(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061071
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】設備機器の搬出入作業支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240425BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168772
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】522413098
【氏名又は名称】佐佐木工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 冨之
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】立案した搬出入作業の作業内容を、承認者や複数の作業者などに、搬出入作業に関する知識や経験にかかわらず短時間で容易に理解させ得るようにする。
【解決手段】設備機器搬出入作業用の搬出入経路と作業形態を選定する搬出入経路・作業形態選定工程と、搬出入作業支援システムに対して、作業エリアモデルを入力する作業エリアモデル入力工程と、設備機器モデルを入力する設備機器モデル入力工程と、設備機器と選定した搬出入経路と作業形態に基づいて選定した搬出入機材モデルを入力する搬出入機材モデル入力工程と、搬出入作業支援システムを使用して、搬出入作業支援システムに入力した各3Dモデルのそれぞれと、選定した搬出入経路と作業形態とに基づく搬出入作業を模擬的に行うアニメーションを作成するアニメーション作成工程と、アニメーションを搬出入作業支援システムにて表示させるアニメーション表示工程とが含まれている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に設定された据付け位置に対する設備機器の搬出入作業が行われる作業エリアと前記設備機器とに基づいて、前記搬出入作業で使用する搬出入経路と作業形態とを選定する搬出入経路・作業形態選定工程と、
前記作業エリアの3Dモデルを搬出入作業支援システムに入力する作業エリアモデル入力工程と、
前記設備機器の3Dモデルを前記搬出入作業支援システムに入力する設備機器モデル入力工程と、
前記設備機器と、前記搬出入経路・作業形態選定工程にて選定した前記搬出入経路と前記作業形態とに基づいて、前記搬出入作業で使用する搬出入機材を選定し、選定した前記搬出入機材の3Dモデルを前記搬出入作業支援システムに入力する搬出入機材モデル入力工程と、
前記搬出入作業支援システムを使用して、当該搬出入作業支援システムに入力した前記3Dモデルのそれぞれと、前記搬出入経路・作業形態選定工程にて選定した前記搬出入経路と前記作業形態とに基づく搬出入作業を模擬的に行うアニメーションを作成するアニメーション作成工程と、
前記アニメーションを前記搬出入作業支援システムにて表示させるアニメーション表示工程とが含まれている設備機器の搬出入作業支援方法。
【請求項2】
前記搬出入経路には、前記建物外に設定される建物外搬出入経路と、前記建物内に設定される建物内搬出入経路とが含まれており、
前記搬出入機材モデル入力工程においては、前記建物外搬出入経路での前記搬出入作業で使用する建物外用搬出入機材と、前記建物内搬出入経路での前記搬出入作業で使用する建物内用搬出入機材とを選定し、選定した前記建物外用搬出入機材の3Dモデルと前記建物内用搬出入機材の3Dモデルとを前記搬出入作業支援システムに入力する請求項1に記載の設備機器の搬出入作業支援方法。
【請求項3】
前記搬出入作業支援システムには、それぞれの前記入力工程にてそれぞれの前記3Dモデルが入力される入力部と、前記アニメーションを作成するアニメーション作成部と、前記3Dモデルと前記アニメーションとを記憶する記憶部と、前記アニメーションを表示する表示部とが備えられている請求項1又は2に記載の設備機器の搬出入作業支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物内に設定された据付け位置に対する冷凍機や空調機などの設備機器の搬出入作業が行われる作業エリアでの設備機器の搬出入作業を支援する設備機器の搬出入作業支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍機や空調機などの設備機器を建物内に設定された据付け位置に搬入する搬入作業や、設備機器を建物内の据付け位置から建物外に搬出する搬出作業を行う場合には、熟練者が、搬出入する設備機器の重量や大きさ、設備機器の搬出入作業が行われる作業エリアの状況、及び、設備機器が搬出入される建物の内部構造や建物内に備えられた既存設備機器などを考慮して、設備機器の搬入計画や搬出計画を立案して計画書を作成する。そして、作成した計画書を承認者や複数の作業者などに見せながら作業内容を説明することで、立案した搬出入作業の作業内容を承認者や複数の作業者などに理解させる、あるいは、搬入作業や搬出作業における設備機器の搬出入手順や搬出入時の注意点などを複数の作業者などに共通認識させるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、計画書では、設備機器の搬出入作業で使用するクレーン車などの搬出入機材、各搬出入機材を使用する作業形態、及び、設備機器の搬出入手順や搬出入時の注意点などが書面で示されているだけであることから、立案した搬出入作業の作業内容を承認者や複数の作業者などに理解させることが難しく、作業内容の説明に多くの時間を費やすようになっている。特に、設備機器の搬出入作業に関する知識や経験が少ないほど、作業イメージをつかみ難く、作業内容を理解し難いことから、作業内容の説明に多くの時間を費やすことになり、搬出入手順や搬出入時の注意点などを共通認識させることが難しくなる。
【0004】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、立案した搬出入作業の作業内容を、承認者や複数の作業者などに、搬出入作業に関する知識や経験にかかわらず短時間で容易に理解させ得るようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、建物内に設定された据付け位置に対する設備機器の搬出入作業が行われる作業エリアと前記設備機器とに基づいて、前記搬出入作業で使用する搬出入経路と作業形態とを選定する搬出入経路・作業形態選定工程と、
前記作業エリアの3Dモデルを搬出入作業支援システムに入力する作業エリアモデル入力工程と、
前記設備機器の3Dモデルを前記搬出入作業支援システムに入力する設備機器モデル入力工程と、
前記設備機器と、前記搬出入経路・作業形態選定工程にて選定した前記搬出入経路と前記作業形態とに基づいて、前記搬出入作業で使用する搬出入機材を選定し、選定した前記搬出入機材の3Dモデルを前記搬出入作業支援システムに入力する搬出入機材モデル入力工程と、
前記搬出入作業支援システムを使用して、当該搬出入作業支援システムに入力した前記3Dモデルのそれぞれと、前記搬出入経路・作業形態選定工程にて選定した前記搬出入経路と前記作業形態とに基づく搬出入作業を模擬的に行うアニメーションを作成するアニメーション作成工程と、
前記アニメーションを前記搬出入作業支援システムにて表示させるアニメーション表示工程とが含まれている点にある。
【0006】
本構成によると、搬出入作業支援システムを使用することにより、立案した設備機器の搬出入作業に関する作業内容などを承認者や複数の作業者などに説明するよりも前の段階で、その搬出入作業を模擬的に行うアニメーションを作成することができ、作成したアニメーションを、設備機器の搬出入作業にかかわる承認者や複数の作業者などに見せることができる。
その結果、立案した設備機器の搬出入作業を行う場合における設備機器の搬出入手順、クレーン車などの各搬出入機材を使用した作業形態、及び、搬出入時の注意点などを、承認者や複数の作業者などに、搬出入作業に関する知識や経験にかかわらず、視覚的に短時間で容易に理解させることができ、共通認識させることができる。
しかも、このように、設備機器の搬出入作業に関する設備機器の搬出入手順や搬出入時の注意点などを事前に共通認識させることにより、実際の作業エリアにおける設備機器の搬入作業や搬出作業を安全に効率良く行うことができ、作業時間の短縮などによる作業効率の向上を図ることができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記搬出入経路には、前記建物外に設定される建物外搬出入経路と、前記建物内に設定される建物内搬出入経路とが含まれており、
前記搬出入機材モデル入力工程においては、前記建物外搬出入経路での前記搬出入作業で使用する建物外用搬出入機材と、前記建物内搬出入経路での前記搬出入作業で使用する建物内用搬出入機材とを選定し、選定した前記建物外用搬出入機材の3Dモデルと前記建物内用搬出入機材の3Dモデルとを前記搬出入作業支援システムに入力する点にある。
【0008】
本構成によると、例えば、設備機器が搬出入される建物の搬出入口付近が建て込んでいるなどの事情により、建物の搬出入口付近でのクレーン車によるトラックに対する設備機器の積み下ろしが行えない場合には、建物の搬出入口から離れたクレーン車による設備機器の積み下ろしが可能な設備機器の積み降ろし位置と建物の搬出入口とにわたる建物外搬出入経路を含む搬出入経路において、建物外用搬出入機材を含む搬出入機材を使用した設備機器の搬出入作業を模擬的に行うアニメーションを作成することができる。
そして、作成したアニメーションを事前に承認者や複数の作業者などに見せることで、建物の搬出入口から離れた設備機器の積み下ろし位置と建物内に設定された設備機器の据付け位置とにわたる設備機器の搬出入手順や搬出入時の注意点などを、承認者や複数の作業者などに、視覚的に短時間で容易に理解させることができ、共通認識させることができる。
その結果、クレーン車によるトラックに対する設備機器の積み下ろし位置が建物の搬出入口から離れる場合であっても、建物内に設定された据付け位置に対する設備機器の搬入作業や搬出作業などを安全に効率良く行うことができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記搬出入作業支援システムには、それぞれの前記入力工程にてそれぞれの前記3Dモデルが入力される入力部と、前記アニメーションを作成するアニメーション作成部と、前記3Dモデルと前記アニメーションとを記憶する記憶部と、前記アニメーションを表示する表示部とが備えられている点にある。
【0010】
本構成によると、設備機器が搬出入される建物や、その周辺に存在する別の建物や道路などを含む作業エリアの3Dモデル、建物内の据付け位置に対して搬出入される設備機器の3Dモデル、及び、設備機器の搬出入作業で使用するクレーン車やフォークリフトあるいはチルホールなどの各搬出入機材の3Dモデルを、搬出入作業支援システムの入力部から搬出入作業支援システムに入力することができる。
そして、搬出入作業支援システムのアニメーション作成部により、入力部から入力した作業エリアや設備機器などの各3Dモデルと、実際の作業エリアや設備機器に基づいて選定した搬出入経路と作業形態とを基に、設備機器の搬出入作業を模擬的に行うアニメーションを作成することができ、作成したアニメーションを、搬出入作業支援システムの表示部により表示して、設備機器の搬出入作業にかかわる承認者や複数の作業者などに見せることができる。
その結果、作業エリアでの設備機器の搬出入手順や搬出入時の注意点などを承認者や複数の作業者などに視覚的に短時間で容易に理解させて共通認識させるためのアニメーションの作成や表示を好適に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】設備機器の搬出入作業支援方法のアルゴリズム
【
図2】搬出入作業支援システムの構成などを示すブロック図
【
図3】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの荷下ろし作業形態を示す斜視図
【
図4】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第1横引き作業形態を示す斜視図
【
図5】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第2横引き作業形態を示す垂直断面図
【
図6】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第3横引き作業形態を示す垂直断面図
【
図7】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第1吊下げ作業形態を示す垂直断面図
【
図8】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第2吊下げ作業形態を示す垂直断面図
【
図9】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第3吊下げ作業形態を示す垂直断面図
【
図10】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第4吊下げ作業形態を示す垂直断面図
【
図11】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第4吊下げ作業形態を示す垂直断面図
【
図12】アニメーション作成部で作成したアニメーションでの第4横引き作業形態を示す垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、本発明に係る設備機器の搬出入作業支援方法を、トラックで搬送された冷凍機や空調機などの設備機器を建物内に設定された据付け位置に搬入する場合に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
尚、本発明に係る設備機器の搬出入作業支援方法は、設備機器を建物内の据付け位置に搬入する場合に限らず、建物内の設備機器を建物外に搬出する場合にも適用することができる。
又、本実施形態では、便宜上、本実施形態で例示する建物や設備機器などに付設する符号と、それらの3Dモデルに付設する符号とを同じにして説明する。
【0013】
図1に示すように、本発明に係る設備機器の搬出入作業支援方法には、搬出入経路・作業形態選定工程と、作業エリアモデル入力工程と、設備機器モデル入力工程と、搬出入機材モデル入力工程と、アニメーション作成工程と、アニメーション表示工程とが含まれている。
以下、
図2~12を参照しながら上記の各工程について説明する。
【0014】
搬出入経路・作業形態選定工程においては、視察などにより、建物B1内に設定された据付け位置Pe(
図12参照)に対する冷凍機や空調機などの設備機器1の搬入作業(搬出入作業の一例)が行われる作業エリアA(
図3参照)や搬入する設備機器(以下、搬入設備機器と称する)1などに関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、搬入作業で使用する搬入経路(搬出入経路の一例)Rと作業形態とを選定する。
【0015】
図3に示すように、本実施形態で例示する作業エリアAにおいては、搬入設備機器1が搬入される建物(以下、搬入先建物と称する)B1と隣り合う建物B2とが接近していて、搬入先建物B1に備えられた設備機器用の搬出入口B1a(
図5参照)付近でのトラック2に対するクレーン車3による搬入設備機器1の荷下ろしが行えないことから、搬入経路Rには、
図3~5に示すように、搬入先建物B1外に設定される建物外搬入経路(建物外搬出入経路の一例)Raと、
図5~12に示すように、搬入先建物B1内に設定される建物内搬入経路(建物内搬出入経路の一例)Rbとが含まれている。
尚、搬入経路Rとしては、搬入先建物B1の搬出入口B1a付近でのトラック2に対するクレーン車3による搬入設備機器1の荷下ろしが可能な場合には、建物内搬入経路Rbのみを有するものであってもよい。
【0016】
図3~5に示すように、建物外搬入経路Raには、トラック2に対するクレーン車3による搬入設備機器1の荷下ろしが可能な道幅の広い第1道路R1から搬入先建物B1の搬出入口B1a付近にわたる第2道路R2が選定され、第2道路R2における第1道路R1との接続端部の所定位置が搬入設備機器1の荷下ろし位置Psに設定されている。第2道路R2は、隣り合う搬入先建物B1と建物B2とに挟まれた道幅の狭い道路であるが、フォークリフト4の走行が可能であることから、荷下ろし位置Psに荷下ろしされた搬入設備機器1を、フォークリフト4などを使用して、荷下ろし位置Psから搬入先建物B1の搬出入口B1a付近に設定した第1中継位置P1(
図5参照)にわたって横引き移動させる横引き移動経路に選定されている。
【0017】
図5~12に示すように、建物内搬入経路Rbには、前述した第1中継位置P1(
図5参照)から搬入先建物B1内における1階1FのマシンハッチB1bの手前に設定した第2中継位置P2(
図6参照)にわたって搬入設備機器1を横引き移動させる第1横引き移動経路Rb1と、前述した第2中継位置P2から第3~5の中継位置P3~5(
図6~10参照)を経由して地下1階B1Fの機械室B1cに設定した第6中継位置P6(
図11参照)にわたって搬入設備機器1を吊下げ搬送する吊下げ搬送経路Rb2と、前述した第6中継位置P6から機械室B1c内に設定した据付け位置Pe(
図12参照)にわたって搬入設備機器1を横引き移動させる第2横引き移動経路Rb3とが選定されている。
【0018】
本実施形態においては、搬入設備機器1の搬入作業で使用する作業形態として、搬入設備機器1をトラック2の荷台から搬入経路Rの荷下ろし位置Psに荷下ろしする際に使用する荷下ろし作業形態(
図3参照)と、搬入設備機器1を建物外搬入経路(横引き移動経路)Raで横引き移動させる際に使用する第1横引き作業形態(
図4参照)と、搬入設備機器1を建物内搬入経路Rbの第1横引き移動経路Rb1で横引き移動させる際に使用する第2~3の横引き作業形態(
図5参照)と、搬入設備機器1を建物内搬入経路Rbの吊下げ搬送経路Rb2で吊下げ搬送する際に使用する第1~5の吊下げ作業形態(
図7~11参照)と、搬入設備機器1を建物内搬入経路Rbの第2横引き移動経路Rb3で横引き移動させる際に使用する第4横引き作業形態(
図12参照)と、搬入設備機器1を据付け位置Peに据付ける際に使用する据付け作業形態とが選定されている。
【0019】
作業エリアモデル入力工程においては、作業エリアAの3Dモデルである作業エリアモデルAがパーソナルコンピュータなどで構成される搬出入作業支援システム30に入力される(
図2~3参照)。
図3に示すように、作業エリアモデルAには、搬入先建物B1の3Dモデルである搬入先建物モデルB1、搬入先建物B1と隣り合う建物B2の3Dモデルである建物モデルB2、及び、第1道路R1や第2道路R2の3Dモデルである第1道路モデルR1や第2道路モデルR2、などが含まれている。搬入先建物モデルB1には、
図6~9に示すように、搬入先建物B1内に設置された既存設備機器21,22の3Dモデルである既存設備機器モデル21,22などが含まれている。
【0020】
建物モデルB2や各道路モデルR1,R2などを含む作業エリアモデルAは、インターネットなどの通信ネットワークを経由して取得した作業エリアAの3D地図データや2D地図データ、又は、3Dレーザスキャナを使用して取得した作業エリアAの点群データ、などを基に、搬出入作業支援システム30に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ40(
図2参照)に備えた3Dモデリングソフトを使用して生成され、このように生成された作業エリアモデルAが搬出入作業支援システム30に入力される。作業エリアモデルAには、作業エリアモデルAを仮想の3D空間に任意設定された所定位置に配置するための位置情報などが含まれている。
【0021】
搬入先建物モデルB1は、搬入先建物B1の施工業者などから入手した3DCADデータや2DCADデータ、又は、3Dレーザスキャナを使用して取得した搬入先建物B1の点群データ、などを基に、前述した3Dモデリングソフトを使用して生成され、このように生成された搬入先建物モデルB1が搬出入作業支援システム30に入力される。搬入先建物モデルB1においては、前述した搬出入口B1aやマシンハッチB1bなどを含む搬入先建物B1の内部構造が忠実に再現されている。搬入先建物モデルB1には、搬入先建物モデルB1を作業エリアA内の所定位置に配置するための位置情報などが含まれている。
【0022】
既存設備機器モデル21,22は、既存設備機器21,22の製造メーカのホームページなどから通信ネットワークなどを経由して取得した既存設備機器21,22の3DCADデータや2DCADデータ、又は、3Dレーザスキャナを使用して取得した既存設備機器21,22の点群データ、などを基に、前述した3Dモデリングソフトを使用して生成され、このように生成された既存設備機器モデル21,22が搬出入作業支援システム30に入力される。既存設備機器モデル21,22には、既存設備機器モデル21,22を搬入先建物B1内の所定位置に配置するための位置情報などが含まれている。
尚、本実施形態においては、既存設備機器モデル21,22として、搬入先建物B1内での設備機器1の搬入作業に支障を来す虞のある既存設備配管21の3Dモデルである設備配管モデル21(
図6~9参照)と既存空調機22の3Dモデルである空調機モデル22(
図9参照)とが例示されている。
【0023】
設備機器モデル入力工程においては、搬入設備機器1の3Dモデルである設備機器モデル1が搬出入作業支援システム30に入力される。設備機器モデル1は、搬入設備機器1の製造メーカのホームページなどから通信ネットワークなどを経由して取得した搬入設備機器1の3DCADデータや2DCADデータ、あるいは、3Dレーザスキャナを使用して取得した搬入設備機器1の点群データ、などを基に、前述した3Dモデリングソフトを使用して生成され、このように生成された設備機器モデル1が搬出入作業支援システム30に入力される。設備機器モデル1には、設備機器モデル1を作業エリアA内に任意設定された所定位置に配置するための位置情報などが含まれている。
【0024】
搬出入機材モデル入力工程においては、作業エリアAでの搬入設備機器1の搬入作業に使用する各種の搬入機材(搬出入機材の一例)3~18が選定され、選定された各搬入機材3~18の3Dモデルである搬入機材モデル3~18が搬出入作業支援システム30に入力される。本実施形態においては、搬入機材3~18として、搬入設備機器1を搬送するトラック2の荷台からの搬入設備機器1の荷下ろしに使用するクレーン車3(
図3参照)、建物外搬入経路Raでの搬入設備機器1の横引き移動に使用するフォークリフト4と左右一対の平台車18(
図3~4参照)、建物内搬入経路Rbでの搬入設備機器1の横引き移動に使用する2台のチルホール5,6(
図5、
図12参照)と4組のチルローラ7~10(
図5~7、
図11~12参照)、搬入設備機器1の吊上げ・吊下げに使用する前後のチェーンブロック11,12(
図5~11参照)と左右一対のチェーンブロック13(
図10~12参照)、前後のチェーンブロック11,12で吊られた搬入設備機器1をチェーンブロック11,12とともにビーム14(
図5~9参照)に沿って水平移動させる前後のトロリ15,16(
図5~9参照)、ビーム14に使用するH形鋼材(
図5~9参照)、及び、移動式の門形吊治具17(
図10~12参照)、などが選定されている。
【0025】
各搬入機材3~18の選定は、搬入設備機器1の重量をはじめとして、各搬入機材3~18の選定に必要な各種の選定条件を基に、各種の選定条件に適した定格荷重などを有する搬入機材3~18が選定される。
例えば、搬入機材3~18がクレーン車3であれば、クレーン車3の選定に必要な選定条件である、搬入設備機器1(吊り荷)の重量や大きさ、搬入設備機器1の荷下ろしに必要な作業半径、搬入設備機器1の荷下ろし高さ(例えば搬入設備機器1の荷下ろし位置が建物の屋上であれば荷下ろし高さは建物の高さとなる)、及び、クレーン車3の旋回中心3aからその付近の建物までの距離、などを基に、これらの選定条件に適した定格荷重やブーム長さなどを有するクレーン車3が選定される。
又、搬入機材3~18がフォークリフト4やチルホール5,6であれば、フォークリフト4やチルホール5,6の選定に必要な選定条件である、搬入設備機器1の重量、チルローラ7~10などを使用して搬入設備機器1を横引き移動させる際の走行抵抗、及び、横引き移動経路の経路幅、などを基に、これらの選定条件に適した牽引力などを有するフォークリフト4やチルホール5,6が選定される。
【0026】
選定された各搬入機材3~18の3Dモデルである各搬入機材モデル3~18は、搬入設備機器1を搬送するトラック2の3Dモデルであるトラックモデル2とともに、それらの製造メーカのホームページなどから通信ネットワークなどを経由して取得した各搬入機材3~18やトラック2の3DCADデータや2DCADデータ、又は、3Dレーザスキャナを使用して取得した各搬入機材3~18やトラック2の点群データ、などを基に、前述した3Dモデリングソフトを使用して生成され、このように生成された各搬入機材モデル3~18とトラックモデル2とが搬出入作業支援システム30に入力される。各搬入機材モデル3~18には、各搬入機材モデル3~18を作業エリアA内や搬入先建物B1内に任意設定されたそれぞれの待機位置や作業位置に配置するための位置情報などとともに、各搬入機材3~18の選定条件が含まれている。トラックモデル2には、トラックモデル2を作業エリアA内に任意設定された所定の停車位置に配置するための位置情報などが含まれている。
【0027】
尚、搬入先建物モデルB1や搬入設備機器モデル1などの各3DモデルB1,1~18などに関しては、それらの3DモデルB1,1~18自体が製造メーカのホームページなどにおいて提供されている場合には、製造メーカのホームページなどから通信ネットワークなどを経由して取得するようにしてもよい。
【0028】
本実施形態においては、搬入機材モデル3~18として、クレーン車3の3Dモデルであるクレーン車モデル3(
図3参照)と、フォークリフト4の3Dモデルであるフォークリフトモデル4(
図3~4参照)と、平台車18の3Dモデルである平台車モデル18(
図3~4参照)と、チルホール5,6の3Dモデルであるチルホールモデル5,6(
図5、
図12参照)と、チルローラ7~10の3Dモデルであるチルローラモデル7~10(
図5~7、
図11~12参照)と、チェーンブロック11~13の3Dモデルであるチェーンブロックモデル11~13(
図5~12参照)と、H形鋼材からなるビーム14の3Dモデルであるビームモデル14(
図5~9参照)と、トロリ15,16の3Dモデルであるトロリモデル15,16(
図5~9参照)と、門形吊治具17の3Dモデルである門形吊治具モデル17(
図10~12参照)などが例示されている。
【0029】
クレーン車モデル3には、旋回台3Aの旋回中心3aやブーム3Bの起伏支点3bなどが基点として設定されており、これにより、旋回中心3aを基点(軸)にした旋回台3Aの旋回角度や、起伏支点3bを基点(軸)にしたブーム3Bの起伏角度などを変更することができる。
【0030】
搬入機材3~18のうち、フォークリフト4や左右一対の平台車18などは、建物外搬入経路Raで使用する建物外用搬入機材(建物外用搬出入機材の一例)として選定され、それらの3Dモデルであるフォークリフトモデル4や左右一対の平台車18などが建物外用搬入機材モデルとして搬出入作業支援システム30に入力される。又、チルホール5,6、4組のチルローラ7~10、チェーンブロック11~13、ビーム14、トロリ15,16、及び、門形吊治具17、などは、建物内搬入経路Rbで使用する建物内用搬入機材(建物内用搬出入機材の一例)として選定され、それらの3Dモデルであるチルホールモデル5,6、チルローラモデル7~10、チェーンブロックモデル11~13、ビームモデル14、トロリモデル15,16、及び、門形吊治具モデル17、などが建物内用搬入機材モデルとして搬出入作業支援システム30に入力される。
【0031】
アニメーション作成工程においては、搬出入作業支援システム30を使用して、前述した各入力工程で搬出入作業支援システム30に入力した作業エリアモデルAや搬入設備機器モデル1などの各3DモデルA,1~18と、搬出入経路・作業形態選定工程にて選定した搬入経路Rと各作業形態とを基に、立案した搬入設備機器1の搬入作業を模擬的に行うアニメーションを作成する。
【0032】
図2に示すように、搬出入作業支援システム30には、前述したそれぞれの入力工程にてそれぞれの3DモデルA,1~18が入力される入力部31と、アニメーションを作成するアニメーション作成部32と、入力された各3DモデルA,1~18や作成したアニメーションなどを記憶する記憶部33と、作成したアニメーションを表示する表示部34とが備えられている。
【0033】
入力部31は、3Dモデリングソフトを備えたパーソナルコンピュータ40に通信可能に接続される通信部などである。アニメーション作成部32は、記憶部33に記憶されたアニメーション作成ソフトであり、予め作成したタイムライン表、及び、搬入設備機器モデル1などの各3DモデルA,1~18に含まれた位置情報(座標)や基点などに基づいて、それぞれの作業位置での作業形態に応じて移動又は変形させた設備機器モデル1や各搬入機材モデル3~18を画像に変換してアニメーションを作成する。アニメーション作成部32で作成したアニメーションは、立案した設備機器1の搬入作業で使用する各搬入機材3~18、設備機器1の搬入手順、及び、各搬入機材3~18を使用した作業形態などの説明、並びに、搬入時の注意点などがテキスト表示又は音声出力されるように作成されている。表示部34は、パーソナルコンピュータに備えられた液晶パネルなどであり、アニメーション作成部32で作成したアニメーションなどを表示する。又、前述したように、各搬入機材モデル3~18にはそれらの選定条件が含まれていることから、搬出入作業支援システム30には、表示部34によるアニメーションの表示中に、いずれかの搬入機材モデル3~18の選定条件を説明する必要が生じた場合には、各搬入機材3~18の選定条件を表示部34に表示させる選定条件表示機能が備えられている。
尚、搬出入作業支援システム30は、表示部34として、搬出入作業支援システム30を構成するパーソナルコンピュータに無線通信可能に接続されたタブレットなどの携帯端末を含むように構成されていてもよい。
【0034】
アニメーション作成部32で作成するアニメーションには、搬出入経路・作業形態選定工程にて選定した各作業形態が含まれており、これらの各作業形態を作業手順に沿って説明すると、選定した各作業形態うち、荷下ろし作業形態は、アニメーションにおいては、
図3に示すように、第1道路R1における第2道路R2との接続部付近に任意設定した作業位置に停車させたクレーン車3を使用して、その付近の停車位置に停車させたトラック2の荷台から、荷台上の搬入設備機器1を、建物外搬入経路Raの荷下ろし位置Psに荷下ろしする作業形態として含まれている。荷下ろし位置Psには、フォークリフト4と左右一対の平台車18とが配備されており、搬入設備機器1は、その搬入方向前側の脚部1Aがフォークリフト4のフォーク4A上に配置され、かつ、搬入方向後側の脚部1Bが左右一対の平台車18上に配置される状態で荷下ろしされる。
尚、クレーン車3の作業位置は、クレーン車3による搬入設備機器1の荷下ろし作業中に、クレーン車3のブームや搬入設備機器1などが周囲の建物などに干渉するのを回避できる位置に設定されている。
【0035】
第1横引き作業形態は、アニメーションにおいては、
図3~5に示すように、荷下ろし位置Psに配備したフォークリフト4と左右一対の平台車18とを使用して、荷下ろし位置Psの搬入設備機器1を、搬入先建物B1の搬出入口B1a付近に設定した第1中継位置P1まで建物外搬入経路(横引き移動経路)Raに沿って横引き移動させる作業形態として含まれている。第1中継位置P1には、左右一対で前後2組のチルローラ7,8が配備されており、第1中継位置P1まで横引き移動された搬入設備機器1は、その搬入方向前側の左右の脚部1Aが、フォークリフト4の左右のフォーク4A上から左右一対の前側チルローラ7上に載せ替えられ、又、その搬入方向後側の左右の脚部1Bが、左右一対の平台車18上から左右一対の後側チルローラ8上に載せ替えられる。
【0036】
第2横引き作業形態は、アニメーションにおいては、
図5~6に示すように、第1中継位置P1に位置する左右一対で前後2組のチルローラ7,8と、搬入先建物B1内における1階1FのマシンハッチB1bの手前に設定した第2中継位置P2に配備したチルホール5とを使用して、第1中継位置P1の搬入設備機器1を第2中継位置P2まで第1横引き移動経路Rb1に沿って横引き移動させる作業形態として含まれている。第2中継位置P2まで横引き移動された搬入設備機器1は、その搬入方向前側の吊元部1Cが、所定の待機位置に配備した前側チェーンブロック11の真下に位置するように設定されている。そして、第2中継位置P2の搬入設備機器1は、その搬入方向前側の吊元部1Cが前側のチェーンブロック11に吊下げ支持される。又、この吊下げ支持に伴って、搬入設備機器1における搬入方向前側の各脚部1Aが載せられていた左右一対の前側チルローラ7が第2中継位置P2から取り除かれる。
【0037】
第3横引き作業形態は、アニメーションにおいては、
図6~7に示すように、第2中継位置P2の搬入設備機器1における搬入方向後側の各脚部1Bが載せられている左右一対の後側チルローラ8と、第2中継位置P2の搬入設備機器1における搬入方向前側の吊元部1Cを吊下げ支持している前側のチェーンブロック11とトロリ15とを使用して、第2中継位置P2の搬入設備機器1を、その搬入方向前側部位が1階1FのマシンハッチB1bに臨む状態になる第3中継位置P3までビーム14に沿って横引き移動させる作業形態として含まれている。第3中継位置P3の搬入設備機器1は、その搬入方向後側の吊元部1Dが、所定の待機位置に配備した後側のチェーンブロック12の真下に位置するように設定されている。そして、第3中継位置P3の搬入設備機器1は、その搬入方向後側の吊元部1Dが後側チェーンブロック12に吊下げ支持される。又、この吊下げ支持に伴って、搬入設備機器1における搬入方向後側の各脚部1Bが載せられていた左右一対の後側チルローラ8が第2中継位置P2から取り除かれる。
【0038】
第1吊下げ作業形態は、アニメーションにおいては、
図7に示すように、第3中継位置P3の搬入設備機器1を吊下げ支持している前後のチェーンブロック11,12とトロリ15,16とを使用して、第3中継位置P3の搬入設備機器1を、その搬入方向前側部位が1階1FのマシンハッチB1bの奥側部位とその上方に配置された既存設備配管との間に位置する状態になる第4中継位置P4までビーム14に沿って吊下げ搬送する作業形態として含まれている。第4中継位置P4の搬入設備機器1は、その搬入方向後側部位が1階1FのマシンハッチB1bからはみ出しており、マシンハッチB1bに通すことができない状態である。
【0039】
第2吊下げ作業形態は、アニメーションにおいては、
図8に示すように、第4中継位置P4の搬入設備機器1を吊下げ支持している前後のチェーンブロック11,12とトロリ15,16のうち、前後のチェーンブロック11,12と後側のトロリ16とを使用して、第4中継位置P4の搬入設備機器1を、その全体を1階1FのマシンハッチB1bに通すことが可能な前下がり姿勢に姿勢変更する作業形態として含まれている。
尚、この第2吊下げ作業形態においては、搬入設備機器1の重心1Eが、後側のチェーンブロック12から垂下したチェーン12Aの延長線上に位置するように設定されている。
【0040】
第3吊下げ作業形態は、アニメーションにおいては、
図9に示すように、第4中継位置P4の搬入設備機器1を吊下げ支持している前後のチェーンブロック11,12とトロリ15,16のうち、前後のチェーンブロック11,12を使用して、第4中継位置P4の搬入設備機器1を、前述した前下がり姿勢に維持しながら、1階1FのマシンハッチB1bを通過させて地下1階B1Fのフロア面近くに設定された第5中継位置P5まで下降させる作業形態として含まれている。第5中継位置P5まで下降した搬入設備機器1は、その前後の吊元部1C,1Dを吊下げ支持している前後のチェーンブロック11,12のうち、前側のチェーンブロック11による吊下げ支持が解除され、その後、搬入設備機器1の搬入方向前側部位が地下1階B1Fの第2横引き移動経路Rb3に向くように、後側のチェーンブロック12から垂下して搬入設備機器1の搬入方向後側を吊下げ支持するチェーン12Aを中心にして向き変更される。そして、向き変更後の搬入設備機器1は、その搬入方向前側の吊元部1Cが、第6中継位置P6に配備した移動式の門形吊治具17に備えられた左右一対のチェーンブロック13に吊下げ支持される。
【0041】
第4吊下げ作業形態は、アニメーションにおいては、
図10~11に示すように、第5中継位置P5の搬入設備機器1における搬入方向後側の吊元部1Dを吊下げ支持する後側のチェーンブロック12と、第5中継位置P5の搬入設備機器1における搬入方向前側の吊元部1Cを吊下げ支持する門形吊治具17と左右一対のチェーンブロック13とを使用して、第5中継位置P5の搬入設備機器1を、前述した前下がり姿勢から水平姿勢に姿勢変更しながら、地下1階B1Fのフロア面に設定された第6中継位置P6まで吊下げ搬送する作業形態として含まれている。第6中継位置P6には、左右一対で前後2組のチルローラ9,10が配備されており、第6中継位置P6の搬入設備機器1は、その搬入方向前側の各脚部1Aが左右一対の前側チルローラ9上に配置され、かつ、搬入方向後側の各脚部1Bが左右一対の後側チルローラ10上に配置される。
【0042】
第4横引き作業形態は、アニメーションにおいては、
図12に示すように、第6中継位置P6に配備した左右一対で前後2組のチルローラ9,10と、機械室B1c内の据付け位置Peに配備したチルホール6とを使用して、第6中継位置P6の搬入設備機器1を、据付け位置Peまで第2横引き移動経路Rb3に沿って横引き移動させる作業形態として含まれている。
【0043】
据付け作業形態は、図示は省略するが、アニメーションにおいては、据付け位置Peまで横引き移動させた搬入設備機器1をジャッキアップして各チルローラ9,10を取り除いた後、搬入設備機器1をジャッキダウンさせて据付け位置Peに据付ける作業形態として含まれている。
【0044】
アニメーション表示工程においては、搬出入作業支援システム30にて作成されたアニメーションが搬出入作業支援システム30の表示部34に表示される。又、表示部34においては、搬入設備機器1の搬入作業で使用している各搬入機材モデル3~18のいずれかを選択すると、各搬入機材モデル3~18の選定に至った選定条件を表示させることができる。
【0045】
つまり、本実施形態で例示した設備機器1の搬出入作業支援方法によると、搬入設備機器1の搬入作業が実際に行われる作業エリアAに存在する搬入先建物B1などの3Dモデルである搬入先建物モデルB1や、その周辺に存在する別の建物モデルB2や各道路モデルR1,R2などを含む作業エリアモデルA、搬入設備機器モデル1、及び、搬入設備機器1の搬入作業で使用するクレーンモデル車3やフォークリフトモデル4あるいはチルホールモデル5,6などの各搬入機材モデル3~18を、搬出入作業支援システム30の入力部31から搬出入作業支援システム30に入力することができる。
【0046】
そして、搬出入作業支援システム30のアニメーション作成部32を使用することにより、入力部31から入力した作業エリアモデルAや搬入設備機器モデル1と、実際の作業エリアAや搬入設備機器1に基づいて選定した搬入経路Rと作業形態とを基に、立案した搬入設備機器1の搬入作業を模擬的に行うアニメーションを、立案した設備機器の搬入作業に関する作業内容などを承認者や複数の作業者などに説明するよりも前の段階で作成し、搬出入作業支援システム30の表示部34にて表示して、搬入設備機器1の搬入作業にかかわる承認者や複数の作業者などに見せることができる。
【0047】
その結果、立案した設備機器1の搬入作業を行う場合における設備機器1の搬入手順、クレーン車3などの各搬入機材3~18を使用した作業形態、及び、搬入時の注意点などを、承認者や複数の作業者などに、搬入作業に関する知識や経験にかかわらず、視覚的に短時間で容易に理解させることができ、共通認識させることができる。
【0048】
しかも、このように、設備機器1の搬入作業に関する設備機器1の搬入手順や搬入時の注意点などを事前に共通認識させることにより、実際の作業エリアAにおける設備機器1の搬入作業を安全に効率良く行うことができ、作業時間の短縮などによる作業効率の向上を図ることができる。
【0049】
特に、前述したように、搬入設備機器1が搬入される搬入先建物B1と隣り合う建物B2が、搬入先建物B1に備えられた設備機器用の搬出入口B1aに接近しているなどの事情により、搬入先建物B1の搬出入口B1a付近でのトラック2に対するクレーン車3による搬入設備機器1の荷下ろしが行えない場合には、搬入先建物B1の搬出入口B1aから離れたクレーン車3による搬入設備機器1の荷下ろしが可能な搬入設備機器1の荷降ろし位置Psと搬入先建物B1の搬出入口B1aとにわたる建物外搬入経路Raを含む搬入経路Rの全体において、建物外用搬入機材4,18を含む各搬入機材3~18を使用した搬入設備機器1の搬入作業を模擬的に行うアニメーションを作成することができる。
【0050】
そして、作成したアニメーションを事前に承認者や複数の作業者などに見せることで、搬入先建物B1の搬出入口B1aから離れた搬入設備機器1の荷下ろし位置Psと搬入先建物B1内に設定された搬入設備機器1の据付け位置Peとにわたる搬入設備機器1の搬入手順や搬入時の注意点などを、承認者や複数の作業者などに、視覚的に短時間で容易に理解させることができ、共通認識させることができる。
【0051】
その結果、クレーン車3によるトラック2に対する搬入設備機器1の荷下ろし位置Psが搬入先建物B1の搬出入口B1aから離れる場合であっても、搬入先建物B1内に設定された据付け位置Peに対する搬入設備機器1の搬入作業を安全に効率良く行うことができる。
【0052】
しかも、前述したように、搬出入作業支援システム30には選定条件表示機能が備えられていることから、搬入設備機器1の搬入作業を模擬的に行うアニメーションを搬出入作業支援システム30の表示部34にて表示している状態において、いずれかの搬入機材モデル3~18の選定に至った理由などを説明する必要が生じた場合には、その搬入機材モデル3~18の選定に至った選定条件を表示部34にて表示することができ、各搬入機材モデル3~18の選定に至った理由などの説明が行い易くなる。
【符号の説明】
【0053】
1 設備機器(設備機器モデル)
3 クレーン車(クレーン車モデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
4 フォークリフト(フォークリフトモデル、搬出入機材、建物外用搬出入機材)
5 チルホール(チルホールモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
6 チルホール(チルホールモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
7 チルローラ(チルローラモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
8 チルローラ(チルローラモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
9 チルローラ(チルローラモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
10 チルローラ(チルローラモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
11 チェーンブロック(チェーンブロックモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
12 チェーンブロック(チェーンブロックモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
13 チェーンブロック(チェーンブロックモデル、搬出入機材、建物内用搬出入機材)
14 ビーム(ビームモデル、搬出入機材)
15 トロリ(トロリモデル、搬出入機材)
16 トロリ(トロリモデル、搬出入機材)
17 門形吊治具(モデル、搬出入機材)
18 平台車(平台車モデル、搬出入機材、建物外用搬出入機材)
30 搬出入作業支援システム
31 入力部
32 アニメーション作成部
33 記憶部
34 表示部
A 作業エリア(作業エリアモデル)
B1 建物(搬入先建物モデル)
Pe 据付け位置
R 搬出入経路
R1 建物外搬出入経路
R2 建物内搬出入経路