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特開2024-6105バンパリテーナ及び車両用部品の取付構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024006105
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】バンパリテーナ及び車両用部品の取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/24 20060101AFI20240110BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B60R19/24 M
B60R19/48 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106681
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷亀 尚史
(72)【発明者】
【氏名】末廣 仁嗣
(57)【要約】
【課題】車体にバンパを取り付けるためのバンパリテーナにおいて、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部が一体の場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】バンパリテーナは、車体にバンパを取り付けるための樹脂製のリテーナ本体と、前記リテーナ本体の厚み方向の一方側に設けられ、前記リテーナ本体と一体又は別体であり、センサを取付可能なセンサ取付部と、前記リテーナ本体から前記厚み方向と直交する方向に突出すると共に該突出する方向と反対側から見て前記センサ取付部を通り前記厚み方向に延びる直線上に位置し、前記センサ取付部と別体であり、外装部品と接続可能である接続部と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体にバンパを取り付けるための樹脂製のリテーナ本体と、
前記リテーナ本体の厚み方向の一方側に設けられ、前記リテーナ本体と一体又は別体であり、センサを取付可能なセンサ取付部と、
前記リテーナ本体から前記厚み方向と直交する方向に突出すると共に該突出する方向と反対側から見て前記センサ取付部を通り前記厚み方向に延びる直線上に位置し、前記センサ取付部と別体であり、外装部品と接続可能である接続部と、
を有するバンパリテーナ。
【請求項2】
前記接続部は、前記リテーナ本体と別体であって、前記リテーナ本体と前記外装部品を接続する接続部材によって構成され、
前記接続部材は、前記外装部品が備える被係止部に係止する係止部と、前記リテーナ本体が備える被係合部に係合する係合部と、を備える、請求項1に記載のバンパリテーナ。
【請求項3】
前記リテーナ本体に設けられ、前記接続部材が挿入される開口部と、
前記開口部に挿入された状態で前記接続部材の回転を阻止する阻止機構と、
を有する、請求項2に記載のバンパリテーナ。
【請求項4】
前記阻止機構は、
前記開口部の内周面に周方向に間隔をあけて設けられ、該開口部の一端部から他端部へ向けて前記接続部材の挿入方向に沿って延びる第一リブと、
前記接続部材において前記開口部に挿入される挿入部の外周面に周方向に間隔をあけて設けられ、前記挿入方向と反対側の部分で前記挿入方向に沿って延びる第二リブと、
を備え、
前記開口部に前記挿入部を挿入した状態では、前記第一リブが前記挿入部の外周面に接し、前記第二リブが前記開口部の内周面に接している、請求項3に記載のバンパリテーナ。
【請求項5】
前記センサ取付部は、前記リテーナ本体と別体であって、前記センサを前記リテーナ本体に取り付けるセンサ取付部材によって構成され、
前記センサ取付部材は、前記センサが備える被係止部に係止する係止部と、前記リテーナ本体が備える被係合部に係合する係合部と、を備える、請求項1に記載のバンパリテーナ。
【請求項6】
前記接続部の突出方向と反対側から見て、前記センサを前記センサ取付部に取り付ける方向と、前記外装部品を前記接続部に接続する方向とが異なる、請求項1に記載のバンパリテーナ。
【請求項7】
前記バンパは、リヤバンパであり、
前記センサは、前記車体に対して後側方から接近する対象物を検知するレーダセンサであり、
前記外装部品は、リヤランプである、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のバンパリテーナ。
【請求項8】
車体と、
前記車体に取り付けられたバンパリテーナと、
前記バンパリテーナに取り付けられたバンパと、
前記バンパリテーナに取り付けられたセンサと、
前記車体に取り付けられ、前記バンパリテーナに接続された外装部品と、
を有し、
前記バンパリテーナは、
前記車体に前記バンパを取り付けるための樹脂製のリテーナ本体と、
前記リテーナ本体の厚み方向で前記車体側と反対側に設けられ、前記リテーナ本体と一体又は別体であり、前記センサが取り付けられたセンサ取付部と、
前記リテーナ本体から前記厚み方向と直交する方向に突出すると共に該突出する方向と反対側から見て前記センサ取付部を通り前記厚み方向に延びる直線上に位置し、前記センサ取付部と別体であり、前記外装部品が接続された接続部と、を備える
車両用部品の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バンパリテーナ及び車両用部品の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車体のリヤフェンダにリヤバンパを取り付ける樹脂製のバンパリテーナが開示されている。バンパリテーナの上方にはリヤランプが配置されており、バンパリテーナに一体成形された係合フックがリヤランプのフック受け部に係合している。
【0003】
特許文献2には、車体にバンパを取り付けるためのバンパリテーナが開示されている。このバンパリテーナには、車載用レーダが設置されるレーダ設置部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4285434号公報
【特許文献2】特許第6254183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外装部品としてのリヤランプに接続されるバンパリテーナに、レーダ設置部としてのセンサ取付部を設ける技術について検討されている。しかしながら、バンパリテーナにセンサ取付部を一体成形する場合、型抜き方向の関係で外装部品に接続される接続部の位置を変更する必要が生じる。型抜きを考慮して接続部の位置を変更する場合、バンパリテーナが大型化する虞がある。
【0006】
本開示の一態様は、車体にバンパを取り付けるためのバンパリテーナにおいて、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部が一体の場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1態様のバンパリテーナは、車体にバンパを取り付けるための樹脂製のリテーナ本体と、前記リテーナ本体の厚み方向の一方側に設けられ、前記リテーナ本体と一体又は別体であり、センサを取付可能なセンサ取付部と、前記リテーナ本体から前記厚み方向と直交する方向に突出すると共に該突出する方向と反対側から見て前記センサ取付部を通り前記厚み方向に延びる直線上に位置し、前記センサ取付部と別体であり、外装部品と接続可能である接続部と、を有する。
なお、リテーナ本体の厚み方向は、リテーナ本体を成形する一対の金型の型開き及び型閉じ(型抜き)方向と同じ方向である。
【0008】
リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体成形する場合、接続部を成形するスライダと上記金型が互いに干渉するため、リテーナ本体を接続部の突出方向と反対側から見て、センサ取付部を通りリテーナ本体の厚み方向に延びる直線上に、接続部を配置することができない。金型とスライダが互いに干渉するのを避けるため、上記直線上からずれた位置に接続部を配置することが考えられるが、この場合にはリテーナ本体が大型化する虞がある。また、接続部の位置を変えた場合、接続部が接続される外装部品の被接続部分の位置変更が生じる可能性がある。一方、接続部の位置を変更せずに、センサ取付部の位置を変えることも考えられるが、センサ取付部の位置は車体に対するセンサの取付位置に関係するため、位置変更は難しい。
【0009】
このため、第1態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体とセンサ取付部を一体とする場合に、接続部をセンサ取付部と別体とする。すなわち、接続部をリテーナ本体と別体とする。このように接続部をリテーナ本体及びセンサ取付部と別体とする場合、リテーナ本体に接続部を後付けすることで、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。また、接続部を単体で成形できるため、接続部の形状自由度が高くなる。
【0010】
また、第1態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体とセンサ取付部を別体とする場合、リテーナ本体と接続部を一体としつつ、所定の位置に接続部を設定することができる。このようにセンサ取付部をリテーナ本体と別体とする場合、リテーナ本体にセンサ取付部を後付けすることで、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。また、センサ取付部を単体で成形できるため、センサ取付部の形状自由度が高くなる。
【0011】
さらに、第1態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部をそれぞれ別体とする場合、リテーナ本体に接続部及びセンサ取付部を後付けすることで、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。また、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を単体で成形できるため、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部の形状自由度が高くなる。
【0012】
以上のように、第1態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。このようにバンパリテーナの大型化が抑制されることで、車体とバンパとの間のスペースを有効活用可能となる。
【0013】
本開示の第2態様のバンパリテーナは、第1態様のバンパリテーナにおいて、前記接続部は、前記リテーナ本体と別体であって、前記リテーナ本体と前記外装部品を接続する接続部材によって構成され、前記接続部材は、前記外装部品が備える被係止部に係止する係止部と、前記リテーナ本体が備える被係合部に係合する係合部と、を備える。
【0014】
第2態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体と別体である接続部材の係合部をリテーナ本体の被係合部に係合させることで、接続部材がリテーナ本体に取り付けられる。また、この接続部材の係止部を外装部品の被係止部に係止させることで、接続部材と外装部品とが接続される。ここで上記バンパリテーナでは、接続部材がリテーナ本体及びセンサ取付部と別体であることから、接続部材に係止部及び係合部を成形しやすい。
【0015】
本開示の第3態様のバンパリテーナは、第2態様のバンパリテーナにおいて、前記リテーナ本体に設けられ、前記接続部材が挿入される開口部と、前記開口部に挿入された状態で前記接続部材の回転を阻止する阻止機構と、を有する。
【0016】
第3態様のバンパリテーナでは、阻止機構によりリテーナ本体の開口部に接続部材が挿入された状態で開口部に対する接続部材の回転が阻止される。これによりリテーナ本体の開口部に接続部材を挿入した状態における接続部材の回転にともなうガタ付きが防止される。
【0017】
本開示の第4態様のバンパリテーナは、第3態様のバンパリテーナにおいて、前記阻止機構は、前記開口部の内周面に周方向に間隔をあけて設けられ、該開口部の一端部から他端部へ向けて前記接続部材の挿入方向に沿って延びる第一リブと、前記接続部材において前記開口部に挿入される挿入部の外周面に周方向に間隔をあけて設けられ、前記挿入方向と反対側の部分で前記挿入方向に沿って延びる第二リブと、を備え、前記開口部に前記挿入部を挿入した状態では、前記第一リブが前記挿入部の外周面に接し、前記第二リブが前記開口部の内周面に接している。
【0018】
第4態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体の開口部に接続部材の挿入部を挿入する際に、まず、複数の第一リブが挿入部の外周面に接する。その状態で挿入部を開口部に更に挿入すると、挿入部の第二リブが開口部の内周面に接し、接続部材の開口部に対する回転が阻止される。ここで、上記バンパリテーナでは、接続部材を開口部に挿入し、開口部の内周面に第二リブが接するまでの間、第一リブによって接続部材が開口部内を挿入方向へ案内される。この状態では、接続部材の第二リブが開口部の内周面に接していないため接続部材を開口部へ挿入する挿入力を低く抑えられる。すなわち、バンパリテーナでは、接続部材を開口部へ挿入するときの、挿入始めの挿入力を低く抑えることができ、挿入後には接続部材が開口部に対して回転するのを効果的に抑えることができる。
【0019】
本開示の第5態様のバンパリテーナは、第1態様のバンパリテーナにおいて、前記センサ取付部は、前記リテーナ本体と別体であって、前記センサを前記リテーナ本体に取り付けるセンサ取付部材によって構成され、前記センサ取付部材は、前記センサが備える被係止部に係止する係止部と、前記リテーナ本体が備える被係合部に係合する係合部と、を備える。
【0020】
第5態様のバンパリテーナでは、リテーナ本体と別体であるセンサ取付部材の係合部をリテーナ本体の被係合部に係合させることで、センサ取付部材がリテーナ本体に取り付けられる。また、このセンサ取付部材の係止部をセンサの被係止部に係止させることで、センサ取付部材にセンサが取り付けられる。ここで上記バンパリテーナでは、センサ取付部材がリテーナ本体及び接続部と別体であることから、センサ取付部材に係止部及び係合部を成形しやすい。
【0021】
本開示の第6態様のバンパリテーナは、第1態様~第5態様のいずれか一態様のバンパリテーナにおいて、前記接続部の突出方向と反対側から見て、前記センサを前記センサ取付部に取り付ける方向と、前記外装部品を前記接続部に接続する方向とが異なる。
【0022】
第6態様のバンパリテーナでは、センサ取付部と接続部を別体としているため、前記接続部の突出方向と反対側から見て、センサをセンサ取付部に取り付ける方向と外装部品を接続部に接続する方向を異ならせることができる。これにより、センサの取付方向と外装部品の接続方向を最適化可能になる。
【0023】
本開示の第7態様のバンパリテーナは、第1態様~第6態様のいずれか一態様のバンパリテーナにおいて、前記バンパは、リヤバンパであり、前記センサは、前記車体に対して後側方から接近する対象物を検知するレーダセンサであり、前記外装部品は、リヤランプである。
【0024】
第7態様のバンパリテーナでは、車体に取り付けられるリテーナ本体によってリヤバンパが車体に取り付けられる。また、リテーナ本体に設けられるセンサ取付部にレーダセンサを取り付けることによってレーダセンサが車体に取り付けられる。このレーダセンサは、リヤバンパを通して、車体に対して後側方から接近する対象物を検知することができる。また、リテーナ本体から突出する接続部によって、車体に取り付けられるリヤランプとリテーナ本体とが接続される。これにより、リヤランプとリテーナ本体との間の隙間をコントロールすることができる。
【0025】
本開示の第8態様の車両用部品の取付構造は、車体と、前記車体に取り付けられたバンパリテーナと、前記バンパリテーナに取り付けられたバンパと、前記バンパリテーナに取り付けられたセンサと、前記車体に取り付けられ、前記バンパリテーナに接続された外装部品と、を有し、前記バンパリテーナは、前記車体に前記バンパを取り付けるための樹脂製のリテーナ本体と、前記リテーナ本体の厚み方向で前記車体側と反対側に設けられ、前記リテーナ本体と一体又は別体であり、前記センサが取り付けられたセンサ取付部と、前記リテーナ本体から前記厚み方向と直交する方向に突出すると共に該突出する方向と反対側から見て前記センサ取付部を通り前記厚み方向に延びる直線上に位置し、前記センサ取付部と別体であり、前記外装部品が接続された接続部と、を備える。
なお、リテーナ本体の厚み方向は、リテーナ本体を成形する一対の金型の型開き及び型閉じ(型抜き)方向と同じ方向である。
【0026】
第8態様の車両用部品の取付構造におけるバンパリテーナでは、リテーナ本体とセンサ取付部を一体とする場合に、接続部をセンサ取付部と別体とする。すなわち、接続部をリテーナ本体と別体とする。このように接続部をリテーナ本体及びセンサ取付部と別体とする場合、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。また、接続部を単体で成形できるため、接続部の形状自由度が高くなる。
【0027】
また、第8態様の車両用部品の取付構造におけるバンパリテーナでは、リテーナ本体とセンサ取付部を別体とする場合、リテーナ本体と接続部を一体としつつ、所定の位置に接続部を設定することができる。このようにセンサ取付部をリテーナ本体と別体とする場合、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。また、センサ取付部を単体で成形できるため、センサ取付部の形状自由度が高くなる。
【0028】
さらに、第8態様の車両用部品の取付構造におけるバンパリテーナでは、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部をそれぞれ別体とする場合、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を一体とする場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制することができる。また、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部を単体で成形できるため、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部の形状自由度が高くなる。
【0029】
以上のように、第8態様の車両用部品の取付構造では、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部が一体のバンパリテーナを用いる場合と比べて、バンパリテーナの大型化が抑制される。これにより、車体とバンパとの間のスペースを有効活用可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本開示の一態様によれば、車体にバンパを取り付けるためのバンパリテーナにおいて、リテーナ本体、センサ取付部及び接続部が一体の場合と比べて、リテーナ本体の大型化を抑制可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本開示の一実施形態に係る車両用部品の取付構造及びバンパリテーナを示す斜視図である。
図2図1に示す車両用部品の取付構造及びバンパリテーナを水平方向に沿って切断した横断面図である。
図3図1に示す外装部品とバンパリテーナの接続部周りの縦断面である。
図4図1に示すバンパリテーナの平面図である。
図5図4の矢印5Xで指し示す部分の拡大図である。
図6図4の6X-6X線断面図である。
図7】リテーナ本体にクリップを取り付ける前の状態を示すリテーナ本体を表側から見た斜視図である。
図8】リテーナ本体にクリップを取り付ける前の状態を示すリテーナ本体を裏側から見た斜視図である。
図9】リテーナ本体にクリップを取り付けた状態を示すリテーナ本体を表側から見た斜視図である。
図10】リテーナ本体にクリップを取り付けた状態を示すリテーナ本体を裏側から見た斜視図である。
図11】クリップの斜視図である。
図12】クリップの平面図である。
図13】クリップの側面図である。
図14図13と直交する方向から見たクリップの側面図である。
図15】リテーナ本体の開口部の拡大平面図である。
図16図15に示すリテーナ本体の開口部にクリップの挿入部が挿入された状態を示す拡大平面図である。
図17】本開示の他の実施形態に係るバンパリテーナのリテーナ本体に収容ケースを取り付ける前の状態を示すリテーナ本体を表側から見た斜視図である。
図18図17に示すリテーナ本体に収容ケースを取り付ける前の状態を示すリテーナ本体を裏側から見た斜視図である。
図19図17に示すリテーナ本体に収容ケースを取り付けた状態を示すリテーナ本体を表側から見た斜視図である。
図20図18に示すリテーナ本体に収容ケースを取り付けた状態を示すリテーナ本体を裏側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本開示の一実施形態に係るバンパリテーナ及び車両用部品の取付構造を図1図16を用いて説明する。
【0033】
[バンパリテーナ]
本実施形態のバンパリテーナ20(以下、単に「リテーナ20」という。)は、図1及び図2に示されるように、車体(一例として、ボディパネル)100にバンパ110を取り付けるために用いられる部材である。なお、バンパ110は、本開示における車両用部品の一例である。
【0034】
また、本実施形態のリテーナ20は、図2に示されるように、車体100のリヤフェンダにバンパ110を取り付けるのに用いられる。なお、本実施形態のバンパ110はリヤバンパである。
【0035】
図4に示されるように、リテーナ20は、リテーナ本体22と、センサ取付部30と、接続部としての第一接続部40と、を備えている。
【0036】
(リテーナ本体)
図2及び図4に示されるように、リテーナ本体22は、リテーナ20の本体部を構成する部材である。このリテーナ本体22を介して車体100にバンパ110が取り付けられる(図1参照)。また、リテーナ本体22は、樹脂製である。
【0037】
なお、図2及び図4において、矢印Xはリテーナ本体22の縦方向、矢印Yはリテーナ本体22の横方向、矢印Z(図7参照)はリテーナ本体22の高さ方向(以下、単に「リテーナ高さ方向」という。)を示している。なお、リテーナ本体22の横方向は、奥行き方向と言い換えてもよい。また、矢印Tはリテーナ本体22の厚み方向を示している。ここでリテーナ本体22の厚み方向(以下、単に「リテーナ厚み方向」という。)は、リテーナ本体22を成形する一対の金型の型開き及び型閉じ(型抜き)方向と同じ方向である。なお、本実施形態では、リテーナ本体22の横方向とリテーナ厚み方向が同じ方向である。また、リテーナ厚み方向とリテーナ高さ方向は互いに直交する。
【0038】
図2図7及び図8に示されるように、リテーナ本体22は、板状部23と、板状部23の外周に形成された周壁部24と、板状部23の表面23A及び裏面23Bにそれぞれ設けられた補強リブ25と、を備えている。
【0039】
板状部23には、図2及び図7に示されるように、センサ取付部30が設けられている。具体的には、板状部23の表面23A側にセンサ取付部30が設けられている。なお、センサ取付部30の詳細については後述する。
【0040】
また、板状部23には、車体100にクリップ102を用いてリテーナ本体22を取り付けるための取付孔26が設けられている。この取付孔26は、板状部23をリテーナ厚み方向に貫通している。なお、本実施形態では、板状部23に取付孔26が3つ設けられているが、本開示はこれに限定されず、取付孔26は2つ以下でも、4つ以上でもよい。
【0041】
周壁部24は、図7及び図8に示されるように、板状部23の周縁部からリテーナ厚み方向に沿って張り出す壁部である。なお、周壁部24は、板状部23の周縁部からリテーナ厚み方向の一方側及び他方側の両側に張り出してもよいし、片側のみに張り出してもよい。また、周壁部24の張出高さは、一定でも、異なっていてもよい。さらに、周壁部24は、板状部23の周縁部の連続して形成されてもよいし、断続的に形成されもよい。
【0042】
補強リブ25は、図7及び図8に示されるように、板状部23の表面23A及び裏面23Bにそれぞれ設けられている。具体的には、補強リブ25は、板状部23の表面23Aからリテーナ厚み方向に突出する第一補強リブ25Aと、板状部23の裏面23Bからリテーナ厚み方向に突出する第二補強リブ25Bと、を含んでいる。なお、以下では、板状部23の表面23Aから第一補強リブ25Aが突出する方向をリテーナ厚み方向の一方側という。また、板状部23の裏面23Bから第二補強リブ25Bが突出する方向をリテーナ厚み方向の他方側という。
【0043】
板状部23の表面23Aには、複数の第一補強リブ25Aが設けられている。これらの第一補強リブ25Aの表面23Aからの突出高さは一定でも、異なっていてもよい。さらに、一つの第一補強リブ25Aの突出高さが長手方向で一定でも、異なっていてもよい。
【0044】
板状部23の裏面23Bには、複数の第二補強リブ25Bが設けられている。これらの第二補強リブ25Bの裏面23Bからの突出高さは一定でも、異なっていてもよい。さらに、一つの第二補強リブ25Bの突出高さが長手方向で一定でも、異なっていてもよい。
【0045】
また、リテーナ本体22には、図4図6に示されるように、後述するクリップ42が挿入される開口部27が設けられている。具体的には、開口部27は、リテーナ本体22が備える周壁部24において、板状部23よりもリテーナ厚み方向の他方側で且つリテーナ本体22の高さ方向上側に位置する部分に設けられている。この開口部27は、周壁部24をリテーナ本体22の高さ方向に貫通する貫通孔である。なお、開口部27にクリップ42が挿入された状態では、クリップ42の一部が周壁部24からリテーナ厚み方向と直交する方向であるリテーナ高さ方向で上側に向けて突出する。このクリップ42は、クリップ42の突出する方向と反対側(ここではリテーナ高さ方向の上側)から見て、センサ取付部30を通りリテーナ厚み方向に延びる直線L上に位置する。すなわち、クリップ42が直線L上に位置するように開口部27が周壁部24に設けられている。
【0046】
(センサ取付部)
センサ取付部30は、リテーナ本体22に設けられたセンサ130を取付可能な部分である。このセンサ取付部30は、図7及び図9に示されるように、リテーナ本体22の厚み方向の一方側に設けられている。具体的には、センサ取付部30は、板状部23の表面23A側に設けられている。センサ取付部30は、板状部23の表面23Aに設けられたセンサ130が嵌め込まれる凹状の部分である。このセンサ取付部30には、嵌め込まれたセンサ130の抜けを抑制する係止爪32が複数設けられている。これらの係止爪32は、爪部がセンサ130の周縁部130Aに引っ掛かることで、センサ取付部30からセンサ130が抜け出るのを阻止する。なお、本実施形態で用いるセンサ130は、接近する対象物を検知するレーダセンサである。
【0047】
また、センサ取付部30は、リテーナ本体22と一体である。すなわち、センサ取付部30とリテーナ本体22は、樹脂の一体成形品である。
【0048】
(接続部)
第一接続部40は、リテーナ本体22を外装部品の一例であるリヤランプ120(本実施形態ではリヤコンビネーションランプ)に接続可能にする部分である。この第一接続部40は、図3図9及び図10に示されるように、リテーナ本体22の周壁部24からリテーナ厚み方向と直交する方向であるリテーナ高さ方向で上側に向けて突出している。第一接続部40は、第一接続部40の突出する方向と反対側(ここではリテーナ高さ方向の上側)から見て、センサ取付部30を通りリテーナ厚み方向に延びる直線L上に位置している。言い換えると、第一接続部40は、第一接続部40の突出する方向と反対側から見て、センサ取付部30のリテーナ厚み方向と直交する方向の両端をそれぞれ通る直線L間の領域に、一部が配置されている。
【0049】
また、第一接続部40は、リテーナ本体22と一体のセンサ取付部30と別体であって、リテーナ本体22とリヤランプ120を接続する接続部材の一例であるクリップ42によって構成される。具体的には、第一接続部40は、クリップ42をリテーナ本体22の開口部27に挿入された状態で、開口部27から突出した部分によって構成される。
【0050】
クリップ42は、図7図8及び図11に示されるように、リヤランプ120が備える被係止部の一例としてのフック受け部122に係止される係止部の一例としてのフック部44を備えている。このフック部44は、クリップ42の突出方向の先端部に設けられており、フック部受け部122に引っ掛かることによってリテーナ本体22とリヤランプ120とが接続される。
【0051】
また、クリップ42は、図11図14に示されるように、開口部27に挿入される部分である挿入部43に、リテーナ本体22が備える被係合部の一例としての段差28に係合される係合部の一例としての係合爪46を備える。具体的には、周壁部24における開口部27の内周面27Aには、互いに対向する位置に周壁部24の外面から内面に向けて延びる溝部27Bが設けられている。これらの溝部27Bは、周壁部24の内面に至る前に終端している。この溝部27Bの終端によって段差28が形成されている。この段差28にクリップ42の挿入部43に設けられた弾性変形可能な係合爪46が係合する。この係合爪46と段差28の係合によるクリップ42とリテーナ本体22の取り付け方式は、所謂スナップフィットである。なお、クリップ42とリテーナ本体22の取り付け方式は、スナップフィットに限定されない。
【0052】
クリップ42は、樹脂の一体成形品である。このクリップ42は、リテーナ本体22及びセンサ取付部30を成形する一対の金型とは別の金型によって成形される。
【0053】
また、リテーナ本体22には、第一接続部40から離隔した位置にリテーナ本体22をリヤランプ120に接続可能にする第二接続部60が設けられている。この第二接続部60は、図7に示されるように、リテーナ本体22の周壁部24からリテーナ厚み方向と直交する方向であるリテーナ高さ方向で上側に向けて突出している。第二接続部60は、第一接続部40からリテーナ本体22の縦方向に間隔をあけて配置されている(図9参照)。
【0054】
また、第二接続部60は、リテーナ本体22と一体である。すなわち、第二接続部60は、リテーナ本体22及びセンサ取付部30と一体成形されている。この第二接続部60には、リヤランプ120が備えるフック受け部(図示省略)に係止されるフック部62を備えている。このフック部62は、第二接続部60の突出方向の先端部に設けられており、上記フック部受け部(図示省略)に引っ掛かることによってリテーナ本体22とリヤランプ120とが接続される。なお、本実施形態では、第一接続部40と第二接続部60によってリテーナ本体22とリヤランプ120とが接続されるため、リテーナ本体22とリヤランプ120とが安定して接続される。
【0055】
また、リテーナ20は、図5及び図12に示されるように、開口部27に挿入された状態でクリップ42の回転を阻止する阻止機構50を備えている。具体的には、阻止機構50は、クリップ42が開口部27に挿入された状態でクリップ42が挿入方向周りに回転するのを阻止する。なお、本実施形態では、クリップ42の挿入方向(以下、適宜「クリップ挿入方向」という。)は、リテーナ高さ方向に沿って下側から上側へ向かう方向である。
【0056】
阻止機構50は、第一リブ52と、第二リブ54とを備えている。
【0057】
第一リブ52は、図5に示されるように、開口部27の内周面27Aに周方向に間隔をあけて設けられている。これらの第一リブ52は、内周面27Aから突出し、開口部27の一端部から他端部へ向けてクリップ挿入方向に沿って延びている。なお、本実施形態では、第一リブ52が開口部27の内周面27Aに3つ設けられているが、本開示はこの構成に限定されない。
【0058】
第二リブ54は、図12に示されるように、クリップ42において開口部27に挿入される挿入部43の外周面43Aに周方向に間隔をあけて設けられている。これらの第二リブ54は、挿入部43のクリップ挿入方向と反対側の部分に設けられ、外周面43Aから突出し、クリップ挿入方向に沿って延びている。なお、本実施形態では、第二リブ54が挿入部43の外周面43Aに2つ設けられているが、本開示はこの構成に限定されない。
【0059】
また、開口部27にクリップ42の挿入部43を挿入した状態では、図16に示されるように、第一リブ52が挿入部43の外周面43Aに接し、第二リブ54が開口部27の内周面27Aに接している。
【0060】
また、リテーナ20は、図9に示されるように、第一接続部40の突出方向と反対側から見て、センサ130をセンサ取付部30に取り付ける方向と、リヤランプ120を第一接続部40に接続する方向とが異なる。具体的には、センサ取付部30は、リテーナ厚み方向に沿ってセンサ130が取り付けられるように構成されている。一方、第一接続部40は、リテーナ厚み方向に対して斜め方向からリヤランプ120が接続されるように構成されている。すなわち、フック受け部122にフック部44が引っ掛かる方向がリテーナ厚み方向に対して斜め方向になっている。
【0061】
また、リテーナ20には、バンパ110が取り付けられる取付部(図示省略)が設けられている。この取付部は、例えば、バンパ110に設けられた弾性爪(図示省略)が引っ掛かる段差部としてもよい。
【0062】
[車両用部品の取付構造]
本実施形態の車両用部品の取付構造Sは、図1及び図2に示されるように、車体100にリテーナ20を介してバンパ110とセンサ130を取り付ける構造である。具体的には、取付構造Sは、車体100と、車体100に取り付けられたリテーナ20と、リテーナ20に取り付けられたバンパ110と、リテーナ20に取り付けられたセンサ130と、車体100に取り付けられリテーナ20に接続されたリヤランプ120と、を有している。
【0063】
また、車体100に車両用部品(バンパ110及びセンサ130)を取り付ける際には、まず、クリップ42が取り付けられたリテーナ本体22を車体100にクリップ102を用いて取り付ける。次に、センサ取付部30にセンサ130を取り付け、リヤランプ120を第一接続部40及び第二接続部60に接続する。なお、センサ130の取り付けとリヤランプ120の接続は、どちらを先に実施してもよい。その後、リテーナ本体22にバンパ110を取り付ける。これにより、車体100にリテーナ20を介してバンパ110とセンサ130が取り付けられる。
【0064】
次に、本実施形態のリテーナ20及び取付構造Sの作用並びに効果について説明する。
【0065】
リテーナ本体22、センサ取付部30及び第一接続部40を一体成形する場合、主にリテーナ本体22及びセンサ取付部30を成形する一対の金型と、第一接続部40を成形するためのスライダが互いに干渉する。このため、図3に示されるように、リテーナ本体22を第一接続部40の突出方向と反対側から見て、センサ取付部30を通る直線L上に、第一接続部40を配置することができない。金型とスライダが互いに干渉するのを避けるため、直線L上からずれた位置に第一接続部40を配置することが考えられるが、この場合にはリテーナ本体22が大型化する虞がある。また、第一接続部40の位置を変えた場合、第一接続部40が接続されるリヤランプ120のフック受け部122の位置変更が生じる虞がある。一方、第一接続部40の位置を変更せずに、センサ取付部30の位置を変えることも考えられるが、センサ取付部30の位置は車体100に対するセンサ130の取付位置に関係するため、位置変更は難しい。
【0066】
上記事実を考慮し、本実施形態のリテーナ20では、リテーナ本体22とセンサ取付部30を一体とする場合に、第一接続部40をセンサ取付部30と別体としている。すなわち、第一接続部40をリテーナ本体22と別体としている。このように第一接続部40をリテーナ本体22及びセンサ取付部30と別体とする場合、リテーナ本体22を第一接続部40の突出方向と反対側から見て、センサ取付部30を通る直線L上に、第一接続部40を後付けで(成形後に)配置することができる。このため、本実施形態のリテーナ20では、リテーナ本体22、センサ取付部30及び第一接続部40を一体とする場合と比べて、リテーナ本体22の大型化を抑制することができる。このようにリテーナ20の大型化が抑制されることで、車体100とバンパ110との間のスペースを有効活用可能となる。
本実施形態のリテーナ20では、第一接続部40をリテーナ本体22及びセンサ取付部30と別体としていることから、第一接続部40を単体で成形できる。このため、リテーナ20では、第一接続部40を他の部位と一体成形する場合と比べて、第一接続部40の形状自由度が高くなる。
【0067】
本実施形態のリテーナ20では、リテーナ本体22と別体であるクリップ42の係合爪46をリテーナ本体22の段差28に係合させる(引っ掛ける)ことで、クリップ42がリテーナ本体22に取り付けられる。また、このクリップ42のフック部44をリヤランプ120のフック受け部122に係止させる(引っ掛ける)ことで、クリップ42とリヤランプ120が接続される。ここでリテーナ20では、クリップ42がリテーナ本体22及びセンサ取付部30と別体であることから、クリップ42にフック部44及び係合爪46を成形しやすい。
【0068】
本実施形態のリテーナ20では、阻止機構50によりリテーナ本体22の開口部27にクリップ42が挿入された状態で開口部27に対するクリップ42の回転が阻止される。これによりリテーナ本体22の開口部27にクリップ42を挿入した状態におけるクリップ42の回転にともなうガタ付きが防止される。
【0069】
本実施形態のリテーナ20では、リテーナ本体22の開口部27にクリップ42の挿入部43を挿入する際に、まず、複数の第一リブ52が挿入部43の外周面43Aに接する。その状態で挿入部43を開口部27に更に挿入すると、挿入部43の第二リブ54が開口部27の内周面27Aに接し、クリップ42の開口部27に対する回転が阻止される。ここで、リテーナ20では、クリップ42を開口部27に挿入し、開口部27の内周面27Aに第二リブ54が接するまでの間、第一リブ52によってクリップ42が開口部27内をクリップ挿入方向へ案内される。この状態では、クリップ42の第二リブ54が開口部27の内周面27Aに接していないためクリップ42を開口部27へ挿入する挿入力を低く抑えられる。すなわち、リテーナ20では、クリップ42を開口部27へ挿入するときの、挿入始めの挿入力を低く抑えることができ、挿入後にはクリップ42が開口部27に対して回転するのを効果的に抑えることができる。
【0070】
本実施形態のリテーナ20では、センサ取付部30と第一接続部40を別体としているため、センサ取付部30と第一接続部40で最適な型抜き方向を設定できる。このため、第一接続部40の突出方向と反対側から見て、センサ130をセンサ取付部30に取り付ける方向と、リヤランプ120を第一接続部40に接続する方向を異ならせることができる。これにより、センサ130の取付方向とリヤランプ120の接続方向を最適化可能となる。
【0071】
本実施形態のリテーナ20では、車体100に取り付けられるリテーナ本体22によってリヤバンパ(車両用部品)であるバンパ110が車体100に取り付けられる。また、リテーナ本体22に設けられるセンサ取付部30にレーダセンサ(車両用部品)であるセンサ130を取り付けることによってレーダセンサが車体100に取り付けられる。このレーダセンサは、バンパ110を通して、車体100に対して後側方から接近する対象物を検知することができる。また、リテーナ本体22から突出する第一接続部40によって、車体100に取り付けられるリヤランプ120とリテーナ本体22とが接続される。これにより、リヤランプ120とリテーナ本体22との間の隙間をコントロールすることができる。例えば、リヤランプ120とリテーナ本体22との間の隙間を狭くすることで、見栄えがよくなる。
【0072】
前述の実施形態のリテーナ20では、センサ取付部30とリテーナ本体22を一体とし、センサ取付部30及びリテーナ本体22と第一接続部40を別体としているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、図17図20に示されるリテーナ70のようにセンサ取付部74がリテーナ本体72及び第一接続部40と別体で、第一接続部40がリテーナ本体72と一体であってもよい。リテーナ70では、センサ取付部74がセンサ130をリテーナ本体72に取り付けるセンサ取付部材の一例としての収容ケース75によって構成されている。この収容ケース75は、センサ130を収容する部材であり、リテーナ本体72に形成された凹状部に嵌め込まれて固定される。具体的には、収容ケース75は、センサ130の周縁部130A(被係止部の一例)に引っ掛かることでセンサ130を係止(拘束)する係止爪76と、リテーナ本体72の凹状部の底面に設けられた貫通孔77の縁部77A(被係合部の一例)に引っ掛かることで収容ケース75をリテーナ本体72に固定する係合爪78を備えている。ここで、リテーナ70では、リテーナ本体72とセンサ取付部74を別体としていることから、リテーナ本体72と第一接続部40を一体としつつ、所定の位置に第一接続部40を設定することができる。このようにセンサ取付部74をリテーナ本体72と別体とする場合、リテーナ本体72にセンサ取付部74を構成する収容ケース75を後付けすることで、リテーナ本体72、センサ取付部74及び第一接続部40を一体とする場合と比べて、リテーナ本体72の大型化を抑制することができる。また、センサ取付部74を収容ケース75として単体で成形できるため、センサ取付部74の形状自由度が高くなる。さらに、リテーナ70では、リテーナ本体72と別体である収容ケース75の係合爪78をリテーナ本体72の縁部77Aに係合させることで、収容ケース75がリテーナ本体72に取り付けられる。また、この収容ケース75の係止爪76をセンサ130の周縁部130Aに係止させることで、収容ケース75にセンサ130が取り付けられる。ここでリテーナ70では、収容ケース75がリテーナ本体72及び第一接続部40と別体であることから、収容ケース75に係止爪76及び係合爪78を成形しやすい。
【0073】
前述の実施形態のリテーナ20では、第二接続部60をリテーナ本体22と一体にしているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、第二接続部60も、第一接続部40のようにクリップ42で形成してもよい。この場合には、リテーナ本体22の第二接続部60を設ける箇所に開口部27と同じ寸法の開口部を設けておく。
【0074】
前述の実施形態のリテーナ20では、センサ取付部30とリテーナ本体22を一体とし、センサ取付部30及びリテーナ本体22と第一接続部40を別体としているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、リテーナ本体22、センサ取付部30及び第一接続部40をそれぞれ別体としてもよいし、これらに加えて第二接続部60も別体としてもよい。この場合には、リテーナ本体22に第一接続部40及びセンサ取付部30を後付けすることで、リテーナ本体22、センサ取付部30及び第一接続部40を一体とする場合と比べて、リテーナ本体22の大型化を抑制することができる。また、リテーナ本体22、センサ取付部30及び第一接続部40を単体で成形できるため、リテーナ本体22、センサ取付部30及び第一接続部40の形状自由度が高くなる。
【0075】
前述の実施形態では、車体100のリヤフェンダにリテーナ20を介してバンパ110及びセンサ130を取り付けているが、本開示はこの構成に限定されない。リテーナ20のセンサ取付部30には、レーダセンサとは別のセンサを取り付けてもよい。また、リテーナ20には、リヤバンパとは別のバンパを取り付けてもよい。
【0076】
前述の実施形態のリテーナ20では、阻止機構50として、開口部27の内周面27Aに第一リブ52を設け、挿入部43の外周面43Aに第二リブ54を設けているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、第一リブ52と第二リブ54の突出高さをクリップ42の挿入部43が開口部27に挿入されるにしたがい挿入部43が開口部27に拘束されるテーパ状に形成してもよい。
【0077】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0078】
20 リテーナ(バンパリテーナ)
22 リテーナ本体
27 開口部
27A 内周面
28 段差(被係合部)
30 センサ取付部
40 第一接続部(接続部)
42 クリップ(接続部材)
43 挿入部
43A 外周面
44 フック部(係止部)
46 係合爪(係合部)
50 阻止機構
52 第一リブ
54 第二リブ
70 リテーナ
72 リテーナ本体
74 センサ取付部
75 収容ケース(センサ取付部材)
76 係止爪(係止部)
77A 縁部(被係合部)
78 係合爪(係合部)
100 車体
110 バンパ
120 リヤンランプ(外装部品)
122 フック受け部(被係止部)
130 センサ
130A 周縁部(被係止部)
T リテーナ厚み方向(リテーナ本体の厚み方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20