(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061013
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】ラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるデュプレクサおよびモジュール
(51)【国際特許分類】
H03H 9/64 20060101AFI20240425BHJP
H03H 9/72 20060101ALI20240425BHJP
H03H 9/25 20060101ALI20240425BHJP
H03H 9/17 20060101ALI20240425BHJP
H03H 9/54 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
H03H9/64 Z
H03H9/72
H03H9/25 C
H03H9/25 A
H03H9/17 F
H03H9/54 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168654
(22)【出願日】2022-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100171077
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健
(72)【発明者】
【氏名】海老原 均
(72)【発明者】
【氏名】塩井 伸一
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097AA17
5J097AA26
5J097AA29
5J097BB02
5J097BB11
5J097BB15
5J097DD21
5J097EE08
5J097EE09
5J097FF04
5J097GG03
5J097GG04
5J097HA04
5J097JJ06
5J097JJ09
5J097KK10
5J097LL01
5J108AA07
5J108BB08
5J108DD01
5J108EE04
5J108JJ02
5J108JJ04
(57)【要約】
【課題】より少ない素子を用いた簡素な構成で、耐電力の問題が生じず、かつ、小型化を維持したままフロアレベルを低く保つことができるラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるモジュールを提供する。
【解決手段】複数の直列腕と複数の並列腕を備え、
前記並列腕の一つは、前記複数の直列腕のうち2つの直列腕共振器の間に並列に配置され、共振特性を有しない並列腕を含むラダー型フィルタ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の直列腕と複数の並列腕を備え、
前記並列腕の一つは、前記複数の直列腕のうち2つの直列腕共振器の間に並列に配置され、共振特性を有しない並列腕を含むラダー型フィルタ。
【請求項2】
前記共振特性を有しない並列腕と並列に接続された前記直列腕共振器の一つは、前記複数の直列腕のうち共振周波数が最も高い請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項3】
前記共振特性を有しない並列腕と並列に接続された前記直列腕共振器の一つは、前記複数の直列腕のうち最初に電気信号が印加される請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項4】
前記共振特性を有しない並列腕と並列に接続された前記直列腕共振器の一つは、インダクタンス素子と直列に接続されている請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項5】
前記共振特性を有しない並列腕以外の前記複数の直列腕と前記複数の並列腕は、それぞれIDT電極を含む請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項6】
前記共振特性を有しない並列腕は、キャパシタである請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項7】
前記共振特性を有しない並列腕は、IDC電極を含む請求項1に記載のラダー型フィルタ。
【請求項8】
前記複数の直列腕と前記複数の並列腕は、圧電基板上に形成されており、前記圧電基板は、ニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムの単結晶からなる基板である請求項1から7のいずれか一項に記載のラダー型フィルタ。
【請求項9】
前記圧電基板の前記複数の直列腕と前記複数の並列腕が形成された主面とは反対の主面に支持基板を備え、前記支持基板は、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスからなる基板である請求項8に記載のラダー型フィルタ。
【請求項10】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のラダー型フィルタを含むデュプレクサ。
【請求項11】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のラダー型フィルタを含むモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるデュプレクサおよびモジュールに関連する。
【背景技術】
【0002】
近年の技術的進歩により、移動体通信端末に代表されるスマートフォンなどは、目覚ましく小型化、軽量化されている。このような移動通信端末に用いられるラダー型フィルタは、小型化が要請されている。また、移動体通信システムとして、同時送受信する通信システムが急増しデュプレクサの需要が急増している。
【0003】
移動通信システムの変化に伴い、ラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるデュプレクサおよびモジュールの要求仕様がより厳しくなってきている。すなわち、従来に比してより小型化されたラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるデュプレクサおよびモジュールが必要となっている。しかし、ラダー型フィルタを小型化すると、SAW共振器を小型化せざるを得ず、耐電力が低下する。
【0004】
SAW共振器の電極は印加電圧及び周波数に応じて内部応力を繰り返し受けることになるが、応力によって電極を構成する金属原子が粒界に沿って拡散移動し易く、突起生成による短絡や空隙生成による断線を引き起こして、特性が著しく劣化してしまう問題がある。この現象は一般的にストレスマイグレーションと呼ばれている。したがって、ラダー型フィルタの耐電力を低下させることなく、ラダー型フィルタを小型化させる必要がある。
【0005】
特許文献1には、耐電力性を向上させるため、SAW共振器を直列に分割する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、より少ない素子を用いた簡素な構成で、耐電力の問題が生じず、かつ、小型化を維持したままフロアレベルを低く保つことができない。ラダー型フィルタは、フロアレベルを低く保つため、ラダーの段数を増やす必要がある。段数を増やすことは、大型化を伴う。また、増加した段数の並列共振器の耐電力を確保するために、直列分割をすることがあるが、これは、さらなる大型化を伴う。
【0008】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、より少ない素子を用いた簡素な構成で、耐電力の問題が生じず、かつ、小型化を維持したままフロアレベルを低く保つことができるラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示にかかるラダー型フィルタは、
複数の直列腕と複数の並列腕を備え、
前記並列腕の一つは、前記複数の直列腕のうち2つの直列腕共振器の間に並列に配置され、共振特性を有しない並列腕を含むラダー型フィルタである。
【0010】
前記共振特性を有しない並列腕と並列に接続された前記直列腕共振器の一つは、前記複数の直列腕のうち共振周波数が最も高いことが、本開示の一形態とされる。
【0011】
前記共振特性を有しない並列腕と並列に接続された前記直列腕共振器の一つは、前記複数の直列腕のうち最初に電気信号が印加されることが、本開示の一形態とされる。
【0012】
前記共振特性を有しない並列腕と並列に接続された前記直列腕共振器の一つは、インダクタンス素子と直列に接続されていることが、本開示の一形態とされる。
【0013】
前記共振特性を有しない並列腕以外の前記複数の直列腕と前記複数の並列腕は、それぞれIDT電極を含むことが、本開示の一形態とされる。
【0014】
前記共振特性を有しない並列腕は、キャパシタであることが、本開示の一形態とされる。
【0015】
前記共振特性を有しない並列腕は、IDC電極を含むことが、本開示の一形態とされる。
【0016】
前記複数の直列腕と前記複数の並列腕は、圧電基板上に形成されており、前記圧電基板は、ニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウムの単結晶からなる基板であることが、本開示の一形態とされる。
【0017】
前記圧電基板の前記複数の直列腕と前記複数の並列腕が形成された主面とは反対の主面に支持基板を備え、前記支持基板は、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスからなる基板であることが、本開示の一形態とされる。
【0018】
前記ラダー型フィルタを含むデュプレクサであることが、本開示の一形態とされる。
【0019】
前記ラダー型フィルタを含むモジュールであることが、本開示の一形態とされる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、より少ない素子を用いた簡素な構成で、耐電力の問題が生じず、かつ、小型化を維持したままフロアレベルを低く保つことができるラダー型フィルタおよびそのラダー型フィルタを備えるモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、実施の形態1におけるラダー型フィルタ1の概略図である。
【
図2】
図2は、ラダー型フィルタ1の一例として、弾性表面波フィルタに用いられる弾性表面波共振器を示す図である。
【
図3】
図3は、ラダー型フィルタ1の一例として、弾性波フィルタに用いられる圧電薄膜共振器を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態2におけるラダー型フィルタ2の概略図である。
【
図5】
図5は、実施の形態3におけるデュプレクサの縦断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態1のラダー型フィルタが適用されるモジュールの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。各図中、同一または対応する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は簡略化又は省略されることがある。
【0023】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるラダー型フィルタ1の概略図である。
図1に示すように、ラダー型フィルタ1は、複数の直列腕S1~S5、および、複数の並列腕P1~4を含んでいる。また、入力端子Tinおよび出力端子Toutを備える。
【0024】
複数の直列腕S1~S5は、共振特性を有する共振器である。複数の並列腕P1~P4は、いずれも、一端は複数の直列腕同士を電気的に接続する配線に並列に接続されている。また、他端は、グランドGNDに接地されている。
【0025】
並列腕P1は、共振特性を持たない。並列腕P1は、例えば、キャパシタである。並列腕P1は、例えば、Interdigital Capacitor(IDC)を含むキャパシタとすることができる。並列腕P1のキャパシタンスは、例えば、1pFである。並列腕P2~4は、共振特性をもつ共振器である。
【0026】
並列腕P1に並列に接続された直列腕S1または直列腕S2は、直列腕のうち共振周波数が最も高い直列共振器とすることができる。 また、並列腕P1に並列に接続された直列腕S1は、直列腕のうち最初に電気信号が印加される直列共振器である。
【0027】
実施の形態1におけるラダー型フィルタ1は、例えば、直列始まりのラダー型フィルタであるとすることができる。直列始まりのラダー型フィルタとすることで、ラダー型フィルタの段数を増やさずに、耐電力を確保しつつ、フロアレベルを低く保つことができる。並列始まりのラダー型フィルタとすると、直列腕で最初に電流が印加される直列共振器には大電流が印加されるため、必要最低限の段数を確保した上で、これに加えて共振特性を持たない並列腕P1を配置することになるため、大型化を伴うことになる。
【0028】
入力端子Tinは、例えば、ラダー型フィルタ1が搭載された通信機器の送信信号の入力を受ける。ラダー型フィルタ1は、送信信号のうち、所望の周波数帯域の電気信号のみを通過させる。出力端子Toutは、例えば、ラダー型フィルタ1が搭載された通信機器のアンテナ端子に接続されている。
【0029】
図2は、ラダー型フィルタ1の一例として、弾性表面波フィルタに用いられる弾性表面波共振器を示す図である。この弾性表面波共振器は、圧電基板50上にInterdigital Transducer(IDT)51と、一対の反射器52とを備えるものである。IDT51は、対向配置された1対の櫛型電極51aを有する。
【0030】
一例によれば、櫛型電極51aは、複数の電極指51bと、複数の電極指51bを接続するバスバー51cと、を備える。反射器52は、IDT51をはさむようにIDT51の両側に設けられている。IDT51は弾性表面波を励振する。
【0031】
圧電基板50は、一例によれば、タンタル酸リチウム基板またはニオブ酸リチウム基板である。IDT51および反射器52は、一例によれば、アルミニウム膜または銅膜により形成される。
【0032】
圧電基板50は、一例によれば、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板またはシリコン基板等の支持基板と接合されていてもよい。なお、IDT50および反射器52を覆う保護膜または温度補償膜が設けられていてもよい。
【0033】
図3は、ラダー型フィルタ1の一例として、弾性波フィルタに用いられる圧電薄膜共振器を示す図である。この圧電薄膜共振器は、基板55上に圧電膜57を備える。この圧電膜57を挟むように、下部電極56と上部電極58が設けられている。下部電極56と基板55との間に空隙59が形成されている。そして、下部電極56および上部電極58は圧電膜57内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。
【0034】
下部電極56および上部電極58は、一例によれば、ルテニウム膜等の金属膜である。圧電膜57は、一例によれば、窒化アルミニウム膜である。基板55は、一例によれば、シリコン基板、サファイア基板、アルミナ基板、スピネル基板またはガラス基板である。別の例によれば、弾性波共振器として、
図2、
図3に示された構成とは異なる構成を採用し得る。
【0035】
ラダー型フィルタのフロアレベルを低くするため、ラダーの段数を追加し、かつ、耐電力を確保するため、追加にかかる並列腕を直列分割すると、並列腕のサイズが大きくなり、ラダー型フィルタの小型化が阻害される。
【0036】
実施の形態1のラダー型フィルタ1によれば、並列腕P1が共振特性を持たないキャパシタに置き換えられることで、共振による変位が生じないため、耐電力の問題が生じず、かつ、並列腕P1を分割する必要がなく、ラダー型フィルタの小型化を維持したまま、フロアレベルを低く保つことができる。
【0037】
これは、バンドパスフィルタの通過帯域では、共振器はキャパシタと等価となり、キャパシタだけで構成されたラダー回路であるから、並列腕が共振特性を持たないキャパシタに置き換えられたとしても、フロアレベルを低くする効果は保つことができるためである。
【0038】
実施の形態2.
図4は、実施の形態2におけるラダー型フィルタ2の概略図である。
図4に示す通り、ラダー型フィルタ2は、直列腕S1に直列に接続されたインダクタLを含んでいる。
【0039】
インダクタLは、例えば、マイクロストリップラインにより形成することができる。インダクタLのインダクタンスは、例えば、0.7nHである。
【0040】
インダクタLが直列に接続されたラダー型フィルタ2の直列腕S1の共振周波数は、直列腕のうち最も高い共振周波数または2番目に高い共振周波数とすることができる。これにより、ラダー型フィルタ2の通過帯域から離れた帯域の減衰が向上する。
【0041】
これにより、例えば、ラダー型フィルタ2とともにデュプレクサを構成する受信フィルタの帯域における減衰が向上し、アイソレーション特性が改善される。
【0042】
また、インダクタLと並列腕P1のキャパシタンスとを組み合わせることにより、電流が大きくなることを防ぐことができる。その他の構成は、実施の形態1におけるラダー型フィルタ1と同様である。
【0043】
実施の形態3.
図5は、実施の形態3におけるデュプレクサの縦断面図である。
【0044】
図5に示すように、デュプレクサ20は、配線基板23、外部接続端子24、デバイスチップ25、電極パッド26、バンプ27および封止部28を備える。
【0045】
例えば、配線基板23は、樹脂からなる多層基板である。例えば、配線基板23は、複数の誘電体層からなる低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics:LTCC)多層基板である。
【0046】
外部接続端子24は、配線基板23の下面に複数形成される。
【0047】
電極パッド26は、配線基板23の主面に複数形成される。例えば、電極パッド26は、銅または銅を含む合金で形成される。例えば、電極パッド26の厚みは、10μmから20μmである。
【0048】
バンプ27は、電極パッド26のそれぞれの上面に形成される。例えば、バンプ27は、金バンプである。例えば、バンプ27の高さは、10μmから50μmである。
【0049】
配線基板23とデバイスチップ25の間は、空隙29が形成されている。
【0050】
デバイスチップ25は、バンプ27を介して、配線基板23にフリップチップボンディングにより実装される。デバイスチップ25は、複数のバンプ27を介して複数の電極パッド26と電気的に接続される。
【0051】
デバイスチップ25は、例えば、圧電材料で形成された圧電基板を備えている。圧電基板は、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムまたは水晶などの圧電単結晶で形成された基板である。
【0052】
圧電基板の厚みは、例えば、0.3μmから5μmとすることができる。別の例によれば、圧電基板は、圧電セラミックスで形成された基板である。
【0053】
さらに別の例によれば、デバイスチップ25は、圧電基板と支持基板とが接合された基板である。支持基板は、例えば、サファイア、シリコン、アルミナ、スピネル、水晶またはガラスで形成された基板である。
【0054】
圧電基板上に、例えば、複数の弾性波素子52が形成される。例えば、デバイスチップ25の主面において、送信用フィルタおよび/または受信用フィルタとして実施の形態1にかかるラダー型フィルタ1または実施の形態2にかかるラダー型フィルタ2が形成される。
【0055】
送信用フィルタは、所望の周波数帯域の電気信号が通過し得るように形成される。例えば、送信用フィルタは、複数の直列共振器と複数の並列共振器からなるラダー型フィルタである。
【0056】
受信用フィルタは、所望の周波数帯域の電気信号が通過し得るように形成される。例えば、受信用フィルタは、ラダー型フィルタである。
【0057】
封止部28は、デバイスチップ25を覆うように形成される。例えば、封止部28は、合成樹脂等の絶縁体により形成される。例えば、封止部28は、金属で形成される。
【0058】
封止部28が合成樹脂で形成される場合、当該合成樹脂は、エポキシ樹脂、ポリイミドなどである。好ましくは、封止部28は、エポキシ樹脂を用い、低温硬化プロセスを用いてエポキシ樹脂で形成される。
【0059】
実施の形態3のデュプレクサによれば、より少ない素子を用いた簡素な構成で、耐電力の問題が生じず、かつ、小型化を維持したままフロアレベルを低く保つことができるラダー型を含むデュプレクサを提供することができる。
【0060】
実施の形態4.
図6は、実施の形態1のラダー型フィルタが適用されるモジュールの縦断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0061】
図6において、モジュール100は、配線基板130と複数の外部接続端子131と集積回路部品ICとラダー型フィルタ1とインダクタ111と封止部117とを備える。また、図示しないが、モジュール100は、実施の形態2にかかるラダー型フィルタ2または実施の形態3にかかるデュプレクサ20を含んでもよい。
【0062】
複数の外部接続端子131は、配線基板130の下面に形成される。複数の外部接続端子131は、予め設定された移動通信端末のマザーボードに実装される。
【0063】
例えば、集積回路部品ICは、配線基板130の内部に実装される。集積回路部品ICは、スイッチング回路とローノイズアンプとを含む。
【0064】
ラダー型フィルタ1は、配線基板130の主面に実装される。
【0065】
インダクタ111は、配線基板130の主面に実装される。インダクタ111は、インピーダンスマッチングのために実装される。例えば、インダクタ111は、Integrated Passive Device(IPD)である。
【0066】
封止部117は、ラダー型フィルタ1を含む複数の電子部品を封止する。
【0067】
以上で説明された実施の形態4によれば、より少ない素子を用いた簡素な構成で、耐電力の問題が生じず、かつ、小型化を維持したままフロアレベルを低く保つことができるラダー型を含むモジュールを提供することができる。
【0068】
少なくとも一つの実施形態のいくつかの側面が説明されたが、様々な改変、修正および改善が当業者にとって容易に想起されることを理解されたい。かかる改変、修正および改善は、本開示の一部となることが意図され、かつ、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0069】
理解するべきことだが、ここで述べられた方法および装置の実施形態は、上記説明に記載され又は添付図面に例示された構成要素の構造および配列の詳細への適用に限られない。方法および装置は、他の実施形態で実装し、様々な態様で実施又は実行することができる。
【0070】
特定の実装例は、例示のみを目的としてここに与えられ、限定されることを意図しない。また、たとえば、モジュールに搭載された部品の個数は図示された個数に限定されない。
【0071】
本開示で使用される表現および用語は、説明目的であって、限定としてみなすべきではない。ここでの「含む」、「備える」、「有する」、「包含する」およびこれらの変形の使用は、以降に列挙される項目およびその均等物並びに付加項目の包括を意味する。
【0072】
「又は(若しくは)」の言及は、「又は(若しくは)」を使用して記載される任意の用語が、当該記載の用語の一つの、一つを超える、およびすべてのものを示すように解釈され得る。
【0073】
前後左右、頂底上下、横縦、表裏への言及は、いずれも、記載の便宜を意図する。当該言及は、本開示の構成要素がいずれか一つの位置的又は空間的配向に限られるものではない。したがって、上記説明および図面は、例示にすぎない。
【符号の説明】
【0074】
1 2 ラダー型フィルタ
Tin 入力端子
Tout 出力端子
S1~S5 直列腕
P1~P4 並列腕
50 圧電基板、 51 IDT、 51a 櫛型電極、 51b 電極指
51c バスバー、 52 反射器
L インダクタ
20 デュプレクサ、 23 配線基板、 24 外部接続端子
25 デバイスチップ、 26 電極パッド、 27 バンプ 28 封止部
100 モジュール
130 配線基板、 131 外部接続端子
IC 集積回路部品、 111 インダクタ、 117 封止部