率が過度に大きくなってしまう。したがって、酸化アルミニウムと比べて誘電率が小さい二酸化ケイ素の結晶性第2フィラーを同時に含むことにより、素体11全体の誘電率が過度に大きくなることを抑制できる。
【0091】
(11)上記実施形態によれば、インダクタ配線30の材質は、銀を含んでおり、絶縁部20の母材20Aの材質は、ホウ珪酸ガラスを含んでいる。銀を含むインダクタ配線30と、絶縁部20とを共焼結するためには、900度以下の低温で焼結する必要がある。ホウ珪酸ガラスは、例えば珪酸ガラスに比べて、低温で焼結できる。そのため、銀を含むインダクタ配線30と絶縁部20との共焼結を実現できる。
【0092】
<その他の実施形態>
上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で組み合わせて実施することができる。
【0093】
・第1層L1~第9層L9の厚み、すなわち第1軸Xに沿う方向の寸法は、すべて同一でなくてもよい。すべての厚みが互いに異なっていてもよいし、一部の層の厚みが他の層の厚みと異なっていてもよい。
【0094】
・素体11は、第1軸Xに沿う方向に長い直方体であってもよいし、第3軸Zに沿う方向に長い直方体であってもよい。また、素体11は、第1軸Xに沿う方向の寸法、第2軸Yに沿う方向の寸法、及び第3軸Zに沿う方向の寸法が等しい直方体であってもよい。例えば、素体11の各軸に沿う方向の寸法について、第1軸Xに沿う方向の寸法が第3軸Zに沿う方向の寸法が等しく、且つ第2軸Yに沿う方向の寸法が第1軸Xに沿う方向の寸法よりも大きくてもよい。また例えば、素体11の各軸に沿う方向の寸法について、第2軸Yに沿う方向の寸法が第3軸Zに沿う方向の寸法より大きく、且つ第3軸Zに沿う方向の寸法が第1軸Xに沿う方向の寸法より大きくてもよい。また例えば、第2軸Yに沿う方向の寸法が第1軸Xに沿う方向の寸法より大きく、且つ第1軸Xに沿う方向の寸法が第3軸Zに沿う方向より大きくてもよい。
【0095】
・絶縁部20の材質は、すべて同一でなくてもよい。層間絶縁層NLである部分の材質が、母材20Aとフィラー20Bとを有していればよい。そのため、例えば、第1被覆絶縁層61及び第2被覆絶縁層62は、第1絶縁部21~第9絶縁部29とは異なる絶縁性の材料であってもよい。
【0096】
・母材20Aは、ホウ珪酸ガラスに加えて他の絶縁性の材料を含んでいてもよいし、ホウ珪酸ガラス以外の絶縁性の材質であってもよい。例えば、母材20Aの材質は、珪酸ガラスであってもよい。なお、母材20Aは焼結体であることが好ましい。この場合、素体11、特に層間絶縁層NLの強度や化学的な安定性を向上させることができる。さらに、この場合、インダクタ部品10の形成精度も向上させることができる。
【0097】
・フィラー20Bの材質は、酸化アルミニウム及び二酸化ケイ素に加えて他の材料を含んでいてもよい。また、フィラー20Bの材質は、酸化アルミニウムを含んでいなくてもよいし、二酸化ケイ素を含んでいなくてもよい。フィラー20Bは、母材20Aとは材質が異なっていればよい。例えば、母材20Aが非晶質材料である場合に、フィラー20Bが結晶性材料であればよい。なお、フィラー20Bは、必ずしも結晶性材料である必要はないが、母材20Aと一体化せず母材20Aとの間に界面が存在する必要がある。
【0098】
・フィラー20Bの平均粒径は、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差以下であればよい。そして、フィラー20Bの平均粒径は、0.4μm以上1.4μm以下であることが好ましい。この場合、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差が相当に小さい場合でも、フィラー20Bの平均粒径が第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差に与える影響を、実用的な範囲内で抑えることができる。また例えば、フィラー20Bの平均粒径は、第1層間絶縁層NL1の厚みの平均値の5分の1倍の大きさ以上となっていていてもよい。
【0099】
・第1層間絶縁層NL1の配線厚みの標準偏差は、1.0μm以上であってもよい。この場合であっても、フィラー20Bの平均粒径が第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差以下であれば、フィラー20Bの平均粒径が第1層間絶縁層NL1の厚みのばらつきに与える影響を抑えることができる。
【0100】
・第1層間絶縁層NL1の厚みの平均値は、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差の5倍以下であってもよい。例えば、第1層間絶縁層NL1の厚みの標準偏差が、相応に小さければ、第1層間絶縁層NL1の厚みの平均値が小さくても、複数の配線部が、第1層間絶縁層NL1を介して電気的に接続することを回避できる。
【0101】
・結晶子30Aの平均粒径は、上記実施形態の例に限られない。例えば、結晶子30Aの平均粒径は、2.5μmより小さくてもよいし、4.1μmより大きくてもよい。
なお、結晶子30Aの平均粒径は、第1配線部31の配線厚みの平均値の5分の1倍よりも小さくなっていることが好ましい。つまり、第1配線部31の配線厚みの平均値は、結晶子30Aの平均粒径の5倍よりも大きくなっていることが好ましい。この場合、配線部の配線厚みは、結晶子30Aの平均粒径に比べて、相当に大きい。そのため、配線部が断線してしまうことを回避できる。
【0102】
・第1配線部31の配線厚みの標準偏差は、1.0μm以上であってもよい。この場合であっても、結晶子30Aの平均粒径が第1配線部31の配線厚みの標準偏差以下であれば、結晶子30Aの平均粒径が第1配線部31の配線厚みのばらつきに与える影響を抑えることができる。
【0103】
・第1配線部31の配線厚みの平均値は、第1配線部31の配線厚みの標準偏差の5倍以下であってもよい。例えば、第1配線部31の配線厚みのばらつきが相応に小さければ、配線部の配線厚みの平均値が小さくても、配線部が断線してしまうことを回避できる。
【0104】
・結晶子30Aの平均粒径は、第1配線部31の配線厚みの標準偏差以下であってもよい。
・インダクタ配線30は、結晶子30Aの焼結体でなくてもよい。例えば、金属からなるワイヤが巻き回されていてもよい。この場合、ワイヤは、単結晶となっていてもよい。
【0105】
・第1電極40の形状は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第1電極40は、インダクタ配線30の第1端に接続されており、少なくとも一部が、素体11の外部に露出していればよい。また例えば、第1電極40を省略して、インダクタ配線30の第1端が第1被覆電極71に直接接続していてもよい。これらの点は、第2電極50についても同様である。
【0106】
・第1被覆電極71の構造は、上記実施形態の例に限られない。例えば、第1被覆電極71は、錫めっきのみから構成されていてもよい。また、第1被覆電極71は省略できる。この場合、例えば、第1電極40にはんだをつけることで、基板等に固定してもよい。これらの点は、第2被覆電極72についても同様である。
【0107】
・上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
<1>
外面に平面状の主面を有する素体と、
前記素体の内部で延びているインダクタ配線と、
を備え、
前記インダクタ配線は、前記主面に垂直な第1方向に並ぶ複数の配線部と、前記第1方向に隣り合う前記配線部を繋ぐビアと、を有しており、
前記素体は、前記第1方向に隣り合う前記配線部の間を埋める複数の層間絶縁層を有しており、
前記層間絶縁層は、絶縁性の母材と、前記母材内に分散された複数のフィラーと、を有しており、
複数の前記層間絶縁層のうちの1つである第1層間絶縁層において、前記フィラーの平均粒径は、前記第1層間絶縁層の厚みの標準偏差以下となっている
インダクタ部品。
【0108】
<2>
前記フィラーの平均粒径は、0.4μm以上1.4μm以下である
<1>に記載のインダクタ部品。
【0109】
<3>
前記第1層間絶縁層の厚みの標準偏差は、1.0μmより小さくなっている
<1>又は<2>に記載のインダクタ部品。
【0110】
<4>
前記第1層間絶縁層の厚みの平均値は、前記第1層間絶縁層厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている
<1>~<3>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0111】
<5>
前記第1層間絶縁層の厚みの平均値は、前記フィラーの平均粒径の5倍よりも大きくなっている
<1>~<4>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0112】
<6>
複数の前記層間絶縁層全体での前記フィラーの平均粒径は、複数の前記層間絶縁層全体での厚みの標準偏差以下となっている
<1>~<5>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0113】
<7>
前記インダクタ配線は、金属からなる結晶子を含む焼結体であり、
前記第1方向での前記配線部の寸法を配線厚みとしたとき、
複数の前記配線部のうちの1つである第1配線部において、前記結晶子の平均粒径は、前記配線厚みの標準偏差より大きくなっている
<1>~<6>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0114】
<8>
前記結晶子の平均粒径は、2.5μm以上4.1μm以下である
<7>に記載のインダクタ部品。
【0115】
<9>
前記第1配線部の前記配線厚みの標準偏差は、1.0μmよりも小さくなっている
<7>又は<8>に記載のインダクタ部品。
【0116】
<10>
前記第1配線部の前記配線厚みの平均値は、前記第1配線部の前記配線厚みの標準偏差の5倍よりも大きくなっている
<7>~<9>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0117】
<11>
前記第1配線部の前記配線厚みの平均値は、前記第1配線部の前記結晶子の平均粒径の5倍よりも大きくなっている
<7>~<10>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0118】
<12>
複数の前記配線部全体での前記結晶子の平均粒径は、複数の前記配線部全体での前記配線厚みの標準偏差よりも大きくなっている
<7>~<11>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0119】
<13>
前記母材は焼結体である
<1>~<12>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0120】
<14>
前記フィラーは、結晶性材料であり、材質が酸化アルミニウムの第1フィラーと材質が二酸化ケイ素の第2フィラーとを含んでいる
<1>~<13>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【0121】
<15>
前記配線部の材質は、銀を含んでおり、
前記母材の材質は、ホウ珪酸ガラスを含んでいる
<1>~<14>のいずれか1つに記載のインダクタ部品。
【符号の説明】
【0122】
10…インダクタ部品
11…素体
20…絶縁部
20A…母材
20B…フィラー
30…インダクタ配線
30A…結晶子
31…第1配線部
32,34,36,38…ビア
33…第2配線部
35…第3配線部
37…第4配線部
39…第5配線部
40…第1電極
50…第2電極
61…第1被覆層
62…第2被覆層
71…第1被覆電極
72…第2被覆電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6