(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024060966
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】粉粒体運搬車
(51)【国際特許分類】
B60P 3/22 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
B60P3/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168575
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井川 弘大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 遥子
(57)【要約】
【課題】タンク下部に連設されたスクリュコンベアと、スクリュコンベアにより搬出されたタンク内粉粒体を排出管内に排出するロータリバルブとを備えた粉粒体運搬車であって、粉粒体の排出管内での排出流動をエアで助勢するものにおいて、スクリュコンベア及びロータリバルブの作動中、粉粒体搬送用のエア通路で粉粒体に因る閉塞が生じた場合でも、その閉塞領域がロータリバルブはスクリュコンベアに拡がるのを抑制する。
【解決手段】ブロワBからのエアを排出管25に誘導するエア導入路20と、排出管25とで粉粒体搬送用のエア通路Apが構成され、エア通路Apの途中にロータリバルブRの排出口Roが臨んでおり、制御装置Cは、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動中、閉塞センサ50がエア通路Apの閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、スクリュコンベアSの回転停止又は低速化と、ロータリバルブRの回転停止又は低速化とを同期して実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体(F)に固定されて粉粒体を収容可能なタンク(T)と、そのタンク(T)の下部に連設されて該タンク(T)内の粉粒体を搬出するスクリュコンベア(S)と、そのスクリュコンベア(S)により搬出された粉粒体を排出管(25)内に排出するロータリバルブ(R)と、前記スクリュコンベア(S)及び前記ロータリバルブ(R)の作動を制御可能な制御装置(C)とを備えた粉粒体運搬車において、
車載のブロワ(B)から噴出するエアを前記排出管(25)に誘導するエア導入路(20)と、前記排出管(25)とで粉粒体搬送用のエア通路(Ap)が構成されると共に、そのエア通路(Ap)の途中に、前記ロータリバルブ(R)の排出口(Ro)が臨んでおり、
前記制御装置(C)は、前記ブロワ(B)、前記スクリュコンベア(S)及び前記ロータリバルブ(R)の作動中、前記エア通路(Ap)の閉塞又は閉塞の予兆を検知可能な閉塞センサ(50)が前記閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、前記スクリュコンベア(S)の回転停止又は低速化と、前記ロータリバルブ(R)の回転停止又は低速化とを同期して実行することを特徴とする、粉粒体運搬車。
【請求項2】
前記制御装置(C)は、前記ブロワ(B)、前記スクリュコンベア(S)及び前記ロータリバルブ(R)の作動中、前記閉塞センサ(50)が前記閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、前記スクリュコンベア(S)の回転停止又は低速化を、前記ロータリバルブ(R)の回転停止又は低速化よりも先行して実行することを特徴とする、請求項1に記載の粉粒体運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体運搬車、特に車体上に固定されて粉粒体を収容可能なタンクと、そのタンクの下部に連設されてタンク内の粉粒体を搬出するスクリュコンベアと、そのスクリュコンベアにより搬出された粉粒体を排出管内に排出するロータリバルブと、スクリュコンベア及びロータリバルブの作動を制御可能な制御装置とを備えた粉粒体運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記粉粒体運搬車は、例えば特許文献1に開示されるように従来公知であり、この公知のものでは、スクリュコンベアを経てロータリバルブから排出された粉粒体の排出管内での排出流動を、ブロワからのエア圧で助勢するエア搬送装置は設置されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで粉粒体運搬車に上記したエア搬送装置を特設して、粉粒体の排出効率を高めることが考えられるが、その場合、ブロアからの噴出エアを排出管に誘導するエア導入路と、排出管とを含む粉粒体搬送用のエア通路の途中で、粉粒体に因る閉塞が発生すると、その閉塞箇所から粉粒体供給元(即ちロータリバルブや更に上流側のスクリュコンベア)にまで徐々に閉塞領域が拡がる虞れがある。
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来構造の問題を解決可能とした粉粒体運搬車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、車体に固定されて粉粒体を収容可能なタンクと、そのタンクの下部に連設されて該タンク内の粉粒体を搬出するスクリュコンベアと、そのスクリュコンベアにより搬出された粉粒体を排出管内に排出するロータリバルブと、前記スクリュコンベア及び前記ロータリバルブの作動を制御可能な制御装置とを備えた粉粒体運搬車において、車載のブロワから噴出するエアを前記排出管に誘導するエア導入路と、前記排出管とで粉粒体搬送用のエア通路が構成されると共に、そのエア通路の途中に、前記ロータリバルブの排出口が臨んでおり、前記制御装置は、前記ブロワ、前記スクリュコンベア及び前記ロータリバルブの作動中、前記エア通路の閉塞又は閉塞の予兆を検知可能な閉塞センサが前記閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、前記スクリュコンベアの回転停止又は低速化と、前記ロータリバルブの回転停止又は低速化とを同期して実行することを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記制御装置は、前記ブロワ、前記スクリュコンベア及び前記ロータリバルブの作動中、前記閉塞センサが前記閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、前記スクリュコンベアの回転停止又は低速化を、前記ロータリバルブの回転停止又は低速化よりも先行して実行することを第2の特徴とする。
【0008】
本発明の第1の特徴において、「同期して」とは、スクリュコンベアの回転停止又は低速化と、ロータリバルブの回転停止又は低速化とを、厳密な意味で同時に実行することや略同時に実行することが含まれることは元より、厳密には同時に実行されないが所定の短い時間差(例えば1秒)を以て実行されるものも含まれる概念である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の特徴によれば、タンク下部に連設されてタンク内の粉粒体を搬出するスクリュコンベアと、スクリュコンベアにより搬出された粉粒体を排出管内に排出するロータリバルブとを備えた粉粒体運搬車において、車載のブロワから噴出するエアを排出管に誘導するエア導入路と、排出管とで粉粒体搬送用のエア通路が構成されると共に、そのエア通路の途中に、ロータリバルブの排出口が開口しており、制御装置は、スクリュコンベア及びロータリバルブの作動中、上記エア通路の閉塞又は閉塞の予兆を検知可能な閉塞センサが閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、スクリュコンベアの回転停止又は低速化と、ロータリバルブの回転停止又は低速化とを同期して実行する。これにより、スクリュコンベア及びロータリバルブの作動中、エア通路で粉粒体に因る閉塞が生じたか、或いは閉塞の予兆が認められたときは、スクリュコンベアの回転停止又は低速化と、ロータリバルブの回転停止又は低速化とを同期して実行することで、エア通路内の閉塞だけでなく、その閉塞領域がロータリバルブ、更にはスクリュコンベアに拡がるのを未然に効果的に抑制可能となる。
【0010】
また特に第2の特徴によれば、制御装置は、スクリュコンベア及びロータリバルブの作動中、閉塞センサが前記閉塞又は閉塞の予兆を検知すると、特に粉粒体の供給元であるスクリュコンベアの回転停止又は低速化を、ロータリバルブの回転停止又は低速化よりも先行して実行するので、スクリュコンベアとロータリバルブとの間の閉塞をより効果的に抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る粉粒体運搬車の一実施形態を示す全体側面図
【
図2】車体枠の後端部及びバンパ支持部を省略して示す前記粉粒体運搬車の要部後面図(
図1の2X矢視拡大図)と、接続体及びその周辺部の部分拡大図
【
図3】(3A)はロータリバルブの投入口の平面図(
図2の3A-3A線より見た切断端面図)、(3B)は混相器の入口の平面図(
図2の3B-3B線より見た切断端面図)
【
図4】
図2と同じ向きから見たスクリュコンベア、ロータリバルブ及び混相器の縦断面図(
図5の4X-4X線断面図)
【
図5】スクリュコンベア、ロータリバルブ及び混相器の、
図4とは90度異なる方向の縦断面図(
図4の5X-5X線断面図)
【
図6】コンベアモータ、バルブモータ及びブロワモータを作動させるための油圧回路の一例を示す回路図
【
図7】スクリュコンベア、ロータリバルブ及びブロワを作動制御する制御系の一例を示す制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
【0013】
粉粒体運搬車Vは、車体として車体枠Fに固定されて内部に粉粒体を収容可能なタンクTと、そのタンクTの下部に連設されてタンクT内の粉粒体を搬出するスクリュコンベアSと、そのスクリュコンベアSにより搬出された粉粒体を混相器Mを経由して排出管25内に強制排出するロータリバルブRと、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動を制御可能な制御装置Cと、ロータリバルブRから混相器Mを通して排出管25内に排出された粉粒体の排出管25内での流動をエア圧で助勢可能なエア搬送装置Aとを備えている。
【0014】
而して、粉粒体としては、エア搬送が可能な程度に流動性がある無数の粒状体(例えば木質チップ、飼料等)又は粉状体(例えばセメント、粉状化学剤,粉状食材等)が含まれる。また混相器Mは、ロータリバルブRから排出された粉粒体にブロアBからの噴出エアを合流させて、その粉粒体を噴出エアと共に排出管25に向かわせて排出管25からスムーズに排出させるのに利用される。
【0015】
車体枠Fは、縦横フレームを梯子枠状に枠組みした剛体枠より構成されるメインフレームとしてのシャシフレームFmと、そのシャシフレームFm上に結合(例えばボルト止め、溶接等)されて同じく梯子枠状に枠組みしたサブフレームとしての架台Fsとを主要部とする。
【0016】
タンクTは、下半部が下方に向かって左右中央側に傾斜した舟形に形成される金属製のタンク本体1を主要部とし、そのタンク本体1の上壁には、外部から粉粒体を投入するための複数の投入筒1cと、それら投入筒1cを開閉可能な蓋1tとが配設される。
【0017】
タンク本体1の底部中央は横断面円弧状に彎曲形成されており、その彎曲部1rは、前後方向に延びていて、後述するコンベアハウジングHsの底壁部に兼用される。そして、この彎曲部1rの左右側縁部は、タンク本体1の下半部を構成する左右傾斜壁1kの下端縁部にそれぞれ結合(例えば溶接)される。
【0018】
またタンク本体1の下半部を構成する左右傾斜壁1kの外側面には、スクリュコンベアSを相互間に挟むようにして前後方向に延びる左右一対の鉛直支持壁1sがそれぞれ一体に垂設される。それら鉛直支持壁1sの下端部には、前後方向に延びる扁平且つパイプ状の支持杆1saが固定(例えば溶接)され、その支持杆1saを介して鉛直支持壁1sが架台Fsの左右の縦フレーム2上に載置される。
【0019】
そして、鉛直支持壁1s及び支持杆1saの外側面には、複数の上部受け枠7aが前後に間隔をおいて固定(例えば溶接)される一方、上記縦フレーム2の外側面にも、上部受け枠7aに対応する位置に複数の下部受け枠bが前後に間隔をおいて固定(例えば溶接)され、それら上,下部受け枠7a,7b間が複数のボルトb1で固定される。かくして、タンク本体1の下部は、架台Fs(従って車体枠F)上に複数のボルトb1を介して固定される。
【0020】
スクリュコンベアSは、タンク本体1の下部に連設されて前後方向に概略円筒状に延びるコンベアハウジングHsと、そのコンベアハウジングHs内を縦通する螺旋状のスクリュ羽根3と、スクリュ羽根3を回転駆動するコンベアモータ4とを備える。
【0021】
コンベアハウジングHsは、タンク本体1の下部に固定されてコンベアスクリュ3の上方を覆う横断面円弧状のスクリュ覆い部5を含むが、スクリュ覆い部5の少なくとも一部は、可動でタンクT内に開放可能に構成される。コンベアスクリュ3の一部は、スクリュ覆い部5によっては覆われずにタンクT内に開放状態にあり、その開放部を通してタンクT内の粉粒体が、スクリュ羽根3の回転に伴いコンベアハウジングHs内に搬入され、後方に送られる。
【0022】
しかもタンク本体1の後壁には、コンベアハウジングHsの一部(後部)を構成し且つ円筒状をなす後方延長筒部6が後向きに一体的に突設されており、この後方延長筒部6内にもスクリュ羽根3が延出し、その延出端部は、後方延長筒部6の後端壁に装着したコンベアモータ4に回転駆動可能に連結、支持される。
【0023】
その後方延長筒部6の外周面下部には、コンベアハウジングHs内と連通する円筒状の搬出筒6aが下向きに一体に突設され、この搬出筒6aの平面視円形の開放下端が、スクリュコンベアSの搬出口Soを構成する。特に搬出筒6aの下端外周には、ロータリバルブRに対する接続用の外向きフランジ6afが、平面視矩形状をなして全周に亘り一体に連設される。
【0024】
またシャシフレームFmの左右の縦フレーム2の後部、特にロータリバルブRの周辺には、前後左右に互いに間隔をおいて配置されて上下方向に延びる複数(4個)の支持ブラケット8vの上部が固定(例えばボルト止め)される。前側の左右の支持ブラケット8vの下部間、および後側の左右の支持ブラケット8vの下部間は、各々が左右方向に延びる前クロス枠8hfおよび後クロス枠8hrでそれぞれ結合される。
【0025】
そして、前・後クロス枠8hf,8hrの上部間は、後述する混相器Mの入口Miの左右両側において、前後方向にそれぞれ延びる左右一対の支持枠91,92で一体的に結合(例えば溶接、ボルト止め)される。そして、その左右の支持枠91,92には、ロータリバルブRのバルブハウジングHrが混相器Mと共に複数のボルトb2で共締め、固定される。
【0026】
次にロータリバルブRの一例について具体的に説明すると、ロータリバルブRは、上端に投入口Riを、また下端に排出口Roをそれぞれ有するバルブハウジングHrと、そのバルブハウジングHrに回転自在に収容、支持されるロータ10と、このロータ10を回転駆動するバルブモータ11とを備える。投入口Riは、コンベアハウジングHsの搬出口Soに後述する接続体Jを通して連通し、また排出口Roは、後述する混相器Mの入口Miに直接連通している。またバルブモータ11は、
図5で明らかなように、前クロス枠8hfに固定(例えばボルト止め)のモータブラケット13に支持される。
【0027】
バルブハウジングHrの上端部外周には、スクリュコンベアSに対する接続用の外向きフランジHrf1が、投入口Riを囲繞するように連設される。その外向きフランジHrf1は、コンベアハウジングHsの搬出筒6a下端の外向きフランジ6afと略同一の平面視矩形状をなして、その外向きフランジ6afに対し上下方向に間隔をおいて対向配置される。
【0028】
而して、搬出口Soと投入口Riとの間は上下方向に離れているが、その間に配置した可撓性且つ中空状の接続体Jを介して接続され、これにより、その接続体Jの内部空間を通して搬出口Soと投入口Riとの間が連通される。実施形態の接続体Jは、
図2で明らかなように、可撓性を有する丈夫な角筒状の布材Jaと、矩形状に形成されて布材Jaの上・下端部の折返し部にそれぞれ重ね合わされ且つ固定(例えば縫着、接着等)される補強用の縁取りリングJb1,Jb2とを有している。
【0029】
そして、上側の縁取りリングJb1(従って布材Jaの上端外周縁部)は、これの下面に重合させる矩形状の上部リテーナ14と、コンベアハウジングHs(搬出筒6a)側の外向きフランジ6afとに対し、その相互間に挟持された状態で複数のボルトb3で共締めされる。一方、下側の縁取りリングJb2(従って布材Jaの下端端外周縁部)は、これの上面に重合させる矩形状の下部リテーナ15と、バルブハウジングHrの上端部の外向きフランジHrf1とに対し、その相互間に挟持された状態で複数のボルトb4で共締めされる。
【0030】
ところでバルブハウジングHrの排出口Roは、混相器Mの後述する入口Mi(
図3の(3B)を参照)と略同形の平面視矩形状に形成されており、バルブハウジングHrの下端部外周には、混相器Mに対する接続用の外向きフランジHrf2が、平面視矩形状をなして排出口Roを囲繞するように連設される。
【0031】
上記したロータ10は、バルブハウジングHrの中心部に位置する回転軸部10aと、回転軸部10aの外周に放射状に突設された複数の羽根板部10bとを一体に有する。そして、このロータ10をバルブモータ11で回転駆動すれば、その回転量に応じた排出流量で、スクリュコンベアSから搬出された粉粒体を排出口So側(従って混相器M内)に強制的に排出可能である。
【0032】
混相器Mは、ロータリバルブRの排出口Roに臨む入口Miを上端に有する中空の混相器本体21と、その混相器本体21の下部に中央部が一体的に結合(例えば溶接)されて左右方向に延びる円管部22とを備える。混相器本体21の上端部外周には、ロータリバルブRに対する接続用の外向きフランジ21fが、
図3(3B)で明らかなように、平面視矩形状をなす混相器Mの入口Miを囲繞するように連設される。
【0033】
混相器本体21は、下方に向かうにつれて徐々に接近するよう傾斜した前・後側壁211,212と、前・後側壁211,212の左右両側縁間を一体に接続する略鉛直の左・右側壁213,214とを主要部としていて、下窄まりで且つ下端開放のボックス状に形成される。
【0034】
そして、それら前後左右の側壁211~214の下端部は、円管部22の中央部周壁の上部を切欠くように形成した平面視矩形状の上向きの開口22oの開口縁部にそれぞれ接続(例えば溶接)される。そして、その開口22o直下の円管部22内が、ロータリバルブRから排出された粉粒体と、円管部22内を流れるブロアBからの噴出エアとの合流部となる。
【0035】
円管部22の左右何れか一端(図示例では右端)には、車載のブロワBからタンクTの右側面下部に略沿って後方に延びるエア導入管23の下流端が従来周知のジョイント24を介して気密に接続される。一方、円管部22の左右何れか他端(図示例では左端)には、タンクTの左側面下部に略沿って前方に延びる排出管25の上流端が従来周知のジョイント26を介して気密に接続される。
【0036】
その排出管25の下流端は、非使用時(例えば車両走行時)にはタンクT又は車台Fsに着脱可能に連結、保持され、また使用時には車両近くの粉粒体供給先(図示せず)に管出口25oを直接向けるか、或いは、必要に応じて管出口25oに接続した延長排出管26の管出口26oを車両より遠い粉粒体供給先に向けることで、その粉粒体供給先に粉粒体を排出可能である。
【0037】
上記したエア導入管23、排出管25及び延長排出管26は、可撓性を有する上部なゴムチューブで構成され、それらの周壁には、必要に応じて不図示のコイル状補強部材を埋設してもよく、或いは蛇腹状の多数の凹凸を形成してもよい。
【0038】
尚、
図1には、上記遠い粉粒体供給先の一例としてサイロ27が示されており、この場合、管出口26oは、サイロ27の上端部に下向きに開口し、その開口部の周囲には、必要に応じてブロワ付き集塵器28の吸引部が配設される。
【0039】
車台Fs前部に立設した補機ボックス30には、前述のブロワBやこれを回転駆動するブロワモータ31が収納され、更にブロワモータ31、コンベアモータ4及びバルブモータ11を作動させる油圧回路の一部や、その油圧回路を制御する制御装置Cも収納される。制御装置Cは、マイコンを主要部とする電子制御機器であって、所定の制御プログラムに基づき所定条件で、ブロワモータ31、コンベアモータ4及びバルブモータ11を個別に制御するための制御弁Vb,Vs,Vbの作動を制御する。
【0040】
図6には、上記した油圧回路の一例が示される。ここで車載エンジンの出力部に接断可能な動力取出部PTOには、第1,第2油圧ポンプ41,42がこれらを回転駆動可能に連動連結され、第1油圧ポンプ41から延びる第1吐出油路44と、油タンク43から延びる第1戻り油路45とが、バルブモータ11の正,逆転用油路11a,11bに対しバルブ用制御弁Vrを介して接続される。バルブ用制御弁Vrは、第1吐出油路44を正,逆転用油路11a,11bの何れかに選択的に連通させる左右切換位置と、中立位置とを有する3位置切換弁で構成される。
【0041】
また第1吐出油路44と第1戻り油路45とは、ブロワモータ31の正,逆転用油路31a,31bに対しブロワ用制御弁Vbを介して接続される。ブロワ用制御弁Vbは、第1吐出油路44を正,逆転用油路11a,11bの何れかに選択的に連通させる切換位置と、中立位置とを有する2位置切換弁で構成される。
【0042】
更に第2油圧ポンプ42から延びる第2吐出油路46と、油タンク43から延びる第2戻り油路47とが、コンベアモータ4の正,逆転用油路4a,4bに対しコンベア用制御弁Vsを介して接続される。コンベア用制御弁Vsは、第2吐出油路46を正,逆転用油路4a,4bの何れかに選択的に連通させる左右切換位置と、中立位置とを有する3位置切換弁で構成される。
【0043】
ところで、前記したエア搬送装置Aは、ブロワBと、ブロワBから噴出するエアを排出管25の上流端に誘導するためのエア導入路20とを備えており、エア導入路20は、実施形態では前述のエア導入管23及び円管部22で構成される。更にそのエア導入路20と排出管25とにより、エア搬送装置Aにおける粉粒体搬送用のエア通路Apが構成される。
【0044】
そして、このエア通路Apの途中(より具体的には混相器Mの円管部22の中間部開口22o)にはロータリバルブRの排出口Roが臨んでいる。換言すれば、排出口Roは、混相器本体21の内部空間を通して円管部22の開口22oに対向・連通している。
【0045】
更にエア通路Apの途中(より具体的には円管部22)には、ブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動中、エア通路Apが閉塞状態となったことを検知可能な閉塞センサ50が設置される。この閉塞センサ50は、それが設けられる円管部22の圧力変化(即ち円管部22の内圧が規定圧以上に上昇変化)を検知可能な圧力センサで構成され、制御装置Cは、閉塞センサ50の検知信号に基づいてエア通路Apが閉塞状態となったと判断する。
【0046】
閉塞センサ50は、実施形態では円管部22の適所、例えばロータリバルブRの排出口Roから排出された粉粒体が円管部22内を流れるエアと合流する合流部(即ち前記開口22o近傍)のやや上流側に配置されるが、その配置部位は、エア通路Apの途中であれば実施形態に限定されない。例えば、閉塞センサ50を、円管部22の上記合流部よりも下流側に配置してもよく、或いはまたエア導入管23や排出管25の混相器M周辺に配置してもよい。
【0047】
而して、制御装置Cは、ブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動中、上記エア通路Apの閉塞を検知可能な閉塞センサ50が閉塞を検知すると、コンベア用制御弁Vs及びバルブ用制御弁Vrを制御することで、スクリュコンベアSの回転停止(又は低速化)と、ロータリバルブRの回転停止(又は低速化)とを同期して(本実施形態では同時、又は略同時に)実行する機能を発揮し得るように構成される。
【0048】
スクリュコンベアS及びロータリバルブRの上記回転停止は、制御装置Cが対応するコンベア用制御弁Vs及びバルブ用制御弁Vrを中立位置に切換えることで行われる。またスクリュコンベアS及びロータリバルブRの上記低速化は、例えば、その低速化のためにコンベア用制御弁Vs及びバルブ用制御弁Vrに、これら弁の通過油流を絞り得る別の切換ポート(図示せず)を各々増設して、それら制御弁Vs,Vrに対し制御装置Cが当該別の切換ポートに切換えることで行われる。即ち、上記通過油流を絞ることでコンベアモータ4及びバルブモータ11の回転速度を低速化できる。
【0049】
また
図7には、制御ブロック図の一例が示され、制御装置Cには、例えば電源スイッチPWの他、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動・作動解除を同時指令する排出用スイッチSW1、ブロワBの作動・作動解除を指令するブロワ用スイッチSW2、装置各部を全停止させる緊急スイッチSW3等が接続され、また閉塞センサ50や前記した各制御弁Vr,Vs,Vb、更には閉塞警報用の報知手段40(例えば報知ランプ、報知ブザー等)が少なくとも接続される。
【0050】
而して、制御装置Cは、前記した各種スイッチSW1~SW3の指令信号に応じてコンベア用制御弁Vs・バルブ用制御弁Vr・ブロワ用制御弁Vbを制御してスクリュコンベアS・ロータリバルブR・ブロワBの作動をそれぞれ制御し、また閉塞センサ50がエア通路Apの閉塞を検知するのに応じて報知手段40を作動させる。
【0051】
電源スイッチPW及び各種スイッチSW1~SW3、並びに報知手段40は、運転席に設けたコントローラ及び/又は作業員が携帯可能なリモコン(何れも図示せず)に設けられ、ドライバー又は作業員が随時に操作可能である。
【0052】
次に前記実施形態の作用について説明する。粉粒体運搬車VのタンクTには、これの上部蓋1tを開いた状態で投入筒1cを通して粉粒体が投入、収容される。
【0053】
このタンクTから粉粒体を粉粒体供給先(例えばサイロ27)内に搬送する場合は、排出管25を単独で、又は図示例のように延長排出管26を繋いで粉粒体供給先まで延ばしておく。次いで、動力取出部PTOを動力取出状態に切換えて第1,第2油圧ポンプ41,42を駆動状態とした後、電源スイッチPWをオンした上で、排出用スイッチSW1及びブロワ用SW2を操作することでスクリュコンベアS、ロータリバルブR及びブロワBをそれぞれ起動させる。これにより、ブロワBからエア導入管23を通して混相器Mの円管部22にエアが噴出し、それと共にタンクT内の粉粒体がスクリュコンベアSでロータリバルブRに向けて搬出され、更にロータリバルブRで混相器Mの入口Miまで強制排出される。
【0054】
そして、ロータリバルブRから混相器M内に排出された粉粒体は、混相器Mの円管部22内でブロワBからのエアと合流して排出管25内に向かって流動し、このときエア圧で助勢されて排出管25及び延長排出管26の内部をスムーズに流動するため、粉粒体供給先まで効率よくスムーズに投入される。
【0055】
ところで実施形態の粉粒体運搬車Vは、前記したようにエア搬送装置Aを具備しており、このエア搬送装置Aにおいては、ブロワBから噴出するエアを排出管25に誘導するエア導入路20(より具体的にはエア導入管23及び混相器Mの円管部22よりなる管路)と、排出管25とで粉粒体搬送用のエア通路Apが構成されており、そのエア通路Apの途中にロータリバルブRの排出口Roが臨んでいる。そして、制御装置Cは、ブロワB、スクリュコンベア及びロータリバルブRの作動中、閉塞センサ50が粉粒体の目詰まり等に因る円管部22の内圧上昇でエア通路Apの閉塞を検知すると、コンベア用制御弁Vs及びバルブ用制御弁Vbを制御することにより、スクリュコンベアSの回転停止(又は低速化)とロータリバルブRの回転停止(又は低速化)とを同期して実行すると共に、報知手段40が閉塞状態であることを報知作動する。
【0056】
これにより、ブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動中、エア通路Ap内で閉塞が生じたときは、スクリュコンベアSの回転停止(又は低速化)と、ロータリバルブRの回転停止(又は低速化)とを同期して実行することで、エア通路Ap内の閉塞だけでなく、その閉塞領域がロータリバルブR、更にはスクリュコンベアSに拡がるのを未然に効果的に抑制することができる。
【0057】
また上記したような閉塞対応の制御例のバリエーションとして、制御装置Cは、ブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動中、閉塞センサ50がエア通路Apの閉塞を検知すると、スクリュコンベアSの回転停止(又は低速化)を、ロータリバルブRの回転停止(又は低速化)よりも所定の短い時間差(例えば1秒)だけ先行して実行する機能を発揮し得るように構成されてもよい。特にこのバリエーションの制御例を採用した場合には、閉塞センサ50が前記閉塞を検知すると、特に粉粒体の供給元であるスクリュコンベアSの回転停止(又は低速化)を、ロータリバルブRの回転停止(又は低速化)よりも所定の時間差だけ先行する形で同期的に実行するので、スクリュコンベアSとロータリバルブRとの間の領域の閉塞をより効果的に抑制可能である。
【0058】
而して、上記した何れかの制御例でスクリュコンベアSの回転停止(又は低速化)と、ロータリバルブRの回転停止(又は低速化)とを同期して実行している最中も、ブロワBからエア通路Ap内へエアが出続けており、前記閉塞が解消しなければ閉塞センサ50が検知信号を制御装置Cに送り続ける。
【0059】
このとき、もし前記閉塞が解消されて閉塞センサ50が閉塞を検知しなくなり、しかも排出用スイッチSW1が排出指令操作を継続中であれば、制御装置Cは、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動を自動的に再開させるべくコンベア用制御弁Vs及びバルブ用制御弁Vrを制御する。これにより、閉塞解消後の排出作業が自動化されて作業効率が向上し、また再開作業を特別に行う手間が省かれて作業性が良好である。
【0060】
また実施形態の粉粒体運搬車Vにおいては、スクリュコンベアSのコンベアハウジングHsとロータリバルブRのバルブハウジングHrとが、互いに独立して車体枠Fに別々に固定され、コンベアハウジングHsに設けた搬出口Soと、バルブハウジングHrに設けた投入口Riとが、上下方向に互いに間隔をおいて相対向するよう配置され、搬出口Soと投入口Riとの間が、その間に配置した可撓性の接続体Jを介して接続されていて、その接続体Jの内部空間を通して搬出口Soと投入口Riとの間が連通される。
【0061】
これにより、粉粒体運搬車Vの組立作業において、スクリュコンベアSを下部に連設したタンクTと、ロータリバルブRとを車体枠Fに別々に固定するに際し、両者に相対的な位置ずれが生じて、スクリュコンベアSの搬出口SoとロータリバルブRの投入口Riとの間に位置ずれが生じた場合でも、その間を接続体Jの撓み変形により容易且つ的確に接続でき、組立作業の効率が高められる。しかも、上記した搬出口Soと投入口Riとの対向間隙を広めに設定して、そこに可撓性の環続体Jを介装するだけの簡単な構造で上記効果が発揮されるため、コスト節減の効果も達成される。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0063】
例えば、前記実施形態では、エア搬送装置Aのエア通路Apの閉塞を閉塞センサ50が検知するのに応じてスクリュコンベアS及びロータリバルブRを同期して(即ち同時に、又は所定の短い時間差を以て)両方とも回転停止させる第1の制御例と、同期して両方とも低速化する第2の制御例とを示したが、そのバリエーションとして、例えば閉塞センサ50の閉塞検知に応じてスクリュコンベアS及びロータリバルブRのうちの何れか一方を回転停止させ、これと同期して何れか他方を低速化させるような第3の制御例も実施可能である。
【0064】
また前記実施形態では、エア通路Apの閉塞が解消した後の排出再開(即ちスクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動再開)が、閉塞センサ50の閉塞非検知に応じて自動的に行なわれるようにしたものを示したが、閉塞解消を報知手段40の報知内容から認識した作業員が、コントローラ又はリモコンのスイッチ操作で排出再開を手動で指令操作するようにしてもよい。
【0065】
また前記実施形態では、エア通路Apの閉塞を検知するための閉塞センサ50として、エア通路Ap(実施例では円管部22)のエア圧変化を検知するエア圧力センサを用いたものを例示したが、本発明では、上記エア圧力センサに代えて/又は加えて、バルブモータ10の作動油圧が上記閉塞に因り上昇するのを検知可能な第1の油圧センサ、及び/又はコンベアモータ4の作動油圧が上記閉塞に因り上昇するのを検知可能な第2の油圧センサ、及び又はブロワモータ31の作動油圧が上記閉塞に因り上昇するのを検知可能な第3の油圧センサを閉塞センサとして用いてもよい。
【0066】
例えば、エア通路Ap内が粉粒体の詰まり等で閉塞するとロータリバルブRのロータ10の回転負荷が増大して遂にはロータ10が回転しなくなり、バルブモータ11の作動油圧が過大となるため、この状況を第1の油圧センサで検知可能である。この場合、最終的にスクリュコンベアS及びロータリバルブR間にも粉粒体が詰まって閉塞すると、スクリュコンベアSのスクリュ羽根3の回転負荷が増大して遂にはスクリュ羽根3が回転しなくなり、コンベアモータ4の作動油圧が過大となるため、この状況を第2の油圧センサで検知可能である。また前記閉塞に伴うブロワBの負荷増大により、ブロワモータ31の作動油圧も増大するため、この状況を第3の油圧センサで検知可能である。
【0067】
また前記実施形態では、コンベアモータ4、バルブモータ10及びブロワモータ31を何れも油圧モータで構成したが、それらモータ4,10,31のうちの少なくとも1つのモータを電動モータに置換してもよい。この場合、電動モータに置換されたモータの負荷電流は、前記閉塞に因るモータ負荷の上昇に応じて増大するため、この負荷電流を検知可能な電流センサを、本発明の閉塞センサに利用して、前記閉塞を検知してもよい。
【0068】
更に閉塞センサとしては、前記した各種センサ(エア圧力センサ、油圧センサ、電流センサ)に代えて/又は加えて、排出管25内又は円管部22内における粉粒体の流動分布状況を検知可能な近接センサ、或いはエア通路Ap内のエア流速を検知可能な流速計を用いてもよい。この場合、閉塞センサとして近接センサを用いる場合は、例えば流動しない粉粒体を近接センサが一定時間、検知したら、制御装置Cはエア通路Ap内が閉塞したと判断する。また閉塞センサとして流速計を用いる場合は、エア通路Ap内のエア流速が所定値以下に低下したことを流速計が検知したら、制御装置Cはエア通路Ap内が閉塞したと判断する。
【0069】
ところで以上説明した各実施形態では、閉塞センサ50がエア通路Apの「閉塞」を直接又は間接的に検知するセンサを示したが、本発明の別の実施形態(図示せず)として、閉塞センサは、エア通路Ap内の「閉塞の予兆」を直接又は間接的に検知するセンサであってもよい。ここで「閉塞の予兆」とは、厳密に言えば、エア通路が未だ閉塞状態にはないが、このまま粉粒体の排出作業を継続すれば早晩、閉塞状態となってしまう兆しがある状態をいう。
【0070】
例えば、閉塞センサが前記エア圧力センサ又は前記油圧センサである場合には、それらセンサの検知対象圧力が、「閉塞」の判断基準となる所定限界圧よりも所定の割合(例えば10%、20%等)だけ低い予兆判断基準圧力まで上昇したときに、これを検知した閉塞センサの検知信号に基づいて制御装置Cが「閉塞の予兆」と判断して、前記各実施形態の閉塞判断時と同様、スクリュコンベアSの回転停止又は低速化と、ロータリバルブRの回転停止又は低速化とを同期して実行する。
【0071】
また閉塞センサが前記電流センサである場合には、これが検知する負荷電流が、「閉塞」の判断基準となる所定限界電流値よりも所定の割合(例えば10%、20%等)だけ低い予兆判断基準電流まで上昇したときに、これを検知した電流センサの検知信号に基づいて制御装置Cが「閉塞の予兆」と判断して、前記各実施形態の閉塞判断時と同様、スクリュコンベアSの回転停止又は低速化と、ロータリバルブRの回転停止又は低速化とを同期して実行する。更に閉塞センサが前記流速計である場合には、「閉塞」の判断基準となる所定限界流速値よりも所定割合(例えば10%、20%等)だけ低い予兆判断基準流速まで上昇したときに、これを検知した流速計の検知信号に基づき制御装置Cが「閉塞の予兆」と判断して、前記各実施形態の閉塞判断時と同様、スクリュコンベアSの回転停止又は低速化と、ロータリバルブRの回転停止又は低速化とを同期して実行する。
【0072】
また前記実施形態では、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動・作動解除を指令する排出用スイッチSW1と、ブロワBの作動・作動解除を指令するブロワ用スイッチSW2とを別々に設けたものを示したが、このスイッチ構成に代えて、ブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動を単一の排出スイッチで指令し、またブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動解除を単一の排出停止スイッチで指令するようにしてもよい。この場合、上記単一の排出スイッチがオン操作されるのに応じて、先ずブロワBを作動させ、所定時間の経過後(例えば数秒)にスクリュコンベアS及びロータリバルブRを同時作動させるように制御装置Cを構成すれば、ブロワBの先行作動によりエア通路Apにエアの流れが生じた状態で、粉粒体をロータリバルブRからエア通路Ap内のエアに合流させることができ、閉塞が効果的に抑制可能となる。
【0073】
一方、ブロワB、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの作動中、上記単一の排出停止スイッチがオン操作されるのに応じて、先ずスクリュコンベアS及びロータリバルブRを同時に作動停止させ、所定時間の経過後(例えば数秒)にブロワBを作動停止させるように制御装置Cを構成すれば、スクリュコンベアS及びロータリバルブRの先行停止により、排出管25に残る粉粒体をエア圧で排出した後で、ブロワBが停止する。これにより、排出管25内の粉粒体残留が効果的に抑制可能となる。
【0074】
また前記実施形態では、ロータリバルブRの排出口Roを、混相器Mにおける混相器本体21内を通して円管部22周壁に開口22oさせたものを示したが、排出口Roを混相器Mの円管部21周壁に直接開口させてもよい。
【0075】
また前記実施形態では、タンク本体1の一部(下半部の底壁彎曲部1r)がスクリュコンベアSのコンベアハウジングHsを兼ねるものを示したが、本発明では、コンベアハウジングHsをタンク本体1から別個独立した部品として製作し、これを後付けでタンク本体1下部に結合してもよい。
【0076】
また前記実施形態では、コンベアハウジングHsをタンク本体1の下部の前後方向略全域に配設したものを示したが、本発明では、コンベアハウジングHsを、タンク下部の前後方向一部領域(例えば前部領域)には設けないで後部領域にだけ、或いは後部領域とその後方延長領域に配置してもよい。
【0077】
また前記実施形態では、スクリュコンベアSの搬出口SoとロータリバルブRの投入口Riとの間を、可撓性(例えば布製、ゴム製等)の接続体Jを介して接続したものを示したが、本発明では、上記間を接続体Jを介さずに直接接続してもよい。
【0078】
また前記実施形態では、上記接続体Jを角筒状に形成したが、円筒状に形成してもよい。また、前記実施形態では、上記接続体Jの開放端部を結合する外向きフランジ6af,Hrf1及びリテーナ14,15をそれぞれ矩形状に形成したものを示したが、それら外向きフランジ6af,Hrf1及びリテーナ14,15を円形状又は長円形状に形成してもよい。
【0079】
また前記実施形態では、可撓性の接続体Jとして、布材Jを主体した筒状体としたものを示したが、ゴム製又は金属製の筒状体を用いてもよい。特に金属製筒状体とする場合は、胴部を伸縮変形可能な蛇腹状(例えばアコーディオンの胴部状)に構成することで可撓性が発揮される。
【0080】
或いはまた可撓性の接続体の別の実施形態として、例えばコンベアハウジングHrの搬出口So周囲の外向きフランジ6afと、ロータリバルブRの投入口Ri周囲の外向きフランジHrf1との相対向面間に、その対向間隔よりも軸方向幅が長く且つ弾性変形可能な環状シール部材(例えば軸方向に厚みのあるシールパッキン、Oリング等)を挟圧状態で保持し、その環状シール部材を接続体として利用してもよい。
【0081】
また前記実施形態では、タンクTの車体への固定構造として、車体枠F上にタンクTを直接搭載、結合したものを示したが、車体枠F上に他の機能部品(例えば積載量計量用のロードセル)を介してタンクTを固定、支持させるようにしてもよい。特にロードセルを車体枠FとタンクT間に介設した場合には、その介設に伴い、スクリュコンベアSの搬出口SoとバルブハウジングHrの投入口Riとの位置ずれが生じ易くなり、可撓性接続体Jの特設に基づく実施形態の前記効果がより有効に達成可能となる。
【符号の説明】
【0082】
A・・・・・エア搬送装置
Ap・・・・エア通路
B・・・・・ブロワ
C・・・・・制御装置
F・・・・・車体としての車体枠
R・・・・・ロータリバルブ
Ro・・・・排出口
S・・・・・スクリュコンベア
T・・・・・タンク
20・・・・エア導入路
25・・・・排出管
50・・・・閉塞センサ