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特開2024-61087電気的接触子、電気的接続構造及び電気的接続装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024061087
(43)【公開日】2024-05-07
(54)【発明の名称】電気的接触子、電気的接続構造及び電気的接続装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20240425BHJP
   G01R 1/067 20060101ALI20240425BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20240425BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20240425BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240425BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20240425BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R1/067 A
G01R31/26 J
G01R31/28 K
H01L21/66 B
H01R13/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168798
(22)【出願日】2022-10-21
(71)【出願人】
【識別番号】000153018
【氏名又は名称】株式会社日本マイクロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】梅田 竜一
(72)【発明者】
【氏名】河野 翔
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
2G132
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AG03
2G003AG04
2G003AH04
2G003AH05
2G011AA02
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AB03
2G011AB07
2G011AC14
2G011AE03
2G011AF07
2G132AF02
2G132AF03
2G132AL09
2G132AL11
4M106AA01
4M106DD03
4M106DD09
4M106DD10
(57)【要約】
【課題】コンタクト時に特定のアームの摩耗を抑制でき、電気的接触子の全長を短くして周波数特性を維持したまま、アームの撓み量を調整することができるようにする。
【解決手段】本発明は、垂直型の電気的接触子において、被検査体の電極端子に対して電気的に接触する第1接触部を有する第1基部と、電極部に対して電気的に接触する第2接触部を有する第2基部と、第1基部と第2基部とのそれぞれと連結させた板状部材を分岐させた複数のアーム部を含む複数の弾性部材とを備え、複数の弾性部材のそれぞれが、第1基部及び第2基部の厚み方向に、並べられて設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直型の電気的接触子において、
被検査体の電極端子に対して電気的に接触する第1接触部を有する第1基部と、
電極部に対して電気的に接触する第2接触部を有する第2基部と、
前記第1基部と前記第2基部とのそれぞれと連結させた板状部材を分岐させた複数のアーム部を含む複数の弾性部材と、
を備え、
前記複数の弾性部材のそれぞれが、前記第1基部及び前記第2基部の厚み方向に、並べられて設けられていることを特徴とする電気的接触子。
【請求項2】
前記複数の弾性部材のそれぞれは、前記複数のアーム部により形成された開口部を有する環状部材であることを特徴とする請求項1に記載の電気的接触子。
【請求項3】
それぞれの前記アーム部の断面形状が、前記アーム部毎に、又は前記環状部材毎に、接触荷重を受けて変形する変形量を調整できるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電気的接触子。
【請求項4】
前記開口部の上端の開口形状と下端の開口形状とが異なった形状であることを特徴とする請求項2に記載の電気的接触子。
【請求項5】
支持基板に形成される貫通孔と、
前記貫通孔に挿通され、一方の先端が電極部に接触し、他方の先端が被検査体の電極端子に接触する電気的接触子と
を備え、
前記電気的接触子が、
前記被検査体の前記電極端子に対して電気的に接触する第1接触部を有する第1基部と、
前記電極部に対して電気的に接触する第2接触部を有する第2基部と、
前記第1基部と前記第2基部とのそれぞれと連結させた板状部材を分岐させた複数のアーム部と、開口部とを有する複数の弾性部材と、
を有し、
前記複数の弾性部材のそれぞれが、前記第1基部及び前記第2基部の厚み方向に、並べられて設けられている
ことを特徴とする電気的接続構造。
【請求項6】
複数の電気的接触子を支持する支持基板を備え、被検査体と検査装置との間を電気的に接続する電気的接続装置において、請求項1~4のいずれかに記載の電気的接触子の電気的接触構造を有する電気的接続装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接触子、電気的接続構造及び電気的接続装置に関し、例えば、ウェハ上に形成された各半導体集積回路の通電試験等の電気的検査に用いられる電気的接続装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
ウェハ上の各半導体集積回路(被検査体)の電気的検査では、テストヘッドに、複数のプローブを有するプローブカード(電気的接続装置)を取り付けた検査装置(テスター)が用いられる。検査の際、プローブカードのプローブと半導体集積回路の電極端子とを電気的に接触させる。そして、テスター本体部がプローブを介して半導体集積回路に電気信号を供給し、またプローブを介して半導体集積回路からの電気信号をテスター本体部が解析することで電気的検査を行なう。
【0003】
特許文献1には、垂直型プローブカードに搭載された垂直型プローブが開示されている。垂直型プローブは、第1接触部分と第2接触部分と分岐部分とを備え、分岐部分がリング形状の穿孔を備える。垂直型プローブがプローブカードにセットされる際、第1プローブ基板の第1貫通孔に、垂直型プローブの第1接触部分と分岐部分とを挿入し、第1プローブ基板と第2プローブ基板との間に分岐部分が保持されるようにする。このように、リング形状の穿孔を有する分岐部分がプローブカード本体内に保持されることで、コンタクト時に、オフセット無しで、垂直型プローブは弾性を発揮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2019/0212367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、プローブの狭ピッチ化の要望が高まっており、プローブ基板における垂直型プローブを収容する貫通孔(上述の例の場合、第1プローブ基板の第1貫通孔)の直径が小さくなる傾向にある。また、垂直型プローブを介して伝達される検査信号の周波数特性を改善して、検査装置の検査精度を向上させるため、プローブの全長を短くすることが望まれている。
【0006】
しかしながら、プローブを形成する際の加工誤差により、垂直型プローブの分岐部分における2本のアームのそれぞれの幅が異なる場合がある。そうすると、コンタクト時に、いずれか一方のアームが大きく撓んでしまい、貫通孔の壁面に強く当たってしまい、アームが摩耗してしまうという問題が生じ得る。
【0007】
また、アームの撓み量を少なく調整するために、アームにおける荷重をコントロールすることも考えられる。しかし、垂直プローブの全長を短くする傾向にあるため、荷重をコントロールできる部位が少なく、撓み量の調整が難しい。他方、垂直型プローブの全長を長くして、荷重をコントロールできる部位を新たに設けた場合、周波数特性が低下してしまうという問題も生じ得る。
【0008】
そのため、コンタクト時に特定のアームの摩耗を抑制でき、電気的接触子の全長を短くして周波数特性を維持したまま、アームの撓み量を調整することができる電気的接触子、電気的接続構造及び電気的接続装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、垂直型の電気的接触子において、被検査体の電極端子に対して電気的に接触する第1接触部を有する第1基部と、電極部に対して電気的に接触する第2接触部を有する第2基部と、第1基部と第2基部とのそれぞれと連結させた板状部材を分岐させた複数のアーム部を含む複数の弾性部材とを備え、複数の弾性部材のそれぞれが、第1基部及び第2基部の厚み方向に、並べられて設けられていることを特徴とする。
【0010】
第2の本発明は、支持基板に形成される貫通孔と、貫通孔に挿通され、一方の先端が電極部に接触し、他方の先端が被検査体の電極端子に接触する電気的接触子とを備え、電気的接触子が、被検査体の電極端子に対して電気的に接触する第1接触部を有する第1基部と、電極部に対して電気的に接触する第2接触部を有する第2基部と、第1基部と第2基部とのそれぞれと連結させた板状部材を分岐させた複数のアーム部と、開口部とを有する複数の弾性部材とを有し、複数の弾性部材のそれぞれが、第1基部及び第2基部の厚み方向に、並べられて設けられていることを特徴とする電気的接続構造である。
【0011】
第3の本発明は、複数の電気的接触子を支持する支持基板を備え、被検査体と検査装置との間を電気的に接続する電気的接続装置において、第1の本発明の電気的接触子の電気的接触構造を有する電気的接続装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンタクト時に特定のアームの摩耗を抑制でき、電気的接触子の全長を短くして周波数特性を維持したまま、アームの撓み量を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の電気的接触子の構成を示す斜視図である。
図2】実施形態の電気的接触子の正面図である。
図3】実施形態の電気的接触子の平面図である。
図4】実施形態の電気的接触子の側面図である。
図5】実施形態に係る電気的接続装置の主要構成を示す平面図である。
図6】実施形態の電気的接続装置の主要構成を示す正面図である。
図7】実施形態のプローブ組立体に保持されるコンタクト前とコンタクト時の電気的接触子の構成を示す構成図である。
図8図8(A)は変形実施形態の電気的接触子の構成を示す斜視図、図8(B)は電気的接触子の平面図である。
図9図9(A)は、変形実施形態の電気的接触子の構成を示す斜視図、図9(B)は、電気的接触子の平面図である。
図10図9の電気的接触子のコンタクト時のアーム部の撓みを説明する説明図である。
図11】変形実施形態の電気的接触子の正面図である(その1)。
図12】変形実施形態の電気的接触子の正面図である(その2)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る電気的接触子、電気的接続構造及び電気的接続装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
この実施形態では、本発明を利用して、半導体ウェハ上に形成された複数の半導体集積回路の電気的特性の検査(例えば通電検査等)を行なう検査装置(以下では、「テスター」とも呼ぶ。)に取り付けられる電気的接続装置に適用する場合を例示する。
【0016】
「電気的接続装置」は、被検査体の各電極と電気的に接触する複数の電気的接触子を有し、被検査体と検査装置(テスター)のテスター本体部とを電気的に接続する。電気的接続装置は、例えばプローブカード等であり、この実施形態では、垂直型プローブカードである場合を例示し、電気的接触子は、垂直型プローブである場合を例示する。
【0017】
「被検査体」は、検査装置が電気的特性を検査する対象物であり、例えば、集積回路、半導体ウェハ等を示す。「半導体ウェハ」は、ウェハに回路パターンが形成された複数の集積回路を有し、ダウジング前の状態を想定する。
【0018】
(A-1-1)電気的接続装置の構成
図5は、実施形態に係る電気的接続装置の主要構成を示す平面図である。図6は、実施形態の電気的接続装置の主要構成を示す正面図である。
【0019】
図5及び図6において、実施形態に係る電気的接続装置1は、配線基板2と、接続基板3と、プローブ組立体5とを有する。
【0020】
なお、図5及び図6の電気的接続装置1は、主要な構成部材を図示しているが、これらの構成部材に限定されるものではなく、実際は、図示してない構成部材も備える。また、以下では、図6中の上下方向に着目して、「上」、「下」を言及する。
【0021】
電気的接続装置1は、図示しない検査装置(テスター)のテストヘッドに装着されて、検査時に、被検査体15の各電極端子16に対して、対応する電気的接触子21を電気的に接触させて、図示しないテスター本体部と被検査体15との間を電気的に接続させる。
【0022】
電気的接続装置1は、検査の際、テスター本体部からの電気信号を、電気的接触子21を介して被検査体15の電極端子16に供給し、また電気的接触子21を介して被検査体15からの電気信号をテスター本体部に与える。このように、被検査体15とテスター本体部との間を電気的接続装置1が電気的に接続することで、被検査体15の電気的特性をテスター本体部が検査できる。
【0023】
被検査体15は、例えば、多軸ステージなどの検査ステージと接続しているチャックの上面に置かれ、検査ステージの駆動により、チャック上の被検査体15の位置が調整可能となっている。例えば、検査の際、チャック上の被検査体15と、電気的接続装置1の配線基板2の下面とを相対的に近づけて、被検査体15の各電極端子16と、対応する電気的接触子21の接触部とが電気的に接触するようにする。
【0024】
[配線基板2]
配線基板2は、例えばポリイミド等の樹脂材料で形成されたものであり、例えば略円形板状に形成されたプリント基板等である。配線基板2の一方の面(例えば、上面)の中央部には、矩形の開口7が形成されている。矩形の開口7は、配線基板2の板厚方向(Z軸方向)を貫通する開口であり、開口7には接続基板3が取り付けられる。また、配線基板2の一方の面において、多数の接続部(図示しない)が整列して形成されている。
【0025】
さらに、配線基板2の外縁部には、テスター本体部の電気回路と接続する複数のテスター接続部8が形成されている。配線基板2の一方の面における各接続部は、配線基板2の導電路(図示しない)を経て電気的に接続されている。
【0026】
[接続基板3]
接続基板3は、電気絶縁材料により形成される基板であり、配線基板2の開口7に取り付けられる。接続基板3は、開口7内に収容される矩形板状の矩形部11と、矩形部11の一方の面(例えば、上面)において矩形部11の外縁部に張り出す矩形の環状フランジ12とを有する。
【0027】
矩形部11は配線基板2の開口7内に収められ、開口7の縁部に環状フランジ12が載置された状態で、複数のねじ部材13により、環状フランジ12が配線基板2に取り付けられる。
【0028】
矩形部11は、基板の厚み方向(Z軸方向、板厚方向)に複数の貫通孔14が形成されている。それぞれの貫通孔14は、被検査体15の電極端子16の位置と対応して形成されている。
【0029】
それぞれの配線の一端は、接続基板3の各貫通孔14に挿入され、配線基板2の他方の面(例えば、下面)の配線パターンを介して、対応の電気的接触子21と電気的に接続している。また、それぞれの配線の他端は、対応する接続部と接続している。したがって、それぞれの電気的接触子21は、配線を通じて接続部と接続し、接続部及びテスター接続部8を経て、テスター本体部の電気回路と接続する。
【0030】
なお、各貫通孔14に挿入された各配線の一端の先端は、対応の各電気的接触子21と電気的に接続可能であればよく、例えば上述したように、配線基板2の配線パターンを介して、配線の一端が電気的接触子21と接続する。また別の方法として、配線の一端が、直接的に、対応する各電気的接触子21と接続してもよい。さらに別の方法として、配線基板2(又は接続基板3)に設けた導電路及び接続端子を介して、配線の一端が間接的に各電気的接触子21と接続してもよい。
【0031】
[プローブ組立体5]
プローブ組立体5は、複数の電気的接触子21を保持する部材である。プローブ組立体5は、複数の電気的接触子21を支持する支持基板を備えており、支持基板は、被検査体15の複数の電極端子16のそれぞれの位置と対応する位置に貫通孔71を備えている。
【0032】
支持基板に設けた複数の貫通孔71のそれぞれに、電気的接触子21を収容して、プローブ組立体5は、複数の電気的接触子21を保持する。
【0033】
なお、プローブ組立体5は、電気的絶縁性の材料で形成された板状部材である。それぞれの電気的接触子21の先端部が、対応する被検査体15の電極端子16に対して電気的に接触できるようにするため、プローブ組立体5は接続基板3の他方の面(例えば、下面)に取り付けられる。
【0034】
(A-1-2)電気的接触子21の詳細な構成
図1は、実施形態に係る電気的接触子21の構成を示す斜視図である。図2は、電気的接触子21の正面図、図3は、電気的接触子21の平面図、図4は、電気的接触子21の側面図である。
【0035】
なお、説明便宜上、図1図4に例示する電気的接触子21のサイズ、線径、長さ、幅長、厚さ等は強調表示をしており、図示するものに限定されない。
【0036】
図1図4において、電気的接触子21は、第1接触部56、第2接触部57、第1連結部(「第1基部」とも呼ぶ。)55、第2連結部(「第2基部」とも呼ぶ。)62、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54を有する。
【0037】
電気的接触子21は、全体として、導電性材料で形成され、上下方向(Z軸方向)に弾性を持つ垂直型プローブである。電気的接触子21は、被検査体15の電極端子16と、テスター本体部との間を電気的に接続させるため、検査の際、被検査体15の電極端子16と、配線基板2の下面に形成された配線パターンとに電気的に接触する。
【0038】
電気的接触子21において、第1接触部56は、被検査体15の電極端子16と電気的に接触する部分であり、第2接触部57は、配線基板2の配線パターンと電気的に接触する部分である。
【0039】
第1連結部55は、第1接触部56と一体的に連なって形成された部分である。第1連結部55は、その断面が略四角形である角柱形状であり、第1接触部56が存在している端部の反対側の端部(例えば、電気的接触子21のセット時の第1連結部55の上端部)は、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54のそれぞれと連結する。なお、第1連結部55の形状は、角柱に限定されず、円柱状、円錐状、多角錐、四角以外の多角柱であってもよい。
【0040】
第2連結部62は、第2接触部57と一体的に連なって形成された部分であり、第2接触部57を設ける土台部分として機能する。また、第2連結部62は、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54と連結する部分として機能する。
【0041】
第1連結部55から第2連結部62に向けて(又は、第2連結部62から第1連結部55に向けて)、部材が一体的に連続して分岐している。この分岐した部材が、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54である。
【0042】
第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54はそれぞれ、細幅、薄厚の板状部材である。
【0043】
図2及び図3に示すように、第1アーム部51と第3アーム部53は、電気的接触子21の軸Lに対して右側に設けられ、電気的接触子21の厚み方向T(例えば、Y軸方向)に並べて設けられている。
【0044】
他方、第2アーム部52と第4アーム部54は、軸Lに対して左側に設けられ、電気的接触子21の厚み方向T(例えば、Y軸方向)に並べて設けられている。
【0045】
図1図4に示すように、第1アーム部51と第2アーム部52とに着目すると、第1アーム部51及び第2アーム部52は、電気的接触子21の一方の表面側であって、当該一方の表面に対して段差がなくフラット(すなわち面一)に設けられている。
【0046】
つまり、板状の電気的接触子21の一方の表面と同一平面上で、第1アーム部51と第2アーム部52が1組となり、開口部60を有する環状部材を形成する。
【0047】
第1アーム部51と第2アーム部52と、第1アーム部51と第2アーム部52により形成される開口部60とを有する環状部材は、接触荷重を受けたときに、第1アーム部51と第2アーム部52とが蓄勢して、上下方向の弾性を発揮する。そのため、環状部材を弾性部材とも呼ぶ。
【0048】
なお、開口部60は、例えば長孔の開口としているが、両方のアーム部が弾性を持つ構造であれば、開口部60は、スリット、穿孔等であってもよい。
【0049】
同様に、第3アーム部53と第4アーム部54とに着目すると、第3アーム部53及び第4アーム部54は、電気的接触子21の他方の表面側であって、当該他方の表面に対して段差がなくフラット(すなわち面一)に設けられている。つまり、板状の電気的接触子21の他方の表面と同一平面上で、第3アーム部53と第4アーム部54が1組となり、開口部60を有する環状部材を形成している。
【0050】
言い換えると、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54はそれぞれ、第1連結部55と第2連結部62との間で、電気的接触子21の軸Lに対して左右(例えば、X軸方向)に分岐した板状部材であり、同じ側にあるアーム部(例えば、第1アーム部51と第3アーム部53)は、電気的接触子21の厚み方向Tに設けられる。
【0051】
また、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54は、電気的接触子21の厚み方向Tを含む面に対して垂直方向に設けられる。
【0052】
さらに、第1アーム部51と第2アーム部52はそれぞれ、電気的接触子21の一方の表面側で分岐しており、第1アーム部51と第2アーム部52が開口部60を有する環状を形成している。同様に、第3アーム部53と第4アーム部54それぞれ、電気的接触子21の他方の表面側で分岐しており、第3アーム部53と第4アーム部54が開口部60を有する環状を形成している。
【0053】
一般的に、垂直型プローブを用いる場合、上下方向の弾性を垂直型プローブに発揮させることは難しい。従来、垂直型プローブに上下方向の弾性を機能させるために、例えばニードル型のプローブであれば、傾けたり、撓ませたりする必要がある。
【0054】
これに対して、実施形態の電気的接触子21は、例えば第1アーム部51と第2アーム部52が環状(又は穿孔)を形成することで、上下方向の弾性を発揮させることができる。
【0055】
また、垂直型プローブの電気的接触子21は、被検査体15の電極端子16に対する位置合わせが簡単になり、検査精度の向上にもつながる。
【0056】
図4に示すように、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54はそれぞれ、薄厚の板状部材であるため、例えば第1アーム部51と第3アーム部53のように、同じ側に存在するアーム部の間に隙間61があり、電気的接触子21は左右方向(例えば、X軸方向)に貫通している。
【0057】
ここで、厚み方向Tに設けられる、第1アーム部51、第2アーム部52、第3アーム部53、第4アーム部54を支持する、第1連結部55と第2連結部62は、電気的接触子21の厚み調整を行なう機能を備える。
【0058】
例えば、第1連結部55と第2連結部62の厚みを薄くすることで、隙間61の長さを短くできる。そのため、被検査体15の電極端子16の狭ピッチ化に対応させるため、プローブ組立体5の基板に設ける貫通孔の直径を小さくした場合でも対応可能となる。また、逆に、第1連結部55と第2連結部62の厚みを厚くすることができ、例えばアーム部の隙間61を長くしたり、アーム部の数を増加させたりすることができる。
【0059】
(A-2)電気的接触子21の電気的接続構造
【0060】
(A-2-1)コンタクト前の電気的接触子21の構成
次に、プローブ組立体5に保持される電気的接触子21の電気的接続構造を説明する。
【0061】
図7(A)は、プローブ組立体5に保持される、コンタクト前の電気的接触子21の構成を示す構成図であり、図7(B)は、コンタクト時の電気的接触子21の構成を示す構成図である。
【0062】
まず、図7(A)を用いて、プローブ組立体5に保持される、コンタクト前の電気的接触子21の構成を説明する。
【0063】
図7(A)において、プローブ組立体5は、第1支持基板(「トップ板」又は「上段板」とも呼ぶ。)72と、第2支持基板(「ボトム板」又は「下段板」とも呼ぶ。)74を備える。また、プローブ組立体5は、複数の電気的接触子21のそれぞれを収容するため、複数の貫通孔71を有する。
【0064】
プローブ組立体5において、貫通孔71は、被検査体15の電極端子16の位置に対応する位置に形成されており、被検査体15の電極端子16の数と同じ数だけ、貫通孔71は形成される。
【0065】
プローブ組立体5の貫通孔71は、第1支持基板72と第2支持基板74との厚み方向に形成されており、第1支持基板72の第1支持孔711から第2支持基板74の第2支持孔712に向けて貫通している。また、貫通孔71の内壁面を壁面73と呼ぶ。
【0066】
ここで、板状の電気的接触子21の上下方向の弾性を確保しながら、電気的接触子21を収容できるのであれば、貫通孔71の孔形状は、例えば、平面視野で、円形、長孔、楕円形、四角形等とすることができる。
【0067】
言い換えると、貫通孔71の孔形状に合わせて、第1支持基板72の第1支持孔711の孔形状も、例えば、平面視野で、円形、長孔、楕円形、四角形等とすることができる。
【0068】
第1支持基板72の第1支持孔711の大きさは、電気的接触子21の差し込み可能な大きさとすることができる。例えば、第1支持孔711の平面視野の孔形状が円形であるとき、第1支持孔711の直径は、電気的接触子21の幅長と同程度、又はわずかに大きくすることができる。
【0069】
他方、第2支持基板74の第2支持孔712の孔形状は、電気的接触子21の第1連結部55の断面形状に合わせた形状とし、例えば、平面視野で、円形、長孔、楕円形、四角形等とすることができる。
【0070】
第2支持基板74の第2支持孔712の大きさは、電気的接触子21の第1連結部55の差し込み可能な大きさとすることができる。例えば、第2支持孔712の平面視野の孔形状が円形であるとき、第2支持孔712の直径は、電気的接触子21の第1連結部55の幅長と同程度、又はわずかに大きくすることができる。
【0071】
次に、プローブ組立体5の貫通孔71への電気的接触子21の挿通方法を例示する。貫通孔71への電気的接触子21の挿通方法は、以下に限定されるものではない。
【0072】
例えば、第1支持基板72の第1支持孔711側から電気的接触子21を挿通することができる。その場合、電気的接触子21の第1接触部56を、第1支持基板72の第1支持孔711に差し込み、その後、電気的接触子21の第1アーム部51~第4アーム部54を第1支持孔711に差し込む。
【0073】
そして、電気的接触子21が貫通孔17に十分挿入されると、電気的接触子21の第1接触部56及び第1連結部55を、第2支持基板74の第2支持孔712に挿通する。このようにして、電気的接触子21を貫通孔17に挿通でき、貫通孔17の内部に電気的接触子21を保持することができる。
【0074】
ここで、貫通孔71への電気的接触子21の挿入をスムーズにするため、電気的接触子21の第1アーム部51~第4アーム部54はそれぞれ、第1連結部55との境界付近に、斜面部592を有している。
【0075】
例えば、同一組の第1アーム部51と第2アーム部52を用いて説明すると、第1アーム部51の斜面部592と第2アーム部52の斜面部592とは、第1連結部55に近づくにつれ、先が細くなるような斜面となっている。
【0076】
第3アーム部53と第4アーム部54についても、同様に斜面部592を有しており、第1支持基板72の第1支持孔711に電気的接触子21を差し込む際に、第1アーム部51~第4アーム部54の斜面部592が第1支持孔711の縁に接触しても、斜面部592が第1支持孔711の縁を滑り、スムーズに差し込むことができる。
【0077】
また、電気的接触子21の第1アーム部51~第4アーム部54はそれぞれ、第2連結部62との境界付近にも、斜面部581を有している。
【0078】
例えば、同一組の第1アーム部51と第2アーム部52の場合、第1アーム部51の斜面部581と第2アーム部52の斜面部581とは、第2連結部62に近づくにつれ、先が細くなるような斜面となっている。この場合も、電気的接触子21の挿入をスムーズにできる。
【0079】
図1図4に示すように、電気的接触子21の抜け落ちを防ぐため、貫通孔71内における第2支持基板74は、第2支持孔712の周縁に、電気的接触子21を支持する支持部741を備える。
【0080】
他方、電気的接触子21の第1アーム部51~第4アーム部54はそれぞれ、貫通孔71内で、第2支持基板74の支持部741によって支持される被支持部591を有する。
【0081】
つまり、貫通孔17内に電気的接触子21が挿通されると、第1アーム部51~第4アーム部54の被支持部591がストッパとして機能し、第2支持基板74の支持部741に、第1アーム部51~第4アーム部54の被支持部591が引っ掛かり、電気的接触子21の抜け落ちを防ぐことができる。
【0082】
(A-2-2)コンタクト時の電気的接触子21の構成
次に、図7(B)を用いて、コンタクト時の電気的接触子21の構成を説明する。
【0083】
図7(B)に例示するように、検査の際、プローブ組立体5の貫通孔71に電気的接触子21が収容された状態で、電気的接触子21が押圧される。そうすると、電気的接触子21の第1接触部56が、被検査体15の電極端子16に接触し、電気的接触子21の第2接触部57が、配線基板2の配線パターンに接触する。
【0084】
コンタクト荷重が電気的接触子21に加わると、第1アーム部51~第4アーム部54のそれぞれに荷重が加わる。そうすると、第1アーム部51~第4アーム部54はそれぞれ外側に凸となるように変形(例えば、撓みなど)して蓄勢する。このとき、独立して弾性を発揮する第1アーム部51~第4アーム部54はそれぞれ、貫通孔71の壁面73に接触しながら変形する。
【0085】
従来は、特定の1本のアーム部が壁面に強く当たってしまい、その特定のアーム部だけが摩耗してしまっていた。しかし、この実施形態によれば、複数のアーム部(第1アーム部51~第4アーム部54)は、壁面73への接触を抑えることができ、さらに厚み方向にアーム部を並べて配置することで摩擦力を分散することができるので、電気的接触子21の摩耗を抑制できる。
【0086】
また、近年、周波数特性の改善のため、全長が短い電気的接触子が要求されており、アーム部にかかる荷重をコントロールすることが難しくなっている。しかし、複数のアーム部を備える電気的接触子21は、第1アーム部51~第4アーム部54に荷重を分散させることができるので、アーム部への荷重をコントロールしやすく、アーム部の撓み量を調整しやすくなる。
【0087】
アーム部の撓み量を調整する方法としては、アーム部の断面形状を、アーム毎に、又は環状部材毎に変える方法を適用できる。例えば、アーム部の幅、又は厚さを大きくするなどして、アーム部の撓み量を少なく調整することができる。その場合、荷重調整対象とするアーム部が、複数存在するので(例えば、第1アーム部51~第4アーム部54)従来よりも撓み量の調整しやすくなる。また例えば、アーム部の断面形状(幅、厚さ)を、アーム部毎又は環状部材毎に調整できる。
【0088】
また、環状部材における、開口部60の上端の形状と下端の形状とがそれぞれ異なるようにしてもよい。この場合も、当該開口部60を形成しているアーム部の撓み量を調整することができる。例えば、開口部60の上端、下端の形状としては、正面視野で、楕円形、円形、角が丸められた角形等とすることができるが、上端、下端の形状を異なるようにできる。又例えば、開口部60の上端の幅(X軸方向の長さ)と、下端の幅とが異なる長さとなるようにすることができる。
【0089】
(A-3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、電気的接触子21の軸Lに対して左右両側に、分岐部材としての複数のアーム部(第1アーム部51~第4アーム部54)を厚み方向に設けることにより、コンタクト時に、複数のアーム部が貫通孔の壁面73に当たるので、摩擦力を分散できる。その結果、特定のアーム部だけが摩耗することを抑制できる。
【0090】
また、この実施形態によれば、全長を短くしても、アーム部にかかる荷重を調整できるので、周波数特性を維持したまま、アーム部の撓み量を調整することができる。
【0091】
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0092】
(B-1)上述した実施形態では、電気的接触子21が、4個のアーム部(第1アーム部51~第4アーム部54)を備える場合を例示した。しかし、電気的接触子21の構成は、これに限定されず、以下のような構成を備えるようにしてもよい。
【0093】
(B-1-1)図8(A)は、変形実施形態の電気的接触子21Aの構成を示す斜視図、図8(B)は、電気的接触子21Aの平面図である。
【0094】
図8(A)、図8(B)に例示する電気的接触子21Aは、第1連結部55及び第2連結部62の厚さを厚くして、電気的接触子21Aの左側に4個のアーム部81,83,85,87を厚み方向に設け、右側に4個のアーム部82,84,86,88を厚み方向に設ける。すなわち、電気的接触子21Aは、4組の環状部材を備える。
【0095】
このように、本発明の電気的接触子は、左側及び右側のそれぞれにおいて、複数のアーム部を厚み方向に備えるものであれば、その数は特に限定されない。言い換えると、電気的接触子は、2個のアーム部を1組として形成した環状部材を複数組備えるようにしてもよい。
【0096】
また、厚み方向に、複数の環状部材を設ける際に、隣接する環状部材との間の距離は一定とする。また、その変形例として、隣接する環状部材との間の距離を異なるようにしてもよい。
【0097】
(B-1-2)図9(A)は、変形実施形態の電気的接触子21Bの構成を示す斜視図、図9(B)は、電気的接触子21Bの平面図である。図10は、電気的接触子21Bのコンタクト時のアーム部の撓みを説明する説明図である。
【0098】
図9(A)、図9(B)に例示する電気的接触子21Bは、上述した実施形態の図1の電気的接触子21と同様に、4個の第1アーム部51~第4アーム部54を備え、これに加えて、第1アーム部51と第2アーム部52との間に、第1連結部55及び第2連結部62に連結させた第5アーム部91と、第3アーム部53と第4アーム部54との間に、第1連結部55及び第2連結部62に連結させた第6アーム部92とを備える。
【0099】
第5アーム部91及び第6アーム部92は、導電性材料で形成された板状部材である。コンタクト時は、図10に例示するように、第5アーム部91及び第6アーム部92は、電気的接触子21Bの中心軸に対して外側に凸となるように撓み蓄勢する。
【0100】
このように、本発明の電気的接触子は、2個のアーム部で形成される環状部材の開口部60上に、第5アーム部91及び第6アーム部92を備えることにより、アーム部の撓み量を調整することができる。
【0101】
ここで、図9(A)及び図9(B)に例示するように、第1アーム部51及び第2アーム部52のフラットな表面上に第5アーム部91を設けず、第5アーム部91は、第1連結部55及び第2連結部62の表面上に置くようにしている。換言すると、第5アーム部91は、第1アーム部51及び第2アーム部52のフラットな表面(平面)に対して突出した状態で配置している。
【0102】
なお、第6アーム部92も、同様に、第3アーム部53及び第4アーム部54のフラットな表面(平面)に対して突出した状態で配置している。
【0103】
このように、第5アーム部91及び第6アーム部92を突出した状態で配置することにより、コンタクト時に、各アーム部(第1アーム部51~第4アーム部、第5アーム部91、第6アーム部92のそれぞれ)に荷重がかかった場合でも、第5アーム部91及び第6アーム部92が、第1アーム部51~第4アーム部54のバネ性を邪魔せず有効に発揮させることができる。また、第5アーム部91及び第6アーム部92もそれぞれ、独立して弾性を発揮させることができる。
【0104】
なお、図9(A)の電気的接触子は、各組の環状部材に対して、第5アーム部91及び第6アーム部92を設けたが、全ての組の環状部材に対してアーム部を設けず、いずれか一方の組の環状部材に設けるようにしてもよい。
【0105】
(B-2)本発明の電気的接触子は、3個以上のアーム部を分岐させて、2個以上の開口部を有する環状部材を備えるようにしてもよい。これは、図9(A)~図9(B)の更なる変形例である。この場合も、アーム部の撓み量を調整することができる。
【0106】
(B-3)上述した実施形態において、接触荷重時のアーム部の変化量(撓み量)を調整するために、アーム部の断面形状を、アーム部毎又は環状部材毎に調整できることを言及したが、その一例を、図9及び図11を用いて説明する。
【0107】
例えば、図9(A)及び図9(B)において、第5アーム部91と第1アーム部51等との各断面を比べてみると、第5アーム部91と第1アーム部51等の断面形状はそれぞれ矩形であるが、第5アーム部91の断面の高さの長さと幅長は、第1アーム部51等の断面の高さの長さと幅長に比べてそれぞれ短くすることができる。このように、第5アーム部91の断面積を、第1アーム部51等の断面積よりも小さくすることで、接触荷重時に、第5アーム部91と第1アーム部51等のそれぞれの変化量を変える調整するようにしてもよい。
【0108】
また別の例について図11を用いて説明する。図11に例示するように、第1アーム部51の下部511の幅長は、同じ第1アーム部51の上部の幅長に比べて小さくすることができ、幅長が大きい上部の断面形状と、幅長が小さい下部の断面形状とが異なる。これにより、同じ第1アーム部51であっても、接触荷重時の変化量を調整できるようにしてもよい。このように、1本のアーム部に注目して断面形状が異なるようにしてもよい。なお、他方の第2アーム部52についても同じことが言える。
【0109】
(B-4)上述した実施形態において、環状部材における開口部60の上端側の形状と、下端側の形状とがそれぞれ異なるようにしてもよいことを言及したが、その一例を、図面を用いて説明する。
【0110】
例えば、図2に示すように、環状部材の開口部60は略矩形であるが、開口部60の上端は、角部が丸みのある形状となっているが、開口部60の下端は、下方に向かうほど開口の幅長が小さくなるようなテーパ状となっている。このように、開口部60の上端形状と、下端形状とが異なるようにすることで、開口部60を形成しているアーム部(例えば図2の例では、第1アーム部51と第2アーム部52)の変化量を調整することができる。
【0111】
また別の例として、図12に例示するように、環状部材の開口部60が略逆三角形の形状であり、開口部60の上端は、角部が丸みのある形状となっている。また開口部60の上端の角部から下方に向かうほど、開口部60の幅長が小さくなるようなテーパ状となっており、開口部60の下端は幅長が狭い辺となっている。図12のように、環状部材の開口部60が逆三角形の形状とすることで、接触荷重時に、アーム部(例えば図12の例では、第1アーム部51と第2アーム部52)の変化量を調整することができる。
【0112】
さらに、図12に例示する、略逆三角形の環状部材とすることで、プローブ組立体5の貫通孔71への電気的接触子21Dの挿通をスムーズにすることができるという効果も得られる。
【符号の説明】
【0113】
1…電気的接続装置、2…配線基板、3…接続基板、5…プローブ組立体、7…開口、8…テスター接続部、11…矩形部、12…環状フランジ、13…ねじ部材、14…貫通孔、15…被検査体、16…電極端子、17…貫通孔、21、21A、21B、21C、21D…電気的接触子、51~54…第1アーム部~第4アーム部、91…第5アーム部、92…第6アーム部、81~88…アーム部、55…第1連結部(第1基部)、56…第1接触部、57…第2接触部、60…開口部、61…隙間、62…第2連結部(第2基部)、71…貫通孔、72…第1支持基板、73…壁面、74…第2支持基板、581…斜面部、591…被支持部、592…斜面部、711…第1支持孔、712…第2支持孔、741…支持部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12