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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061066
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】スプロケット
(51)【国際特許分類】
   F16H 55/30 20060101AFI20240425BHJP
【FI】
F16H55/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168762
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】519185580
【氏名又は名称】株式会社アイ・エス・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100111811
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】伊佐 貴志
【テーマコード(参考)】
3J030
【Fターム(参考)】
3J030AC10
3J030BA07
3J030BB07
3J030BB09
3J030BC02
3J030CA10
(57)【要約】
【課題】スプロケットの歯部とローラーチェーンとの嵌合性を低下させずに、ローラーチェーンの一対のガイドプレートとスプロケットの歯部との干渉を抑えることができ、高速度回転での長時間使用にも耐え得る二輪車用のスプロケットを提供する。
【解決手段】スプロケットSP1は、歯部2の、回転軸方向の両側に、半径方向外方の先端から順に第1面取り部51と第2面取り部61とを有する。ここで、第1面取り部51および第2面取り部61は丸面取り又は角面取りであるのが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車用のスプロケットであって、
歯部の、回転軸方向の一方側または両側面に、半径方向外方の先端から順に第1面取り部と第2面取り部とを有する
ことを特徴とするスプロケット。
【請求項2】
第1面取り部および第2面取り部が、丸面取り又は角面取りである請求項1記載のスプロケット。
【請求項3】
第1面取り部が丸面取りであって、半径曲率が0.5mm以上3mm以下である請求項2記載のスプロケット。
【請求項4】
第1面取り部が角面取りであって、歯部の半径方向先端における切欠き量が0.5mm以上3mm以下である請求項2記載のスプロケット。
【請求項5】
第2面取り部が丸面取りであって、歯部の半径方向先端における切欠き量が0.5mm以上3mm以下で、曲率半径が10mm以上40mm以下である請求項3または4記載のスプロケット。
【請求項6】
第2面取り部が角面取りであって、歯部の半径方向先端における切欠き量が0.5mm以上3mm以下で、半径方向長さが3mm以上15mm以下である請求項3または4記載のスプロケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスプロケットに関し、より詳細には二輪車に使用されるスプロケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
二輪車において動力を伝達する方式としては、通常、駆動側スプロケット(ドライブスプロケット)と従動側スプロケット(ドリブンスプロケット)との間に無端状のローラーチェーンを架け渡して動力を伝達する方式が用いられている。このような動力伝達方式では、スプロケットの歯部とローラーチェーンのローラーとが噛み合って、ローラーから歯部の側面(スプロケットの周方向の側面)に又は歯部の側面からローラーに力が加わる。
【0003】
ローラーチェーンを構成する一対のガイドプレートの内側の間隔は、スプロケットの半径方向外方の歯部の厚みよりも僅かに大きく設定されている。二輪車の場合、走行中に走行方向に垂直な面内において車体が傾くことがある。競技用二輪車の場合には、最大で60°近くも車体が傾くことがある。車体が傾くとローラーチェーンは重力方向側に片寄るため、ローラーチェーンとスプロケットとが噛み合う際に、ローラーチェーンの片方側のガイドプレートとスプロケットの歯部とが干渉しやすくなる。
【0004】
また二輪車が減速するときに、ローラーチェーンに対する回転方向への引っ張り力が弱まってローラーチェーンに弛みが生じて、ローラーチェーンが回転方向に対して垂直方向に横振れして、ローラーチェーンとスプロケットとが噛み合う際に、ローラーチェーンのガイドプレートとスプロケットの歯部とが干渉しやすくなる。ローラーチェーンのガイドプレートとスプロケットの歯部とが干渉すると部材の摩耗や軋み音などが発生する。
【0005】
ローラーチェーンのガイドプレートとスプロケットの歯部との干渉を抑制するためには、ローラーチェーンのガイドプレートとスプロケットの歯部との隙間を大きくすることが考えられるが、当該隙間を大きくするとスプロケットの歯部とローラーチェーンとの嵌合性が低下して駆動力の伝達効率が低下するおそれがある。
【0006】
特許文献1には、自動車におけるサイレントチェーンによる駆動伝達方式において、スプロケットの歯部とチェーンとの干渉を抑制するため、歯部の厚み方向両側に面取り部を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-349675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、スプロケットの歯部とローラーチェーンとの嵌合性を低下させずに、ローラーチェーンの一対のガイドプレートとスプロケットの歯部との干渉を抑えることができ、高速度回転での長時間使用にも耐え得る二輪車用のスプロケットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成する本発明の一態様に係るスプロケットは、二輪車用のスプロケットであって、歯部の、回転軸方向の一方側または両側に、半径方向外方の先端から順に第1面取り部と第2面取り部とを有することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、歯先の先端部に2つの面取り部が設けられているのでスプロケットの歯部とローラーチェーンとの噛み合いが円滑となるとともに、嵌合性も低下せずに動力を無駄なく伝達することができる。
【0011】
前記態様のスプロケットにおいて、第1面取り部および第2面取り部が、丸面取り又は角面取りであるのがよい。
【0012】
前記態様のスプロケットにおいて、第1面取り部が丸面取りであって、半径曲率が0.5mm以上3mm以下であるのが好ましい。
【0013】
前記態様のスプロケットにおいて、第1面取り部が角面取りであって、歯部の半径方向先端における切欠き量が0.5mm以上3mm以下であるのが好ましい。
【0014】
前記態様のスプロケットにおいて、第2面取り部が丸面取りであって、歯部の半径方向先端における切欠き量が0.5mm以上3mm以下で、曲率半径が10mm以上40mm以下であるのが好ましい。
【0015】
前記態様のスプロケットにおいて、第2面取り部が角面取りであって、歯部の半径方向先端における切欠き量が0.5mm以上3mm以下で、半径方向長さが3mm以上15mm以下であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るスプロケットによれば、スプロケットの歯部とローラーチェーンとの嵌合性を低下させずに、ローラーチェーンの一対のガイドプレートとスプロケットの歯部との干渉を抑えることができる。これにより、高速度回転での長時間使用にも耐え得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るスプロケットSP1の正面図である。
図2図1におけるA-A線断面図である。
図3】スプロケットSP1の歯部とローラーチェーンとの噛み合い過程を示す説明図である。
図4】第2実施形態に係るスプロケットSP2の歯部の拡大断面図である。
図5】第3実施形態に係るスプロケットSP3の歯部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図に基づきさらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
また、以下の各実施形態では、同一または対応する構成については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。また以下の説明において、半径方向、厚み方向、周方向は各図に示す半径方向、厚み方向、周方向を意味するものとする。また厚み方向は回転軸方向と同じ方向を意味するものとする。
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るスプロケットSP1を示す正面図を図1に、図1のA-A線断面図を図2にそれぞれ示す。なお、これらの図に示すスプロケットSP1は自動二輪車のドリブンスプロケット(以下、単に「スプロケット」と記すことがある。)として使用されるものである。
【0020】
図1に示すスプロケットSP1は、所定の厚みを有する円盤状の本体部1と、本体部1の外周に周方向に等間隔で形成された複数個の溝部3と、溝部3の形成により出現する歯部2とを有する。
【0021】
円盤状の本体部1は、円環状の中央部11と、中央部11の外周に接続する円環状の外縁部12とを有する。中央部11と外縁部12とは一体に形成されている。
【0022】
中央部11は外縁部12よりも薄く成形され、本体部1の表面に中央部11と外縁部12との境界に周状段差13が形成されている。
【0023】
なお、本体部1の表面に外縁部12と中央部11とに周状段差13が形成されているのは主としてスプロケットSP1の軽量化を図るためである。スプロケットSP1の所望の強度や剛性等が維持できるならば、周状段差13は本体部1の表面および裏面の両側に設けても構わない。また反対に、スプロケットSP1の高強度化などの観点から本体部1に周状段差13は設けずに中央部11と外縁部12とを同一厚みとしても勿論構わない。
【0024】
本体部1の中央部11の中心には所定径の軸穴15が形成され、軸穴15の周囲にはスプロケットSP1を二輪車本体に着脱可能に取り付けるための5個の固定用穴16が周方向に等間隔で形成されている。また、スプロケットSP1の軽量化を図るため、本体部1の軸穴15の周囲には、直径の異なる円形の5つの軽量化穴17aと5つの軽量化穴17bとが交互に周方向に等間隔で複数個形成されている。なお、軸穴15及び固定用穴16の大きさや個数、形成位置などはスプロケットSP1を取り付ける二輪車の仕様に合わせて適宜決定される。また、軽量化穴17a,17bの形状や個数などはスプロケットSP1の強度等を考慮して適宜決定され、軽量化穴17a,17bを設けない構成としても勿論構わない。
【0025】
図2に示すように、スプロケットSP1の外縁部12の外周には溝部3及び歯部2が周方向に所定間隔で交互に形成されている。換言すると、外縁部12の外周に溝部3が周方向に所定間隔で形成されることで、歯部2が周方向に所定間隔で出現する。溝部3及び歯部2を含む外縁部12は、スプロケットSP1の回転軸に垂直な厚み方向の中央の線Oに対して線対称の形状を有する。溝部3及び歯部2は、通常、JIS及びANSIに規定される形状に準じたの形状とされる。具体的には、チェーンピッチやローラー外径、スプロケットSP1の歯数などが決まれば、ピッチ円直径、歯底円直径、歯面半径、歯底部円弧半径などは所定の式から求められ、溝部3及び歯部2の形状が定まる。
【0026】
歯部2の厚み方向両側面(表側面および裏側面)には、半径方向外方の先端から順に第1面取り部51と第2面取り部61とが連続して設けられている。すなわち、歯部2の厚みは、半径方向外方に向かって厚み方向両側から厚み方向中央方向に徐々に薄くなり、歯部2の半径方向外周面と歯部2の厚み方向両側面との接続部は丸面取りとされている。これによって、スプロケットSP1の歯部2とローラーチェーン7(図3に図示)とが噛み合い始めるとき、ローラーチェーン7がスプロケットSP1に対して多少回転軸方向に横ぶれしたり、あるいは片方側に片寄って進入することがあっても、スプロケットSP1の歯部2とローラーチェーン7との干渉が抑制されるとともに噛み込み(嵌合)も確実に実行されるようになる。
【0027】
本実施形態のスプロケットSP1では第1面取り部51および第2面取り部61はいずれも丸面取りである。
【0028】
第1面取り部51は、後述する第2面取り部61の半径方向外方側端と、歯部2の半径方向外周面との接続部を丸面取りしたものである。第1面取り部51の曲率半径Raに特に限定はなく、ローラーチェーン7の一対のガイドプレート71a,71b(図3に図示)の内側の間隔や歯部2の厚みなどを考慮して適宜決定すればよい。第1面取り部51の曲率半径Raは、通常、0.5mm以上3mm以下の範囲が好ましい。より好ましい範囲は0.5mm以上1.0mm以下の範囲である。
【0029】
第1面取り部51の形成は、後述のスプロケットの作製方法において説明するように、第2面取り部61の形成と共に形成するのが効率的であるが、第2面取り部61の形成後に別途形成しても構わない。
【0030】
第2面取り部61は、歯部2の半径方向途中部から第1面取り部51の半径方向内方側端に至るまで設けられている。第2面取り部61の切欠き量Dbに特に限定はないが、通常、0.5mm以上3mm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下の範囲である。第2面取り部61の曲率半径Rbに特に限定はないが、通常、10mm以上40mm以下の範囲が好ましく、より好ましくは10mm以上20mm以下の範囲である。
【0031】
(噛合過程)
図3に、本実施形態のスプロケットSP1の歯部2とローラーチェーン7との噛み合い過程を示す説明図を示す。この図におけるローラーチェーン7は、スプロケットSP1に対して厚み方向の位置が表側にズレていると共に、ローラーチェーン7のローラー72の回転軸OがスプロケットSP1の回転軸方向Oに対して角度θ傾いている。
このような厚み方向の位置ズレおよびスプロケットSP1の回転軸方向Oに対する傾きを有するローラーチェーン7がスプロケットSP1の歯部2と噛み合う際、まずローラーチェーン7の一対のガイドプレート71a,71bの一方のガイドプレート71bがスプロケットSP1の歯部2の第1面取り部51に当接して、ローラーチェーン7は歯部2に滑らかに係入する(図3(a))。次いで、ガイドプレート71bが第2面取り部61に摺接しながら半径方向内方に進入することで、ローラーチェーン7は厚み方向の位置ズレおよび傾きが矯正されながら歯部2にさらに係入する(図3(b))。そして、ローラーチェーン7の位置ズレおよび傾きが矯正された状態で、ローラーチェーン7とスプロケットSP1の歯部2とは噛み合うようになる(図3(c))。
【0032】
本実施形態に係るスプロケットSP1の材料としては従来公知の物が使用可能であるが、耐久性を向上させる観点からは高硬度の物が望ましい。このような材料としては、例えば、アルミ合金、鉄、チタン合金、炭素鋼、クロムモリブデン鋼、合金工具鋼などが挙げられる。またこれらの材料に対して表面処理や熱処理を行った物を用いてもよい。
【0033】
本実施形態に係るスプロケットSP1の直径は二輪車に使用される直径であり、通常、50mm以上310mm以下の範囲である。また本実施形態に係るスプロケットSP1の厚みは二輪車に使用される厚みであり、通常、4.3mm,5.8mm,7.2mm,8.7mmなどである。
【0034】
スプロケットSP1は、歯部2の半径方向外周の周方向両端部が丸面取りされているのが好ましい。歯部2の摩耗が低減され、高速度回転での長時間使用にも耐え得るようになる。丸面取りの曲率半径は、通常、0.1mm以上0.5mm以下の範囲が好ましい。
【0035】
(スプロケットの作製)
スプロケットSP1の作製方法に特に限定はないが、高い寸法精度が得られることからエンドミルなどを用いた切削加工が望ましい。なお、スプロケットの前駆体としての円盤は耐摩耗性等の観点から高い硬度を有する材料から構成されているので、エンドミルによる一回当たりの切削量は所定量以下(例えば1mm程度)に抑えられる。このため、円盤の外縁部12に所望形状の歯部2を削り出すためには繰り返し切削する必要がある。
【0036】
また、スプロケットSP1の軸穴15・固定用穴16・軽量化穴17a,17bなども切削加工により形成するのが望ましい。切削加工による削り出しによって作製されたスプロケットSPでは高い寸法精度が得られるからである。
【0037】
(第2実施形態)
図4に、図2と同様の、第2実施形態に係るスプロケットSP2の部分拡大断面図を示す。この図に示すスプロケットSP2が、第1実施形態のスプロケットSP1と異なる点は、第2面取り部62が角面取りである点である。その外の点は第1実施形態のスプロケットSP1と同じであるので、ここではそれらの点の説明は省略し、スプロケットSP2の第2面取り部62について以下説明する。
【0038】
スプロケットSP2の歯部2の厚み方向両側面に設けられた第2面取り部62は、歯部2の半径方向先端における切欠き量がDbで半径方向長さがLbである。そして、第2面取り部62の外側端と歯部2の半径方向外周面との接続部に、曲率半径Raの丸面取りの第1面取り部51が設けられている。
【0039】
第2面取り部62の切欠き量Dbに特に限定はないが、通常、0.5mm以上3mm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下の範囲である。第2面取り部62の半径方向長さLbも特に限定はないが、通常、3mm以上15mm以下の範囲が好ましく、より好ましくは5mm以上10mm以下の範囲である。
【0040】
このような構成のスプロケットSP2によっても、スプロケットSP2の歯部2とローラーチェーン7とが噛み合い始めるとき、ローラーチェーン7がスプロケットSP2に対して多少回転軸方向に横ぶれしたり、あるいは片方側に片寄って進入することがあっても、スプロケットSP2の歯部2とローラーチェーン7との干渉が抑制されるとともに噛み込みが確実に実行されるようになる。
【0041】
(第3実施形態)
図5に、図2と同様の、第3実施形態に係るスプロケットSP3の部分拡大断面図を示す。この図に示すスプロケットSP3が、第1実施形態のスプロケットSP1と異なる点は、第1面取り部52が角面取りである点である。その外の点は第1実施形態のスプロケットSP1と同じであるので、ここではそれらの点の説明は省略し、スプロケットSP3の第1面取り部52について以下説明する。
【0042】
第3実施形態のスプロケットSP3では、第2面取り部61の半径方向外方端と歯部2の半径方向外周面との接続部に、第1面取り部52としての角面取りが設けられている。この第1面取り部52の切欠き量Daに特に限定はないが、通常、0.5mm以上3mm以下の範囲が好ましく、より好ましくは0.5mm以上1.0mm以下の範囲である。
第1面取り部52がこのような角面取りの場合も、丸面取りの場合と同様に、スプロケットSP2の歯部2とローラーチェーン7との干渉が抑制されるとともに噛み込みが確実に実行されるようになる。
【0043】
(その他)
【0044】
なお、スプロケットの歯部2の第1面取り部51および第2面取り部61がどちらも角面取りであっても勿論構わない。この場合の切欠き量Da,Db、半径方向長さLbは前述の好適範囲がここでも適用される。
【0045】
また、以上説明した各実施形態はいずれも自動二輪車のドリブンスプロケットであったが、本発明に係るスプロケットはドライブスプロケットなどにも適用可能である。また、JIS及びANSIに準拠しない形状の溝部3及び歯部2を有するスプロケットにも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係るスプロケットは、歯部とローラーチェーンとの嵌合性を低下させずに、ローラーチェーンの一対のガイドプレートとスプロケットの歯部との干渉を抑えることができる。
【符号の説明】
【0047】
SP1,SP2,SP3 スプロケット
1 本体部
2 歯部
3 溝部
7 ローラーチェーン
11 中央部
12 外縁部
13 段差
15 軸穴
16 固定用穴
17a,17b 軽量化穴
51,52 第1面取り部
61,62 第2面取り部
71a,71b ガイドプレート
72 ローラー
Ra 第1面取り部の曲率半径
Rb 第2面取り部の曲率半径
Da 第1面取り部の半径方向先端における切欠き量
Db 第2面取り部の半径方向先端における切欠き量
Lb 第2面取り部の半径方向長さ
図1
図2
図3
図4
図5