(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060904
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】排水部材
(51)【国際特許分類】
E03C 1/22 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
E03C1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168475
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】永原 徹
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061DA01
2D061DA02
2D061DE11
2D061DE13
(57)【要約】
【課題】
カシメ加工等の方法で排水部材本体の上面部にカバー部材を取り付ける構造の排水部材において、折り返し部の端部等、カバー部材の端部から湯水が排水部材本体の上面部とカバー部材の間に侵入し、漏水など不具合を生じる場合がある。カバー部材の端部にパッキンを当接させ湯水の侵入を防ぐ方法があるが、個体差などにより適正にカバー部材の端部にパッキンを当接させることができるとは限らないため、確実に湯水の侵入を防止する方法が求められていた。
【解決手段】
排水部材を、上面部を有する排水部材本体と、前記上面部を覆うカバー部材と、前記排水部材本体と前記カバー部材の間に配置され、その間の液体の侵入を防止する止水部材と、を備えて構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面部を有する排水部材本体と、
前記上面部を覆うカバー部材と、
前記排水部材本体と前記カバー部材の間に配置され、その間の液体の侵入を防止する止水部材と、を有することを特徴とする排水部材。
【請求項2】
前記排水部材本体は略リング状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排水部材。
【請求項3】
前記排水部材本体は、略リング状の内部が排水口であることを特徴とする請求項2に記載の排水部材。
【請求項4】
前記止水部材は略リング状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水部材。
【請求項5】
前記止水部材は可撓性を備え、シート状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水部材。
【請求項6】
前記カバー部材は薄い金属で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水部材。
【請求項7】
前記カバー部材は、端部が湾曲して前記排水部材本体の前記上面部に設置されることを特徴とする請求項6記載の排水部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、槽体や槽体の近傍に取り付けられる排水部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浴槽や洗面ボウルなどの槽体には、例えば槽体内の湯水を排出するための排水口を形成するため、排水部材が取り付けられる。
【0003】
従来の排水部材としては、特許文献1に記載のように、槽体である洗面ボウルの底面に取り付けられる排水部材が知られている。尚、この段落の( )内の記載は、当該部材の特許文献1における部材や部分の名称である。
特許文献1に記載の発明における排水部材は、槽体の底面に設けられた開口に取り付けられる排水部材であって、以下に記載する排水部材本体(排水口金具本体)、及びステンレスなどの金属製のカバー部材から構成される。
排水部材本体は、円筒状の筒状部と、この筒状部の上端部分から外周方向に向かって張り出した外縁部(張り出し部)とから構成される。
カバー部材は、金属の薄板から構成され、筒状部と外縁部の上面、即ち排水部材本体の上面と筒状部の内面の一部を覆うように構成されると共に、外縁部の外径部分から外縁部の裏面の一部を覆う折り返し部を備えてなる。
また、排水部材と槽体の取付穴(排水口)の周縁に当接して両者を水密的当接させる環状のパッキンを備えてなる。
【0004】
まず排水部材を、以下のようにして組み立てる。
排水部材本体の上面に、カバー部材の下面を当接させる。更にカバー部材の折り返し部を、外縁部の裏面に当接するまで折り返すカシメ加工を行うことで、排水口金具にカバー部材が固定され、排水部材として完成する。
次に、槽体の取付穴の周縁にパッキンを配置し、上記排水部材を、排水部材の外縁部下面と取付穴の周縁とをパッキンを介して当接させ、ナット部材などを利用して螺合により固定することで、排水部材の槽体への取り付けが完了する。
【0005】
上記のように排水部材本体にカバー部材を取り付ける理由は、カバー部材を金属製とすることで高級感を持たせることや、カバー部材を排水部材本体とは別の高剛性の素材とすることで部材の強度や耐久性を向上させること等が挙げられる。
【0006】
特許文献1に記載の排水部材において、カバー部材は排水部材本体に固定されているが、カバー部材の排水部材本体への固定はカシメ加工によるため、漏水を生じる恐れがある。
詳述すると、特許文献1に記載の排水部材は、浴槽など槽体の底面に取り付けられて、筒状部内部の開口は槽体内の排水を排出する排水口として利用される。
槽体内に湯水を溜めるため、栓蓋部材を用いて排水口を閉口する場合、栓蓋部材がカバー部材に水密的に当接することで、排水口の閉口が行われる。
しかし、槽体内に湯水が溜められて、排水部材のカバー部材の折り返し部の端部(内側に向かって折り返された部分の端部)に湯水が接すると、湯水は折り返し部の端部から、排水部材本体とカバー部材の間を通過し、カバー部材の内側の端部より排水口内に流出する。結果として、排水口を栓蓋部材により閉口しているにも関わらず、槽体内の湯水が排水部材本体とカバー部材の間を通過し排水口の下流に漏水しまう。
上記問題を解決するため、特許文献1に記載の発明では、折り返し部の端部にパッキンが当接するようにして、折り返し部の端部から湯水が通過しないように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、カシメ加工を行った際に、折り返し部の端部がどのような形状となるかは個体差があり、パッキンの配置や取り付け作業を同じように行っても個体差により折り返し部の端部がパッキンに当接せず漏水の無い適切な取り付けにならない場合がある、という問題があった。
また、折り返し部の端部は外縁部の下面にあり、施工後に視認することができないため、施工作業者が折り返し部の端部に正しくパッキンが当接していることを確認できない、という問題があった。
特に特許文献1に記載の発明は、意匠性の向上を目的として、外縁部の端部が取付穴周縁の壁面に当接するように構成しているため、外縁部の端部が取付穴周縁の壁面に当接してそれ以上排水部材が降下できなくなった結果、平面視で折り返し部の端部の位置にパッキンが配置され、水密的な接続ができているように認識しても、折り返し部の端部とパッキンとの間に上下方向の隙間が生じており、実際には水密的な接続となっていない場合があった。
本発明は上記問題点に鑑み発明されたものであって、排水部材本体にカバー部材を取り付けて構成した排水部材において、施工状態等に拠らず確実に排水部材本体とカバー部材との間からの漏水が生じない排水部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
手段1.上面部を有する排水部材本体と、
前記上面部を覆うカバー部材と、
前記排水部材本体と前記カバー部材の間に配置され、その間の液体の侵入を防止する止水部材と、を有することを特徴とする排水部材である。
【0010】
手段2.前記排水部材本体は略リング状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の排水部材である。
【0011】
手段3.前記排水部材本体は、略リング状の内部が排水口であることを特徴とする請求項2に記載の排水部材である。
【0012】
手段4.前記止水部材は略リング状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水部材である。
【0013】
手段5.前記止水部材は可撓性を備え、シート状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水部材である。
【0014】
手段6.前記カバー部材は薄い金属で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の排水部材である。
【0015】
手段7.前記カバー部材は、端部が湾曲して前記排水部材本体の前記上面部に設置されることを特徴とする請求項6記載の排水部材である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排水部材本体にカバー部材を取り付けて構成した排水部材において、排水部材本体とカバー部材の間に、液体の侵入を防止する止水部材を備えたことで、パッキンなど他の部材の位置関係等に関係なく、排水部材本体とカバー部材の間から漏水が生じない排水部材とすることができる。
止水部材は、シート状の止水部材とすれば、カバー部材の表面に凹凸が生じにくくなり好適である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第一実施例の排水部材の(a)部材構成を示す断面図、(b)排水部材として組み立てた状態の断面図である。
【
図2】
図1(b)の円内の、組み立て手順を示す拡大図である。
【
図3】第一実施例の排水部材を用いた排水装置の断面図である。
【
図4】第二実施例の排水部材の部材構成を示す断面図である。
【
図5】(a)第二実施例の排水部材の断面図、(b)
図5(a)の円内の拡大図である。
【
図6】第二実施例の排水部材を用いた排水装置の施工状態を示す断面図である。
【
図7】第二実施例の排水部材を用いた排水装置の断面図である。
【
図9】第三実施例の栓蓋部材本体の(a)平面図、(b)斜視図である。
【
図10】第三実施例の排水部材の(a)部材構成を示す断面図、(b)排水部材として組み立てた状態の断面図である。
【
図11】
図10(b)の円内の、組み立て手順を示す拡大図である。
【
図12】目隠し部材としての排水部材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の第一実施例の排水部材1について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至
図3に示した第一実施例の排水部材1は、槽体に取り付けられる排水装置の部材であって、排水口2cを備えた部材である。
本発明の第一実施例の排水部材1は、以下に記載する排水部材本体2、カバー部材3、及び止水部材4から構成される。
【0019】
排水部材本体2は、樹脂素材によって成型された円筒状の部材であって、前記した円筒状の筒状部2dと、筒状部2dの内部に構成された開口であって、槽内の排水を排出する排水口2cが形成されてなる。また、筒状部2dの上端部分に外周方向に向かって張り出した外縁部2bと、筒状部2dの外側面であって、外縁部2bの下方に設けられた雄ネジ部N1を備えてなる。また、カバー部材3を取り付けた際に、排水口2cの内部が連続した面となるように排水口2c内側面に段部2eを備えてなる。
排水部材本体2の筒状部2dと外縁部2bの上面によって、排水部材本体2の上面部2aが構成される。
また、排水部材本体2は中央に排水口2cを備えた筒状部2dを備えられていることから、排水部材本体2は略リング状に形成されている。
【0020】
カバー部材3は、金属であるステンレスの薄板からなる部材であって、プレス加工により排水部材本体2の、排水口2c内側面の段部2eから外縁部2b外径に合致する形状に加工されている。
尚、カバー部材3の内側の端部は排水部材本体2の段部2eに合致する位置まで構成されており、カバー部材3の外側の端部は外縁部2bの外径を超えた位置で下方に向けて屈曲し、3乃至4ミリメートル程度延出して折り返し部3aを形成している。
【0021】
本実施例の止水部材4は、ポリエチレン等の可撓性を備えた樹脂素材からなり、厚みが0.3ミリメートル程度のシート状の樹脂を外縁部2b上面の形状に合致するようにリング状に切断して構成してなる。
【0022】
上記の各部材からなる第一実施例の排水部材1は、以下のようにして組み立てられる。
まず、
図2(a)に示したように、排水部材本体2の上面部2a上に止水部材4を同心円状に配置する。このように配置することで、止水部材4は、開口である排水口2cの周囲の全周に備えられる。
次に、
図2(b)に示したように、カバー部材3を、排水部材本体2の上面部2aに被せるように配置する。この時、カバー部材3の内側端部は排水部材本体2の段部2eに位置して、カバー部材3の内側端部から排水部材本体2の内側面が段差なく連続する。
更に、
図2(c)に示したように、カバー部材3の折り返し部3aを、折り返し部3aが外縁部2bの下面に当接するまで湾曲させて固定することで、カバー部材3を排水部材本体2の上面部2a上を覆うようにして取り付けた排水部材1が完成する。この折り返し部3aを外縁部2bの下面に当接するまで湾曲させることで固定する方法は、通常「カシメ加工」と呼ばれる加工方法である。
尚、上記したカバー部材3の排水部材本体2への取り付けの結果、止水部材4は、カバー部材3の下面と排水部材本体2の上面部2aとに挟まれた状態となる。
【0023】
次に、上記第一実施例の排水部材1を用いた排水装置について説明する。
図3に図示した、本発明の第一実施例の排水部材1を用いた排水装置は、槽体である浴槽Bに備えられる排水装置であって、第一実施例の排水部材1と、以下に記載する、浴槽B、継手部材5、栓蓋部材6等より構成される。
浴槽Bは上方が開口した箱体であって、底面に排水部材1を取着する取付穴H1を備えてなる。
継手部材5は、管体をL字形状に屈曲させた部材で、上方の開口は排水部材本体2の雄ネジ部N1と螺合する雌ネジ部N2を備え、側面の開口は排出口5aとして下水側の配管に接続される。
栓蓋部材6は、硬質樹脂からなる略円柱状の円柱部分と、その周囲の全周に配置された、ゴムなどの弾性素材からなり排水部材1のカバー部上面に当接する止水パッキンP2と、から構成されてなる。
また、外縁部2b下面と取付穴H1周縁上面、及び継手部材5上面と取付穴H1周縁下面の間に配置される環状のリングパッキンP1を備えてなる。
【0024】
上記した各部材からなる排水装置は、以下のようにして施工される。
まず、浴槽Bの取付穴H1の周縁上面にリングパッキンP1を配置した上で、取付穴H1に排水部材1の筒状部2dを挿通し、取付穴H1の周縁上面と外縁部2b下面とを、リングパッキンP1を介して当接させる。
次に、継手部材5の排出口5aに下水側の配管を接続した上で、排水部材1の筒状部2dに下方からリングパッキンP1を挿通し、更に排水部材1の雄ネジ部N1と継手部材5の雌ネジ部N2を螺合させることで、取付穴H1の周縁を排水部材1と継手部材5を水密的に挟持して、排水装置の施工が完了する。
【0025】
以下に、上記のように構成した浴槽Bの排水装置の使用方法について説明する。
上記のように構成した浴槽Bに湯水を溜める場合、
図3に示したように、排水部材1の排水口2cに栓蓋部材6を配置し、栓蓋部材6の止水パッキンP2がカバー部材3の上面に当接するようにする。
このようにして浴槽B内に湯水を給湯すると、排水口2cが閉口されているため、浴槽B内に湯水を溜めることができる。
【0026】
この時、排水口2cは栓蓋部材6によって覆われ、止水パッキンP2により栓蓋部材6とカバー部材3の上面の間も水密的に接続されるため、栓蓋部材6とカバー部材3の間から排水口2c内への漏水などは生じない。
また、取付穴H1の周縁上面と外縁部2b下面の間は、リングパッキンP1により水密的に接続されているため、取付穴H1の周縁上面と外縁部2b下面の間から、継手部材5内部への漏水などは生じない。
また、カバー部材3の外側端部から、排水部材本体2とカバー部材3の間に湯水が侵入しても、排水部材本体2の上面部2aとカバー部材3の間に止水部材4が全周に亘って備えられており、液体である湯水が排水部材本体2とカバー部材3の間を通過することが防止されるため、当該部分からの漏水も生じない。
【0027】
浴槽Bの使用が終了し、湯水を排出する場合は、栓蓋部材6を排水口2cから取り外し、排水口2cを開口すると、浴槽B内の湯水は排水口2cを通過し、排出口5aから下水側に排出される。
取付穴H1の周縁下面と継手部材5上面の間は、リングパッキンP1により水密的に接続されているため、湯水の排出の際に、取付穴H1の周縁下面と継手部材5上面の間から、浴槽B外への漏水などは生じない。
【0028】
止水部材4をOリング等にて構成すると、カバー部材3上面が止水部材4により凹凸を生じる等により、栓蓋部材6を用いる場合に不具合となることがあるが、上記第一実施例では、止水部材4を、厚みが0.3ミリメートル程度の平坦なシート状とし、これを排水部材本体2の形状に合致するように切断し配置したため、排水部材本体2の上面にカバー部材3を取り付けた状態でも、カバー部材3表面に凹凸等が生じることが無く、栓蓋部材6を用いて排水口2cを閉口する際に、栓蓋部材6の止水パッキンP2は滑らかな面に当接するため、栓蓋部材6による排水口2cの閉口が確実に行われる。
【0029】
以下に、本発明の第二実施例の排水部材7について、図面を参照しつつ説明する。
図4及び
図5に示した第二実施例の排水部材7は、槽体の近傍に取り付けられる、遠隔操作式の排水装置の操作部を構成する部材である。
本発明の第二実施例の排水部材7は、以下に記載する排水部材本体8、カバー部材3、及び止水部材4から構成される。
【0030】
排水部材本体8は樹脂素材によって成型された部材であって、内部に後述する操作体10が進退する開口を形成した円筒状の筒状部8cと、この筒状部8cの上端部分に外周方向に向かって張り出した外縁部8bと、筒状部8cの外側面であって、外縁部8bの下方に設けられた雄ネジ部N1と、から構成される。外縁部8bは、
図4及び
図5に示したように、球体の一部を切断したような形状であり、側面視円弧形状を成す。
排水部材本体8の筒状部8cと外縁部8bの上面によって、排水部材本体8の上面部8aが構成される。
また、排水部材本体8は中央に開口を備えた筒状部8cを備えていることから、排水部材本体8は略リング状に形成されている。
【0031】
カバー部材3は、樹脂素材によって成型された部材であって、排水部材本体8の開口周縁から外縁部8b外径までの形状に合致する形状を備えてなる。この合致する形状の部分は、1.5ミリメートル程度の均一な肉厚部分によって構成されている。このように均一な肉厚に構成したことで、カバー部材3の表面には樹脂成型品において肉厚の違いによって生じる、ヒケと呼ばれる歪みや窪みが生じない。
また、カバー部材3は、外縁部8bの下面に係合する爪部3bを備えてなる。
カバー部材3を排水部材本体8に係合させた状態では、上記合致部分には0.3ミリメートル程度の幅の隙間部分が形成される。
【0032】
本実施例の止水部材4は、シリコーングリスと呼ばれるケイ素を用いた高分子化合物を主原料とした、防水性を有するゼリーのような不定形のゲル状物質である。シリコーングリスは湯水などの液体を弾く性質があり、防水を目的とした面に塗布することで、塗布した箇所への湯水等の侵入が防止される。
【0033】
上記の各部材からなる排水部材7は、以下のようにして組み立てられる。
まず、排水部材本体8の上面部8aの全体に止水部材4を塗布する。排水部材本体8の上面全体に止水部材4を塗布することで、止水部材4は開口部8dの周囲の全周に備えられる。
次に、カバー部材3を、排水部材本体8の上面部8aに被せるように配置する。
更に、カバー部材3の爪部3bを外縁部8bの下面に係合させることで、
図5に示したような、係合によりカバー部材3を排水部材本体8に覆うように取り付けた排水部材7が完成する。
尚、上記したカバー部材3の排水部材本体8への取り付けの結果、ゲル状の止水部材4は、合致部分であるカバー部材3の下面と排水部材本体8の上面部8aとの隙間部分に充填された状態となる。
【0034】
次に、上記第二実施例の排水部材7を用いた排水装置について説明する。
図6乃至
図8に図示した、本発明の第二実施例の排水部材7を用いた排水装置は、槽体としての洗面ボウルSBに備えられる排水装置あって、第二実施例の排水部材7と、以下に記載する、洗面台S、排水口部材9、オーバーフロー排水口部材11、オーバーフロー配管12、支持部材13、継手部材5、レリースワイヤ14、栓蓋部材6、操作体10、ナット部材N等より構成される。
【0035】
洗面台Sは上方が開口した箱体であるキャビネットCと、該キャビネットCの上方に載置される洗面ボウルSBとを備えてなる。
洗面ボウルSBは、上方が開口した略箱体の槽体であって、底面に排水口部材9を取り付けるための取付穴H1を、側面の上端近傍にオーバーフロー排水口部材11を取り付けるための開口を、それぞれ備え、また洗面ボウルSBの上縁部分に排水部材7を取り付けるための操作部取付穴H2が設けられてなる。
【0036】
排水口部材9は、樹脂素材によって成型された部材であって、内部に排水口9aとなる開口が形成された円筒部分と、この円筒部分の上端部分に外周方向に向かって張り出した外縁部分と、円筒部分の側面に設けた、オーバーフロー排水口部材11からの排水が排水口9a内に流入するための横穴部9bを備えてなる。また、円筒部分の外側面であって、横穴部9bの下方に雄ネジ部N1を備えてなる。
【0037】
オーバーフロー排水口部材11は、樹脂素材によって成型された部材であって、内部にオーバーフロー排水を行う開口が形成された円筒状の部分と、この円筒状部分の端部部分に外周方向に向かって張り出した外縁部分と、円筒状部分の外側面に設けられた雄ネジ部N1とを備えてなる。
【0038】
オーバーフロー配管12はオーバーフロー排水口部材11からの排水を排水口9aへ流入させるための配管であって、オーバーフロー排水口部材11の雄ネジ部N1と螺合する雌ネジ部N2を備えたエルボ管部12a、排水口部材9の横穴部9bの周囲に配置される筒状のアダプター部12b、エルボ管部12aからの排水をアダプター部12bに流出されるホース部12c、から構成される。
【0039】
継手部材5は、上記排水口部材9の下端に接続される直線状の管体からなる部材であって、その側面にレリースワイヤ14を挿入する枝管部5bを備えてなる。
【0040】
支持部材13は、後述するレリースワイヤ14の端部を接続した状態で継手部材5の上流側端部に配置されることで、排水口9aからの流路上にレリースワイヤ14の押上軸14cを配置する部材である。
【0041】
レリースワイヤ14は、筒状にして側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を備えたアウターチューブ14aと、アウターチューブ14a内を進退する、側面方向に可撓性を、軸方向に剛性を備えたインナーワイヤ14bと、インナーワイヤ14bの一端に備えられた押上軸14cとを備えてなる。
【0042】
栓蓋部材6は、
図8に示したように上下に多少の厚みがある円盤状の部材であって、その側面にゴムなどの弾性素材からなる止水パッキンP2を備えてなる。
また、栓蓋部材6は、その下面中央に棒状の支持軸15を着脱自在に嵌合接続することが可能に構成されている。また、支持軸15は傾斜防止用のガイドと兼用したヘアキャッチャー15aを進退自在に挿通した状態で栓蓋部材6に嵌合接続される。
【0043】
操作体10は、排水部材7の開口内を進退する棒状の部材であって、上方の端部には使用者が把持するツマミ部10aを備え、下端部分にはレリースワイヤ14のインナーワイヤ14bが固定される。尚、排水部材7の開口部8dに操作体10を挿入することで操作部が構成される。
【0044】
ナット部材Nは、排水部材7及び排水口部材9を洗面台Sに固定されるために用いられる板ナットであって、本実施例では排水部材7及び排水口部材9の雄ネジ部N1と螺合する雌ネジ部N2を備えた、大小2種類のナット部材Nが用いられる。
【0045】
他に、継手部材5の下端に接続される、管体をS字形状に屈曲させたトラップ配管Tと、外縁部8b下面と操作部取付穴H2周縁上面の間に配置される環状のリングパッキンP1を備えてなる。
【0046】
上記した各部材からなる排水装置は、以下のようにして施工される。
尚、説明を容易にするため詳述はしないが、各部材の接続箇所は、排水部材7の接続箇所以外でも、必要に応じパッキンや接着等により水密的な接続が行われる。
【0047】
まず、洗面ボウルSBの側面の開口にオーバーフロー排水口部材11を挿通し、開口の周縁と外縁部分裏面とを当接させる。
次に、オーバーフロー排水口部材11の雄ネジ部N1にエルボ管部12aの雌ネジ部N2を螺合させ、洗面ボウルSB側面の開口周縁をオーバーフロー排水口部材11とエルボ管部12aとで挟持して、オーバーフロー排水口部材11を洗面ボウルSBに固定する。
次に、洗面ボウルSBの底面の取付穴H1に排水口部材9の円筒部分を挿通し、開口の周縁上面と外縁部分下面とを当接させる。
次に、オーバーフロー配管12のアダプター部12bを排水口部材9の円筒部分の周囲に配置した上で、排水口部材9の雄ネジ部N1にナット部材Nの雌ネジ部N2を螺合させ、洗面ボウルSB底面の取付穴H1周縁を、アダプター部12bを介して排水口部材9とナット部材Nとで挟持して、排水口部材9を洗面ボウルSBに固定する。
【0048】
次に、洗面ボウルSBの上縁に設けた操作部取付穴H2に排水部材7の筒状部8cを挿通し、操作部取付穴H2の周縁上面と外縁部8b下面とをリングパッキンP1を介して当接させる。
次に、排水部材7の雄ネジ部N1にナット部材Nの雌ネジ部N2を螺合させ、洗面ボウルSBの操作部取付穴H2周縁を排水部材7の外縁部8bとナット部材Nとで挟持して、排水部材7を洗面ボウルSBに固定する。
次に、操作体10の棒状部分を排水部材7の開口に挿入した上で、操作体10の下端にレリースワイヤ14のインナーワイヤ14b端部を接続固定する。更に、インナーワイヤ14bのアウターチューブ14a端部を排水部材7の下端に接続固定する。
次に、レリースワイヤ14の一端を継手部材5の枝管部5bに挿入し、レリースワイヤ14端部を支持部材13に接続した上で、枝管部5bの端部を水密的に閉塞する。
次に、継手部材5の上流側端部に支持部材13を配置した状態で継手部材5の上端を排水口部材9の下端に接続する。これによって、支持部材13は排水口部材9と継手部材5とに挟持固定される。
【0049】
次に、継手部材5の下流側端部をトラップ配管Tの上流側端部に、トラップ配管の下流側端部を床下の下水側の配管に、それぞれ接続する。
更に、ヘアキャッチャー15aを挿通した状態の支持軸15を嵌合接続した栓蓋部材6を、押上軸14c上に支持軸15が位置するようにして排水口9aに配置し、排水装置の施工が完了する。
【0050】
以下に、上記のように構成した洗面台Sの排水装置の使用方法について説明する。
まず、栓蓋部材6が降下し、排水口9aを閉口した状態とする。この状態においては、操作体10は上方に位置しており、押上軸14cは降下している(
図6の状態)。
この状態において、洗面台Sの洗面ボウルSB内に湯水を給水すると、湯水は洗面ボウルSBに溜まってゆく。
【0051】
洗面ボウルSBの内部に溜まった湯水の水位が、オーバーフロー排水口部材11の位置に達すると、洗面ボウルSB内の湯水は、オーバーフロー排水口部材11から、エルボ管部12a、ホース部12c、アダプター部12bの順に通過し、排水口部材9の横穴部9bから排水口部材9内に流入し、継手部材5、トラップ配管Tを介して下水側に排出される。
【0052】
この排水口9aが閉口した状態より操作体10のツマミ部10aを把持し、操作体10を降下させると、操作体10に接続固定されたインナーワイヤ14bは排水口9a側に前進し、押上軸14cが上昇する。上昇した押上軸14cは支持軸15の下端に当接して栓蓋部材6及び支持軸15を上昇させる。栓蓋部材6及び支持軸15を上昇させる。尚、上昇の際にはヘアキャッチャー15aがガイドとして機能し、栓蓋部材6が傾くことを防止する。栓蓋部材6の全体が上昇したことで、栓蓋部材6が排水口9aから離間し、
図7に示したように排水口9aが開口する。
【0053】
この排水口9aが開口した状態において、洗面ボウルSB内に湯水が存在する場合、湯水は排水として、開口した排水口9aから排水口部材9、継手部材5、トラップ配管Tを介して下水側に排出される。またトラップ配管T内の屈曲部分に排水が溜まり、流路を排水で満水状態とした封水が形成されることで、下水側から屋内側への臭気を含んだ空気や害虫類の屋内側への侵入が防止される。
【0054】
この排水口9aが開口した状態より操作体10のツマミ部10aを把持し、操作体10を引き上げると、操作体10に接続固定されたインナーワイヤ14bは操作部側に後退し、押上軸14cが降下する。支持軸15は押上軸14と共に降下し、栓蓋部材6と支持軸15が降下することで栓蓋部材6の止水パッキンP2が排水口部材9の外縁部8bに当接し、排水口9aが閉口する。尚、栓蓋部材6の降下の際もヘアキャッチャー15aがガイドとして機能し、栓蓋部材6が傾くことを防止する。
以降、操作体10を昇降させることで、排水口9aから離間した操作部による遠隔操作により、排水口9aを開閉することができる。
【0055】
上記排水装置の使用において、排水部材7のカバー部材3の上面等に水滴が付着する場合がある。
カバー部材3の上面には円弧が形成されているため、水滴は円弧に沿って、カバー部材3と洗面ボウルSBの上縁の継ぎ目まで流下する。
この時、操作部取付穴H2の周縁上面と外縁部8b下面の間は、リングパッキンP1により水密的に接続されているため、水滴が操作部取付穴H2の周縁上面と外縁部8b下面の間から操作部取付穴H2やキャビネットC内へ漏水することは無い。
【0056】
また、カバー部材3と洗面ボウルSBの上縁の継ぎ目から、排水部材本体8とカバー部材3の間に湯水が侵入しても、排水部材本体8の上面部8aとカバー部材3の間にはゲル状の止水部材4が塗布されている。
止水部材4が無い場合、毛細管現象により上面部8aとカバー部材3の間を伝わって、カバー部材3の外側端部から内側端部まで水滴が通過し、排水部材本体2の開口からアウターチューブ14a内に水滴が侵入する恐れがあるが、本実施例では、上面部8aとカバー部材3の間の全体に止水部材4が塗布・配置されていることで、この止水部材4によって水滴が上面部8aとカバー部材3の間を通過することが防止され、排水部材本体8の開口への水滴の漏水などは生じない。
【0057】
以下に、本発明の第三実施例の排水部材16について、図面を参照しつつ説明する。
図9乃至
図11に示した本発明の第三実施例の排水部材16は、槽体の排水口9aを閉口する排水装置の栓蓋部材である。
本発明の第三実施例の排水部材16は、以下に記載する、排水部材本体17と、カバー部材3と、止水部材4と、止水パッキンP2とから構成される。
【0058】
排水部材本体17は、樹脂成型によって構成された部材であって、
図10に示したように、上下に多少の厚みがある円盤部分と、該円盤部分上に設けた複数のリブ体17cとを備えてなり、該リブ体17cによって囲まれた部分により上方が開口した凹部17dを形成している。
また、リブ体17cの上面は、球体の一部を切断したような形状であり、リブ体17cの上面を繋ぐ仮想線は側面視円弧形状を成し、この排水部材本体17の上方に設けられたリブ体17cの上面によって上面部17aが構成される。
また、円盤部の下方に、全周に沿って止水パッキンP2を取り付けるための側面方向に開口した溝部17bを備えてなる。
また、排水部材本体17の平面視中央には貫通孔17eが備えられ、該貫通孔17eの途中箇所に支持軸15と嵌合する突条部17fを備えてなる。
貫通孔17eが備えられていることで、排水部材本体17は略リング状に形成されている。
【0059】
カバー部材3は、金属であるステンレスの薄板からなる部材であって、プレス加工により排水部材本体17のリブ体17c上面が成す円弧形状に合致する形状に加工されている。
尚、カバー部材3の外側端部は排水部材本体17の外径に合致する箇所を超えた位置で下方に向けて屈曲し、3乃至4ミリメートル程度延出して折り返し部3aを形成している。
本実施例の止水部材4は、ポリエチレン等の柔軟性を備えた樹脂素材からなり、厚みが0.3ミリメートル程度のシート状の樹脂を、排水部材本体17の外径から1乃至2ミリメートル程度大きな径の円形状に切断して構成してなる。
【0060】
止水パッキンP2は、ゴムなどの弾性素材より構成されるリング状の部材であって、排水部材本体17の溝部17bに取り付けられる。
【0061】
上記の各部材からなる排水部材16は、以下のようにして組み立てられる。
まず、
図11(a)に示したように、排水部材本体17のリブ体17c上面に止水部材4を同心円状に配置する。このように配置することで、止水部材4は、貫通孔17eや凹部17dを形成するリブ体17cの周囲の全周に備えられる。
次に、
図11(b)に示したように、カバー部材3を、排水部材本体17の上方に被せるように配置する。
更に、
図11(c)に示したように、カバー部材3の折り返し部3aを、折り返し部3aが排水部材16の外側の端部下面に当接するまで湾曲させ固定することで、カバー部材3の排水部材本体17の上面部17a上を覆うようにして取り付けた排水部材16が完成する。
尚、上記したカバー部材3の排水部材本体2への取り付けの結果、止水部材4は、折り返し部3a分も含め、カバー部材3と排水部材本体17とに挟まれた状態となる。
次に、排水部材本体17の溝部17bに止水パッキンP2を取り付けることで、第三実施例の排水部材16が完成する。
【0062】
以下のように構成した第三実施例の排水部材16は、第二実施例の排水装置の排水部材16と同様に施工され、第二実施例の排水装置と同様の使用方法により槽体の排水口9aの開閉を行うことができる。
【0063】
第三実施例の排水部材16では、カバー部材3の外側端部から、排水部材本体17とカバー部材3の間に湯水が侵入しても、排水部材本体17の上面部17a及び下面の周縁部分とカバー部材3の間に止水部材4が配置されており、この止水部材4によって液体である湯水が排水部材本体17の上面部17aへ侵入することが防止される。
止水部材4を備えない場合、湯水がカバー部材3の外径から排水部材本体17とカバー部材3の間に侵入し、排水部材本体17の凹部17d内に溜まる場合や、貫通孔17eから排水口9a内に流下する場合がある。
排水部材本体17の凹部17d内に湯水が溜まると、排水部材16の使用の際に異音の生じる場合や、凹部17d内に溜まった湯水が腐敗して不衛生となる場合がある。
また、貫通孔17eから排水口9a内に湯水が流下することは、洗面ボウルSBなど槽体内の湯水が排水部材16を介して排水口9aに漏水することを意味する。
しかし、第三実施例の排水部材16では、排水部材本体17とカバー部材3の間に止水部材4を配置することで、止水部材4が湯水の侵入を防止し、これらの問題が生じることを防止することができる。
【0064】
本発明の実施例は以上のようであるが本発明は上記実施例に限定される物ではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記第一実施例では、排水部材1を槽体の底面に取り付けられる排水口2cを備えた排水部材1として構成しているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、排水部材1を、
図6に図示されている槽体の側面に取り付けられるオーバーフロー排水口部材11として構成しても良い。この場合には、完成した状態の排水部材1の排水口2cを横方向に向けて、即ち上面部2aを横方向に向けて配置し使用する。
【0065】
また、上記第三実施例では、排水部材1を、昇降することで槽体の排水口9aを閉口する遠隔操作式の排水装置の栓蓋部材として構成しているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
図12に示した実施例のように、排水口9aを覆い隠す目隠し部材としての排水部材18としても良い。この
図12の実施例の排水部材18は、第三実施例の排水部材16から溝部17b及び止水パッキンP2を省略し、ヘアキャッチャー15aと一体とした支持軸15を取り付け、これを排水口9aに配置することで、排水口9aを閉口する機能は無いが、排水口9a内を覆い隠し、意匠性を向上した排水装置を提供することができる。
このような目隠し部材の排水部材18でも、凹部17d内に湯水が溜まることを防ぎ、排水部材18の使用の際に異音の発生や、凹部17d内に溜まった湯水が腐敗して不衛生となる問題を解決することができる。
【0066】
また、上記第一実施例の排水部材1、及び第三実施例の排水部材16では、シート状の止水部材4を採用し、金属製のカバー部材3をカシメ加工により排水部材本体2、17に取り付けているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、第一実施例の排水部材1や第三実施例の排水部材16において、カバー部材3を樹脂製とし、係合によって取り付ける構造としても良く、またその際にゲル状の止水部材4を採用する構造としても良い。
同様に、上記第二実施例の排水部材7では、ゲル状の止水部材4を採用し、樹脂製のカバー部材3を係合により排水部材本体8に取り付けているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、排水部材本体8に取り付けるカバー部材3を金属製とし、カシメ加工によって取り付ける構造としても良く、またその際に可撓性を備えたシート状の樹脂からなる止水部材4を採用する構造としても良い。
また、シート状の止水部材4を使用する場合、上記実施例では可撓性を備えた樹脂によってシート状の止水部材4を構成しているが、ゴム等の可撓性を備えると共に弾性を備える素材によってシート状の止水部材4を構成しても、本発明の効果を得ることができる。
【0067】
また、第一実施例の排水部材1では排水部材本体2の上面部2aに止水部材4を配置しているが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、止水部材4を、排水部材本体2の外縁部2bの裏面とカバー部材3の折り返し部3aの間に配置して構成する、又は排水部材本体2の段部2eとカバー部材3の内側端部近傍との間に配置して構成する等、排水部材本体2とカバー部材3の間であって、開口に対して全周に渡って止水部材4を配置して構成するのであれば、どの位置に配置しても構わない。
【0068】
また、第一実施例の排水部材1は浴槽Bに用いられる、排水口2cを備えた排水部材1であるが、洗面ボウルSBの排水口9aや流し台の排水口を構成する排水部材に本発明を採用しても良い。
また、第二実施例の排水部材7は洗面ボウルSBの操作部に用いられる排水部材7であるが、浴槽Bや流し台の操作部に用いられる排水部材1に本発明を採用しても良い。
また、第三実施例の排水部材1は洗面台Sの栓蓋部材としての排水部材16であるが、浴槽Bや流し台の栓蓋部材としての排水部材に本発明を採用しても良い。
【符号の説明】
【0069】
1 排水部材
2 排水部材本体
2a 上面部
2b 外縁部
2c 排水口
2d 筒状部
2e 段部
3 カバー部材
3a 折り返し部
3b 爪部
4 止水部材
5 継手部材
5a 排出口
5b 枝管部
6 栓蓋部材
7 排水部材
8 排水部材本体
8a 上面部
8b 外縁部
8c 筒状部
8d 開口部
9 排水口部材
9a 排水口
9b 横穴部
10 操作体
10a ツマミ部
11 オーバーフロー排水口部材
12 オーバーフロー配管
12a エルボ管部
12b アダプター部
12c ホース部
13 支持部材
14 レリースワイヤ
14a アウターチューブ
14b インナーワイヤ
14c 押上軸
15 支持軸
15a ヘアキャッチャー
16 排水部材
17 排水部材本体
17a 上面部
17b 溝部
17c リブ体
17d 凹部
17e 貫通孔
17f 突条部
B 浴槽
C キャビネット
H1 取付穴
H2 操作部取付穴
N ナット部材
N1 雄ネジ部
N2 雌ネジ部
P1 リングパッキン
P2 止水パッキン
S 洗面台
SB 洗面ボウル
T トラップ配管