(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060933
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】端末装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168525
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内(山本) 幸一
(72)【発明者】
【氏名】池上 幸次朗
(72)【発明者】
【氏名】三津澤(平野) 彩花
(72)【発明者】
【氏名】斎藤(西) 紗記子
(72)【発明者】
【氏名】西 磨翁
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】利用者に対して訴求効果の高い広告を提示する。
【解決手段】端末装置は、ビーコン端末が発信する近距離無線信号を受信する受信部と、近距離無線信号に含まれる情報に紐づけられた広告情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置から取得する取得部と、近距離無線信号を受信すると、情報処理装置のサービス提供画面を起動し、サービス提供画面に広告情報に基づく広告を表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーコン端末が発信する近距離無線信号を受信する受信部と、
前記近距離無線信号に含まれる情報に紐づけられた広告情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置から取得する取得部と、
前記近距離無線信号を受信すると、前記情報処理装置のサービス提供画面を起動し、前記サービス提供画面に前記広告情報に基づく広告を表示する表示制御部と、を備える、
端末装置。
【請求項2】
前記ビーコン端末に付帯する付帯情報を読み取る読み取り部を更に備え、
前記表示制御部は、
前記広告の表示後、前記付帯情報が所定の態様で読み取られた場合には、前記付帯情報に基づいて、前記広告の対象についてのアンケートを表示する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記所定の態様は、
前記付帯情報の読み取り距離を含み、
前記表示制御部は、
前記付帯情報が所定の距離内で読み取られた場合には、前記アンケートを表示する、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記付帯情報は、
2次元コード、1次元コード、並びにステガノグラフィ技術もしくは物体認識技術により読み取り可能なアイコン、の少なくともいずれかである、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記読み取り部は、
カメラを用いた撮像によって前記付帯情報を読み取り、
前記表示制御部は、
レンズ焦点距離の調整値を含む前記カメラの内部パラメータに基づいて、前記読み取り距離を算出する、
請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記読み取り部は、
複数のカメラを用いた撮像によって前記付帯情報を読み取り、
前記表示制御部は、
前記複数のカメラの視差に基づいて、前記読み取り距離を算出する、
請求項4に記載の端末装置。
【請求項7】
前記取得部は、
前記アンケートに対する回答が行われた場合には、前記広告の対象に関する特典情報を前記情報処理装置から取得する、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項8】
ビーコン端末が発信する近距離無線信号を受信し、
前記近距離無線信号に含まれる情報に紐づけられた広告情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置から取得し、
前記近距離無線信号を受信すると、前記情報処理装置のサービス提供画面を起動し、前記サービス提供画面に前記広告情報に基づく広告を表示する、
情報処理方法。
【請求項9】
ビーコン端末が発信する近距離無線信号を受信し、
前記近距離無線信号に含まれる情報に紐づけられた広告情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置から取得し、
前記近距離無線信号を受信すると、前記情報処理装置のサービス提供画面を起動し、前記サービス提供画面に前記広告情報に基づく広告を表示する、
処理をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在から過去にさかのぼった期間に利用者(ユーザ)が興味を示した単語に基づいて、複数の広告の中から、利用者に提示する広告を選択する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、広告に対して利用者の興味を充分に持たせることができていない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対して訴求効果の高い広告を提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る端末装置は、ビーコン端末が発信する近距離無線信号を受信する受信部と、前記近距離無線信号に含まれる情報に紐づけられた広告情報を、ネットワークを介して接続される情報処理装置から取得する取得部と、前記近距離無線信号を受信すると、前記情報処理装置のサービス提供画面を起動し、前記サービス提供画面に前記広告情報に基づく広告を表示する表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者に対して訴求効果の高い広告を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る外部検索装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、広告情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、アンケート情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、特典情報データベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る端末装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により、本願に係る端末装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る端末装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、
図1では、利用者に対して訴求効果の高い広告を提示する場合を例に挙げて説明する。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10とビーコン(beacon)端末100と外部検索装置200とを含む。端末装置10と外部検索装置200とは、それぞれネットワークN(
図2参照)を介して有線または無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置10及びビーコン端末100は、外部検索装置200と連携する。
【0012】
ビーコン端末100は、近距離無線通信技術を用いて、赤外線その他の低電力の電波等の近距離無線信号SGを、半径数m~数十mの範囲に、数秒間の周期で発信するワイヤレストランスミッタ等である。
【0013】
実施形態のビーコン端末100は、所定の場所または移動体等に配置されており、ビーコン端末100が発信する近距離無線信号SGには、そのビーコン端末100を一意に識別可能な識別子、及びそのビーコン端末100の位置情報等が含まれている。
【0014】
ビーコン端末100の配置場所は、例えば所定の店舗前、店舗内、商業施設前、商業施設内等でありうる。ビーコン端末100が配置される移動体は、例えば所定の商品やサービスを宣伝する宣伝カー等の車両、その商品やサービスの宣伝員または販売員等の人物であってもよい。情報処理システム1は、所定の場所や移動体等に配置された複数のビーコン端末100を含んでいてよい。
【0015】
ビーコン端末100には、付帯情報101が付帯されている。付帯情報101は、QR(Quick Response)コード(登録商標)等の2次元コード、バーコード等の1次元コード、及び所定のアイコンの少なくともいずれかである。所定のアイコンは、ステガノグラフィ技術または物体認識技術により読み取り可能に構成されている。
【0016】
ここで、ステガノグラフィ(Steganography)技術は、画像や動画、音声などのデータに、人間には知覚できない形式で情報を埋め込んで伝達する技術である。物体認識技術は、画像や動画などのデータに映っている所定の物体を特定する技術である。
【0017】
ビーコン端末100が所定の場所または車両等に配置されている場合には、付帯情報101は、ビーコン端末100の近傍に配置される。ビーコン端末100が商品やサービスの宣伝員または販売員等の人物によって所持されている場合には、付帯情報101は、その人物が所持し、あるいは身に着けておくことができる。
【0018】
端末装置10は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、ノートPC(Personal Computer)等の情報処理装置であってもよい。
【0019】
実施形態の端末装置10には、ビーコン端末100の近距離無線信号SGを受信可能な受信アプリケーション(以下、受信アプリ)がインストールされている。受信アプリは、外部検索装置200等からダウンロードされたものである。受信アプリは、端末装置10が、ビーコン端末100から発信される近距離無線信号SGの受信圏内に入ると、その近距離無線信号SGを受信する。
【0020】
また、実施形態の端末装置10は、ビーコン端末100に付帯する付帯情報101を読み取るカメラ等を備えている。上述の受信アプリは、端末装置10によって読み取られた付帯情報101を外部検索装置200へと送信する。
【0021】
外部検索装置200は、検索窓(検索ボックス)を有するアプリやWebサイトを利用者Uの端末装置10に提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、外部検索装置200は、利用者Uが端末装置10を用いて検索窓に入力した検索クエリを受け付けて、入力された検索クエリに応じた検索結果を利用者Uの端末装置10に提供する。検索窓を有するアプリは、ブラウザやSNSアプリ等であってもよいし、ホーム画面の検索バーであってもよい。また、地図アプリやカーナビアプリ(ナビゲーションアプリ)等であってもよい。また、検索窓を有するWebサイトは、検索サイトやポータルサイトに限らず、EC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトやオンラインモール、価格比較サイト、SNSサイト、動画サイト(動画共有サイト、動画配信サイト)等であってもよい。
【0022】
実施形態の外部検索装置200は、複数のビーコン端末100から発信される近距離無線信号SGに含まれる、個々のビーコン端末100を表す識別子、及び個々のビーコン端末100の位置情報等にそれぞれ紐づけられた複数の広告情報を有している。これらの広告情報は、個々のビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品等に関する広告を含んでいる。
【0023】
また、実施形態の外部検索装置200は、複数のビーコン端末100のそれぞれに付帯する付帯情報101に紐づけられた複数のアンケート情報、及び複数の特典情報を有している。これらのアンケート情報は、個々のビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品等に関するアンケートを含む。また、複数の特典情報は、個々のビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品等に関する割引クーポンや無料引換券、ポイントカード等の特典を含んでいる。これらの特典は、アンケートに回答した利用者Uに提供される。
【0024】
〔1-1.利用者に対する広告提示方法〕
ここで、
図1を参照して、利用者に対する広告の提示方法について説明する。
【0025】
図1に示すように、端末装置10が、ビーコン端末100から発信される近距離無線信号SGの受信圏内に入ると、端末装置10の受信アプリは、ビーコン端末100からの近距離無線信号SGを受信し、外部検索装置200が提供するアプリまたはWebサイト等を起動する(ステップS1)。また、受信アプリは、近距離無線信号SGに含まれる上記情報に基づいて、ネットワークN(
図2参照)を介して、所定の広告情報の送信を外部検索装置200に対して要求する(ステップS2)。外部検索装置200は、受信アプリの要求に応じて、近距離無線信号SGに含まれる情報に紐づけられた広告情報を端末装置10に送信する(ステップS3)。受信アプリは、外部検索装置200から広告情報を取得すると、起動したアプリやWebサイトのトップ画面にその広告を表示する(ステップS4)。アプリやWebサイトのトップ画面は、外部検索装置200が利用者Uにサービスを提供する画面の一例である。
【0026】
また、広告を表示した後、端末装置10が、ビーコン端末100に付帯する付帯情報101を読み取ると(ステップS5)、端末装置10の受信アプリは、その付帯情報101を外部検索装置200に送信する(ステップS6)。外部検索装置200は、その付帯情報101に紐づけられたアンケート情報を端末装置10に送信する(ステップS7)。受信アプリは、外部検索装置200からのアンケート情報を取得すると、アンケート情報に含まれるアンケートを表示する(ステップS8)。端末装置10から利用者Uがアンケートに回答すると、受信アプリは、アンケートの回答を外部装置200に送信する(ステップS9)。外部検索装置200は、端末装置10から送信された付帯情報101に紐づけられ、アンケートを回答することで利用者Uに提供される特典を含む特典情報を端末装置10に送信する(ステップS10)。
【0027】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る端末装置10が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10とビーコン端末100と外部検索装置200とを含む。これらのうち、端末装置10と外部検索装置200とは、ネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0028】
また、
図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置10及びビーコン端末100を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0029】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。
【0030】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、外部検索装置200と通信することができる。
【0031】
外部検索装置200は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレームまたはワークステーション等である。なお、情報提供装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0032】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。
図3は、端末装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0033】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(
図2参照)と有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、外部検索装置200との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0034】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0035】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部13は、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。なお、入力部13は、入出力ポート(I/O port)やUSB(Universal Serial Bus)ポート等であってもよい。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。また、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
【0036】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度および経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0037】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0038】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0039】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続される、上述のビーコン端末100等を含むビーコン発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0040】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0041】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0042】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の1つまたは組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0043】
(読み取り部15)
読み取り部15は、端末装置10に搭載されるカメラ、またはスキャナ等である。一例として、読み取り部15は、CCD(Charge Coupled Device)、またはCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラであってよい。カメラは、表示部12が設けられた面の背面に少なくとも設けられている。カメラは、表示部12が設けられた面の背面に設けられた2眼、3眼等の複眼カメラであってもよい。
【0044】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載または接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。
図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0045】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0046】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0047】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0048】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0049】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0050】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0051】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、受信部31と、取得部32と、処理部33とを備える。
【0052】
(受信部31)
受信部31は、ビーコン端末100が発信する近距離無線信号SGの受信圏内に端末装置10が入ると、その近距離無線信号SGを受信する。
【0053】
(送信部32)
送信部32は、受信部31が受信した近距離無線信号SGに含まれるビーコン端末100の識別子、及びそのビーコン端末100の位置情報等の情報、読み取り部15が読み取った付帯情報101、入力部13を用いて利用者Uにより入力されたアンケートの回答等の各種情報を、通信部11を介して、外部検索装置200へ送信する。
【0054】
(取得部33)
取得部33は、通信部11を介して、外部検索装置200から提供される広告情報、アンケート情報、及び特典情報等を取得する。
【0055】
(処理部34)
処理部34は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部34は、受信部31によって受信された情報提供装置100からの各種情報や、送信部32によって送信される各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。このように、処理部34は、表示部12の表示を制御する表示制御部として機能する。
【0056】
また、処理部34は、読み取り部15が読み取った付帯情報101が、所定の態様で読み取られたものであるか否かを特定することができる。読み取りの態様には、読み取り部15が読み取りを行ったときの、読み取り部15、つまり、端末装置10と付帯情報101との距離、読み取り部15が読み取った付帯情報101の読み取り角度および読み取り位置等が含まれる。
【0057】
処理部34は、例えば読み取り部15がカメラ等である場合、付帯情報101を撮像する際に行われるカメラキャリブレーションに基づいて、端末装置10と付帯情報101都の距離を算出することができる。カメラキャリブレーションには、例えばレンズ焦点距離の調整値等の内部パラメータが含まれる。
【0058】
また例えば、読み取り部15が端末装置10の背面に設けられた複眼カメラ等である場合、処理部34は、これらの複数のカメラの撮像画像から、これらのカメラの視差に基づいて端末装置10と付帯情報101都の距離を算出してもよい。
【0059】
付帯情報101の読み取り角度および読み取り位置については、処理部34は、例えば画像解析技術等に基づいて、撮像画像に写る付帯情報101の角度および位置から算出することができる。
【0060】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0061】
実施形態の端末装置10では、記憶部40には、ビーコン端末100から近距離無線信号SGを受信して、
図1の各種処理を制御部30のCPU等に行わせる受信アプリ41が格納されている。制御部30のCPUが、この受信アプリ41を制御部30のRAM等に展開して実行することで、端末装置10による上述の各種機能が実現される。
【0062】
なお、受信アプリ41は、ネットワークNに接続された外部検索装置200等のコンピュータ上に格納されて、ネットワークN経由でダウンロードさせることにより、端末装置10等に提供することができる。また、受信アプリ41をダウンロードさせることなく、ネットワークN経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0063】
また、受信アプリ41は、フレキシブルディスク、CD-R(Compact Disc-Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等の、コンピュータで読み取り可能な各種の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0064】
〔4.外部検索装置の構成例〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る外部検索装置200の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る外部検索装置200の構成例を示す図である。
図4に示すように、外部検索装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0065】
(通信部210)
通信部210は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部210は、ネットワークN(
図2参照)と有線または無線で接続される。
【0066】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部220は、広告情報データベース221と、アンケート情報データベース222と、特典情報データベース223とを有する。
【0067】
(広告情報データベース221)
広告情報データベース221は、利用者Uに提示する広告を含む様々な広告情報を記憶する。例えば、広告情報データベース221は、複数の場所や移動体に配置されたビーコン端末100を個々に識別する識別子、及びこれらのビーコン端末10の位置情報等に紐づけて、これらの広告情報を記憶する。これらの広告情報は、その広告情報に対応するビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品やサービスの広告を含んでいる。
【0068】
(アンケート情報データベース222)
アンケート情報データベース222は、利用者Uへのアンケートを含むアンケート情報を記憶する。例えば、アンケート情報データベース222は、複数のビーコン端末100にそれぞれ付帯される付帯情報101にそれぞれ紐づけて、これらのアンケート情報を記憶する。これらのアンケート情報は、その付帯情報101が付帯されたビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品やサービスに関するアンケートを含む。つまり、アンケート情報は、上記の広告情報に含まれる広告の対象に関するアンケートを含んでいる。
【0069】
(特典情報データベース223)
特典情報データベース223は、アンケートに回答した利用者Uへの特典を含む特典情報を記憶する。例えば、特典情報データベース223は、複数のビーコン端末100にそれぞれ付帯される付帯情報101にそれぞれ紐づけて、これらの特典情報を記憶する。これらの特典情報は、その付帯情報101が付帯されたビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品やサービスに関する特典を含む。つまり、特典情報は、上記の広告情報に含まれる広告の対象に関する割引やポイント等の特典を含んでいる。
【0070】
(制御部230)
制御部230は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、外部検索装置200の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図4に示す例では、制御部230は、取得部231と提供部134とを有する。
【0071】
(取得部231)
取得部231は、通信部210を介して、端末装置10から送信される各種情報を取得する。例えば、取得部231は、端末装置10の受信アプリ41が受信した近距離無線信号SGに含まれるビーコン端末100の識別子および位置情報等の情報を取得する。また、取得部231は、受信アプリ41から送信される付帯情報101を取得する。また、取得部231は、利用者Uにより端末装置10に入力されたアンケートの回答を取得する。
【0072】
(提供部232)
提供部232は、通信部210を介して、端末装置10へと各種情報を提供する。例えば、提供部232は、端末装置10の受信アプリ41からビーコン端末100の識別子および位置情報等の情報を取得すると、これらの情報に紐づけられた広告情報を、広告情報データベース221から抽出して端末装置10に提供する。また、提供部232は、受信アプリ41から付帯情報101を取得すると、その付帯情報101に紐づけられたアンケート情報を、アンケート情報データベース222から抽出して端末装置10に提供する。また、提供部232は、受信アプリ41からアンケートの回答を取得すると、アンケート情報と同じ付帯情報101に紐づけられた特典情報を、特典情報データベース223から抽出して端末装置10に提供する。
【0073】
〔4-1.各データベースの構成例〕
次に、
図5~
図7を用いて、実施形態に係る外部検索装置200が有する各データベースの構成について説明する。
【0074】
図5は、実施形態に係る広告情報データベース221の一例を示す図である。
図5に示すように、広告情報データベース221は、「端末ID」、「識別子」、「位置情報」、「広告対象」、「広告情報ID」といった項目を有する。
【0075】
「端末ID」は、様々な場所および移動体等に配置される複数のビーコン端末100のそれぞれに付与されている。「識別子」は、それらのビーコン端末100のそれぞれを一意に識別する情報である。「位置情報」は、個々のビーコン端末100が配置される場所または移動体の情報を含む。所定の場所に配置されるビーコン端末10であれば、「位置情報」には配置場所の住所、または緯度経度等の情報が格納されている。所定の移動体に配置されるビーコン端末10であれば、「位置情報」には個々の移動体に付与された番号等の情報が格納されている。
【0076】
「広告対象」は、個々のビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品またはサービス等の情報である。ビーコン端末100の配置場所が飲食店の店舗前や店舗内であれば、「広告対象」には「飲食サービス」等の情報が格納される。ビーコン端末100が所定の宣伝員に配置されている場合であれば、「広告対象」にはその宣伝員が宣伝する商品またはサービス等の情報が格納される。
【0077】
「広告情報ID」は、上記の「端末ID」、「識別子」、及び「位置情報」等に紐づけられており、広告情報データベース221に格納される複数の広告情報のそれぞれを識別可能な情報である。個々の広告情報には、端末装置10の表示部12に表示されて、利用者Uに提供される広告が含まれている。
【0078】
図6は、実施形態に係るアンケート情報データベース222の一例を示す図である。
図6に示すように、アンケート情報データベース222は、「付帯情報ID」、「付帯端末ID」、「広告対象」、「アンケート情報ID」といった項目を有する。
【0079】
「付帯情報ID」は、複数のビーコン端末100にそれぞれ付帯する個々の付帯情報101を識別可能な情報である。「付帯端末ID」は、その付帯情報101が付帯されるビーコン端末100の「端末ID」である。これにより、その付帯情報101がどのビーコン端末100に付帯された情報であるかを識別することができる。「広告対象」は、上記の広告情報データベース221の「広告対象」と同様、その付帯情報101が付帯される個々のビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品またはサービス等の情報である。
【0080】
「アンケート情報ID」は、上記の「付帯情報ID」及び「付帯端末ID」等に紐づけられており、アンケート情報データベース222に格納される複数のアンケート情報のそれぞれを識別可能な情報である。個々のアンケート情報には、対応する広告の対象となる商品やサービスに関する利用者Uへのアンケートが含まれている。
【0081】
図7は、実施形態に係る特典情報データベース223の一例を示す図である。
図7に示すように、特典情報データベース223は、「付帯情報ID」、「アンケート情報ID」、「広告対象」、「特典情報ID」といった項目を有する。
【0082】
「付帯情報ID」は、上記のアンケート情報データベース222の「付帯情報ID」と同様、個々の付帯情報101を識別可能な情報である。「アンケート情報ID」は、上記のアンケート情報データベース222の「アンケート情報ID」と同様、複数のアンケート情報のそれぞれを識別可能な情報である。「広告対象」は、上記と同様、その付帯情報101が付帯される個々のビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品またはサービス等の情報である。
【0083】
「特典情報ID」は、上記の「付帯情報ID」及び「アンケート情報ID」等に紐づけられており、特典情報データベース223に格納される複数の特典情報のそれぞれを識別可能な情報である。個々の特典情報には、アンケートに回答した利用者Uに提供される特典であって、対応する広告の対象となる商品やサービスに関する種々の特典が含まれている。
【0084】
〔5.処理手順〕
次に、
図8を用いて実施形態に係る端末装置10による処理手順について説明する。
図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。フローチャートの左側には、
図1で説明した各ステップと、
図8に示す各ステップとの対応関係を示す。なお、以下に示す処理手順は、上述の受信アプリ41を実行中の、端末装置10の制御部30によって繰り返し行われる。
【0085】
図8に示すように、端末装置10の受信部31は、ビーコン端末100から発信される近距離無線信号SGが受信されたか否かを継続的に監視する(ステップS111)。端末装置10が、所定のビーコン端末100からの近距離無線信号SGの受信圏内に入るなどした場合には、受信部31は近距離無線信号SGを受信する(ステップS101:Yes)。
【0086】
端末装置10の処理部34は、近距離無線信号SGが受信されると、外部検索装置200が提供するアプリやWebサイトを起動し、アプリやWebサイトのトップ画面を、端末装置10の表示部12に表示する(ステップS112)。
【0087】
ここでの処理部34は、表示部12の表示を制御する表示制御部の一例である。また、アプリやWebサイトのトップ画面は、外部検索装置200のサービス提供画面の一例である。
【0088】
端末装置10の送信部32は、受信した近距離無線信号SGに含まれるそのビーコン端末100の識別子および位置情報等の情報を、通信部210を介して外部検索装置200に送信し、ビーコン端末100の上記情報に対応する広告情報の提供を要求する(ステップS120)。
【0089】
ただし、ステップS120の処理は、上述のステップS112の処理よりも前に行われてよく、あるいは、ステップS112,S120の処理が並行して行われてもよい。
【0090】
外部検索装置200の取得部231は、ビーコン端末100の上記情報を端末装置10から取得する。外部検索装置200の提供部232は、ビーコン端末100の上記情報に紐づく広告情報を、広告情報データベース221から抽出して端末装置10へと提供する。
【0091】
端末装置10の取得部33は、ビーコン端末100の上記情報に紐づく広告情報を、外部検索装置200から取得する(ステップS130)。端末装置10の処理部34は、外部検索装置200から取得した広告情報に基づいて、近距離無線信号SGを受信したビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品やサービスの広告を、アプリやWebサイトのトップ画面に表示する(ステップS140)。
【0092】
利用者Uは、端末装置10の表示部12に表示された広告を見て、その商品やサービスに対して興味を抱く可能性がある。この場合、利用者Uは、端末装置10の読み取り部15によって、ビーコン端末100に付帯する付帯情報101を読み取ることで、その商品やサービスについての特典が付いたアンケート情報を取得することができる。
【0093】
端末装置10の処理部34は、表示部12への広告の表示後、読み取り部15による付帯情報101の読み取りが行われるか否かを判定する(ステップS150)。付帯情報101の読み取りが行われなかった場合(ステップS150:No)、端末装置10の制御部30は一連の処理を終了する。
【0094】
利用者Uが、端末装置10の読み取り部15を用いて、ビーコン端末100近傍の付帯情報101を読み取った場合には(ステップS150:Yes)、端末装置10の処理部34は、付帯情報101の読み取りが所定の態様で行われたか否かを判定する(ステップS161)。
【0095】
より具体的には、処理部34は、上述のように、付帯情報101の読み取りに付随するカメラキャリブレーションの際のカメラの内部パラメータに基づいて、付帯情報101の読み取りが所定距離内で行われたか否かを判定する。または、処理部34が、複眼カメラの視差に基づいて、付帯情報101の読み取り距離を判定してもよい。
【0096】
また、処理部34は、上述のように、読み取り画像等に含まれる付帯情報101の角度および位置から、その読み取り画像が付帯情報101を対象として取得されたものであるか否かを判定する。
【0097】
利用者Uが、付帯情報101を読み取ることを意図して読み取り画像を取得する場合、利用者Uは、付帯情報101に充分近づいて読み取り画像を取得すると考えられる。また、付帯情報101は、読み取り画像の略中央部分に傾くことなく含まれると考えられる。
【0098】
処理部34は、付帯情報101の読み取り距離、角度、及び位置等が所定の態様を満たしていない場合(ステップS161:No)、例えば利用者Uが、ビーコン端末100が配置された店舗や、宣伝カー、宣伝員等を対象としてカメラ撮影等を行ったなど、付帯情報101を読み取ることを意図していない行動であるものとして、一連の処理を終了する。
【0099】
付帯情報101の読み取り距離、角度、及び位置等が所定の態様を満たしていた場合(ステップS161:Yes)、端末装置10の送信部32は、読み取った付帯情報101を、通信部210を介して外部検索装置200に送信し、付帯情報101に対応するアンケート情報の提供を要求する(ステップS162)。
【0100】
外部検索装置200の取得部231は、ビーコン端末100に付帯する付帯情報101を端末装置10から取得する。外部検索装置200の提供部232は、その付帯情報101に紐づくアンケート情報を、アンケート情報データベース222から抽出して端末装置10へと提供する。
【0101】
端末装置10の取得部33は、付帯情報101に紐づくアンケート情報を、外部検索装置200から取得する(ステップS170)。端末装置10の処理部34は、外部検索装置200から取得したアンケート情報に基づいて、近距離無線信号SGを受信したビーコン端末100が配置された場所や移動体に関わる商品やサービスに関するアンケートを、アプリやWebサイトのトップ画面に表示する(ステップS180)。
【0102】
端末装置10の処理部34は、利用者Uが、端末装置10の表示部12からアンケートに対する回答を行ったか否かを判定する(ステップS191)。アンケートへの回答が行われなかった場合(ステップS191:No)、端末装置10の制御部30は一連の処理を終了する。
【0103】
利用者Uがアンケートに回答した場合(ステップS191:Yes)、端末装置10の送信部32は、利用者Uによるアンケートの回答を、通信部210を介して外部検索装置200に送信する(ステップS192)。
【0104】
外部検索装置200の取得部231は、アンケートの回答を端末装置10から取得する。外部検索装置200の提供部232は、そのアンケートの付帯情報101に紐づく特典情報を、特典情報データベース223から抽出して端末装置10へと提供する。
【0105】
端末装置10の取得部33は、アンケートの付帯情報101に紐づく特典情報を、外部検索装置200から取得する(ステップS201)。端末装置10の処理部34は、広告対象である商品やサービスについての特典を、外部検索装置200から取得したことの通知を表示部12に表示する(ステップS202)。
【0106】
以上により、実施形態の端末装置10による情報処理が終了する。
【0107】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及び外部検索装置200は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0108】
上記の実施形態において、外部検索装置200が実行している処理の一部または全部は、実際には、端末装置10が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態における外部検索装置200の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10は外部検索装置200と連携しているため、利用者Uから見れば、外部検索装置200の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、外部検索装置200を備えているともいえる。
【0109】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る端末装置10は、ビーコン端末100が発信する近距離無線信号SGを受信する受信部31と、その近距離無線信号SGに含まれる情報に紐づけられた広告情報を、ネットワークNを介して接続される外部検索装置200から取得する取得部33と、近距離無線信号SGを受信すると、外部検索装置200が提供するアプリやWebサイトのトップ画面を起動し、アプリやWebサイトのトップ画面に広告情報に基づく広告を表示する処理部34と、を備える。
【0110】
また、本願に係る端末装置10は、ビーコン端末100に付帯する付帯情報101を読み取る読み取り部15を更に備え、処理部34は、広告の表示後、付帯情報101が所定の態様で読み取られた場合には、その付帯情報101に基づいて、広告の対象である商品やサービスについてのアンケートを表示する。
【0111】
また、上記の所定の態様は、付帯情報101の読み取り距離を含み、処理部34は、付帯情報が所定の距離内で読み取られた場合には、アンケートを表示する。
【0112】
また、上記の付帯情報101は、2次元コード、1次元コード、並びにステガノグラフィ技術もしくは物体認識技術により読み取り可能なアイコン、の少なくともいずれかである。
【0113】
また、読み取り部15は、カメラを用いた撮像によって付帯情報101を読み取り、処理部34は、レンズ焦点距離の調整値を含むカメラの内部パラメータに基づいて、読み取り距離を算出する。
【0114】
また、読み取り部15は、複数のカメラを用いた撮像によって付帯情報101を読み取り、処理部34は、これら複数のカメラの視差に基づいて読み取り距離を算出する。
【0115】
また、取得部33は、アンケートに対する回答が行われた場合には、広告の対象に関する特典情報を外部検索装置200から取得する。
【0116】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る端末装置10は、利用者Uに対して訴求効果の高い広告を提示することができる。
【0117】
より具体的には、上述した各処理は、ビーコン端末100が発信する近距離無線信号SGの受信をトリガとしているため、利用者Uがビーコン端末100に充分に近づくまで行われない。つまり、そのビーコン端末100に対応する商品やサービス等に所定の興味を示し、ビーコン端末100に近づいた利用者Uに限定して、その商品やサービス等の広告を提供することができる。
【0118】
また、ビーコン端末100が発信する近距離無線信号SGの到達範囲は半径数m~数十mと限定的である。このため、例えば所定の店舗に関連した商品やサービス等の広告を行う場合には、店舗前を通りかかった利用者Uも対象とするのか、あるいは、その店舗に入店した利用者Uのみを対象とするのか等、広告の提供対象に含める利用者Uを高精度に選別することができる。また、例えば所定の商業施設内のテナントに関連した商品やサービス等の広告を行う場合であっても、そのテナントが営業しているフロアにいる利用者U等に限定して広告を提供することなども可能である。
【0119】
また、利用者Uが、端末装置10に表示された広告を見て、広告の対象となる商品やサービスに更なる興味を持った場合等には、ビーコン端末100に付帯する付帯情報101を読み取ることで、特典付きのアンケート情報を取得することができる。このとき、端末装置10と付帯情報101との読み取り距離等、所定の態様を満たすように付帯情報101の読み取りが行われたかを判定するので、利用者Uの行動が、付帯情報101の読み取りを意図したものであったか否かを判別したうえで、利用者Uにアンケート情報を提示することができる。端末装置10と付帯情報101との読み取り距離が離れていたり、読み取り画像中、付帯情報101が傾いていたり、付帯情報101が中央に据えた状態で捉えられていなかったりといった場合には、利用者Uは、ビーコン端末100が配置された店舗や宣伝カー、宣伝員等を撮影したかっただけであるかもしれない。このような場合には、アンケート情報の取得は行われない。これにより、広告の対象となる商品やサービスに興味がある利用者Uに対してアンケート情報を提示することができるので、アンケートの回答率を高めることができ、より効率的な販売促進活動を行うことができる。
【0120】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や外部検索装置200は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、外部検索装置200を例に挙げて説明する。
図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0121】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0122】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0123】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0124】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0125】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0126】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0127】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0128】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0129】
例えば、コンピュータ1000が外部検索装置200として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0130】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0131】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0132】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0133】
例えば、上述した外部検索装置200は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0134】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0135】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0136】
1 情報処理システム
10 端末装置
11 通信部
12 表示部
13 入力部
14 測位部
15 読み取り部
20 センサ部
30 制御部
31 受信部
32 送信部
33 取得部
34 処理部
40 記憶部
41 受信アプリ
100 ビーコン端末
101 付帯情報
200 外部検索装置
210 通信部
220 記憶部
221 広告情報データベース
222 アンケート情報データベース
223 特典情報データベース
230 制御部
231 取得部
232 提供部